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第123号

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第123号

2019・03・26更新

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統一地方選挙で、自治を担いうるリーダーを選ぼう 

 総務省の有識者研究会である「自治体戦略2040構想研究会」(以下「構想研」)が2018年7月に第2次(最終)報告を公表した。この構想研報告の要が「圏域」単位での行政の推進であり、その中身は市町村行政のフルセット主義からの脱却、圏域単位での行政のスタンダード化、圏域ガバナンスの強化と都道府県・市町村の二層制の柔軟化(都道府県と市町村の機能の結集した行政の共通基盤の構築、核となる都市がない地域での都道府県の補完・支援)である。
 構想研のキーマンであった山崎重孝氏は「地方政府のサービス供給体制の思い切った効率化による再構築」、「実際のサービス提供は標準化、ネットワーク化、アウトソーシングによりそれぞれの地域に応じた一元化を進めることが必要」と指摘し、「地方自治法の連携協約や代替執行、地方独立行政法人、地方共同法人を活用することによって、住民参加単位としての市町村に都道府県も巻き込んだ強固なサービス供給基盤を構成することで人口減少の大きな波が受け止められていく」と解説している。
 こうした提言について、「既に広域行政を進めるために多くの制度があるし、近年は連携中枢都市圏の取組みも進められている。そもそも各自治体の自己決定権を無視して圏域ガバナンスを強化することは難しいし、新たな圏域主体をつくるとすれば、それに対する住民の参加と統制どう保障するかという問題もある」と指摘されている(磯崎初仁)。
 マスコミも「自治体業務を細かく制限したり、独自性を奪ったりすることになり兼ねない」「中心都市部の周囲にある小規模自治体が埋没する」と指摘している(朝日新聞)。 共同通信が全国の自治体を対象に実施したアンケート調査(2019/2/23公表)によれば、新たな「圏域」単位での行政運営構想に自治体の34%が反対し、賛成は30%に止まっている。市町村の独自性が維持できない懸念のほか、国主導で議論が進むことへの警戒感が強いことが背景にある。反対理由では「地方の声を踏まえて慎重に議論すべき」(40%)が最も多く、次いで「自治が失われるおそれ」(30%)。賛成理由では「法的根拠や財源を持つことで実効性が高まる」(31%)、「圏域内で同一水準のサービスが提供できる」(23%)など。

 4月統一地方選挙は、地方自治の歴史的変容に立ち向かうリーダーの選出という重要な意義をもっている。

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3月の 川柳

就活の重い借金身にまとい
  森友の疑惑を晴らす粗大ゴミ
消費税財布のぞいて苦笑い
   税金を湯水の如く海にすて
震災の空をながめて年かぞえ
   非核化の道は遥かに白頭山
娑婆に出てゴーンとひとつ寺の鐘
   原発が悪魔となって人壊し
荒磯の波のしぶきで身を洗い
   腰痛を撫でているのか梅の風

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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茨城県政と2019年度予算案の特徴

山中 たい子(日本共産党茨委県議会議員)

はじめに 

○安倍政権は消費税10%への増税に固執していますが、世論調査では反対が半数を超えています。家計消費も実質賃金も、消費税が8%になる前に戻っていません。 
 知事は私の質問に、「増収額は貴重な財源」と述べ、「税率引き上げを確実に行う」よう求めてきたと答弁。暮らしを思いやる言葉は全くありません。
○日本原電が東海第2原発の再稼働を表明
2月22日、日本原電社長は茨城県・東海村・水戸市を訪れ、東海第2原発の再稼働をめざす方針を正式に伝えました。これまで事業者は、「再稼働に直結するものではない」と説明。再稼働に反対する圧倒的多数の県民世論と対決するものです。
 共産党県委員会と県・市町村議員団は、直ちに抗議と廃炉を申しいれました。
○「県政世論調査」(18年9月実施)ー県民要望トップは医療体制充実で約3割。2位は高齢者の保険・医療・福祉サービスの充実。3位は雇用の創出。4位は子育て環境の充実です。初めて質問項目に入った「原子力安全対策の徹底」は7位です。
○知事のトップダウンともいえるやり方ですすむ県立中高一貫校の10校設置。高校は1~2学級の定員減、小学生には適応検査で受験を広げることになり、競走の激化が危惧されます。また、LGBTと総称される性的マイノリテイーの差別解消を明記した条例改正案が提出されました。「パートナーシップ制度」導入について、自民党は時期尚早だと保健福祉医療委員会に修正案を提出、賛成多数で可決されました。共産党県議団は修正に反対。

