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2023/05

2023/05

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2023年5月分


コロナ感染拡大と対策

コロナ「5類」移行 感染対策は個人判断 (5.9 しんぶん赤旗)

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが8日、「2類相当」から「5類」に移行しました。行動制限に関する法的根拠がなくなり、感染対策は個人の判断が基本となります。患者の受け入れを一部病院などに限っていた医療提供体制を、幅広い医療機関で受け入れる対応に順次改めます。新型コロナはこれまで、感染症法で「2類相当」に位置付けられ、受診できる医療機関の制限や、感染者の入院勧告、就業制限などの 措置が取られてきました。
5類移行に伴い、無料だったウイルス検査や外来診療の費用は自己負担となるほか、ホテルなどの「宿泊療養」は原則廃止され、感染者は自宅療養が基本となります。新規感染者数の集計方法は新規感染者数の発表は8日で終了し、全国約5000の医療機関からの報告に基づく「定点把握」という手法で週1回公表されます。
 国内では、2020年1月に感染者が初めて確認され、「第8波」に至る流行を繰り返しました。厚生労働省によると、7日までの感染者の累計は約3380万人、死者は7万4669人に上りました。政府は感染拡大防止のため、飲食店などの営業やイベント開催を制限できる「緊急事態寛言」を4回発令しました。

対応変わっても、なお警戒 新型コロナ「5類」に引き下げ (5.9 朝日)

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが8日、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に引き下げられた。無料だった検査や外来診療、入院に自己負担が生じるなど、医療上の扱いは大きく変わった。 一方で、感染拡大への警戒は、なお続く。

保健所の人院調整なくなるのが不安
 「5類になったからといって、コロナの危険性がなくなったわけでもない。当面の間は、これまでの延長線上で対応していきます」水戸市泉町3丁目の「岩間東華堂クリニック」。岩間誠院長(74)は8日、こう話した。午前中には発熱した患者2人を診察した。同クリニックは発熱外来として、コロナ感染が疑われる患者に対応してきた。
 これまでは例外を除いてすべて公費負担だったコロナ関連の医療費は、一部で自己負担が発生する。検査・外来には公的医療保険(1~3割の自己負担)が適用される。
 水戸市内の特別養護老人ホームの事務課長(33)によると、「不安を感じているのは、保健所による入院調整がなくなることだ。5類移行によって、軽症患者は広く一般的な医療機関で入院を受け入れることになっている。これに対して、「福祉施設には協力病院があるが、そこがこれまでコロナの入院を受け入れていなかった場合、保健所の後ろ盾がなくなると、クラスター発生時に入院させてもらえるかどうか。医療機関と福祉施設の連携がより必要になるのでは」と話す。
 5類移行により、医療全体への負担軽減が期待されるが、課題もあるという。
 一方で、より多くの医療機関がコロナ患者に対応していくにあたり、施設の構造上、コロナ患者とほかの患者が接触しないよう動線を分けられないなど対応が難しい医療機関もある。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

処理水放出前の濃度測定 規制委、30種で認可 (5.11 朝日)

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、原子力規制委員会は10日、放出前に濃度を測る放射性物質を64種から30種に変更する東電の計画を認可した。処理前の汚染水の段階で濃度が十分に低い放射性物質を除外するなど、変更は妥当だと判断した。
 東電が規制委に申請した処理水の放出設備や運用の審査はこれで終わった。東電は6月までに設備工事を終える方針で、7月にも放出の準備が整う見込み。
 規制委が昨年7月に認可した当初の計画では、放出前の測定対象として、汚染水から大半の放射性物質を除去する多核種除去設備(AァL,レPプSス)で取り除けないトリチウムなど64種を選んでいた。
 東電はこれらの物質が汚染水にどれだけ含まれるかを検証したうえで 改めて測定対象の変更を申し立てるとしていた。過去の汚染水の分析で濃度が国の基準の100分の1未満と十分に薄かったり、短期間で自然に量が減る性質だったりする放射性物質を除外したという。変更した計画が認可されたことで、30種の放射性物質の濃度をクリアすれば法的には海洋放出が認められる。

