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茨城の自治ニュース

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2024年07月


災害・対策(能登半島地震含む)

県道路啓開計画 救済道路確保「48時間内」災害時人命救助円滑化 (7.6 茨城)

 県は自然災害の発生時、人命救助に向けた救援ルートを確保する「道路啓開計画」を策定した。行政、業界団体などによる情報集約や作業内容をタイムライン(行動計画)で明確化し、寸断された道路を「48時間以内」に切り開く目標を掲げた。ルート確保に伴う初動対応が難航した能登半島地震を教訓に、対策の具体的な時間軸を定め支援の円滑化を進める。
 道路啓開計画は、大規模地震や水害などの自然災害が発生した際に、人命救助に必要な緊急車両を通行させるための指針。崩落した土砂やがれきの撤去、放置車両の移動のほか、亀裂などによる路面の段差を緊急的に解消し、救援ルートを確保する。計画では、県内12カ所の県土木事務所や工事事務所、国土交通省、建設業協会などの業界団体と連携した役割が明確化した。
 「いつ」「誰が」「何をするか」を定めたタイムラインに基づき、道路の啓開を図ることで対応の遅れや漏れを防ぎ、作業を円滑化する。具体的には、行政や道路管理者、業界団体などによるパトロールで、発災後2時間内を目安に被災道路の状況を把握し、災害対策本部に情報を集約。本部で優先的に啓開を進めるルートを検討、決定した上で、実際に業界団体へ啓開作業の協力を要請する。

 啓開作業の開始や放置車両の移動に必要な災害対策基本法に基づく区間指定は、いずれも24時間内の着手を目指す。電柱倒壊に伴う撤去作業は電気事業者などへの対応を要請。被災した各地域での啓開状況は本部が把握し、48時間内で完了させる方針。がれきの下敷きになるなどした被災者の生存率は、災害発生から72時間を経過すると大幅に低下するとされている。能登半島地震では交通網が限られた地形的な環境に加え、道路寸断による悪条件が重なり救援活動が難航。物資輸送や復旧も悪路に阻まれ、ルート確保は課題となった。

再エネ導入事業者補助 県、災害対応を強化 (7.17 茨城)

 災害時に機能維持が求められる県内の医療・社会福祉施設などを対象に、県は太陽光発電設備や蓄電池の導入にかかる経費の一部を補助する。中小事業者の再生可能エネルギー導入を後押しすることで、燃油価格の高騰による負担を軽減し、地域の災害対応力の強化につなげる。
 県環境政策課によると、補助の対象とするのは医療施設や社会福祉施設、薬局など。県内の事業所に太陽光発電設備や蓄電池を設置し、原則、自家消費することが条件となる。設備費のほか、設計・工事費なども対象に含む。
 補助額は太陽光発電設備の場合、発電出力1キロワット当たり11万5千円、または対象経費合計の半額のどちらか低い方の額とし、上限は1億2千万円。蓄電池の場合、蓄電容量1キロワット時当たり7万5千円、または対象経費合計の半額のどちらか低い額を補助する。事業の予算合計は約4億円。このほか、県中小企業資金融資制度を活用し、再生可能エネルギーを導入する事業者に対して、県が利子の全額を補給する。災害時の県民生活を支えるバスやタクシー、鉄道などの交通分野、食品スーパーをはじめとする生活必需品分野の事業者、ごみ処理施設などが対象となる。
 太陽光設備と蓄電池のどちらか一方の補助を受けることは可能だが、蓄電池の補助のみを受ける場合は、太陽光発電設備が既に導入済みであることが要件となっている。
 県によると、両事業により県内の再生可能エネルギー導入を促進し、災害時に活用する地域の医療や福祉施設、生活インフラを支える拠点の整備につなげる。

要支援者避難体制整備 県内自治体半数止まり (7.19 茨城)

 災害時の「逃げ遅れゼロ」を目指し、県が2023年8月に改定した県第2次総合計画で、地域の要支援者を避難させる体制を整備した自治体が約半数の23市町村にとどまることが分かった。未整備の自治体は人員や移動手段、避難先の確保が課題だ。県は25年度末までに全市町村での整備を働きかける。
 県によると、災害時に避難が困難な県内の要支援者は4月現在で14万4825人。このうち地域での支援が必要とされるのは、実際には自力で避難できる場合などを除いた3万1866人。
 県は23年8月、県第2次総合計画の防災に関する指標を改定。災害時に住民の「逃げ遅れゼロ」を目指し、浸水想定区域や土砂災害警戒区域に住む要支援者を避難させるための支援体制を、県内全44市町村で整備する目標を掲げた。
 支援体制は各自治体で異なる。例えば自治体が作成した「避難行動要支援者名簿」を基に、各地区の自治会や行政区が避難の支援者を決め、地域の支援体制を構築するケースなど。人員不足などを理由に自治会などが対応できない場合は、民生委員や自主防災組織、消防団などに協力を要請する。最終手段として市町村職員が支援に当たる。
 総合計画の改定時、すでに整備を終えていたのは牛久市やひたちなか市など10市町村。今年3月末までに水戸市や日立市など13市町が体制を整えた。
 利根川沿いで町内の9割以上が浸水想定区域の境町は、要支援者約1NOO人の住所や連絡先、避難先といった情報をリスト化。このうち地域の支援が必要な約250人は、町内54行政区の区長や消防団員らが支援に当たる。
 一方、整備が済んでいない自治体は21市町。避難所が自治体外に及んだり、移動手段の確保に見通しが立たないケースがあるという。
 古河市は要支援者1万3千人のうち2900人に支援が必要とされるが、高齢化率の高い地区などでは支援者の確保が難航。市は早期の整備を目指し、「防災訓練などを通じて自主的な早期避難を市民に啓発していく」とする。
 県防災・危機管理課は「災害はいつ起きるか分からない。要支援者の支援体制の確立は喫緊の課題」と強調。支援者の確保に地域の理解が必要として「既に体制を整備した事例の紹介や具体的な課題に対する助言を積極的に行い、全市町村の整備に取り組む」としている。
 避難行動要支援者の支援体制を整備した市町村(3月末現在)23市町村

