茨城の自治ニュース
月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2024年11月
災害・対策(能登半島地震含む)
流域治水の整備へ 日立市が計画素案 (12.24 朝日)
昨年9月の台風13号による大雨で、川の水があふれて庁舎地下が水没するなどの被害が出た日立市は23日、「流域治水計画」の素案を公表した。従来のような河川改修に加え、住民、行政、企業などあらゆる関係者が協力して流域全体でさまざまな対策を講じ、水害の軽減を目指すという。素案は、国や県管理以外の比較的小規模な63河川、総延長約130キロの流域を対象にしている。年度内の計画策定を目指す。1月14日から10日間、パブリックコメントを実施する。
潮協を防ぐ対策として、流本が橋などにたまり川があふれる原因になることから、川の流れを阻害せずに流木だけ受け止める構造物を上流に新設する。被害を減らす方策として、住宅のかさ上げ工事や浸水想定区域内からの移転費用を一部助成する。経済被害の軽減策では、住宅に防水板を設置する場合の一部助成なども盛り込んでいる。
近年、気候変動の影響でヽ水害は激甚化し頻発している。従来のように河川インフラの整備を進めながらも、河川周辺も含めた広い地域で協働して対策を進める。市によると、市町村が小規模河川についてこうした計画をつくるのは珍しいという。
原発問題(東海第二原発関係も含む)
取水口の近くで火災 作業服に引火し負傷 東海第二原発溶接作業員 (12.11 朝日)
東海村の東海第二原発で9日、溶接作業中に作業員の着衣に引火し、協力会社の男性作業員1人が左胸から左上腕にやけどを負った。日本原子力発電が10日、記者会見を開いて明らかにした。放射線管理区域外にある取水口近くで発生した火災で、放射性物質の漏洩はなかった。原電によると、9日午後1時20分ごろ、発電所の取水口近くで、作業員5人が海水ポンプのメンテナンス用クレーンを解体していたところ、溶接を担当していた50代の男性作業員が着ていた耐火服に引火。作業員は救急搬送され、現在も入院中だが命に別条はないという。クレーンの解体は、新規制基準に対応するための作業の一環。
原発依存低減を撤回 経産省 建て替え「敷地外」容認 (12.18 茨城)
経済産業省は17日の有識者会議で、中長期的なエネルギー政策指針「エネルギー基本計画」の原案を示した。2011年の東京電力福島第1原発事故以降から明記してきた「可能な限り原発依存度を低減する」との表現を撤回。同じ原発の敷地内に限って認めていた建て替えの要件も緩和する。40年度の発電量全体に占める割合は原発が2割程度、再生可能エネルギーは4~5割程度と最大電源に位置付けた。パブリックコメント(意見公募)を経て、25年2月ごろの閣議決定を目指す。
23年度の原発割合は8・5%。2割程度の実現には既存原発の大半に当たる30基程度を再稼働させる必要がある。21年に決めた30年度目標の20~22%と同水準を維持した。
データセンターや半導体工場の新増設に伴い、電力需要は23年度に比べ約1・2倍に当たる1兆1千億~1兆2千億㌗に増えると推計。基本計画では「特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスのとれた電源構成を目指す」と強調した。
経産省は、福島事故の前は原発の割合が約3割だったことから、依存度の低減といった従来方針に変更はないと説明している。再エネについては、折り曲げ可能で薄い次世代太陽電池「ペロブスカイト型」や洋上風力発電などの普及により、23年度の22・9%から倍増させる方針だ。現行計画にある「最優先で取り組む」との文言は消した。
原発の建て替えはこれまで廃炉が決まった同じ原発の敷地内に限定していたが、同じ電力会社であれば敷地外にある別の原発の立地場所でも次世代革新炉を建設できるようにする。政府関係者によると、玄海原発1、2号機(佐賀県)の廃炉作業中の九州電力が川内原発(鹿児島県)の敷地内に新設することが可能になる。23年度に68・6%を占めた火力は40年度に3~4割程度に減らす。二酸化炭素(CO2)を多く排出し、世界的に廃止圧力が強い石炭火力の割合は盛り込まなかった。火力全体では水素やアンモニアを混ぜてCO2を減らす技術などを推進。
防潮堤基礎構造変更評価説明へ 東海第二「年度内に」 (12.25 朝日)
日本原子力発電東海第二原発(東海村)の安全対策工事をめぐる、原子力規制委員会の審査会合が24日開かれた。原電は施工不備が見つかった防潮堤基礎部分の構造変更の概要を説明。来年1月末を目標に耐震・耐津波の評価方法など、年度内に評価結果などをそれぞれ説明するとした。
原電によると、不備があった基礎部分を地中に残したまま、基礎としては使用しない設計に変更するため、基礎部分の東西に鋼管杭を8本ずつ打ち込んだり、セメントや薬液注入で周辺地盤を改良したりするという。
