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第129号

2019・09・22更新

原研大洗 (2)

倒壊した冷却塔
=大洗町9月9日

日本原子力研究開発機構の大洗研究所(大洗町)で、研究炉「材料試験炉」の炉心を冷やす「冷却塔」(高さ16・5㍍)が台風15号の強風で倒壊した。機構は、原因究明を急ぐとし、これまでのところ、放射性物質の漏えいなどは確認されていない、と発表。


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台風による冷却塔倒壊はなにを示しているか
ー 牧田寛工学博士の指摘から学ぶ ー

              
 9月9日朝7時頃、台風15号の強風により大洗研究所材料試験炉(JMTR)二次冷却系統冷却塔(横約30m、縦約11.6m、高さ約16.5m)が倒壊していることを7:40頃パトロール中の協力会社作業員が確認した。
 JMTRは、初臨界後38年経過した2006年に停止して以降、2030年までの運転を目指して大規模改修工事をおこなっていた。改修終了直後の2011年3月に福島核災害が起こり、新基準への適応が資金的に不可能となったことから2016年に廃止の方針となり、現在廃炉準備中の事実上「死んだ原子炉」で、すでに停止期間は13年に及び且つ、二次冷却系は原子炉炉心と分離していますので放射能漏れなどの外部への影響はない。
 機構が公開した写真を見ると、底部にある冷気取り入れスリット部を残してスレート葺きの冷却塔が全壊している。冷却塔は、西側に向けて倒壊しているので、台風による東の風で吹き飛ばされたことが分かる。そして倒壊した瓦礫をよく見ると柱が木製である。そのうえかなり細い。相当な安普請に見える。おそらく建築物では無く、設置物の扱いとして耐震基準が適用されていないと思われる。
 JMTRとはどういう原子炉か
 原子炉構造体、炉心構造物、核燃料の中性子照射による損傷、劣化を加速試験し、その構造、強度、物性変化を知ることが出来る。事実、原子力発電黎明期に多発した様々な不具合につき原因を知ることが出来、JMTRは、80年代以降の原子力黄金期を迎えた原動力であった。

 原子炉内の構造体、核燃料の中性子照射による挙動は近年ではある程度シミュレーションにより行えるが、そのシミュレーションを行うための変数や定数は、JMTRなどによる実測によって得ている。とくに今後、高経年炉、高燃焼度核燃料、長サイクル運転などがJMTRなどの材料試験炉を必要としている。しかし、日本にはもはやJMTRもその後継炉もない。海外炉で細々と照射試験を行うほかなく、由々しきことである。JMTRすら維持できない国に、政府や自民党、財界の主張する原子力産業立国など不可能です。

【牧田寛】まきた ひろし ●著述家・工学博士。原発問題についてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中
ハーバービジネスオンライン Twitter ID:@BB45_Colorado

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粥啜り記憶は遠き終戦日
  風に乗り祭太鼓の音弾ずむ  
秋暑し不意に時打つ古時計
  記さねば人の名忘る流れ星
星飛んで恙なき日のつづきをり

高 島 つよし

本名 高島剛 常総市在住、句歴四十年 元茨城県職員 小貝保育園長、当研究所顧問

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リポート

第34回まちづくり学校in境町
― 住民全体の奉仕者として、自治体職員のあり方を考える―

叶谷 正 (茨城県自治体問題研究所事務局長)

          

6月23日境町中央公民館において、第34回まちづくり学校が開催されました。本学校は、当初2月9日に予定されておりましたが、荒天により止む無く中止となり、今般開催され、81名が参加しました。

〔開校式〕
あいさつ(実行委員長,学校長,来賓)

 開校式において,廣江良之実行委員長からあいさつがあり,私たちの仕事は,法律や制度に基づいて行われるものであるが,そのやり方が住民のためにならないのであれば,法律や制度を見直す必要がある。「一人を救えない制度は誰も救うことはできない。」この機会に一度考えてみてはどうか。本日のまちづくり学校が,皆さんにとって有意義なものとなることを期待すると述べた。
 田中重博学校長からは,自治体職場では新自由主義政策の下で雇用不安や長時間残業の横行により,ゆとりを失い心の病を抱える職員が増えている。併せて,行政サービスの民間委託と産業化がすすめられ,住民サービスの低下をもたらしている。自治体を国の下請け機関に変えようとする動きが強まる中で自治体職員は住民と一緒に行政サービスを改善していくことが強く期待されている。本日のまちづくり学校を学習と交流の場として成功させたいと結んだ。

 ご当地境町からは,島根行雄総務部長が出席され,近年人口減少や少子高齢化など、地方自治体が抱える課題は山積しており、住民ニーズにも質的・量的変化とともに複雑化している。当町においては,大学や国・県、民間企業への職員派遣を行い,職員育成に努めている。本日参加されている皆さんは,多忙な職務のなか,日々自己啓発に励んでいると思うが,その努力は,地域住民からの厚い信頼とまちづくりに繋がって行くものと確信すると述べた。

〔記念講演〕
 「自治体職員の働き方改革とは」 清山 玲 氏(茨城大学教授)
 講演は,今なぜ「働き方改革」か,という話から,自治体職場で進行してきた労働問題に触れ,最近の動きを整理しながら進められた。主な内容は,今求められている働き方改革のキーワードは,「ダイバーシティ」,「ワーク・ライフ・バランス」,「女性活躍」であり,働く人の視点に立った働き方改革のためには,政府が出してくるもの(政策等)で,使えるものはどんどん活用して,自治体職場をよりよいものにして行く。

