第166号
第166号
第166号
2022・10・23更新
土浦花火大会=土浦市
第91回土浦全国花火競技大会全国煙火業者の出品による花火大会。3年ぶりの開催。11月5日(土曜日)午後5時30分競技開始(荒天の場合は12日(土曜日)または13日(日曜日)に延期) 場所 桜川畔(学園大橋付近)
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茨城県議会で政策条例が議論せずに採択 議員提案21件
9月23日付毎日新聞の茨城版に、県議会における議員提案の条例採択について興味深い記事が載っていた。
それは、茨城県議会で議員提案により成立した政策条例22件ほぼ全てで議会での実質的な議論をすることなく採決されていたという指摘である。実態を明らかにようと県議会事務局問い合わせたところ、「内容を具体的に議論する常任委員会に付託されたのは1件のみ、残りは本会議で質疑が行われることもなく成立している。」との
回答。公の場で内容を巡る議論が深まらない現状に内外から疑問・批判・不審の声が上がっている、という。
県議会事務局によると政策条例は05年3月定例議会で「県屋外広告物条例の一部を改正する条例等」が提出されて以来計22条例が成立している。提出議員は一部は旧民主、公明、共産など党派をまたぐケースもあるが、いずれも最大会派の自民党議員が中心となっている。全22件のうち委員会付託されたのは07年12月の「いばらきの快適な社会づくり基本条例」のみ、20件は閉会日に提出され質疑なしに採決。残る1件も閉会1週間前に提出され委員会に付託、議場での本格的な議論はされずに終わった。
申し合わせでは、提出期限の例外は緊急時などに限るとしているが、無視した取扱いが状態化していると指摘している。
県民の生活や権利義務にかかわる条例制定で、議員立法いわれる議員提案の条例案が審議なしで最終日、本会議で一発採択。単なる人気とりか、立法のパフォーマンス(選挙向け)か。制定の必要の有無など立法事実と内容の妥当性などをきちんと審議する手続きを踏んで欲しいものである。
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今月の俳句
人一人降りしホームの虫時雨(しぐれ)
裏木戸の半開きなる十三夜
聞き流すことも覚えてとろろ汁
廃校の傾く門小鳥来る
鳥渡る過疎も都会もない空を
五感みな退化がすすみ秋澄めり
高 島 つよし
本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 元小貝保育園長、当研究所顧問
寄 稿
市民の求める街づくりをめざして
―石岡市の「複合文化施設」建設事業に対する取り組み―
小松 豊正( 石岡市議会議員/日本共産党)
はじめに
石岡市長は今年7月に、「複合文化施設」(市民ホールと会議室、中央図書館、児童館、青少年ホーム、杉並コミュニテイセンターなどを含む)を、石岡駅東地区に、PFI方式で、概算工事費122億7620万8千円をかけて建設し、令和9年度後半に供用開始するとの方針を明らかにしました。 市の令和4年度一般会計は352億円からいっても、現在と未来の石岡市政を左右する大規模公共事業です。 私は、市民の要望にもとづいて、市民が納得する街づくりを進める立場から一貫してこの問題に取り組んできました。この間の経過と教訓、今後の方向などについて述べます。
問題点と教訓
1 執行部の構想が上から目線で、実情と市民の自主的な要望に基づいていないこと。
(1)「公共施設総合管理計画」が足かせに
大本には、2017年3月に発表された「石岡市公共施設等総合管理計画」があります。そこには昭和40年代に建設された公共施設をいかに合理的に減らしていくかの方針が描かれており、「市全体の公共施設の延べ床面積では、今後40年間で20%の削減をめざす」とあります。このような基本方針のもとに、「複合文化施設」建設が策定され、住民との矛盾が噴出しています。
(2) 住民が児童館廃止に抗議、現地建て替えを求める
石岡市内には児童福祉法に基づく施設が2つありますが、その一つの児童館は「管理計画」では廃止して複合施設にするとの方針で耐震診断もしてこなかったのですが、昨年12月9日にIS値が低いことが分かり、市長は使用中止を指示しました。そして今年の3月議会に「廃止」の条例改正案を出したのですが、多くの子どもと親から批判が広がり、「廃止」条例は撤回せざるを得なくなりました。9月議会に現地建て替えの陳情がだされました。
