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第9号

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「いばらきの地域と自治」(第9号)


  • 水音のして水見えぬ大花野
  • 雁渡る父の遺稿の行軍記
  • 菊咲かせ晩年気負ふこともなく

作:高島つよし
(高島剛・常総市(旧水海道市)在住、元県職員、小貝保育園長、当研究所顧問)



「映 画 雑 感」

                      

茨城県自治体問題研究所理事

茨城映画センター 本田精一

 今年3月から7月にかけて、県内各地で「おくりびと」の上映会が開催されたのは皆様ご存じのことだと思います。2月にアカデミー賞外国映画賞を受賞し、マスコミが連日のように関連報道を行うという状況のなかでの上映だったため、これまでの自主上映会の入場者記録を塗り替える事態が続出したのは嬉しいことでした。
 5ヶ月弱で30数ヶ所の地域で上映され、参加者も3万人を数え、主催者も、映画サークル、女性団体、葬儀社、9条の会、実行委員会、福祉団体、等々、多種多様な幅広い方々によって上映会が開催されるなど、様々な面で近年に無い経験をしました。

 我々スタッフが会場に付く前から待っている人、杖を頼りにようやく階段を上がってくる高齢者、こうした観客が多く見受けられ、「何十年ぶりに映画を見た」「こんなに早くこの映画が見られるなんて思わなかった」「ここでやってもらえれば、わざわざ遠くの映画館まで行かなくてもいいからありがたい」。涙を拭きながらのこれらの言葉を何度かけられたことでしょうか。こうした時ほど充実感を感じる時はありません。

 映画が誕生して今年で114年、誕生当時から今日まで映写機でスクリーンに映像を投射する仕組みは何も変わらない空間で、これ程多くの人に喜ばれるのは仕事冥利につきるというものです。
 今、映画興行界は大きく様変わりをしています。劇場はシネコン(複数型劇場)が主流になり、既存の映画館は撤退をよぎなくされ、ついに日立でも全て閉館され、那珂川以北では、ひたちなか市のTOHOシネマズのみという状況です。
 一方、興行資本は、効率化を最優先し、「10億の作品を10本上映するより、100億の作品を一本上映する方をとる」と公然と表明し、年間400本近く製作される作品の内、上映されるのは、宣伝に金をかけられた知名度のある僅かな作品が同じように上映されるのが当たり前になっています。更に数年先には、映画館から映写機が姿を消し、通信回線を利用しての上映システムに変わろうとしています。そうなれば、ますます上映作品は中央での集中管理によるプログラムとなり集客の弱い作品はどんどん上映期間を繰り上げられてしまうでしょう。
 今後ますます上映作品の集中と映画を観る環境の地域格差が広がっていくと思います。こうした状況を迎えている今だからこそ、身近な生活の場で、ゲタ履きで参加できる会場で、自分達が上映したい作品を選び上映会を開催する自主上映会の役割は、ますます重要になるのではないでしょうか?

 映画館の無い地域でこそ、映画を観る機会を少しでも多く作っていただける協力者を切に募集している次第です。


投 稿
   

いまそこ憲法25条に謳う最低限度の生活を営むことのできる

最低保障年金制度の確立を!

取手市役所 国保年金課

石 引 正 則

 8月30日投票の第45回衆議院総選挙で自民党は、1955年の結党以来はじめて第一党の座を失うという歴史的大敗を喫し、9月16日に招集された特別国会で民主・社民・国民新党の鳩山連立内閣が誕生した。
 総選挙で民主党が圧勝した背景には、10年余続いてきたアメリカ型新自由主義にもとづく構造改革路線によって雇用、医療、福祉、年金、介護、子育てなど国民生活と地方経済が破壊され続けられたことにあります。国民の「何としてもいまの政治を変えたい」という願いが投票行動に結びついた結果であり、当然の帰結です。
 総選挙にあたっては、どの政党も雇用や年金・医療・福祉、子育て支援などをマニフェストに掲げ選挙戦を繰りひろげました。年金問題に係る主な政党の主張を簡単にまとめると次のとおりです。

 自由民主党は、3年以内に無年金者・低年金者対策として具体案を提示、年金制度抜本改革のために超党派の協議機関を法律に基づき早期立ち上げ。
 公明党は、年金一元化、低所得者の基礎年金に25%の加算制度を創設。受給資格期間を10年に短縮。
 政権を取った民主党は、年金制度一元化と消費税を財源とする月額7万円の最低保障年金制度を実現、公的年金控除の最低補償額を140万円に戻し、老齢者控除50万円の復活。社会民主党は、年金制度の一元化、「所得比例年金」と「基礎的暮らし年金」は単身で最低8万円の年金実現、老年者控除の復活。日本共産党は、月額5万円を底上げする最低保障年金制度の創設・国民年金を月額8万3千円に引き上げ、公的年金等控除の最低補償額を140万円に戻し、500万円以下の高齢者に老年者控除の復活、年金受給要件を「10年以上」に直ちに引き下げ、などでした。
 国民年金保険料の平成20年度の納付率は62.1%、前年比で1.9ポイントの減少です。3年連続減少で、現在の制度が施行された昭和61年度以降で過去最低の納付率となっています。保険料未納などで年金がもらえない65歳以上の人が45万人いると発表されています。さらに将来年金をもらえない人が70万人以上、年金をもらっていても月額3万円未満の人が169万人もいます。国民年金は20歳から60歳の誕生日月前まで40年間(480月)納めて、年額792,100円、月額66,008円です。受給資格を取得するには、最低でも25年(300月)納付しなければなりません。年金制度は、納めた保険料の額や期間によって老後の年金額が決まる仕組みとなっています。したがって、雇用情勢の悪化や不安定化は老後の年金に直結する問題です。現在起こっている派遣切りや期間工切りは住むところを失うばかりでなく、老後の生活まで失うことにつながりかねません。
 
 国民年金制度は、憲法25条第2項に規定する理念に基づき、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的としています。新しい政権が発足したもとで、自公政権ができなかった最低保障年金制度の確立にむけて、いまこそ要求実現のための国民的運動が強く求められています。


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