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2023/08

2023/08

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2023年8月分


原発問題(東海第二原発関係も含む)

境目ない海 漁師ら風評懸念 処理水放出あすにも開始 (8.23 朝日)
 政府は22日、東京電力福島第一原発の処理水を24日にも海洋放出すると決めた。経済産業省の太田房江副大臣が県庁を訪れ、理解を求めたが、漁業団体は改めて反対を表明した。沿岸の漁師や観光に携わる人たちからは、海産物の価格や海水浴客への影響を懸念する声が聞かれた。 .
 経産省の大田副大臣は22日、県庁を訪れ、24日にも福島第一原発の処理水の海洋放出を始める政府方針について、大井川和彦知事に説明し、理解を求めた。大井川知事は、安全性は理解するとした上で、「漁業者は反対だと言っているのは事実。数十年続くであろう海洋放出。しっかり寄り添うという国の約束を我々としても、しっかりと見守りたい」と話した。
「我々の反対変わりない」漁連会長
 茨城沿海地区漁業協同組合連合会の飛田正美会長は「我々、漁業者は海洋放出に反対であることは変わりはありません。科学的な安全と消費者が考える安心は同じではなく、風評被害の発生が懸念されております。国は海洋放出の決定を下した責任者として、漁業者が安心して漁業が継続できるよう、万全の対策を講じることを強く求めます」などとする談話を出した。

処理水を海洋放出 福島原発、完了30年 漁業者懸念 東電社長謝罪 (8.25 茨城)
 東京電力は24日、福島第1原発の処理水の海洋放出を始めた。「廃炉と福島の復興のため先送りできない課題」として、海洋放出の方針を決定して2年余り。
 政府は国際原子力機関(IAEA)の協力を得て安全性を訴えてきたが、風評被害を懸念する漁業者は反対姿勢を崩さない。中国は放出を強く非難し、日本の水産物輸入を全面的に停止したと発表した。岸田文雄首相は中国に対し、即時撤廃を求めた。東電は輸出に被害が生じた場合、適切に賠償するとのコメントを出した。
 福島県漁業協同組合連合会(県漁連、いわき市)の関係者によると、東電の小早川智明社長が放出開始前に県漁連を訪れ、「今まで大変な迷惑をかけ、風評被害など心配をおかけした。誠心誠意対応します」と謝罪し、幹部らに頭を下げた。
 放出は第1原発の廃炉完了まで約30年続く計画。事故から12年たっても処理水の元になる汚染水は日々発生しており、計画通り2023年度に約3万1200トンを放出しても、敷地内に林立する保管タンク約千基のうち、減るのは約10基分にとどまる。放出開始後も課題は山積したままだ。
 東電は、24日放出分の処理水のうち約1トンを海水約1200トンで希釈した上で大型水槽にため、東電が設定した放出基準の1リットル当たり1500ベクレル未満(国基準の40分の1)を大きく下回る最大63ベクレルと確認。午後1時3分に放出開始し、処理水は海底トンネルを通り、沖合約1キロ先で海に拡散した。その後、処理水を増やし、午後5時の計算上の濃度は1リトル当たり206ベクレル。
 (全漁連)の坂本雅信会長は「この瞬間を目の当たりにし、全国の漁業者の不安な思いは増している」とのコメントを公表。反対が変わらないことを強調した。処理水は放射性物質で汚染された水を多核種除去設備(ALPS)で浄化したもので、現在の原発敷地内での保管量は容量の約98%に相当する約134万トン。

地方制度・自治体論・地方自治一般

県売却施設を先行審議 県議会、特別委を設置 (8.1 茨城)

 県議会は31日、臨時会を開き、県有施設の在り方などを審議する「県有施設・県出資団体等調査特別委員会」の設置を決めた。鹿島セントラルホテル(神栖市)など県が売却方針を固めた施設については先行して審議し、9月ごろをめどに意見をまとめる見通し。ほかの県有施設や出資団体についても約1年かけ広く議論を重ね、県に提言する。
 臨時会では、調査特別委の委員長に田山東湖氏、副委員長に星田弘司氏を指名したほか、15人の委員を選任し、承認した。第1回審議は2日に開催し、今後の調査方針や活動計画などを決める予定。
 調査特別委では、同ホテルや白浜少年自然の家(行方市)、洞峰公園(つくば市)など、すでに売却や譲渡方針が決まっている5~6の複数施設を先行して審議する。このほかの施設や県が出資する33団体は約1年かけて調査し、議論を深める。同ホテルの民間売却に当たり、県は当初、7月から公募を始める予定だった。
 調査特別委の設置や神栖市議会の要請による地元説明会の開催が決まり、県の担当者は「公募手続きは、地元説明会や調査特別委の審議状況を踏まえながら進めたい」としている。
 臨時会後、田山氏は報道陣の取材に「(売却方針が決まった施設に対し)議会との議論が足りていないとの声が挙がっている」と説明。調査特別委の設置期間については「立ち止まり、精査する必要がある。原則として1年間を想定し、必要に応じて延長も視野に入れたい」などと話し、議論を進める考えを示した。
 調査特別委は、6月の第2回定例会で複数施設の民間売却方針が県から報告されたことを受け、最大会派のいばらき自民党が石井邦一議長に設置を要請。石井議長が7月11日、大井川和彦知事に臨時会の招集を求めていた。

県議会、調特委を設置 委員に15県議あす 初会合 (8.1 朝日)