(3) 市長は、大企業の要望を優先して建設場所を駅東地区に決めるも議会はそのための補正予算(調査費)を否決
市長は「PFIで参入希望の11社のうち10社が駅東地区がいいと言っているので駅東地区に決めた」と答弁しましたが、議会特別委員会はそのための調査費(測量・地質調査合計で)4384万6千円を賛成4,反対15で否決しました。(本会議では賛成5、反対14)
(4) 執行部のPFI(BTO)方式と市民の願い、地域経済振興との矛盾
執行部が議会に示した基本構想が、実はコンサル会社(株)ブレインファームの「文化施設整備事業 基礎調査業務 中間報告」によるものであることが議会の資料請求によって明らかになりました。このなかでプレプレサウンデイングに協力した民間企業として、清水建設(株)、大和リース(株)、(株)フジタが紹介されています。議会も市民も知らないうちに民間大企業の意思が反映されていたことが明らかになりました。
(5) プレサウンデイングには、ホール運営2社、子ども施設運営1社、図書館運営2社、建設リース関係6社の計11社が参加していますが、地元企業は1社もなく、地域経済の振興とは結びつかないことも明らかになりました。
(6) 数年前に前市長が、130年の歴史がある中央図書館に指定管理者制度を導入しようとしたとき、私は一般質問で取り上げ、やめさせました。思いとどまらせました。
その時、図書館長名で図書館審議委員会に出した諮問に対する答申では、図書館の在り方からいって指定管理者制度はなじまないとしていますが、私はPFI手法はこの答申と矛盾することを強調しました。
2 将来の財政推計によって、計画の無謀性が明らかに
議会の要請により10年後の財政推計を出させました。それによると、令和14年度の実質公債費比率は15.6%になるとしています。(18%を超えると、起債が制限され、県の許可が必要になります)
財務部からは、次の4点の提言が出されました。①合併特例債は最大限活用すること、②基金の積み立てを行うこと、③歳出の抑制のため、既存事業の見直しを行うこと、④更なる公共施設の整理・統合を行うこと。私はこの提言は市民に我慢をしいて市民生活を脅かすものだと指摘しました。市民からは「石岡の身の丈にあった建設を」という声が聞かれます。
3 「複合文化施設」建設問題は当初、産業経済委員会、文教厚生委員会、総務企画委員会に分けて審議されていましたが、私などが各議員に働きかけて、6月議会の最終日に「複合文化施設」建設特別委員会を立ち上げ、以来毎週のように全議員が一堂に会して議論を積み重ね、知恵を出し合ってきたのが問題点を深める大きな力になりました。
これからの取り組みについて考えていること
1 市民が納得できる身の丈にあった予算で、切実なものから実現していく。まずは市民ホー ルと会議室、次に図書館など。
2 市に「意見交換会」(仮称)を設置するよう求め、市民の総意で事業を推進していくようにする。
3 公設公営で、市が責任をもって建設し管理していく方向で運動をすすめていく。
4 学習会を開くなど、PFIの持つ本質的問題を市民の共通理解にしていく。
5 イベント広場活用の「署名運動」など市民運動を提案していく。
以 上
2022年10月11日記
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事務局たより
第2回理事会 報告
10月9日(日)茨城自治労連会館において、理事13名が参加のもと、第2回理事会が開催された。開会に先立ち、田中理事長が挨拶、議案は、経過と今後の予定・会員等現況・報告事項、協議事項について、叶谷事務局長より報告・提案があった。
〔報告事項〕
自治体問題研究所 地域研事務局長連絡会議報告
・9月12日(月)13時 ~ Zoom開催 出席者:25地域研究所26名
① 地域研究所の特徴的な動き
・北海道、大阪、滋賀、埼玉、岡山から報告
② 第64回自治体学校の結果について
・7月23日(土)~25日(月) 長野県松本市 687名参加
・7月30日(土)、31日(日)、8月5日(金)~7日(日)2講座・7分科会 Zoom開催
・茨城からの参加者 21名(現地参加14名・Zoom参加7名)
③ 自治体問題研究所・自治体研究社の財政状況について
④ 財政再建に向けた対応策
東海第二原発災害時の避難計画調査検討委員会報告
① 第4回調査検討委員会
・8月23日(火)13時30分~ 水戸市ミオス
・県広域避難計画の実効性確保に関する問題点・疑問点
・鉾田市原子力災害時広域避難計画調査報告
