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茨城の自治ニュース

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2024年02月


災害・対策(能登半島地震含む)

都道府県知事46人へのアンケート、能登半島地震 (2.3 朝日)

 能登半島地震での被害のありようは石川県にとどまらない課題――。都道府県知事46人へのアンケートから浮かぶのは、そんな実情だ。ハードの脆弱性、減り続ける人手、細る地域のつながり。全国に共通する「過疎問題」を前に、どのように備えればいいのか。
 難しいのは過疎の地域。道路が狭かったり、海底が隆起しており、船も入ることができない」。1月3日、石川県の馳浩知事は記者団に、今回の地震の特異性をこう訴えた。発災当初、能登半島では国道249号など幹線道路が寸断。孤立集落が生じ、被災者の生存率が落ち込むとされる72時間までに、安否確認や救助活動、水や食料などの物資輸送が妨げられた問題が発生した。
 アンケートの回答からは、そうした被害の特徴を「ひとごとではない」と受け止める知事らの危機感がにじむ。
 県内に半島がある知事からは、「地理的条件が似ている男鹿半島があり、中山間地域も含めて小規模の集落が相当数ある」(秋田)、「宇土半島や天草地域など、幹線道路が寸断されれば孤立する地域がある」(熊本)といった懸念が聞かれた。半島以外にも、山梨や長野は、集落の点在する中山間地での孤立集落の発生の可能性を指摘。
 能登半島地震と同規模の地震への備えとして最も優先すべき課題(三つまで回答)を尋ねたところ、「道路や港など交通経路の確保」を選んだ知事は25人で最多。国による公的支援についても「防災・減災、国土強靱化対策に取り組むための地方の予算の増額・確保」(兵童)、 「必要不可欠なインフラを早期に整備すること」(静岡)として、多くの知事が財政支援を求めた。

庁舎の浸水対策 9月作成へ 日立市 有識者らの会議始まる (2.14 朝日)

 昨年秋の台風13号による大雨で、市役所敷地内の川があふれて庁舎の地下が水没し、停電などの被害があった日立市で13日、有識者らによる対策検討会議が始まった。6月まで4回開催し、結果を踏まえて、9月に庁舎の安全対策計画を作成する予定。会議は「市本庁舎浸水対策に関する在り方検討ワーキング」。浸水原因や今後の対策を話し合う。同日の第1回は、冒頭のみ公開された。この中で小川春樹市長は「現在でも、ガスの発電設備や非常用発電設備は稼働を停止している状態。浸水状況、原因の分析、対策工事の妥当性について、第三者の客観的な評価が大事」とあいさつした。
 座長に選ばれた国土技術政策総合研究所の本内望・住宅研究部長は「河川の治水と建物の浸水対策を両論として検討することは非常に先進的な取り組みで、同様の課題を抱える事例のモデルケースにもなり得る」とコメントした。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

医療用の放射性物質製造へ 実験炉「常陽」がん治療薬に使用 (2.8 朝日)

 日本原子力研究開発機構は7日、原子力規制委員会に対して、高速実験炉「常陽」(大洗町)で医療用ラジオアイソトープ生産を使用目的に追加するための申請をした、と発表した。機構は常陽を使って、がん治療薬として期待がかかる放射性物質の製造を目指す。機構によると、放射性物の名前は「アクチニウム225」。これを組み込んだ薬剤を体内に注射することで、がん細胞のみをピンポイントにたたいて治療につなげたい考え。高速炉でアクチユウム225を製造するのは世界的にも珍しいといい、2026年度中に製造したいとしている。
 常陽は、プルトニウムを燃料に使う高速炉を開発するための小型の実験炉。1977年に運転を開始したが、機器トラブルで07年から停止している。機構は26年度半ばに常陽の運転再開を目指しており、県や大洗町から事前了解を得る手続きを進めている。

地方制度・自治体論・地方自治一般

憲法の精神を広く 茨城・小美玉「百里9条の碑」建立 (2.15 しんぶん赤旗)

 茨城県小美玉市の百里平和公園(航空自衛隊百里基地に隣接)に11日、「百里9条の碑」が建立され、県内外から約550人が集まり、除幕式が行われました。毎年行われている「初午(はつうま)祭」と合わせての開催になりました。
 同公園内に「憲法9条の碑を建てよう」という始まりは、2021年の憲法記念日にジャーナリストの伊藤千尋氏が、水戸で講演した際に「憲法9条の碑が全国各地、海外にもある」という話があり「この百里にも」と百里に関係の深い5団体が実行委員会を結成。
 加入団体を募り、募金の呼びかけを行い、全国で34個目の建立となりました。10日時点で82団体534人の方々から募金が寄せられました。実行委員長の谷萩陽一弁護士は、多数の方々の支援に謝意を表明し「ウクライナやガザでこの瞬間にも多くの命が戦争によって奪われ続けている。いかなる国際紛争も武力による解決をしてはならないという憲法前文と9条の精神が、現実の国際政治を動かす力を発揮することを強く期待したい。
 この日本がいつか9条を理想とした戦争も軍隊もない国となることを信じたい」とあいさつしました。

サイバー攻撃対策 県警・医師会が連携 (2.17 朝日)

