茨城の自治ニュース
月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2024年11月
原発問題(東海第二原発関係も含む)
敦賀原発 不合格正式決定 規制委初判断 建屋直下に各断層 (11.14 茨城)
原子力規制委員会は13日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査不合格を正式決定した。原子炉建屋直下に活断層がある可能性が否定できず、原発の新規制基準に適合しないと判断した。審査不合格は2012年の規制委発足後初めて。山中伸介委員長は同日の記者会見で「初の判断だが厳正に審査し、何ら疑問はない」と強調した。
地方制度・自治体論・地方自治一般
県警窓口業務 試験的に時短 (11.1 朝日)
県警は職員の時間外労働の負担を減らすため1日から、県警本部と県内27署での落とし物の引き渡しや道路の使用許可申請など44の窓口業務について、受付時間を短縮する。試験的な取り組みで、利用者へのアンケートなどで影響を検証しながら、来年度中の正式実施をめざす。県警の窓口業務は、午前8時半から午後5時15分まで受け付けてきた。これを午前9時から4時までに短縮する。
警務課によると、これまでは午後5時15分の退勤時間直前に受け付けた申請や書類は、その日のうちに処理をする必要があり、職員が残って対応してきた。受付時間を1時間45分短縮することで処理のための時間を確保し、時間外勤務を減らす狙いだという。が、緊急性の高い事件、事故に関する受付も従来通り24時間体制で対応する。
つくば市長何点ですか 2期目の退職金額11日までネット投票 (11.3 朝日)
つくば市の五十嵐立青市長(46)の退職金の金額を決めるインターネットネット投票では、先月27日の市長選で3選を果たした五十嵐市長の2期目4年間の業績を市民が評価し、平均点を退職金に反映する。支給額は点数に応じて最低額の22円から満額の2039万4千円の間で決まる。投票資格を持つのは、有効な電子証明書を備えたマイナンバーカードを持つ15歳以上の市民約13万人。市のアプリ「つくスマ」をスマホにダウンロードして投票する。投票は11日まで。スマホがない人もマイナンバーカードがあれば、平日に市科学技術戦略課で受け付ける。日によって市内7カ所の窓口センターでも実施できる。
評価は悩ましい。画面に表示された10点刻みの点数を前に考え込んだ。市は「投票の参考にしてほしい」と、五十嵐市長が公約に掲げた13 5項目の4年間の進捗度を示したロ―ドマップを公表している。その内容は多岐にわたる。福祉、子育て、まちづくり、周辺地域の振興、インフラ整備……。年齢や性別、職業などで市民の関心は異なるだろう。単純に点数に集約化していいのか疑間を持った。ただ、選挙以外で首長を評価できることには手ごたえを感じた。自分がつけた点数と、全体の結果にどれぐらい差があるのか。そして、その点数を五十嵐市長がどう受け止めるのか、注視したい。
もの言う議員「懲罰」違法、多数会派の乱用断罪 古河市に賠償命令 (11.5 しんぶん赤旗)
市議会でロシアのウクライナ侵略を非難する決議を呼びかけたら出席停止に―。茨城県の古河市議会(定数24)で、多数会派による物言う議員への「懲罰」は違法だとして日本共産党の秋庭繁市議(76)らが同市に損害賠償を求めた裁判の判決で、水戸地裁下妻支部(渡辺力裁判長)は市に計77万円の賠償を命じました。勝訴したのは、秋庭市議と「市民ベースの会」の増田悟市議(77)です。
秋庭さんは、2022年3月の定例会の討論冒頭で、ウクライナ侵略を非難する決議を呼びかけました。字数にして300字ほどの発言が「議会の品位、権威をおとしめ」たとして出席停止5日の懲罰を受けました。
増田さんは、20年に「疑惑の4日間」と題したビラを地域に配布したことで4日間の出席停止の懲罰を受けました。ビラの内容は、針谷市長が業者と海外旅行に行ったのではないかという市議会での増田さんの発言を掲載したもの。発言後に再調査が必要なため撤回した部分をビラに掲載していました。
2人への懲罰は、乱暴な手続きで進められました。懲罰の動議を出した自民党、公明党、幸福実現党の各会派の議員10人が、そのまま懲罰特別委員会の委員10人に横すべり。増田さんが所属する「市民ベースの会」には当時、6人の市議がいました。会派ことに懲罰特別委員会の委員を割り振れば、3人に1人の市議が選ばれる計算です。しかし、「市民ベースの会」から1人も委員に選ばれることはなく、2人への懲罰は強行されました。
