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第29号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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(第30号) (2011・06・20発行)


福島原発.jpg

福島第一原発4号機の無残な骨組(福島県大熊町)

2011年3月31日朝日新聞朝刊

第37回茨城県自治体問題研究所総会のご案内  

と き:2011年7月9日(土)午後1時30分から4時

ところ:茨城自治労連会館(つくば市花畑3-9-10)
 

電話:029-864-2548

  • 記念講演:「自動車産業と地域経済」

    講師:牧 良明氏(茨城大学人文学部講師)

    総会議事
    2010年度活動報告、会計報告、監査報告、2011年度活動方針、予算、役員改選等 

総会議案

県内被災地からの報告

北茨城市からの報告  

北茨城市議会議員 鈴木やす子

 3月11日から2ヶ月がたち、日常の見える風景は戻りつつあります。しかし、収束しない原発災害と放射能汚染のせいで、何とも心落ち着かない日々が続いています。が、せっかくの原稿依頼ですので、少し振り返って今思うところをまとめてみます。

 北茨城市内は、3.11で、6強の地震と数㍍に及ぶ津波の被害を受け、さらに福島原発から75~85㎞の地で、放射能汚染とそれを上回る風評被害にさらされることとなりました。死者5人、行方不明者1人、千戸を超える全・半壊、現在罹災証明書発行が5000に近づきつつあります。 震災直後は、市長を先頭に職員、消防団、業者の総力をあげて、被災者の救援とライフラインの復旧に全力投球。20箇所の避難所と一時は5000人に及ぶ避難者への水の確保と炊き出し、さらに市内全域の被害状況の把握、損壊した道路の応急処置、水や食料の確保、支援物資の依頼、電気と水道の復旧に市内業者の力もかりて奔走しました。
 議会にもすぐ声が掛かり、グループを組んで、避難所や地域を回り、実態把握と要望を聞き取るなど、住民生活のフォローに回りました。市内全体でみると、津波被害以外では損壊家屋が少ない中、電気と水道の復旧、加えてガソリンなどの燃料確保の要望が高いと同時に、情報が伝わってこないことへの不満・不安が多く出されました。議会の動きは、一週間にわたり毎日防災対策本部との協議、情報交換を行い、その後も随時、招集がありました。地域での意見・要望の掘り起こしと伝達、執行部と対応策の協議を頻繁に行ったことは、他自治体からみても特筆すべきことだったと思います。
 医療機関については、市立病院機能が半壊、入院患者の転院を行い、応急対応に集中して当たりました。震災が週末でしたが、消防からの要請でDMATがすぐに多く入り、大変助かりました。幸い、市内の大手の病院も機能したこと、市中の個人病院も電気が通らなくても翌週から診察を再開したところもあり、なんとか切り抜けることができたように思います。

 最初の議員の召集の際に市長は、我が町も大変な被害だけれど、東北三陸地方の被害を見ると、ほかからの支援は当てにできない、当面自力でがんばるしかないと言いました。確かにその通りだったと思います。その際、一次産業の農林水産業を保っている地域であること、また集落などの共同体のネットワークが生きていることなど、この地域の強みが発揮されたと思います。避難所となった学校のスタッフや地域消防分団の献身的な力、住民の支援で温かい炊き出しや井戸水の活用、自家発電機の供用など、随所で自律的な動き、助け合いや積極的なボランティアがみられました。
 一方で、基本的な防災への心構えが行政、住民とも薄かったのでは感じています。地域住民の意識の中では、台風時などでの水害はあっても、大きな天災被害はないものと多くの方が思っていました。ですから、初動の広報の不足、さらに、いざ電気などが途切れたときの情報網の寸断は不安を増幅させ、復旧への大きな足かせにもなりました。そして誰もが持っている携帯電話のつながらなさは日頃の便利さとのギャップが大きいだけに多くの人が失望しました。最低限、行政中枢や消防・ 防災関係機関の連絡・情報収集・確保の手段は何がなんでも用意されなければなりません。さらにまた、住民自身も日頃の集落のネットワークを生かし、情報伝達と互いに助け合える自主防災組織という積極的な役割が担えるように組織強化をはかっていく必要があります。そして市内全体では、被害に大きな格差があることで地域間に意識の温度差を感じますので、それをうめるソフト面の努力も地域再建には必要ではと思っています。

