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第38号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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(第38号) (2012・02・21発行)
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大子町「袋田の滝」

日本三名瀑の一つ、袋田の滝が平成18年1月以来6年ぶりに全面凍結した。
同日の大子は最低気温マイナス10・9度で今季最低。

セシウムに翻弄されて白髪ふえ
こども園親はお金とにらめっこ  
消費税打出の小槌と改名し
原発の電気なくても生きてます
好文亭復興成って梅花待ち

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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ストレス・テストは「安全神話」の復活

茨城県自治体問題研究所顧問 田村 武夫

 現在、国民の多くが放射能汚染に怯え、内部被曝の副作用を憂え、食の安全に神経を尖らせているなか、さらに不安を助長する原発の再稼働に対して絶対に認めないで欲しい、という声が日増しに高くなっている。
 だが、周知のように、原子炉施設の安全を認め再稼働ゴーサインを導き出すストレス・テストが政府の原子力保安院によって進行している。福井の大飯原発がストレス・テスト合格の先陣にならんとしている。本当にそれでよいのか。否である。施設の安全チェックに焦点があるのではなく、より重要なことは、施設の危険が顕在化したばあいに周辺住民の生命の安全が必ず確保できるかについてのチェックと方法策定が前提とならなければならない。自然の猛威の前に原子炉施設が安全でないことは福島第一原発の過酷事故で証明されたのである。ストレス・テストは結局、安全神話の新バージョンで、すでに破綻しているにもかかわらず、そして住民に対して無責任の議論であるにもかかわらず、さも万能なチェック論であるかのようにはびこっている。
 原子炉施設30キロ圏内の住民の安全確保の絶対的保証がないかぎり危険施設=原発の存在・運転はけっして認められるものではないと考えるべきである。無過失賠償責任論にも通底する発想だが、原発だけは賠償すればよいというものではなく、絶対に償えなえきれないので、存在そのものが否定されなければならないのである。

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「第37回自治体政策セミナーinつくば」が開かれました  
 1月21日(土)~23日(月)、 全国研究所主催の標記セミナーがつくば国際会議場で開催されました。茨城研究所は、初日の全体集会で田中理事長が歓迎の挨拶を行い、2日目の選科ミーティングの司会を担当するなど、「縁の下」で支えました。
参加者は全体で174人、県内の参加者は13人(ほかに事務局関係6人)でした。本県では市町村議員選挙などの影響もあり、いく分参加者が少なかったのが残念です。
初日の五十嵐仁先生(法政大学)の記念講演「民主党政治の迷走と政治の劣化」では、民主党政権の性格、国会の現状、選挙制度のあり方等の問題点が鋭く解明されました。
2日目は、5つの選科に分かれて講義と意見交換が活発に行われました。
3日目は、福島大学名誉教授鈴木浩先生の講演「東日本大震災からの復興」で、震災・原発事故の深刻な被害と復興と復旧のあり方や国、県、自治体の果たすべき役割などが解明されました。
民主党政権の政治の劣化・社会保障と税の一体改革とTPP・子育て・社会保障・自治体市場化・自然エネルギー・震災復興復旧等の盛り沢山の内容でした。
受講された方々のこれからのご活躍を期待したいと思います。

(事務局次長 岡村)

専科1 「税」からの報告

 税の分野で今最も重要で緊急な問題である次の3点が取り上げられた。

1社会保障・税一体改革成案、素案の特徴   

 熊澤通夫氏の講演は、「成案」(管内閣)から「素案」(野田内閣)の流れをたどりながら、自公政権時の税制運営戦略がどう継承され、福祉社会の将来像はどう後退したか、実態を検証しつつすすめられた。

  • 「消費税の目的税化」は自公政権下で言われ始め、その狙いは、最終的に社会保障費を消費税の枠内に入れて抑制することにあったこと。
  • 社会保障の改革とは名ばかりで、実態は中長期的には切り下げに他ならないこと。
  • 社会保障の基本姿勢が、世代間の負担のアンバランスを強調し、将来の制度崩壊か?消費税増税か?以外にありえないような広報を行うなど、自公時代の「中福祉・中負担」からも後退し、人権としての社会保障には程遠いものとなっていること。
     などが指摘された。

