第45号
(第45号) (2012・09・20発行)
金砂郷のそば畑(常陸太田市・金砂郷町)
茨城県の北部に位置する旧・金砂郷町(常陸太田市)は、「常陸秋そば」と呼ばれるそばの名産地。粒ぞろいで品質が優れており、そば独特の香り、風味、甘みがあり、その味は全国のそば通やそば職人にも賞賛されているブランド品種です。旧・金砂郷町は、「常陸秋そば」の発祥の地祥地であると同時に、作付面積、収穫量ともに県内市町村別第一位。
尖閣に国旗背負いて入り乱れ
フライデー針のむしろであぐらかき
解散風先生カバンの埃とり
秋夜長虫と添い寝のひとり者
泉 明 羅
(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)
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全国の原発50基停止でも、電力が余る不思議?
原発は、あまりこまめに出力を上げ下げすると不安定になり危険。また、建設コストがバカ高くて燃料費の割合が相対的に低いことから、24時間フル出力で運転するのが一番効率的。ところが、そんな原発を増やしすぎた結果、夜間や正月休みなどの電力使用の少ない時には、原発だけでも電気が余ってしまう。そこで、原発を造るときは、夜間に余った電気を捨てるため?に、必ず「揚水発電所」をセットで造る。「揚水発電所」とは、上下二つのダムを造り、夜間に余った電気でポンプを動かして下のダムから上のダムへ水をくみ上げ、昼間にその水を落として発電するというもの。 企業・家庭が使用する電力より水のくみ上げに消費する電力のほうが多いという奇妙な「発電所」。
原発への依存を高めすぎた結果、こんな無駄なダムまで造り、余分な費用のみならず、貴重な自然破壊を引き起こしている。優先的にフル運転しなければならない原発を増やしすぎた結果、各種の発電設備のうち、原子力がほぼフル運転しているのに対して、火力は半分、水力は2割程度しか運転されていない。それなら、原発以外の発電所は廃止できるか?そうは行かない。
原発は、桁外れに危険な設備。だから少しでもトラブルがあれば停止し、点検、補修しなければならない。原発は一つ一つが大出力なので、突然停止すると1基でも影響は甚大である。こうし事態に備えたバックアップのため、一方で原発を次々増やしながら、火力発電所もどんどん増やし、しかも半分程しか運転しきない羽目になっている。このバックアップの発電所が5月以来フル操業で電力供給。必要を満たしているというわけ。
勿論この過剰な設備の費用は電気料金に跳ね返っている。
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「自治体学校」に参加して取手市の「防災計画」を考える
取手市議会議員 関戸 勇
長い間(36年)、地域の自治会役員や、防災会役員、環境保護団体、消費生活団体など、住民運動に取り組んできましたが、始めて参加した自治体学校が、54年も続けられていたことに驚きました。そしてこの学校が参加型であること、学ぶことの多さに驚き、これまで、この学校を通じて、多くの課題で地方自治に還元されてきたのだと思います。そして議員や自治体関係者だけでなく「住民運動」の分野でも報告されていたらと思いました。
今回、私は「災害から住民を守る」というテーマの分科会に参加しました。分科会には、福島や宮城、岩手など、東北太平洋沖地震で被災した行政からも含め65名が参加しました。
● 冒頭、「NPO法人・暮らしの安全サポーター理事長」の中村八郎氏より、昨年の3月11日の大震災を踏まえて地方行政の防災対策について詳細な報告がされました。被害にあった、各地方自治体いずれも、巨大地震・巨大津波の想定ができず(想定外・未想定)、甚大な被害が出てしまった。防災計画の中心対策である「応急対策」がほとんど機能せず、「人命保護」に失敗、「人命救助」も極めて不充分で被害を拡大させたことなど、様々な事例を紹介され、国だけでなく、地方自治体の「防災対策」について問題点が出されました。そして、「災害に強い町づくり」、「地域防災対策の方向性について」提起がされました。