 県出資団体や県が所有する施設を、民間へ売却する方針をめぐり、県議会は31日、臨時会を開き、妥当性などを検証する「県有施設・県出資団体等調査特別委員会(調特委)」を設置することを決めた。県議の中から15人の委員が選出された。第1回の調特委は2日にある。
 県は6月の県議会で、県が出資する第三セクターが運営する鹿島セントラルホテルのホテル事業と敷地を民間に売却する方針を表明。県教育委員会も、2施設を少子化などを理由に民間譲渡する方針を明らかにしていた。
 この日の臨時会で調特委の委員長に選任された田山県議によると、調特委は月1回ペースで開かれ、1年ほどになる可能性があるという。調特委では三つの施設に加え、県の整備計画が頓挫した県営洞峰公園(つくば市)についても取り上げる。
 議会事務局によると、臨時会を開いて調特委が設けられるのは約60年前の1964年1月の「水戸対地射爆撃場返還促進特別委員会」以来となる。今回の調特委では県出資団体の対象は33団体。2日は今後の活動計画などを決めるという。

調特委 県有売却など検討 6施設優先に議論 (8.3 朝日)

 県や県出資団体が所有する施設のあり方などを検証する県議会の調査特別委員会が2日、初会合を開いた。県有111施設と県出資団体などが所有する9施設の計120施設が調査対象。県や県教育委員会が民間への売却などの方針を示した6施設について、優先的に議論する。
 名称は「県有施設・県出資団体等調査特別委員会」。1年間で、県が出資する33団体の経営状況や課題についても話し合う。県はこれまでに、グランピング施設などを整備する県の計画が不調に終わった県営洞峰公園をつくば市に無償譲渡する方針を決定。県が出資する第三セクターが運営する鹿島セントラルホテルのホテル事業と敷地を民間に売却する方針も表明している。健康プラザ(水戸市)は、管理手法を見直す考えを示した。青少年会館(同)は宿泊事業を廃止する。県教委も、宿泊施設の自浜少年自然の家(行方市)と里美野外活動センター(常陸太田市)を少子化などを理由に民間譲渡する方針を明らかにしている。
 この日は、県有施設の全体概要について、小野寺俊副知事が説明した。過去に民間活力を活用するべきだなどの提言が議会側からあったとした。そのうえで県は、県民ニーズの変化や運営の効率化などを考え、施設の市町村や民間への譲渡、廃止や統合などの見直しを進めてきたと述べた。

つくば市、自宅前で投票 来年市長選 高齢者ら想定 (8.5 茨城)

 つくば市は、自宅の前で期日前投票できる「オンデマンド型移動投票所」を導入することを決めた。
 投票所に行くことが難しい高齢者や障害者などを想定し、2024年の市長選と市議選で行う。政府に提案し、実施可能とする回答を得たことが4日、分かった。電話やインターネットで予約を受け、投票箱を乗せた専用車両が巡回することで、投票率の低迷に歯止めをかけたい考え。今後、具体的な方法を構築する。

マイナンバー総点検中間報告 保険証ミス新たに1069件 ひも付け公務員年金118件 (8.9 茨城)

 政府は8日、マイナンバー総点検の中間報告を公表した。マイナンバーと保険証とのひも付けミスが新たに1069件確認され、計8441件になった。
 公務員の年金情報でも118件の誤りが判明。障害者手帳情報では、ひも付け手順が不適切だったのは、都道府県や政令指定都市など237自治体の約2割に当たる50自治体に上った。政府は8月下旬に個別データの点検が必要な自治体名などを公表し、ほかに誤登録がないかどうか点検を進める。

行政の要の「広聴」充実を 住民のための施策ヘ (8.16 朝日)

 自治体にとって、住民に必要な情報を提供する「広報」と、住民からさまざまな声を寄せてもらう「広聴」が重要であるのは言うまでもない。しかし、多くの自治体のホームページは「広報」に偏重し、「広聴」が軽視されている。行政は、自治体の首長や職員の考えのみで実施されるものではない。住民のための施策となるためには、首長や職員は全体の奉仕者として住民の声を傾聴し、住民の幸福のために、住民とともに行政に当たらなければならない。これが住民参画・協働の行政である。こうした行政の実現は、どれだけ住民の声を広く聴取できるかにかかっている。それが「広聴」である。
 「広聴」は自治体ホームページのトップページの分かりやすい場所で案内すべきなのに、分かりにくい場所がほとんどである。「広聴」は自治体に対する監視機能もあるので、自治体にとっては「寝た子を起こさず」で、形式的なものにとどまっているほうが好都合なのかもしれない。住民から声が寄せられても、担当部署が回答するだけという閉じた広聴では、広聴とは言えない。自治体は、声が届けられた理由に配慮し、そのポイントを的確に把握して首長や職員及び住民と共有し、行政に反映させなければならない。
 しかし、自治体がどれだけ広聴体制を整備したとしても、広聴が機能しているかを検証する第三者委員会(広聴検証委員会)の設置は不可欠である。自治体の判断や都合で終結するのを防ぐために、広聴検証委員会が定期的に検証し、その結果を公表するのである。「広聴」は住民参画・協働の行政、つまり行政の質を測るバロメーターである。(私の視点 成田 孝・元鹿児島国際大学教授)

平和願う歩み止めない 終戦の日各地で集いや追悼の催し (8.16 朝日)

 終戦の日の15日、戦争体験者が少なくなり記憶の継承が重い課題となる中、県内各地でも人々が戦没者らを悼み、平和への想いを新たにした。日立市では「8・15平和集会・平和行進」があった。市民らでつくる「平和をまもる日立市民会議」が主催し、1967年から開催しており、4年ぶりの行進になる。市役所前であった集会では、小川春樹市長が「戦争を経験した人も高齢になり、戦争の悲惨さを語り継ぐ機会が減ってきている。戦争のない平和な国をつくり、改めて後世に伝えていく大きな役割がある。みなさん一緒に平和を発信していきましょう」とあいさつした。集会の後、参加者約80人(主催者発表)が「平和行進」などと書かれた横断幕を掲げ、約1・5キロ離れたJR日立駅前の「平和の鐘」まで行進。正午の時報に合わせて黙躊し、不戦を誓った。
 軍需工場があった日立市は、第2次大戦末期の1945年6~7月、米軍による空襲や艦砲射撃などの大規模な攻撃を計3度受けた。現在の市域で1500人以上が亡くなり、市街地は焼け野原になった。
 県によると、この日、東京・日本武道館で開催された全国戦没者追悼式には、県内から遺族52人が参列した。県の戦没者は5万8102人に上る。