高速炉「常陽」事実上合格 規制委の再稼働審査 (5.25 茨城)

 原子力規制委員会は24日、日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(大洗町)について、再稼働に向けた安全対策が新規制基準に適合しているとする審査書案を了承し、事実上の合格とした。今後、国民から意見公募などを行った後、正式決定する。機構は2025年3月の運転を目指す。
 高速炉は通常の原発と違い、使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた「MOX燃料」を使い、発電しながら消費以上のプルトニウムを生み出す。冷却材には、水を使う通常の原発と異なり、燃えやすい性質のナトリウムを使用する。審査ではナトリウム火災や多量の放射性物質放出、自然災害対策などを議論したほか、現地調査した。杉山智之委員は「常陽は他の試験炉よりも大規模な審査となり、審査水準も発電炉に近い。可燃性の高いナトリウムは特段に配慮した」と述べた。
 常陽は国内唯一の高速炉で、廃炉になった高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の前段階に位置付けられる研究施設。発電はしない。機構は25年3月の再稼働を目指しており、高速炉開発や、医療用の放射性同位体の製造で活用する方針。
 事故対策などに伴い、安全対策の総工事費は膨らみ、約207億円を見込む。常陽の熱出力は本来14万キロワットだが、機構は避難計画を巡る地元対策を簡略化する目的で、設備改造をせずに10万キロワットに抑えて運転する方針だった。だが、規制委が問題視したため、炉心に入れる燃料構成を変えて出力の性能を下げることになった。

実験炉「常陽」新基準適合 知事と大洗町長 「事前了解判断へ」 (5.25 朝日)

 2007年から停止している日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(大洗町)の安全対策について、原子力規制委員会が24日、新規制基準に適合すると認める審査書案を了承した。意見募集を経て正式に決まれば、県や大洗町に運転再開の事前了解を得る手続きに移る。原子力機構は2024年度末の運転再開をめざす。
 常陽は、プルトニウムを燃料に使う高速炉を開発するための小型の実験炉で、1977年に運転を開始したが、機器トラブルで2007年から停止していた。原子力機構は17年3月、規制委に常陽の審査を申請。安全に対する姿勢が問題視され、約1年半にわたり審査が保留された。熱出力14万キロワットに対して同10万キロワットでの運転を前提にしたことで、事故に備えた避難計画をつくる地域が半径30キロ圏から5キロ圏に狭まったためだ。
 今後は、県と原子力機構、大洗町などが結ぶ原子力安全協定に基づき、県の原子力安全対策委員会などで安全対策などについて審査し、事前了解をする手続きがある。避難計画は、対象となる半径5キロ圏内の大洗町、茨城町、鉾田市、水戸市の4市町はすでに策定済みという。

地方制度・自治体論・地方自治一般

改憲「機運高まらず」71% 世論調査 (5.2 茨城)