● 討論では20名以上が発言。被災した東北3県からも「防災対策」がどうであったかなども含め発言がありました。又、福島では、「放射能災害」という経験したこともない深刻な被害との苦渋の対応と対策なども発言されました。
● 私は地域(UR賃貸団地自治会事務局長・防災会長)で様々な活動に参加してきましたが、「防災」については特に関心があり、地元でも「避難場所は自宅」を合い言葉に「予防的防災活動」と「災害時の防災対応」について取り組んできました。特に16年前の「阪神淡路大震災」や「中越地震」など、この間起きた地震についての「教訓」からも学んできました。大地震の際に「家具の転倒」を防止する対策も、神戸で当初70%が、10年後に30%まで落ちたことを考えるとこれまでの「延長線上」の対策から思いきり切り替えないといけないと考えていましたので、今回の「分科会」や問題の提起が新しい位置づけであり大いに学ぶことが出来ました。
● 防災計画の基本は「国」や「県」ですが、地域防災計画(対策)は自治体の防災計画が基本となります。それは、国(首相)や県(知事)にもない権限が、市長や町長、村長に与えられていることを見てもわかります。
● しかし、今回の大地震では「防災計画」が十分に機能しないなど破綻が明らかになりました。各地方自治体は「防災計画」の見直しを(計画途中も)していますが、被害想定の問題などでどこがチェックするのか曖昧です。又、住民の命と財産を守るものになっていない計画もあります。
● 防災計画を立てる上で、「予防対策」に特に力を入れる必要があります。又、命を守る安全確保が最優先されるべきですが、「財産」を守ることも重要です。さらに阪神淡路でも、そして3.11でも、震災後に亡くなる方が多くいます。そして住宅が再建できない方もおおくいるのです。そうしたことからも取手市の「防災計画」について考えてみました。
● 取手市の大地震などの災害に対する「防災計画」について問題点を考え、整理してみました。
① 防災計画を作るにあたり市民の参加を求めていない。市が決めた方のみの参加であり、有識者や関心があっても参加できない仕組みである。
② 地震についての基礎知識・知見など、行政の幹 部の認識が乏しい。
③ 市民の命と財産を守るという地方自治体の役割から見て命は最優先の課題ですが、「財産」を守ることも需要だがそうした視点がないにひとしい。
④ 土地の利用などが「防災」という観点から考えられていない。宅地など、以前はどのような地形であったのかなどは知らせずに、まったくの個人まかせ、自己責任になっている。又、「防災についての市政の施策」でも、危ない地域を指定しながら、どのように対処するかについては何もありません。こうした考慮がなくいため、「学校の統廃合」の計画など児童生徒の命に関わる重要な問題でもなんら考慮がされていない。
⑤ 取手に被害を与える地震について、茨城南部を震源とする「直下型地震」について想定されていない。驚くべき対応です。したがって「火災の延焼」「道路事情」などの被害も想定が不充分であり、困難を極める状況が見えて来ない。
⑥ 取手全域について、地形の特徴なども含め、地域毎の被害想定が極めてあいまいである。そのため、地域の自主防災会まかせになっていて、対応が出来ていない。
⑦ 「避難するのが当然」としていて「避難しなくても良い町」などの発想がない。
⑧ 地域防災で対応が出来ない様々な施設などについて、認めない権限が取手市にない。今後問題点となる。
⑨ 防災を担当する職員が少なく、専門課もなく「係り」となっている。研修など「防災」についての知識を深められる配置となっていない。災害発生時の対応などにも課題がある。特に「消防力」については重大な遅れがあると考えられる。「消火水」の確保、「耐震防火水槽」「道路の確保」など、大きな問題があると考えられる。こした問題点を整理し次の対応が必要。