「タンボダム」で水害減らす 常総市など3市町  (7.24 日本経済)

 常総市など水害リスクを抱える鬼怒川流域の自治体が、水田の保水力を生かして台風や豪雨などの際の減災に取り組み始めた。「田んぼダム」として雨水を蓄えられる仕組みの整備を本格化している。
 河川などへ雨水が一気に流れこまないように調整弁として活用することで洪水や浸水被害の軽減を目指す。田んぼダムは水田に雨水を一時的にためて河川などに流れこむ水量を制限する。蓄えた雨水を時間をかけてゆっくりと排水し、洪水被害を軽減させる。大量の雨水が河川や排水路に短時間に流入することを防ぎ、周辺の河川などに逆流して浸水被害が広がるリスクを軽減する。
 田んぼダムは狭い範囲で取り組んでも十分な効果は得られない。常総市など3市町の水田面積は8000ha以上あり、市町域の面積の約3割を占める。水田1枚の面積も大きく、浸水や洪水の抑制効果が期待できる。
 茨城県内では、西部の境町も潜在的な風水害リスクを抱えている。同町は6月下旬、大和ハウス工業と「災害発生時における支援協力に関する協定」を交わした。同社が町内に建立した大型物流施設「DPL境古河」を活用し、水害など災害時に住民の一時避難施設とするほか、支援物資の保管・集積場にする。避難する住民の駐車場としても利用する。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

核ごみ処分 理解遠く 情報には3割が「不十分」 原発立地32自治体 毎日新聞アンケート (7.25 毎日)

 原発から出る高レベル放射能廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定で、佐賀県玄海町が原発立地自治体として初めて文献調査受け入れを決め、6月に調査が始まった。
 原子力発電環境整備機構(NDMO)が2002年に候補地の公募を始めて20年超が過ぎたが、調査に入ったのは3自治体のみ。処分場建設のメドが立たないまま原発立地自治体には使用済み核燃料がたまり続ける。毎日新聞が原発立地自治体にアンケートをしたところ調査受け入れを容認する自治体はなかった一方、選定の進め方に不適の声も出た。
 毎日新聞が、玄海町を除く原発が立地する13道県と21市町村(青森県大間町は建設中)に「核のごみ」最終処分場に関する質問状を送り32自治体から回答を得た。(福島県双葉町、福井県高浜町は回答なし)
〔アンケートの回答結果〕
・調査を受け入れる考えはあるか  
 ない      17
 どちらでもない  8
 その他      7
・調査を受け入れる自治体は増えるべきか 
 増えるべきだ  12
 どちらでもない 16
 その他      4
・国やNOMOの情報提供は十分か 
 十分       1
 不十分     10
 どちらでもない 18
 その他      3  

敦賀原発3号機 不適合 規制委審査会合 直下活断層「否定できず」 (7.27 しんぶん赤旗)

 原子力規制委員会は26日、日本原子力発電(原電)の敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の審査会合を開き、焦点となっていた敦賀原発の敷地内に見つかった断層について、活断層であり、2号機原子炉建屋の方向に連続している「可能性は否定できない」として、「新規制基準に適合していると認められない」と結論づけました。
 新規制基準では、活断層の上に安全上重要な施設を建てることを禁じています。審査会合の結果は、来週にも開かれる規制委の定例会合に報告され、対応が議論されます。2号機が正式に不許可となれば、東京電力福島第1原発事故後にできた新規制基準施行後初めて。原電は再稼働が不可能となり、廃炉を含めた選択を迫られます。
 2号機原子炉建屋直下の断層については、規制委が設置した専門家チームが過去2度にわたり、活断層であると評価しました。しかし、原電は2015年11月に再稼働に必要な審査を規制委に申請。断層の評価を巡って審査が続けられてきました。
 審査は9年近くに及びました。原電の説明資料の無断書き換えや大量の誤記が見つかり、たびたび中断しました。規制委は昨年、K断層に関わる内容について申請書の補正を提出するよう原電に要求。提出された補正書に対して審査会合で一定の結論を出し、それを委員会で議論すると表明していました。

東海第二の工事 「対応が不誠実」、防潮堤施工不備に知事 (7.27 朝日)

 日本原子力発電が9月の完成をめざす東海第二原発(東海村)の安全対策工事について、防潮堤の基礎部分に施工不備が見つかった問題をめぐり、大井川和彦知事は26日の会見で「常識的に考えて規制委員会の指摘も合わせれば、9月に完了というのはあり得ない。いまだに(原電が工期を)変えないのは対応として不誠実」と述べた。
 6月の原子力規制委員会の審査会合で、原電は不備の「全容」を報告したが、原子力規制庁は「調査が不十分」と指摘し、造り直しを含めて検討するよう求めた。周辺や立地自治体の首長から工期変更の見通しを求める声が出ている。

地方制度・自治体論・地方自治一般

地方議会「秘密会」議事録公開は (7.5 朝日)

