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第17号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

「いばらきの地域と自治」(第17号)


  • カラ港ダラダラ今日も銭をすて
  • 老いぼれてひと花咲かすとたちあがり
  • 基地迷路素面(しらふ)で出口見つからず
  • 仕分け人女官(おんな)ひとりが気をもませ

作:泉  明 羅

(泉 明羅・本名 福田正雄、水戸市在住、句歴十年、所属 元吉田川柳の会)



NPT再検討会議ニューヨーク行動で頑張ってきました

加藤 岑生(原水爆禁止茨城県協議会会長)
                  

 私は4月30日に成田からニューヨークに向け出発し5月6日に帰国しました。
 2010年のNPT再検討会議は10年前に核保有国5カ国が受け入れた「核兵器廃絶の明確な約束」の実行が問われて、長年の被爆者の願いを先頭にした原水爆禁止運動の成果として、国際的な高まりの中、前進が期待されています。
 5/2(日)タイムズスクエアーでの集会は道路の片側を封鎖し、30度を超える炎天下、車の騒音の中で行われました。国連本部を目指したパレードはマンハッタンの中心を世界各国、日本原水協1600人の日本代表団を含む、約1万人から2万人の参加者で実施されました。
 4/30(金)から開かれたリバーサイドチャーチでの第1回国際平和会議ではこれまでの世界の反核運動がバラバラな目標を掲げて進められて来ましたが、核兵器廃絶の一点でまとまり、国際的な大きな流れを作る契機になりました。
 この会議の2日目にパン・ギムン国連事務総長の演説がありました。「ここリバーサイドチャーチはマーチン・ルーサー・キング牧師がベトナム戦争反対の発言をした場所であること。自分の戦争体験を話し、世界のグランドゼロ(セミパラチンクス)を訪れ、今年は8月に広島を訪れること。核兵器廃絶するのは権力者でなく民衆の力であること。日本の皆さんは決して諦めないで下さいと。日本人が諦めたら核兵器は無くらないと。」この発言に励まされました。今回のNPT再検討会議で必ず肯定的な方向を期待できると感じました。また、熱い「核兵器廃絶の願い」をニューヨーク市民にアピール出来たことに感激し、私にとって新たな決意を固めるニューヨーク行動でした。


リポート

09年度「公契約に関するアンケート」の結果について

2010年4月19日 茨城県労働組合総連合

はじめに

 茨城労連は、2010年1月県内44市町村の協力を得て5度目の「公契約に関するアンケート」を行いました。アンケートは、「自治体の非正規職員の労働実態」、「自治体が発注する公共事業や委託事業(公契約)のもとで働く労働者の適正な労働条件の確保のための自治体の取り組み」、「労働行政の実態」を把握し、それぞれの改善を求める運動の一環として行われました。また、給与所得の地域間格差を把握し、所得の向上と地域経済振興の一助とすることをめざしました。
 国や自治体が発注する事業(公契約)に従事する労働者の賃金・労働条件は、「関連のある職業・産業に適用される水準を劣らない有利な条件を確保するものでなければならない」と、ILO第94号条約(日本は未批准)は規定しています。公契約に従事する労働者は、建設・土木、印刷、公的施設の管理運営、福祉、介護、国・自治体の臨時・非常勤職員など1,000万人以上といわれています。そして、この多くが劣悪な労働条件を強いられています。
 今回の調査で正規職員の非正規職員への置き換えが一段と進んでいること、時間給が引き上げ傾向にあるものの依然として官製ワーキングプアであることが明らかになりました。この流れを断ち切って「正規があたりまえ」に転換し地域全体に広めるとりくみや、地域経済振興と住民のくらし向上のとりくみ、その中心となる公契約改善のとりくみが重要となっています。
2009年には、野田市で全国初の公契約条例が制定されました。国会では「公共サービス基本法」(10年7月1日施行)が制定され、国や自治体が公共サービスの実施に従事する労働者の適正な労働条件確保等での発注者責任が記されました。公契約法・条例制定を求める世論は着実に高まり、条例制定に向けての検討をはじめている自治体も多くなっています。公契約条例(法)制定は現実的な課題となりました。私たちの運動もその一翼を担えたと確信します。
 県内44市町村のご協力に感謝申し上げるとともに、この成果を活かし公契約運動をさらに強化する決意を表明するものです。