1 新年度予算案の特徴

 一般会計予算案は、前年度比240億円(+2.2%)増の1兆1357億円で、過去2番目の規模です。消費税増税分を財源とした幼児教育・保育の無償化や国の「防災・減災・国土強靭化対策」に合わせた公共事業費の大幅増、茨城国体関連経費などによるものです。
 消費税増税が前提の使用料・手数料など44件の条例改定による負担増は8億円。地方消費税は平年度ベースでは140億円の増収見込み。
◇知事は提案説明で、鹿島開発以降の常陸那珂港茨城空港の建設などビッグプロジェクトを挙げ、「県発展の礎を築いた先見の明」と手放しで評価。しかし、この巨大開発がゼネコン汚職を生み、竹内知事逮捕につながりました。その後の長期橋本県政のもとでも、陸海空の大型開発が最優先され、県の借金は5千億円から2兆円にまで膨れあがりました。バブル崩壊後も土地開発は推進され、売れ残った保有土地の処分はすべて県民にツケ回しし、これまで2300億円もの税金が投入されました。

2 企業誘致、大型開発・ムダな公共事業を推進

 企業の本社機能誘致補助50億円、豪華ホテル誘致補助10億円は今年度と同規模です。常陸那珂港建設213億円、茨城空港就航対策12億円、八ッ場ダム事業・霞ヶ浦導水事業に計35億円、売れ残った土地の破たん処理と借金返済に87億円など、ムダな大型公共事業が目白押しです。鹿島3期と県央広域の工業用水道料金を1億2千万円も引き下げます。日本共産党は、事業の見直し、中止を求めています。  

3 県民の願いに逆行する地域医療縮小、保健所統廃合

○「なめがた地域医療センター」が4月から縮小されようとしています。入院4病棟を1病棟にし、休日夜間救急の受け入れ中止、医師数も半分になるというもの。
県は鹿行地域で唯一、重篤な救急患者に対応する「地域救命センター」に指定しています。医師数が全国最下位クラスの鹿行地域において病院を縮小すれば、地域医療の崩壊につながります。
地域住民や病院職員などは1万8千筆を超える撤回署名を集めています。鉾田市長や行方市長も知事宛に要望書を提出しました。
 県は、JA県厚生連と医師派遣元の筑波大学病院に縮小計画の見直しを要請すべきです。 
○保健所の統廃合を11月に実施予定(12カ所→9カ所+2支所)
 昨年5月、統廃合が明らかになるや、大子町をはじめ9自治体の首長と6議会、3団体から存続を求める要望書や意見書が次々に出されました。
 難病団体連絡協議会は要望書で、2時間超の地域があることや災害時の対応、難病情報の提供機会が減ることなどを指摘。県は、難病や小児慢性疾病等の医療費支給認定に係る申請を市町村への権限移譲で対応するとしていますが、難病団体の不安を払拭することができるでしょうか。

4 東海第2原発をめぐる情勢

 日本原電は周辺6市村との新安全協定に続き、8市町(加えて小美玉市も同様の扱い)と安全確保協定(以前の通報連絡協定を拡大)を新たに締結しましたが、了解権は認めていません。
 県は1~2月にかけ6市村で住民説明会を開き、適合判断した規制庁が説明しました。規制委員会は、「基準に適合しても安全を保障するものではない」と無責任な説明を繰り返し、県民の安全を置き去りにした審査であることが明らかになりました。
 原電は、すでに「安全対策」として防潮堤やフィルターベント装置の工事に着手しています。県と東海村は事前了解の対象設備としていながら、2017年11月2日の通知で工事を認めてしまいました。これでは、再稼働のための工事がなし崩し的に進められてしまいます。本格着工前に自治体は中止の判断を下すべきです。
 県は20年ぶりに「大規模地震被害想定」を見直し、県北部の活断層による地震や東海村を含む太平洋プレート内で発生する地震をあらたに加え、最大で震度7を想定。県自ら大規模地震の発生を想定するならば、廃炉にすることが一番の安全策です。30㌔圏内96万人の広域避難計画策定作業はゆきづまり、実効性ある計画の策定は不可能です。
 県内市町村で再稼働反対等の意見書採択(趣旨採択含む)は34市町村議会、首長の反対表明は10人です。また、茨城大渋谷敦司教授らによる住民アンケート(12月~1月実施)によると、避難計画は約6割が「かなり難しい」との見方を示し、住民意思の確認方法は7割超が住民投票などで直接的な意思表明を求めていることがわかりました。

5 住民運動と結んで要求が実現、前進

○精神障害者手帳1級者1100人にマル福適用し医療費助成が拡充。
 県精神保健福祉連合会が精神障害者の医療費助成の拡充を求め、2万人超の署名を提出。手帳2級までの拡充が課題。
〇医療的ケア児の医療型ショートステイ受け入れ。
〇児童相談所の虐待対応の強化(児童福祉司・児童心理司121人体制に)。
〇3~5才児の幼稚園児・保育園児等の無償化。
〇第3子以降3才未満の保育料無償化、所得制限廃止。
〇保育所の定員259人増、保育所4カ所増設。
〇特別養護老人ホームの定員669増。
〇犬猫殺処分ゼロの推進事業の拡大。通学路の安全確保。

おわりに

 安倍政権のウソとごまかし、強権政治が横行するもとで、9条改憲、消費税増税は許さず、東海第二原発再稼働ストップ、国の悪政から県民生活をまもるために共同の力をさらに広げてがんばります。