清山玲氏 (2)

 政府は,日本の労働制度と働き方にある課題,正規・非正規の不合理な格差をなくすと言っている。世の中から「非正規」という言葉を一掃すると公言しているが,格差をなくしていくことはとても大事なことである。よくなっていなければ,それを暴くのが労働組合の役目だ。
 ( ※ 他に長時間労働・過労死の問題,最低賃金の引上げ,賃金格差の是正,36協定の未締結,様々なハラスメントなど,具体例を上げての説明があった )

 公務員の仕事は,子育て支援や高齢者に対するサービスの提供や計画づくり,まちづくりであったり,さらに市町村では,痒いところに手が届くようなサービスを実施している。
 公務職場は,空間と住民サービスのプロデュースを行い,そこで働く職員は,プロデューサーであり,演出家・実演者である。やろうと思ったら,いろんなことができる(コーディネートできる)立ち位置にいる。こうした仕事ができるということは,本当にすばらしいことだと思うし,今まで皆さんが勝ち取ってきた,まちづくりの条件やノウハウを次の世代の子どもたちに,是非,受け継いでいただけるとよいと思う。持続可能な社会ということからもこうしたことが求められていると思う,皆さんが,プロデューサー・プレイヤーとして,そしてユーザーとしても,是非,公共サービスにいろんな角度からアプローチして,御活躍をいただきたいと思うと結んだ。

〔分科会・講座〕

第1分科会「自治体職員の働き方改革」

【テーマ】長時間残業の横行,非正規職員の増大,人事評価の賃金反映等,様変わりする仕事・職場での自治体職員の働き方を考える。

【助言者】 田中重博 氏(茨城県自治体問題研究所理事長)

 政府は,なぜ,「働き方改革」を進めようとしているのか。公務員の「働き方改革」の取り組みや推進,自治体職員と組合は何をなすべきかといった内容で助言者から講義を受け、話し合いとなったが,自治体職員の参加が多く,より身近なテーマでもあったので,多くの質問や職場から報告等があり,充実した分科会となった。

第2分科会「介護保険法の改正による住民と国・自治体の役割」

【テーマ】 4月に介護保険法が改正され65歳以上の保険料引上げや利用者負担増などの問題と国・自治体の役割を考える。

【助言者】 木村冬樹 氏(茨城民医連事務局長)

 団塊の世代が75歳を迎える超高齢化社会(2025年問題)が目前にせまるなかで,自助・自立の方向が一層強まっている。この状況をどうやって明らかにしていくかが課題であり,もっと声を上げ,社会問題にするべきである。そして,行政は,民間には絶対できない力を持っている。トータルで住民の暮らしの課題と向き合ってほしい結んだ。

第3分科会「貧困問題と生活保護 セ-フティネットを考える」

【テーマ】 貧困が拡大する中,生活保護基準が引き下がり,制度が改悪されています。憲法25条を活かし誰もが人間らしい生活ができるように,セーフティーネットのあるべき姿を考える。

【助言者】 田川英信 氏(全国生活と健康を守る会連合会事務局員)

 生活保護制度が自助・自己責任を基調とする内容に改正され,生活保護の権利性が次々と弱められている。ケースワーカーからは,権利ばかり主張して,義務を果たさない人が多い。本当に生活保護が必要な人が利用していないなど,現場のナマの声があげられた。参加者からは,実情や悩みについて知ることができた。日本とヨーロッパでは生活保護に対する考え方が異なり,日本は特異で世界で見ると閉鎖的な国だと分かったなどの感想が寄せられた。

講座
「東海第二原発をめぐる情勢と今後の課題」

【テーマ】 原子力規制委員会は11月7日,最長20年の運転延長を認可しましたが,県民世論の多数は、再稼働に反対しています。再稼働阻止・廃炉に向けた闘いの方向を探る。

【助言者】 小川仙月 氏(脱原発ネットワーク茨城共同代表)

 東海第2原発は,大きな問題を抱えたまま,再稼働に向かって進んでいる。原子力規制委員会は,新規制基準適合審査,運転期間延長審査とも合格を与えた。原発事故は市民生活を根こそぎひっくり返す。この基本的なことを一人一人知ってもらうことが大切である。東海第2原発再稼働を回避するカギは案外足元にある。参加者からは,東海第2原発の様々な問題(地震対策,水蒸気爆発の恐れ,広域危難計画の不可能性)について話を聞き,原発の恐ろしさをあらためて考えさせられたと感想が述べられた。

イラスト1

リポート

明治維新150年講話とOB懇総会の開催

9月9日、OB懇談会総会を「レイクビュー水戸」で開催し、11名が参加し、はじめに「弘道館」を見学しました。
弘道館にて (2)

 月曜日で入館者も少なく水戸観光アドバイザーの案内でゆったりと見学ができました。
弘道館は、水戸学を教授する文武両道の全国でも名高い学校であります。
9代藩士徳川斉昭は、攘夷論や梅林を好み弘道館の建立、偕楽園の開設など現在の水戸に大きな足跡を残しました。

第ニ部は、明治維新150年講話として「明治維新前夜の筑波挙兵について」本田忠弘氏に講話をお願いしました。また、引き続いて開かれた総会では、事業報告、決算報告、監査報告、活動方針、予算を承認。役員を選出して無事終了しました。