 身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウェア」を使った医療機関へのサイバー攻撃が後を絶たない。県内でも被害が確認されており、県警と県医師会がタッグを組むことになった。ネットワークシステムの弱点を突かれ、「ランサムウェア」に感染すると、パソコンなどのデータが勝手に暗号化される。その後、サイバー犯罪集団が、復元と引き換えに身代金を要求してくる。医療機関の被害も目立ち、2022年には大阪急性期・総合医療センター(大阪市)で、患者の電子カルテの使用や診療報酬の計算ができなくなり、緊急以外の手術や外来診療の停止に追い込まれた。県内でも22年度に病院の被害が1件確認されているという。
 こうした状況を受け、昨年4月に日本医師会と肇察庁が覚書を締結。県内でも今月16日、県医師会と県警がサイバーセキュリティー対策の連携協定を結んだ。これまでは、県警が個別に依頼があった医療機関に研修を実施してきたが、今後は県医師会と県警で研修会や広報活動を強化し、県内の医療機関にサイバー攻撃への対策方法などを広く周知していく。

外国籍でも公務員に 国籍条項 群馬県大泉町が撤廃 (2.17 朝日)

 外国籍の人も公務員に――。外国人が住民の約2割を占める群馬県大泉町は、2024年度実施の町職員採用試験の受験資格から国籍条項を撤廃する。北関東や先行した自治体などの状況はどうか。
 一般事務などすべての職種の試験で外国籍の人も受験できるようにするのは、群馬県内では大泉町が初めて。
 「うれしいニュースだ。外国籍の人には大きなモチベーションになる。頑張れば就きたい仕事に就ける。夢を持たせてくれる」。太田市で広告会社を経営する日系3世のブラジル人、平野勇パウロさん(45)は大泉町の取り組みを歓迎する。「採用されれば優秀な人が町に定着していく。町が受け入れる姿勢をみせたことは、大きな信頼につながっていく」。ただ採用後、外国籍の職員は課長職以上の管理職には就けず、徴税など公権力を行使する職にも就けないなどの制約がある。外国籍職員の採用に慎重な自治体は多い。
 本県では事務職にグローバル枠を設けた笠間市、過去にイタリア人を採用した牛久市が目を引く。
 文化交流都市を掲げる笠間市は2023年度の職員採用試験(消防職と専門職を除く)から国籍条項を撤廃し、外国籍の人も受験できるようにした。これとは別に、外国籍の人を対象にした「事務職 グローバル枠」の採用試験も始め、ウクライナ人女性(22)が合格。4月に正職員として採用される予定だ。
 牛久市は、国籍条項を撤廃し、12年にイタリア人の男性を職員として採用した。ただ、それ以降は採用されたケースがない。つくば市も1998年度から国籍条項を撤廃しているが、外国籍の人が合格した例はない。県は、行政職など36職種の受験資格に日本国籍が必要とする。「現段階で撤廃する予定はない」という。

予算・税・財政 

つくば市24年度予算案 過去最大1118億円・小学校新設や増設 (2.2 茨城)

 つくば市の2024年度当初予算案では、一般会計は前年度から3・0%増の1118億400万円を計上し、6年連続で過去最大となった。つくばエクスプレス(TX)沿線の子育て世帯の増加を受け、小学校を新設・増設するほか、高校通学支援金の交付、母子を支援する「こども未来センター」の設置などを盛り込んだ。
 小学校は2026年4月開校を目指し、建設工事費など20億5446万円。児童数の増加に伴い、市立谷田部小の校舎を増築する。設計業務の委託費として5281万円を計上した。高校通学支援金は、電車やバスなど公共交通機関で通学し、定期代が年間10万円を超える高校生に年3万円を交付する。市内在住の高校生が対象で、1億6152万円を計上。
 主な新規事業として、母親の妊娠から子育てまでを一体的に支援するこども未来センターの整備に2476万円、自宅前で期日前投票できるオンデマンド型移動投票所事業に1328万円、学校施設を活用したアフタースクールモデル事業に1584万円などを盛り込んだ。
 特別会計を含めた予算総額は1763億8682万円。一般会計の歳入は、市税が526億6426万円で47・1%を占める。市の借金に当たる市債は104億5200万円で前年度から10・6%減。

土浦市24年度予算案 給食無償を継続 TX調査も一般会計567億円3000万円 (2.16 茨城 )

 土浦市は15日、2024年度当初予算案を発表した。給食費無償化を継続するなど子育て支援に重点を置いた。つくばエクスプレス(TX)延伸と常磐道土浦スマートインターチェンジ(IC、仮称)の整備を見据え、周辺開発の可能性調査に乗り出す。一般会計は前年度当初比2・6%増の567億3千万円で、3年連続の増加となった。
 給食費は月額で小学生4200円、中学生4700円を昨年10月に無償化し、新年度も継続する。1カ月児童健診は、産婦人科で受ける費用1回分、5605円を上限に助成。ヤングケァラーなどへのヘルパー派遣事業として、食事の準備や掃除、買い物を代行することで、子どもの家事負担を軽減する。
 TXの県内延伸候補として県がJR常磐線土浦駅に決めたほか、土浦スマートーCが新設候補に選ばれたのを受け、それぞれの開発候補地を拍出し、土地利用の現状や企業の立地ニーズを調査する。 
 28年度開校予定の上大津地区統合小学校整備については、設計に着手する。ほかの主な新規事業は、高校生と高齢者の自転車ヘルメット購入費補助▽コミュニティーバス「つちまるバス」の新規2路線運行▽公立保育所の英語教育導入▽川ロショッピングモール歩行空間再整備構想▽上高津貝塚資料館改修設計1など。
 特別会計を含めた総額は989億4千万円で2・1%増。歳入は経済の改善などで個人・法人の市民税が計26・3%伸び、市税がコロナ禍前の水準に回復する見通しだ。