これに対し原子力規制庁は「構造変更案について、特徴や弱点を踏まえ課題を網羅的に抽出し、対応方法を十分検討し、評価内容を整理、資料化することが必要」と話した。
地方制度・自治体論・地方自治一般
「裏金問題」2024流行語大賞トップテンに (12.3 しんぶん赤旗)
この1年の世相を反映した言葉を選ぶ「2024ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が2日、発表されました。トップテンには、自民党の派閥のパーティー券収入を巡る「裏金問題」が選ばれました。
神戸学院大学の上脇博之教授が受賞しました。オンラインであいさつした上脇さんは、90人の裏金議員や刑事告発のきっかけになった「しんぶん赤旗」日曜版の記者などをあげ、「私以外の方で適任者がおられるのではないか」と受賞を悩みに悩んだと振り返りました。「流行語となったのは、多くの国民が生活が苦しい中で、なぜ政治家が起訴されないのか怒りを感じられた方が多かったと考え、怒りを抱いておられる国民の皆さんの代表者としてお受けする」と自分に言い聞かせたとのべました。
個人情報 3145万件漏えい 1~11月共産党政策委調査で判明 (12.4 しんぶん赤旗)
今年1~11月の11カ月で、約3145万件もの膨大な個人情報が漏えいしていることが、日本共産党政策委員会の調査で分かりました。2012~23年に漏えい・紛失した可能性のある個人情報は累計1億6662万人分にのぼり、「日本の人口を優に超えている」(東京商工リサーチ)など、まさに"個人情報流出大国"となっています。
政策委が企業の発表や報道を基に集計したところ、漏えいの可能性があるものも含め、11カ月で42事業所、3144万9000件にのぼりました。最大の漏えいはNTT西日本が1月26日に発表した928万件。子会社の元社員が約10年にわたり顧客情報を不正に持ち出し、第三者に売却していました。
大手スーパーイズミ(本社・広島市)は5月9日の公式ネットサイトで、カード会員の氏名や住所、電話番号などを管理する情報システムがウイルスの攻撃を受け、「漏えいは確認されていない」とするものの、約778万件が閲覧された可能性があるとしています。
東京ガスのネットワークへの不正アクセスでも、氏名、住所、連絡先など416万件が流出。取引先の口座情報やマイナンバー情報も含まれるとしています。
(同社公式サイト、7月17日)日本郵便の千田哲也社長は10月11日、ゆうちょ銀行の155万人分の顧客情報を、本人同意を得ないまま保険の勧誘などに不正流出していた問題で、「心よりおわびする」と謝罪しました。
三セクヘの不適切支出 地検、桜川市を捜査 (12.7 朝日)
桜川市などが出資する第三セクター「クラセル桜川」(同市鍬田)に対して市から不適切な支払いがあった問題に関連し、副市長は5日午後に開かれた市議会全員協議会で、水戸地検から捜査を受けていることを明らかにした。市は今年5月、クラセル桜川に対し、ふるさと納税の返礼品代297万6千円を誤って支払っていたと発表。
クラセル桜川をめぐっては、実態の伴わない業務委託費を市に請求して数百万円の損害を与えたとして、クラセル桜川の代表を務める大塚秀喜市長が背任の疑いで刑事告発されていたことも判明した。
被団協に平和賞受賞 核危機に田中さん「怒り」 (12.11 茨城)
世界に被爆の実相を伝えてきた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に10日、ノーベル平和賞が授与された。被団協代表委員の田中煕巳さん(92)は受賞演説で、核使用が取り沙汰される現状に「限りない憤りを覚える」と危機感を示した。ノルウェーの首都オスロで開かれた授賞式でフリードネス・ノーベル賞委員長は「核兵器が二度と使われてはならない理由を、身をもって立証してきた」と評価し、被爆者の貢献に光を当てた。
地方創生 右者・女性定着に力点 2.0「楽しい地方」提唱 (12.25 朝日)
地方創生について、政府は24日、今後10年間に実施する施策の「基本的な考え方」をまとめた。来夏に策定する基本構想につなげる。これまでの施策を振り返り、新たに「楽しい地方」を掲げて若者や女性に選ばれる地域づくりに力点を置いた。この日、全閣僚が出席した地方創生に関する会議で、首相は「10年前に『これができないと日本は終わる』と思った。危機感がさらに強まっている。
今度失敗すると大変なことになる」と語った。有識者の議論も踏まえてとりまとめた「基本的な考え方」では、過去10年にわたる取り組みを踏まえた反省点を列挙。若者や女性から見て魅力ある地方という視点の欠如や、人口減少を前提とした対応の不十分さ、各地域の好事例を広げるための国の後押しの不足などを指摘した。
そのうえで今後の取り組みの方向性として、「人口が減少する事態を正面から受け止めた上で、社会を機能させる適応策を講じていく」として、若者や女性に選ばれる「楽しい地方」をつくることに主眼を置くと明記。文化、芸術などの地域資源をいかした高付加価値型の事業の創出や、新しい技術を活用して地方に人の流れを呼び込むことなどを目指すとした。