 地方議会は公開が原則だが、出席議員の3分の2以上の議決で「秘密会」とできる。その議事録を非公開とした自治体の決定を取り消す判決が相次ぐ。議会運営のひな型として全国市議会議長会が示す「標準会議規則」には「秘密会の議事の記録は、公表しない」とある。裁判所はなぜ、決定を取り消したのか。
 人口約2万人の神奈川県湯河原町の町議会(定数14)で「町税滞納者の名簿が共有されている」と問題になったのは、2020年9月のことだ。町税の徴収率を上げるため、町議会に設置された特別委員会に出席した議員らに、町税滞納者のリストが配られていた。特別委は、非公開の秘密会として開かれていた。町議会の会議規則は、秘密会について「議事の記録は公表しない」「他に漏らしてはならない」と定めている。リストには個人情報が含まれ、終了後も回収されなかったとして、ある町議が本会議で町長に質問した。だが、秘密会の議事を漏らしたとして陳謝などの懲罰を受けた。
 事態を知った「ゆがわら町民オンブズマン」代表の浜田知子さん(68)は、リストをもとにどんな議論が交わされたのかを知りたいと考えた。議事録の開示を求めたが、非公開とされたため、訴訟を起こした。町情報公開条例は、非公開とする情報の一つに「法令等」で公開できないと定めた情報を挙げる。町側は、会議規則は「法令等」であり、秘密会の議事録は非公開情報にあたると主張した。だが、22年2月の横浜地裁判決は「会議規則は法令にも条例にも該当しない」と判断。非公開の理由が十分に示されていないなどとし、非公開決定を取り消した。町側の控訴は退けられ、同年11月に判決は確定した。
 ところが、話はこれでは終わらなかった。判決確定から約1カ月後。町は、未成熟な段階の議論が公にされ、無用な誤解や臆測を招く―など五つの理由を挙げ、再び議事録を非公開と決めた。浜田さんらが再び起こした訴訟で、町側は、議事が公開されれば,「後の公開を意識して議論が萎縮し、公開情報をもとに徴収を逃れることが可能になる」とも主張した。
 今年3月の地裁判決は「会議規則を根拠に、法令や条例に定める町民の知る権利を制限できない」と指摘。議事には、未成熟な議論や徴収のノウハウが含まれる可能性はあるが、公開できる情報と選別せず、すべてを非公開としたのは違法とし、非公開決定を取り消した。町側は控訴せず、判決は4月に確定した。
 町議会は6月10日、個人情報など一部を黒塗りにしたうえで、議事録を開示した。徴収のノウハウなどの記載はなかったといい、浜田さんは「この程度の内容ならすぐ公開できたはず」と話す。

「特定議員に懲罰は違法」、水炉地裁支部 古河市議会訴訟結審 (7.18 しんぶん赤旗)

 茨城県の古河市議会で市長の海外旅行をただしてきた市議2人を、市議会が出席停止の「懲罰」にしたのは違法だとして、古河市に計220万円の損害賠償を求めた裁判の日頭弁論が17日、水戸地裁下妻支部であり、結審した。訴えている市議の秋庭さんは、2022年3月定例会の討論冒頭で、ロシアによるウクライナ侵略について市議会での非難決議を呼びかけたことが`「議会の品位、権威をおとしめ」たとして出席停止5日の懲罰を受けた。もう一人の市議の増田さんは、2020年に市長のタイ旅行に関する議会での質問をビラにしたことで4日の出席停止となった。原告側は陳述で、懲罰の理由とされた秋庭市議の発言は、字数にして300字にすぎず、発言中、2度も議長から制止されたことを指摘。議長から注意を受けた他議員や過去の発言(懲罰なし)は600字だったことから、議長が「懲罰目的で、わずかな時間に、わざと立て続けに制止を告げたように見える」と主張した。
 また秋庭、増田両市議の懲罰を決議した懲罰特別委員会の委員が、懲罰を発議した市議らで構成されたことを指摘。「懲罰は内容も手続きも、秋庭市議らを狙い撃ちしたもので、懲罰権の乱用に当たる」と主張。判決は10月23日の予定。

地方創生夢の跡 提唱10年、東京一極集中変えられず (7.18 朝日)

 第2次安倍政権が「地方創生」を打ち出してから10年。東京一極集中に歯止めをかけ、人口減少を食い止めようと、これまで約1・3兆円を自治体に配ったが、政府は6月の報告書で「大きな流れを変えるには至っていない」と結論づけた。今後の戦略も描けておらず、「地方創生」の旗印は行き場を失っている。
 地方創生は、第2次安倍政権が2014年に新たな成長戦略の目玉として掲げた。異次元の金融緩和で大幅な株高が実現し、富裕層を中心に恩恵が広がっていた時期だ。翌年春に控えていた統一地方選をにらみ、「アベノミクス」の果実を地方に波及させる姿勢を打ち出す狙いがあった。政府は、地方創生の司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。雇用創出や移住などを基本目標にする「総合戦略」を14年12月に閣議決定し、自治体にも数値目標を盛り込んだ地方版の総合戦略をつくるよう求めた。それに応じて新たに創設した「地方創生推進交付金」を配った。ただ、成果は乏しい。
 例えば、東京一極集中について、政府の報告書によると23年の東京圏への転入数は転出数を1l・5万人上回り、14年時点の10・9万人より増えた。報告書は「国全体でみたときに人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っていない」と認める。当時より人口が増えている自治体についても「多くは移住者の増加による『社会増』にとどまっており、地域間での『人口の奪い合い』になっている」と指摘した。
 岸田政権は、安倍、菅政権の地方創生の取り組みの軌道修正を図った。看板政策の一つに「デジタル田園都市国家構想(デジ田)」を掲げ、デジタル技術で少子高齢化など地方の課題解決をめざす総合戦略を22年12月に閣議決定。まち・ひと・しごと創生の総合戦略を衣替えするもので、交付金の名前もデジタル田園都市国家構想交付金に変更。ただ、政府関係者は「看板を掛け替えたものだ」と明かす。