懇親会は、和やかに美味しいお酒と料理を満喫しました。

OB懇談会 (2)

本田さんは、自分で質問を作って勉強をしてお話をする大変ユニークな方です。
 
以下は、講話概要のメモです。

 水戸は、笠原水道、偕楽園と貧乏が有名であります。水戸藩は、徳川御三家35万石ですが、半分は江戸住まいの殿様が使い果たしましたので家来も町民も貧しかったのです。

〈水戸学の常識〉
1 水戸に過ぎたるもの4つ。①に大日本史 ②に定府制 ③日本一の貧乏と水戸城。(北方の守り手)④御三家
2 天皇に死して誠をつくす(脱藩と暗殺が名物。(誠は水戸を滅ぼす)。
3 門閥派は3民に劣る(述義)。
4 藤田東湖は古着屋の成り上がり者。ついに神になる。
5 斉昭の動員力は郷校にあり(鶏医館・延方学校・敬業館・益習館・興芸館)。
6 門閥派・諸生派と天狗党との闘い(武士がいなくなる)。
7 水戸の貧乏対策は検地、半知、ヒエ倉
8 水戸藩の特徴(ケンカ・暗殺・だまされやすい・信じやすい)
〈天狗党の筑波山挙兵から処刑まで〉(8か月と20日)
①1864年3月27日天狗党が筑波山へ挙兵 頭 田丸稲之衛門
②天狗党が「逆賊」となる。田中愿蔵が、真鍋宿、栃木宿を強借。この時期、諸生派は幕府追悼軍と行動、水戸藩を支配、天狗派の家族・女を打ち殺す。
③1864年7月23日方針変更。天狗派はまず、諸生派を水戸で討ってその後攘夷を行う。
④1846年10月26日方針変更。大子村で会議。慶喜へ訴えるため京都へ向かう。
⑤1846年12月天狗派が、敦賀で慶喜に降伏する(809人)。
⑥1868年3月(明治元年)武田金次郎(武田耕雲斎の孫、天狗派の遠島組)が天皇から「除奸反正」の朝命をもらって江戸及び水戸に帰り、諸生派を次々と暗殺する。
 (注)水戸武士3500人のうち3000人弱が天狗党派と諸生派との殺し合いで死亡。士農工商のうち「士」がいなくなった(水戸藩の終焉)。
・天狗派と諸生派の闘いの原因は貧困である。
(江戸派(門閥)対 水戸派(天狗)ともいう)

〈幕府による水戸藩いじめ〉
①1830年 水戸藩主斉昭就任に反対。
②1844年 水戸藩主斉昭を長男慶篤に交代させる。(廃寺40カ所、勢力の反撃)
③1859年 斉昭を蟄居(永追放)安政の大獄
④1860年3月3日 桜田門外の変(井伊大老暗殺)。
⑤1860年8月15日 斉昭死亡(心臓まひ)
⑥1862年 東禅寺の変(フランス領事館殺害)
⑦1863年 坂下門外の変(安藤正信老中暗殺未遂)。
⑧1864年3月27日 筑波挙兵(目標達成せず)
(注)④、⑥、⑦は水戸藩の反撃。
〈斉昭の4大目標〉
①圣界の義 ②土着の義 ③学校の義 ④惣交代の義
〈尊王攘夷の定義〉
☆ 家康:天皇を中心とする国家をつくる。(神の国をつくる)
 それを維持するために、キリスト教の禁教の策をとる。
   1異国船打ち払い令を出す(17年間有効)
   2鎖港:港を閉鎖する。
   3斉昭
㋑ 内戦外和の立場 幕閣が和睦の方針を決定したとしてもそれは内密にしておいてあくまでも臨戦態勢をとることが内政外交に必要な態度である。
㋺キリスト教に対しては領土的野心と民心撹乱の恐れを極度に警戒して終始厳禁の態度を崩さず。
㋩開港のやむ追えないこと、但し私は初めから承認しない立場を貫く。貴殿は開港の方針をとっても可。(幕府内で孤立)
 1857年:斉昭・・「安政の大獄」(1858年)前に幕政参与を辞任。

(文責 岡村瑞比古)

9月の 川柳

秋風に国体乗ってまる太鼓
  減る年金消費税だけ肥え太り
暴風に電気とられて闇もらい
  親の借り子供に返す総理かな
台風禍しり目に改造忘れ
  五輪旗に旭日高く泥を塗り
嫌韓に秋に味覚がまずくなり
  名月やジェット機飛んで白い雲
長月の虫がさわいでいる夕べ

 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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事務局だより

第2回理事会の開催

1日 時 : 10月23日(水)午後6時30分~
2場 所 : ミオス 2階・第2小研修室 
            常磐線赤塚駅北口前
3議 題 : (1)第34回まちづくり学校の結果について
       (2)全国研のカンパについて
       (3)誌代の値上げについて

*以上、月刊「いばらきの地域と自治」第129号から転載

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月刊「いばらきの地域と自治」最新号をどうぞ;NEW!