今後の対応について
① 地域防災計画は法定計画であることから、市長など行政の長の責任と権限が大きい。市長の命令で、人を動かすことが出来る。物を運んだり集めることも出来る。これだけ重要な「防災計画」ですから、「総合計画」の中にしっかり位置付けリンクさせる必要がある。
② 憲法(25条など)と地方自治法の精神にのっとり、広く市民に呼びかけ計画を作ることが重要。
③ 市民の命と財産を災害から守るための「計画」 であることが重要。
④ 取手市の地形・地質・特徴、地盤などから、災害が起きた際に不利な場所などを把握し、安全評価をする。それを基準に「都市計画」「公共・公益施設の再編」「地域づくり」「学校の配置計画」などと連関させる。
⑤ 防災について地元自治体で対応出来ない施設の建設は認可しない。
⑦ 災害に強い町・避難しなくても良い町をめざす。
被害の軽減目標を定め、戦略的な「防災計画」の推進と具体化について
○ 住宅の「耐震化」の促進。目標。啓発など。
○ 木造・中層住宅などを把握し対策を。
○ 住宅密集地域への対応。道路の確保。消火力の体制強化、
○ 公共施設の「耐震化」計画と実行。
○ 現在進められている「学校統廃合計画」を中止、「教育環境」「防災」「町づくり」の観点からも見直す。
○ 低地・軟弱地・盛り土地への対策をたて実行。
○ 応急対策の訓練で課題を見つける。
○ 地域毎の被害を想定し地域毎の「防災予防対策」の推進。
○ 行政は、議会へ進行状況を報告する。「防災計画」は議会の議決案件とする。
○ 市民と行政が一緒の「訓練」を行う.
○ 地域の防災会の自主性と自立性を高めるようにする。
○ その他。
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新刊紹介
『橋下「大阪維新」と国・自治体のかたちー人権・地方自治・民主主義の危機』鶴田廣巳・大阪自治体問題研究所編自治体研究社 定価1,575円
橋下「大阪維新」は 「決定できる民主主義」を掲げ、公務員・公務員労働組合をはじめ既得権勢力なるものを仕立てて攻撃をしかけ、「改革の旗手」を演じています。しかし、「市政改革プラン」では、コミュニティバスや敬老パスの補助など3年間で500億円にも及ぶ市民生活予算を切り捨てる一方、「グランド・デザイン大阪」など開発政策では、6つの重点地域と広域交通網などに集中投資を進めようとしています。また、職員基本条例や公務員の政治活動制限条例などによって、公務員制度そのものをも変えようとしています。こうした橋下「大阪維新」の政治は、住民の暮らしと権利、地方自治を根底からくずし、憲法が求める国・自治体の姿とはまったく違うかたちに変質させる危険な政策といえます。
『つくば市民白書 2012 ; 市民の目で見たつくばの今』 A4判210ページ頒布価格は1,000円 (送料無料)
「つくば市民白書」は、茨城県つくば市の市民が、つくばをよくするために、つくばの現状を調べ、市民の立場からの提案をまとめたものです。これまで2000年、2008年に発行されました。2012年版は2012年8月に発行されました。つくば市市民活動センター、つくば市内書店で入手できます。またホームページの「つくば市民白書2012注文」のページからも注文できます。
目 次 ・ 推薦のことば(茨城大学教授田中重博氏、茨城県自治体問題研究所理事長) ・ 刊行にあたって(河村俊次白書実行委員会委員長) ・ 序章基調提言「地方分権・地域主権とつくば」 ・ 第1章市政と議会 ・ 第2章財政 ・ 第3章医療と福祉 ・ 第4章教育と文化 ・ 第5章まちづくり ・ 第6章環境 ・ 第7章産業と観光 ・ 第8章科学技術と平和 ・ 第9章原発事故と放射能汚染
事務局だより
第2回理事会の開催 - 7月総会決定の具体化を図る -
日時: 10月11日(木)PM.6時半から
場所: 吐玉荘 水戸市3-10-8
Tel.029-221-3333
議題: (1) 当面の事業について
(2) 組織・財政について
(3) その他