自衛隊へ名簿6割超す 1068自治体 人権無視の提供 (8.16 しんぶん赤旗)

 2022年度に自衛官募集のために、若者の個人情報を記載した名簿を自衛隊に提供した自治体が1068に上り、初めて6割を超えたことが分かりました。防衛省が日本共産党の山添拓参院議員に提出した資料で明らかになりました。
背景に募集難も
 住民基本台帳に記載されている氏名、生年月日、住所、性別の個人情報を、自治体が紙や電子媒体の名簿で提供しています。自衛官の勧誘チラシの郵送などが目的で、高校を卒業する18歳と、大学を卒業する22歳が対象。従来は、多くの自治体が名簿を提供せず、閲覧・書き写しにとどめていました。同省資料によると、22年度に名簿を提供した自治体は、全国1747自治体中1068自治体となり、21年度比で約1割増加。それに対して、住民基本台帳の閲覧は534自治体と、約2割減少しました。閲覧から名簿提供に移行しています。
 名簿提供が急増したきっかけは、安倍晋三首椙(当時)が19年2月の自民党大会で「都道府県の6割以上が協力を拒否している」と発言したこと。政府は、20年12月に市町村長による住民基本台帳の一部写しの提供は可能だと明確化する閣議決定をしました。
 日本平和委員会の千坂純事務局長は「本人の同意なく個人情報を提供するのは、憲法が定める基本的人権を無視している。米国とともに戦争できる『戦争国家づくり』の一環でもあり、不当な手段で募集を強めることに反対の声を上げていくことが必要だ」と指摘します。
 一方で、名簿を提供させる背景に、自衛官採用が困難になっている実態があるとみられます。防衛白書によると、22年度の応募者数は前年に比べて1万人近く減少し、過去10年間で初めて8万人を割りました。千坂氏は「『本当に自衛隊員が戦争に投入されるのでは』という認識が広がり、募集が困難になっている。必死に名簿を提供させるのは、自衛隊の焦りや行き詰まりを示しているのではないか」と語りました。

マイナーカード使用不能 40万件超 保険情報の登録に遅れ (8.17 しんぶん赤旗)

 受診の際、健康保険証代わりにマイナンバーカードを使用しても、保険加入者のひも付け作業が遅れ、医療機関の窓口で使えないケースが少なくとも40万件以上あることが16日までに分かりました。政府はマイナンバーのひも付けミスの総点検を進めていますが、登録の遅れは対象外です。
 国内最大の健康保険事業者で中小企業の従業員が加入する「協会けんぽ」は本紙の取材に、約4000万人いる加入者の1%に当たる約40万人分でひも付け作業が終わっていないとしています。
 協会けんぽの担当者は「加入者本人に書いてもらった住所と住民票上の住所が合わないため、本人と特定できずにマイナンバーを取り寄せることができないために作業ができない事例などがある」と説明します。
また担当者は「協会けんぽ特有の事情で起きたものではない。他の保険組合でも同じ事象がありうる」とのべました。紙の健康保険証での受診はまったく問題ないとしています。
 国民健康保険を所管する厚生労働省保険局国民健康保険課は「(国保についても)実態把握を含め、対応を検討している」と本紙に答えました。この間、相次いで発覚した誤登録に続いて、多数の未ひも付け者を生んでいることが今回わかりました。政府が描くマイナンバーカードでの受診の大前提だった医療保険の情報とマイナンバーのひも付けすらままならない状況は制度の欠陥を示しています。また政府が来年秋に計画する紙の健康保険証の廃止は、この未ひも付け問題の発覚で不可能であることは明らかです。

女性議員 46都道府県で増 地方議会は比率なお17% (8.25 日本経済)

 地方議会で女性議員比率が高まっている。4月の統一地方選挙では41道府県議選との合計で女性の当選が最多だった。しかし、全国の比率は17%と欧米より低く、巾広い視点を行政に生かすにはさらなる引き上げが必要だ。
 総務省がまとめた23年の統一地方選の結果を19年末と比べた。(23年中に統一地方選以外の日程で実施された選挙結果は未反映)福井県を除く46都道府県で割合は上昇し、増加巾は香川県が前回より4.9%上昇と全国で最も伸びた。香川県議会は2人だった女性議員が9人となり定数41に占める割合は22%となった。
 女性の政治参加を促す同県の地元組織は現職の女性議員との討論会、交流会などで選挙制度を巡る勉強会を重ねている。 佐賀県でも党派を超えて活動する「佐賀県女性議員ネットワーク」が発足している。
 地方議会の多くは議員のなり手不足が深刻だ。各地で活発になる連携組織の動きは世代交代する際に候補者の供給源にもなる。地方議会に女性が増えることで子育てや福祉などの政策充実が期待される。
 市町村議会では、定数16のうち女性が10人と過半数を占める議会(千葉県白井市議会)も出てきた。しかし、女性が全体で30%を超すのは東京都のみで神奈川県など6府県が20%台。200を超す地方議会で女性がゼロという。日本は「国政でも衆参合わせて16%。政治の世界における男女差の是正は道半ばだ。
 多様な民意を反映し地域を変える上でも暮らしに直結した地方議会で女性議員が活躍の場を広げる必要がある。

予算・税・財政 

県内ふるさと納税257億円 昨年度55億円増、最多更新 (8.2 茨城)

 ふるさと納税制度に基づく県内自治体への2022年度の寄付総額は、前年度から55億6104万円増えて257億8376万円となり、3年連続で過去最多を更新した。総務省が1日発表した。寄付件数も35万8316件増の134万6792件で過去最多。制度が始まった08年度以降、認知度が高まったことなどが背景にあるようだ。

