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第60号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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第60号

2013・12・20 更新
アイスチューリップ

国営ひたち海浜公園=ひたちなか市
アイスチューリップ

 総面積積50haにも及ぶ園国営ひたち海浜公園内では、年間を通して多種多様な花や草木を楽しむことができる。冬でもチューリップが楽しめるなど、様々な工夫が凝らされている。冬景色の中、彩りも鮮やかにチューリップが花開く。

官僚は秘密の山で骨が折れ
強行もテロじゃないのか総理どの  
三陸のカキが届いて鍋の夜
千日の供養進まぬ仮住まい

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

ブラック企業・職場に国際規準でメスを!

 今年は、ルールなき資本主義の荒廃がいっそうすすんだ。ホテルの食材偽装が報道されたが、非道さ酷さの典型は、ブラック企業・職場での労働者いじめ、すさまじい人権侵害である。いま、国際社会がブラック企業・職場に目を光らせはじめた。
 21世紀、経済のグローバル化は、企業の国際的な活動だけでなく企業内外での酷使・収奪に非難を引き起こした。そこで国際社会は、企業に責任ある行動を求めて、特に人権に焦点を当てた国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年7月)などが、圧倒的な支持を受けて「国際規準」といわれるようになった。
 この新たな国際規準は、人権尊重が極めて重要な原則として取り入れられていることである。日本の企業にとっては、人権に関してこれまで、雇用差別をしない、職場でのセクハラやいじめに対処するなどが主であった。今や、人権とは何か、企業として人権課題にどう対処すべきかなど、国際規準でいう人権尊重という課題に直面することになる。人権尊重とは、「人を大切に」ということにつながり、あくまで人間が中心である。
 「ビジネスと人権に関する指導原則」は、3本の柱に支えられている。第一は、(中略)企業を含む第三者による人権侵害から保護するという国家の義務である。 第二は、人権を尊重するという企業の責任である。これは、企業が他者の権利を侵害することを回避するために、また企業が絡んだ人権侵害状況に対処するため(中略)行動すべきであることを意味する。第三は、犠牲者が、(中略)実効的な救済の手段にもっと容易にアクセスできるようにする必要があるということである。
 公務労働も含めて、改めて、すべての人間は「尊厳と権利とについて平等である。」(世界人権宣言第1条)を基礎に、国際社会の「労働と人権保護」準則を声にし、ブラック職場を一掃しよう。(T.T)

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茨城県の学童保育の現状と課題

平松 克美 (学童保育茨城県連絡会事務局長)

はじめに
 学童保育(放課後児童クラブ)は、保護者が昼間家庭にいない子どもに、放課後の時間帯に適切な遊び及び生活の場を与えて、健全育成を図る事業です。自治体が施設・運営を行う公設公営、施設は公的のものだが、運営を父母やNPO等に任せる公設民営、施設も運営も民間で行う民設民営の三形態があります。いずれも「放課後児童クラブ事業」(20人以上の登録児童数、1日3時間以上休日は8時間以上、年間250日以上開設)として認められれば、国、県、市町村で1/3ずつの負担で予算が組まれる。民営の場合は補助が受けられます。これに保育料を徴収して運営されます。
 昭和20年代から父母の思いでスタートした学童保育は、稼働が先行し、公的施策が後追いの経過をたどりながらも、平成10年度から児童福祉法に規定された社会福祉事業に認められて今に至っています。国の子育て・少子化対策としても重要課題に位置づけられ、その数は益々増え続けております。しかし大規模化や、待機児童、指導員に関する課題等々、まだまだ課題は山積しています。さらに国の社会福祉・保育政策が大きく変わる重大な時期がきております。
 この章が、学童保育の全国的情勢や、県内の情勢と課題についての情報入手の機会とお考え頂き、読まれた方の今後のご理解とご支援を宜しくお願い致します。

