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茨城の自治ニュース

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2024年01月


災害・対策(能登半島地震含む)

能登震度7 死者48人 建物倒壊や火災 大津波警報、輪島1.2メートル超 (1.3 茨城)

 1日午後4時10分ごろ、石川県志賀町で震度7の地震があり、北海道から九州にかけ広い範囲で揺れを観測した。建物の倒壊や火災が相次ぎ、石川県で48人が死亡したほか、新潟、富山、福井、岐阜の各県なども含め多数のけが人が出た。気象庁は石川県能登地方に一時、大津波警報を発表、輪島港では1.2メートル以上の津波を観測。珠洲市などの沿岸部で住宅被害が出た。
 (以下、関連記事のタイトルのみ記す)

能登地震 死者73人 倒壊多数 救助拒む 道路寸断 集落孤立 (1.4 茨城)
能登地震 死者84人 発生72時間 安否不明179人 (1.5 茨城)
能登地震 死者94人、下敷き100件に 安否不明は222人 (1.6 茨城 )
能登地震 死者126人 発生124時間、女性救出 (1.7 茨城 )
能登地震 2300人孤立 死者128人 非常災害指定へ (1. 8 茨城)
能登地震 死者168人 被害拡大、不明300人超 発生1週間 (1.9 茨城)
能登地震 要介護者ら優先 2次避難1万人分確保 (1.11 茨城)
能登地震を激甚指定 復旧事業 補助率引き上げ (1.12 茨城)
能登地震 仮設着工、2次避難と両面 中学の集団移転も (1.13 茨城)
能登地震 断水5.6万戸 復旧難航 首相訪問 避難なお2万人 (1.15 茨城)
能登地震2週間 津波浸水3市町190ヘクタール 半島東部に集中 (1.16 茨城)
能登地震 倒壊「危険」35% 住宅被害2万1400棟 (1.17 茨城)
能登地震3週間 2次避難進まず16% 関連死 の増加懸念 (1.22 茨城)
能登地震3週間 中小復旧に最大15億円 政府案 北陸の観光支援 (1.23 茨城)
能登地震 9割近く倒壊死 古い木造家屋要因 (1.28 茨城)

能登被災地へ県職員ら派遣 医療関係者のチームも次々 (1.10 朝日)

 石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震を受け、避難所や罹災証明書発行の支援をするため、県は1班20人を派遣した。原則5日間ごとの交代で計8班の派遣を予定しており、延べ160人程度になるという。全国知事会からの要請を受け、派遣を決めた。派遣先は石川県能登町。県によると、第1陣として派遣されたのは、県職員11人と水戸、北茨城、笠間の3市の各2人と、茨城町、境町、美浦村の各1人の計9人。先遣隊の2人を除く18人は7日朝に車5台に分乗し、被災地に向かった。
 このほか厚生労働省からの派遣要請を受けて、民間病院の医師や看護師などで構成される災害派遣医療チーム(DMAT)も13病院14チーム計66人を被災地に派遣した。能登総合病院に集合した後、各被災地の福祉施設や避難所などの支援をし、多くは任務を終えて戻ってきているという。
 また同省の派遣要請で、1チーム5人ほどの災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)や、災害派遣精神医療チーム(DPAT)、保健師チームも9日までに派遣した。保健師チームは石川県輪島市に向かい、避難所で避難者の健康相談や感染症対策などを手伝うという。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

東海第二原発の安全対策工事 」原電社長「進捗状況厳しい」 (1.12 朝日)

 日本原子力発電が今年9月の完成を目指している東海第二原発(東海村)の安全対策工事について、原電の村松衛社長は11日、「状況としては非常に厳しい」と述べた。防潮堤の基礎部分に複数の施工不備が昨年6月に見つかり、工事が中断していることを受けたものだ。村松社長は同日、水戸市であった県内の自治体の首長や原子力事業者らとの新年会の後、報道陣の取材に応じた。
 不備が見つかったのは、防潮堤の取水口付近にある防護壁の柱にあたる南基礎と北基礎。基礎はそれぞれ15・5㍍四方あり、地下50㍍付近まで埋め込まれている。地中の壁面の一部にコンクリートが詰められていない隙間があったり、鉄筋が変形したりしていた。昨年6月に発覚して工事を中断。10月に原子力規制庁に報告し、施工不備を公表していた。
 村松社長は「現時点で、9月の工事完了を目指すのは変えない」とも述べ、国の原子力規制委員会と今後の対応を決めるという。工事の進捗について「南側の補修対応は整理してきたが、北側はまだ掘り進めて全容解明をする必要がある。工期ありきではなく安全最優先で進めていく」と説明した。