首長ハラスメント 重なる構図 (7.31 朝日)

 自治体トップによるハラスメントやその疑惑が次々と明らかになっている。権力者に物申しにくい雰囲気を、内部告発で打ち破ろうとする動きだ。ただ、兵庫県知事のパワハラなどを告発した職員が調査途中で死亡に至るなど、まだまだハードルが高い。専門家は職員を守る態勢の「見える化」が必要だと訴える。
 「どこの自治体でも起こりうる」と語るのは、東京都狛江市の佐々木貴史市議だ。2018年、当時の市長が職員へのセクハラを認め辞職。これを契機に、佐々木氏ら市議の発案で全国初のハラスメント防止条例を制定。市長ら特別職や市議も、加害が確認できれば公表できるとした。
 佐々木氏は「例外なく『罰』の対象になるとの認識が広がることが肝」と話す。ただ、地方自治研究機構の7月24日時点の調査では、57の自治体で特別職か議員、または両方を対象に含む条例が制定されているが、約1800ある自治体の3%あまりに過ぎない。
 日本ハラスメント協会の村寄要・代表理事は、条例制定だけでなく信頼できる相談窓日の設置や定期的な研修など、職員を守る態勢の「見える化」が必要だと説く。
告発「刺し違える覚悟」
 問題があった自治体に共通するのは、人事と金を握る権力者に対し、職員らが冷遇を恐れて「事なかれ主義」に陥りやすい構図だ。
 岐阜県池田町の岡崎前町長=加重収賄罪などで起訴=は在任約20年で少なくとも15人の職員へのセクハラを認定され、4月に辞職した。「お上と刺し違える覚悟でした」。告発に踏み切った女性は振り返る。昨年3月、12人が退職。相談を受けた同僚もその一人となり、覚悟を決めた。調査要求書を出すと岡崎氏は渋々認めた。

予算・税・財政 

社説 ふるさと納税 企業版も是正が必要だ (7.25 朝日)

 「企業版ふるさと納税」による自治体への寄付が、企業側に還流したのではないか。悪用されかねない「制度の穴」があらわになっており、実態把握と仕組みの是正が不可欠だ。この制度は、企業が「地方創生」につながる事業に寄付をすると、最大で寄付額の9割の減税を受けられる仕組みだ。16年度の導入後、税優遇の拡大で利用が年々増え、22年度の寄付額は341億円にのぼる。
 今回問題になったのは、福島県国見町の救急車の研究開発事業だ。原資の約4億円をグループで寄付したネット関連企業の子会社が、車両製造を請け負っていた。昨年、河北新報の報道で表面化し、町議会が「百条委員会」を設けて調べてきた。今月公表した報告書は、「寄付企業の節税対策に町が利用された疑い」や「特定企業への便宜供与」を指摘した。複数の企業が多額の寄付で町側を抱き込み、減税や業務受注で利益を得たという疑いだ。事実なら、公金を食い物にする行為といえる。
 「企業版」では癒着を防ぐため、自治体が寄付者に経済的な見返りを与えることを禁じている。寄付企業や関係企業への発注は、公正な入札を経れば許されるが、今回は間に別会社が入り、「他社が事実上参入できない仕組みで、入札に見せかけた実質的な随意契約だった」(報告書)とも指摘されている。しかも寄付は匿名だった。
 百条委の調査に対し、町長は「手続きに瑕疵はない」と主張し、町と企業の関係など全容の解明には至っていない。町側は別途、第二者委員会で検証するというが(関係企業も含め、経緯を詳しく説明する責任がある。政府も町に報告を求め、厳正に対処すべきだ。
 他の自治体で利益供与が疑われる例はないか、寄付企業などへの発注の実態はどうかといった点も調べる必要がある。一方、今回の報告書の内容を見るだけでも、制度自体の設計と運用に甘さがあったのは明らかだ。自治体と業者が裏で手を握るようなことがあれば、議会や政府が監視するのは難しい。再発防止のためには、制度の透明性を高める見直しが避けて通れない。

ふるさと納税 初1兆円 総務省集計 物価高追い風に (7.26 茨城)

 ふるさと納税制度による寄付総額が2023年度に初めて1兆円を超えたことが分かった。寄付で居住自治体の住民税が軽減される利用者も増加し、過去最多の1千万人規模に達する見通し。返礼品の品目充実や、仲介サイトによる特典ポイントが寄付を後押しする形となっている。物価高騰下の節約志向も追い風となった。政府関係者が25日、明らかにした。総務省が来週にも自治体別の寄付額を含めて集計を公表する。
 特典ポイントに関して総務省は「本来の趣旨とずれ、過熱している」と指摘。来年10月からポイントを付与する仲介サイトの利用を自治体に禁じる方針で、寄付の動向に影響する可能性もある。
ふるさと納税制度が始まった08年度の寄付総額は81億円だったが、寄付上限の引き上げなどで人気が集まり、18年度に5千億円を突破。返礼品を「寄付額の30%以下の地場産品」に規制した影響で一時減少したが、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要もあって再び増加に転じ、22年度は9654億円だった。
 県内の寄付総額は20年度以降、毎年、対前年比3割増で推移している。22年度の寄付総額は257億円を上回り、3年連続で過去最高額を更新した。寄付件数も134万件を超え、過去最多だった。
一方、総務省は自治体間の過度な競争を抑止する見直しを重ねており、23年度は年度途中で返礼品の調達や経費に関するルールを厳格化した。

