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第56号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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第56号

2013・08・23 更新
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明野ひまわりの里・宮山ふるさとふれあい公園筑西市)

八重ひまわり5~6分咲き。筑西市宮山地内田畑(明野ひまわりの里:宮山ふるさとふれあい公園周辺)。筑波山をバックにした約4.4ヘクタールの田畑に、種の部分まで花びらで覆われている「八重ひまわり」や、黄色やオレンジ色の「黄花コスモス」など約100万本の黄色い花畑。

ガムテープ貼ってやりたい副総理
何もかも海に流して幕を引き  
九条を変えずに米となぐりこみ
株景気いくらつつむの玉串料
ゲリラ雨道路を川につくりかえ
 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

8月15日 終戦の日に想う

宇佐神 忠捷(茨城県自治体問題研究所 顧問)

 今年も、8月15日を迎えることができました。私にとっては、68回目の終戦記念日です。あの日、私は満5歳、前年父が戦死、満州から帰国、母の実家がある宇都宮にいました。
 暑い晴れた日でした。正午に玉音放送があるとのことで、我が家のラジオの前にも何人かの大人がいました。ラジオは雑音が多く聞き取りにくく、又幼い私には良く判かりませんでしたが、天皇が直接戦争の終結(敗戦)を伝えたとのことでした。大人たちはびっくりするとともに、反面ホットした喜びもあったように感じました。今日からB29やグラマンの空襲はなく、防空壕に入らなくてもよいことも伝えられ、私自身も「良かった」という気持ちになったのも憶えています。
 あれから68年、私自身が高齢者の仲間入りする年になりましたが、この日を風化させることはできない気持ちは年々強くなっています。あの日を境にして、日本が「戦争をしない国」となり、一人一人の国民が大切にされる「民主主義の国」となった第一歩だったと思うからです。 こんな想いで、この日を迎えましたが、外に目を向けるとこの思いがコッパミジンにしてしまう策動が進んでいます。「平和」と「民主主義」、そして「国民が主人公」を掲げた憲法を変えてしまおうとする動きです。まさに、歴史を逆行するものであり、「国のかたち」を変えてしまうものです。これを止めることは、私たちばかりではなく、私たちの子孫のためにも、そして世界の人々のためにも最重要の課題です。
 あの日を経験し、戦後の民主主義教育を受けた一期生である私にとって残る人生で最も大事にしなければならない仕事と気持ちも新たにしました。

第55回自治体学校in新潟の第3分科会

「『社会保障制度改革推進法』と住民生活、そして自治体の役割」に参加して   

伊藤悦子(龍ヶ崎市議)

 昨年暮れの総選挙に引き続き、参議院選挙でも自民党が圧倒的に議席を伸ばす(選挙制度に大きな問題があります)と同時に、私たち国民に向けて、憲法、原発、雇用、社会保障、ttp問題など、どれをとっても、何をやってもいい、という態度があからさまになっています。社会保障制度については、給付を減らし負担を増やそうとしています。
 市民からは、「年金は、下がる一方、暮らしが大変」「医療費が高い」「特養ホームに入りたいが入れない」「国民健康保険税が高くて払えない」「生活保護を受けたいが・・・」など多くの不安の声が上がっています。私たちの命と暮らしを守る社会保障制度がどうなっていくのか、充実させるためにはどうしたらいいのかを学びたいと参加しました。