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公共施設等総合管理計画の統廃合・再編にどう取り組む(1)

~ 次号につづく

角田 英昭(自治体問題研究所)

はじめに

 総務省は2014年4月、公共施設等の統廃合・再編を本格的に推進するため各自治体に公共施設等総合管理計画を策定するよう要請し、すでに各自治体は基本計画を策定し、実行段階に入っています。この計画は、これ迄のような自治体による個別、施設ごとの統廃合、更新に止まらず公共施設を中長期的な視野に立って全面的に見直し、総量削減、経費抑制を国主導で推進していくものです。

1 計画の背景と策定の主旨、位置づけ

 計画の背景、主な理由は次の3つです。
 1つは、公共施設の老朽化です。どの自治体も公共施設は高度経済成長期以降の1970年代後半から80年代にかけて集中的に整備されており、今後、大規模改修に加えて更新(建替)が必要になり、その経費が急増すること。
*南島原市の公共施設(建物)の総数は367施設(延床面積33万㎡)で、施設種別でみると学校
教育系施設が最も多く36施設11.6万㎡(35%)、公営住宅49施設5.7万㎡(17%)、スポーツ・レク施設44施設2.9万㎡(19%)、行政系施設65施設2.7万㎡(8%)である。
 多くは高度経済成期以降の急激な人口増等に伴い整備されており、築30年の公共施設は延床面積で17.4万㎡(53%)になる。既に大規模改修の時期を迎え、今後は一斉に更新時期を迎える。公共施設は一般的に築30年で大規模改修、60年で建替が必要とされている。
なお、同市は2006年に8 町による合併を行い、学校、公民館、庁舎等の建物施設や道路、上下水道等のインフラ施設を多く保有することとなった。

 2つ目は、人口減少、人口構成の変化、少子高齢化に伴う利用(者)需要の変化です。それに伴い関連施設、特に小中学校や子育て施設、地域施設の見直し(統廃合、用途転換等)が提起されていること。
 *市の人口は46,535 人(2015年現在)で、1990年からの25 年間で約16,300 人減少している。国立社会保障人口問題研究所の将来人口予測では、今後も減少が続き2040年には30,919 人に減少すると推計されている。合計特殊出生率は1.99(2015年)で全国平均より高い。
年齢別構成は、2015年は年少人口12%、生産年齢人口52%、老年人口36%であるが、2040年には15%、44%、41%になる。人口の将来展望では2060年に約3万人を確保したいという。

 3つ目は、財政の悪化である。自治体は介護・子育て需要の増大、貧困化の拡大等で社会保障経費が急増している。ところが国は財政支援や制度改善はせず、逆に地方に更なる行政改革や経費削減を求め、自治体では単独事業、特に経費が急増する公共施設の改修・更新費が標的にされている。この間、扶助費等の増に対応するため投資的経費が切り詰められている。
 そのため、政府は総合管理計画の策定に当たって、①所有する公共施設等の現況と将来見通し、②総人口や年代別人口の推移と今後の見通し、③公共施設等の維持管理、修繕、更新等に係る中長期的な経費とそれに充当可能な財源の見込みを明らかにするよう要請しました。
その趣旨は、これから人口は減る、財政も厳しくなる、だからそれを踏まえて人口規模と充当可能な財源から施設の総量と改修・更新・維持管理費の削減を徹底させるものです。
 この背後には安倍政権が進めている公務・公共サービスの縮減、民営化、産業化政策があります。問題はそれで住民の暮らし、地域がどうなるのか、その視点が全く欠落しています。

2 計画の推進に向けた財政措置

 政府は施設再編を着実に推進するため2015年度以降、財政支援(資料参照)を行っています。その内容は、①公共施設の解体撤去に係る地方債の特例措置、②集約化・複合化(延床面積減少)、③転用事業に係る地方財政措置であり、2017年度からは長寿命化事業、立地適正化事業、市町村役場機能緊急保全事業、2018年度からユニバーサルデザイン化事業を追加しました。
 なお、インフラ施設は統廃合が困難であるとして長寿命化が重点となっており、対象施設は毎年拡充(資料参照)されています。
 財政措置も当初、交付税参入率は30%(集約化・複合化事業だけ50%)でしたが、2018年度から財政力に応じて30~50%に拡充されました。具体的には財政力指数が0.8以上は現行通り30%、0.4以上0.8未満は30~50%、0.4未満は50%となりました。

 この間の活用状況(総務省・平成29年度の同意予定額と12月分までの届出額の合計)は、除去事業210億円、集約化・複合化事業220億円、長寿命化事業200億円、転用事業2.7億円、立地適正化事業17億円、市町村役場機能緊急保全事業45億円です。これは国の当初見込み(予算額3400億円)からすれば非常に少ない額であり、自治体側の慎重な姿勢が反映しています。
 総務省は更に周知すると述べていますが、公共施設は住民の暮らし、地域のあり方に直結しており、財政誘導策を行えばすぐにできるようなものではありません。
そのため総務省は、2018年2月に策定指針を改訂し、改めて公によるサービスの必要性(民間による代替可能性の検討)や施設の更なる削減、トータルコストの縮減、PDCAサイクルの確立、PPP/PFIの積極活用、広域連携の推進などを徹底させています。
この計画は「まちをコンパクトにする、公共施設を統廃合する」という自治体にとっては初めての縮小・再編計画です。既に計画は実行段階に入っており、基本計画に沿って長期修繕計画や個別施設計画、再配置計画等が提起され、住民、地域側も具体的な判断、選択が迫られます。