1 学童保育をめぐる現状と課題 

 学童保育は、自主運営や自治体の単独補助事業をしてのスタート、広がりであったため、学校や保育園のような運営指針、最低基準等の法律が無い(唯一2007年に“望ましい方向”としての「ガイドライン」が作られた)、公的責任が低い「利用促進の努力義務」の施策に留まっています。従って予算もボランティア事業に補助という域から少し抜けた状態です。しかし現代社会では、学童保育はライフラインとも考えられる重要な施策なのに ・保育所卒所児の約7割しか、学童保育に入所できていない、・母親が働いている低学年児童は約219万人、そのため「潜在的待機児童」は約40万人と推測される、・規模は、学校は少人数化し、ガイドラインでも「子どもの情緒面や安全の面から40人程度」とされているのに、この規模は半数程度でしか無く、大規模化が増加している、・毎日の「生活の場」に相応しい施設にはなっていない、・学童保育の存在を左右するほど大事な指導員の働く環境が劣悪、・高学年、障害児の受入が遅れている、・保育料の保護者負担が公設で約5000円、父母会運営所では1万円以上と負担が大きい、・指定管理者導入により、継続性・質・安定性が保てない、等々課題は山積みです。さらに児童福祉に関して2012年8月新たな法律ができ、今後より良い方向に進める活動が必要な重大な時期にあります。

表1  学童保育実態調査 

年度20032013
学童クラブ数13,797ヶ所21,635ヶ所
入所児童数538,100人888,753人

(以下 表は、全国学童保育連絡協議会\茨城県学童保育連絡協議会調査から) 

2 茨城県の学童保育

  茨城県内の学童クラブ数は、667ヶ所(2013年5月1日現在)と、前年度より25ヶ所増、10年間で1.9倍に増えました。2009年に小学校数を超えましたが、まだ開設されていない校区が73有ります。保育所卒所児の85%が入所できていますが、それでも1,400人、3年生まで考慮すると7000人を超える潜在的待機児童が予測されます。運営形態は公営が減少し続け6割になりました。開設場所は専用施設が少なく、余裕教室の割合が非常に大きいままです。また本年民間企業の参入が発生しました。美浦村で(株)大新東ヒューマンサービスを「指定管理者」に、神栖市で同会社に児童館運営を「指定管理者」で、学童保育運営を「業務委託」契約し、守谷市は(株)アンフィニに「業務委託」契約を行いました。学童保育は、一人一人の子どもたちと保護者と指導員との継続的コミュニケーションによって信頼関係を築き、支えあっているものです。予算削減や期間限定や利益配当を目的にしての運営では、信頼関係を作ることは出来ないし、専門性を蓄積することも出来ません。子ども達の安全を守ることさえ懸念されます。市場原理や指定管理者制度は、学童保育事業にはなじまない、相容れないものです。規模別の状況では児童数20人以下のクラブが93ヶ所有り、70人以上の大規模も39ヶ所と2008年から増加傾向が全く改善されておらず、100人を超える超大規模が12ヶ所もあります。70人以上を超える規模では本来の学童保育にほど遠いものになってしまうため分割を早急におこなう必要が有ります。また今後小学校は小規模化が予想され、小規模学童クラブでも稼働できるような施策も重要です。

表2 茨城県内学童保育実施状況(2013年5月1日現在)(クリックで拡大)
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表3 茨城県内の学童保育実施状況 (規模別 カ所数)(クリックで拡大)
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 一方、指導員に関する課題は、研修など一部を除いて、法制化後もほとんど前進していません。指導員の仕事はマニュアルや、指導要綱がありませんし、学校や育成機関もありません。個人それぞれが学習して身につけるほか有りません。そのため私たち連協や、県が年に数回の研修会を開いていますが、系統だった専門的研修の場が必要です。それにより公的資格として認知され職業として働いてこそ学童保育になります。しかし現在扶養家族になる範囲で働く人がほとんどです。労働条件、保障など全国レベルから見ても低く、北関東4県内でも一番低い状態が続いています。      学童保育の保育料は2005年より、水戸市、日立市等が公設有料化を行い、現在多くの自治体が有料でおこなっています。公設は平均5000円前後ですが、一人親家庭で、複数の子どもとなるとその負担は大きなものになり、また民営の場合は1万円以上で、非常に大きな負担になっています。公的に減免措置が必要ですが、約半数の自治体でしかおこなわれていません。