秋庭さん、増田さんは22年12月に「理由にならない理由で不当な懲罰を受けた。一部有力議員による恣意的な議会運営を問いたい」と提訴。渡辺裁判長は10月23日の判決で、懲罰はいずれも違法としました。
渡辺裁判長は、増田さんについては「チラシの配布は個人的な政治活動にすぎない」と指摘。「議会の秩序が維持されなくなったり、その運営が円滑に進まなくなったりするような具体的な危険が発生するといった事情があるとは到底認められない」としました。
秋庭さんの決議呼びかけに関しては「議会における議員の発言の自由の重要性をかんがみると、出席停止処分は重きに過ぎた」と批判。
地方創生問われる実効性 「2・0」始動 首相、交付金倍増方針 (11.9 朝日)
政府は8日、全閣僚で構成する「新しい地方経済・生活環境創生本部」(本部長・石破茂首相) の初会合を首相官邸で開き、首相肝いりの「地方創生2・0」の議論をスタートさせた。首相は地方創生交付金の倍増を掲げるが、単なるバラマキではなく実効性のある施策につなげることができるかが問われる。首相は8日の初会合で「地方こそ成長の主役との考え方に立って地方創生2・0を起動させることは内閣の最重要課題の一つだ」と強調し、今後10年間に集中的に取り組む内容を盛り込んだ「基本構想」策定に向け、年末までに考え方を整理する方針を示した。有識者会議も設置し①安心して働き、暮らせる地方の生活環境②東京一極集中のリスクに対応した地方分散③付加価値創出型の新しい地方経済④デジタル新技術の徹底活用⑤国民的な機運の向上――について議論する。首相は「若者、女性に選ばれる地域をどう作るかが極めて重要だ」と指摘。好事例の要因を分析し普遍化するよう求めた。
地方創生は2014年に安倍政権で始まり、石破首相は初代の担当相を務めただけに思い入れは強い。ただ、1・3兆円の交付金が地方に渡った過去10年の取り組みについて、政府は今年、東京一極集中の「大きな流れを変えるには至つていない」とする総括をまとめた。
首相は毎年の当初予算に1千億円が計上される地方創生交付金を倍増する方針を打ち出しているが、従来型の取り組みでは効果はおぼつかない。首相は会合で、「金額けを増やしても意味はない。統合化、重点化して、バラマキなぞという批判を受けないようにしたい」とも釘を刺した。 後は地域ごとの実情に合った取り組みができるかが成否の鍵を握りそうだ。
つくば市長 市民の評価は62点 アプリ利用者の5% 1048人が投票 (11.13 朝日)
つくば市の五十嵐立青市長は12日、自身の2期目の退職金の金額を決めるインターネット投票の結果を公表した。市民による評価の平均は62・7点。この結果を反映した1278万7038円が支給される。
投票期間は1~11日。投票可能なマイナンバーカードを持つ15歳以上の市民約13万人のうち1048人が市のアプリ「つくスマ」を通じて投票した。アプリの利用者は約2万人で、このうちの約5%が投票した計算になる。先進地とされるエストニアでの最初のネット投票の投票率が1・9%だったことから、「この数字は超えたかった」と語り、「選挙以外でも、市民が政治家を評価する機会をつくることができた」と振り返った。
五十嵐市長は今年10月の市長・市議選へのネット投票導入を国に提案していたが、総務省と折り合わず断念。今回のネット投票は、選挙で使う予定だったシステムを転用して実施した。
市民からは、マイナンバーカードの暗証番号忘れや「つくスマ」のダウンロードなどの手間を指摘する声が寄せられた一方、「個別の政策ごとに意見を募集すべきでは」「毎年実施しては」などの肯定的な意見もあったという。
戸籍読み仮名 自治体困惑 事務負担増や経費膨張 (11.25 茨城)
戸籍の氏名に読み仮名を記載する来年5月26日施行の改正戸籍法に関し事務を担う地方自治体に困惑が広がっている。施行に合わせた全国民への読み仮名通知が近づく中、職員の負担増や必要経費の傍聴が見込まれることに不満が噴出。難読の名前をどこまで許容するのかの基準も示されておらず国に速やかな対応を求める声が相次ぐ。