3 本格実施に向けた論点と課題

(1)今日の人口減少、少子高齢化の進展、地方財政の状況等を勘案すれば、公共施設等の見直しは必至であり、政策的な対応が求められます。問題はその中身、進め方です。
 公共施設等は、地域社会やコミュニティの核であり、住民のライフサイクル全体を通して福祉の増進を図り、社会・経済活動を営む基盤をつくるものです。一律的な削減ありきでなく、施設の設置目的や住民の暮らし、地域の実態、将来の姿をよく見極め、まちづくりの一環として住民の参加、合意形成を図って進めるべきです。
自治体の財政が厳しく管理経費が増えることは事実ですが、予算を何に使うのか、自治体の本来の役割は何か、公共施設は何のためにあるのか、それらをよく踏まえ、事務事業全体の見直し、政策選択の中で考えていくことが必要です。

(2)実施方針の柱と実行計画
 各自治体の実施方針をみると、多くは①施設の総量を抑制(削減)する、②新規施設は原則つくらない、③複合化、集約化を図る、④予防保全・長寿命化を推進する、⑤PPP/PFIを優先活用する、⑥受益と負担の適正化を行う、⑦資産の有効活用を行う、を柱にしています。
 現在、それらを踏まえて実行計画が示され、施設の診断、必要性、大規模改修・更新の時期・規模、長寿命化対策、削減目標、施設の統廃合・複合化・集約化・再配 置計画、機能転換、財政運用の効率化、施設利用の有料化・値上げ、未利用資産の売却、跡地利用、売却益の運用等が提起されています。
 政策的な重点は、①施設機能の維持と機能集約の推進、②施設経営の効率化、③統廃合、集約化、複合化、④総合的な財源確保策の推進、⑤広域連携の検討などです。
その趣旨は、施設重視から機能重視、施設機能は維持するが施設自体は集約化、複合化を徹底し、大規模化した施設整備・管理運営にPPP/PFIを優先活用していくものです。

南島原市の公共施設等の管理に関する基本的な方針

 方針1 公共施設の適正配置と施設総量の縮減を図る
○公共施設(建築物)の新規整備の抑制
 新規に公共施設の整備が必要となった場合、既存施設や土地の有効活用等を検討し、既存施設の複合化や転用等により有効活用を図ることを検討する。複合化や転用等の実施が難しい場合、ライフサイクルコスト等を十分に検討し、財政状況に見合った施設総量の最適化を図りながら、新たな整備に対応する。
○既存施設の見直しによる複合化や縮減
・利用者が少ない施設や空きスペースが見られる施設は、将来も有用な施設であるかを把握した上で施設機能の移転や施設の統廃合を含めた施設保有のあり方など施設の現状を評価・検証し、短期もしくは中長期的な視点により施設の統廃合や複合化の可能性を常に検討する。
・老朽化に伴い更新する場合、施設機能を維持しつつ周辺施設との複合化や集約化、又は他施設からの転用等について検討する。
・複合化が難しい施設の更新は、ライフサイクルコストを検討し、必要最小限の規模とする。
・借地上に設置されている施設は、優先的に他施設への統廃合や複合化を進める。

 方針2 公共施設の計画的な予防保全等の実施により長寿命化を図る
○予防保全型の維持補修への転換
・改修・更新経費の平準化を行う際は、従来の「事後保全」から異常の兆候を事前に把握・予測し、計画的に改修等する「予防保全」への転換が有効とされており、その考え方を取り入れ、施設の長寿命化及び財政負担の平準化を図る。その際に維持管理コストの最適化を検討する。
・工事の実施にあたっては、緊急度の高いものから優先順位を付して行うよう検討する。

 方針3 公共施設の効率的な管理運営を目指す
○維持管理コストの最適化
・施設の維持管理費用については、ライフサイクルコストの検討の際に光熱水費、委託費(清掃、警備、保守点検等)の維持管理費の適正化を図り、その縮減を図る。
・維持管理マニュアルの作成など効率的な施設管理を推進し、運営コストの最適化に取り組む。

 <更新費用の削減目標の設定>
 市の推計では、今後40 年間の公共施設(建物)の更新費総額は1,425億円となり、年平均35.6 億円(更新・大規模改修費、維持費含まず)となる。2016年度から2022年度までの「市財政計画」の中で、計画最終年度となる2022年度の普通建設事業費は39.6億円と計画しており、その計画予算額を維持できたとしても、それを年間投資的費用と想定した場合、インフラ施設(道路・橋梁以外の施設も含めた)更新費用が年間16.3 億円必要と想定すると、公共施設(同)への更新費用は年間23.3 億円となり、推定更新費用35.6 億円から12.3 億円を削減する必要がある。→よって公共施設(同)の更新費用を今後40 年間で35%(12.3/35.6)圧縮することを目標とする。