 共同通信社は1日、憲法記念日の5月3日を前に憲法に関する郵送方式の世論調査結果をまとめた。岸田文雄首相が自民党総裁任期中に意欲を示す憲法改正の機運に関し、国民の間で「高まっていない」が「どちらかといえば」を含め計71%に上った。国会での改憲議論を「急ぐ必要がある」は49%、「急ぐ必要はない」は48%で賛否が拮抗した。
 同性婚は「認める方がよい」が71%で、「認めない方がよい」の26%を大きく上回った。改憲機運が「高まっている」は「どちらかといえぱ」も含め計28%。改憲に前向きな自民や日本維新の会を支持する層でも3割台にとどまる。昨年同時期の郵送調査は「高まっていない」が計70%、「高まっている」は計29%で同水準だった。
 国会では昨年から衆院憲法審査会のほぼ毎週開催が定着したものの、論議の活発化が必ずしも機運上昇に結びついていない実態が明らかになった。
 改憲の必要性は「どちらかといえば」を含め計72%が肯定し、「必要ない」の計27%と差が開いた。必要とする理由は「条文や内容が時代に合わなくなっている」が59%で最多で、「新たな権利や義務、規定を盛り込む必要がある」25%と続いた。ロシアのウクライナ侵攻など安全保障環境の激化や同性婚容認の主張など社会の多様化が影響しているとみられる。必要ない理由は「戦争放棄を掲げ平和が保たれている」の43%が最も多かった。
 改憲に「関心がある」「ある程度関心がある」は計67%。9条改正は「必要」が53%、「必要ない」45%だった。選択的夫婦別姓は「賛成」77%、「反対」22%だった。
国会で議論してほしい憲法のテーマを三つまで挙げてもらったところ「9条と自衛隊」が38%でトップ。「社会保障などの生存権」32%、「教育」25%と続いた。
 大規模災害などの緊急事態時を巡り、国会議員任期延長を認める改憲については「賛成」77%、「反対」21%となった。個人の権利を制限できる緊急事態条項.の新設は「賛成」57%、「反対」39%だった。調査は3~4月、全国の18歳以上の男女3千人を対象に実施した。

安保世論調査 防衛増税不支持80% 防衛予算増5年43兆円は不適切58% (5.7 茨城)

 共同通信社は6日、安全保障に関する全国郵送世論調査の結果をまとめた。岸田文雄首相が表明した防衛力強化のための増税方針について「支持する」は19%で「支持しない」が80%を占めた。2023年度から5年間の防衛費を従来の1・5倍超の45兆円に増やす方針は「適切ではない」が58%。中国が台湾に軍事行動を起こし有事となる可能性を「大いに懸念する」「ある程度懸念する」が計89%に上った。
 他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有は賛成が61%で、反対は36%。これらの結果からは、安保環境の厳しさから一定の防衛力強化はやむを得ないが、大幅な防衛費増額や増税までは望まないとの心理がうかがえる。防衛力を巡る首相の説明は「十分ではない」が88%に達した。
 増税を支持しない人に理由を聞くと「今以上の税負担に国民が耐えられない」が48%で最多。東日本大震災復興財源の一部を防衛費に転用する方針は反対が73%だった。
 反撃能力の保有が、周辺国との軍拡競争につながるかどうかは「つながる」が59%で多数。憲法の平和主義に基づく「専守防衛」が形骸化するかどうかも「どちらかといえば」を含め計53%が「形骸化する」と答えた。
 台湾有事の際、日本が取るべき行動は「外交努刀や経済制裁など非軍事手段」が56%。米軍の後方支援が33%で続いた。防衛装備品の輸出ルールを見直し、殺傷能力を持つ武器の輸出を解禁する案への支持は20%。「殺傷能力のない装備の輸出にとどめるべきだ」が54%で最多だった。
 政府が昨年12月に閣議決定した「国家安全保障戦略」など安保関連3文書については「全く知らない」「あまり知らない」が計76%を占めた。

笠間市 チャットGPT 全業務で試験運用 (5.9 茨城)

 笠間市は、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の試験運用を今月中旬に始め、今秋にも導入する方針を決めた。試験運用の対象は市の全ての業務。政策立案や議会答弁、行政サービスの案内補助なども想定する。有効活用できる分野を抽出し、課題を洗い出すのが狙い。使用を希望する職員の募簗を8日、始めた。
 自治体によるチャットGPTの取り扱いについては判断が分かれており、答弁作成や予算編成などでの活用を禁じる動きもある。市デジタル戦略課は「リスクも指摘されるが、社会課題の解決や業務の効率化に有効な可能性もある。とにかく積極的に使ってみて、情報収集することが重要」と説明した。
 試験運用は7月末まで、市の全ての職員が対象。使用の範囲についての指針を設け、企画立案などでの情報収集、行政サービスの案内、文章要約・校正の補助的な手段など6項目を定めた。
 リスク管理として、使用する職員は市に届け出ることや、個人情報や未公表の情報を入力しないなどの注意点を決めた。同課によると、参加する職員や業務が決まった後、今月15日前後に試験運用を始める。終了後、職員にアンケートを行い、改めて正式なガイドラインを策定。問題がなければ、9月にも本格導入する。
 自治体のチャットGPTを巡る動きでは、鳥取県が「4月、予算編成など意思決定に関わる業務での使用を禁止すると発表した。神奈川県横須賀市では、安全管理を徹底した上で全庁的な業務に試験導入するなど、対照的な動きを見せる。県内では、鹿嶋市も5月中旬から一部職員が試験運用すると発表。県は職員が使う際のルール作りを進めている。