改正法施行後、全国の市区町村は住民票に記載された読み仮名を基に通知を作成し、全住民に郵送する。内容が誤っていれば修正を届け出る必要があれば施行後1年以内に届け出がなければ通知通り登録される。通知の印刷と郵送に加え、届け出内容を反映させるためのシステム整備、市民からの問い合わせ用のコールセンター設置などの経費が掛かるが大半は市が負担を強意られる見通し。窓口対応の増加も予想され、職員でまかない切れず業者に依頼せざるを得ないという。今月6日には全国62市でつくる中核市長会が法務省に補正予算で全額国負担とするよう要望書を提出した。
課題は他にもある。改正法では、通知とは異なる仮名を希望する際、一般的でない読み方を用いるのであれば実際の使用を証明する資料を求める。一般的とそうでない読み方の線引き、また証明資料の許容範囲が不明確だという。
県内の政党(支部)の政治資金 収支 22.5%減 (11.30 毎日)
県選挙管理委員会は、県内の政党支部や政治団体の2023年分の政治資金収支報告書を公表した。提出義務のある1290団体のうち87.6%にあたる1130団体が提出し、収入総額は16億8719万円(前年ひ22.5%)で3年ぶりに減収となった。
1000万円以上の収入があった政治資金パーティの開催は前年から半減し2団体。パーティ収入も2691万円で前年比66.4%減だった。自民党の裏金問題の影響を受けたとみられる。
県選管によると、政党の収入額は10億825万円(前年比27.8%減)。政党別では自民が4億6749万円で前年から43.6%減。特に政治資金パーチィの収入などが含まれる「事業収入」は前年から63.6%減の5522万円だった。前年22年に1000万円以上の政治資金パーティを開催したのは4団体で収入は8000万円だった。大井川知事の資金管理団体「緑和会」の収支は5356万円。このほか6団体ある知事の後援会の総収入は493万円だった。
予算・税・財政
県内歳入3年連続減 市町村決算一般財源 (11.3 茨城)
県内44市町村の2023年度決算(普通会計)は、新型コロナウィルス感染症の交付金などが減り、歳入が3年連続で減少した。歳出は物価高に対する支援給付金などで増え2年連続で増加。経常収支比率は全体で前年度から1.6ポイント悪化の92.6%に上昇し、記録の残る2000年以降で最も高い数値となった。
県によると44市町村の歳入総額は前年度から0.3%減の1兆4109億円だった。基金への繰入金やふるさと納税が増加した半面、新型コロナ感染症に関連した交付金などの国庫支出金が前年度から7.2%減ったほか、臨時財政対策債などの地方債が13.6%減ったことが影響した。歳出総額は0.6%増の1兆3456億円で前年に続き増えた。衛生費が減った一方で、物価高騰対応などで民生費が4.2%増加。昨年の台風13号被害に伴う災害復旧費が34培に増加した。
市町村の決算規模は、新型コロナ感染症関連の影響で20年度に大きく上昇した。21年度以降は給付事業終了をはじめとする国庫支出金が減るなどして減少傾向が続き1兆2千億円だったコロナ禍前の水準に戻りつつある。
実質収支は、49年連続で全団体が黒字だった。23年度の単年度収支が赤字となったのは35団体で全体では145億円の赤字だった。財政の弾力性を示す経常収支比率は人件費や物件費増などにより前年度から悪化。経常収支比率が90%を超える市町村は前年度から7団体増え、34団体となった。
市町村の借金に当たる地方債の合計残高は2.3%減の1兆1197億円。臨時財政対策債の新規発行が減るなどして2年連続で減少した。積立金現在高は1.1%減の3489億円。
「壁」議論 地方の不満 「減税だけ主張 無責任」 (11.17 朝日)
国民民主が求める「103万円の壁」引き上げに相次ぐ自治体の懸念。一方で与党には、国民民主の協力を得なければ政権運営がおぼつかなくなる事情がある。国民生活に大きな影響を与える税制の行方に注目が集まる。
神奈川県の黒岩祐治知事は11日の会見で、試算では税収減は最大で1千億円に上るとした。県税全体の1割弱にあたる規模で「大きな影響がある。慎重に検討してほしい」と述べた。
特に政令指定市は影響が大きいとみられている。住民税収は市町村と都道府県で6対4の割合で配分するが、政令指定市だと8対2と多い。熊本市は住民税収入の31%に当たる約170億円の税収減と試算。大西一史市長は「地方への影響を最小限にするよう、議論を求めたい」と訴えた。仮に一律10%の住民税(所得割)の基礎控除を75万円引き上げると、多くの人は年7万5千円の減税になる。 一方で住民税は、40兆円規模の地方税収の約3割を占める最大の税目だ。引き上げが大きな税収減につながれば、自治体にとっては死活問題になる。