東海第二の工事 補強対策を報告 原電、規制庁に (1.13 朝日)

 日本原子力発電が9月の完了をめざしている東海第二原発(東海村)の安全対策工事で不備が見つかった問題で、原電は12日、一部について補強対策をまとめ、原子力規制庁に報告した。工事の不備は防潮堤の取水口付近にある防護壁の柱にあたる南基礎と北基礎で、原電によると今回まとめたのは南基礎の補強対策。南基礎全体のl.4%にコンクリートが詰められていない隙間があり、1%強の部分で鉄筋が変形していた。追加で鉄筋を置いて補強することで対応するという。
 一方、北基礎はまだ不備の全容がわかつていない。
 南基礎の補強工事を着工する時期は、北基礎の状況を規制庁に報告してからになるという。

原発の避難計画 複合災害「想定」 能登地震受け知事 (1.13 朝日)

 大井川和彦知事は12日の定例会見で、能登半島地震に関連し、東海第二原発の広域避難計画について「避難経路は当初予定したところが使えなくなる事態も想定している。複合災害の想定はある程度しながら準備をしている」と述べた。
 今回の地震では北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の施設にトラブルが生じており、地震や津波を伴う原子力災害などの複合災害への備えについての質問に答えた。また、「能登半島の地形と比べて茨城は非常に広い平地があり、アクセスの方向も複数考えられる」とも話した。

原発容認派・慎重派の勢力図ほぼ変わらず 東海村議選、投票率最低 (1.22 朝日)

 茨城県東海村議選(定数18)が21日投開票され、新村議の顔ぶれが決まった。20人が立候補していた。原発容認・推進の立場の新村議と、原発再稼働に反対や慎重な姿勢の新村議との構成比は、選挙前とほぼ変わらず、容認・推進派が多数を占めることになりそうだ。
 内訳は、現職13人、新顔5人。党派別では公明2人、共産1人、国民1人、無所属14人だった。投票率は前回の53・02%を下回る50・24%で、過去最低を更新した。村選挙管理委員会によると、当日有権者数は3万1374人。村内に立地する日本原子力発電の東海第二原発をめぐり、村議会は昨年12月15日、東海第二の早期再稼働を国に求める請願を賛成多数で採択。村は同月27日、同原発の重大事故に備えて広域避難計画を策定し公表した。
 東海第二の安全対策工事は施工不備が見つかり、原電は対応に追われている。原電は安全対策工事の完了後に再稼働に向けた手続きを進めるとみられている。同原発の再稼働をめぐり、新村議の任期中に同村や県、周辺5市が何らかの判断を迫られる可能性がある。

地方制度・自治体論・地方自治一般

生成AI 法規制必要90% 世論調査59%「普及に不安」 (1.4 茨城)

 生成人工知能(AI)の個人情報流出や著作権侵害などのリスクに対応するため法規制が必要だと考える人が計90%に達したことが、本社加盟の日本世論調査会が3日まとめた全国郵送世論調査で分かった。法規制は必要ないとした計9%を大きく上回った。生成AIの普及に対し、不安が期待より大きいとした人は計59%に上り、期待が不安より大きいを選んだ計40%を超えた。
 欧州連合(EU)は包括的な法規制により違反企業に巨額の制裁金を科す見通しだが、日本はAI開発の萎縮を恐れて罰則のないガイドライン(指針)でリスクの抑制を狙う。
 法規制に踏み込まない対応が適切かどうか議論を呼びそうだ。規制については32%が「法的に厳しい規制が必要」、58%が「法的にある程度の規制が必要」。「業界の自主規制でよい」は7%、「規制は一切必要ない」は1%に過ぎなかった。
 2021年の調査では、AIを活用した製品やサービスが広がることに期待が不安より大きいとした人は計70%に上り、不安が期待より大きい人の計29%を上回っていた。

8市町で首長選 12市町村で議員選・補選 今年の選挙 (1.10 朝日)

 県内では今年、8市町の首長選と12市町村(補選を含む)の議員選が予定されている。
 首長選では常陸大宮市で再選を目指す現職の鈴木定幸氏(56)と、市議の倉田稔之氏(64)が立候補を表明。
 2008年以来16年ぶりの選挙戦になる見通しだ。石岡市でも、再選を目指す現職の谷島洋司氏(60)が立候補する意向を示している。
 残る常総、つくば、守谷、古河の4市と八千代、大洗の2町では、立候補を表明した人はいない。
 議員選では、東海村議選(定数18)が今月16日に告示される。定数は前回と同じだが、立候補の準備を進めている新顔もいて、選挙戦になるとみられる。
 村内には日本原子力発電東海第二原発があり、村は昨年末、同原発で重大事故が起きた場合の広域避難計画を策定した。 一方で、同原発の再稼働時期の見通しは立っておらず、原発そのものの是非についても選挙での争点となりそうだ。
 このほか、今月28日には潮来、取手の両市議選が、2月4日には守谷、神栖、つくばみらい、河内の4市町の議員選が、それぞれ一斉に投開票される。常陸大宮市議は欠員が出ており、市長選と同じ4月14日に市議補選が投開票される予定となっている。