チャットGPT つくば市導入、新機能 筑波大と共同研究 (5.11 茨城)

 つくば市は10日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を業務に導入し、筑波大と共同研究を始めたと明らかにした。AIを専門とする鈴木健嗣教授が、全職員が使う別のチャットツールに実装。入力データをチャットGPTに利用されないようにしたほか、回答情報の出典を示すなど新機能を追加した。市は「独自機能を設ける自治体は珍しい」として、職員の業務支援や市民サービス向上につなげる。
 市は先月10日、自治体向けチャットツール「」oGoチャット」に連携させ、同25日から、期限を設けずに全職員が使えるようにした。実装した鈴木教授にちなみ、「AI顧問けんじくん」のアカウント名で表示される。
 LoGoチャットは、パソコンやスマートフォンなどの端末から、行政専用のネットワークを通じて職員同士が文章や画像などをリアルタイムでやりとりできる。チャットGPTのデータ連携機能を使うことで、LoGoチャットで活用できるようにした。
 市情報政策課によると、用途に制限は設けないが、マイナンバーなど機密性の高い情報は入力できない仕組み。個人情報などが入力されていないか、同課でもチェック。同時に、職員が入力したデータが学習データとしてチャットGPTに二次利用されないよう、セキュリティー対策にも配慮している。利用できる市職員2150人のうち、これまでに約250人が英文の添削、新規事業の発案などに活用しているという。
 今後、知識や活用能力といったリテラシーを高める研修のほか、ルールの作成を検討する。使用データを積み上げ、筑波大と共同で有効な使い方を検証していく。

政策条例も委員会付託 県議会議運 議長に答申へ (5.16 茨城)

 県議会の議会運営委員会(鈴木将委員長)は15日、議員提案による政策条例案の審議は、委員会付託を原則とする方針を示した。これまで多くは県議会最終日に上程され、委員会付託を省略し採決していた。方針について今後、各会派の意見を踏まえた上で決定し、「来月開く定例会で議長に答申する予定。
 議員が提出する政策条例案については、興議会の申し合わせで二般質問。質疑終了日の前日正午までに議長に提出」一やむを得ない事由があるときは、採決日の前々日まで」などと定めている。県議会事務局によると、2005年以降に議員提案の政策条例は24件あった。このうち委員会で審議されたのは07年の「いばらきの快適な社会づくり基本条例」の1件だった。この日の議運では議会での意思決定過程の透明性を確保するためにも、委員会に付託すべき」といった考え方が示された。今後、他県議会への視察や各会派の検討を経て答申案を決定し、議長に答申する。
 議運では、議会を傍聴しやすくするため、子育て世代が参加できる親子傍聴席の設置や、請願・陳情のオンライン提出の実現なども推進する考えを示した。

県議会議員提案の政策条例 原則は委員会審議へ (5.26 朝日)