公共工事5割 見積もり甘く 費用対効果 着工後に悪化 (2.21 日本経済)

 国の公共工事の費用効果が着工後に悪化する事例が相次いでいる。道路やダムなど約1200事業(2010~23)の5割で費用対効果指数が低下し、46事業(4%)で費用効果を上回っていたことが分かった。費用を過少に設定したり、需要を過大に評価したりしていたケースがある。見積もりの制度を高めなければ政策判断を設ける恐れがある。
 日経新聞は国交省が公表している10~23年度のデータをもとに、費用対効果指数の変化が検証可能な計1221事業を調べた。それによると全体の5割(505事業)で指数が低下し、うち46事業で経済、安全効果が総費用を下回っていた。
 問題なのは、計画見直しの甘さが費用効果の悪化を招いた事例が目立つ点だ。東京都八王子市の国道20号八王子南バイパスはその1つ。06年度に1375億円見込んでいた事業費は22年度に1.6倍の2142億円に増額した。鉄道会社との調整不足などで着工後に線路との交差部分の施行方法を修正したほか、残土の運搬も変更を迫られたためだ。費用対効果指数は2.2(06年度)から97(22年度)に悪化した。人口減少が進めば交通量はさらに減る。国交省は「そういう状況が表れたら、改めて費用対効果で整理する」と説明する。
 道路の推進交通量は過剰になりやすい。交通量の「計画」と「実績」をしらべたところ18~22年度公表分のうち比較可能な127件の7割超(91件)で実績が計画を下回った。うち14件は計画の半分以下だった。推計の粗さが事業効果をゆがめる一因となる。
 公共工事の費用対効果は採択時には重視されるがその大半は工事費を増額する際には公表されない。外部による検証が難しく、効果が費用を下回った場合の責任の所在もあいまいだ。
 事業の採択を受けるため「費用の過剰認定」や「需要の過大評価」は間違った政策判断につながる可能性がある。
 識者は、「事業の計画段階から情報公開を徹底し、第3者が検証できる仕組みを構築する必要がある」と話す。

ふるさと納税 尾を引く厳格化 総務省ルール全ての経費「寄付額の5割以下」 (2.21 朝日)

 ふるさと納税の経費ルールが昨年10月に厳格化され、自治体が返礼品や人件費の費用削減に追われている。手数料の引き下げを仲介サイトに働きかける動きもあるが十分に進んでいない。仲介サイト事業者の間では、返礼品を提供する企業からも手数料をとる「二重取り」の仕組みが新たに広がるなど、規制側とはいたちごっこの状態だ。「仲介サイトヘお金が流出する割合が増えただけ。『サイト栄えて地域滅びる』だ」九州のある市の担当者は、総務省が昨年10月に実施したルール改正についてこう憤る。
 仲介サイト側が一部の手数料を「募集外経費」と称し、5割ルールの枠外で徴収する慣行が広がっていた。問題視した総務省は昨年10月、全ての経費を5割に含むよう、自治体に対しルールを厳格化した。総務省関係者によると、同省は当初、オーバーしていた分はサイト側が手数料率を削ってくれると期待した。
 大手サイトは手数料を据え置いた。このため、結局、自治体側が返礼品の量を減らしたり、同じ返礼品でも寄付額を増やしたりといった対応に追られた。危機感を持つ自治体が合同で仲介サイトに働きかける動きもある。だが溝はなかなか埋まっていない。
 経費ルールの厳格化をうけ、仲介サイトによる新たな枠組みが波紋を呼んでいる。

24年度 県予算案1兆2511億円 人口減対策に重点 (2.23 茨城 )

 県は22日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は1兆2511億9千万円で、前年度当初から3・2%減となった。
 一般会計は過去2番目の規模だった前年度から410億円減った。 
 一般会計のうちコロナ関連分は、当初予算ベースで前年度から約756億円減の約512億円となり、関連分を除いた総額の前年度からの伸び率は3・0%。
 県税収入は2・1%減の4180億円を見込む。国の定額減税に伴い個人県民税が減少したほか、資源高騰が一服したことによる輸入額の減少を想定し、地方消費税も減収する見通し。予算案の骨格は「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に向け、県総合計画に定めた①新しい豊かさ②新しい安心安全③新しい人財育成④新しい夢・希望の「四つのチャレンジ」の加速を目指す。
 主な事業のうち、「豊かさ」では、人口減対策として、外国人材の確保や育成に1億9700万円。大学や企業と連携し、留学生向けインターン定例化のほか、海外教育機関との日本語講座運営などにより、県内就職を支援する。
 「安心安全」では、在宅介護、看護現場で医療福祉従事者向けハラスメント対策のための相談窓口を設置し、労働環境の改善を促す。病院内で不足する薬剤師確保を目指し、奨学金返済支援や修学資金貸与への予算も盛り込んだ。
 「人材育成」では、成長分野強化のため、高校でのデジタル技術を活用した教育環境整備を進める。日本語が話せない外国人児童生徒を、公立小中学校に受け入れるための体制も整えるなど、外国人向け生活支援も図る。
 「夢・希望」では、国内市場の縮小に備え、海外販路開拓に5億2600万円を充てる。現地でのプロモーションや専門家による伴走支援で、農林水産物、加工食品、工業製品の輸出を拡大する。台湾や韓国からのインバウンド(訪日客)需要をさらに取り込むための施策を講じる。大井川和彦知事は22日、「企業誘致や観光の魅力創出など、これまでの成果を引き上げる施策をまとめた。 海外の力を取り込み経済を発展させながら県民の安心安全に向けた取り組みを促進する」とのコメントを出した。
 特別会計、企業会計を含む全体の公共事業費は1・1%増の1101億円。国の経済対策分などを合算すると1384億円となる。関連議案は29日開会の県議会第1回定例会に提出する。