さらに所得税の減収は、地方税と並んで自治体財政を支える地方交付税の減額にもつながる。税収分と合わせると、地方の減収はおよそ5兆円になるとみられる。基礎控除の引き上げは、景気対策などで単発で実施する減税と異なり恒久減税になることも自治体側の不安を大きくしている。財務省では、1回きりの減税であれば国が特例交付金などを出して補填する対応もできなくはないが、恒久減税では難しいという見方が強い。補填措置に期待を寄せる意見に、同省幹部は「住民税の減収を補填するなんて仕組みはない」と話す。
103万円→178万円引き上げ税収は…県・市町村 1220億円減 (11.23 朝日)
所得税がかかる年収の最低限度を示す「103万円の壁」の見直しについて、大井川和彦知事は22日の定例会見で、「非常に大きな地方の減収に直結する形での引き上げは適切ではない」と述べ、今後の議論を注視する考えを示した。大井川知事は178万円まで引き上げられた場合の試算も公表した。県分だけで個人県民税が390億円、地方交付税130億円も合わせると計520億円の減収。市町村分は個人市町村民税が580億円、地方交付税120億円を合わせると700億円の減収となる。県と市町村を合わせると年間計1220億円の減収となる見込みだ。行政サービスヘの影響を問われた大井川知事は、「あまりに大きすぎて試算しようがない」と述べた。その上で、「財源についてはしっかり対応することを前提とした壁の見直しが大事だ」と政府に注文をつけた。
低所得世帯に3万円決定「年収の壁」引上げ (11.23 茨城)
政府は22日の臨時閣議で経済対策を決定した。物価高を克服するため、住民税が課税されない低所得世帯に配る3万円の給付金などが柱となる。国民民主党の要求通り、年収103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」は引き上げる。本格化する2025年度税制改正の議論で引き上げ幅が焦点となる。光熱費の抑制策や半導体支援も盛り込んだ。必要な経費として24年度の一般会計補正予算案に13兆9千億円程度を計上する。
自治体基金残高増 22年度は26.9兆円 平成以降最高 (11.23 日本経済)
地方自治体の基金が積み上がっている。2022年度末の残高は都道府県と市町村の合計で26.9兆円と前年比で1割増え平成以後で最高水準にある。新型コロナ禍で地方への交付金が急増し、国から地方への財政移転が加速していることが背景にある。
財務省の財政制度等審議会分科会が提示した資料によると、基金残高は20年度までの数年間22兆円ほどでほぼ横ばいに推移していた。これが21年度に25兆円、22年度に26.9兆円と急速に増えた。
背景にあるのは国から地方への多額な財政移転だ。特に近年は新型コロナ対応で地方創生臨時交付金が増えた。それまで10兆円台半ばだった国庫支出金が20年度に37兆円、21年度に31.7兆円22年度に26.5兆円と急拡大した。
国庫支出金で不用額が生じ、地方負担の財源が浮いている。フローの指標で見なし基礎的財政収支(プライマリーバランスPB)は地方に限ると05年度以降黒字で推移している。
地方の財政再建は進んでいる。国の債務残高は22年度末で1105兆円と右肩上がりで増えているのに対し、地方は179兆円とここ数年減少傾向が続く。
まちづくり・都市計画
書店振興へ 課題整理 経産省 支援策検討を本格化 (11.7日本農業)
経産省が全国で減少する書店の振興につなげるため、経営上の課題をまとめた報告書を公表した。書店の利益率の低さやインターネット書店との競合といった34の課題を列挙。報告書を踏まえ年内にも関係省庁の連絡会議を設置し、書店支援策の検討を本格化させる考えだ。
出版文化産業振興財団は、書店が1店舗もない市が8月時点で15道県の24市にあると発表し、市名を公表した。発表によると茨城県も含まれている。(市町村名は不明)
全国の書店数は、前回調査の7973から7828に減少し書店のない自治体の割合は27.9%。書店のない自治体の割合は、市で3.0%町で40.4%村で86.2%だった。
道路降下に入札制度 県が民間に使用権限 管理費軽減、財源を確保 (11.10 茨城)
管理道路の高架下の未利用空間を巡り、県は民間の落札者に使用権限を与える「道路占用入札制度」を本年度導入した。管理経費の軽減や財源確保などが狙い。現在、初の入札参加募集を取手市など計3カ所8区画で実施。11日に参加条件となる占用計画の提出を締め切る。県は「今回の入札を機に、制度を知ってもらいたい」と期待を寄せる。