② 第5回調査検討委員会
・10月4日(火)13時30分~ 水戸市ミオス
・東海第二原発事故の避難所を茨城県内に開設することの不当性を水道水の放射能汚染の問題から第1回検討報告
・常陸太田市原子力災害時広域避難計画に関する調査報告
・常陸大宮市原子力災害時広域避難計画に関する調査報告
〔協議事項〕
(1) 東海第二原発災害時の避難計画調査検討委員会について
・今後の展開
(2) 2022年度組織拡大推進計画について
・推進期間:2022年10月11日~12月28日
・重点対象:自治体職員、労組役員、研究者を重点的に推進
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今月の 川柳
教会と持ちつもたれつ出る馬脚
ウーラーとプーチン叫んで自画自賛
聞く耳にゴミがたまって役立たず
九条に鎧兜をくくりつけ
併合は昔日本いまロシア
軍拡のメニューが並ぶレストラン
賃上げに内部留保の扉あけ
ミサイルの狂想曲で腹へらし
オリパラの金の亡者が大行進
軒並みに物価上がって雨やどり
泉 明 羅
(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)
イベント
(オンライン)市町村議会議員研修会 ZOOM 開催
第57回
■ 2022 年10 月27 日(木)10:00〜2:00 13:30〜5:30
第1講義 :予算議会に向けて ― 決算・予算の読み方、考え方
講師 森 裕之(立命館大学政策科学部教授)
国の財政運営が今後どのようになっていくかはいまだに不透明ですが、この間の大規模な財政出動は国全体の財政の健全性を脅かしているのは間違いありません。そのなかで、今年度の決算のチェックポイントを示して、来年度予算のあり方を考えます。
テキスト:森 裕之著『市民と議員のための自治体財政』税込特価1400 円
■ 2022 年11 月4 日(金)13:30〜5:30
第2講義 :とりもどそう、本当の地方自治 ― 自治体を主権者のものに
講師 岡 田 知 弘(京都橘大学教授)
政府は「自治体戦略2040 構想」やデジタル化といった地方自治体を改変する政策を展開しています。一方で、小規模町村や大都市では自治体を主権者に取り戻す動きがあります。こうした動向を捉えて、憲法と地方自治法の理念に基づいて、主権者の目線で自治体のあり方を考えます。
テキスト:岡田知弘著『私たちの地方自治―自治体を主権者のものに』税込特価1300 円
■ 2022 年11 月7 日(月)13:00〜5:00
第3講義 届ける福祉 フランスの子育て支援制度 ― 日本でできることを求めて
講師 安 發 明 子(在仏社会保障・社会福祉研究者)
フランスでは、個々人に福祉のサービスが届くまでがソーシャルワークの使命とされています。「親をすることへの支援」という考え方に立った子育て支援制度を中心に、フランス福祉の実情を伝えます。
テキスト:安發明子分担執筆『「健康で文化的な生活」をすべての人に』税込特価2500 円
第58回
■ 2022 年11 月24 日(木)13:30〜15:30
第3講義 社会保障のあゆみと協同
講師 芝 田 英 昭(立教大学教授)
社会保障は、生きていく上必ず抱える生活問題を緩和・解決するための公的な制度・政策や協同の取り組み。これまでの枠組み、歴史、運動を踏まえ、今後の社会保障の方針を示す「全世代型社会保障構築会議の中間整理」「骨太の方針2022年」等の問題を学ぶ。
■ 2022 年11 月25 日(金)13:30〜15:30
第3講義 地域公共交通の危機を超えて未来図を考える 自治体の権限と財源の課題
講師 西 村 茂(金沢大学名誉教授)
各地で公共交通の存続危機に加え、地域・所得・年齢・健康などに左右される「移動格差」がある。解決のためには公共交通政策より広い移動政策、公共交通プラス多様な手段が必要であり、自治体全域の移動手段の未来図をつくることを提唱する。
■ お申し込み方法、参加費などは、https://www.jichiken.jp/event/をご覧ください。
◇お問い合わせ先 自治体研究社 議員研修会係 〒162-8512 東京都新宿区矢来町123 矢来ビル4F
TEL:03-3235-5941 FAX:03-3235-5933
e-mail : info@jichiken.jp
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新刊紹介
子どもを真ん中に考える!
