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「いばらきの地域と自治」最新号

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第111号

2018・03・23更新
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大子町本町通り「十二所神社百段階段」=久慈郡大子町

十二所神社参道にある通称「百段階段」を舞台に、絢爛豪華に飾られる約1,000体の雛人形は壮観。 「百段階段」の雛飾りは1日限りだが、町内約150ヶ所の商店や事業所では、2月19日(月)~3月4日(日)まで、ひな人形が飾られた。

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自民党の9条改憲絞り込みは迷走中!

 3月14日に自民党憲法改正本部執行部がまとめた9条改憲の本命案は、「必要最小限度の自衛力」として「自衛隊の保持」を明記するというもの。
 が、翌日15日の全体会合では2項削除論
者の石破・元幹事長が「必要最小限だから戦力ではない、戦力ではないから軍隊ではない
との理論を引きずってはいけない」と批判。
2項維持を支持する出席者からも、憲法に明示することで「「必要最小限度とは何か」という新たな論争を呼びかねないなどの懸念が相次いだ。このため、執行部は削除を検討。
「必要な自衛隊を目的として」自衛のための自衛隊」などの表現とする方向で調整している。
 ■ 阪田雅裕・元内閣法制局長官は云う。現9条2項を維持したまま自衛隊を明記すれば、矛盾が生じると考えざるを得ない。自民の条文案に書かれる自衛隊(実力組織)が、なぜ2項が禁じている「戦力」に当たらないのかという説明が文章として表れていないことが最大の問題だ。
 自衛隊を明記すれば合憲とはなるだろうが、この案では「いまの自衛隊」に許される以上のフルスペックの集団的自衛権まで合憲化してしまうのではという議論は残る。新たな9条の2に「前条の範囲内で」と補ったとしても、それが何を意味するのかが明らかではないという意味では同じことだ。
  国民をごまかして何となく国民投票で可決した後に、「集団的自衛権の行使も含めて国民は承認してくれた」と言いたい狙いが透けて見える。本命の自衛隊明記案も、任務の範囲が不明確なままでは憲法上の歯止めが利かず、国防軍と同じ任務となる可能性がある。
 行政組織内部の統制はシビリアンコントロールの趣意を実現できない。

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関東・東北豪雨災害から2年半、常総市のその後

常総市職員労働組合
執行委員長 濱野 真

はじめに

若宮戸堤防

 昨年11月、平成27年9月関東・東北豪雨による水害の被災者に対する住宅の無償提供(みなし仮設住宅)が終了した。つくば市などの公務員宿舎や県営住宅、民間賃貸住宅などで暮らした被災者は、最大106世帯285人に上り、最後の3世帯6人は、無償から有償への切り替え、民間賃貸住宅に転居したことにより、復旧・復興に一つの区切りがついたことになる。しかし、市に帰還した住民の生活再建や、市内には復旧に手つかずの空き家や更地が目立ち、また商業の立て直しの課題は急務であることから、今後は真の復興をめざし、市を挙げてのさらなる取り組みが必要となる。

鬼怒川護岸工事

 市では、水害を教訓として、「防災先進都市」を目指した取組を行っているが、そのうちのいくつかを紹介するとともに、その課題を述べることとする。

市内一斉防災訓練

 今年1月21日、鬼怒川の水が最初にあふれた若宮戸地区の現場に建てられた水害記念碑の除幕式が行われた。同地区の鬼怒川には水害前、自然堤防のみで、人口の堤防がなかったが、昨年9月に延長940メートル、高さ4.7メートル、頂上の幅6メートルの堤防が完成した。現在は、さらに上流に向けて600メートル区間の工事が続いている。

 また、国交省のプロジェクトにより、鬼怒川をはじめとする市内を流れる小貝川などの河川では、現在も堤防強化工事などが急ピッチで進められている。
 記念碑の除幕式が行われた同日には、市で初めてとなる市内一斉防災訓練が実施された。新災害情報伝達システムによる訓練が行われたほか、市内23の指定避難所で市民の受け入れが行われ、そのうち、2つの避難所では段ボールベッドの組み立てや日本赤十字社の奉仕団による炊き出しが行われた。訓練に参加するため、避難所を訪れたのは、全体で529世帯793人と発表されている。
 当日、私は、指定避難所の責任者として、鬼怒川西部地区の避難所の開錠、避難所に訪れた参加者の対応を行っていたが、参加者はわずか、6世帯9人であった。そして、当日避難所の責任者などとして係員になってない市職員の参加は非常に少なかった。

 水害当時を振り返って見ると、私の自宅は、市内の鬼怒川西部地区にあり、水害の被害は受けなかったため、水害直後でも自宅に帰宅できた。そのときに、自宅周辺は水害の被害を受けた鬼怒川東部地区の状況とは全く違い、同じ市内であるにもかかわらず、その何も変わらない平穏な街並み、そしてその温度差に愕然としたことを記憶している。