 県議会が、議員提案の政策条例案について、採決前の委員会審議を原則とする方向で検討を始めた。これまでは、閉会日に提案し、委員会審議を省略して即日採決するのが慣例となっていた。政策条例案の扱いを議論している議会運営委員会は、埼玉県議会の視察などを経て、6月の定例会で石井邦一議長に答申する予定だ。
 県議会事務局によると、2005年以降、最大会派・いばらき自民党の議員が中心になり、議員提案の条例24件を制定してきた。
 このうち、委員会審議したのは07年の「いばらきの快適な社会づくり基本条例」の1件のみだった。県議会運営の申し合わせ事項では、「一般質問終了日の前日正午までに議長に提出する」とされているが、「緊急時」の規定もあり、22件は閉会日に提案され、即日採決されてきた。

予算・税・財政 

膨張子ども予算 果実乏しく 出生率横ばい、検証が不可欠 (5.8 日本経済)

 国が本腰を入れ始めた少子化対策に浪費の懸念が出始めている。現場となる自治体で保育所整備などに費やされた全国の予算は20年前の3倍超になったが、想定通りの効果は限定的で効果検証そのものをしていない例もある。
 急速な人口減少を受け矢継ぎ早に事業を実施しているが、実は効果が明確でないものがある。例えば女性就労支援事業だ、直近の就職者数は目標の5割程度にとどまっている。市町村が支出した児童福祉費は2021年度に10.7兆円、20年前との比較では全体で3.2倍に増え、若年世代1人当たりでは4倍近くになった。
 大巾に増えた予算の効果は乏しい。自治体を対象にした内閣府の21年度調査では少子化対策の効果に「子育てしやすいと思う住民の割合の上昇」「出生数の増加」を見込みと回答があった。実際の効果は「住民割合の上昇」が25%出生数の増加はわずか5%だった。
 政府は14年度に地方創生を掲げ、自治体は地方創生戦略を相次いで策定した。策定が新型交付金の交付条件だったほか、国が約1年の短期間で策定を求めた。このため策定自体が目的化し、産官学での十分な議論がないままKPI(重要業績評価指標と呼ばれる数値目標)が設定されたとの指摘もある。
 鹿嶋市は事業と最終目標、中間指標などの因果関係を論理的に明示する「ロジックモデル」で仮説を立て、検証を通じて改善を目指している。

泉佐野市が逆転敗訴 ふるさと納税交付税減額 (5.11 朝日)

 ふるさと納税で多額の寄付収入を得たことを理由に、国が特別交付税を減額したのは違法だとして、大阪府泉佐野市が減額決定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が10日、大阪高裁であった。総務省は2018年度以降、寄付収入が特に多い自治体の特別交付税を減額している。泉佐野市は19年度、交付額が前年度比89%減の約5300万円とされ、「減額は違法だ」と訴えていた。
 富田裁判長は、法律が適正に適用されているか行政同士で争う場合、「紛争の解決は行政内部の調整に委ね、その適正性は国会審議などで確保するのが基本だ」と指摘した。特別交付税の配分額に不服がある場合、総務相に審査を申し立てられるなど「地方交付税法固有の紛争回避の手続きがある」として、「訴訟による解決に委ねることは相当とは言えない」と結論づけた。

(社説)るさと納税根本から制度の再考を (5.12 朝日)