(3)論点と課題
 以下では、自治体の基本計画の内容、実施方針等を踏まえ、その論点と課題、今後の取組みについて検討したいと思います。
 <施設総量の削減>
 各自治体の削減目標を見ると概ね今後30~40年間で10~30数%削減するとなっています。それは主に人口減少・財政面からの試算であり、端的に言えば、国の指針に沿って今後の人口減少、充当可能財源に見合って施設総量を削減するものです。問題はそれで住民の暮らしや地域がどうなるのか、それがきちんと検証されていないことです。
 相模原市の公共施設白書(平成24年3月版)は「施設の床面積で80%まで削減することは、市内の全ての行政系施設と市民文化施設、生涯学習施設、スポーツ・レク施設を廃止することに相当する」と述べています。学校教育施設、公営住宅が多い中で20%削減というのはそういうことであり、当然に両施設の削減も課題になります。
また、人口減少をどのように計画に反映させていくのか、それも大きな課題です。例えば、30年、40年後の人口を国立社人研の人口予測に基づいて試算し、それを踏まえて計画を策定している自治体もありますが、これは自治体が何も対策を講じない場合の試算値です。
 同時に、各自治体は現在、国の重点施策である「地方創生」総合戦略の中で人口減少対策を講じており、その成果を見込んだ目標人口を設定しています。地域の将来を考えればこれを基本にすべきです。
 厳しさだけを強調し、国基準で削減目標を高くし、暮らし、地域を支える公共施設を一律に統廃合・再編すれば、人間らしい暮らし、地域を維持することはできません。安易な統廃合で人口流出、地域の衰退、過疎化に拍車がかかっては何の意味もありません。
 いま大事なことは、暮らし優先、地域再生、地域経済の活性化に本格的に取り組み、それに見合った人口規模で公共施設の計画を立てるべきです。

 充当可能な財源の設定については、多くの自治体が直近数年間の投資的経費を参考にしていますが、それは大規模改修や更新が本格化する前の水準であり、今後はそれが相対的な重点となる中での予算措置として妥当なのか、予算全体の見直しが必要です。
 更に、国の財政支援措置(各事業等での交付税参入率など)や長寿命化・複合化等に伴う財政効果等が適切に反映されているのか、老齢人口(65歳以上)の就労率も高く、役割も拡大し、社会的な位置づけも変わってきています。田園回帰・地方移住等も増えています。中長期的には今の自民党政権の大企業優遇の税制体系や施策の見直しも必要です。
 また、南海トラフや首都圏直下地震の危機も迫っており、三大都市圏、特に東京圏への一極集中の見直し、周辺地域の維持・発展は大きな課題になっています。

 施設削減の数値目標については、国は「計画の実効性を確保するため」可能な限り定めるよう要請していますが、設定していない自治体もあります。長野県では29市町村が見送っており、「飯田市は『市内の地区ごとに施設の必要性を住民主体で議論してほしい』との考えから削減目標を盛り込まなかった」(信濃毎日新聞2017/8/15)と報道されています。
 基礎的な公共施設は、日常生活圏に整備していくのが基本であり、特に地域施設は当該地域の住民、町内会、自治会等との協議、あり方検討が不可欠です。飯田市では各地区に地域別検討会議が設置され、地域が主体的に検討し、あり方を決めています。そこでは地域の自治力の発揮、自主的・自律的な運営、行政との協働が基礎になっています。
 森裕之氏(立命館大学)は、「公共施設は本来的には住民の共有財産であり、社会経済状況に合わせてそれをどのように活用するかは最終的に住民の判断に委ねられるべき事柄」と指摘し、飯田市の取組みはその先進例であり、それが可能となった背景には「公民館活動や都市内自治を実践してきた行政としての姿勢がある」と述べています。  (以下次号で完)

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イラスト1

いべんと

第34回 まちづくり学校

住民全体の奉仕者として、自治体職員のあり方を考る

まちづくりについて いっしょに考えてみませんか

 『まちづくり』には、住民のみなさんのご意見とご協力、ご支援が大変重要です。市役所だけでは良い『まちづくり』は決して出来ません。より良い『まちづくり』、住み良い『まちづくり』をしていくためには、住民のみなさんと私たち自治体職員とのつながりも大変重要だと思います。
 私たち自治体職員の現場の声と住民のみなさんの貴重なご意見を聞きながら、みんなで『まちづくり』について一緒に考えてみませんか?