被害状況

 この防災訓練で、私が担当した避難所への参加者が極端に少なかったのは、水害を受けなかった地域であったことが大きな要因であったと思われる。市では、「防災先進都市」として、マイタイムライン(※1)の普及や防災士の養成を積極的に行っている反面、このような地域間の防災に対する意識の差を解消する対策は、これからの重要な課題である。そのほか、水害時にあの過酷な状況を肌で感じている市職員が、まず、訓練に率先して参加するような意識づくりに早急に取り組まなければならない。

まるごと・まちごとハザードマップ

電柱のテープ2

 洪水が発生した場合に、浸水が想定される区域内の主要道路などにある一部の電柱に、想定される浸水の深さの最大値を看板やテープ(鬼怒川分は「赤」、小貝川分は「青」)で表示している。テープは最高5メートルまで表示。市内全体で300本以上の電柱に設置。
 これにより、洪水が発生した時の、浸水の深さを日頃から地域や家族で確認して、災害発生時に適切な避難行動が取れるようにすることで防災意識が高まったとの意見がある一方で、水害を思い出して気分が悪くなるなどの意見が寄せられ、うち一部の表記を取り外している。

常総市被災住宅再建支援制度(参考1)

再建支援制度

 水害により住宅に被害を受けたが、国の「被災者生活再建支援金」などの申請期限内に申請することができなかった世帯を支援するため、平成30年1月から新たな支援制度を創設した。
 なお、水害当時、半壊世帯が3千件を超えていたにもかかわらず、国の支援金の支給対象となっていなかったことから、半壊世帯に対して、茨城県と市が独自に支給を行った。
 (※2)また、災害救助法に基づく住宅応急修理については、所得制限により法の適用対象とならない半壊世帯に対し、法適用と同額の支援を行った。
 この半壊世帯に対する法制度の不備について、当時、国に対して県知事、市、関係機関が適用範囲の拡大、支援金額の引上げの要望を行っている。関東・東北豪雨後にも、東北豪雨、九州北部豪雨などの大規模災害が毎年のように起こっていることからも、国は早急に法の改正を行うべきである。

おわりに

義援金

 これまで、全国の皆様方からいただいた温かい支援には、心から感謝しております。一応の避難が終了したことで、一つの区切りがついたことは確かですが、常総市が、本当に復興したと言われる日が来るまで、感謝の気持ちを忘れず、一歩一歩前に進んで行きたいと思います。



(※1)台風の接近などで河川の水位が上昇する時に、各世帯がいち早く避難するための行動を、時間の経過に応じて整理し、表形式にまとめたもの。時間的な制約が厳しい洪水発生時に、行動のチェックリストとして、また判断のサポートとして活用できるとされている。

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パラリンに白頭山の風温み
非核化へ風が吹き出し地が動き  
幕引きに首を差し出し藪に入り
政と業改ざんごっこで嘘がばれ
七回忌悲しみ越えて立つ大地

 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

いべんと

第41回自治体政策セミナー in 埼玉

安倍政権下の第41回自治体政策セミナー in 埼玉
ー 地方自治・地方財政・地方公務員制度 ー その行方と展望をさぐる

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新刊紹介

本田宏著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
医師・NPO法人医療制度研究会副理事長

A5判110頁 定価(本体1,100円)

 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著者が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて糾弾します。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方にまで俎上に載せて追究します。

目次から
第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ

第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する

第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育

第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする

第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために

準新刊

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

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加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

                    
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版) 
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!  

B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)

財政デザイン研究所代表理事  大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著

●基礎からステップアップまで
 決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
 財政を学ぶ心構え・分析方法
 赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
 自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税/地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか
 どこにおカネを使っているの?(歳出のしくみ): 目的別と性質別/「充当一般財源等」

『公共施設の統廃合・再編問題にどう取り組む-計画づくりから本格実施へ-』

角田英明
A5版・32頁 一般普及300円(地域研・自治労連割引単価200円)

 全国の自治体では、現在、公共施設等総合管理計画づくりが急ピッチで進められています。
 既に2015年度末までに全国30道府県、15指定都市、396市区町村でつくられ、今年度末にはほぼ全自治体で策定されます。これはこれまでのような個別施設の更新、統廃合に止まらず、公共施設全体を中長期的な視野に立って全面的に見直し、再編していくものです。そのため国は、公共施設等の解体撤去や公共施設の集約化・複合化、転用等に係る財政措置を講じて各自治体に計画の策定と実施を迫っています。同時に、この計画は「地方創生」戦略や市町村合併、指定管理者制度などと一体的に進められています。
 本書では、こうした状況を踏まえ、政府施策や各自治体の計画内容、今後の取組みの課題、方向を検討しました。皆さん方の活動に活用していただければ幸いです。

はじめに 
 1.いま、なぜ、公共施設の統廃合・再編か 
 2.計画の策定・推進に向けた政府の対応 
 3.各自治体の計画づくりと実施方針(秦野市 さいたま市 相模原市)
 4.今後の取り組みの留意点と課題 
 5.「地方創生」総合戦略と一体的に推進 
 6.市町村合併の中で進む公共施設の統廃合・再編 
 7.指定管理者制度における公共施設の再編問題 
おわりに

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