県道路維持課によると、初めて同制度を適用するのは、県道・藤代陸橋の1区画(取手市、計約519平方メートル)
▽県道・正上内跨線橋の5区画(石岡市、計約2595平万メートル)▽国道354号・大堤跨線橋の2区画(古河市、計約868平方メートル)―の各箇所。
橋脚と橋脚の間のスペースで、1平方㍍当たりの年間占用料は100~682円を最低額とした。いずれも駐車場、駐輪場、店舗、倉庫など用途を指定。JR常磐線の駅に近い(藤代陸橋)、スマートインターチェンジに近い(正上内跨線橋)などの特徴を踏まえた。
希望者は用途や利用・維持管理方針などを記した占用計画を提出した上で、入札に参加。開札は12月19日で、最高額入札者が落札する。来年1月ごろから最長で20年間利用できる。
県は同制度の導入により、道路の維持管理費の軽減と財源確保を図る。例として除草費用は1回1平方㍍当たり443円かかり、県内全体では負担がかさんでいる。
従来、公共道路の高架下の未利用空間は、公共利用目的で地方公共団体への無償貸与のみ認められてきた。本県では今年4月、制度導入に向け、占用料の最低額の算出方法などを盛り込んだ改正・県道路占用料徴収条例が施行された。
県管理道路で未活用となっている高架下は約20カ所あり、同制度の適用を今後検討する。同課の担当者は「有効活用と道路管理の財源確保につなげるためにも多くの方に制度を知ってほしい」とし、初の募集を通して周知をしたい考えだ。
湊線延伸 来年着手へ 先行区間 国が工事認可 (11.20 茨城)
ひたちなか市とひたちなか海浜鉄道は19日、同鉄道湊線の延伸計画で、終点の阿字ケ浦駅から国営ひたち海浜公園南口付近までの1・4キロ区間の工事を国に認可されたと発表した。事業費は59億円。厳しい経営が続く地方鉄道の延伸は全国的にも異例。市などは2025年度に着手し、30年春の開業を目指す。
県内居住の外国人 幸福度は全国4位 (11.26 毎日)
政府の統計データなどを基に県が独自に算出している「いばらき幸福度指標」に関し新たに外国人版を発表した。外国人に特化した指標の公表は県によると全国初。日本人と外国人の共働率など計14の指標から算出した幸福度の2024年度の総合順位は全国47都道府県のうち東京、三重、愛知に次ぐ全国4位だった。
県の強みと弱みを客観的に可視化し施策の充実につなげるのが目的。指標の認定にあたっては在留外国人や企業などの意見を踏まえたといい、今後、国内外の外国人向けにPRしていく方針。
ひたちBRTレベル4人認可 自動運転、全国で最長 (11.27 茨城)
国土交通省関東運輸局は26日、日立市のバス高速輸送システム「ひたちBRT」に対し、運転手を必要としない自動運転「レベル4」に認可した。対象区間は日立市内の専用道6・1キロで全国最長。運行主体は茨城交通で、つくば市内の企業が自動運転システムを開発した。同社によると、小型のバスでレベル4の認可はあるが、中型バスは全国で初めて。本年度中の営業運行開始を目指す。
日立で次世代公共交通 市と日立製作所2035年構想 (11.28 茨城)
次世代未来都市(スマートシティー)の実現に向けた共創プロジェクトに取り組む日立市と日立製作所が、2035年の同市の公共交通の将来像を示すグランドデザインをまとめた。通勤通学や高齢者向け次世代モビリティー(乗り物)の整備、経路検索から決済まで可能な統合アプリの導入など10項目を掲げ、来月、実現に向けて実証実験を始める。
両者は昨年12月に包括携協定を締結。デジタルを活用しながら脱炭素と医療介護、交通の三つを軸に持続可能なまちづくりに取り組む。今回の構想は公共交通のスマート化の一環で、具体的な施策は段階的に進める。市人口は11月1日現在、約16万3千人で、県内市町村別の人口規模は3番目。近年は毎年2千人以上が減少し、減少数は県内最多が続く。高齢化も進む中、構想は、多様な移動手段を組み合わせて交通課題の解決やにぎわい創出につなげる狙いがある。
構想では、統廃合が進む小学生が安全に通学できるよう、自動運転車の運行を目指すほか、山側団地では高齢者が自宅から最寄りの交通結節点まで移動できる交通手段を整備する。駅前では歩行者と次世代モビリティーが共存し、歩きたくなる「ウォーカブル空間」を設定する。
