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2024・10・23更新
楽しみなさつまいも堀り
茨城県はさつまいもの栽培面積・生産量ともに全国第2位の大産地です。
茨城県内で一番多く栽培されている品種は、濃厚な甘みが特長で、焼いもなどで大人気の「べにはるか」です。また、ホクホクした食感が特長の「ベニアズマ」や、しっとりした食感が特長の「紅まさり」などもあります。
いまこそ食と農の危機を打開する農政を
― 食料自給率向上を投げ捨てる政治でいいのか ―
農民運動全国連合会(農民連)の『農民』(2024秋号)が提起している日本農業の危機状況に目を奪われた。
農業の主な働き手(基幹的農業従事者は240万人(2000年)から116万人(23年)に半減。農地面積も483万㌶から430万㌶へ激減。歴代自公政権による貿易自由化、米国余剰農産物買い入れ方策で深刻な農業実態。国民の命に直結する食料の安定的確保のため、農業を立て直して食糧増産に踏み出すかどうか瀬戸際にあり、総選挙で自公政権を転換しないと危ないと訴えている。
自公政権は今年5月に、農政憲法といわれる「食料・農業・農村基本法」改定を強行。これが食料自給率向上を放棄し、食の海外依存を拡大し、有事の際は農家に生産強制を図るとした、とんでもない改定。
鈴木宣弘教授(東大)は、「食料・農業・農村基本法」改定に対して次のように指摘している(JAcom 2024.3.14)。
「農家の平均年齢が68.4歳という数字は、あと10年足したら、日本の農業・農村が崩壊しかねない、ということを示しており、さらに、今、コスト高を販売価格に転嫁できず、赤字に苦しみ、酪農・畜産を中心に廃業が後を絶たず、崩壊のスピードは加速している。 世界情勢の悪化で、海外からの輸入が滞るリスクが増大している中、不測の事態に国民の命は守れるのか。我々に残された時間は少ない中で、結局、それに正面から応える政策になっているかが問われる。
「市場原理主義」(貿易停止時に命を守る安全保障コストが勘案されていない)では、いざというときの国民の命は守れないことも明白になったのではないか。コロナ禍でも反省したのではなかったか。このままでは、逆の流れが加速しかねない。・・・・コスト高に苦しむ農家の所得を支える抜本的仕組みは提案されないまま、相変わらずの、「規模拡大によるコストダウン、輸出拡大、スマート農業」が連呼される現状に違和感を覚える。それが現状の危機への対策なのか。企業利益につながっても、どれだけ農家の利益につながるのか。輸出の前に脆弱化する国内供給をどうするかが先だということが当然であるし、仮に、輸出が伸ばせても、農家の手取りが増えて、所得が増えるわけではない。多くは輸出に関わる企業の利益である。」
まさに、真を突いているといえます。
今月の俳句
山腹に雲の重たき彼岸花
風止みて仏の國の秋うらら
昏れ惑う畑のすみの葉鶏頭
水音と風音募る薄原(すすきはら)
過疎地区の灯まばらに時雨来る
高 島 つよし
本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 元小貝保育園長、当研究所顧問
寄 稿
「どうして百里基地を含む日本に外国の軍隊が来るのか」
梅澤 優(百里基地反対同盟員)
10月1日に日本のミサイル防衛関係者を茫然自失とさせる出来事がイスラエルのネバティム航空宇宙軍基地で起こりました。180発の波状攻撃を受けたイスラエルのアイアンドームとアロー3の防衛システムは、1から2割ぐらいしか迎撃できずほとんどが着弾しました。攻撃したイランのファタはマッハ13と言われており、夜間なので摩擦熱で真っ赤になり着弾する様子がXなどに出ています。
資源国であり学術論文数は日本より多い、将来性のあるイランが行った攻撃に危機感を抱いたアメリカは、イスラエルにTHAAD(360発 1兆7千億円)と米軍人100人を配備すると13日に発表しました。THAADはロシアのS500に匹敵する高性能防衛システムですが、派遣した軍人が死傷する事で介入の口実を作るのが目的とも言えます。
核を持つイスラエルでもイランと戦えば不利ですから、戦争輸出業を営む米軍は当然参戦したがるでしょう。
今のハイパーソニックミサイルは秒速3kmを超えて尚且つ変速軌道を備えており、迎撃ミサイルを発射後に地上から敵ミサイルにレーダーを当て、その反射波を頼りに目標に突入するのですが、神風特攻用に開発された近接信管では、遅れが出ますので弾頭破壊ができず直接当てるのが主流となっています。
それでも外れる確率が新型ミサイルにはありますが、まして今回の飽和攻撃に近い状態には対処できなかったようです。これを見ると日本の南西諸島配置ミサイルは現代戦に対応できず、残された道は反撃能力と呼ぶ先制攻撃に賭けることとなりますが、後続戦は数の上からできません。
自衛隊はペトリオットミサイルを16基分散配置していますがPac3で30km、 Pac3MSEで60kmのカバーレンジしかなく、元々は皇居防衛用ですから有事の際には地方は蔑ろにされます。テストでは100%ですが実際には10から40%とアメリカでは言われています。