大井川県知事に聞く地域振興 (1.11 茨城)

 特徴ある観光振興策や全国トップ級の結果を出している企業誘致について大井川知事に聞いた。
 茨城DC(茨城デスティーネーションキャンペーン)の手応えは
茨城の観光キャンペーンとしては、今までにない成功だったと思う。
〇 観光振興の基本戦略は
 茨城でしか体験できない特徴的な観光コンテンツを作ればよい。
 今回のDCは新しいことにどんどん挑戦する姿勢で臨んだ。
〇 茨城県の企業誘致(工場立地)は
 全都道府県でトップだが県主導の誘致はこれからも高い給料を払ってもらえる企業に来ていただけるように努めたい(本社機能や研究施設のある事業)
 今いる人たちの生産性を上げるだけでは間に合わないので高い給与を払ってもらえる生産性の高い産業に県外から来てもらおうと頑張っている。
〇 給与水準を重視するのはなぜか
 給与が高い仕事のある所には人が集まる。高い給与を払えない産業は人手不足が克服できず、今後は存続すら危うくなる。
 24年は産業の生産性を向上させて地域が豊かになることの大切さをさらに強く県民に訴 えて理解を広げていきたい。

都道府県職員 採用難 業務継承など影響も (1.16 毎日)

 47都道府県が2023年度実施した職員採用試験で、採用予定数を満たす合格者をすべての職種区分で確保できたのは大阪府と兵庫県にとどまり、45都道府県で「採用予定数割れ」が生じたことが毎日新聞のアンケートで判明した。特に土木などの技術・専門職で目立っている。採用難は近年急速に進んでおり、インフラ整備や災害対応などにも影響をおよぼしかねない状況だ。
 毎日新聞は23年11月「大学卒業程度」を対象とする直近5年(19~23年度)の職員採用試験についてのアンケートを実施し、すべての都道府県から回答を得た。自治体ごとに行政職や技術・専門職などの採用区分は、すべての都道府県が直近5年で「採用予定数割れとなった区分があった」と回答した。
 23年度は、大阪府と兵庫県を除く45都道府県で採用予定数割れが生じ、このうち38道県では他の自治体や民間企業に流れる「採用辞退」があった。
 採用が難しい職種区分を複数選択で尋ねたところ土木(46自治体)獣医(44自治体)、林業(32自治体)、建築(30自治体)、電気(30自治体)―などが多かった。10自治体は一般行政職の採用も厳しくなっていると答えた。
 19年度と23年度で採用予定数割れの職種区分数を比較すると8割の37都道府県で拡大。大都市圏でも大巾に悪化している。
 採用難の原因のついては8割近く自治体の「若年人口の減少」や「学生の民間企業志向が強まったため」と答えた。
 行政運営や住民サービスへの影響で聞いたところ、山梨、和歌山、沖縄の3県が「すでに影響が出ている」と回答。39道府県は「現時点で影響はないが、今後影響の出る懸念がある」と答え影響はないは4県にとどまった。
採用難が続いた場合の中長期的影響については
 「技術や業務のノウハウ継承が難しくなる」    31自治体
「市町村の支援や職員派遣に応えるのが難しくなる」 31自治体
「災害や危機管理対応が難しくなる」        28自治体
「インフラの整備や管理に影響が出る」       26自治体
「これまでの水準で住民サービスが維持できなくなる」23自治体

まちづくり・都市計画 

自動運転バス 県内4市町検討 生活の足、新技術に託す (1.1 茨城)