まちづくり・都市計画 

水戸市民会館が盛況 開館1年想定上回る100万人来館  (7.1 毎日)

 水戸市民会館(水戸市泉町)が2023年7月の開館から1年を迎える。当初の想定を上回る来館者が訪れ好調だ。一方で、開館により期待された中心市街地の活性化は道半ば。市民会館のにぎわいをどう周辺に波及させるかが課題となっている。
 市民会館の来館者数は当初目標の年間60万人を超え、5月15日に100万人を突破した。若者らによる勉強や歓談の場として利用が定着。2000人収容のグロービスホール(大ホール)では有名なアーチストのコンサートや各種総会などが開かれ、開館から3月末までの稼働率は目標の70%を上回る約95%となっている。
 一方、市民会館に集まったり周辺を歩いたりする人が近隣の飲食店を回遊する状況には至っていないようだ。大規模イベント終了後は市民会館向いの京成百貨店か商店街と反対の水戸駅方向に人が流れ、商店街に来る少数も駐車場利用者だという。駅ビルや道の駅が成功すると人々はそこで満足して街中に出なくなり、結果的に街が衰弱することがあるという。これと同じことが市民会館でも起きているのではという指摘もされている。

県内路線価 つくば駅前10年連続1位 XT沿線上昇反映 (7.2 茨城)

 関東信越国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2024年分(1月1日時点)の路線価を発表した。県内の最高路線価は土浦税務署管内の「つくば駅前広場線」(つくば市吾妻1丁目)で、1平万メートル当たり33万円。7年連続の上昇で、10年連続で県内トップとなった。つくばエクスプレス(TX)沿線の上昇を反映し、県内の平均変動率は前年比プラス0・7%で、2年連続で上昇した。
 県内は約6600地点が評価対象で、8税務署のうち、最高路線価が上昇したのは土浦、竜ケ崎、太田の3税務署だった。最も上昇幅が大きかったのは、竜ケ崎税務署管内の「守谷駅西ロロータリー」(守谷市甲果1丁目)で、前年から7・9%上昇し、20万5千円だった。上昇は8年連続。北関東と信越の計6県を管轄する同国税局管内で4番目に高い上昇率となった。同所は秋葉原駅への始発本数が多いTX守谷駅があることで、市外からも乗降客が集まる。周辺は駐車場が多く、売りに出される土地が限られていることから、需要の高まりが続く。

路線価2年連続上昇、最高額つくば市 日立市は下落 (7.2 朝日)

 関東信越国税局は1日、2024年分の県内の路線価(1月1日時点)を公表した。県内約6600地点の平均は前年から0・7%上昇した。上昇は2年連続。つくばエクスプレス(TX)沿線の県南地域と県北地域の差が広がる結果になった。県内の最高額は10年連続でつくば市吾妻1丁目の「つくば駅前広場線」で、33万円(前年比6.5%上昇)。上昇幅が最も大きかったのは、7・9%上昇した守谷市中央1丁目の「守谷駅西口ロータリー」で、価格は20万5千円。いずれもTXの主要駅前。
 日立市の「平和通り」は、「横ばい」が3年続き今回は下落に転じた。日立駅前の大型商業施設「ヒタチエ」が2023年4月に開店した。市活性化事業であるが、不動産鑑定士の 羽場睦夫さんは「ヒタチエがオープンしたことで人出は若千増えているが、影響は限定的」と分析。市全体で年間3千人近く人口が減少し、老年人口の割合が増えていることが大きいという「「下落傾向を止めるには、新たな産業を誘致するなど根本的な対策が必要になる」と話す。

まちの書店維持へ知恵 山梨県、群馬県での取り組み (7.20 日本経済)

 まちの書店を守ろうと官民が知恵を絞る。山梨県では図書館と書店との異例の連携により読者を促す活動が効果をあげ、閉店寸前の書店が営業継続を決めた例もでている。群馬県では前橋市内で老舗書店が群馬大学学生の推薦本コーナーを設けるなど、本を通じたまちづくりの試みが広がりを見せている。
 山梨県内では「やまなし読書活動促進事業(やま読)」が2014年度から続く。県民に本の魅力を伝えて読書好きを増やそうという取り組みで「贈りたい本大賞」を選ぶほか、読んだ本の面白さを巡り論戦する「ビブリオバトル」などを開いている。
 やま読は書店間の連携も強め、甲府市内の家族経営書店が活動をきっかけに閉店を思いとどまったこともあるという。
 群馬県はここ10年間書店の減少率が関東・山梨で最も低く、全国6位だった。今市内では24年10月参加者が持ち寄った本を交換するイベント「前橋BOOKFES(ブックフェス)が開かれる。
関東・山梨の書店減少率
都 県  店舗数(24年)  14年比減少率   全国順位
群馬   189店       21.3%      6位   
茨城   226        25.2      10位
山梨    90        29.7      20位
栃木   163        32.1      36位
東京  1156        34.2      42位

人口86万人減 最大幅 外国人初の300万人超 (7.25 朝日)