これがまた高価でミサイル5億円、一発の敵に対し確率を上げるため2から3発撃つのですからたまりません。戦闘機には当たりますがそもそも敵の戦闘機は寄り付かず、遠くから滑空爆弾で攻撃されてしまいます。イージス・アショア(総額6000億)は反対に会って陸上配置は無くなりましたが、既に購入済で艦載するようです。この迎撃弾SM-3ブロック2Aは一発40億円、一基8連装x3で二基使用48発、1920億円の税金を一気に撃つのですから兵器産業には上得意客となります。
今度契約したトマホークジェットエンジンミサイルは400発で2540億円ですが半分は使い物にならない在庫整理の旧型ブロック4(GPSなし、発射後の目標変更及びリアルタイム映像送信ができない)は1億が相場なのに4億で購入、ブロック5は2億と言われているが8億で買ってくれる日本です。なんと戦闘機で追いかけて落ち落とせるミサイルなのです。
現代戦の爆薬は火薬を離れ酸化エチレンや酸化プロピレンなどの燃料気化爆弾や燃料を超えてサーモバリック爆薬、そしてテルミットなど破片範囲破壊を超えた衝撃波と熱による殺傷が使われだしています。地中深くで爆発するバンカーバスターは地下200Mまで破壊できます。銃火器にもAIが多用され戦場で人間を標的ロックして正確に狙う銃やドローン、ロボット犬歩兵にもAIが使われだして兵士を代替しています。医療の診断や車の安全運行など人類の幸せに繫るAIが軍事衛星や地上の監視カメラ盗聴などによって顔認証でターゲットを特定する技術、コンピューターのフィルターが人に変わって探し出す方法は危険といわれる言語にも適用されます。日本や中国だけでなく、中東での暗殺手段となるなど私達の望まぬ方向に使われだしているこの頃です。
そして軍事オタクと言われる石破新総理は自動参戦である準NATO化と核共有を言い出しました。ASEANは準NATOには入りませんから東アジアでは少数派の方向を目指す事になります。核共有とは日本に侵攻してきた敵に核戦争のリスクを負ってまで、国内に核を落とす責任を日本が負うというシステムです。自国に味方の核が使われることを覚悟し、その責任を負うことを確約させられるのです。
米国が同盟国に核を使ったと後々非難されないためのアリバイが作られます。勿論拒否権はありますが、西欧のように地続きでなく、偏西風が吹く島国に実質的な拒否権はありません。原発攻撃も同じ理由で行われます。共有された核は自衛隊基地に置かれますが、自衛隊が使えることはなく米国の同意が必要です。日本が核を所持しまた製造することは、自国の利権第一のアメリカが許しません。
ロシアやイスラエルの戦争を見て核保有を望む人達もいますが、あたかも核をもてるかのような錯覚を起こす核共有はその思いとは裏腹に踏んだり蹴ったりのシステムなのです。
世界はグローバルサウスやBRICS+が台頭し人口の8割以上を占め、その兵力も上回っています。西側、いわゆる国際社会には停滞国が多く発展性のある新興国に危機感を抱いているのが現状であり、東アジアに一両日中に展開し戦端を開けば、西欧に被害が及ばず、軍需産業は大きな利益が期待できます。
しかし平和憲法を持つ日本への侵攻など現実味はありません。そこで12年前にアメリカの海軍大学でつくられたシナリオでは、なんと日本が台湾有事の端緒を開くことになっています。これから始まる鋭い刃物作戦25では具体的な海兵隊の離島残留などと自衛隊の連携が訓練されるでしょう。
今月の 川柳
佐渡ケ島金があふれて酔いつぶれ
中東の戦火に胸が痛む秋
能登の人天地異変にムチ打たれ
サンマ高どこに居るのかいわし雲
味覚秋獅子身中の虫を食い
黒うら金が重い重いと石波丸
地獄道佛に会ってあ~無罪
つるべ落ち昨日の夢も乗り合わせ
目出鯛と被団協に祝い酒
彼岸花魔よけの様に道ふさぎ
泉 明 羅
(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)
寄 稿
鹿島海軍航空隊跡地を訪ねて
飯田 三年(当研究所副理事長)
親しくしている高校同級生Tさんと、美浦村大山地区にある「鹿島海軍航空隊」跡地を訪れました。ここは、友部の「筑波海軍航空隊記念館」といわば対をなすものです。友部より素晴らしいのは、霞ヶ浦南岸の絶景ともいえる場所にあるということです。機会があれば訪れることをお勧めします。
中島美浦村長が紹介した航空隊跡地
今年3月に結城で開催された第36回まちづくり学校において、脱炭素化の取り組みとして「太陽光発電に力を入れる」をテーマに、中島美浦村長の報告がありました。その中でメガソーラー発電所に関連して紹介されていたのが「鹿島海軍航空隊」跡地です。 ここは、第二次世界大戦までは水上機の操縦訓練などに使われ、その後は東京医科歯科大学霞ヶ浦分院(結核療養所)としての活用を経て、今日に至っています。今はロケ地としてたびたび利用されています。
航空隊跡地の近くには岡平貝塚
「鹿島海軍航空隊」跡地の湖岸にはヨットの停留施設もあり、風光明媚な場所です。