学童保育を哲学する ―子供に必要な生活・遊び・権利保障―
増 山 均 著
A5判、150頁 定価1870円 自治体研究社
コロナパンデミックのなか、学童保育の社会的役割が増しています。そこにはさまざまな運営主体が参入し多くの人々がかかわっています。いま「学童保育とは何か」「学童保育はどうあれば良いのか」という≪理念の確認≫が必要な時です。子どもの生活と遊び、権利保障のあり方、地域との連携,子ども観など、子どもを中心に置いて問題を熟考(哲学)します。
準新刊
『健康で文化的な生活をすべての人にー憲法25条の探求』
浜岡 政好, 唐鎌 直義, 河合 克義 (編著)
A5判 308頁 定価2970円(税込み) 2022年3月31日発行
概要:人間らしい生活を求めて
格差と貧困が拡大する今、私たちは「健康で文化的な生活」を送れているのでしょうか。全国生活と健康を守る会連合会と全日本民主医療機関連合会による大規模アンケート調査から庶民の肉声を掬い上げました。そこには、さまざまな生活を送る人びとの日常があります。
このデータの多角的な分析と、第2次調査としての面談による取材によって、日本の庶民の現実が見えてきます。また、「健康で文化的な生活」とは何かを、憲法25条の文言の成立からたずね、フランスとの比較も通して、「人間らしい生活」を求めて、社会保障・社会福祉の低位性を乗り越える方策を追究します。
コロナ対応にみる法と民主主義
コロナ禍とデジタル化のもと見つめ直すべきは民主主義と地方自治のあり方である
市橋克哉・榊原秀訓・塚田哲之・植松健―著 定価1,870円
概要:
コロナ禍とデジタル化のもと、パンデミックに便乗して、立憲主義・法治主義を掘り崩す政策が頻発した。国家は人びとの「命と暮らし」を一番に考えていたのか。地方自治体、地方議会は、その役割を十分に果たすことができているのか。さまざまな事実を法と民主主義の観点から詳細に分析して地方自治と民主主義の可能性を追究する。
社会保障のあゆみと協同
社会保障の枠組、歴史、さらに協同との関係性を紹介
芝田 英昭著 (立教大学コミュニティ福祉学部教授)
A 5 判・並製カバー・160 頁/定価1870 円(10% 税込)
本著の概要:
社会保障は、私たちが生きていく上で必ず抱える生活問題を緩和・解決するための公的な制度・政策や協同の取り組みです。その目的は、全ての人の「健康で文化的な生活を保障」するもので、
健康権・文化権・生活権等の基本的人権を保障する制度だといえます。しかし、基本的人権は、戦争ではしばしば侵害されます。
平和であることが社会保障の発展にもつながり、また社会保障の発展が平和に貢献できるともいえます。本書では、社会保障の基本的枠組、歴史、さらに生命の尊厳、協同の力・運動・実践と社会保障発展との関係性を学びたいと思います。 (本書「プロローグ」より)
危険!建設残土 - 土砂条例と法規制を求めて
熱海土石流事故は、あなたの身近でも起りうる!
畑 明郎著 (滋賀環境問題研究所所長、日本環境学会元会長、元大阪市立大学教授)
定価1650 円(本体1500 円+税10%)
本著の概要:
2021 年7 月、熱海土石流事故は建設残土問題をクローズアップした。同じように全国には、持ち込まれ、積み上げられる危険な建設残土が多数存在する。熱海市をはじめ、京都、滋賀、大阪、奈良、愛知、三重の現状を精査して、その危険性を報告する。
そして、大量の残土を生み出す、北海道・北陸新幹線の延伸工事、リニア中央新幹線工事の問題点を明らかにする。
こうした現実に対して、土砂条例と実効性のある法規制の必要性を説く。
どう考える 公共施設の統廃合・再編、民間化
―公共施設等総合管理計画と指定管理者制度―
角田英昭 編著
A5版・32頁 地域研割引単価300円(定価400円)
現在、公共施設の統廃合・再編が急ピッチで進められています。
その基軸となるのが公共施設等総合管理計画です。この計画は、これまでのような自治体による個別、施設ごとの統廃合・再編に止まらず、中長期的な視野に立って全面的に見直し、施設の総量削減、経費抑制を国主導で推進していくものです。
また、公共施設の管理・運営については、国は指定管理者制度を先行して実施し、管理運営委託、民間化を全面的に推進しています。総務省資料によれば既に7万7千超の施設に導入されていますが、実際の運用では、指定取り消し等が過去最高を更新するなど様々な問題、課題が指摘され、その見直しは急務になっています。
改めて公共施設とは何か、どうあるべきなのか、それが根本から問われています。 「公の施設」とは、住民のライフサイクル全体を通して福祉の増進を図り、地域の社会経済活動の基盤をつくり、まさに自治体の仕事の根幹をなすものです。
こうした状況を踏まえ、今回、自治体問題研究所では公共施設のあり方、統廃合・再編、民間化を考えるブックレットを作成しました。今年3月に公表された2021年「公の施設の指定管理者制度導入状況等調査」の概要も掲載しました。是非お読み頂き、地域、職場での学習と政策づくり、運動に役立てていただければ幸いです。
戦後最大の国民生活の危機!コロナがあばいた日本の弱点!
