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2024・05・24更新

二本松寺2

二本松寺1

二本松寺あじさいの杜=潮来市

 『二本松寺 あじさいの杜』は、境内に100種類10,000株のあじさいが咲き誇る。期間は6月第1土曜日~6月30日。境内には、水戸光圀お手植えの槇(天然記念物)、ふたもとの松(水戸光圀が詠んだ歌)、菩提樹の花なども楽しめる約30~40分の散策コースが整備。311-2433 潮来市堀之内1230




ー 広島高裁松江支部、島根原発運転差し止め仮処分申請を却下 ―
「事故が発生する危険性が立証されていない」故に避難計画の実効性判断に踏み込まず

 中国電力が12月に再稼働を予定している島根原発2号機(松江市)について、広島高裁松江支部は5月15日、地元住民らが中国電に運転の差し止めを求めた仮処分申請を却下する決定を出した。島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地しており、2号機は2012年から定期検査で停止中。中国電が現在、再稼働に向けて安全対策工事を進めている。仮処分は島根、鳥取両県の住民が申し立てた。
 決定はまず、原発施設の耐震設計で目安となる「基準地震動」の妥当性を検討した。想定される最大の揺れが820ガル(ガルは加速度の単位)とされているのは「国の原子力規制委員会の確認を経ており、審査に過誤や欠落はない」と述べた。
 続けて、原発の南西約55キロにある三瓶山が噴火した場合の影響については、中国電の想定に合理性があると判断した。原発30キロ圏内には計約45万人が暮らしており、原発事故が起きた際の避難計画も争点になったが、「事故が発生する危険性が立証されていない」と指摘。避難計画の実効性などの判断に踏み込まなかった。
 2021年3月18日の水戸地裁判決と真逆の決定であり、現在東京高裁における控訴審に影響しないか心配である。日本原電が再稼働を目指す東海第二原発を巡り、11都府県の住民ら224人が運転差し止めを求めた訴訟の判決で、周知のように、水戸地裁は運転を認めない判決を言い渡した。
 前田英子裁判長は、原発の半径30キロ圏に94万人が暮らすことを踏まえ「実効性ある避難計画や防災体制が整えられているというにはほど遠い状態で、人格権侵害の具体的危険がある」と理由を説明した。事故が起こらないと原電側が立証していない故、事故が起きることを踏まえて住民の避難計画の実効性が住民の命・財産を守るためにも最低限必要であることは論を待たない。広島高裁松江支部の判断は、福島原発事故から教訓と判断論理をまったく学んでいない。

今月の俳句

風の向きときどき変はる柿若葉
   遠景に紫紺の筑波朝桜
薬飲むことが日課よ薄暑来る
   立志には縁なき齢(よわい)風薫(ふうかおる)
老鶯(ろうおう)や氏神祀る屋敷林

(注)老鶯=夏うぐいす

高 島 つよし

本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 元小貝保育園長、当研究所顧問


寄 稿     

2024年度県予算と議会の特徴、県民要求

江尻 加那( 県議会議員 日本共産党)