 現在開かれている社会保障制度改革国民会議における医療・介護の方向性は、
 1、消費税増税が社会保障の充実につながるとしているが「幻想」であること。増税分は年金・医療・介護・少子化に対する施策の経費に充てるとしているが、法附則18条2項で成長戦略ならびに事前防災及び減災等に資する分野を重点的に配分するなどされており消費税で社会保障充実は、「幻想」以外なにものでもないこと。
 2、ゲートキーパー「総合診療医」でフリーアクセス規制の議論があること。「いつでも、好きなところで、お金の心配せずに、求める医療を受けることができる」医療から「必要な時に適切な医療を適切な場所で最小限の費用で受ける」医療に転換すべきとの検討があること。
 3、療養(健康保険が使える)の範囲の適正化と混合診療解禁へ加速、私的保険の拡大。
 日本で、禁止している混合診療を無制限に導入すれば、製薬会社・医療機器会社は、多額の費用投入で治験等の検査は必要なくなり、自由価格で使用、販売し患者の負担が不当に拡大される可能性がある。安全性、有効性が確認されない医療行為が保険診療とともに実施されるおそれがある。
 この動きはТppとの関連が極めて高い。3人に1人ががんで死亡しているが混合診療の解禁でがん治療において治療に伴う費用が高額となるのは必至であり、この点をカバーするのが「がん保険」であり、日本では米国のアフラック社が契約の8割を占めている。
 4、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進の欺瞞
 医療費削減にジェネリック医薬品の使用促進が言われているが、Тpp加盟交渉会議では、世界的な製薬会社を抱える米国が新薬の特許期間を延長するよう要求しており、ジェネリック医薬品の製造を遅らせることで米国製薬会社は多額の収益を長期にわたって確保する。
 5、介護保険給付から要支援者を排除
 介護保険次期改定では、要支援者約140万人(介護サービス受給者)を介護保険から外し、「ボランテア、ℕpоなどの活用で、介護予防サービス費4200億円の削減を狙っています。素人による任意の自治体事業に移管することで十分な介護予防・生活支援ができるでしょうか。
 国民会議は、「高齢者の地域活動により、医療費の削減は可能。高齢者の社会参加を通じた介護予防を増進というが日本の地域共同体は崩壊し、地縁、血縁、社縁からなる社会的紐帯も極度に弱体化している中で地域に何もかも丸投げするのは極めて無責任であること。
 6、医療・介護における自己負担増
 医療や介護において見並み自己負担を打ち出している。高齢者医療は、現在70歳から74歳は、暫定的に自己負担は1割だが、法のいとおり、2割を適用すべきという。
 介護保険では、「一定の所得や預金などの資産を有するものには応分の負担」を求め、「要介護度に応じた自己負担分も検討が必要」「ケアプラン作成に自己負担を求めることが必要」としている。と問題点の指摘がありました。

 今、国民生活を顧みない制度改悪が自己責任論で、進められていること。これからの福祉は、自助・共助・が中心、国民会議のいう、共助は、地域の助け合いと、社会保険で賄うことであり、保険料を払えない人には給付がないという考えに怒りがわきます。Тppが社会保障を崩すことがよくわかりました。                 
 龍ヶ崎市では「自助・共助・公助」の名のもとに、厳しい財政が続く元では、福祉も地域で担えるようにと地域コミュニティづくりが始まっています。皆さんの地域ではいかがでしょうか。地域のコミュニティは大切ですが、地域に福祉の丸投げは許さない取り組みが今後求められるところです。今こそ、国民の権利として社会保障の確立を目指す運動を広げていきましょう。

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資 料

 社会保障国民会議 給付の徹底削減強調 「自助」迫る報告案 

 政府の社会保障制度改革国民会議が7月29日、首相官邸で開かれ、8月上旬にもとりまとめる最終報告書の「総論」案と「各論」骨子が示されました。総論案は、「持続可能な社会保障を構築していく」という口実で、「徹底した給付の重点化・効率化が求められる」と強調し、社会保障切り捨ての方向を明確に示しました。安倍政権は国民会議の最終報告書に沿って法改定を進める意向です。

 <国民会議最終報告書総論案の要旨>
▽国民会議の使命は、自公民3党が国会に提案し成立した「改革推進法」の墓本方針に基づき、制度「改革」を行うために必要な事項を審議すること。
▽社会保障費は経済成長を上回って継続的に増大しており、持続可能な社会保障を構築していくために、徹底した給付の重点化・効率化が求められる。
▽わが国の社会保障の中核は「社会保険方式」であり、社会保険への税の投入は、社会保険料にかかわる国民の負担の適正化に充てることを基本とする。
▽わが国の社会保障の特徴は「給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心」であり、給付・負担の両面で世代聞・世代内の公平が確保された制度とすることが求められる。
▽社会保障制度改革は「21世紀(2025年)モデル」をめざす。すべての世代が、その能力に応じて支え合う全世代型の社会保障とする。

▽女性、若者、高齢者、障害者をはじめ働く意欲のあるすべての人が働くことができる社会をめざし、支え手に回る側を増やす。
▽非正規雇用労働者の雇用の安定や処遇の改善、被用者保険の適用拡大を図る。
▽住み慣れた地域での高齢者の生活を支える地域包括ケアシステムを構築する。

(7.30 しんぶん赤旗)

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