 担い手不足が深刻な公共交通で、自動運転バスの導入検討が本格化している。人口減や新型コロナウイルス禍に伴う利用低迷でバス会社の経営は悪化し、自治体は路線存続の望みを新技術に託す。公道での実験や運行に各地が乗り出す一方、事故やトラブルも相次ぐ。専門家は「自動運転特有のリスクがある」と指摘。安全確保のためには地域住民の協力が不可欠だと訴える。
 運行会社ボードリー(東京)の佐治友基社長は「既存のバスがカバーできないエリアで自動運転が効果を発揮できる」と強調する。一定条件下で運転手がいなくても走行可能な「レベル4」の自動運転バスについて、県内では日立、常陸太田、つくば、境の4市町で導入を検討している。いずれも一部操作をシステムが担う「レベル2」の実証実健を進めるなどしており、運転手不足による路線減少への抑制に期待がかかる。
 導入の背景には、コロナ禍による人手不足の拡大や、残業規制が強化される「2024年問題」がある。県内では昨年、茨城交通(水戸市)と関東鉄道(土浦市)の主要2社が路線バスの大幅減便に着手しており運転手不足による影響は深刻化している。
 県は導入で「バス路線の維持」「新たな地域交通によるまちの活性化」「交通空白地解消」を期待する。一方、「一般車両や歩行者との混在による道路交通安全の確保」「事故対応や事故時の責任の所在がはっきりしない」「導入費や維持費が高く採算が見込めない」などの課題を挙げた。
 
老いるインフラ 地方で放置深刻 修繕必要な橋6割着手 (1.11 日本経済)

 インフラの老朽化が全国的に進み、適切な修繕をしないと災害時のリスクも高まる。予算や人手が足りない市区町村では修繕が必要な橋梁のうち6割が未着手で地方のインフラ対策は急務だ。
 国交省の調べでは、2040年に建設から半世紀以上が経過する施設は橋梁で75%、港湾で60%、トンネルで53%に上る。インフラは建設後50年が寿命とされる。
 とりわけ地方のインフラに危機が忍びよる。全国点検で修繕が必要と判断されたにもかかわらず着手でき時に放置された施設が多く残るためだ。全国の道路や橋などでは5年に1度の点検が義務化されている。
 国交省が23年末にまとめた調査によると政令指定都市を除く市区町村が管理する施設のうち橋梁の60.8%、トンネルの47.4%は修繕していなかった。
 国管理で未着手なのは橋梁だと37.7%、トンネルだと31.5%で地方の取り組みの遅れが目立つ。海岸や港湾の一部施設も同じ傾向がある。
 地方自治体で必要な予算や職員を確保できず、インフラを維持管理する体制が脆弱になっていることが背景にある。総務省によると、市町村の土木費は21年度に6兆5000億円程度でピーク時の1993年度から43%減った。
 高齢化で社会保障費が膨らみ公共事業に回す余裕がなくなっている。
 インフラ整備にあたる技術系職員も不足したままだ。市町村のうち全体の25%に相当する437市町村は1人も確保できていない。土木部門職員の減少は市町村全体の職員数の減少よりも大きい。
 政府はインフラの損傷が生じてから手を打つのではなく、その前に修繕する「予防保全」への転換を急いでいる。国交省所管するインフラを予防保全した場合、2048年度の維持管理・更新費は本格対抗より5割ほど縮減できる見込みだ。 公共事業で整備するインフラは学校や公営住宅などの公共施設と道路や橋などの土木施設が半分ずつを占める。

笠間市 まちづくり 公民連携 県内初 推進条例を制定 (1.13 茨城)

 笠間市は、今後のまちづくりを基本的に公民連携で進める方針を打ち出した。昨年末には、規範となる「公民連携推進条例」を県内の市町村で始めて制定。連携のあらゆる手法を定義付けたガイドラインも策定した。重要度の高い取り組みについては「特定公民連携事業」として専門の審議会が連携手法を含めて指定し特定事業を含めた全ての公民連携事業の評価も審議会で行う仕組みを構築する。
 地域課題が多様化する一方、人口減少が進み市の体力にも限りがある中で、資金やノウハウがある民間企業などと手を携えることが公共サービスの維持・向上に不可欠と判断した。条例は、市の公民連携の基本方針や原則、推進体制を定めたもので全10条からなる。
〇 条例の目的は「行政サービスの向上」
〇 公民連携の原則は「対等が原則」
〇 全ての事務が対象

老朽公共施設進む統廃合 築30年超が7割も (1.27 朝日)

 人口減少が進む自治体で、1970年代から使ってきた公共施設を統廃合する動きが進んでいる。老朽化したり、使う人が少なくなったりした公民館、福祉施設などを閉鎖し、1カ所に集める街のコンパクト化計画だ。公共施設の統廃合は、実は国の主導で進んでいる。総務省は2014年から複数回にわたり、数値目標付きで統廃合計画をつくるよう全国の自治体に通知。合わせて、統廃合にかかる工費の約45%は、国からの地方交付税交付金で賄うことができる仕組みも作った。
 総務省によると、東日本大震災で被災した一部自治体を除き、全国のほぼ全ての自治体が統廃合計画を作っている。鹿嶋市が19年春、五つの市立小・中学校に一つずつあった築40年以上の屋外プールを閉鎖し、5校で共有する屋内プール一つを新設した。
 「維持管理コストの削減だけでなく、新たなプールは屋内なので天候に左右されず、 一般市民も利用可能にした」と市の担当者。
 「縮小」というマイナスイメージをもたれがちな統廃合を逆手にとり、新たな住民サービスを提供できないかと模索する自治体の試みが続いている。