 2大震災に対する税制税務行政に関する提言 

 永沢晃氏から「震災特例法」など震災に関する減免・軽減制度の解説を受けた。
 問題点として、現在申請件数が東北3県で被害件数の23%に満たない状況があること。その理由としては
① 税者に十分周知されていない
② 使い勝手が複雑
③ 緩和措置そのものが不十分など  が指摘された。

 3徴収職場の実情と住民の権利     

 給与、出産一時金、児童手当、高額医療費の還付金など、本来差し押さえが禁止・制限されているものでも、口座振り込みされた途端に差押さえされる事例が頻繁になっていると中村幸夫氏から聞いた。
 地方交付税、補助金の削減や景気低迷のなかで地方財政が危機的状況にあり、自主財源の確保が急務であるとして、税務担当部局では管理体制の強化、滞納整理の効率化が全国的な流れとなっている。納税者の基本的人権を最大限考慮しつつ、税の公平を確保する徴収職場のあり方が今後の課題である、ことが報告された。

 参加者から、「一体改革の矛盾と財政再建のまやかしの『大きな森』を見ることができた。この流れに沿って個々に出されてくる地方での事案に機敏に対応していきたい。」との発言が心強く感じられた。

(司会担当 理事山浦)

投 稿

図書館の”素顔“

杉目 和明・研究所会員

 定年退職後、現在は学童保育の指導員の仕事についています。趣味のひとつが読書で、勤務が非常勤のため、比較的勤務の少ない金・土・日曜日を利用して、近在の筑西市、下妻市、常総市、坂東市、結城市、八千代町等の公立図書館に足を運んでいます。
 この8ヵ所ぐらいの図書館を利用する中で、それぞれの図書館の司書・館長等の図書館関係者、そして地域性や自治体当局者の姿勢が反映した『図書館の”素顔“』というべきものがある、ということを感じるようになりました。
 そのことについて、かなりの私見も交えて、紹介してみたいと思います。

① 蔵されている図書の種類が、図書館によって微妙に差異や偏在があること。

 このことについては、図書館の司書さんに具体的に聞いたことはありませんが、ある図書館では、かつては、購入の図書のかなりの選定が、館長の意向によって決定されていたと、耳にしたことがあります。
現在はそのような独断は許されていないと思いますが、少なくとも図書の選定に住民各層の意向が反映できるような、選定委員会等の設置と充実が必要ではないでしょうか。(もちろん選定委員会等が設置されているところもあります。)

② 架式と開架式の基準があいまいであること。

 いくつかの図書館で具体的に司書の方に聞いたことがありますが、閉架式になっている図書は、価格が高いことや、稀覯本、未成年者に不向きな図書等、といった説明がありました。しかし、このような基準も曖昧な印象はぬぐえません。この点でも、一定の基準が必要ではないでしようか。
 
③  児童や小学生低学年への読書の普及活動。
 
この点については、図書館によってかなりの差異があるような印象です。図書館内で、見ただけでも安心して、ゆったりと母親と子どもが絵本を見入っている、母親が読み聞かせている、司書の方が指導にあたっている、そのようなほほえましい図書館があります。また、各学校に司書の方が読書指導に出向いて活動されている自治体もあります。
 しかし、中には立派な児童コーナー・ブースが設置されているのに必ずしも活発に活用されていないような図書館も見受けられます。

④ ソコンやインターネット、ビデオ等の活用。
 
この点では、当然のこととは思いますが、図書館の建設時期の新旧によって、その機器の設置数や、機種の多様性に規定される面があり、図書館の職員の努力だけでは不可能であり、一般的な比較はできないことであるようです。