まやかしの「カーボンニュートラル」

江尻議員フォト

 茨城県は、47都道府県のなかで「ゼロカーボンシティ宣言」(2050年までにCO2排出量実質ゼロをめざすことを自治体として表明するもの)していない唯一の県です。その理由は後に述べますが、宣言することを県に求める請願(請願者はエネルギー診断士で土浦市在住)が県議会に出されました。しかし、一度の継続審査ののち、3月26日の本会議で自民、公明、国民民主、維新などの反対で否決されました。
 大井川知事は、宣言しない理由について「鉄鋼や石炭火力など産業部門のCO2排出量が全体の約6割を占める本県(全国平均は約3割)で、カーボンニュートラルを実現する道筋を示すことは困難であり、無責任に宣言することはしない」と述べています。一見、責任感があるかのような発言ですが、かといって脱炭素化に後ろ向きな日本政府を批判するでもなく、知事は「カーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクト」と称して、大企業の脱炭素設備投資に最大200億円もの補助金を予算化しています。そして、日本製鉄にたいし、「鹿島臨海工業地帯にある石炭高炉1基を休止するのであれば、電気炉の開発や新設にぜひ補助金活用を」と提案。
 また、常陸那珂港区北ふ頭で石炭火発を稼働する㈱JERA(東京電力と中部電力の合弁会社)が石炭にアンモニアを混ぜて燃やす取組を後押しするため、アンモニアの調達・貯蔵・輸送・利用のサプライチェーン整備事業に3千万円を予算化しました。
 こうした知事の姿勢に対し、私は3月議会で「グリーンウォッシュだ」と批判しました。これは、環境に配慮していないにもかかわらず、しているように見せかけるビジネス戦略であり、産業界・大企業の要請を受けて石炭火力を延命させる日本政府と同じ立場です。
 県がやるべきことは、「地球温暖化対策実行計画」(2023年3月改定)に基づき、省エネや再エネをはじめとする実効性のある取組を県民総ぐるみで推進することであり、そのために必要な予算と推進体制を保障することです。また、全国一となっている太陽光発電の導入において、東京や外国の企業および投資家の儲けのためにメガソーラー開発で環境や景観が壊されることを防ぐためのより厳しい規制が必要です。そして、中小事業者や協同組合など県民による再エネ導入を後押しし、地域経済に波及させることが重要と考えます。

東海第二原発再稼働への危険な動き

 政府や電力会社は、石炭火発を温存する一方で“脱炭素社会の実現”や“エネルギーの安定供給”を名目に、原発の再稼働と新増設を進めようとしています。現在、国内にある33基の原発のうち12基が稼働中であり、東海第二原発(日本原電)も再稼働のための工事が進められています。しかし、安全対策の要である防潮堤(鋼製防護壁)の南北基礎に、コンクリート未充填や鉄筋変形など広範囲の施工不良があることが昨年10月に明らかになりました。工事関係者から日本共産党に寄せられた内部告発がきっかけであり、その間、日本原電は事実を隠していました。基礎工事はストップし、日本原電は2月に設計変更申請を原子力規制庁に提出。しかし、3月26日の審査会合で「施工不良に対する認識と調査が不足しており審査できない」と規制庁担当官から一蹴され、審査は長期化に追い込まれています。とくに、北基礎の鉄筋が既定の岩盤深さに到達していない問題について、原電が「問題なし」として詳細な調査や是正措置を行っていないことに対し、規制庁は厳しく批判しました。今年9月に工事完了という工期を優先し、不適切な工事を進捗させた日本原電や規制庁現地検査官の責任は重大であり、原発再稼働の資格はありません。
 ところが、県は施工不良を重大視せず、再稼働に必要な広域避難計画の策定作業を続けています。さらに知事は、日本原電の放射性物質拡散シミュレーション結果をもとに、「最大17万人の避難に対応できる計画を準備すれば実効性が担保できたと言える」と発言。私は3月議会で知事を批判するとともに、拡散範囲が水戸市まで広がっているにもかかわらず水戸市民の避難対象をゼロとしている矛盾を議会で明らかにしました。加えて、30km圏内の病院と福祉施設の避難計画策定率が66.1%ということも分かりました。
 一方、避難所面積を1人2㎡から3㎡以上に見直したことで、30km圏92万人のうち12万5千人分が不足していると県が公表。これに対し、東海村選出の自民党県議から「避難所が足りないなら、車中泊避難も検討すべき。さいたまアリーナやビックサイト、東京ドームも避難先になり得る」と県に要求。広域避難計画が破綻していることの現れです。
 元日に起きた能登半島地震により、自然災害と原発事故が同時に起きれば屋内退避も広域避難もできないことが明らかになりました。「地震列島の日本に原発はいらない」との声はさらに大きくなっており、原発のないエネルギー社会の実現こそ未来への責任です。             