統合アプリは多様な公共交通を利用する際に最適なルートを検索でき、予約から支払いまで完結できるものを目指す。自動運転を活用した移動型店舗は、遠隔診療を受けた住民が薬を自宅まで届けてもらうことなどを想定する。既存の公共交通の利用を促進して渋滞緩和につなげるため、公共交通から次世代モビリティーへ円滑に乗り継げるサービスも確立する。交通移動サービスの拠点を集約し、交通データや人工知能(AI)技術も活用しながら安全安心な交通計画と運行を目指す。
地域経済
知事介入で最低賃金896円→980円 徳島シヨツク 現場では (11.1 朝日)
時給が一気に84円アップする徳島県の新しい最低賃金が、11月1日に発効する。知事の強い意向を受け、中央の審議会が示した目安を大幅に上回って896円から980円に上がった。事業者が対応に追われる中、「政治の介入」に波紋が広がっている。今年の最低賃金の改定で、厚生労働省の中央審議会は全国一律で50円増という目安を示した。
一方、徳島県の地方審議会では、後藤田正純知事が「1千円超え」を強く要請。「目安+34円」という断トツで過去最大の上乗せを実現させた。使用者側の反発は強いのか。竹中郁子・徳島労働局長は「『なぜこんなに上げたのか』という批判の電話はあるが、1日.1件ほどで、思っていたほどではない」という。背景には労働市場の現状がある。徳島県経営者協会の脇田亮・専務理事は「飲食・小売りなど業種によっては影響があるだろうが、募集賃金は(既に)980円を上回っていたところが多い」と指摘。その上で「1千円を超えると厳しい」とみる。
10月の衆院選では各党がこぞって最低賃金の大幅増を訴えた。全国加重平均は今年の改定で5・1%増の1055円になったが、石破茂首相は「2020年代に1500円」という目標を掲げる。単純計算すると今後5年間で年平均7・3%のアップが必要で、今回の「徳島ショック」(9・4%)のような大幅引き上げを全国で実現させなければならない。
国内農作物の作付け延べ面積過去最少 (11.8 日本農業)
国内の農作物の作付け延べ面積が2023年は391万2000haとなり、データのある1955年以降で最少となったことが農水省の調べで分かった。前年からの減少率は0.9%と過去10年で最も大きく東日本震災で大きく減った2011年と同じだった。耕地利用率も前年比0.3%減の91.0%となり過去最低となった。
〔2023年の作付け延べ面積と耕地利用率〕
作付け延べ面積ha | 前年比増減% | 耕地利用率% | |
---|---|---|---|
全 国 | 3,912,000 | △0.9 | 91.0 |
茨城県 | 146,300 | △0.5 | 91.8 |
茨城県の耕地利用率は全国第2位
環境と開発 災 害
霞ヶ浦の高度浄水供給 7市町に臭気除去、経費減 (11.2 茨城)
県が整備を進めていた霞ケ浦浄水場(土浦市)の高度浄水処理施設が1日、供用を開始した。国内の先進的施設で、オゾンと過酸化水素を使い、かび臭の原因物質の完全除去が可能となる。従来の活性炭を中心とした処理に比べ、年1億円超の経費削減が見込まれる。県企業局によると、同浄水場が供給しているのは土浦、つくば、龍ケ崎、取手、牛久、阿見、利根の県南7市町。計画給水人口は約39万人に上る。
水源の霞ケ浦は、かび臭の原因物質を多く含む。気温が上昇する春ごろから藻類の発生が増え、臭いが増す傾向にあるという。2OO4年4月、水質基準にかび臭などの項目が追加され、浄水場では活性炭の使用量が増えるなど運転コストが課題となっていた。新施設は20年8月に整備に着手し、今年9月に完成した。通水試験や水質試験などを経て、今月からの供用にこぎ着けた。建物は3階建てで延べ床面積は1360平万層。事業費は約52億円。
供用後も、従来の活性炭によるろ過処理は継続する。事前に高度浄水処理を行うため、活性炭の交換や再生処理の回数が減る。二酸化炭素(CO2)を削減できるほか、同局は30年間で計約30億円のコスト減を見込む。
さらに昨年12月からは砂層を活用する「高速砂ろ過池」の整備にも着手。完成すれば活性炭の長寿命化が図れ、経費削減につながるという。
医療・福祉・社会保障・教育
県内、23年度 小中高暴力行為最多5021件 不登校は7987人 (11.1 茨城)