先月以前のものはこちら月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて


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 2017年~2019年観測値のワースト10地点を更新しました。
「NO2観測データ関連」のメニューからどうぞ。

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新刊紹介

「Society 5.0」の名のもとですすむ公共サービスの産業化
「公共サービスの産業化と地方自治」

岡田知弘著

A5判/定価(本体1300 円+税)

 「Society 5. 0」の名のもとで、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデ ータといった先端技術を駆使し、政府は、国・自治体の政策決定、公共サービスや公共施設の運営、公共機関がもつ国民・住民の個人情報まで、あらゆる公共領域を成長戦略に位置づけ、さらなる市場化を強行しつつある。その政策によって、自治体政策や地域経済がどう変質するのか、対抗軸はどこにあるかを問う。

[主な内容]
第1章 国の意思決定の仕組みが変わった―「行政の私物化」の背景にあるもの―
グローバル国家論と構造改革・「行政の私物化」過程/第二次安倍内閣による政財官抱合体制の再構築
第2章 日本経団連の「Society 5.0」成長戦略と「自治体戦略2040 構想」
合言葉は「Society 5.0」と「SDGs」/経団連の成長戦略と国・地方自治体のあり方への介入
第3章 「地方統治構造」改革と「地方創生」
「地方創生」と「道州制」の罠/「地方創生」の政策群と実施過程 
第4章 「公共サービスの産業化」政策と「自治体戦略2040 構想」
「Society 5. 0」戦略の一環としての自治体戦略2040構想/デジタルファースト法とスマート自治体
第5章 「グローバル国家」型構造改革が日本の地域を破壊している
「圏域行政」の究極の姿/コンパクトシティで都市は持続的に発展できるのか/国家戦略特区による特定
企業・法人の優遇と地域経済効果の限定
第6章 自治体・公共サービスを主権者のものに
憲法と地方自治をめぐる対抗軸の形成/主権者の利益を第一にした国・地方自治体に/自治体による多数者のための新しい地域政策の広がり


準新刊

疾病に苦しむ人が、だれでも、どこでも、いつでも無償で医療が受けられる社会を求めて!
『医療保険「一部負担」の根拠を追うー 厚生労働白書では何が語られたのか』 

芝田英昭著
A5判・並製カバー・180頁 定価(本体1800円+税)

 
 1962 年以降の皆保険体制の下、日本の医療保険は大きく発展してきた。しかし、国庫負担、患者の一部負担は、「厚生労働白書」から読み取れるように、時々の経済情勢、財政的制約から導き出されたものであり、決して人権思想が反映された結果とは言えなかった。今、国民から求められているのは、基本的人権を基軸にした社会保障の構築であり、その基礎にあるのが、人間の尊厳であり人権思想なのである。
 疾病に苦しむ人はたくさんいる。そのだれもが、いつでも、どこでも、無償で医療が受けられる社会の実現に向けて、「権利としての社会保障」の観点から論究する。

プロローグ●健康は自己責任か
第1章●医療保険「一部負担」の意味とは
①医療保険における一部負担の制度的根拠 
②社会保障審議会等の歴史的文書に見る医療保険における一部負担の考え方
第2章●『厚生労働白書』(『厚生白書』)に見る医療保険「一部負担」記述の変遷
1950年代厚生白書/1960年代厚生白書/1970年代厚生白書/1980年代厚生白/1990年代厚生白書
2000年代厚生労働白書/2010年代厚生労働白書
第3章●医療保険一部負担に関する先行研究
①厚生労働白書は医療保険「一部負担」の根拠を示せたか ②モラルハザード、濫用防止は心理的圧力 ③医療サービスは「私的財」なのか
第4章●一部負担の受診抑制と世界のトレンド
①一部負担と受診抑制 ②一部負担増による受診抑制の研究事例 ③一部負担無料化の意義
第5章●医療保険の保険料・一部負担の未来展望
①社会保険に一部負担は必要か ②国保保険料の応益割と保険料上限の廃止 ③健康保険における標準報酬月額の上限を撤廃すべき ④健康保険から排除される被用者と無保険問題
第6章●人権としての社会保障と能力の共同性
①社会保障を考える基本的視点としての尊厳と人権 ②人間の尊厳の要素としての人格 ③日本国憲法に見る社会保障と人権 ④能力の共同生から社会保険料応能負担の根拠を考える

問い直そう税金―消費税増税ではない別の選択肢がある! 
鶴田廣巳・藤永のぶよ編著『税金は何のためにあるの』
              A5判 定価(本体1000 円+税)

 税の目的、仕組みと問題点、改革の方向について入門的に解説し、わが国の税制全体を問い直すことで、消費税増税ではない別の選択肢があることを明らかにします。

本書を推薦します 白藤博行氏(専修大学法学部教授)

 法律の世界では、租税法律主義といって、納税者の権利を守る大原則があります。でも、私たちは、日ごろ税の中身のことをどこまで考えているでしょうか。消費税が上がるといっても、「またか」で終わっていませんか。私たちは、公共サービスを受給する権利がありますが、税を公平に負担する義務もあります。ですから税
の集め方や使い道を、主権者としてしっかりと考えなければなりません。

 私たちは居酒屋でビール1 本の追加を迷っていますが、何百兆円もの「内部留保」がある大企業は、労働者に相応の賃金を払い、まっとうな法人税を納めているのでしょうか。主権者の税への無関心は、悪政を助長します。「税のバイブル」である本書を読んで、賢い主権者・納税者になりましょう。

『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし』
働く人の労働条件・事業者の経営環境・地域産業振興を一体で改善するみち