 現在、家をなくされた方への住まいの提供・入居や見舞金の支給が順次進んでおり、解体撤去作業もようやく本格化してきました。次は、生活再建と地域産業の復興です。ところが、この歩みにとんでもない待ったをかけたのが原発被害です。直接被害を被った農水産業者をはじめ、累積していく放射線に、子どもをもつ若い親御さんはもちろん祖父母世代も、見えないものだけに不安を大きくしています。
 国と東電に対して、一刻も早い収束をとの声を行政も事業者も早くに声を上げました。今すべきことは、まず細かくしっかり測定し、グレイゾーンも含め、情報を住民につまびらかにすること、そして具体的な対応策を資金援助も含め早急に提示することが必要と考えます。
 今回の震災は天災だけでなく、人災でひき起こったいい知れない不安も同居することになりました。天災からの立ち直りは、地域みんなの力で見通しをもたせたいと思います。
 この人災とも正面から向き合って踏ん張るしかないと思っています。

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大震災での大洗町の取り組み  

大洗町議会議員 菊 池 昇 悦

 大洗町は、4月18日から災害見舞金の支給を始めました。金額の上乗せと床下浸水をも対象にしたすばやい実施は被災者からたいへん喜ばれました。そこには、災害から早く立ち上がり、生活を元に戻そうとする行政の取り組みの姿をみることができます。
 さらに、震災によるガレキの撤去を個人に求める自治体が多い中、汚泥、ブロック、瓦の撤去まで町の責任で実施しています。作業は、建設業者との災害協定の発動や消防団の懸命な取り組み、住民の参加を呼びかけて一気に進め15日後には環境を元に戻すことができました。
 罹災証明書などの案内は、被災後の翌週に新聞折込みも含めて行われた。復旧への町民の気分を前向きにさせようとした効果もうかがえます。証明写真が撮れない相談には、町職員が出かけて対応することもありました。
 大洗町での見舞金は、現行額に特例を設けて、
 住宅全壊 1世帯 3万円 → 7万円
   半壊     2万円 → 5万円
 床上浸水     1万円 → 5万円 
 
 新:床下浸水  1万円

 床下浸水については、議会で支給すべきか否か意見が分かれたが、結局は支給することでまとまった。津波被害地の北茨城市では床下浸水について3000円支給、ひたちなか市および日立市では無支給のようです。
 福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染は、飲料水に影響をあたえています。大洗町の水道水の測定結果をみると、3月24日に放射性ヨウ素が56.2ベクレルであったが、放射性セシウムは不検出だった。測定器の精度によるものと考えられるので、県などの検査機関に検査を依頼することも必要である。それ以降はいずれも不検出となっている。このような結果は、大洗町の水道源が主に地下水であるからと説明されている。したがって、県から水を買うシステムになっているとしても最小限にとどめ、町の水道は自前の地下水にもとづくことが大事であると考えています。

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東日本大地震と福島第一原発事故による甚大な被災状況に潜む問題をとらえ、今後の復興のあり方を考えるうえで参考になる資料を掲載しました。(編集委員会)

 資 料 

「〈復興を問う〉農漁業、早急な被害補償を!」
2011.4.29

鈴木宣弘  東大大学院教授

農業や漁業などの復旧・復興で重要なことは?
 「早急な被害補償が復旧・復興の前提になる。田畑を失ったり、放射能漏れの問題で農産物が売れなくなった農家は絶望感の中にある。このままでは、今日、明日の見通しが立たず、復興のエネルギーは失われてしまう。長期の復興計画の前に、農業などの継続意欲をつなぎとめられるかが問われている」
原発事故による被害の補償方法は?
 「一義的に責任が東京電力にあるというのはわかるが、政府が概算額で補償を行い、後で精算すればいい。(農業系金融機関の無利子融資など)業界団体による助け合いも重要だが、まずは政府が『いつまでに責任を持って対処する』と明言すべきだ」
スピードという点で、政府の対応には批判も多い?
 「有事に不可欠な機動性、即応性が欠けている。必要なことは現場が一番知っており、関係省庁が即座に具体策を打てるように、『全責任は自分が取るから動いてくれ』と言えるリーダーが必要だ。『会議』ばかり増やす時間的余裕はない」
放射能漏れによる風評被害に対する考えは?
 「加工、流通、小売業者、消費者の対応が問われている。直売会では売れるが、卸売市場では値が付かず、加工業者は契約を破棄しているのが現状だ。『安全だ』と判断できるものは買い続け、食糧の供給者たちを支えなくてはならない」
&color(,paleturquoise){''環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加問題への影響は?
''}; 「大災害で疲弊する地域経済にさらに打撃を与えるようなTPPは当然、白紙撤回するべきだ。食糧輸入が途絶する事態も想定し、自給的で持続的な社会の再構築のため、(関税を維持して)国内の供給力を守るべきだ」

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