以上

【参考資料】


 小島慶子「被災者には尊厳ある生活を営む権利がある 国は『スフィア基準』に沿った災害対策を」
(「幸複のススメ!」『AERA』2024/01/18/)
 国際平和協力研究員OGの外山聖子さんの記述によると、スフィア基準とは1997年に策定された「人道憲章と人道対応に関する最低基準」のこと。「災害や紛争の被災者には尊厳ある生活を営む権利があり、援助を受ける権利がある」「災害や紛争による苦痛を軽減するために実行可能なあらゆる手段が尽くされるべきである」という二つの権利と理念に基づいた、人道支援を行う国際機関やNGOによる自主的な活動の基準です。
 日本は国として、直ちにこの基準に基づいた災害対策を講じるべきではないでしょうか。
 自然災害の多い国なのに、避難所といえば今も体育館や公民館の床に仕切りもなく寝る方式。
 段ボールベッドや小テント状の囲いも普及しつつあるが、安心安全な避難生活には程遠い。

イラストリンゴ

 日本がなすべき最大の「国防」は、災害対策です。自然とは交渉ができません。人々の命と生活を守るために、国はいつ、どこで大規模な災害が起きても被害を最小限に抑えられるよう、最大限のお金と知恵を投じるべきです。命が助かっただけでも有り難いと思えと言わんばかりの劣悪な避難所の状況は人道上深刻な問題です。
 国がスフィア基準に沿った対策を講じれば、二次被害や災害関連死を減らせます。
見慣れた「非常時の風景」を完全に変える施策にこそ、国費を投じるべきです。

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事務局便り

第5回理事会のご案内

日時 : 6月8日(土)午後1時30分
場所 : 茨城自治労連会館2階大会議室
議題
組織拡大推進計画について
避難計画調査検討について
第50回総会議案について

第50回茨城県自治体問題研究所総会

と き:2024年7月7日(土)午後1時30分から
ところ:茨城自治労連会館(つくば市花畑3-9-10)

電話:029-864-2548


今月の 川柳

円ドルのバトルで家計火の車 
   残業に心疲れて身も疲れ
水俣の電気を切って声を切り 
   老いの目がガザを見つめて空見つめ 
日米の深化で軍歌目をさまし 
   核のゴミ質が悪いと粗大ゴミ 
何もかももぬけのカラで世はさわぎ 
   薫風に酔ってみたいと出る三歩 
憲法をノミで削っているやから
   早苗風広い田んぼに吹きわたり

 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)

新刊紹介

住民に身近だからこそ輝く自治の軌跡
「平成の合併」推進に与しなかった、自律・自立を貫く小さな自治体の取り組み!

A5判 並製 204頁 定価1980円 

全国小さくても輝く自治体フォーラムの会自治体問題研究所 編

*フォーラムの会会員は特別定価1500円

自治体フォーラム

 「平成の合併」時代に自律・自立の道を選択した小さな自治体が小規模自治体の維持と発展を図ることを目的とする交流の場「全国小さくても輝く自治体フォーラムの会」を設立。本書では「平成の合併」とは一体何だったのか、25 年目の検証をした後、フォーラムの会の会員自治体が行う、住民に身近で小さいからこそできる、自治行政の先進的な取り組みの数々を紹介する。

第一部「平成の合併」から二五年目の検証 全9章
第二部 小さい自治体の輝く自治
第10章 鳥取県岩美町 地域における健康づくり推進事業―自治会単位での健康づくり活動を、保健師、管理栄養士と共に ― 持続する地域社会をめざして

地域資源・再生可能エネルギーの全体をまとめた日本初となる書籍

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再生可能エネルギーを活かした地域づくり

大友詔雄 著
工学博士 株式会社NERC(自然エネルギー研究センター)代表取締役 株式会社NETC(自然エネルギー技術センター)代表取締役 株式会社BES(バイオエナジー・ソリューションズ)代表取締役

A5判並製カバー、338頁 定価3520円(10%税込)

地域資源入門

 太陽エネルギー、風力エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギー、廃棄物など、地域資源・再生可能エネルギーの全体をまとめた日本初となる一冊。また、自治体、市民にとって再生可能エネルギー導入に役立つ、具体的な取組方法と事例付き。北海道芦別市「木質チップ燃料製造工場と熱利用による林地未利用材の利活用による地域内経済循環構造」の実証、群馬県川場村「バイオガスプラント(メタン発酵)と太陽光発電とのハイブリッド」ほか。

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