第74号
第74号
2015・02・22 更新
茨城県陶芸美術館=笠間市
茨城県陶芸美術館は、「伝統工芸と新しい造形美術」を テーマとした「笠間芸術の森」公園内に、 誰もが気軽に立ち寄れる県立美術館として、平成12年4月に開館した。
「近現代日本陶芸の巨匠たち」のコーナーでは、板谷波山/文化勲章受章者と人間国宝たち/松井康成の作品展示が興味深い。
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「自治体消滅論」はがさつ、 農山村は残る
- 「誇りの空洞化」を克服すれば消えない -
塚田 紀史氏(東洋経済 記者)のインタビュー報告から興味をひいた一部を紹介したい。
「消滅論ショック」が地方の市町村を覆っている。実際は、先行して過疎化、超高齢化と向き合ってきたのが農山村であり、難関を突破しつつあるという。『農村山は消滅しない』(岩波新書)を書いた明治大学農学部の小田切徳美教授に聞いた。
──「農山村は消滅しない」のですね。
現場の農山村で「消滅論」の副作用がものすごく出てきている。消滅の議論は一言でいえばあまりにもがさつ。推計の問題は制約があるから精緻化すればいいが、それだけではない。集落、農山村には強みもあれば弱みもある。現場を年50回は歩く研究者として、消滅しないという立場を踏まえ、議論テーマを左右どちらかに偏らせるのではなくあえて中央に寄せて丁寧に検証した。
──農山村では「三つの空洞化」が進んでいるのですか。
人、土地、ムラにおいて、つまり農家世帯数、経営耕地面積、農業集落数を指標として空洞化が段階的に押し寄せてきて、今はこの三つの空洞化が折り重なるようにして進んでいる。この段階というところに意味があって、それぞれの段階が始まったときに過疎、中山間地域、限界集落という造語を新たに作らねばならないほどの現象が起こっている。
過疎という激しい人口減少は旧島根県匹見町を対象にして生まれた造語。初めて記述されたのは1964年ごろだった。1980年代中ごろには耕作放棄という問題が急速に出てきた。その問題を取り上げるに当たり、中山間地域という呼び名を農林水産省が使いだした。そして1991年に社会学者がいくつかの集落を限界集落と命名する段階に至り、今やそれらの現象が至る所で重層化している。誇りを失えば「砂上の楼閣」だ
──この本では同時に現地の人々の「あきらめ」や「誇り」「思い」にも光を当てています。
そこが特長だ。誇りの空洞化やあきらめは、いわば三つの空洞化の基礎部分に位置している。人々がその地域に住み続けることの誇りを見失ってしまえば、どんな対策をつぎ込んでも「砂上の楼閣」になる。たとえばUターン対策も意味を失う。そこに住み続ける人の意識の問題を含めて農山村の実態をとらえなければ意味がない。各種の数字以上に深刻な「誇りの空洞化」もありうる。 (2015年01月24日)
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助成金政党そろって劣化症
標的にされて平和の国ゆらぐ
改革の名で良いものをぶち壊し
官邸の鉄砲玉で福は逃げ
花粉症マスク美人が勢ぞろい
泉 明 羅
(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)
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寄 稿
「いにしえの魅力再発見」
二平 章(茨城大学人文学部市民共創教育研究センター客員研究員)
高知県立歴史民俗資料館が平成20年に「絵はがきのなかの土佐・移ろいゆく時代(とき)の記憶」の企画展を行った。そこにはなつかしい土佐が絵はがきの写真で飾られていた。私が住むひたちなか市の旧那珂湊地域にも古い絵はがきの写真があり、昔の昭和初期に行われていた東海村村松から阿字ヶ浦までの海岸を駆け抜ける「ヤンサマチ」の競馬や、今の平磯漁港付近の砂浜にカツオを水揚げしている風景、阿字ヶ浦、平磯、姥の懐でのんびりと海水浴を楽しむ人々、旧那珂湊第二高校側の高台から撮影されたと思われるいにしえの平磯海岸集落など、どことなくゆったりとした海岸風景が映し出されている。今は海岸道路がつくられてしまい昔の面影が消え失せてしまったが、このような場所がそのまま残っていたならおそらく観光客に大人気のスポットになっていたに違いない。
平磯から磯崎にかけての海岸沿いの海上や海中には巨岩や磯がありそれぞれに名前がついている。平磯の川向町には海に突き出した高磯と呼ぶ最も大きく高い岩があり、昔は木製の橋がかけられ人々が夕涼みを楽しんだ。そこから北に平磯の名の由来にもなった平坦な磯が続くが、それらを挟みながら二番磯、三番磯と続く。さらに、平磯の町並みをはずれ、魚の干物で有名な「大喜や」の前までくると、阿字石あるいは護摩壇石と呼ばれるなんとも不思議な石に出会う。この海岸特有の斜めに海に突き出た直線的な岩盤の先端にまわりの岩とはまるで異質な、人工構造物であるかのような4m四方の方形の岩だ。さらにその上には厚さ10cmほどの円形の台座まであるから不思議である。これらはれっきとした天然石である。昔、村松虚空蔵の開祖でもある弘法大師がここで護摩をたいて祈祷したと伝えられることから護摩壇石の名がついたという。この名を嫌った水戸光圀が後には清浄石と名付けている。