 「ふるさと納税」のゆがんだ仕組みが、貴重な税収を失わせ続けている。総務省は4年前、ふるさと納税への返礼品の調達費を寄付額の3割以下にするルールを導入した。自治体間の競争の過熱を抑えるためだ。同時に、送料や事務費も含めた経費総額は5割以下にする基準も定めた。ところが同省によると、21年度に136市町村が、5割を超える経費を費やしていたという。ルールの軽視が甚だしい。集めたお金の半分以上が税収以外に消えていくことを、どう考えているのだろうか。
 さらに見過ごせないのは、総務省が5割規制の対象にしている経費は「募集に要する」ものに限っていることだ。受領証明書の送料といった寄付後の経費は対象外になっている。
 朝日新聞が納税額の上位20自治体を調べたところ、計63億円の費用が「寄付後」に生じていた。これらを含めると、上位20自治体のうち13で経費率が5割を超える。返礼品の3割基準に違反した自治体は、ふるさと納税の利用ができなくなる。5割基準でも、寄付後の費用も対象にした上で、継続的な違反自治体は利用から除外すべきだろう。
 そもそもふるさと納税は、返礼品を手に入れるために、自らが暮らす自治体の行政サービスにかかる費用負担の回避を認める制度だ。地方自治の精神を揺るがす仕組みというしかない。所得税を多く納める高所得者ほど恩恵が大きく、格差を助長するという欠陥もある。
 財政力の弱い地方を中心に、ふるさと納税に期待する自治体があるのは事実だ。だが、都市と地方の税収格差を是正するにしても、返礼品になりうる特産品の有無で寄付額が左右される仕組みは望ましくない。
 ふるさと納税をめぐっては、多額の寄付金を集めた大阪府泉佐野市への地方交付税減額の妥当性が裁判でも争われてきた。こうした問題が起きたのも、制度自体がゆがんでいるからだ。経費のルールの中身や運用を見直すにとどまらず、制度の存続を含めて、根本からの再考を急ぐべきだ。

子ども予算倍増30年代前半 保険料上乗せ1兆円 (5.23 茨城)

 政府は子ども政策予算倍増の目標時期を2030年代前半とする方向で検討に入った。こども家庭庁の23年度予算約4兆8千億円から倍増し、年5兆円弱が追加で必要。1兆円程度を社会保険料への上乗せにより賄う方針だ。複数の関係者が22日、明らかにした。政府は同日「こども未来戦略会議」会合を開催。次回、倍増時期などに関する方針の素案を公表する。
 政府はまず24~26年度で年3兆円規模を確保し、うち1兆円程度を社会保険料上乗せにより捻出する意向。調整によっては、年3兆円規模の確保は28年度までかかる可能性もある。6月に倍増時期などを「こども未来戦略方針」として定め、経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させる。
 政府は次回、こども未来戦略方針の素案を公表する。後藤茂之経済再生担当相は会合後に記者会見し「安定財源を具体的に記載する」と語った。社会保険料上乗せでは、医療保険で実施する案が有力となっている。上乗せ分を「支援金」として子ども予算に活用することになる。負担増への反発も予想される。新たな特別会計を創設し、収支を管理する方向で調整している。
 「次元の異なる少子化対策」の財源として、社会保険料上乗せに加え、社会保障分野を含む歳出削減や、児童手当などで企業が負担している「事業主拠出金」増が検討されている。

社会保険上乗せ月500円 政府少子化財源へ検討 (5.25 茨城)

 政府が「次元の異なる少子化対策」の財源確保策として、社会保険料への上乗せで国民1人当たり月500円程度の負担増を検討していることが分かった。2026年度にも公的医療保険の保険料とともに「支援金」として徴収を始める方向で、企業の負担分と合わせて年約1兆円を捻出する。複数の関係者が24日、明らかにした。
 6月策定の経済財政運営の指針「骨太方針」に支援金制度の創設を盛り込む方針。年末までに具体的な金額などを決め、来年の通常国会に関連法案提出を目指す。低所得者や中小企業への配慮が求められそうだ。
 医療保険は全世代が加入し、会社員の保険料は原則企業と折半する。これとは別に、政府は1人当たり月500円程度、年間6千円程度の上乗せを検討。企業にも同様の負担を求める。実際の負担額は、所得に応じて変わる可能性がある。
 追加予算約3兆円のうち、支援金で0・9兆~1兆円、医療など社会保障の.歳出改革で1・1兆~1・2兆円、既に決まっている予算活用で0・9兆円の確保を見込む。

まちづくり・都市計画 

茨城の強みで増やせ「関係人口」 地域活性化へ県が後押し (5.1 朝日)