政府は今後、企業の地方分散、デジタル技術の活用などを柱に、来年夏に施策の基本構想を策定するとしている。ただ、「考えられる施策」として今回例示した内容は、女性が出産を機に非正規に転換する「L字カーブ」の解消、二地域居住の推進による関係人口の拡大など、従来の政策の延長にあるものが目立った。
まちづくり・都市計画
「幸福度」横ばい 今年度全国13位、外国人版は4位 (12.14 朝日)
政府が公表した統計データなどを基に、県は毎年「いばらき幸福度指標」を独自に算出している。県は、2024年度の指標は前年度に引き続き全国13位だったと発表した。24年度からは県内で暮らす外国人に特化した「外国人版」の公表もスタート。24年度は全国4位となった。
いばらき幸福度は、雇用や観光振興を反映した「豊かさ」、地域医療の充実や犯罪防止といった「安心安全」、教育や多様性で測る「人財育成」、若者の雇用やベンチャー創出から見た「夢・希望」の四つの分野の計42指標で評価する。県計画推進課によると、前年度と比べると、「人財育成」は11位(前年度15位)、「豊かさ」は4位(同5位)に順位を上げた。 一方で、「夢・希望」は15位(同11位)、「安心安全」は42位(同40位)と順位を下げた。
「夢・希望」に分類される「29歳以下の県内就職」といった指標が下落した。
今年度から始めた「外国人版」では、外国人の暮らしやすさを「働く」「住む」「学ぶ」の三つの分野で評価した。県内に住む外国人や外国人を雇用する企業からも意見を聞いて計14指標を設けた。外国人を雇用する事業所の割合は全国3位だったが、技能実習生の失踪者率の高さなどに課題が残る。外国人向け入学枠のある公立高校の割合は1位だった一方で、日本語指導が必要な児童生徒数(支援員1人あたり)は40位といサポート体制の不足が浮き彫りになった。
1位 東京、2位 神奈川、3位 埼玉、4位 大分、5位 静岡、6位 千葉、7位 愛知、8位 福井、9位 石川 10位 京都、(中略) 13位 茨城
子育て支援住宅 市議会「待った」 過疎指定の稲敷市 (12.21 朝日)
稲敷市が人口減少対策の一つとして、「子育て支援住宅」の建設を計画し、市議会に予算措置を求めたが、拒否された。突きつけられたのは、多くの自治体が直面する、あの難題だった。
県南部の霞ケ浦と利根川に挟まれた農業地域の稲敷市は、4町村合併で誕生した2005年に約5万人だった人口が約3万7千人まで減少。21年に市の一部地域、22年には全域が、国から過疎地域に指定された。子育て支援住宅は、間取りや立地が子育てに適した住宅とされる。子どもがいる世帯や新婚世帯に安く提供して、若年層の流出を食い止め、市外からの移住も促そうというのが狙い。市南西部の新利根地区にある市の庁舎跡地に、3LDK(約73平方厨)で21戸の集合住宅1棟を建設する計画だった。
官民が連携して公共施設などの建設や維持管理にあたる「PPP」方式を採用し、来年1月から事業者を公募、27年4月の入居開始を目指す予定で、建設費と30年間の維持管理運営費を合わせた限度額11億874万円、32年間の債務負担行為の設定を補正予算案に盛り込み、3日に始まった市議会定例会に提出した。建設地について、市は「近くに小中学校や商業施設、市の子育て支援センター、公園があり、利便性が高い」と説明。
これに対し議員たちが呈したのは、「将来もそこに学校があるのか?」という疑問だった。市内には小学校8校、中学校は4校あるが、いずれも学級数が国の適正基準を下回る規模で、将来の統廃合は避けられない。市教育委員会は学校の再編計画作りを進めており、市全体で小中学校とも2校ずつにする方針が、市民らを交えた検討委員会で了承された。議員からは「子育て支援と言いながら、通っている学校が急になくなるとなったら、詐欺だと言われるんじゃないか」と批判が上がった。
補正予算案を審査した11日の常任委員会では結局、「計画を見直すべきだ」として、補正予算から債務負担行為を削除する修正案が議員提案されて可決。13日の本会議で削除が決まった。
市議会閉会後、寛信太郎市長は「議決を重く受け止め、魅力ある子育て環境を創出し、子育て世代から本市が選ばれるよう、庁内を挙げて再度検討する」と話した。
地域経済
ユネスコ 酒造り無形遺産登録「地域結束に貢献」 (12.6 茨城)
南米パラグアイで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は4日(日本時間5日)、日本酒や本格焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録した。委員会の決議は、酒造りを通じて職人らと住民が結び付き「地域社会の結束に貢献している」などと評価。海外での知名度アップによる輸出増が見込めるほか、地域振興に弾みがつきそうだ。