ここからさらに、名所である観濤所下の岬を回り込んで今は駐車場だけがのこる旧東屋冷蔵跡地をすぎると、「畜生岩」「逆列磯(さかつらいそ)」と呼ばれる岩が見える。
この海岸の磯は皆、斜めに北側を向いて尖っているのにこの磯だけはなぜか南向きに尖っている。何ともへそ曲がりな磯であるのでこの名が付いたらしい。とくに現地には案内板もないことから最近の若い人は知らないまま通り過ぎていくのが残念だ。
海岸の岩ばかりではなく、ヨーロッパで盛んなフットパスづくりや観光まちづくりで注目してほしいのが、漁師町としての歴史である。ともすると那珂湊も平磯も次第に漁師町であった面影が薄らいでしまっているが、歴史をひもといてみるとともに江戸、明治、大正、昭和と茨城の漁業を支えてきたまちであることがわかる。気をつけて町並みを眺めてみると昔の船主の立派な家屋や漁と密接に結びついていた神社、漁師町には多かった銭湯の跡などがあるのに気づく。
鮪流し網を改良して全国にその名を知らしめた磯崎与茂七や茨城で最初に動力漁船を建造した根本惣三郎など日本や茨城の漁業史に名を残す漁業者もいる。また、大暴風雪により平磯と那珂湊の両町で漁師440名以上の人命が奪われ、2000人の遺族が路頭にさ迷ったとされる明治43年3月の遭難事故などは、日本の漁業史上に残る悲しい出来事である。
いま全国いたるところで歴史を大切にしたまちづくりがすすめられている。ぜひ、漁の町として栄えた那珂湊や平磯地区として、残存する様々な建造物や漁具を保存するとともに、功績者の歴史や好漁不漁、そして悲しい遭難の歴史などを伝える古民家を利用した「まちかど歴史民俗資料館」づくりなどを企画して「いにしえの魅力再発見・漁師町観光」として生かしていただきたいと思う。
(なお、二平 章・千葉信一・根本悦子著『タコ日本一宣言・さかなのおいしいまちづくりへの挑戦』(定価1300円)が、ひたちなか商工会議所から発刊される。興味のある方はお読みいただきたい。)
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研究所主催学習会
「地方創生」、「自治体消滅」と真の「地方再生」への道
・・・安倍政権が進める自治体戦略の内容と本質を学ぼう!・・・
日本創成会議の「自治体消滅」論(座長である増田寛也氏の名を冠して「増田レポート」と呼ばれる)は大きな反響を呼びました。その理由は、消滅可能性が高い市町村523十373をセンセーショナルに名指ししたこと、そして安倍政権による「地方創生」戦略と一体のものと受け止められたこと、統一地方選挙を前にして様々な思惑(補助金バラマキヘの期待など)を煽ったことなどにあります。
「地方創生」と「自治体消滅」論は、国家戦略特区、TPP、道州制とも深く関わっています。
自治体の議員や職員はもちろん広く住民の方々がこの内容を学び、住民本位の地方自治の観点から正しい評価を下し、住民運動に生かしていく必要があります。
そのため、茨城県自治体問題研究所では、下記のとおり学習会(講演と意見交換)を企画しました。
下記によりご案内いたします。
記
#clear
□ 日 時 3月1日(日)午後2時から4時30分頃まで
□ 場 所 水戸市緑町『茨城県青少年会館』2暗中研修室
1 講 演 今なぜ「地方創生」か?
-「自治体消滅」論批判と「地方再生」の課題-
講 師 田中重博 (茨城県自治体問題研究所理事長)
2 意見交換 講師と参加者による。
□ 資料代 500円
【問合せ先】水戸市見川5丁目127-281 茨城県自治体問題研究所
電話 029(252)5440(ファックス兼用)
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イベント
日 時:2015年3月28日(土)
13:30~1 6:00
場 所:ワークヒル土浦 土浦市木田余東台4丁目1-1
TELO29-826-2622
主催:日本弁護士連合会・関東弁護士会連合会・茨城県弁護士会
問い合わせ先:茨城県弁護士会 水戸市大町2-2-75
電話029(221)3501
新刊紹介
『 Q & A保育新制度 保護者と保育者のためのガイドブック』
A 5 版 76 頁 定価900 円(税込)
中山徹・杉山隆一・保育行財政研究会編著
保育所、幼稚園、学童保育に関する新しい制度「子ども・子育て支援新制度」が4月から始まります。
保育料はいくらになるのか、希望した保育所に入れるのか、手続きはどうすればよいのか、新しく始まった小規模保育って何? 保護者や保育者の多くが疑問に思っているにもかかわらず、政府の解説書や一般書店で並んでいる本では解決できない疑問も含め、様々な疑問に対してQ&A 方式でわかりやすく答えています。
『保育新制度 子どもを守る自治体の責任』
A 5 版 86 頁 定価1000 円(税込)
中山 徹(奈良女子大学教授)・藤井伸生(京都華頂大学教授)
田川英信(自治労連副委員長)・高橋光幸(自治労連保育部会事務局長)著
保育必要性認定、保育料徴収基準、利用調整、自治体独自補助に関することなど、自治体で具体化が必要になります。こうした中で、子どもをまもる自治体責任を明確にする実践的な対応を紹介しています。
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