 総務省は24日、住民基本台帳に基づく今年1月1日時点の人口を発表した。日本人の人口は1億2156万1801人で、前年より86万1237人(0・70%)減った。減少数は、初めて80万人を超えた前年より約6万人増え、1968年の調査開始以降で最多。東京、関西、名古屋の3大都市圏でも減少が続いているが、東京都は3年ぶりに増加に転じた。
 一方、日本に住む外国人の人口は32万9535人増の332万3374人。2013年の調査開始以降、初めて300万人を超えた。
 日本人の人口は2009年をピークに15年連続で減少。最大の要因である少子高齢化が加速している。昨年1年間に生まれた子ども(出生数)は72万9367人(前年比4万2434人減)で過去最少だった。 一方、死亡数は157万9727人(同1万4602人増)と過去最多。
 両者の差である「自然増減」は85万360人減で、1979年の調査開始以降初めて80万人を超えた。65歳以上の高齢者は3571万1738人(同2万6355人増)となり、全人口に占める割合は29・38%(同0.23㌽増)と上昇が続く。

地方止まらぬ自然減と社会減

 地方の人口減は加速している。都道府県別の人口減少率がトップだった秋田県は、この5年で約7万7千人(7・72%)も減った。死亡数が出生数を上回る「自然減」が大きな要因だが、県外への転出が転入を上回る「社会減」にも歯止めがかからない。人口減少率が高い他の道県も同様の傾向が続いている。
 都道府県ごとの人口と増減率(1月1日時点)で茨城県は277.6万人(0.86%減)、内老齢人口86万人。

地域経済 

芝 出荷で全国の68%を誇る (7.2 茨城)

 野球場やサッカー場、ゴルフ場をはじめ、洋式庭園や戸建ての庭などで使われている芝は、昨年8月公開の「花木等生産状況調査」によると、本県が出荷量で全国の68%、出荷額も同45%を占め、圧倒的なシェアを誇っている。産地のメインはつくば市である。
 芝が商品作物となったのは、日比谷公園などの洋式庭園やゴルフ場が造成され、始めた20世紀初頭とされる。当初は東京や静岡、鳥取などが主な産地だったが高度経済成長期を迎えて主要栽培地の一つだった。東京都下で都市化が進んだことにより、産地が首都近郊へ移り、1970年代初めには本県の作付け面積が全国最大となった。その後、バブル経済崩壊によるゴルフ場減少などで需要が減り、新たな産地として参入する動きがなく、本県のシェアは高止まりしたまま推移している。
 芝には大きく分けて野芝と高麗芝の2種類があり、野芝は目が粗く公園や堤防で使われた。高齢芝は目が詰まって美しく庭園やゴルフ場向き。本県は野芝で「つくばクリーン」と「つくば太郎」高麗芝で「つくば姫」と「つくば輝き」という独自のブランドを持つ。それぞれの特徴を生かしながら商品質の芝作りに取り組んでいる。

最低賃金 平均1054円 審査会 上げ幅最大の50円 (7.25 茨城)

 中矢最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は24日、最低賃金の全国平均を時給1054円とする目安額を取りまとめた。現在の1004円からの引き上げ幅は50円(約5%増)で決着した。物価高騰や賃上げが相次いだ今春闘を反映させた。
 上げ幅は2023年度の43円を上回り過去最大で、時給も最高額となる。都道府県の区分別の目安額には差をつけず、3年ぶりに横並びとする。
 最低賃金は47都道府県それぞれで設定する。本県は現在953円。目安額は、経済情勢に応じて都道府県をA―Cの3区分に分けた上で区分ごとに示す。上げ幅は大都市部のAランク、地方部を含むB、Cランクいずれも50円だった。目安額通り引き上げた場合、最も高いのは東京都の1163円、最低は岩手県の943円。両都県の差は現状の220円のままだった。
 最低賃金は毎年度、目安額を参考に都道府県の地方審議会が実際の改定額を決め、10月以降順次適用される。非正規を含む全ての働く人が対象となる。

枝物生産増へ 費用補助 県荒廃農地を畑に再生 (7.27 茨城)

 県は、生け花の材料になるハナモモなど枝物の生産者を増やすため、荒廃農地を枝物畑に再生する費用や機械類の購入費の一部補助を始める。経営規模拡大の意向がある農家や新たな枝物を生産する個人や団体が対象で、本年度中に実施する。
 本県は農業産出額の中でも枝物は全国トップを誇る一方荒廃農地も多い。国内外では枝物の需要が伸びており、農地を再生しながら生産を広げ、農家の所得向上につなげたい考えだ。
 本県は、ハナモモやセンリョウ、松といった枝物の産出高が全国1位を誇る。農水省によると2018年の33億円に対し、22年は55億円と右肩上がりとなっている。一方、県内は荒廃地の面積も全国上位。22年度は1.6万haで、21年度より7.3%減少したものの全国8番目に多い。 農地として再生された面積は531haで全国4位に上る。サツマイモ畑や枝物畑、規模拡大などに活用されているという。
 県は、農地を枝物畑に再生する費用として資材費を含む経費の2分の1以内を補助する。新規就農者は50アール以上の農地を再生する場合3分の1以内とする。(10アール当たり上限20万円)補助事業の対象となる枝物は、「枝物」に分類される全ての品目で県内であれば地域は問われない。
 荒廃農地をはじめ、遊休農地など10アール以上を再生し収量や品質向上に努めながら、5年以上生産することが要件となる。県の予算額は3350万円で予算に達し次第終了する。

国家公務員の給与 207機関で最賃下回る (7.29 朝日)