水戸市24年度予算案 増額1198億円 小学校給食費を半額 (2.27 茨城)

 水戸市は26日、2024年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度比2・0%増の1198億2500万円で、増額は2年ぶり。小学校の給食費を半額にする。小中学校新入生の応援金や妊娠・出産時のギフト支給も継続。子育て支援に重点を置いた。23年度補正予算案も同日発表し、アダストリアみとアリーナ(同市緑町)の改修費1億8710万円を計上した。
 高橋靖市長は小学校の給食費について「全体的な予算配分のバランスを考えると、一気に無償化とはいかなかった。 任期中には実施したい」と述べた。
 一般会計の規模は過去6番目。市税は国の定額減税に伴って個人市民税が減少し、1・9%減の418億6千万円。減収分は国が補填するため、地方特例交付金は391・2%増の15億300万円となる。
 市債発行は0・6%減の81億940万円で、臨時財政対策債などを除く24年度末の市債残高は13億4337万円減の1968億9671万円の見込み。同市の小学生の給食費は現在、月額4300円で、4月から半額にする。対象児童は1万2760人。食材料費も公費負担し、合わせて4億9827万円を計上した。
 給食費無償化の動きは全国で広がる。県内では土浦市や鉾田市などが小中学校で無償化。水戸市は中学校で23年度に始めている。義務的経費は3・1%増の681億8524万円。会計年度任用職員への勤勉手当の支給開始から人件費は3・2%増、社会保障費の増加などで扶助費は3・7%増、公債費は0・9%増と、いずれも増額となった。
 普通建設事業費は0・9%増の126億8384万円。水戸市民会館の整溝が昨年完了したほか、同市下入野で来年1月開業予定の斎場の整備費が前年度比て約9億円減少した一方、水戸駅北口前の商業施設[LIVIN(リヴィン)水戸店」跡地の再開発事業費が前年度から約8億円増の10億7200万円となることなどから微増した。
 一般会計と特別会計を合わせた予算総額は1・0%増の2048億2230万円で、過去5番目の規模となった。

水戸市立小給食費半額に、市予算案2・0%増‐198億円 (2.27 朝日)

 水戸市は26日、一般会計の総額が1198億2500万円となる2024年度当初予算案を発表した。前年度より23億5500万円(2・Ю%)増えた。
 目玉となるのは小学校の給食費の負担を半額にする事業だが、完全無償化には財源の課題が残る。市立小学校の給食費は、新年度から月額4300円から2150円になる。対象となる児童数は約1万2千人で、高騰する食材費の補填も合わせて公費負担額は4億9800万円を見込む。23年度は中学校と義務教育学校で給食費を完全無償化。24年度も継続する。小学校の給食費について、24年度の完全無償化には踏み込まなかった。
 県教育委員会によると、23年5月時点で日立市、城里町など10市町では小中学校の給食費が完全無償化されている。全国的に見ても大阪市や青森市が導入しており、給食費無賞化を進める自治体は増えている。
 不登校への対策も講じる。24年度から市内すべての市立中学校と義務教育学校の計16校に「校内フリースクール」を設置。不安や悩みを抱えて教室に通えない生徒の学習や生活を支援するため、各校1人ずつ支援員を配置する。事業費として3千万「を計上した。市教委教育研究課によると、22年度の市内で不登校者の中学生は465人。小学生と合わせると815人で、過去最多だった。

日立市24年度予算案 復旧・防災に重点 大雨被害 一般会計747億円  (2.29 茨城)