永山利和・中村重美著

A5判/定価(本体2000 円+税)

 公共工事や公共サービスの低価格受注が広がり、疎漏工事や官製ワーキング・プアが問題となってきた。
この課題を解決する公契約条例の意味と実際(世田谷区・野田市など)を紹介する。

世田谷区長・ジャーナリスト 保坂展人とさん推薦
 8年がかりの粘り強い運動により区議会全会一致で成立した世田谷区公契約条例は2014 年に成立後も改善と進化を遂げていく。2019年には労働報酬下限額を1,070 円とする。全国に拡がる公契約条例の基礎から今後の課題等必携の一冊。

『新版 自治体の財政』 
まちの財政のしくみを分かりやすく解説! 自治体財政入門書

初村尤而著(都市行政コンサルタント)
   A5判 定価(本体2000円+税)

 暮らしのなかのお金の流れに注目して、予算書・決算書を読みます。公共サービスのあらましをたどって、歳入・歳出のしくみを解説します。そして、地方交付税、基準財政需要額や財政健全化指標、企業会計など自治体財政に欠かせない用語も分かりやすく説明し、数字に隠れた市民生活や地域の現状へといざないます。
主な内容
第1章 私たちの暮らしと財政
第2章 予算書、決算書を読んでみよう
第3章 歳出(経費)のしくみ
第4章 歳入(財源)のしくみ
第5章 さまざまな自治体財政
第6章 地方公営企業のしくみ
第7章 わがまちの財政健全度を量る指標
第8章 自治体財政のあり方を考える
終 章 財政数値との向き合い方

「自治体戦略2040構想」と地方自治

白藤博行・岡田知弘・平岡和久著 

A5判/定価(本体1000 円+税)

 アベノミクスの失敗で疲弊が続く地方。住民のいのちと暮らしを守る市町村の役割が再認識されている。
 ところが、政府は、連携中枢都市圏(や定住自立圏)のような「圏域」を地方行政の単位として法制化し、住民サービスも自治体間で「標準化」「共通化」「広域化」しAI やロボットそして民間企業に任せ、公務員は半減させるなど、地方自治を骨抜きにすることを狙っている。これらは、「自治体戦略2040 構想」という研究会報告として公表され、法制化への議論とともに、地方財政政策などを通じて具体化も始まった。
 本書では、「自治体戦略2040 構想」とは何か、地方自治の姿をどう変えると予想されるのか、憲法と地方自治法が示す自治の視点から見たときに何が問題となるのかについて、解説する。

「豪雨災害と自治体 防災・減災を考える」

A5判・並製・160 頁/定価(本体1600 円+税)

 豪雨災害はどのように発生し、どう対応すべきか?
 毎年のように豪雨災害が猛威を振るっている。その原因・メカニズムを気象学、被害の拡大を地質学から追究し(寺尾徹、田結庄良昭)、2018 年の豪雨が各地にどのような災害をもたらしたか、現地からの詳細な報告を収める(磯部作、越智秀二、村田武、山藤篤、松岡淳、小淵港、田結庄良昭、池田豊)。そして、このような災害に対して自治体はどう対応すればよいのか、防災と減災の視点から問う(室崎益輝、塩崎賢明、有田洋明)。

「水道の民営化・広域化を考える(改訂版)

尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー184 頁/定価(本体1700 円+税)

 改正水道法成立!「いのちの水」をどうする。2018 年12 月6 日、改正水道法が成立した。多くの庶民の疑問、マスメディアでの反論をものともせず、既定方針のように審議を通した。水道が生き残るには、民営化、広域化しかないのか。すでに、各地で起こっている「水」めぐる民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくか多角的に考える。

『人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望』

中山 徹(著)

発行年月日:2018/11/15  1,200円+税  A5 112ページ

 人口減少に歯止めがかからず、東京一極集中はさらに進む。自治体そのものを見直そうとする「2040構想」も始動した。こうしたなか、保守と革新の共同による「市民共同自治体」の動きも出始めている。地域が大きく再編されようとしている今、市民と地域を守るためにはどうしたらよいのか。「市民共同自治体」を提唱して、市民のニーズを政策に活かす方法を考える。

目次
はじめに
 1章 新自由主義による国土・地域・コミュニティの再編
  なぜ国土・地域・コミュニティの再編なのか
  再編の具体的内容とそれを進める政策
  自治体再編の方向性
  再編のコンセプトと進め方
 2章 自治体の動向と市民共同自治体への展望
  開発型自治体と削減型自治体
  市民共同自治体の誕生
  市民共同自治体の展望
 3章 市民共同自治体の政策
  政策の基本的な枠組み
  すべての主要施策に格差是正を貫く
  地域のまとまりをどのようにして創り出すのか
  行政責任を明らかにする
  なぜ市民参加が重要なのか

原発再稼働と自治体

―民意が動かす「3つの検証」― 新潟県はその出口を探す先頭に立っている

立石雅昭・にいがた自治体研究所編

A5判 定価(本体1200 円+税)

 福島原発事故から7 年半。控えられていた原発の再稼働が復活してきているが、それでも再稼働はスムーズに進んでいるとは言いがたい。それは、国民の過半数が原発再稼働に懐疑的であり、反原発・脱原発の世論が強く根を張っているためである。世界最大の柏崎刈羽原発を有する新潟県は「3 つの検証」―事故原因の検証、健康と生活に及ぼす影響の検証、安全な避難方法の検証―を掲げて福島原発事故の検証を行っている。その活動の意味を問う。