寄付受け入れ額の県内上位10市町
①境 町 59億5349万円 ②守谷市 55億7419万円 ⓷日立市 20億1319万④つくばみらい市 20億606万円 ⑤ 取手市 10億8287万円 ⑥八千代町 9億3802万円 ⑦ 大洗町 9億2737万円 ⑧ 下妻市 5億5813万円  ⑨土浦市 5億839万円  ⑩ 牛久市 5億532万円

寄付上位 進む固定化 ふるさと納税 過去最高9654億円 (8.2 朝日)

 総務省は1日、全国の自治体が2022年度に受け入れたふるさと納税の寄付総額が前年度比1・2倍の9654億円だったと発表した。寄付件数も同l・2倍の5184万件で、いずれも過去最高を更新した。 一方で、寄付を多く集める上位の自治体の固定化が目立つ。識者からは「新たな地方間格差が生まれている」との指摘がある。
 総務省が公表した調査によると、22年度に寄付額が最多だったのは宮崎県都城市(前年度は2位)で195億円、2位は北海道紋別市(同1位)で194億円、3位は北海道根室市(同3位)で176億円。トップ5自治体は前年度と同じ顔ぶれだ。22年度までの3年間では、寄付額トップ10の自治体のうち半分が同じだった。今年のトップ3に、北海道白糠町と山梨県富士吉田市が加わる。トップ20自治体で見ても半分が同じで、上位の固定化は鮮明になりつつある。さらに、トップ20自治体の寄付額が、全国の寄付総額の2割ほどを占める状態もここ数年続いている。 一部の自治体に寄付が偏っている。
 要因として挙げられるのが、寄付の後に自治体から送られてくる返礼品にある。人気の品は、「肉類」「魚介類」「果物類」だという。トップ自治体は、ブランド牛やカニやホタテなどヽもともと国内有数の産地が目立つ。総務省が上位自治体の公表を始めた14年度以降、常にトップ10に入り続けている都城市は、肉用牛の農業算出額が全国1位。焼酎「黒霧島」で知られる霧島酒造もあり、返礼品が寄付額の多さを下支えする。ほかに紋別市はカニ、根室市はホタテ、佐賀県上峰町は米の産地だ。寄付者はカタログショツピングのように返礼品で寄付先を選んでいると言われている。
 「返礼品の調達にかかる費用は寄付額の3割以下」とする基準があるが、違反する自治体も出ている。

森林環境税 見直し検討へ 山間部に手厚く (8.18 朝日)

 政府は、森林整備の経費に充てる「森林環境税」について、自治体間での配分を見直す方向で検討に入る。税収の多くが都市部に配分される制度になっているため、本来の目的にあわせて山間部への配分を手厚くする。年末の税制改正での実現をめざす。林野庁が税制改正要望に盛り込む。
 森林環境税は、住民税に年1千円を上乗せして集める。税収は年600億円程度を見込み、全額を市区町村と都道府県に配る。森林環境税の徴収は来年度からだが、自治体への配分は別の財源を元手に2019年度から先行して始まっている。配分額は、50%を森林面積(私有人工林)、30%を人口、20%を林業就業者数を基準に決まる。
 今回、この配分基準の見直しを検討する。人口の割合を下げ、森林面積の割合を上げる案が有力だ。変更される配分額は少なくとも数十億円になる見通しだ。税収の使い道は、間伐などの森林整備や林業の人材育成、公共施設での本材利用などに限定されている。森林整備が目的の税金だが、22年度に市区町村で最大の配分額だったのは横浜市。和歌山県田辺市など広い森林を抱える自治体に加え、大阪市や名古屋市も上位に名を連ねた。人口による配分額が多いためだ。こうした都市部では、配分額の多くが公共施設での本材利用などに使われている。当面の使い道が見つからず、基金に全額を積み立てている自治体もある。

まちづくり・都市計画 

民需なき「官製都市」広がる 再開発3割 自治体が施設購入 (8.3 日本経済)

 市街地再開発に民間資金が集まらなくなっている。日本経済新聞社の調査によると、過去5年間の再開発事業の約3割で、国と自治体が補助金を投入したうえ建物の一部フロアを買い取っていた。人口減で民需が低迷する中、事業を成立させるためだ。
 公的資金の二重投入による「官製再開発」は地方財政を圧迫する。採算性の見極めや建設費を抑える発想が要る。
 市街地再開発は本来、民間主導で古い住宅や商店が密集する地域などを商業施設やマンション、オフィスビルなどを刷新する事業だ。国や自治体が整備費の一部を補助し、事業者は新たに生み出される床(保留床)を販売し収益を得る。問題はこの手法が時代に合わなくなっていることだ。自治体が買い取って市民会館や図書館を整備する例が相次ぐ。
 2018~22年度に国の社会資本整備総合交付金などをつかった106市区町の198の再開発事業を調べたところ、27%にあたる54事業(47自治体)で「公的資金の二重投入」が確認せれた。54事業に投じた公的資金の総額は少なくとも7641億円。このうち自治体の保留取得費は2526億円に上った。
 調査では少なくとも19%38事業(35自治体)で公的資金の総額が事業費の5割を超えた。公的資金の割合が8割を超す事業も6県あった。
 水戸市泉町地区の再開発もその一つだ。東日本大震災で破損した市民会館の移転が決まると市は171億円(21年度末時点)で保留床を購入。大ホールや会議室を備え、延べ床面積が旧施設の2.9倍の市民会館を新設した。総事業費312億円の96%を公的資金で賄った計算となる。
 運営費は年3億2千万円の見込みで、1日当たり90万円近い税金が投じられる。約1.4km先には1500席の大ホールを備えた「県民文化センター」もあり、採算性を疑問視する声もあるが、市は「街の活性化」という使命があり、会議場機能も必要と主張する。
 まちづくりコンサルタントは再開発について「ハコモノの建設を目的にするのではなく、街をどう育てるかを丁寧に議論する必要がある」と強調する。