計画作りに住民の意見尊重
 一方で、統廃合計画は住民の意見を聞くことが欠かせない。埼玉・北本市は計画策定に際し、市民向けの説明会や意見交換会を延べ20回近く開催。有識者・市民の代表らでつくる審議会も設け、どの公共施設を統廃合の対象とすべきか検討した。
 市民2千人への無作為抽出アンケートも実施し、8割以上から施設の集約・複合化はやむを得ないとの結果を得たという。とはいえ、公民館や学校の統廃合は自宅から遠くなる住民も出てくる。市は想定されるデメリットや人口予測の変動なども踏まえ、計画は5年おきに見直し、10年おきに改訂する方針という。

31道府県 人口減に拍車 茨城・山梨・3年ぶりに転出超過 (1.31 日本経済)

 東京圏への人口の一極集中が再び強まっている。総務省が発表した住民基本台帳に基づく2023年度の人口移動報告によると、31道府県で人の流出が前年度より拡大し、首都圏の近隣3県が転出超過に転じた。生活コストの高い東京への集中は少子化につながると懸念される。人口減に拍車がかかる地方はインフラの維持も課題になる。
 23年は首都圏周辺のなかでも大都市への人口集中が茨城県と山梨県が3年ぶり、長野県が2年ぶりに転出超過に転じたことだ。23年に1863人の転出超過だった茨城県は、コロナの影響が出た21年(2029人)と22年(460)は2年連続の転入超過になった。都道府県別で転入超過は7都府県のみで、東京、神奈川、大阪では22年より増えた。転出超過は広島県が最大で、40道府県に上った。転出超の拡大が31道府県と22年の22より増えた。東京集積が地方分散か日本の国土構造で巡る政策は二兎を追う。
 62年に制定された都市再生特別処置法により大規模な再開発が相次ぎ東京の街が一変した。仕事や医療、教育、商業が集積、人を呼びよせる。地方創生の旗を振っても流れは変わらず、24年度だった東京圏と地方の転出を均衡させる目標を27年度に先送りした。

地域経済 

学校給食用米を全て有機へ JA常陸 農家と協力作付け拡大 (1.11 日本経済)

 常陸大宮市で有機農業の取り組みが広がっている。鷹巣地区では、有機農業者と慣行農業者が守るべき栽培管理の方法などを定めた協定を締結。また、市内の「学校給食で使う全ての米を有機米にする方法などを定めた協定」を締結。
 2024年度から新たに地区を増やし、年度中に2地区合わせて9.3haに広げる予定だ。
 同市は「有機農業を促進するための栽培管理に関する協定」を全国で初めて結んだ。有機農業者は病害虫の発生を抑えることや、慣行農業者は化学肥料・農薬散布時の散布時の飛散を防ぐなど盛り込まれている。両者が農地や周辺の除草の他、病害虫の発生時に被害を最小限にするための措置を講じるといった事項も定めた。
 12月中旬に、市長から鷹巣地区区長に認可通知書が手渡された。同地区は、県が国のみどりの食料システム法(みどり法)に基づき策定した基本計画で「特定区域に設定され、有機米栽培のモデル団地に位置付けられる。27年度から市内の学校給食用の米を全て有機米にするため23年に同JAや農家が3.9haで作付けを始めた。収量は約16.7トンで1等米の割合は7割を超えた。
 24年度から新たに同市八田地区で1.2haに作付けし同年度中に作付け面積を9.3haまでに拡大する予定。有機農業の取り組みを加速させていく。

雇調金1億3300万円詐取容疑京成百貨店元社長を逮捕茨城県警 (1.18 朝日)