県内の国公私立小中高校で2023年度、暴力行為の発生件数は5021件で過去最多だったことが31日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。22年度から1239件(33%)増えた。校種別で見ると、小学校が3633件(40%増)、中学校が1215件(16%増)、高校が173件(26%増)で、6年連続で増加した。内容別では生徒間暴力が3750件で最も多く、器物破損が712件、対教師暴力が526件、対人暴力が33件だった。21年度まで2千件台で推移していたが、22年度に3782件となり急増した。背景について、県義務教育課の担当者は「コロナ禍の行動制限で集団生活になじめない児童生徒が増加したことや、軽微な暴力でも報告を徹底したことなどが考えられる」と分析する。
県教委は今後、問題行動のある児童生徒の個別指導計画を立てるなどの対応を行い、暴力行為を生まない環境づくりに取り組む。同調査では、このほか県内小中学校の不登校の児童生徒数やいじめの認知件数も公表した。不登校の児童生徒は小学校2978人(9%減)、中学校5009人(5%減〕の計7987人で、12年ぶりに減少に転じた。
一人暮らし高齢世帯 32道府県で20%超 (11.13 朝日)
一人暮らしをする65歳以上の高齢世帯の割合は増え続け、2050年に32道府県で20%を超える見通しとなった。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が12日、都道府県別の世帯数の将来推計を公表した。社人研は今年4月に公表した全国の世帯数推計を都道府県別に分析。推計は5年に1度実施しており、20年の国勢調査を使い、50年まで推計した。
世帯総数は、45~50年には全ての都道府県で減少に転じ、50年には20年時点から5・6%減の5260万7千世帯となる。このうち最も多いのは単独世帯(一人暮らし)で44・3%。続いて夫婦と子2l・5%、夫婦のみ18・9%と続く。世帯主が65歳以上の単独世帯は、50年に1083万9千世帯(20年比46・9%増)。全ての世帯に占める割合は、20年時点は全国で13・2%。20%超の都道府県はゼロだが、50年時点では32道府県まで上昇する。最も高いのが高知県(27・0%)で、徳島県(25・3%)、愛媛県(24・9%)と続き、四国地方で特に高くなる。茨城県は、20・3%。世帯数が148万3千と最も多い東京都は18・7%だ。総世帯数が多い都甫圏では、高齢の一人暮らし世帯数の増加が顕著になる。
高齢者の一人暮らし世帯への移行は加速度的に進んでいる。前回19年の推計では、40年の高齢者の一人暮らしは896万3千世帯だったが、今回推計では、40年は1041万3千世帯と100万世帯以上も増えるとみる。5年前よりも未婚率が高まったり、離婚が増えたりしたことが影響しているという。
高齢になるほど、医療や介護のサービスが必要になる。ただ、少子高齢化などで医療介護分野の人材不足が深刻となるなか、十分な体制を整えられるかが見通せない。厚生労働省の推計では、40年度に必要な介護職員数が、22年度時点の人員と比べて約57万人不足する。
いじめ認知2・6万件 2千件増 重大事態36件 昨年度県内 (11.15 朝日)
県内の小、中、高校などで昨年度、いじめを認知した件数は約2万6千件で、前年度より2千件あまり増加したことが、文部科学省の全国調査でわかった。小、中学校での不登校の児童・生徒数は前年度より減少し、約8千人だった。県内でのいじめの認知件数は、前年度より2025件(8・2%)多い2万6675件だった。特別支援学校では15件減少したが、小、中、高校ではいずれも増加した。このうち、いじめの重大事態は前年度より15件多い36件発生した。
いじめが解消している割合は80・6%。全国平均の77・5%を上回っているものの、県内の前年度の81・9%を下回り伸び悩んでいる。
一方、県内の不登校の児童・生徒数は小、中学校合ゎせて7987人。全国的には前年度から15・9%増えているが、県内では590人(6・9%〉減少した。高校の不登校生徒数は716人だった。前年度より30人増加したが、千人当たりでは10・2人となり、全都道府県の中で2番目に少なかった。
新採教諭の奨学金返還 千葉県・市が全額補助 (11.16 朝日)
教員志願者が全国的に減るなか、優れた人材を確保しようと、千葉県と千葉市は今年度から、新規採用者が借りている奨学金の返還を全額補助する事業を始めた。県内外から問い合わせは多く、新卒の志願者数の減少に一定の歯止め効果は見られた一方で、長時間労働や「定額働かせ放題」とも言われる給与のしくみが改善されない限り、抜本的な解決策にはならないとの指摘もある。