自転車に反則金 警視庁方針「青切符」交付へ (8.4 茨城)

 警察庁は3日、自転車の交通違反に対し、交通反則切符(青切符)の交付を可能にする制度変更を目指す方針を明らかにした。「信号無視」などの違反をした利用者に反則金の納付を通告することができるようになる。違反抑止を図るのが狙い。担当者は「対象は悪質で危険な違反が念頭にある」と説明。有識者検討会で今月から議論を始め、悪質性の判断を含め公正な取り締まりの在り方を議論する。
 
地域おこし協力隊、1万人計画 若者の地方移住、伴走役いますか? (8.8 朝日)

 地域おこし協力隊とは、青年海外協力隊の国内版として総務省が09年度に創設した。隊員は都市から過疎地に移住し、地場産品の開発や農林水産業などを担う。09年度は31自治体89人だったが、田舎で暮らしたい若者に人気となり、22年度は1116自治体が6447人を採用した。隊員の4割が女性。7割が20~30歳代。最長3年の会計年度任用職員だが、任期後も65%の人が近隣市町村を含む同一地域に住む。報酬は徐々に引き上げられ、年280万円。さらに家賃など年200万円の経費も。これらは総務省が特別交付税として配分し、自治体の懐は痛まない。
 しかし「増えると、地域とのトラブルとかミスマッチの問題が起きます」との協力者の体験から自治体職員が協力隊員に「伴走」することが重要と言われる。隊員1人ずつ年3回面談し、各自の目標や悩みを聞いてあげるなどケアーが重要だ。

公共施設 再開発で巨大化 維持費膨らみ財政圧迫 (8.16 日本経済)

 市街地再開発で整備する公共施設が巨大化している。再開発ビルの一部を自治体が購入して建てる市民会館などの面積が旧施設の2~3倍に膨らむケースが相次いでいる。人口減少が進む中、国は自治体に公共施設の統廃合などを促しており、規模ありきで進む計画の見直しが欠かせない。市街地再開発は、地権者の取得権利部分を除く「保管床」を開発業者が販売し事業費を稔出する。地方を中心に採算が見込めない再開発が目立ち、国や自治体の補助金を投じたうえ自治体が保留床を買い取り公共施設を新設する「官製再開発」が相次ぐ。
 日経の調べでは、2022年度までの5年間に国の社会資本整備総合交付金などを受けた市街地再開発198事業のうち27%(54事業)で自治体が保有床を買い取っていることが判明している。新たに見えてきたのが大型イベントの誘致を狙った公共施設の大型化だ。
 7月に開業した水戸市民会館は、延べ床面積が旧施設の2.9倍に拡大。市は保留床購入費に171億円(21年度時点)を投じた。2千席規模の大ホールなどが入り、市は年間60万人の利用者を見込むが、既に1500席のホールを備えた茨城県民文化センターがある。
 巨大化の指標には、「大型施設の導入が街の活性化につながる」という行政の期待がある。人口減少により従来の経済循環は成立しなくなっており、類似施設の乱立が自治体間の消耗戦を招く恐れがある。

戦争遺跡存続 思い託された 旧海軍航空隊施設整備し公開 (8.18 朝日)

 美浦村の鹿島海軍航空隊跡が、史跡公園「大山湖畔公園」として生まれ変わり、7月から一般公開された。
 公園を管理運営する会社「プロジェクト茨城」(笠間市)は「これだけの規模の遺構が手つかずのまま残る戦争関連史跡は全国でも珍しい。」と話す。鹿島海軍航空隊は1938年に発足した。パイロットを養成する海軍飛行予科練習生(予科練)を終えた20歳前後の飛行練習生らが水上機の操縦訓練をした。
 施設は不法侵入が後を絶たず、荒廃も問題となっていた。村は旧本庁舎などが残る約4㌶を2016年に国から購入した。戦争遺跡として残すべきだという声が上がり、史跡公園として整備した。プロジェクト茨城は、笠間市の筑波海軍航空隊記念館も運営している。同記念館では、特攻隊員の残した手紙や写真など多くの資料を展示している。その大半は開館後に遺族らから寄せられたものだという。
 「戦争遺跡を残したことで人々の交流が生まれ、新たな資料や証言も集まる。単に過去を伝えるだけではなく、未来に向けた活動の拠点になる」。ただ、戦争遺跡を自治体が単独で維持するのは財政的に難しい場合もある。「施設同士が連携して資料のデジタル化を進めるなど、将来も戦争体験を継承していける仕組みづくりが必要です」と語る。(「戦後78年 記憶を継ぐ」中)

地域経済 

ビッグモーター街路樹枯死 県内3店舗前でも 県調査 (8.1 朝日)

 ビッグモーター(本社・東京都)の一部店舗周辺の公道に植えられた街路樹が枯れたりなくなったりしていた問題で、県内でも3店舗で樹木が枯れるなどしていた。県が31日、県管理の国道や県道沿いの3店舗を調べた結果を公表した。県道路維持課によると、県内にビッグモーターの店舗は8店舗ある。国管理道路沿いの店舗が3店舗で、県管理道路沿いが6店舗。県内8店舗のうち5店舗は、道路に面しているがそもそも樹木などはないという。
 県は、ビッグモーターの問題が報道されたことを受けて7月27~28日、県道沿いなどにある「ひたちなか店」「つくば店」「アウトレット阿見店」の3店舗を、目視やグーグルマップのストリートビューなどで状況を調査。その結果、ひたちなか店では、県管理の国道沿いの低い植栽が消失していることが確認された。2013~15年になくなったと推測している。つくば店は、一部の本が枯死し、葉がない状況だったという。19~22年に枯れたとみている。阿見店はほとんどなにも残っていない状況で、16年までに枯れたと推測している。
 県は今後、ビッグモーターに聞き取りをしていく予定で、その後に土壌調査も実施する。ビッグモーター側が除草剤などを使って故意に枯らしたり、伐採したりしたと認めることがあった場合は、原状回復を求める。また警察と相談しながら被害届の提出なども検討していくという。