伊藤周平著『コロナ禍からみる日本の社会保障』
定価 2200円
オミクロン株が猛威を奮い、まさに第6波の真っ只中である。コロナ禍の収束は見通せず、日本の社会保障の制度的脆弱さは深刻化を増している。医療・保健(公衆衛生)、介護、保育・学童保育、雇用保障、生活保護・住宅政策等の実際を論じ、社会保障の法政策と税制改革を中心に財政政策の方向性を提示する。
デジタル化でどうなる個人情報
デジタル改革と個人情報保護のゆくえ
ー「2000個の条例リセット論」を問う ―
庄村勇人(名城大学法学部教授)・ 中村重美(世田谷地区労働組合協議会議長)著
定価990円(10% 税込)
デジタル改革関連法の成立により、住民の個人情報は“利活用"する方向が示され、個人情報保護条例は国の法律に合わせて「改正」を強いられ、その監督権限も国に一元化される方向へと動きだした。本書では、地方自治の視点から、デジタル改革関連法における個人情報保護法制の内容を検証するとともに、住民の権利と団体自治を守るための自治体の課題や条例の論点を具体的に考える。
福島原発災害10年を経て
ー 生活・生業の再建、地域社会・地域経済の再生に向けて ー
鈴木 浩著
A5/258頁 定価(価格3200円+税)
東日本大震災・福島第一原子力発電所事故による原発災害から10年が経った。被災者の生活再建と、被災地の地域社会の再生はどこまで進んだのか。災害発生直後から福島県と浪江町、双葉町の復興ビジョンや復興計画の策定、そして仮設住宅の供給についての計画づくりに関わり、「ふくしま復興支援フォーラム」を立ち上げた著者が、被災者、被災地そして自治体のいままでの取組みとこれからの方策を語る。10年は決して区切りではない。再建、再生の実際を問う。
再生可能エネルギーと環境問題
傘木 宏夫著
A5/162頁 定価(価格1600円+税)
「脱炭素」「脱原発依存」といった社会的要請を背景に、再生可能エネルギーの普及に対する期待が高まり、同エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取るFIT(固定価格買取制度)制定後、各地で開発が進んでいる。しかし、開発による山間地の森林伐採、景観破壊など様々な問題が地域社会で噴出。本書では、開発が自然環境との調和を図りつつ、地域社会の利益に繋がるように進めるには、地域の側に主体的な力が育つ必要があることを説く。
子どものための児童相談所
ー 児童虐待と子どもへの政治の無関心を超えてー
浅井 春夫編著
A5/176頁 定価(価格1700円+税)
2020年、20万5029件(速報値)の「子ども虐待相談」が全国の児童相談所に持ち込まれた。全国の児童相談所は225か所、対応する児童福祉司は4553人。この現実のなかで、子どもに寄り添い、家族に寄り添う児童相談所のいまを伝え、改革の方向を模索する。
子どものための保育制度改革
中山 徹著
A5/108頁 定価(本体価格1200円+税)
2013年から待機児童解消が政策的に進められ、2015年には子ども・子育て支援新制度が始まり、2019年から教育・保育無償化もスタートした。2010年代の10年間は、保育制度、保育施策それと連動して保育所などが大きく変化した。そして、今、保育所、幼稚園、認定子ども園は岐路に立っている。質を犠牲にした量の拡大、行政責任の後退等、だれのための制度改革だったのか。2025年、保育所利用者は減少に転じる、ここで「子どものため」の保育を真剣に考えなくてはいけない。保育環境の改善に舵を切り本当の少子化対策の必要性を説く