3 国の動向

政府は学童保育の需要に対する施策が遅れているとの認識から、学童保育の数の増加、質の向上を、時の子育て政策の中で検討してきました。この間障害児受入加算、開催日数加算、長時間加算、指導員健康診断費加算、等細かな前進や、適正規模に移行を促すため36人~46人規模への補助を最大にする等の前進を図ってきました。そして2010年に策定された「子ども・子育てビジョン」にあわせて発足した「子ども・子育て新システム検討会議」で、幼保一体化や学童保育の制度の見直しの検討が進められ、このまとめを基にした新システム法案「子ども・子育て関連3法」が2012年8月成立しました。
この法律では、公的保育制度が崩れる(市町村の要保育者への保育責任の削除、個人給付、国基準の緩和等)大変危惧されるものとなりました。学童保育については、・市町村事業とする、・「子ども・子育て会議」を設置し、事業計画を策定する、・補助金は「子ども・子育て支援事業」で計画された13事業を合計した包括交付金とする、・小学校全学年を対象とする、・国基準をもとに市町村は条例で基準を定める、・民間が学童保育を実施する場合は事前に市町村への届け出が必要 、等の変更が決められました。しかし・責任の薄い「事業」のまま、・国「基準」に従うのは指導員の資格と配置だけで他は参考でよい、・財政措置は、包括交付金を市町村裁量で分ける等々、よりいっそう市町村格差がひろがり、現在の貧困な条件整備の実態が固定化される懸念があります。私たちはこれらの状況を的確に把握し、これまで私たちの求めてきた学童保育守り、拡充へのするための働きかけを早急に、かつ強力に行っていく必要があります。

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イベント案内

第32回まちづくり学校
住民のために働く自治体職員のあり方と仕事を考える

『まちづくり』には、住民のみなさんのご意見とご協力、ご支援が大変重要です。市役所だけでは良い『まちづくり』は決して出来ません。より良い『まちづくり』、住み良い『まちづくり』をしていくためには、住民のみなさんと私たち自治体職員とのつながりも大変重要だと思います。
私たち自治体職員の現場の声と住民のみなさんの貴重なご意見を聞きながら、みんなで『まちづくり』について一緒に考えてみませんか?

皆様の参加をお待ちしています。お気軽にお出かけ下さい。

日 時 2月8日(土)10時開校(9時30分 受付開始)
場 所 常総市生涯学習センター 常総市水海道天満町4684 

講 演

池上 洋通 氏(自治体問題研究所主任研究員)

「自治体職員でよかった」
ー憲法にみる地方公務員の生きがいー

分科会・講座 

分科会・講座テーマ助言者・講師
自治体職員のあり方と仕事を考える非正規職員の増大等のなか、自治体職員の位置づけ及びあり方を学ぶ 田中重博氏(学校長)
角田茂雄氏(茨城自治労連退職者の会会長)
高齢者福祉等の観点から社会保障の課題を考える介護保険、生活保護の現場職員が現状と問題点を報告し、今後の方向を探る西田恵子(常盤大准教授)
久松美三雄氏(特養施設長)
原発事故による放射能汚染の現状と廃炉の展望原発事故の現状、収束の見通し、廃炉の道のりを小泉発言の衝撃も踏まえて学ぶ円道正三氏(元動燃職員)
青柳長紀氏(元原研職員)
強まる排外主義、秘密保護法の動きと憲法を考える韓国、中国等との関係悪化、焦眉の秘密保護法、集大成の憲法改悪の動きを追及田村武夫氏(茨城大学名誉教授)
木村 泉氏(平和委員会事務局長)

参加費  資料代 500円 
昼食代 800円 (希望者のみ、当日申し込み可)その他 保育ルームあり(無料)

主 催  第32回まちづくり学校実行委員会
後 援  常総市

お問い合せ 
茨城県自治体問題研究所  029-252-5440(FAX兼用)
茨城県自治体労働組合連合 029-864-2548
常総市職員労働組合    0297-23-2111(代表)

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