 国の雇用調整助成金(雇調金)をだまし取ったとして、茨城県肇は18日、京成電鉄(千葉県) の子会社でデパートなどを展開する水戸京成百貨店(水戸市)元社長、斎藤貢容疑者(66)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。県藝によると、斎藤元社長は従業員らと共謀のうえ、実際には出勤していた従業員の勤務データを改ざんし、休業日を水増しした虚偽の雇調金申請書を茨城労働局に提出。2020年9~10月の間に2回、雇調金計約1億3300万円を詐取した疑いがある。
 京成電鉄や弁護士による調査チームは23年1月、当時の総務部長が、コロナ禍で赤字になるのを恐れて総務部内の人事担当者ら4人に改ざんを指示したとの報告書を公表。20年4月から22年8月分として受給した、のべ2万3795人分の約3億円の雇調金などを不正と認定した。
 京成電鉄が水戸市で営業する京成百貨店は、県内唯一の百貨店だ。日本百貨店協会(東京)によると、協会に加盟する百貨店の売り上げは1991年の約9・71兆円から減少傾向にあり、コロナ禍の2020年は半分以下の約4・22兆円にまで落ち込んだ。その後はやや回復したとはいえ、22年は4・98兆円にとどまった。
 特に地方の百貨店の疲弊が激しい。札幌▽仙台▽東京▽大阪▽神戸▽広島▽福岡の10都市にある店舗の売上総額(22年)は10年前の9割程度に踏みとどまったが、10都市以外では6割ほどまで落ち込んだ。店舗数の減少も顕著だ。ピークの1999年の311店から毎年のように減り続け、22年は185店だった。
島根、山形、徳島の3県が「百貨店空白県」となっている。

「水」燃料の人工衛星エンジン研究へ拠点 県が1.5億円補助ヘ (1.25 朝日)

 「水」を燃料とする人工衛星のエンジンを開発している東京大学発の宇宙関連ベンチャー企業「Pale Blue」(本社、千葉県柏市)が、つくば市に研究・開発の拠点を置くことになった。つくばエクスプレス(TX)沿線で2025年8月から操業を始める。同社は小型の人工衛星のエンジンを研究・開発し、その推進剤に「水」を用いる世界有数のメーカーだ。
 エンジンは、宇宙空間でロケツトから切り離された人工衛星を動かすために使われる。推進剤を宇宙空間に噴射し、その反動で人工衛星を動かす仕組みだ。「Pale Blue」は、推進剤として安全で入手しやすい「水」に着目。人工衛星のサイズや目的に応じて、水蒸気や水蒸気から生成したプラズマを噴射するエンジンを開発した。
 23年3月には、宇宙空間で実際に作動させることにも成功した。
 同社は今後、購入したTX沿線の県有地約1911平方㍍に拠点を構え、量産型の「水エンジン」を開発する。将来的には製造や出荷につなげたい考えだ。同社のつくば進出にあたっては、県が補助金の対象事業に認定し、後押しする。補助金は、成長産業の本社や研究所などの誘致を目的とした「本社機能移転強化促進補助金」で、補助額は約1・5億円の見込み。

企業から選ばれる街 県内各地へ波及期待

 つくば市は「宇宙と距離の近い街」(浅川社長)というように、JAXAや宇宙関連企業があり、そこでの実務経験がある人材を得られやすいことも魅力の一つだ。
 「Pale Blue」に限らず、本社の機能移転で人気の県内でも、国の研究機関や民間企業の研究所が多いつくば市は最も選ばれる街となっている。県が2018年度に設けた「本社機能移転強化促進補助金」の対象には、これまでに計26件が認定されている。うち9件が、つくば市に移転している。

環境と開発 災 害

「ゼロカーボン」宣言せず、全国で唯一、沿岸工業地帯がネックか (1.13 朝日)