県つくばみらい工業団地にダイキン立地 需要が高い (8.3 茨城)

 県は2日、つくばみらい市に造成している工業団地「圏央道インターパークつくばみらい」に空調メーカーのダイキン工業(大阪)の立地が決まったと発表した。2028年までの工場稼働に伴い、300~400人の雇用を見込む。
 県が20年ぶりに造成した同工業団地は、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿線で需要が高く、昨年に続く分譲で完売した。

農地取得国籍届け出 来月から 経済安保・外国人所有を把握 (8.4 朝日)

 農林水産省は9月から、農地を取得する際の申請項目に「国籍」を追加することを決めた。外国人の農地所有について「より的確に実態を把握する」(野村哲郎農林水産相)ためで、経済安全保障の観点から外国人の農地取得の把握を強化する。農地法施行規則を改正する省令案に明記した。
 個人や法人が農地を取得するには市町村の農業委員会に申請し、許可を受ける必要がある。施行後は個人の国籍のほか、法人の場合も設立した国や大株主の国籍などを届け出てもらう。ただ、「(取得を)許可するかどうかの直接的な要件ではない」(担当者)としている。また、同省は今後、すでに所有者のいる既存の農地についても住民基本台帳と照らし合わせて国籍を把握する作業を進める。
 同省は2017年から外国法人や海外在住の外国人の農地取得状況を調査。これまでに6社計67・6㌶の取得が明らかになった。また、今年の公表分から初めて日本国内に住む外国人らの取得状況(22年分)を調べたところ、114人(法人含む)で計154㌶だった。06年から同省が調べている森林のケースでは、北海道などの計9500㌶を外国人らが取得。農地を買うには農業に従事していることなどが求められるため、森林に比べると農地の外国人所有割合は小さい。今秋から自治体の申請があれば企業の農地保有がしやすくなる。

本県の最低賃金 953円 審議会答申 42円引き上げ (8.8 茨城)

 茨城地方最低賃金審議会(会長・清山玲茨城大教授)は7日、2023年度の本県の最低賃金を1時間当たり42円引き上げ、953円に改定するよう茨城労働局の沢口浩司局長に答申した。引き上げ幅は4・61%で過去最高。時給も最高を更新した。10月1日から適用される見込み。"中央最低賃金審議会が7網月に示した目安の40円を2滑円上回った。茨城労働局によると、引き上げは20年連続となる。
 茨城地方最低賃金審議会の専門部会は8月に入り、計3日間開催。使用者側、労働者側、公益委員の計9人で、原材料価格の高騰や物価上昇の影響などについて協議した。この日の専門部会では、公益委員が42円の見解を提示。公益委員の部会長を除いて採決した結果、労働者側と公益委員の5人が賛成し、使用者側の反対3人を上回った。
 報告を受けた同審議会では会長を除いて採決し、賛成9人、反対5人で結審した。答申には物価上昇の影響を受ける中小企業への支援強化などの要望を盛り込んだ。引き上げ額について、労働者側と使用者側で評価が分かれた。連合茨城の大森玄則部長は「満足できる数字ではないが、一定の評価はできる」と話した。県経営者協会の沢畑英史事務局長は「大幅なアップは中小企業には厳しい。行政には中小企業への支援をお願いしたい」と訴えた。
 大井川和彦知事は「近隣他県との格差是正に配慮されたものとは考えられず、極めて遺憾だ」とした上で、「引き続き、積極的な引き上げを働きかけていく」とコメントした。

最低賃金42円増953円に (8.8 朝日)

 県内の最低賃金(時給)が、10月1日から953円となる見通しとなった。茨城地方最低賃金審議会が7日、現在の911円から42円引き上げることが適当だと茨城労働局長に答申した。引き上げ額を時給のみで示すようになった2002年以来最大の上げ幅になった。県内の最低賃金は、厚生労働省の中央最低賃金審議会が示す目安を踏まえて、茨城地方最低賃金審議会が審議し、答申を受けた茨城労働局長が決める。茨城の審議会は、会長の清山玲・茨城大教授ら公益の代表、使用者の代表、労働者の代表からなる。
 今回、中央の審議会は、県内の引き上げ額の目安を過去最大となる40円とした。物価が高騰するなか、これを受けた茨城の審議会では、中央より2円高くすることを決めた。

上半期倒産企業72件 県内10年ぶり70件超 (8.10 朝日)

 帝国データバンク水戸支店がまとめた、今年上半期(1~6月)の県内企業の倒産集計(負債額1千万円以上)によると、倒産件数は72件で、前年同期より20件増えた。上半期の倒産が70件を超えたのは2013年以来。負債総額は約122億円で、前年同期比4億3300万円減だった。
 新型コロナ禍の影響と判断されたのは30件だった。同支店によると、コロナ対策として企業の資金繰りを支援した実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化していることに加え、原油・原材料の高騰が重なっているという。5月には、1872(明治5)年創業の老舗菓子メーカー「阿さ川製菓」(水戸市)が、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約10億1千万円だった。
 同支店の担当者は「コロナ禍をゼロゼロ融資でなんとか生き延びてきた企業は体力がなく、倒産がこの時期に表面化している」と分析する。倒産の主因別では、「販売不振」が52件で最多。「火災、その他の災害」が8件、「その他の経営計画の失敗」が5件と続いた。業種別では、「小売り」が16件で最も多く、「製造」が15件、「サービス」が13件だった。同支店はまた、新型コロナ影響3年で151件倒産と発表。

物流施設 立地相次ぐ 県内、大型化が加速 (8.16 茨城)