 日立市は28日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3・3%増の747億8000万円で、過去3番目の規模。昨秋の大雨被害を踏まえ最優先した災害復旧と防災減災対策に計4億6000万円を計上した。災害情報を広く共有する総合防災情報システムを導入する。
 災害復旧費は1億9000万円。本年度すでに71億円を充てており、最終的に100億円を超える見通し。会見で小川春樹市長は「まずは本格復旧を早急に進める。子育て支援や人口減少対策はこれまでの施策を拡充する」と述べた。
 浸水した本庁舎の復旧に1億4600万円を充て、地下進入路に上屋を整備する実施設計や免震装置の復旧を進める。災害情報を一元管理する同システムに9900万円。道路の冠水対策として側溝改修を集中的に行い、河川を監視する定点カメラや市民がいつでも持ち出せる土のうステーションを整備する。
 人口減少対策では、本年度無償化した小中学校の給食に関し、アレルギーのため弁当持参の家庭に給食費相当額を助成する。市内で住宅を取得した子育て・若年世帯への補助対象を39歳から44歳以下に拡充し、長期優良住宅には10万円を補助する。
 日立製作所との連携協定に基づくプロジェクトに4500万円を充て、次世代モビリティー導入や再生可能エネルギーの地域内融通を検討。11月17日に予定する初のフルマラソン「ひたちシーサイドマラソン」の開催に1億円を計上した。特別会計を含む総額は2・8%増の1256億1000万円。歳入で、市税は国の定額減税などで2・6%減の260億3000万円を見込む。借金に当たる市債は建設事業の増加で47・8%増の40億1000万円。

まちづくり・都市計画 

偕楽園 表門の利用促進 混雑緩和や陰陽の魅力 (2・7 茨城)

 日本三名園の一つ、僧楽園で、県は本来の正門に当たる「表門」からの入園を促す取り組みを強化する。現在は「東門」に集中して混雑し、表門からの順路による「陰陽の世界」を味わうことなく帰る観光客も多い。表門周辺で大型観光バスの降車場を設ける社会実験を行うほか、タクシーの乗降場を整備する。10日に開幕する水戸の梅まつりに合わせ、利便性と魅力の向上につなげる。

マンションの適正管理推進ヘ 県、実態把握や認定制度導入へ計画案 (2.21 朝日)

 建物の老朽化や住民の高齢化でマンションの管理不全が全国的に問題となるなか、県は、分譲マンションを適正に管理するための調査や講習、税優遇が受けられる認定制度の導入を盛り込んだ計画案をまとめた。パブリックコメントなどを参考に、来月中に正式な計画を公表し、4月から運用を始める。
 国の住宅・土地統計調査によると、2018年時点で県内の分譲マンションは約3万5千戸。住宅全体(約112万7千戸)の3%程度と、全国の割合(10.6%)より低い。建設年別にみると、1981年より前の旧耐震基準によるマンションは5・5%ある。全国の割合(12.4%)と比べて、新しい時期に建てられたものが多い。
 全国の都市部では積立金不足などで建物の修繕ができなかったり、管理組合の担い手が不足していたりするケースもあることから、県は継続して安定したマンション管理ができるよう、今回の計画案を作ることにした。
 水戸、土浦、つくばみらいの3市は単独で計画を作成済み、あるいは作成予定で、県の計画案の対象となるのはこの3市を除くすべての市町村。2025年度までにアンケートを実施し、管理実態を把握する。
 マンションの組合が作成した管理計画を、県や市が認定する制度も始める。組合の運営や経理などに関して一定の基準を満たした管理計画と認められれば、これに基づいて行われた修繕などの工事に対して固定資産税が減額される優遇措置を受けられるという。

「消滅可能性都市」10年 人口戦略会議副議長・増田寛也さんに聞く (2.21 朝日)

 2040年までに、市町村の半分が「消滅」の可能性に直面する――。民間研究機関が、そんな予測=キーワード=で少子化対策が急務と提言してから10年が経った。だが、人口減の勢いは止まらず、この国の未来像は今もかすんでいる。何に失敗したのか。今からできることは。提言を主導した増田寛也さんに聞いた。
 「まだ当時は国全体では人口が増えていたので、多くの人はあまり気にとめていませんでした。知事を辞めた翌年の08年が、日本の人口のピークでした」 「だから在任中の全国知事会でも、人口減を議論した記憶はありません。私は、岩手県の歴代知事で初めて人口減を前提に長期計画を作ったのですが、議会で『弱気になるな』と怒られました。県人口は戦後ピーク時は約145万人でしたが、今は120万人を切っています」

――なぜ、当時は関心が薄かったのでしょうか。
 「国立社会保障・人口問題研究所は、以前から市町村別の将来推計人口を発表しています。就学児の将来人口を見れば、多くの自治体で小学校を統廃合せざるを得ないことは明らかだったのに、私の記憶では、このデータを有効に使っていた市町村長はほとんどいません。人口は増えるものであり、頑張れば出生率は上げられる、という思い込みが強かったのでしょう。『産めよ増やせよ』という戦前の国家政策の記憶が残っており、人口増を目指す政策がタブー視されてきた面もあります」
――増田さんが座長だった日本創成会議の14年の提言を受けて、国が「地方創生」政策を打ち出した後も、地方は縮み続けています。
 「第2次安倍政権で石破茂さんが地方創生相となって予算をつけたのはよかったのですが、人口減対策を盛り込んだビジョンと総合戦略づくりを自治体に求めたことで、地域間競争になってしまった。議会による検証にたえるため、自治体が短期的に成果を出そうとすれば、対症療法的に他地域からの移住者を増やす『社会増』を狙うことになる。自治体同士が人口の奪い合いをしても、全国で考えれば無意味ですから、むしろ近隣と広く協力して取り組む視点が必要でした」
 「『まち・ひと・しごと創生』『一億総活躍』など、看板は毎年のように変わったものの、やらないよりやった方がよかったのは間違いありません。ただ、何年か経って担当者が変わるとルーティン化し、形式的になる。成功例をまねすれば国からの交付金が取れると考えた自治体が、東京のコンサルタントと契約して計画づくりをしているのも随分目にしました。名前は違っても中身はほぼ同じ、という金太郎アメになってしまった」