 二酸化炭素(C02)の排出量を2050年までに実質ゼロにする――。そう表明した自治体を指す「ゼロカーボンシテイ」。国の方針に足並みをそろえる形で宣言が相次ぐなか、全国47都道府県で唯一、茨城県だけが「ゼロカーボンシティ宣言」をしていない。いったいなぜなのか。
 県は南部の太平洋沿いに鹿島臨海工業地帯を抱えている。この一帯では鉄鋼や石油化学などの製造業が主力で、大量の石油や石炭を使うため一定量のC02の排出は避けられない。県によると、県全体の19年度のC02排出量は約4479万㌧。部門別でみると、製造業が含まれる「産業部門」の排出量が約2828万ントで全体の約6割を占める。県の経済を支える一方で、脱炭素に向けてネックにもなっている。
 県は化石燃料にかわって燃焼時にC02を排出しない水素やアンモニアに注目している。鹿島港などでこれらを輸入し、サプライチェーン(供給網)を築くことをめざしている。21年には産官学が連携した推進協議会を設置し、構想を具体化させようと議論が進む。
 県が22年改訂した4年間の基本方針を記す総合計画には、こう記されている。「茨城から我が国の大規模製造業のカーボンニュートラル化を牽引する壮大なプロジェクトにチャレンジします」。大井川和彦知事も23年の県議会で「(カーボンニュートラルを)成長のチャンスととらえ、先進地を目指す」と話し、前向きな姿勢がうかがえる。それでも、県は「宣言をしない姿勢」にある。
 ゼロカーボンシティは、09年に山梨県、19年に東京都が表明して以降、自治体間で自発的に広まった。23年3月末までに46都道府県が表明している。
 環境省によると、表明することに法的な義務や条件はないが、国の補助金を申請する上での評価事項の一つにもなっているという。ゼロカーボンシテイ宣言をなぜ表明しないのか。県の担当者に尋ねた。
 一脱炭素社会の実現に挑戦するという姿勢でありながら、「ゼロカーボンシティ宣言」はしていません。
 「宣言は『2050年までに』と期限があるが、本県はいつ達成できるかお示しできないので宣言はしていません。県としては、『宣言したからには責任を持って守らないといけない』と考えている」
 ―今後、表明する考えは「県内でC02排出量が多い産業部門は、技術革新がなければ大幅な排出削減は難しい。(技術革新が)道半ばの段階で宣言だけをするのは現実的ではない」
 専門家はどう見るのか。京都大の諸富徹教授(環境経済学)は、「世界と日本の温度差や脱炭素の必要性の認知が進む中で、『できないから言わない』という、できないことの言い訳に聞こえる」と指摘。「各部局に横串を刺して連携し、脱炭素を実現するための専門部署を立ち上げることも考えるべきだ」。

不法投棄、衛星で監視 県と民間 AI活用で実証 (1.30 茨城)

 県は民間と連携し、人工衛星と人工知能(AI)を活用した産業廃棄物の不法投棄や建設残土の不適正な埋め立てを監視する実証実験に乗り出した。衛星画像をAIが解析し、地上での異常の早期把握を目指す。「空からの監視」体制を構築し、不法投棄などの防止につなげる狙いだ。
 県と航空測量などを手がけるパスコ(東京)が連携して取り組む「光学衛星とAIによる廃棄物の不法投棄等の早期発見に向けた実証」が昨年9月、人工衛星を活用した内閣府のプロジェクトに採択された。2月末まで実証を続け、3月には結果をまとめ、実用化への検討を進める。
 県は、人工衛星が継続的に撮影した画像をAIが解析し、不法投棄など地上での異常を察知できる仕組みづくりを目指す。発生を早期に把握することで職員らが短時間で急行し、事業者に指導・対処できることから、県廃棄物規制課は「実用化すれば、大規模な不法投棄を減らせる」と期待する。
 実証では、県内のこれまでの不法投棄などの発生時期、位置情報を県が同社に提供。デジタルカメラのように地上を撮影する光学衛星を使い、発生前後の衛星画像をAIが比較・解析する。複数データを蓄積し、不法投棄や建設残土による地上の変化をAIが判断できるようにする。

医療・福祉・社会保障・教育 

学校給食「国が全額負担を」の回答7割 日本農業新聞自治体アンケート (1.5 日本農業)

 日本農業新聞は、政府が検討している学校給食の無償化の考え方について、都道府県や政令市など計121の広域・自治体にアンケートした。子育て支援などを目的に無償化に踏み切る自治体が増える中、「住む場所によって格差がひろがっている」と懸念を示し、7割が国の全額負担による恒久無償化を求め、その大半が学校給食法改正の必要性を指摘した。残る3割は「財源確保が不透明」などの理由で賛否を示さなかった。
 政府は昨年6月「子育て未来戦略方針」を閣議決定し、給食無償化に向けた課題整理のための実態把握を始めた。春にも結果をまとめ無償化の制度設計に着手する。文科省の調査では2021年度の給食費は小学校で1人当たり月額平均4477円、中学校同5121円。

妊娠前の健康管理 笠間市が費用支援 (1.8 朝日)

 「プレコンセプションケア」という言葉。「pre(前の)」「conception(妊娠)」「care(管理)」を合わせた「妊娠前の健康管理」という意味で、安心して妊娠・出産できるようにと、事前に受診する人が増えている。ただ、健康保険は適用外。費用負担がネックになるなか、受診費の8割を補助する独自の制度を設ける自治体が県内にある。
 笠間市。2018年4月に市立病院や保健センターなどを併設した医療施設「地域医療センターかさま」(同市南友部)がオープンし、翌19年に、子育て支援の入り口としてプレコンセプションケアの専門外来を設置した。その内容は、まず血液検査をして感染症にかかっていないかや、全身の栄養状態を調べる。検査結果に基づき、医師らが適正体重の維持や適度な運動、赤ちゃんの成長に大切な栄養素・葉酸の摂取などを指導。施設内の保健師や管理栄養士とも連携し、総合的に妊娠・出産しやすい体づくりのカウンセリングを行う。費用は1回あたり2万円前後かかるため、市は19年10月から、プレコンセプションケアを受診する市民への支援を始めた。
 当初は市立病院で受診した女性に助成をしていたが、昨年10月からは対象を拡大。県内の産婦人科ならどこで受診しても市の助成が適用され、男性も助成を受けられるようになった。市民であれば、女性は1万6千円、男性は1万2千円を上限に、受診費用の8割の補助を受けることができる(1人1回限り)。プレコンセプションケアに特化した公費補助を行う自治体は県内では笠間市だけで、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)によると、同様の取り組みは全国的にも珍しい。