序 原発立地自治体・地元自治体に問われていること 池内 了
1 新潟県検証委員会の活動の意味 大矢健吉

『人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望』

中山 徹(著)

発行年月日:2018/11/15  1,200円+税  A5 112ページ

 人口減少に歯止めがかからず、東京一極集中はさらに進む。自治体そのものを見直そうとする「2040構想」も始動した。こうしたなか、保守と革新の共同による「市民共同自治体」の動きも出始めている。地域が大きく再編されようとしている今、市民と地域を守るためにはどうしたらよいのか。「市民共同自治体」を提唱して、市民のニーズを政策に活かす方法を考える。

目次
はじめに
 1章 新自由主義による国土・地域・コミュニティの再編
  なぜ国土・地域・コミュニティの再編なのか
  再編の具体的内容とそれを進める政策
  自治体再編の方向性
  再編のコンセプトと進め方
 2章 自治体の動向と市民共同自治体への展望
  開発型自治体と削減型自治体
  市民共同自治体の誕生
  市民共同自治体の展望
 3章 市民共同自治体の政策
  政策の基本的な枠組み
  すべての主要施策に格差是正を貫く
  地域のまとまりをどのようにして創り出すのか
  行政責任を明らかにする
  なぜ市民参加が重要なのか

'
'どこを目指す !! 自治体戦略2040構想''
― 研究会報告の概要と問題点、課題 ―

A5版・24頁  定価250円(地域研卸単価200円)

地域研の皆様へ
 地域研の皆様には日頃から大変お世話になっています。
 さて、自治体戦略2040構想研究会の最終報告が7月に公表されました。構想研は「2040年頃をターゲットに人口構造の変化に対応した自治体行政のあり方を検討する」として2017年10月に設置された総務省の有識者研究会です。
 その趣旨は「高齢化がピークを迎え、若い勤労者が激減する2040年頃の姿から自治体の課題を逆算する形で整理し、今の半数の職員でも対応できる仕組みを構築」するというもので、それは今日の地方自治、自治体のあり方を抜本的に見直し再編していくものです。 
 これを受けて、同月に第32次地方制度調査会が設置され、この内容が諮問されました。
 地制調に諮問したということは、その結果を踏まえて法制度改革を行うということです。
 私たちも地制調での議論を見極め、内容を検証し、対置政策を示して世論を喚起していくことが必要です。そのため研究所ではまず構想研報告の内容を知らせ、問題点、課題を明らかにしていくことが急務と考え、今回、職場や地域等での学習会向けに標記ブックレットを緊急に発行しましたので1冊送付(贈呈)します。また、皆様には割引単価を設けましたので、普及(490部)にもご協力をお願いします。
 なお、ブックレットの表題、目次、報告表題の「自治体戦略2040年構想」は誤記で、正しくは「自治体戦略2040構想」ですので正誤表を入れてあります。

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    はじめに  岡田 知弘
    自治体戦略2040構想研究会報告の概要と問題点、課題- 角田英昭 
    1.構想研報告の概要 
    2.構想研報告の問題点、課題

既刊ブックレットもお手元に!      
どこを目指す、自治体戦略2040構想(A5 ・ 24頁) 200円   
原発災害避難自治体の現況と復興、自治の課題(A5 ・ 40頁)300円   
どこを目指す、公共施設等総合管理計画(A5 ・ 40頁)300円   

「いのちの水」をどう守っていくのか!

水道の民営化・広域化を考える

尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー180 頁/定価(本体1700 円+税)

 老朽化、料金6 割上昇、人口減に維持困難……、これらは水道について語られる危機だ。国は水道法改正を視野に入れ、民営化と広域化を推し進め、この危機を乗り越えようとしている。しかし、こ
の方向は正しいのか。すでに、各地で始まっている民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくのか多角的に考える。
目次から
プロローグ●水をめぐるウソ・ホント 解説● 2018 年水道法改正とは
Ⅰ 水をめぐる広域化と民営化の現場
イントロダクション ●各地で具体化する広域化・民営化の動き/ 香川県●県主導の水道広域化の矛盾/ 宮城県●水道事業へのコンセッション導入の問題点/ 浜松市●下水道処理場のコンセッシ ョン化問題/ 京都府●簡易水道と上水道の統合/ 奈良県●奈良市中山間地域の上下水道のコンセッション計画/ 埼玉県●秩父郡小鹿野町民の水源・浄水場を守る運動/ 大阪市●市民が止めた水 道民営化/滋賀県●大津市のガス事業コンセッション
Ⅱ 水をめぐる広域化・民営化の論点
上水道インフラの更新における広域性と効率性/水道の民営化・広域化を考える

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中学生から大人までみんなで知ろう
市民が作った

つくば市の財政白書

つくば市民による財政白書づくりの会編著

A4判・113 頁/定価700 円

連絡先:古久保みどり midorigujiubao@gmail.com

『基地と財政 ー 沖縄に基地を押しつける「醜い」財政政策』

川瀬 光義

A5 133頁 1600円+税

本書のねらいは、このあまりにも不条理な基地新設の「同意」を得ることを目的として日本政府が講じてきた 財政政策が、いかに醜いものであるかを示すところにあります。名護市をはじめとする沖縄本島北部地域自治体への特別な財政政策を最初に提示した当時の首相は、橋本龍太郎氏でした。そのとき、これは基地新設の見返り
かという旨の問いかけに対して橋本氏は、強く否定しました。その姿勢からは、沖縄の人々に対する後ろめたさ'を少しは感じることができました。しかしその後ろめたさ'は次第に後退し、第4章で紹介した米軍再編交付金及び再編特別補助金に至っては、政治的意見の相違によつて公的資金の配分を差別することを合法化するという、醜さの極致と言ってよいなものとなつてしまいました。