近くには岡平(おかだいら)貝塚があります。これはモースが発見した有名な大森貝塚に次いで、明治前期に発見された縄文中期の貝塚に次いで、明治前期に発見された縄文中期の貝塚です。ほかにも何か所かの貝塚があり、この地帯が古くから開かれた地域であることがわかります。
美浦村というと競馬のトレーニングセンターを思い浮かべる方が多いと思いますが、このような実に多様な特徴がある地域です。
霞ヶ浦沿岸は有数の軍事基地所在地
土浦市から阿見町、美浦村にかけての一帯は首都圏に近いということもあり、今も昔も日本有数の軍事基地所在地です。霞ヶ浦を挟んで北側には百里基地があります。 土浦は、第二次世界大戦前は「軍都」といわれ、土浦海軍航空隊や予科練を中心に全国にその名が知れ渡っていました。
阿見町には現在も二カ所に自衛隊基地があります。また、軍事基地ではありませんが、「予科練平和記念館」があります。さらに隣接地には「雄翔園(ゆうしょうえん)と「雄翔館」(ゆうしょうかん)があります。鹿児島の「知覧平和特攻記念館」を思い浮かべます。 まだご覧になっていない方は一見すると良いでしょう。
反戦平和の気持ちを再確認する旅を計画
Tさんとは、2年ほど前に上田市の「無言館」、長野市の松代大本営を訪れました。今後は体力・気力に問題がなければ、長野県阿智村の「満蒙開拓平和祈念館」まで一緒に脚を伸ばしたいと思っています。
2024.10.15
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事務局たより
第2回理事会のご案内
日 時 : 11月30日(土)午後1時30分
場 所 : 茨城県総合福祉会館3階多目的ホール
議 題
組織拡大推進計画について
50周年記 念式典について
その他
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新刊紹介
アグロエコロジーヘの転換と自治体
生態系と調和した持続可能な農と食の可能性
●晨と食への危機打開にどう向き含うか!
定価2750円(10%税込)
A5判並製カバー 252頁
関根佳恵(愛知学院大学経済学部教授)
関 耕平(島根大学法文部教授)
生態系と調和した持続可能な農と食への根本的な転換となる欧米で注目を浴びるアグロエコロジー。この農と食のシステムに関する科学・実践・社会運動に注目して、四半世紀ぶりに改正となった日本の「食料・農業・農村基本法」を分析。併せてフランスの有機給食と公共調達、JAの有機農業、地域で展開されているアグロエコロジーの実践事例を紹介し、食の民主主義を展望。
目次より
第1章 気候危機克服とアグロエコロジーヘの転換
―「生態系といのちの営み」に寄りそう社会を足もとから一
第2章 アグロエコロジーをめぐる国際的潮流
一国連、市民社会、欧米の動向と日本への示唆―
第3章 食と農の危機打開に向けて一新基本法を問う
第4章 酪農が直面する課題と未来一食の民主主義を展望する
第5章 有機農産物を学校給食に届けよう一フランスの公共調達改革
第6章 アグロエコロジーの実践を地域から一島根県の事例をもとに
コラム 里山でサステナブルな社会づくりの担い手を育む
第7章 JAによる有機農業の取り組み
第8章 北海道酪農のアグロエコロジーヘの挑戦
第9章 中山間地域における有機農業の広がりと農業後継者育成の可能性
一崚阜県白川町ゆうきハートネットの事例一
公共サービスのSaaS化と自治体
●自治体はSaaS利用契約にどう対応するか
定価1540円(10%税込)
本多滝夫・稲葉―将編著
稲葉多喜生・神田敏史・興田章午著
SaaSは、公共サービスや準公共サービスを提供する自治体などにとっては情報システムを一から作り管理する手間を省くことができ、大変使い勝手の良いものです。しかし、使い勝手の良さの反面、自治体だけでなく、サービスの利用者も、SaaSを運用するICT事業者に住民または自らの個人情報を提供することが前提となっています。SaaS利用の拡大は、住民の個人情報の脅威になっています。本書では、保育所や母子手帳などSaaS利用の実際の紹介を通じて、その仕組みを解説するとともに、自治体がICT事業者とSaaS利用契約を締結する際に求められる視点を提案します。
1 デジタル社会とSaas 本多滝夫
デジタル社会とタラウドサービス/クラウドサービスとは/ガバメントクラウドとSaaSの重視/窓口DX Saas
2 自治体保育彙議のSaaS化‐その実態と課題― 稲葉 多喜生
補論 デジタル庁「モデル仕様書(保育業務支援システム))について 稲葉 多喜生
3 「マイME-BYOカルテ」による健康医療情報の収集と活用について 神田 敏史
4 個人情報保護と同意のあり方―自治体がSaaSを利用する場合の視点一 眞田 章午
5 SaaS利用の契約諸関係が有する問題点と自治体の課題
稲葉 一将
資料 デジタル庁「モデル仕様書」
以上、「月刊いばらきの地域と自治」第189号から転載
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