皆様の参加をお待ちしています。お気軽にお出かけ下さい。

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日 時 : 6月23日(日) 10時開校( 9時30分 受付開始)
場 所 : 境町中央公民館 (猿島郡境町395番地1 ℡0280-81-1340)
講 演 : 清山 玲 氏(茨城大学教授) 「自治体職員の働き方改革とは」

分科会 午後1時30~4時

① 自治体職員の働き方改革(調理実習室2階)

 長時間残業の横行、非正規職員の増大、人事評価の賃金反映等、様変わりする仕事職場での自治体職員の働き方を考えます。

田中重博氏(茨城大学名誉教授)


② 介護保険法の改正による住民と国・自治体の役割(研修室A・2階)

 4月に介護保険が改正され65歳以上の保険料引き上げや利用者負担増がなされた保険料の引き上げ、滞納差し押さえの問題と国・自治体の役割を考えます。

木村冬樹氏(茨城民医連事務局長)


③ 貧困問題と生活保護 セフティネットを考える(研修室B・2階)

 貧困が拡大する中、生活保護基準が引き下げがあり、制度が改悪されています。憲法25条を活かし誰もが人間らしい生活ができるように、セーフティーネッツトのあるべき姿を考えます。
田川英信氏(全国生活と健康を守る会連絡会事務局員)


④  講座  東海第ニ原発をめぐる情勢と今後の課題(講堂)

 原子力規制委員会は11月7日、最長20年延長を認可した。被災原発で初めての再稼働。地元同意や避難計画など先行きは不透明である。今後廃炉に向けた闘いの方向を探ります。
小川仙月氏(脱原発ネットワーク茨城)


資料代 500円  
昼食代(弁当) 800円 【希望者は事前に申込が必要】
その他 保育ルームあり(無料・1階和室)

主 催: 第34回まちづくり学校実行委員会 後 援 : 境町

<問い合わせ>

茨城県自治体問題研究所 ☎029-252-5440(FAX兼用)
茨城県自治体労働組合連合☎ 029-864-2548・FAX 029-864-2579
境町職員組合 ☎ 0280-87-1604(FAX 兼用)

新刊紹介

「自治体戦略2040構想」と地方自治

白藤博行・岡田知弘・平岡和久著 

A5判/定価(本体1000 円+税)

 アベノミクスの失敗で疲弊が続く地方。住民のいのちと暮らしを守る市町村の役割が再認識されている。
 ところが、政府は、連携中枢都市圏(や定住自立圏)のような「圏域」を地方行政の単位として法制化し、住民サービスも自治体間で「標準化」「共通化」「広域化」しAI やロボットそして民間企業に任せ、公務員は半減させるなど、地方自治を骨抜きにすることを狙っている。これらは、「自治体戦略2040 構想」という研究会報告として公表され、法制化への議論とともに、地方財政政策などを通じて具体化も始まった。
 本書では、「自治体戦略2040 構想」とは何か、地方自治の姿をどう変えると予想されるのか、憲法と地方自治法が示す自治の視点から見たときに何が問題となるのかについて、解説する。

「豪雨災害と自治体 防災・減災を考える」

A5判・並製・160 頁/定価(本体1600 円+税)

 豪雨災害はどのように発生し、どう対応すべきか?
 毎年のように豪雨災害が猛威を振るっている。その原因・メカニズムを気象学、被害の拡大を地質学から追究し(寺尾徹、田結庄良昭)、2018 年の豪雨が各地にどのような災害をもたらしたか、現地からの詳細な報告を収める(磯部作、越智秀二、村田武、山藤篤、松岡淳、小淵港、田結庄良昭、池田豊)。そして、このような災害に対して自治体はどう対応すればよいのか、防災と減災の視点から問う(室崎益輝、塩崎賢明、有田洋明)。

「水道の民営化・広域化を考える(改訂版)

尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー184 頁/定価(本体1700 円+税)

 改正水道法成立!「いのちの水」をどうする。2018 年12 月6 日、改正水道法が成立した。多くの庶民の疑問、マスメディアでの反論をものともせず、既定方針のように審議を通した。水道が生き残るには、民営化、広域化しかないのか。すでに、各地で起こっている「水」めぐる民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくか多角的に考える。

準新刊

『人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望』

中山 徹(著)

発行年月日:2018/11/15  1,200円+税  A5 112ページ

 人口減少に歯止めがかからず、東京一極集中はさらに進む。自治体そのものを見直そうとする「2040構想」も始動した。こうしたなか、保守と革新の共同による「市民共同自治体」の動きも出始めている。地域が大きく再編されようとしている今、市民と地域を守るためにはどうしたらよいのか。「市民共同自治体」を提唱して、市民のニーズを政策に活かす方法を考える。

目次
はじめに
 1章 新自由主義による国土・地域・コミュニティの再編
  なぜ国土・地域・コミュニティの再編なのか
  再編の具体的内容とそれを進める政策
  自治体再編の方向性
  再編のコンセプトと進め方
 2章 自治体の動向と市民共同自治体への展望
  開発型自治体と削減型自治体
  市民共同自治体の誕生
  市民共同自治体の展望
 3章 市民共同自治体の政策
  政策の基本的な枠組み
  すべての主要施策に格差是正を貫く
  地域のまとまりをどのようにして創り出すのか
  行政責任を明らかにする
  なぜ市民参加が重要なのか