日本からの登録は豊作祈願や厄払いの「風流踊」(2022年)以来、23件目。登録は全会一致で決議された。酒造りの知識と技術が「社会にとって強い文化的意味を持つ」とし、酒が日本の祭りや結婚式などの行事に不可欠であることも指摘した。
ユネスコ日本政府代表部の加納雄大大使は登録決定後のスピーチで、日本で酒は神々からの贈り物と見なされていると紹介。「登録を契機に、酒造りの次世代への継承とともに、無形文化遺産への関心がさらに高まると確信する」と述べた。伝統的酒造りは、カビの一種のこうじ菌を使い、蒸したコメなどの原料を発酵させる日本古来の技術。でんぷんの糖化と糖のアルコール発酵を同じ容器の中で同時に進める製法は、世界でも珍しいとされる。
政府は酒造りの保護体制を充実させるため、21年に国内の登録無形文化財として選定。22年にユネスコに申請した。政府は次いで「書道」も申請しており、審査は26年秋ごろの見通しだ。
今回の政府間委員会は酒造りのほか、タイ料理のスープ「トムヤムクン」、中国の「春節」(旧正月)を祝う慣習なども登録した。
「伝統的酒造り」の無形文化遺産登録を受け、本県の酒造関係者から「輸出の追い風になる。今後の販路拡大につなげたい」と歓迎の声が上がった。県によると、1970年に77あった酒蔵は2023年に38と約半分に減ったものの、久慈川、那珂川、筑波山、鬼怒川、利根川と五つの水系に恵まれ、関東有数の酒どころとされる。酒蔵は独自の味を追求。県酒造組合は茨城の酒を盛り上げようと、酒造好適米「ひたち錦」で仕込んだ統一ブランド「ピュア茨城」を展開するほか、技術者育成などに力を入れている。
有機農業 地域で推進(笠間市)オーガニックビレッジ宣言 (12.7 茨城)
笠間市は6日、有機農業など「環境にやさしい農業」を地域全体で推進するため、「オーガニックビレッジ宣言」を行った。国の農業・環境戦略に沿って、来年度から5年間の実施計画を既に策定。市立小中学校など向けに給食食材での有機米の提供を本格化させ、栽培面積を現在の5倍超の8haに増やす。
オーガニックビレッジは、農水省の「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、有機農業に地域ぐるみで取り組む産地を指す。事業推進に当たって、国は交付金も用意している。構想では2030年度までに全国で200市町村の創出が目標。宣言は、県内で常陸大宮市に次いで2例。
この日、笠間市の山口伸樹市長が同市湯崎の市立北川根小を訪問。同校は市内16小中学校・義務教育学校のうち、先行的に昨年度から有機栽培の米・一部野菜を使った給食を提供している。山口市長は「環境への負荷を低減した『環境にやさしい農業』の推進により、農産物の高付加価値化と農家の所得向上を目指すことを誓う」とする宣言文を読み上げ、署名した。有機栽培米の生産者らも臨席し、宣言の後は給食の試食も行われた。
県と促進協 茨城空港機能強化案 ビル拡張や新路線 (12.14 茨城)
県と茨城空港利用促進等協議会は、茨城空港(小美玉市)の機能強化に向けた素案をまとめた。ハード面では空港ターミナルビル拡張や駐車場の立体化、ソフト面では既存路線の拡充や国際線の新路線誘致などを盛り込んだ。素案は「茨城空港のあり方検討会」で示されており、2025年の第3回会合で作成する取りまとめ案に活用される。
県などは9~10月にアンケートや聞き取り調査を実施。航空や運送、旅行、観光、交通と地元の小美玉市など計35事業者・団体を対象に空港の施設と運用の課題を聞き、結果を短期、中長期、ハード、ソフトの四つの観点でまとめた。
ハード面では、1時間に3便程度の受け入れ体制を整えるため、まず短期的に全体の容量拡大や機能拡充を図るとした。具体的には手狭で繁忙期に混雑しているビルや駐車場の拡張をはじめ、夜間に航空機が待機できる駐機場(エプロン)の確保などを提案した。
中長期的には1時間に最大8便以上の離発着を目標とした。実現に向け、滑走路と駐機場をつないで発着を円滑にする航空機の道路「平行誘導路」の新設や、多様な機材に対応するために滑走路の延長や舗装の厚さの強化を掲げた。
ソフト面では、既存路線を拡充し、定期便の1日当たりや1週間当たりの運航本数の増大を目指すとした。またビジネスジェツト(BJ)誘致の取り組みも強化。現在は無料の駐車場の有料化も検討すべきとし、二ーズや地元の意向踏まえながら空港運用の善を適宜行うとした。
茨城空港は現在、定期便が国内線4路線(神戸、札幌、福岡、那覇)と国際線1路線(台湾・台北)が運航。24日からは中国・上海便が再開する。連続チャーター便は韓国・清州便が来年3月までの期間限定で運航が始まった。昨年10月、民間機の発着枠を原則1時間1着陸としてきたルールを緩和。4~10月に運航された連続チャーター便の台北・高雄路線が初めて新ルールで運航され、5月にはBJが初発着するなど、空港の利用促進に向けた取り組みが進められている。