⑤ 図書館の周辺。

 最後の感想ですが、この間、8ヶ所ぐらいの公立図書館を利用して、意外に思ったことがあります。
それは、図書館のコンテンツ(図書の数や建物の構造等)もさることながら、本を読み疲れて、ふっと窓の外に目を転じたとき、図書館の外の風景が、「ああ、読書っていいなあ」と感じられる、そのような光景が周辺に広がっているのかどうか、という感想です。このような所に、図書館の“素顔”が見えるようです。
 そして、いささか寂しい感想を補足するようですが、失職中の住民の方々らしい中年男性が、どの図書館でも散見されています。
 本棚に、定期刊行雑誌の購入停止の増加と合わせて、現在の政治の貧困が、如実に、図書館にも反映していることを付記しておきます。

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書 評

菊地洋一著『原発をつくった私が、原発に反対する理由』
(角川書店)

 本書は、著者がGE社極東東京支社企画工程管理スペシャリストとして1973年から80年にかけて、東海第二原発に4年ほど、続いて福島第一6号機に誰よりも全容を詳しく知り得る立場で1年ほど従事した体験からの告発書である。当時30歳代の著者は、原発の危険を意識することなく、原子力の深い知識もないまま自分の技術力を信じて飛び込み、青春の全てを原発建設に捧げた。建設はGE社の設計と指揮のもと、東芝や日立を下請に末広がりに2次3次と編成され、10数社によって多岐に並行して進められた。著者はその進行管理をやってきた。しかし、仕事を続けるうちにだんだん原発の危険が分ってきて、原発から逃れた。本書はその実体験からの告発書である。
 本書を読みすすめるには、実際の原発が巨大な精密機械であることを知る必要がある。実機は、フラスコ(格納容器)の中にカプセル(圧力容器)が浮いているようなテレビ画面とは全く違う。圧力容器は高さ23m、直径6m、稼働重量は2,000トンもある。格納容器の中は、圧力容器に繋がる450本もの配管が、多くは宙づりで曲がりくねって所狭しと走っている。これが70気圧、280度もの蒸気が生み出されほとばしる場所だ。
 以下は、著者が110万Kw原発建設体験で抱いた具体危険か所の告発である。
1 東海第二の圧力容器の底は、下から無数の制御棒や計装用配管が差し込む構造になっていて、ザル底だ。
2 圧力容器の台座(セイロのような輪っか型で鋼厚さ5cmくらい。スカートという。)は薄すぎる。直下型地震が非常に心配(東海第二は設計基準未満かも)。
3 配管は危険。狭いところで上向き溶接されている箇所は特に弱い。普段の運転の振動でも損傷の危険がある。地震が来ればなおさらだ。計算上は安全でも現場の技術者には、運転に入ればどこがどう動き、一番力がかかる個所がどこで亀裂が入るのはどこか、ほぼ見当がつく。予測したほぼ全てで亀裂が発見されている。
4 設計図は東海第二で10数万枚もあり、たびたび変更された。福島第一6号機では、最初の設計でつくられたガンマプラグが、変更で減肉され薄くなった配管にセットされたため、配管内側に突き出ていた。蒸気の乱流を生み配管の亀裂をうむ重大なミスだ。私が偶然見つけたが、ほかに発見漏れもあるだろう。
5 下請けの東芝鶴見工場が、「国の検査」を別の材質で通して、あとで指定材に取り換えていたことがあった。納期遅れの違約金沙汰にならないように誤魔化したものだった。「国の検査」とはそんな程度だ。
6 下請け会社の立場は弱い。事故があっても、上の会社に報告すると現場から締め出されるので報告されない。会社は隠すし、書き換えもする。
 原発はますます複雑になってきている。初めてつくられた機械は大型で複雑だが、技術成熟とともに小型で高性能になり、単純で使いやすいものになるものだ。しかし原発は逆だ。技術の未熟を物語っている。「技術の粋を集めた」「世界最高の安全性」と派手にPRされているが、実際の現場は違う。100%安全なんてありえない。大なり小なりのミスがある。
 著者は50歳から反原発運動をはじめた。原発の危険性は、目前に補助金をぶら下げられ「安全」を繰り返されるとなかなか伝わらない。嫌がらせも受け、大きな無力も感じた。だが、やめるわけにはいかない、と意気軒昂だ。

(文責 佐藤英一・茨城県自治体問題研究所理事)

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