原発再稼働と自治体
―民意が動かす「3つの検証」― 新潟県はその出口を探す先頭に立っている
立石雅昭・にいがた自治体研究所編

A5判 定価(本体1200 円+税)

 福島原発事故から7 年半。控えられていた原発の再稼働が復活してきているが、それでも再稼働はスムーズに進んでいるとは言いがたい。それは、国民の過半数が原発再稼働に懐疑的であり、反原発・脱原発の世論が強く根を張っているためである。世界最大の柏崎刈羽原発を有する新潟県は「3 つの検証」―事故原因の検証、健康と生活に及ぼす影響の検証、安全な避難方法の検証―を掲げて福島原発事故の検証を行っている。その活動の意味を問う。

序 原発立地自治体・地元自治体に問われていること 池内 了
1 新潟県検証委員会の活動の意味 大矢健吉
2 技術委員会の検証―明らかにしてきたことと引き続く課題 立石雅昭
3 原発事故による避難(新潟県内避難者)生活の現状と課題 松井克浩
4 原子力災害がもたらした避難(福島県相双地区)生活の実態  丹波史紀
5 避難計画をめぐって 佐々木寛
6 柏崎刈羽原発をめぐる原子力安全協定とその法的性質 石崎誠也
7 原発立地都市・柏崎市の地域と経済 保母武彦

どこを目指す !! 自治体戦略2040構想
― 研究会報告の概要と問題点、課題 ―

A5版・24頁  定価250円(地域研卸単価200円)

地域研の皆様へ
 地域研の皆様には日頃から大変お世話になっています。
 さて、自治体戦略2040構想研究会の最終報告が7月に公表されました。構想研は「2040年頃をターゲットに人口構造の変化に対応した自治体行政のあり方を検討する」として2017年10月に設置された総務省の有識者研究会です。
 その趣旨は「高齢化がピークを迎え、若い勤労者が激減する2040年頃の姿から自治体の課題を逆算する形で整理し、今の半数の職員でも対応できる仕組みを構築」するというもので、それは今日の地方自治、自治体のあり方を抜本的に見直し再編していくものです。 
 これを受けて、同月に第32次地方制度調査会が設置され、この内容が諮問されました。
 地制調に諮問したということは、その結果を踏まえて法制度改革を行うということです。
 私たちも地制調での議論を見極め、内容を検証し、対置政策を示して世論を喚起していくことが必要です。そのため研究所ではまず構想研報告の内容を知らせ、問題点、課題を明らかにしていくことが急務と考え、今回、職場や地域等での学習会向けに標記ブックレットを緊急に発行しましたので1冊送付(贈呈)します。また、皆様には割引単価を設けましたので、普及(490部)にもご協力をお願いします。
 なお、ブックレットの表題、目次、報告表題の「自治体戦略2040年構想」は誤記で、正しくは「自治体戦略2040構想」ですので正誤表を入れてあります。

  • - - -
    はじめに  岡田 知弘
    自治体戦略2040構想研究会報告の概要と問題点、課題- 角田英昭 
    1.構想研報告の概要 
    2.構想研報告の問題点、課題

既刊ブックレットもお手元に!      
どこを目指す、自治体戦略2040構想(A5 ・ 24頁) 200円   
原発災害避難自治体の現況と復興、自治の課題(A5 ・ 40頁)300円   
どこを目指す、公共施設等総合管理計画(A5 ・ 40頁)300円   

「いのちの水」をどう守っていくのか!

水道の民営化・広域化を考える
尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー180 頁/定価(本体1700 円+税)

 老朽化、料金6 割上昇、人口減に維持困難……、これらは水道について語られる危機だ。国は水道法改正を視野に入れ、民営化と広域化を推し進め、この危機を乗り越えようとしている。しかし、こ
の方向は正しいのか。すでに、各地で始まっている民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくのか多角的に考える。
目次から
プロローグ●水をめぐるウソ・ホント 解説● 2018 年水道法改正とは
Ⅰ 水をめぐる広域化と民営化の現場
イントロダクション ●各地で具体化する広域化・民営化の動き/ 香川県●県主導の水道広域化の矛盾/ 宮城県●水道事業へのコンセッション導入の問題点/ 浜松市●下水道処理場のコンセッシ ョン化問題/ 京都府●簡易水道と上水道の統合/ 奈良県●奈良市中山間地域の上下水道のコンセッション計画/ 埼玉県●秩父郡小鹿野町民の水源・浄水場を守る運動/ 大阪市●市民が止めた水 道民営化/滋賀県●大津市のガス事業コンセッション
Ⅱ 水をめぐる広域化・民営化の論点
上水道インフラの更新における広域性と効率性/水道の民営化・広域化を考える