1正規職員雇用の実態

(1) 県内44市町村の職員の総数(病院・消防を除く)は32,979人(昨年32,921人)、うち正規職員は21,927人(同22,539人)、非正規職員(2時間程度の短時間雇用を含む)は11,052人(同10,382人)、非正規職員の割合は33.5%(同31.5%)でした。3人に1人が不安定雇用労働者となっています。非正規職員数を常勤職員換算するなどして算出した自治体が2市(牛久、つくば市)あったことから、実数はさらに増加することになります。
 正規職員から非正規職員への置き換えが依然としてすすめられています。2006年度調査で正規職員は24,119人でしたから、4年間で2,192人(9.1%)も減少しています。国が゙強要した「集中改革プラン」と財政危機の対策として職員削減を遂行した結果と言えます。このことは、「集中改革プラン」とその達成状況にも表れています。「プラン」策定時の平成17年(05年)4月現在職員数27,684人を平成22年(10年)に25,063人とするものですが、平成21年(09年)に24,901人(削減数2,783人、△10.1%)となっており5年間の削減目標2,621人を4年間で超過達成しています(アンケート調査は病院等含まず、時期も異なるため一致しない)。

(2) この非正規職員は、雇用期間が「6月以内」や「1年以内」の有期雇用で、低賃金であることが共通しています。通勤手当は10自治体が支給せず、労災保険は加入しているものの、社会保険は6自治体、雇用保険は7自治体が加入していませんでした。
 一方、非正規職員間でも職種や雇用形態などで、賃金・労働条件に格差が生じています。

(3) 賃金は、「保育士」の場合、平均時給941円(昨年918円)で9自治体が1,000円以上ですが、「一般事務職」の平均時給は801円(同775円)、「一番低い時給」調査の平均は774円(同754円)、その最低額は700円(同676円)で茨城県の最低賃金額678円(09年10月8日発効)をわずかに上回る状況です。保育士は募集しても応募がない状況も生まれています。

(4) 年々上昇しているものの生活できる賃金にはほど遠く、抜本的な引上げが求められます。時給1,000円で1,800時間働いても年収180万円しかなりません。アンケート結果は、自治体が大量のワーキングプアを生み出していることを実証しています。
  住民税の多くは給与所得者に課税されていますから、税収は労働者の収入が大きく影響します。自治体はこれまで歳出削減に集中し、歳入増の取り組みが希薄な傾向にありました。税収増を望みつつも労働者の所得向上の施策はほぼ皆無でした。そのことをも非正規職員の賃金実態は明らかにしています。自治体にとっても公契約条例の制定と最低賃金の大幅引上げは喫緊の課題となっています。

2公契約のもとで働く労働者のための取り組み実態

(1) 公共工事・委託業務で働く労働者の適正な賃金・労働条件確保のための対応は、依然として改善されていません。
 入札資格審査での障害者雇用の促進等についても、行なっているのは3自治体のみで、公契約の行政に広い視点が求められます。

(2) 入札方法について、「総合評価方式」は試行を含めて29自治体が実施(昨年度15自治体)、準備中が7自治体で、金額だけで契約業者を決定する従来の方法が大きく転換されつつあります。技術力などから大企業が有利といわれる問題点を除去し、地元業者や労働者のくらしと経営が守られ、品質確保、地域経済振興につながる公契約の確立が求められます。

(3) アンケート結果は、公契約のもとで働く労働者の労働条件について、多くの自治体は無関心であることを物語っています。これは、労働行政を担当する部署がないことや発注先の労働条件は「民・民の問題であり関知すべきでない」との認識からと思われます。また、依然として当局も住民の中にも「安ければ安いほど良い」との思いを払拭できていません。低価格契約は、品質確保や受注業者の経営、労働者の適正な賃金をおびやかすものであること、公共事業は地域経済振興策でもあることを認識することが大切です。
 