茨城空港に新たな誘導路 軍民共用に住民不安広がる (12.19 しんぶん赤旗)
茨城県の大井川和彦知事は2023年11月の記者会見で、茨城空港(小美玉市)に「新たな平行誘導路などの設置」を発表しました。
24年11月の2回目の「茨城空港のあり方検討会」で計画の具体化が進み、新たな平行誘導路は百里基地の機能強化につながるものではないか、と住民や市民団体などに不安が広がっています。
2010年3月に開港した茨城空港は、正式名称が「百里飛行場」で防衛省が所有し、航空自衛隊百里基地が運営する「軍民共有」の空港です。開業当初に見込んだ利用数が80万人ですが、23年度の国内線利用が過去最多の70万108人の状況です。平和を願う公園百里基地には「く」の字に曲がった誘導路があります。
「戦争につながる軍事基地のために土地は売らない」と闘われた百里裁判(1958年から1988年)があり、「憲法違反の自衛隊が土地を買いあげる資格はない」と、空港に隣接する形で「一坪運動」により百里平和公園や旧射爆跡地は、民有地になっています。平和公園では、毎年年始に、平和を願い初午まつりが行われています。
11月の検討会では、「茨城空港のあるべき姿」として、県の成長や県民の豊かな生活を支える国内外との観光・ビジネスの拠点となる空港をめざし、県や周辺県の災害対応拠点となるために「空港機能強化に取り組む」と提案。そのために「平行誘導路など施設の確保」が示されました。さらなる利用促進が出される一方で、騒音被害や事故、県民負担など懸念される事項については示されていません。
「空港の将来のためにとあるが、検討委員会には住民は入っていない」「土地を持っている人への説明がない」「県が税金をつぎ込んでつくってできたら自衛隊に差し上げるのはおかしい」「自衛隊が百里基地を広げたいという狙いが見える」など意見が住民や市民団体などから上がっています。
農業産出額 本県3位 23年コメ、豚、野菜けん引 (12.25 茨城)
2023年の都道府県別農業産出額(速報値)で、本県は前年比3・7%増の4571億円で7年連続3位となったことが24日、農林水産省のまとめで分かった。コメや豚、野菜の価格上昇などが貢献した。一方で、生産農業所得は、2位から3位に順位を下げた。農業産出額の1位は北海道で1兆3478億円。2位は鹿児島県で5438億円。本県と鹿児島の差は867億円だった。本県を含む上位3道県の順位は、17年から7年間変わらなかった。
同省関東農政局によると、主要部門別の割合は、野菜が36・4%と最も高く、次いでコメが15・4%、鶏が12%だった。
産出額をけん引した野菜は前年比3・3%増の1664億円、コメは15・1%増の703億円、豚は22・7%増の405億円。一方で鶏は、7・9%減の550億円だった。産出額が増加した要因について、同局は「コメは需要が高くなり、相対取引価格が上昇した。豚も需要が高まった。ピーマンなど一部の野菜は、高温の影響などで生産量が減少し、価格が上昇したため」とみている。
生産農業所得については、1・5%増の1539億円だった。鳥インフルエンザの影響で鶏卵の生産が減少したことなどにより、順位は2位から3位に下がった。関東農政局管内での農業産出額は同6・3%増の2兆3083億円。農業産出額は東京、栃木など10都県の中で本県が最も多かった。次いで千葉県が4029億、栃木県が2959億円、長野県が2890億円だった。
環境と開発 災 害
県全域 盛り土初調査 県、来年度末までに (12.13 茨城)
危険な盛り土を規制し土砂災害を防ぐ「盛土規制法」が昨年施行されたことを受け、県は初めて、県内全域で盛り土の実態調査に乗り出す。県内で造成された全ての盛り土の規模や土質の状態、周辺環境なども含め2025年度末までに把握し、問題のある場所は改善する。崩壊や土石流被害を事前に防ぎ、住宅地や山間部の安全確保につなげる。
盛土規制法は、静岡県熱海市で発生した大規模な土石流被害を受け、2023年5月に施行。都道府県や政令指定都市などに5年に1回の頻度で、造成面積が3千平方メートル以上の既存の盛り土を対象とした基礎調査を義務付けた。
同法では豪雨などで盛り土が崩れる危険性のある区域を知事や市長などが指定。指定全域で、本年度から25年度にかけて盛り土調査を行う。造成場所の土質や地盤のほか、崩落の危険性、住宅や人の往来など周辺を含めた詳細な調査を進める。不適正な盛り土は、所有者に対し規制法に基づく改善命令を出すほか、従わない場合は公表も視野に入れる。
調査はこれまでに市町村と、23年度中に県や市町村の残土条例に基づく許可を受けずに造成された盛り土は44件。22年度の県条例厳格化で小規模な盛り土も県への届け出が必要となったことで、21年度の105件をピークに減少傾町にあるものの「いまだ無許可の埋め立ては一定数残る」(同課)状況にある。
八千代の養鶏場で 鳥インフル確認準 県内今季初‐08万羽の処分開始 (12.30 朝日)