 ネット通販の拡大を背景に、県内で物流施設の立地が相次いでいる。施設は大型化が進み、首都圏で1年間に建設される総面積は、3年前の約2倍に増加。中でも交通の利便性から首都圏中果連絡自動車道(圏央道)沿線が人気を集める。一方で製造業などに比べると、雇用創出など地域への波及効果は限定的との課題もある。
 ネット通販の拡大を背景に、県内で物流施設の立地が相次いでいる。施設は大型化が進み、首都圏で1年間に建設される総面積は、3年前の約2倍に増加。中でも交通の利便性から首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿線が人気を集める。一方で製造業などに比べると、雇用創出など地域への波及効果は限定的との課題もある

大規模輸出 県が支援 県産品1社年5000万円に (8.18 茨城)

 県は県産品の大規模輸出に意欲的な県内企業に対する独自支援に乗り出した。輸出先の二―ズに合った商品の開発費や改良費を助成するほか、海外市場に詳しいコーディネーターを要望に応じて派遣。3年以内に1社当たりの年間輸出額が5千万円以上となるよう後押しする。成功事例を増やし、県内企業の輸出への機運を高めたい考え。
 県グローバルビジネス支援チームによると、支援対象は、農産物や加工食品の輸出拡大に取り組む企業。商品開発や改良、進出先の市場調査、商品を売り込む商談会やプロモーションの費用など最大200万円を助成する。
 国内の商社や海外市場につながりを持つコーディネーターも選定し、国内商社や現地の販売代理店とのマッチングにつなげる。県は必要に応じて助言し、輸出事業の大規模化を後押しする。
 県は既に、コーヒー加工販売、菓子製造、サツマイモ加工などの計4社を支援企業として選定した。いずれも輸出経験は少ないが、一定以上の生産能力や国内での販売実績を持つことから、同チームは「各社とも海外で大規模な販路を開拓できる潜在能力がある」と評価する。
 本県の農水産物や加工食品、工業製品などを合わせた輸出額は、2022年度が256億2300万円だった。調査を始めた17年度以降で過去最高を更新し、県総合計画に定めた25年度目標198億円を3年早く達成した。
 一方、人口減少による国内市場の縮小は避けられない。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の将来推計人口では、約50年後の70年の総人口が8700万人。本県.では、県総合計画(22~25年度)で示す将来人口は、50年に255万人と推計している。
 22年度、輸出額が5千万円以上に達した県内の加工食品業者は、県の調査に回答した72社のうち7社にとどまる。継続的な需要の確保に向けては、新たな海外市場の開拓や県内企業の新規参入とともに、輸出の大規模化が鍵となる。
 同チームの渡辺達彦チームリーダーは「海外への販路拡大を目指す企業を支援することは、本県にとってメリットとなる。大規模に輸出に取り組める企業を掘り起こし、集中的に支援することで、県内企業の輸出に対する関心を高めていきたい」と強調した。

県内タクシー値上げ 来月19日から 加算運賃の距離短く (8.19 茨城)

 関東運輸局(横浜市)は、茨城県内のタクシー運賃の値上げを公表した。実施は9月19日から。普通車の初乗り運賃の上限は現行の740円から500円に下がる一方、距離が2キロから1.1キロに短くなる。加算運賃の上限は現行の90円から100円となり、距離は277メートルから256メートルに短縮される。値上げ率は14・18%。運賃改定は消費税上昇に伴う改定を除き、2007年以来約16年ぶり。県内のタクシー普通車の初乗り運賃の上限は、現在の「2キロで740円」から、新運賃では「1・1キロで500円」となる。加算運賃の上限は、現在の「277メートル」ごとに90円」から、改定後は256メートルごとに100円」となる。
 関東運輸局によると、今年に入り、管内でのタクシー運賃の改定は本県が初めて。昨年11月以降、県内のタクシー事業者から値上げ申請が相次ぎ、今年1月末までに144社に達した。申請台数の割合が76%となり、同運輸局が審査開始の条件とする70%を上回った。
 県ハイヤー・タクシー協会(水戸市)の服部透専務理事は「新型コロナウイルス感染拡大で受けた打撃と原油高騰に対応したい」と述べ、改定を歓迎。運転手の給与水準引き上げや人手不足の解消につなげたいと説明した。タクシー業界では、燃料費や人件費の高騰などを背景に、運賃引き上げの動きが全国的に広がっている。

新規就農が過去最少 22年農水省調査 (8.31 日本農業)

 2022年の新規就農者が45,840人となり, 前年から12%減ったことが農水省の調査で分かった。雇用が他産業に流れるなどして統計データのある06年以来最少となった。特に親元就農は同15%減と大きく落ちこんだ。
新規自営農業就業者    31,400人(前年比15%減)
(親元就農者)
男女性   女性      8,830人(前年比10%減)
      男性     22,570人( 〃 22%減)
49歳以下         6,500人(前年比10%減)
新規雇用就農者      10,570人(前年比 9%減)

環境と開発 災 害

イノシシ作物被害7割 県内5年で 対策強化が奏功 (8.11 茨城)

 県内の2022年度のイノシシによる農作物被害額は前年から1干万円減の約5200万円で、ピークの5年前から7割減となったことが10日、県のまとめで分かった。県はイノシシ対策条例を18年に施行後、捕獲の強化や侵入防止柵の設置などを促進しており、対策強化が被害額の大幅減につながったとみている。

医療・福祉・社会保障・教育 

学力テスト 中3国語、本県5位 算数、平均下回る (8.1 茨城)

 文部科学省は31日、小学6年と中学3年の全員対象で4月に行った2023年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。県教委によると、本県公立校の正答率は中3国語が前年に続いて全国5位だった。4年ぶりに実施した中3英語は15位。小6算数は全国平均をわずかに下回り、27位だった。

神栖に特別支援学校 27年ごろ 県が新設方針 (8.2 茨城)