 本書を通じて、こうした醜い政策でしか維持できないような日米安全保障体制とは何なのかにつぃて、読者の皆さんが考える糸口になれば、筆者としてこれにまさる喜びはありません。

『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』

本田宏著 (医師・NPO法人医療制度研究会副理事長)

A5判110頁 定価(本体1100円+税)

主な内容
 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著書が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて究明する。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方まで俎上に載せて検討する。
目次から
第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ

第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する

第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育

第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする

第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために

Excelを駆使して自治体の財政を分析する!
データベースで読み解く自治体財政 地方財政状況調査DB の活用

武田公子 著 金沢大学経済学経営学系教授

B 5 判94 頁 定価(本体 1600円+税)

 総務省は市町村の財政状況を表わす「地方財政状況調査DB(データベース)」をウェブサイトで公開しています。そのサイトへのアクセスから、様々なデータファイルのダウンロードと整理ファイルを使った分析手法までを、図表を駆使して分かりやすく解説します。自治体財政の全般的な動向を捉える基本的な分析方法を初め、公営企業や国民健康保険会計、公立病院事業に対する繰出金の分析、合併特例債の終了期を迎える合併自治体の財政状況の検証、そして復旧・復興に関わる被災自治体の財政分析などを実例に即して展開します。
第1章 自治体財政の制度概要と全般的動向
 地方財政の基本的な枠組み/地方財政に関する全国的動向
第2章 地方財政状況調査データベースの利用方法
 地方財政状況調査データベースの所在と意味/地方財政状況調査DB 利用の実際――歳入内訳の分析/データの整理/性質別経費の分析/目的別経費の分析
第3章 グラフの読み取りとさらなる分析方法
 グラフの作成/全国自治体に共通した動向/普通建設事業費の内訳とその財源/民生費と扶助費の関係/ 地方債の分析/積立金の動向/人件費と物件費の動向
第4章 一般会計と他会計との関係
 財政健全化判断比率と財政状況資料集/繰出金の分析/国民健康保険会計の分析/公営企業会計への繰出の詳細を調べる――病院の例
第5章 合併自治体の財政分析
 合併自治体の分析目的とデータのダウンロード/データ整理の手順/歳入グラフの読み取り/歳出グラフの読み取りと詳細データ/地方債の分析
第6章 被災自治体の財政分析
 国による財政措置/復旧・復興事業分歳入の分析/歳出の分析/災害復旧事業と普通建設事業/復旧・復興事業                            

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

既刊

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤 周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

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加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

角田英明『公共施設の統廃合・再編問題にどう取り組む-計画づくりから本格実施へ-』
A5版・32頁 一般普及300円(地域研・自治労連割引単価200円)

 全国の自治体では、現在、公共施設等総合管理計画づくりが急ピッチで進められています。
 既に2015年度末までに全国30道府県、15指定都市、396市区町村でつくられ、今年度末にはほぼ全自治体で策定されます。これはこれまでのような個別施設の更新、統廃合に止まらず、公共施設全体を中長期的な視野に立って全面的に見直し、再編していくものです。そのため国は、公共施設等の解体撤去や公共施設の集約化・複合化、転用等に係る財政措置を講じて各自治体に計画の策定と実施を迫っています。同時に、この計画は「地方創生」戦略や市町村合併、指定管理者制度などと一体的に進められています。
 本書では、こうした状況を踏まえ、政府施策や各自治体の計画内容、今後の取組みの課題、方向を検討しました。皆さん方の活動に活用していただければ幸いです。

はじめに 
 1.いま、なぜ、公共施設の統廃合・再編か 
 2.計画の策定・推進に向けた政府の対応 
 3.各自治体の計画づくりと実施方針(秦野市 さいたま市 相模原市)
 4.今後の取り組みの留意点と課題 
 5.「地方創生」総合戦略と一体的に推進 
 6.市町村合併の中で進む公共施設の統廃合・再編 
 7.指定管理者制度における公共施設の再編問題 
おわりに


『生きたかった ー 相模原障害者殺傷事件が問いかけるもの』

藤井克徳・池上洋通・石川満・丼上英夫編

大月書店 [本体1,400円十税]