川瀬 光義『基地と財政 ー 沖縄に基地を押しつける「醜い」財政政策』

A5 133頁 1600円+税

本書のねらいは、このあまりにも不条理な基地新設の「同意」を得ることを目的として日本政府が講じてきた 財政政策が、いかに醜いものであるかを示すところにあります。名護市をはじめとする沖縄本島北部地域自治体への特別な財政政策を最初に提示した当時の首相は、橋本龍太郎氏でした。そのとき、これは基地新設の見返り
かという旨の問いかけに対して橋本氏は、強く否定しました。その姿勢からは、沖縄の人々に対する後ろめたさ'を少しは感じることができました。しかしその後ろめたさ'は次第に後退し、第4章で紹介した米軍再編交付金及び再編特別補助金に至っては、政治的意見の相違によつて公的資金の配分を差別することを合法化するという、醜さの極致と言ってよいなものとなつてしまいました。

 本書を通じて、こうした醜い政策でしか維持できないような日米安全保障体制とは何なのかにつぃて、読者の皆さんが考える糸口になれば、筆者としてこれにまさる喜びはありません。

『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
         

本田宏著 (医師・NPO法人医療制度研究会副理事長)

A5判110頁 定価(本体1100円+税)

主な内容
 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著書が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて究明する。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方まで俎上に載せて検討する。

Excelを駆使して自治体の財政を分析する!
データベースで読み解く自治体財政 地方財政状況調査DB の活用

武田公子 著 金沢大学経済学経営学系教授

B 5 判94 頁 定価(本体 1600円+税)

 総務省は市町村の財政状況を表わす「地方財政状況調査DB(データベース)」をウェブサイトで公開しています。そのサイトへのアクセスから、様々なデータファイルのダウンロードと整理ファイルを使った分析手法までを、図表を駆使して分かりやすく解説します。自治体財政の全般的な動向を捉える基本的な分析方法を初め、公営企業や国民健康保険会計、公立病院事業に対する繰出金の分析、合併特例債の終了期を迎える合併自治体の財政状況の検証、そして復旧・復興に関わる被災自治体の財政分析などを実例に即して展開します。
第1章 自治体財政の制度概要と全般的動向
 地方財政の基本的な枠組み/地方財政に関する全国的動向
第2章 地方財政状況調査データベースの利用方法
 地方財政状況調査データベースの所在と意味/地方財政状況調査DB 利用の実際――歳入内訳の分析/データの整理/性質別経費の分析/目的別経費の分析
第3章 グラフの読み取りとさらなる分析方法
 グラフの作成/全国自治体に共通した動向/普通建設事業費の内訳とその財源/民生費と扶助費の関係/ 地方債の分析/積立金の動向/人件費と物件費の動向
第4章 一般会計と他会計との関係
 財政健全化判断比率と財政状況資料集/繰出金の分析/国民健康保険会計の分析/公営企業会計への繰出の詳細を調べる――病院の例
第5章 合併自治体の財政分析
 合併自治体の分析目的とデータのダウンロード/データ整理の手順/歳入グラフの読み取り/歳出グラフの読み取りと詳細データ/地方債の分析
第6章 被災自治体の財政分析
 国による財政措置/復旧・復興事業分歳入の分析/歳出の分析/災害復旧事業と普通建設事業/復旧・復興事業                            

本田宏著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
医師・NPO法人医療制度研究会副理事長

A5判110頁 定価(本体1,100円)

 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著者が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて糾弾します。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方にまで俎上に載せて追究します。

第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ

第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する

第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育

第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする

第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

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加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

                    
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版) 
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!  

B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)

財政デザイン研究所代表理事  大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著

●基礎からステップアップまで
 決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
 財政を学ぶ心構え・分析方法
 赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
 自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税/地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか
 どこにおカネを使っているの?(歳出のしくみ): 目的別と性質別/「充当一般財源等」

『公共施設の統廃合・再編問題にどう取り組む-計画づくりから本格実施へ-』

角田英明
A5版・32頁 一般普及300円(地域研・自治労連割引単価200円)

 全国の自治体では、現在、公共施設等総合管理計画づくりが急ピッチで進められています。
 既に2015年度末までに全国30道府県、15指定都市、396市区町村でつくられ、今年度末にはほぼ全自治体で策定されます。これはこれまでのような個別施設の更新、統廃合に止まらず、公共施設全体を中長期的な視野に立って全面的に見直し、再編していくものです。そのため国は、公共施設等の解体撤去や公共施設の集約化・複合化、転用等に係る財政措置を講じて各自治体に計画の策定と実施を迫っています。同時に、この計画は「地方創生」戦略や市町村合併、指定管理者制度などと一体的に進められています。
 本書では、こうした状況を踏まえ、政府施策や各自治体の計画内容、今後の取組みの課題、方向を検討しました。皆さん方の活動に活用していただければ幸いです。

はじめに 
 1.いま、なぜ、公共施設の統廃合・再編か 
 2.計画の策定・推進に向けた政府の対応 
 3.各自治体の計画づくりと実施方針(秦野市 さいたま市 相模原市)
 4.今後の取り組みの留意点と課題 
 5.「地方創生」総合戦略と一体的に推進 
 6.市町村合併の中で進む公共施設の統廃合・再編 
 7.指定管理者制度における公共施設の再編問題 
おわりに

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