県は29日、八千代町の養鶏場で、高病原性が疑われる鳥インフルエンザの感染が確認されたと発表した。この養鶏場では約108万羽が飼育されていて、遺伝子検査でH5亜型と判明したことから、全羽を殺処分するという。県内での感染確認は今季初めて。県畜産課によると、28日午後3時半ごろ、養鶏場の管理者から「鶏が100羽くらい死んでいる」と県西家畜保健衛生所に連絡があった。
現地で家畜防疫員が簡易検査を実施したところ、死んだ8羽で陽性が確認された。養鶏場では、最初の連絡があった時から鶏や物品の移動を自粛。遺伝子検査で陽性が確認されたことを受け、29日正午から殺処分を始めた。感染拡大を防ぐため、養鶏場から半径3キロ以内を移動制限区域、3~10キロ圏を搬出制限区域に設定。対象となる養鶏場は14戸で、計約161万5千羽が飼育されているという。
県内サケ捕獲過去最低 本年度26匹採卵・放流に影響 (12.31 茨城)
県内の河川を遡上するサケの捕獲数が記録的な低水準に落ち込んでいる。県によると、本年度は26匹にとどまり、過去最低だった前年度の120匹を大きく下回った。温暖化に伴う海水温の上昇が影響したとみられ、サケの採卵とふ化放流に取り阻む魚協は危機惑を募らせる。
常陸大宮市辰ノロの久慈川漁業協同組合のふ化場。25日、水槽に水は張られず、地下水をくむ電動ポンプも稼働していなかった。「漁協でふ化を40、50年やってきて、できなかったのは初めてだ」。同漁協事務局の須賀川昭人さん(37)は嘆く。県水産振興課によると、県からサケの特別採捕の許可を得ているのは、久慈川と鬼怒小貝(筑西市)、那珂川(城里町)、那珂川第一(水戸市)の4漁協。本年度の捕獲数は19日現在、久慈川で3匹▽那珂川で12匹▽鬼怒川で11匹の計26匹にとどまった。記録が残る1955年度以降で過去最低だ。
85年度に過去最高の4万7692匹を記録し、それ以降は2万~3万匹程度で推移してきた。しかし2019年度に5258匹と激減し、減少傾向をたどってきた。本年度は北海道など各地で捕獲減が目立つ。温暖化に伴う海水温の上昇が指摘されており、同課担当者は「(本県は)サケの南限といわれている。影響が色濃く出ているのではないか」とみる。
医療・福祉・社会保障・教育
選定療養費徴収あす開始 県内、不要不急の搬送 (12.1 茨城)
緊急性のない救急搬送患者から「選定療養費」を徴収する県主導の施策が2日、県内で始まる。都道府県単位では初の取り組み。大病院の約9割が参加し、緊急性の有無は現場の医師が指針に基づき判断する。救急車の適正利用により、救急医療の逼迫を回避するのが狙い。救急要請すべきか判断する参考になるよう、県は救急電話相談の利用を促進する。
県医療政策課によると、選定療養費は、一般病床数が200以上の大病院を紹介状なしで受診した際にかかる追加料金。。今回の取り組みは、県内25の大病院のうち22病院が参加。請求額は1100円の1病院を除き、7700円~1万3200円を設定する。緊急性の判断基準を巡っては各病院などと協議し、指針を作成。判断・評価が難しいケースは認めても問題ないとした。いずれも診断結果ではなく、要請時にさかのぼり現場の医師が緊急性を判断する。
消防庁の調査で、県内の昨年1年間の救急搬送数は過去最多の14万3046件。うち緊急性の低い搬送が含まれる「軽症等」は、約半数の6万8549件(いずれも速報値)だった。搬送の6割以上が大病院に集中している。こうした現状や要請件数が冬場にピークを迎えるのを踏まえ、県は12月開始を目指した。
一方で、一部の医師などから受診控えを懸念する声が出たほか、県議会の保健福祉医療委員会で周知期間や議論の不足を指摘する意見が出ていた。
県は円滑な運用に向け、救急電話相談「#7119(おとな)」「#8000(子ども)」の活用を推進。2日以降の日曜・祝日や年末年始は、時間帯によって回線数を2倍以上に拡大する。徴収に関しては月1回、事例や対応に困ったケースなどを関係機関で共有し、検証や改善をする。
保険証きょう発行停止 最長1年利用可 マイナ受診、基本に (12.2 茨城)
医療機関で受診する際に提示する健康保険証は2日から、新規発行が停止された。今後はマイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」の利用が基本になる。ただ既存の保険証も最長1年は利用可能。使えなくなっても、マイナ保険証を持っていない人全員に「資格確認書」が新たに交付され、これまで通り医療を受けられる。
既存の保険証は、券面に記された有効期限内なら来年12月1日まで使用できる。期限が示されていない場合も同様。ただし転職や引っ越しなどで加入する医療保険が変わると使えなくなる。期限切れまでにマイナ保}険証の利用登録をしていない人や、そもそもマイナカードを持っていない人には、全員に保険証の代わりとなる原則力ード型の資格確認書が届く。基本的に申請は不要で最長5年間使え、更新もできる。