3 労働行政の実態

(1) 労働行政を担当する専任職員を配置しているのは石岡市のみで、他の自治体は専任を配置せず兼務職員となっています。

(2) 労働行政のために支出する「労働費」の予算額は、皆無が6、百万円未満が20、百万円~1千万円が9、1千万円を超えるのが9自治体、平均969万円でした。自治体の予算総額に占める「労働費」の割合は平均0.04%、すべての自治体が1%未満、最高の自治体でも0.4%(境町)でした。

(3) 市町村が課税する住民税の課税総額に対する給与所得者(すべてが労働者とはいえない)の占める割合は平均86.6%、給与所得者1人あたりの課税額は平均109,200円(昨年110,600円)で、最高156千円(守谷市)から最低75千円(大子町)と約2倍の格差が見られました。
 住民税収入の約9割を給与所得者に依存していながら、労働者のための行政はほぼ皆無であり、抜本的な改善が求められます。

4 給与所得者の地域格差

(1) 給与所得者の一人当たり所得額は、守谷市が最も多くて3,833千円(給与収入に換算すると約547万円)、全県平均は2,909千円(同433万円)、最低が大子町で2,261千円(同352万円)となっています。上下の年収の差は約200万円であり、東京通勤圏や大企業立地の自治体の収入が多くなっており、地域間格差が歴然としています。

(2) 住民の所得水準の引き上げは、自治体の重要な行政課題でなければなりません。とりわけ年収が低い自治体にあっては喫緊の課題であり、住民の圧倒的多数を占める労働者の賃金引上げの施策が求められています。その点からも、自治体の非正規職員の賃金・労働条件を改善し、地域全体に波及させることが大切になっています。
 地域住民の賃金底上げは、消費購買力増加や自治体の税収増などにも直結し、地域経済の振興や自治体財政の強化にも大きく貢献することは明らかです。低賃金で職員を働かせることによって歳出を抑えることは、一時的には効果があがったように見えても、持続できないことは明らかです。未曾有の経済危機の反省から内需中心の経済政策への転換が国民各階層の共通認識になってきています。低賃金・無権利の非正規労働者の拡大路線をあらため、内需の柱である労働者の雇用の安定と賃金引上げへの転換が求められています。

5 調査結果をうけての今後の運動

(1) 正規職員から非正規職員への置き換えがさらにすすんでいます。国・県の人員削減の強い「指導」と財政危機への対応として正規職員を削減し、その穴埋めとして非正規職員を補充してきたからです。その結果、多くの自治体職場では、正規職員の長時間過密労働が増え健康を害している職員も少なくありません。

(2) 非正規職員は時給1,000円にも達せず、常に雇い止めの不安がつきまとうなど劣悪な労働条件で働かされています。それが今日、「3人に1人」から「2人に1人」に向かう勢いであり、自治体がワーキングプアづくりの推進役と言われかねない状態となっています。
 雇用問題は「卒業しても就職できない」問題へと深刻の度が一段と深まり、国の要請も受けて多くの自治体が雇用確保・創出の事業を開始しました。私たちはこの取り組みを歓迎し、これを機に労働行政が強化されることを強く求めます。
 また、自治体当局は、「正規職員があたりまえ」の原則に立ち返り、官製ワーキングプアの汚名返上に全力をつくすことを求めます。
) 自治体の役割の基本は、住民福祉の増進を図ることです(地方自治法第1条の2)。労働者が幸せな生活を送るための最大の保障は、「安定した雇用」と「まともな賃金」です。公契約条例(法)は、税金を原資として働く労働者が、雇用不安や低賃金で悩まされる事態を防止するものです。そのことは同時に、地域経済の向上や税収の増加にもつながり社会的にも貢献します。すべての自治体が「国や他市の動向を見て」から脱却して、野田市につづく「名誉ある地位」を占めていただきたいと思います。

 茨城労連は、公契約運動と最低賃金制の改善運動を結合させさらに強化するものです。

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