常陸那珂港
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資料2
常陸那珂港
総事業費7,267億円…すでに3,600億円を投入
- 「常陸那珂港」総事業費と実施額
実施主体 | 全体計画 (億円) | 08年までの実施額 (億円) | 主な事業内容 |
---|---|---|---|
国 | 1,422 | 811 | 東・北防波堤 県への補助金 |
茨城県 | 4,425 | 1,575 | 岸壁、直轄負担金 用地造成 |
地元市村 | 203 | 81 | 防波堤、岸壁 |
電力会社 | 750 | 694 | 東・北防波堤 |
小計 | 6,800 | 3,161 | - |
県施工分における電力分担金 | 467 | 466 | 北ふ頭電力用地造成 灰処分場造成 |
合計 | 7,267 | 627 | - |
日立港、大洗港と統合して95位→39位 県は08年12月、常陸那珂港が全国の重要港湾128港のなかで、取扱貨物量が95位と低迷していることから、日立港(86位)と大洗港(51位)を統合して名称を「茨城港」としました。重要港湾の統合は全国初めてです。県は統合の効果に「イメージアップ」をあげています。
常陸那珂港は、東海村とひたちなか市にまたがる海岸を埋め立て、太平洋に北、中央、南の3つのふ頭を建設する巨大事業です。 総事業費7,267億円のうち、すでに3,627億円が役人されました。
北ふ頭は2000年4月に完成、外貿ふ頭は5万トン級の大型コンテナ船が入港できるよう水深15mの大水深バースを整備、大型クレーン2基も設置されました。沖合いには全長6kmの防波堤を建設中で、すでに5km以上が完成しています。
● 入港は1日2・5隻
貨物の半分は火力発電所用の石炭
北ふ頭に入港する船は1日2.5隻程度です。取扱貨物量も大きな伸びはありません。取扱貨物量の半分は常陸那珂火力発電所が輸入している石炭です。それにもかかわらず01年2月、「需要が見込まれる」として中央ふ頭を着工、今後、3,000億円以上を投入する計画に踏み出しました。
県は、中央ふ頭の一部を埋め立てて工業用地とし企業を誘致する計画を打ち出しました。工業用地全体は68haでそのうち39haは09年度から9年間で埋め立てる計画です。これまで県は進出企業の要請を受け、港湾の隣接地に建設機械メーカーを誘致してきました。
すぐ近くに常陸那珂工業団地(66ha )がありますが、半分は売れ残っています。橋本知事は、輸出型産業が輸送コスト削減のために臨海部に進出する動きが強まっているためと説明しています。
売れ残り工業団地を抱えているなかで、新たにな税金投入で海上にまで工業団地を造成するものです。
● 石炭火発2号機を増 設、自然環境の破壊がすすむ
港湾建設は周辺の自然環境に大きな影響を及ぼしています。港湾の南側にある阿字ヶ浦海岸は砂浜が消失し、復旧工事にこれまで23億円が投入されました。北側の旧原研海岸の侵食も深刻になっています。
C02を大量に排出する石炭火力発電所2号機の増設がすすめられています。現在、1号機の石炭灰は中央ふ頭計画地内の産業廃棄物処分場にベルトコンベアーで運び、捨てていますが、あと7年で満杯になります。東電は新たな石炭灰処分場を県に要望しています。
☆常陸那珂火力発電所の概要 (石炭専焼型)
- 敷地面積 141ha
- 1号機 100万キロワット 2003年12月運転開始
1号機の石炭の年間使用量約230万トン - 2号機 100万キロワット 2013年度運転開始予定