 国家公務員の給与が、最低賃金を下回っている地域があることがわかった。高卒一般職の初任給を時給に換算すると、地域の最賃を下回るのは少なくとも8都府県で200機関を超える。公務員は最賃制度の適用は除外されているが、人事院は最賃を下回らないように対応を検討している。
 最賃は都道府県ごとに時給で示されている。現在、国家公務員の高卒一般職の初任給は16万6600円。国家公務員の給与を定める「給与法」では、超過勤務手当を算出するための「勤務1時間あたりの給与額」の計算方法が示されている。これに基づいて計算すると高卒初任給の時給は約992~約1191円になる。時給に幅があるのは、勤務先がある市町村ごとに0~20%が加算される「地域手当」があるためだ。
 日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)が、厚生労働省、国土交通省、法務省、国税庁の出先機関と裁判所について調べたところ、8都府県の計60市町村にある207機関で高卒初任給が最賃を下回ったという。¨
 最も多いのは最賃が1001円の兵庫県で、ハローワークが10カ所、税務署が8カ所など43機関だった。神奈川県の34機関、京都府が29機関と続く。東京都は12機関だった。

環境と開発 災 害

盛り土、県全域で規制 来年度にも罰金最高3億円 (7.11 茨城)

 危険な盛り土を規制して土砂災害を防ぐ「盛土規制法」が昨年施行されたのを受け、県は来年度にも、中核市の水戸市を除く全域を盛り土の許可が必要な「規制区域」に指定する方針を固めた。
 同市も指定に向け調査を進める。違反した法人には、最高で3億円の罰金を科すなど対策を強化した。大雨による崩壊や土石流被害を抑制し、住宅地や山間部の安全を確保する。
 県が規制区域として指定を予定するのは、水戸市を除く43市町村の全域。市街地や集落など人家のある地域を規制する「宅地造成等工事規制区域」と、盛り土により土砂流出の恐れがある「特定盛土等規制区域」を地域の状況に合わせて指定する予定。
 宅地造成区域は主に、県央や南西部、沿岸部など、特定区域は県北の山間部を中心に、それぞれ指定していく方針。中核市の水戸市も本年度中に規制区域指定に向けた調査を実施し、指定を進めていく。
 指定後は市街地で盛り土工事を行う場合、高さ1メートルを超える崖が生じたり、造成面積が500平方メートルを超える際に許可が必要となる。土砂の仮置きなど一時的な堆積でも、高さ2メートルか、面積300平方メートルを上回る計画には許可が求められる。
 県によると、盛り土に関する規制はこれまで、都市計画法や森林法、農地法など土地利用の目的ごとに定められていた。今後はこうした規制に加え、全国一律の基準を設けることで包括的に危険な盛り土造成を防ぎ、住宅地の安全確保や森林の機能維持を目指す。県内の規制区域案は、県がホームページで公開し、23日までパブリックコメント(意見公募)を受け付けている。意見を踏まえ、許認可の要領や審査基準などを決め、来年度をめどに指定を目指す方針だ。

医療・福祉・社会保障・教育 

在宅ケアハラスメント 県が職員向け相談窓口 (7.3 朝日)

 訪問介護や看護に携わる職員が、サービス利用者やその家族から暴言などを受ける「在宅ケアハラスメント」が問題になっている。第三者の目が届きにくく、ケア人材の離職につながる恐れもあり、県が対策に乗り出した。
 昨年6月に県が実施した調査で、県内の訪問看護やケアマネジャーらが所属する84事業所のうち半数以上が「職員が1回以上、在宅ケアハラを受けたことがある」と答えたという。在宅ケア現場のハラスメントは大きく三つに分けられる。身体的暴力は「ものを投げる」「たたく」など。「大声を出す」といった精神的暴力や、「必要もなく触る」などのセクシュアルハラスメントも含まれる。こうした状況から、県は利用者の自宅を訪間する介護・看護職員が安心して働けるように、「いばらき在宅ケアハラスメント相談窓口」を1日に開設した。
 窓口を利用できるのは、県内の訪問介護や訪問看護事業所に所属する職員と管理者。匿名での相談も可能だ。

夏休み中 放課後学級に弁当 水戸市 ワタミと協定 希望者に配送 (7..14 毎日)

 水戸市は市立小学校と義務教育学校33校に設置している放課後学級「放課後児童クラブ」で、夏休みなどの長期休業期間中、利用児童を対象とした弁当の配送サービスを始める。これまでは弁当を保護者が作るなどして持たせる必要があり、保護者の負担軽減を図るのが狙い。
 市は弁当の製造、配送を担うワタミ(東京都)と協定を締結した。希望する児童の保護者がウエブサイトから注文とクレジットカード決済をすることで在籍する放課後学級に弁当が届く。
 利用できるのは長期休業期間中の平日で、今夏は22日から配送を始める。従来通り各自で弁当を持参することも可能。1食当たり税込み550~690円で計5種類あり、おかずのみとご飯付きから選べるという。
 市は昨年9月、利用児童の保護者を対象にアンケート調査を実施、利用するかどうかを尋ねたところ、約9割が利用すると答え、うち8割以上が「500円未満」の料金を希望していた。
 市こども政策課は「(弁当を注文するという)選択し肢を増やすことで保護者の負担軽減につなげたい」と話す。

県内教員希望者に入試枠  茨大教育学部26年度から (7.23 朝日)

 茨城大学(水戸市)は、2026年度入試から教育学部に「地域教員希望枠」を新設すると発表した。県内での教員をめざす受験生が対象で、教員の担い手不足解消につなげる狙いだ。希望枠が設けられるのは、教育学部学校教育教員養成課程の教育実践科学コース▽教科教育コースの英語選修・理科選修・技術選修▽特別支援教育コース。
 これらのコースでは26年度入試から、後期日程の募集を廃止。受験生によるプレゼンテーションや面接などが入試科目となる「総合型選抜」を設けて希望枠を導入する。募集人数は計30人程度で、入試の時期は25年11月の推薦入試より前になる見込みだという。県採用の教職に強い意欲があることが出願の条件で、出身高校や出身地の制限は設けない。希望枠で入学し、大学が用意する実践的なプログラムを修了した学生は、30年度の県の教員採用試験から設けられる特別選考を受験することができる。