対象は、29年度までに県内の公立小中学校と特別支援学校(義務教育学校も含む)に新規採用された教諭で、日本学生支援機構の第一種奨学金の総貸与額を採用2年目から11年目まで、10年間で全額補助する。1人当たりの総補助額は、最大で307万2千円に上る。同課によると、勤務地や所得や採用試験の成績は間わず、全額を補助する都道府県は他にない。県や市が「代理返還」で同機構に直接返済するため、本人に給付するかたちでの支援とは異なり、支払い手続きや税金が別途発生することもないという。
県が今年度採用として、小中学校と特別支援学校などで新規採用した教員は1315人で、うち83人が交付決定者という。来年度以降に選考を受ける159人も交付対象候補になっている(今月11日現在)。
それでも、来年度採用の県内の志願者数は今年度採用より300人以上減った。同課の担当者は「事業の発表が予算成立の3月11日以降になったことも影響した」とみる。ただ、新卒の志願者数に限ると、減り幅は10人未満に抑えられたという。県は事業の周知を進めており、今後に期待を寄せる。
基礎年期3割底上げ 厚労省 厚生年金の積立金活用 (11.20 茨城)
厚生労働省は、全ての国民が受け取る基礎年金(国民年金)の給付水準を底上げする方針だ。基礎年金だけに入る自営業者らが老後に受け取る年金の水準低下を防ぐ。基礎年金の財政状況が厳しい一方、会社員らが入る厚生年金は堅調なため、厚生年金の積立金(剰余金)を基礎年金の給付に振り向ける。2036年度以降の給付水準は現在の見通しより3割程度改善する。関係者が19日明らかにした。
厚労省は、厚生年金受給者の大半も給付が手厚くなるとしているが、保険料を折半して負担している会社員や企業の反発も予想される。社会保障審議会の部会で議論を進め、25年の通常国会に制度改革関連法案の提出を目指す。
基礎年金の財源の半分は国庫(税)で賄っている。給付水準を改善する場合、追加で必要となる国庫分は40年度5千億円、70年度には2兆6千億円に上る。法案には安定財源の確保を政府に義務付ける規定を盛り込むが、具体策は検討課題とする。両年金の財源は別々に管理され、それぞれ財政が安定化するまで「マクロ経済スライド」という仕組みで給付水準を抑制している。
給付水準は「現役世代の手取り収入と比べた年金額の割合」で表され、24年度は61・2%。うち基礎年金部分が36・2%、厚生年金部分は25・0%。現行制度のままだとマクロ経済スライドによる抑制が57年度まで続き、以降の水準は50・4%(基礎25・5%、厚生24・9%)で下げ止まる。厚生年金は横ばいだが、基礎年金は3割目減りする。厚労省によると、厚生金の積立金は23年度末時点で243兆円。基礎年金に活用した場合、給付水準は36年度に56・2%となり、うち基礎年金部分は33・2%で3割程度改善する。
マイナー保険証 周知に力 国、来月2日から一本化 (11.24 茨城)
現行の健康保険証が12月2日以降、新たに発行されなくなり、マイナンバーカードに機能を持たせた「マイナ保険証」に一本化される。医療機関などで、情報入力の省略や処方薬の情報共有など利点を実感する一方、正しいデータが表示されないなどの不具合に懸念の声も上がる。マイナ保険証の利用率は全国・本県ともに9月時点で2割に満たず、国や県は周知と利用促進に力を入れる。
救急車どうする? 迷ったら… 県が判断のガイドライン (11.29 朝日)
緊急性がないのに救急車を利用した患者から「選定療養費」としてお金を徴収する運用が、県内で12月2日から始まる。「緊急性」は搬送先の医師が判断する。県は判断のためのガイドラインを公表している。
救急搬送は大病院に集中しており、重篤な患者を搬送できない事態を避けるための措置だ。初診時にかかりつけ医の紹介状を持たず、 一般病床が200床以上ある大病院を受診すると、患者は追加で選定療養費を負担する。
これまで救急搬送された場合は徴収していなかったが、運用を改める。県内22の大病院で、救急車の要請時に緊急性がなかったと病院の医師が判断すると、患者は搬送先の病院に一定額を支払うことになる。ガイドラインでは、要請したときに「緊急性が認められない可能性がある主な事例」と「緊急性があると判断される可能性が高い主な事例」を例示している。詳細は県の特設ページで確認できる。