 寄稿 香山リカ(立教大学教授・精神科医)福島智(東京大学教授・障害当事者)ほか 

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自著を語る  池上洋通

 昨年12月に出版した上記の『生きたかった一相模原障害者殺傷事件が問いかけるもの』は、共著で、専門的立ち位置を微妙に異にするところから対象を分析したものである。
 周知のように、昨年7月に神奈川県相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件は、多くの人々に深い衝撃を与えた。しかし半年が過ぎたいま、マスコミはほとんど取り上げなくなっている。けれども実は、事件の容疑者を動かしたとされる「優生思想」は、現実社会に深く根を張り、障害者差別を日常化させ、中央政府・地方自治体の政策に重大な影響を与え続けている。
 わが国で、優生思想をうたった法制度の初めは、ヒトラー・ドイツの「断種法」に範をとって1940(昭和15)年に膳定された「国民優生法」であるが、現行憲法施行後の1948年に同法を「改正」する形でさらに対象疾病や障害の範囲を拡大して「優生保護法」を制定し、1996年まで施行されていた。この法律によって、「強制手術」などが行われ、障害者の存在そのものがおびやかされ続けた。
 さらに重大なことは、それを正当化するものとして国民全体に「障害者差別」を当然とする社会思想が植えつけられ、その結果、行政をはじめ社会のいたるところで「差別関係」が生まれた。障害者の社会的隔離、学校教育における「分離教育」、住居、労働・雇用、情報活動における差別などなど…。先進国で珍しいといわれるこれらの課題の解決が、中央政府だけでなく、地方自治体の政策課題であることは明白だある。しかも近年、「社会福祉・社会保障リストラ」とでもいうべき制度改変が進められ、施設の民間委託、職員の非正規化か急速に広げられている。
 しかしその一方で、障害者権利条約の批准と共に「障害者差別解消推進法」が昨年4月に施行された。わが国初の「差別禁止法」である。これを受けていま、多くの自治体で条例作りが進められており、障害当事者と住民による運動も急速に広がりを見せている。
 本書の企画は、こうした情勢を意識しつつ、事件直後に始まった。その根底にあるものは「共生の思想に立つ地域の運動に貢献したい」という願いです。普及のためにお力添えをたまわりますように心からお願い申し上げます。

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『つくば市総合運動公園に関する住民投票運動記録集』

画像の説明

画像の説明

榊原 秀訓 著
『地方自治の危機と法ーポピュリズム・行政民間化・地方分権改革の脅威』

自治体研究社  2.000円+税

 地方自治は生き残れるか! 議会や住民からの批判を無視して、自らの政策を推進する首長がおり、行政サービスのアウトソーシングが民意を離れ公共性を失いつつある。また分権の名の下で、国が責任放棄して自治体や住民への負担が大きくなっている。これらの脅威に対して憲法や地方自治法の観点から異議を唱え、立憲主義を保障する政策への転換を訴える。

第Ⅰ部 ポピュリズムの脅威と民主主義
 第1章 ポピュリズム、民主主義と「選挙独裁」 
 第2章 議会改革・議会内閣制・ボランテイア議会
 第3章 参加制度と民主主義ー パブリック・コメントと住民投票
 第4章 自治体の総合計画策定における参加制度と議会
第Ⅱ部 行政民間化の脅威と行政サービスの価値
 第5章 NPM手法に基づく自治事務事業評価と事業の仕分け
 第6章 地方公務員の縮小と給与の削減
 第7章 「改正」地方公務員法と人事評価制度 
 第8章 行政サービスのアウトソーシングとインソーシング
第Ⅲ部 地方分権改革の脅威と地方自治の保障
 第9章 自治体の規模権限の拡大と自治体間連携 
 第10章 義務付け・枠付けの見直しー保育助設備運営基準の条例化を中心に
 第11章 道州制、改憲構想と地方自治

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自治体の政策をまなぶ書シリーズ

森 裕之著
公共施設の再編を問う -「地方創生」下の統廃合・再配置- 

1,200円+税                 

    
 「公共施設等総合管理計画」が策定され、学校をはじめとする公共施設の再編・統廃合が具体化しつつある。
 先行する自治体の事例にそって、その実際とこれからの方向を考える。
 はじめに -いまなぜ公共施設の再編・統廃合なのか-
 第1章公共施設とは何か
 第2章地方剤生と公共施設
 第3章公共施設と地方財政改革
 第4章公共施設の再編・統廃合 -先行事例から学ぶ-
 公共施設の全体マネジメントー相模原市・さいたま市・秦野市-
 個別施設マネジメントによる公共施設の廃止―浜松市―
 公共施設の住民自治計画―飯田市-
 公共施設と住民自治 
 終章賢い縮小(スマート・シュリンク)へ向かつて

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岡田 知弘・榊原 秀訓・永山 利和 編著
地域と自治体第37集 地方消滅論・地方創生政策を問う

2,700円+税

 地方創生とはなにか、その政策は地域や自治体をどのように変えると予想されるかを考える。

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芝田 英昭 著
『基礎から学ぶ 社会保障』 (増補改訂)

自治体研究社 2,500 円+税

 社会保障の基本原理とあゆみから、公的医療保険・高齢者介護・年金・子ども家庭福祉・生活保護・障害者福祉などの各論にわたって、社会保障の理念としくみを学ぶテキスト。

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神田 敏史・長友 薫輝 著
市町村から国保は消えない一都道府県単位化とは何か-

926円+税

 国保の「都道府県単位化」で運営や財政の何が変わるか。

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大和田一紘著 
習うより慣れろの市町村財政分析

2200円+税

 自治体の財政資料を入手し、独自分折表を使って誰でもできる財政分析の手法を解説する。大好評の三訂版!

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中田 実・山崎 丈夫・小木曽洋司 著 
改訂新版 新自治会・町内会モデル規約 -条文と解説-

1200円+税

 加入率の低下や高齢化などの課題に直面する自治会・町内会。その運営を円滑に運ぶためのモデル規約を示し、わかりやすく解説する。

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