出生数、23年最小75万人 速報値 人口減り幅最大83万人 (2.28 茨城)

 厚生労働省が27日に発表した人口動態統計の速報値(外国人らを含む)によると、2023年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は過去最少の75万8631人だった。初めて80万人を割った22年から5・1%減り、少子化が一段と進んだ。
 今後発表する日本人だけの出生数は70万人台前半への落ち込みが確実な情勢だ。婚姻数も、未婚・晩婚化の傾向に加え、新型コロナウイルス禍の影響をうけ、90年ぶりに50万組を割った。死亡数は過去最多の159万503人となり、出生数を引いた人口の自然減は83万1872人と最大の減少幅になった。
 少子化は政府想定より12年早いペースで進む。地域や社会経済活動の維持が課題となる。政府は30年までを反転のラストチャンスとして「次元の異なる少子化対策」を掲げ、児童手当拡充などの関連法案を今国会で成立させる方針だが、効果は見通せない。出生数は第2次ベビープームのピークだった1973年(約209万人)以降、減少傾向に入り、2016年に100万人を割った。
 22年の速報値は79万9728人で初めて80万人を下回り、23年はさらに4万1097人減った。減少は8年連続。
 厚労省の国立社会保障・人口問題研究所は将来推計人口で」76万人を割るのは35年と見込んでいたが、実際は12年早まった形だ。
 23年の婚姻数は娼万9281組で戦後最少。22年から3万542組減った。離婚数は18万7798組で4695組増加した。

県内最小1万5595人 出生数
 本県で2023年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は前年比949人減の1万5595人で、過去最少だったことが27日、厚生労働省の人口動態統計の速報値(外国人らを含む)で分かった。
 出生数は前年の1万6544人から5・7%減少。2万3199人だった10年前の13年に比べると、32・8%減った。
 婚姻数については前年比732件減の9398件、離婚数は165件増の4121件。死亡数は369人増の3万7919人、死産数は24人増の302人だった。

地域経済 

県内企業の58・3% コロナ前より「増収」 (2.5 朝日)

 新型コロナの影響が和らいだ2023年の企業業績について、東京商工リサーチが県内に本社を置く企業に尋ねたところ、コロナ前(18年前後)よりも「増収」になった企業が約6割を占めたことがわかった。昨年12月にアンケートを実施し、全国の4926社が回答。
 県内では96社が応じ、その内容を同社水戸支店が分析、公表した。コロナ前よりも「増収」になったと回答したのは、全体の58・3%にあたる56社。業種別では、情報通信業で6社中5社、小売業で5社中4社、サービス業で13社中9社が、それぞれ「増収」とした。
 要因について尋ねると、「新規販売先の開拓に注力した」が21社で最も多く、「設備を新設・増強・拡張した」と回答した企業も18社あった。DX(デジタル化)推進などの需要の高まりや、コロナ禍からの回復が進む業種が増収につながっているという。一方で「減収・横ばい」と回答した企業は、建設業が11社中7社、運輸業が5社中4社と業種内で半数を超えた。資材高や人手不足といった課題が解消されていないことが要因とみられる。
 水戸支店は「産業間で業績の二極化が進んでいることが浮き彫りになった。取引先を選んで採算をとる余地のある建設業に比べ、運賃以外の差別化が難しい運輸業は、人手不足でも売上高拡大を追られる厳しい状況に置かれる可能性がある」としている。

農業産出額 全国3位 6年連続 (2.15 朝日)

 農林水産省が昨年12月に公表した2022年の農業産出額は、県が前年比146億円増の4409億円で、6年連続で全国3位だった。県農業政策課によると、県内産出額1位の米は15億円増の611億円だった。新型コロナ禍の影響を受けた外食需要の回復傾向が要因とみられるという。2位の鶏卵は46億円増の548億円。鳥インフルエンザ感染拡大の影響で単価が上がったという。3位の甘藷は30億円増の361億円で、生産量が増えた。
 経費を引いて補助金を加えた生産農業所得は県全体で1517億円となり49億円減少したものの、都道府県別では全国3位から2位に上がった。2位から3位になった鹿児島県は畜産の割合が多く、物価高による飼料高騰の影響をより多く受けたとみられる。
 生産農業所得を農家数で割った農家1戸あたりの所得は約411万円となった。県は2050年には、農業産出額を約5千億円、農家の所得を1千万円に引き上げる「もうかる農業」を目標に掲げている。

外国人労働者 10年で2・6倍に 昨年5・4万人 (2.24 朝日)

 将来の労働力不足に備え、県が支援を本格化させる外国人労働者。県内では10年前の2・6倍となる5万4875人が働く。特に増加が目立つのが、研究や経営など専門性の高い分野に秀でた人材が対象となる「専門的・技術的分野」の在留資格を持つ人たちだ。昨年10月末時点の状況をまとめた茨城労働局によると、「専門的・技術的分野」の在留資格で働く外国人は1万3710人。前年の同じ時期と比べて33・0%の増加だった。
 中でも、日本企業の人手不足を補うため、より多くの外国人労働者を受け入れようと、2019年に導入された「特定技能」の労働者が前年同期比で77・7%の増加だった。外国人を雇用する事業所も8642カ所で、前年同期から717カ所(9・0%)増えて10年連続の増加となった。在留資格別で最も多かったのは「技能実習」。1万7411人と前年同期比で16・9%の増加だった。
 永住者や日本人を配偶者に持つ「身分に基づく在留」が1万7046人で同3・3%の増加。国籍別にみると、ベトナムが1万3569人(前年同期比18・2%増)で最も多かった。中国7847人(同O・9%増)、フィリピン6974人(同5・9%増)、インドネシア6672人(同46・7%増)と続いた。