「資格情報のお知らせ」という書面が、加入する健康保険組合や自治体から送られる人もいる。機器トラブルでマイナ保険証を読み取れないといった時に提示する。単独では使えない。
学校に新たな居場所を 校内フリースクール県内でも (12.3 朝日)
教室に行けない児童や生徒が専任の職員に見守られて校内で過ごす「校内フリースクール」が県内の小中学校と義務教育学校に広がっている。費用がかからず、学校とのつながりも維持できるため、保護者の期待や設置を求める声が根強ぃ。鉛筆で絵を描くのも良し、先生と雑談しながらカードゲームに興じるのも良し、パソコンで動画を眺めてもOK。つくば市立学園の森義務教育学校の校内フリースクールで、子どもたちは思い思いの時間を過ごす。
市教育委員会は今年度、市内小・中・義務教育全50校に校内フリースクールを設置した。費用は総額約3億円。教員免許を持つ専任の職員を支援員として各校に配置する。働く保護者にとっては、民間のフリースクールと違って費用や送迎の手間がかからず、自宅で一人きりにする不安を解消できる利点がある。
市教委は「目的は子どもにとっての居場所づくり。教室に戻すことを目標にしていない」と説明する。子どもの自主性に委ねる部分が大きい分、教える側は手探りが続く。
県教育委員会によると、今年9月時点で県内の24.5%にあたる小・中・義務教育159校に校内フリースクールが設置されている。県教委は人材確保に向けた補助金も用意して後押しするが、担当者は「設置の必要性は市町村の判断に委ねている」と話す。
緊急性ない救急搬送 「料金」の徴収は88件 運用1週間 全体の5・8% (12.12 朝日)
緊急性がないのに救急搬送された患者から病院が「選定療養費」として料金を徴収した事例が、開始から1週間(今月2~8日)で、対象22病院に救急搬送された1527件のうち、15病院で約5.8%にあたる88件あったことを県が公表した。県医療政策課が、対象病院からの回答を速報値でまとめ、10日の県議会保健福祉医療委員会で明らかにした。同課によると、65歳以上の高齢者で徴収されたのは41件で全体の半数近くを占め、18歳未満の子どもは13件だった。
徴収した主な事例としては、軽度の切り傷や、擦り傷、便秘のみがあった。同時期の県内全体の救急搬送は2586件で、前年同期より約15・4%減った。同課の担当者は「期間が短い上に速報値では症状の軽重がわからないため、要因については今後分析していきたい」と話した。
地域運営校 県内5割超 「課題解決の場」期待 (12.16 茨城)
学校と地域が連携して子どもたちの教育を支える「コミュニティースクール(CS)」が県内公立校に広がってきた。住民と一体となって特色ある学校づくりを進める。国が2017年に公立校での設置を努力義務化したことで広がり、県内の設置率は本年度で5割を超えた。識者は「地域課題を解決する場」として、役割や可能性に期待する。
CSは学校運営協議会を設置する公立校を指す。会議に参加する委員は地域住民や保護者、コーディネーター、有識者らで構成し、教育委員会が任命する。主な役割は、①校長がつくる学校運営基本方針の承認、②学校運営への意見、③教職員体制などへの意見1の三つだ。一定の権限を持ち、文部科学省は「地域の声を積極的に生かし、一体となって特色ある学校づくりを進める」と位置付ける。
CSは04年、国が地方教育行政法を改正して創設。その後、教育を通したまちづくりを進める一環として17年、CSの設置が教育委員会の努力義務となった。これを機に設置が広がり、同省によると、24年度(5月1日時点)の設置率は全国で約58%。本県は前年比16校増の約55%と半数を超えた。
同省の調査によると、県内では取手市を含め11市町が100%設置を達成した一方、全く設置していない自治体も見られる。取手市でCSの助言や支援をする同省CSマイスターの安斎宏之さんはCSの在り方について「形骸化しているケースも見られ、委員の当事者意識を高めることが重要」と指摘する。その上で「CSの大きな役割は人をつなぐこと。学校だけでなく地域の課題も解決するプラットフォームになれる」と必要性を強調する。
水戸市給食無料化へ 市立小中、来年度から 127 茨城)
水戸市は来年度から、市立小中学校の給食費を完全無償化する。これまで中学校の給食費は2023年度に無償化し、小学校は本年度で保護者が従来比で半額の月額2150円を負担していた。県によると、本年度で小中学校の給食費を無償化している自治体は16市町。増大する支出は、市の行財政改革などで補う。
市によると、給食費は物価高騰による材料費の上昇分も公費負担している。本年度では全体で約13・5億円で、1人当たりでは中学生が月額6100円、小学生が5700円だった。このうち、小学生については、23年度まで月額4300円を保護者が負担し、本年度に半額の2150円に減額した。