学びの平日休暇 県立中・高で実施 「特別支援校も導入を」 (7.25 朝日)

 児童生徒が校外活動などをするため、平日に学校を休んでも欠席扱いにならない「ラーケーション」。県内では、家族と将来について考えるきっかけにもしてほしいと、4月に県立高校や県立中学・中等教育学校で導入された。ただ、県立の特別支援学校は対象外。保護者からは「線引き」に疑間の声が上がっている。
 朝日新聞が今月、県内にある全23の県立特別支援学校に取材をしたところ、ラーケーションの取得に関する問い合わせが、12校で計19件寄せられていたことがわかった。「何年も前からこうした制度があったらいいなと思っていた」。知的障害のある長男が県立特別支援学校に通う40代女性は取材にこう打ち明けた。
 たとえば休日。長男は外出先で大きな声を上げることがあったり、長い列に並ぶことが苦手だったりするため、「お出かけは覚悟が必要」だ。もしラーケーションを取得し、長男と平日に出かけられたら、混雑を避けてゆっくり過ごせるかもしれない。ただ、現状ではそうした機会が得られず、違和感を抱く。
 別の保護者はラーケーションについて、「使うか使わないかは家庭の判断だ」としたうえで、「特別支援学校だけ『使える』という選択肢がないことにモヤッとする」と話す。
 県立以外の特別支援学校では既に実績がある。茨城大学教育学部付属特別支援学校では、制度を周知した4月26日から今月23日までに4人が取得した。

介護事業の倒産最多 半数が訪問 報酬減響く (7.26 朝日)

 介護事業者の倒産が急増し、介護保険制度の施行(2000年)以降で最も多くなった。東京商工リサーチが今月公表した調査結果では、1~6月の倒産件数は81件で、前年同期(54件)のlo5倍に達した。訪問介護が約半数を占めており、人材不足や物価高騰に加え、今春の介護報酬改定での基本報酬引き下げが影響した可能性も指摘されている。
 東京商エリサーチによると、介護事業者全体の倒産件数で、これまで上半期(1~6月)の最多だったのはコロナ禍の打撃を受けた20年の58件。それを大きく上回った。業種別で最多は訪問介護の40件で約半数となった。デイサービスなど通所・短期入所介護事業が25件、有料老人ホームが9件と,いずれも前年同期を上回った。規模別にみると、従業員数20人未満が9割以上となるな ど、小規模事業者が追い 込まれている。
 24年度の介護報酬改定は、賃上げなどのため全体で1・59%のプラスとなった。一方で、訪問介護の基本報酬は減額となり、介護現場から批判の声があがっている。
 東京商工リサーチは、介護報酬の引き上げ幅が想定を下回り、人材不足や物価高に追いついていない実態があると指摘。「(基本報酬が)マイナス改定だった訪間介護を中心に、事業継続をあきらめた倒産が件数を押し上げている可能性もある」とし、倒産増加はしばらく続くと見込む。
 厚生労働省の推計によると、26年度に必要な介護職員数は約240万人で、22年度時点の職員数約215万人と比べると約25万人が不足する。介護サービスの需要が高まるなか、人材確保の対策が不可欠な状況だ。

不要救急搬送は患者負担 県検討 7700円以上徴収へ (7.27 茨城)

 大井川和彦知事は26日、不要不急な救急車利用を減らすため、緊急性がない搬送だったと病院が判断した患者に対し、追加費用となる「選定療養費」を徴収する仕組みを構築すると発表した。12月にも運用を開始する。県によると、都道府県単位で全国初の取り組み。選定療養費は、一般病床数が200以上の犬病院を紹介状なしで受診した際πかかる料金。県医療政策課によると、県内ではこれまで、救急車で運び込まれた患者から徴収していない。
 県内の大病院は計25カ所。このうち水戸協同病院(水戸市)、土浦協同病院(土浦市)、筑波メディカルセンター病院(つくば市)など9割超に当たる23カ所が参加の意向という。
 同療養費の請求額は病院によって異なり麟一部を除き7700円以上となる見込み。徴収基準は、救急要請が必要だったかを搬送先の病院の医師が判断し、不必要とされた場合に請求する想定。県は各病院と協議して緊急性を判断する統一した基準を設け、12月1日からの運用を目指す。結果的に「軽症」とされた場合でも、交通事故や子どもの熱性けいれんなど、要請が必要なケースがあることを見越す。
 消防庁の調査によると、県内の昨年1年間の救急搬送数は過去最多の14万3046件。うち緊急性の低い搬送が含まれる「軽症」は、約半数の6万8533件(いずれも速報値)だった。

緊急性ない救急搬送 選定療養費を徴収へ 県単位では初、12月から (7.27 朝日)

 県は26日、救急車で大病院に搬送されても緊急性が認められない場合、病院が患者から7700円以上を徴収する方針を明らかにした。12月1日から運用する。軽症者が安易に救急車を利用するのを減らし、病院側の負担を軽くする狙いだ。県によると、都道府県単位では全国初という。
 初診時にかかりつけ医の紹介状を持たず、200床以上の大病院を受診すると、患者は追加で7700円以上の「選定療養費」を負担する。しかしこれまでは救急車で搬送された場合、緊急性の有無にかかわらず徴収の対象外になっていた。
 県は選定療養費の運用を見直す理由について、緊急性が低いのに救急車を利用する事例があることや、医師の働き方改革で診療体制を縮小する医療現場の負担が懸念されるとした。県内の23病院が対象で、12月までに統一した基準を作る。

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