有機農業ニーズ拡大 荒廃農地を活用、参入後押し (2.25 茨城)

 のどかな山あいにある常陸大宮市三美地区。県内初の大規模有機モデル団地が広がる。一角にはまだ新しいハウスがずらりと並ぶ。
 約2年前に参入した農業法人カモスフィールド(笠間市)の農場だ。ハウスではコマツナとホウレンソウを生産している。有機JAS認証を取得した畑では、土壌の多様な微生物から栄養を得て、自然に近い農法で野菜を育てる。「ハウスがまとまっているので作業効率が上がり、しっかりと利益も出せる」。横山慎一農場長(47)は手応えを感じる。
 参入に当たり「補助があるのは大きかった」。初期費用の約半分は国や県の支援を受けた。
 当初は土壌作りに苦心した。微生物がすみやすい環境を整えるまで時間を要したが、生産は軌道に乗り、栽培面積も広がる。「本来のおいしさを持った野菜を手頃な価格で多くの人に届けたい」。10年後には面積を2倍に拡大する予定。

■モデル団地は30ヘクタール規模。

 2019年、県北地域の振興と有機農業を推進する県の「いばらきオーガニックステップアップ事業」として整備された。
 団地にはカモスフィールドとともに、農業法人レインボーフユーチャー(筑西市)、要建設(水戸市)、JA常陸アグリサポート(常陸大宮市)の4団体が葉物野菜やソバなどを生産している。県内で有機JAS認証を受けた耕地面積は321㌶(22年)に拡大し、全国10番目。県は27年までに560㌶に増やすことを目標に掲げる。「環境に優しいオーガニック野菜として、拡大する市場の二―ズに応えるには、さらに多くの認証取得が必要」(県農業技術課)。
 取得には、土壌で化学肥料や化学合成農薬を2年以上使っていないなど、厳しい条件が求められる。県内で有機JAS認証を取得している農家は110戸(22年)。有機栽培していても、手続きが煩雑などとして、二の足を踏む生産者も少なくないという。同課は「取得しやすい環境を整えていく必要がある」とする。

■県は新年度、有機農業の支援を充実させる。

 県内では荒廃農地の面積が1万㌶余り(22年度)に拡大。こうした眠っている土地を活用することで、農地を確保したい考え。イチゴやクリ、ナシ、ブドウなど新規作物の有機栽培や販路拡大に挑戦する生産者を支援。有機JAS認証を取得するための一部経費を助成するなど後押しを強化する。
 有機農業に詳しい茨城大農学部(農業環境工学)の小松崎将一教授は「養分の循環や生態系の保全、地球温暖化の緩和につながる」と話し、有機農業を推進する必要性を示す。県農業技術課の安永美穂子課長補佐は「持続可能な農業を目指し、県内全域に広げていきたい」と意欲を示す。

食料安保の道筋は 基本法改正案 国会審議へ (2.29 日本農業)

 政府は「農政の憲法」とされる食料・農業・農村基本法改正案を国会に提出した。
 1999年の制定から25年、世界では食料争奪が激化し、国内では人口減少が進む。改正案は食料安全保障の確保を理念に据えた。国会審議では新たな理念の是非とともに、それを実現する有効な手だてが講じられるのか焦点となる。
 現行基本法が引き上げを宣言した食料自給率。政府は30年度に熱量ベースで45%、金額ベースで75%の目標を掲げるが制定時から上向くどころか低下した。直近の22年度はそれぞれ制定時から2ポイント減の38%、同14ポイント減の58%と先進国での最低水準から抜け出せない。
 農水省は米の消費減などを自給率低下の主な要因に挙げるが目標には程遠い。会計検査院は昨年11月目標が達成できない要因の検証が不十分と指摘。最近の国会でもこの点に質疑がくりかえされておりより根本的な分析と検証が求められている。
 農業を取り巻く状況は基本法制定時から大きく変化している。TPPをはじめ大型協定が次々と締結。貿易自由化が進み、農林水産物の輸入額は1.9倍に増えた。一方、国内の農業総産出額は9兆円台で横ばいか微減傾向が続く。
 国内では農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者」の数が半減し、農地の減少にも歯止めがかからない。農水省は基幹的農業従事者の数が今後20年でさらに4分の1の30万人まで激減すると見通す。少ない人でで、どう農業生産を維持するかが大きな課題となっている。
 これに対して、新たな基本法に基づいて同省が描く戦略は農地の受け皿となる農業法人に農地の集積・集約化を加速して、農作業を大幅に省力化、食品メーカーをはじめ外部からの農業投資を呼び込み、農業を食料産業化する。さらに農産物の価格形成にテコ入れするとともに海外に農産物を輸出して稼げる産米を目指す。
 同省が外部からの投資や価格形成を重視する背景には財政上の事情がありそうだ。政府全体の当初予算は制定時から4割近く増えているのに農林水産関係費は3割減少。特に公共事業は半分以下になっている。
 全国で水利施設が老朽化し突発事故が続発。農業生産を支えるインフラの再整備が急務となっている。野党からは、この間の農政は規模拡大や競争力強化に偏重しているとして直接支払いの充実などを求める声が多い。食料安保に要する予算をどう確保するかについても徹底した議論が求められている。