体育「男女共習」3年目の現場は 7割の中学「全種目で実施」 (1.15 朝日)

 学習指導要領が改訂され、中学の体育が原則的に男女共習となって3年目。共習は今、どの程度、どのように行われているのか。県教育委員会の調査とともに、県内の現場の取り組みを取材した。
 中学体育の男女共習は「生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現に向けた重要な学習の機会」と学習指導要領で位置づけられ、2021年度から実施されている。コミュニケーションや協力の中で生まれる学びの教育効果が高いとされる。県教委は23年5月に「学校体育調査」を実施。私立と国立を除いた県内229の中学を対象とし、全校から回答があった。
 体育の男女共習を「全種目で実施」と回答したのは、1年生で69.0%(158校)、2年生で66.8%(153校)、3年生で65.9%(151校)だった。県教委保健体育課によると21年の調査と比べて各学年で20校ほど増えたといい、おおむね7割程度となった。
 一方、「種目ごとに実施」と回答したのは全体の30.7%だった。「男女共習」は、どの程度一緒に学ぶことを指すのか。スポーツ庁政策課などによれば、一つの種目の学習の中で準備運動や基礎的な練習、教え合いや話し合いを男女の区別なく行い、試合や体の接触がある場面ではグループやペアに配慮するという方法であれば、共習にあたる。

学ぶ目的は「共生社会の実現」
 ジェンダーと体育の問題に詳しい井谷恵子・京都教育大名誉教授の話: 鍛えられた強い心身と高いパフォーマンスを求める従来の体育の発想では、共習は進まない。体育を学ぶ目的は「共生社会の実現」まで広がっており、そのためだと考えれば体育の共習は進むはず。遠慮せずに力いっぱい動きたいという生徒の気持ちも現場でくみ取りながら、内容を工夫していってほしい。

県立高来春 明野、真壁に統合 結城一と鬼怒商は連携型 (1.17 茨城)

 県教育委員会は16日、県立高校改革として、明野(筑西市)を真壁(桜川市)に統合すると発表した。実施は2025年4月。明野は今春の生徒募集を最後に27年3月、閉校する。結城一(結城市)と鬼怒商(同)は新たに設けられた「学校連携型キャンパス制」を導入し、授業配信などで連携する。太田一(常陸太田市)は定時制の募集を停止し、28年3月に閉課程する。

小中高生の自殺、過去2番目水準 昨年507人 学業や進路要因 (1.27 朝日)

 2023年の自殺者数は2万1818人(暫定値)で、前年の確定値より63人(O.3%)減った。減少は2年ぶりだが、3月公表の確定値で増える可能性がある。小中高生は過去最多だった22年と同水準。全体でも年間2万人を超える状況が続き、自殺対策に取り組む専門家は「極めて深刻」と警鐘を鳴らす。
 自殺者の総数は03年の3万4427人をピークに減少傾向で、19年は2万169人。だがコロナ禍が本格化した20年以降は2万1千人台が続き、23年も同水準となった。 男性の自殺は2年連続で増加して1万4854人。前年より108人増えた。厚労省自殺対策推進室は、「30~60代の有職者で、生活苦や事業不振による自殺が増えている」と分析する。女性は前年より171人少ない6964人だった。減少は4年ぶり。
 ただ、20歳未満は377人と、前年から43人増加。
 一方、小中高生の自殺は507人で、過去最多だった22年の514人に次ぐ水準で高止まりし、深刻な状況が続く。内訳は小学生13人、中学生152人、高校生342人。昨年の統計では「学業不振」が最多で「進路に関する悩み」が続くなど、学業や進路の悩みが要因に多い傾向にある。自殺対策に取り組むNPO法人「ライフリンク」は、子どもの自殺について「非常事態」とし、「子どもの命を守る取り組みを緊急的に進める必要があり、各自治体で学校と行政の連携を強化しなければならない」とする。

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