物価高騰の影響は今後も続き、給食費も来年度以降で上昇が見込まれているが、市は行財政改革と歳出の配分見直しのほか、国の政策での実施などの方策で無償化を実現したい考えだ。11月は高橋靖市長が会長を務める県市長会が県町村会と共に文部科学省に、給食費の無償化を国が全国一律で実現することを求め、要望していた。市学校保健給食課は「無償化後も、給食の質や量を落とすことなく、栄養バランスが取れた内容で提供していきたい」と説明している。
窓口で手話普及へ 神栖市が条例案 職員の研修明記 (12.19 朝日)
神栖市は、「手話言語の普及に関する条例」案を市議会12月定例会に提案した。20日に採決される。同様の条例を定めた自治体は県内にもあるが、神栖市は職員の手話研修実施を明記している点が特徴という。
条例案では「市の施策の立案に当たっては、聴覚に障がいのある人や関係者の意見を聴き、尊重する」と自治体の責務を位置付けた。そのうえで「市職員に対し、障がいの特性に応じた意思疎通手段の利用促進に関する研修を行う」と明記している。窓口対応にあたる職員らが基本的な手話を身に付けることで、耳の不自由な人たちとの意思疎通や情報提供で行き届いた配慮をできるようにするためだ。
障がい福祉課の高安裕子課長は「市職員が率先して手話対応の質を上げることで、地域のモデルになることをめざしたい」と言う。市は11月13日に職員に対する手話研修会を開き、約55人が参加。
12月7日の「かみす福祉まつり」では、全日本ろうあ連盟議長の富田茂樹さんを招いて「手話言語条例の意義と未来への期待」と題した一般市民向けの講演会も開いた。手話条例は筑西市や行方市、水戸市、土浦市などで制定済みだ。
2学期制 県内7割 公立学校 来年度、授業にゆとり (12.22 茨城)
県内自治体の7割超に当たる31市町村が来年度、公立学校の教育課程に2学期制を採用することが21日、茨城新聞の調べで分かった。始業式や終業式の回数が減った分を授業に充てるなど、ゆとりある教育計画を立てられるなどが利点とされる。一方で、従来の学習リズムを維持する観点から、3学期制を継続する自治体もある。
2学期制は1年を前期と後期の二つに分け、長期的な見通しを立てて学ぶ。県内で導入する自治体の直近5年間の推移を見ると、2020年度が17、21年度が15、22年度が19、23年度が24、24年度が27と近年は増加傾向にある。25年度は水戸市が採用するほか、現在、検討している中の3自治体が移行する見込み。
本年度から2学期制を導入した土浦市は、10月の「スポーツの日」を含む3連休を境に前期、後期とした。市教委によると、学期間が長くなったことで、ゆとりを持って学びを深めることにつながっている。従来、学校行事の予定が立てにくかった7月や12月にも校外学習などが企画できるようになった。
水戸市は来春から採用予定だ。4~10月の第2月曜日までを前期、翌日から3月31日までを後期とする。始業式と終業式の回数が減る分を授業に充てるほか、運動会など学校行事の準備期間に余裕を持たせるなどの効果を見込む。さらに、来年度から県立高でウェブ出願が採用されることを受け、直前の10月までの成績に基づき指導ができる利点もあるという。また、2学期制を導入することにより、成績表(通知表)の作成回数が減るほか、前期の成績表は夏休み期間に行えるといったメリットもあり、教員の働き方改革にもつながると見られている。
一方で、3学期制を維持する自治体もある。来年度も3学期制とする市教委の担当者は、「学期の区切りが多いことで児童生徒らが定期的に学習の振り返りができると話す、学習のモチベーションや学習リズムを維持するという観点から、3学期制の継続を決めているという。県教育委員会によると、6月時点の調べで、県内では、3学期制としながら、通知表の配布を2回以下としている自治体もある。
引き取り手のない場合 「マニュアルある」11% 自治体実態調査 (12.22 朝日)
高齢の単身世帯が増え、「孤独死」が社会問題化する中で、死後に引き取り手のない遺体や遺留金品をめぐるトラブルも相次いでいる。遺体や遺留金品をめぐるトラブルの背景には、自治体のマニュアルの不備がありそうだ。厚生労働省が公表した全自治体向けの実態調査(中間報告)によると、引き取り手のない遺体・遺骨に関するマニュアル・内規が「ある」と回答した自治体は全体の11%にとどまった。
中間報告によると、引き取り手のない遺体に対する自治体の一般的な対応はこうだ。
藝察や病院などから連絡が入ると、自治体は遺族調査を行い、法定相続人などに遺体の引き取りを打診する。遺族の引き取りが難しい場合は自治体が火葬をする。保管場所がないなどの理由で火葬はすぐ行うケースが多いという。遺留金品の中で、自治体が主に保管するのはお金と鍵。本人の遺留金がある場合は火葬費に充てる。ない場合は自治体が立て替え、親族に求めたり、都道府県や国に請求したりする。
総務省が2023年に公表した報告書によると、引き取り手がなく、自治体によって葬られた遺体は18年から21年までの間、全国で約10万6千件に上り、保管されている無縁遺骨は約6万柱あった。