医療・福祉・社会保障・教育 

初診・再診料引上げ 窓口負担、最大219円増 6月報酬改定 (2.15 茨城)

 厚生労働省は14日、医療機関の収入に当たる診療報酬の2024年度の改定内容を決めた。看護師ら医療従事者の賃上げ原資を確保するため、初診や再診、入院時にかかる基本的な診察料金を幅広く引き上げる。初診料は原則2880円から30円増やし、一部の診療所で最大700円を上乗せする。上げ幅は最大730円。自己負担が3割の患者が窓口で支払う額は9~219円増える。24年6月から実施。全ての患者で初診料を引き上げるのは消費税増税時を除き04年度以来20年ぶり。
 政府は昨年末、診療報酬のうち人件費に相当する「本体」部分を0・88%引き上げると決定し、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)が個別の価格を答申した。賃金を底上げするベースアップを2%以上実施し、人材確保を図る。
 初診料は全ての医療機関で30円増の2910円となる。さらに病床のない診療所が看護師ら職員のベースアップを行う場合、60~700円を上乗せする仕組み。上乗せ額は職員や患者数などに応じて設定する。
 初診料を受け取る回数や患者数が少ない施設は上乗せ額が増える。離島など「へき地」の住民や、治療が長期化する人工透析の患者は初診時の負担が重くなる可能性がある。再診料も一律で20円増の750円となり、同様に最大100円上乗せする。3割負担の窓口支払額は6~36円増える。病床のある診療所や病院も初・再診料の引き上げや、上乗せの仕組みの一部が対象となる。入院基本料は病棟の種類に応じて50~1040円引き上げで、患者1人当たり1日10~1650円を追加する。
 オンライン診療などデジタル化も推進。マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた。

デジタル人材強化 DXハイスクール探求推進 (2.26 茨城)

 次世代のデジタル人材の育成を進めようと、国は19年からGIGAスクール構想を進める。県内では20年度に全ての県立高にWi―Fi環境を整備。端末は各高校が推奨するものを入学時に購入している。
 県教育委員会によると、本年度寄せられた通信不具合の報告は1件のみ。ただ、学校現場からは「通信の映像が途切れて見づらい」などの声が聞かれる。教育改革課の担当者は「端末の更新や通信環境の整備は必要。各校の利用状況に応じ、学びが途絶えないよう対応したい」とする。22年度には「情報1」が高校で必修化された。25年1月の大学入学共通テストにも採用。県内では全ての学校で1年間履修する。ある管理職は「高校生活1年間の学びだけで入試対策ができるだろうか」と話し、学習環境の整備に不安の声を漏らす。
 県内で情報を指導する教員は、IT未来高の専門科目を含めて102人で、大半は数学や理科と兼務しているケースが多い。県高校・教育課の担当者は「急速に、進展するデジタル化に対応できるよう、指導体制を構築していく必要がある」と話す。

■県は新年度、高校DX(デジタルトランスフォーメーション)加速化推進事業を始める。

 デジタル人材育成の強化に向け、高校段階で高度なプログラミングや探究学習などの拠点「DXハイスクール」を整備。デジタル人材や成長分野の担い手育成につなげる。事業対象は県立高12校。ICTを活用した探究的学びの環境整備を支援する。
 大学教授や研究者による講演会や、小規模校同士の遠隔授業など。高性能パソコンや3Dプリンター、収音マイク、広角外付けカメラなどのICT機器や通信機器の整備を進める。同課の担当者は「デジタルなどの成長分野を支える人材を育成するため、DXハイスクール校として環境を整えていきたい」と話した。

男性育休 目標設定義務化 厚労省方針 100人以上の企業 (2.27 茨城)

 厚生労働省は、従業員100人超の企業に対し、男性従業員の育児休業取得率の目標を設定し、公表するよう義務付ける方針を固めた。男性の育児参加を促し、子育てと仕事を両立しやすい環境づくりを目指す。2025年4月から義務化し、対象は約5万社となる。
 今国会に提出する次世代育成支援対策推進法の改正案に盛り込む。100人以下の企業は努力義務とする。関係者が26日、明らかにした。
 男性の育休取得率は22年度調査で17・13%にとどまり、女性の取得率80・2%と大きな差がある。政府は男性の取得率について「25年までに50%」との目標を掲げており、取得率の向上を急ぐ。男女とも育児に参加することを促し、女性に偏りがちな育児や家事の負担を緩和する狙いもある。従業員が千人超の企業には男性の育休取得率(実績値)の公表を23年4月から義務付けている。
 25年4月からは300人超の企業に対象を広げるため育児・介護休業法の改正案も今国会に併せて提出する。多くの企業で男性の育休取得環境を整備し、目標と実績の隔たりを検証できるようにする。

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