 県が神栖市内に特別支援学校を新設する方針を固めたことが1日、関係者への取材で分かった。場所は市南東部の波崎地区を念頭に、2027年ごろの完成を目指す。鹿行地域の特別支援学校は現在、鹿島特別支援学校(鹿嶋市沼尾)の1校のみ。児童生徒によっては通学の負担が大きいなどとして、市内の保護者らが約1万人の署名を県に提出、県は新設を含めた対応を検討していた。
 県内の特別支援学校は県立23、国立1、日立市立1の計25校ある。一方で、鹿嶋、潮来、神栖、行方、鉾田5市の鹿行地域では、鹿島特別支援学校の1校に限られる。
 県教委特別支援教育課によると、5月1日現在、鹿島特別支援学校は356人が在籍し、つくば特別支援学校に次ぐ県内2番目の規模。児童生徒の増加により、普通教室が13室不足したため、昨年度増築した。神栖市からは、5市の中で 最も多い約130人が通学し、遠距離の波崎地区から通う児童生徒もいる。県内特別支援学校への通学について、県教委は片道80分以内を努力目標に設定する。同課は神栖市内から同校への所要時間は最大80分としている。

特別支援学校神栖に新設へ 県、27年の開校めざす (8.5 朝日)

 鹿行地域には特別支援学校が鹿嶋市に1校しかなく、神栖市の一部地域からは最長で通学に片道約80分かかるため、県は4日、神栖市内に特別支援学校を建設すると発表した。地元の保護者から新設を求める約1万人分の署名が提出されていた。2027年4月の開校をめざす。予算は約40億円を見込んでいる。
 神栖市須田の若松運動場に隣接する市有地に校舎と体育館を造る予定で、土地は市から無償で貸与される。24年度までに設計し、25年度から工事を始める予定。児童生徒数は約150人、学級数は約35を想定している。
 県教育委員会特別支援教育課によると、少子化が進む中でも県内の特別支援学校の児童生徒数は増加傾向。4日現在で県立23、国立1、日立市立1の計25校がある。

シルリハ20年拡大進む 県内外 要介護者も視野 (8.6 茨城)

 本県独自の介護予防体操「シルバーリハビリ体操(シルリハ)」が普及活動の開始から20年目を迎え、県内外で一層広がりを見せている。指導士は累計1万人を超え、教室開催は県内全44市町村のほか、県外の15道県48市町村にも拡大。指導士養成事業を展開する県立健康プラザ(水戸市)はさらなる発展に向け、要介護者も教室に通える体制づくりを視野に入れる。
 教室の参加者は現在、介護の必要がない人が多い。社会の高齢化が進む中、要介護の人にも目を向けていく時期で、
 介護予防を担うシルリハの新たな展開を視野に入れる必要がある。要介護者でも人が集う教室に来て仲間と一緒に活動し、社会との接点を失わないことが一つの狙い。座ったままや寝たままできる特徴を生かし、要介護度を上げないようにするのも大きな目的である。
 ただ、家から教室までの移動、教室内での支援は容易ではない。県理学療法士会などとの連携や、要介護者向けの教室を絞り込むなど、サポート体制をしっかりと構築していく必要がある。高齢者が最後まで生き生きと暮らせる社会こそ、幸せな社会。シルリハは今後も高齢化計会で重要な役劃を担う。

給食無償化 自治体482 全都道府県に広がる(8.18 しんぶん赤旗)

 今年度、小中学校の給食費を無償にする自治体が482に広がっていることが、本紙の調査でわかりました(学校給食無償化調査チーム)。前回調査(2022年12月)は、制度として無償化した自治体が対象でした。今回は、新型コロナ感染症対応で設けられた国の地方創生臨時交付金を使い、期間限定で実施する自治体も対象です。
 小中学校とも給食費が今年度無償、あるいは今年度実施予定の自治体は482、小学校のみは14、中学校のみは17です。小中とも無償の自治体は、全都道府県に広がっています。東京都23区では18区が、県庁所在地では青森市、大阪市、奈食市、高松市、那覇市が小中とも無償です。
県内 
潮来市、神栖市、日立市、北茨城市、鉾田市、石岡市、稲敷市、かすみがうら市、結城市、大子町、城里町、河内町、境町:13市町村
中学校のみ:水戸市

いじめ1年超調査せず 水戸の私立中 生徒不登校に (8.25 朝日)

 水戸市の私立中学校3年の女子生徒が、他の生徒からいじめを受けたとして、いじめ防止対策推進法に基づく調査を再三求めたものの、学校側が1年以上調査を始めなかったことが、関係者への取材でわかった。女子生徒は不登校の状態が半年以上続いているという。
 女子生徒側が、所属していた運動部の女子部員らからいじめを受けたと学校に訴えたのは昨年5月。学校側は今年8月になって、女子生徒側の訴えを受け入れ、同法に基づく「重大事態」があったとして県に報告し、調査に入るとした。女子生徒側は、「長期間にわたって問題を放置した」と学校側の対応が不適切だったと指摘している。
 女子生徒は今年1月から不登校になった。保護者は同月以降、県にいじめの被害や学校の対応について相談。学校に対しても、同法が定める「重大事態」に該当する行為があったと再三訴えた。学校は8月になって、この問題を「重大事態」と捉えて調査に入る旨を保護者に通知。10月末までの間、外部の有識者を交え、いじめの当事者らに聴き取り調査を行うとしている。 .

県教育試験5月に前倒し 24年度志願者増目指す (8.29 茨城)

 県教委は28日、2024年度の教員採用試験の1次試験を約1カ月前倒しし、5月12日に実施すると発表した。公務員試験や民間企業の採用選考と時期を合わせることで志願者を増やし、優秀な人材の確保につなげたい考え。小学校教員の採用試験については、新たに大学3年生も23年12月に1次試験を受験できるようにする。

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