 街のファンとなり、そこに継続的に足を運ぶ人々を意味する「関係人口」を増やそうと、地域に人を呼び込む事業を始める動きが広がっている。スポーツ体験会や古民家を活用した観光など、そのアイデアはさまざまだ。事業の担い手育成を進める県は、人口減少や高齢化に悩む地域の活性化をめざしている。
 地域に人を呼び込む事業の作り方を学べる県のプログラム「STAND IBARAKI」への参加者を拡充するために、県は今年度、過去のSTAND参加者が実際に始めた事業の発信に力を入れる方針だ。

 水戸市「空き家バンク」開始 (5.15 朝日)

売り手や買い手、ネットでつなぐ

 放っておけば、治安の悪化など様々なトラブルを招きかねない「空き家問題」。地域住民からの不安の声を受けて、水戸市が対策に乗り出した。新たにスタートさせたのが「空き家バンク」だ。売りたい人や貸したい人と、買いたい人や借りたい人をインターネットでつなげるねらいだ。市によると、775軒(2 021年度末時点)の空き家が確認されているという。人 口減少や老朽化によって空き家が増えると、泥棒が入ったり動物がすみついたりという治安・衛生面の悪化や、自治会の運営が厳しくなることが懸念されるという。
 「空き家バンク」ではまず、売り手や貸し手が市をつうじて物件を登録する。登録されると、ネットで検索できる全国版空き家バンクに物件情報が掲載されたり、契約の仲介をする不動産業者を業界団体から紹介してもらえたりする。

“ボンエルフ”を日本にも 生活道路が「遊び空間」「交流の場」 (5.17 しんぶん赤旗)

 ボンエルフとは、生活の庭を意味するオランダ語で、住宅地で最も身近な道路を生活の場としているもの。 日本では、1970年代に進められた交通安全教育の影響で、道路で遊ぶのは良くないとされてきた。
 一方、欧州では半世紀前からクルマより人を優先する「ボンエルフ」の実賎が広がり根付いている。日本ではボンエルフは、道幅を狭くしたりハンプ(高さ10cmほどのかまぼこ形の突起物)を設置したりして車の減速化や静音化を促す言葉として定着した。しかし欧州では遊びや立ち話といった
 滞留行為を認める交通規制のことを示しています。こうした交通規則としてのボンエルフを日本にも導入し、生活道路を変えていきたい。

地域経済 

3月 実質賃金2.9%減 物価高で12カ月連続マイナス (5.10 しんぶん赤旗)

 厚生労働省が9日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比2・9%減となりました。名目貫金は増加したものの物価の高騰に追い付かず、12カ月連続のマイナスでした。基本給と残業代などを合わせた3月の名目賃金は、労働者1人当たり平均で29万1081円と0・8%増加しました。ただ、実質賃金の算出に用いる3月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3・8%上昇。幅広い食品やガス代などが上昇し、名目賃金の伸びを大幅に上回りました。
 名目賃金のうち、基本給が中心の「所定内給与」が0・5%増、残業代を含む「所定外給与」は1・1%増。賞与など「特別に支払われた給与」は4・6%増えました。就業形態別では、正社員ら一般労働者が1・3%増の38万82円、パートタイム労働者は2・1%増の10万1038円でした。
 1人平均の総実労働時間は0・6%増の137・5時間。所定内労働時間は0・7%増え、所定外は前年同月と同水準でした。

郵便局網「整理が必要」、郵政社長 統配合の検討表明 (5.12  日本経済)

 日本郵政の増田社長は日本経済新聞のインタビューで、約24000カ所ある郵便局に関し、2040年ごろをめどに「整理が必要になった」と述べた。 郵便物や人口が減る中で全国一律での提供が求められる郵便などの「ユニバーサルサービス」のあり方を模索する。
 民営化での07年に日本郵政が発足してから郵便局は250ほどしか減っていない。郵便局などの取扱い数はインターネットの広がりなどで22年度に185億通とピーク時の01年度から3割減った。 地方を中心に郵便局減少に慎重な政治圧力もあり、日本郵政は本格的な統廃合の可能性には言及してこなかった。
 統廃合の時期は「40年が一つのタイミングになる」と述べ、30年代後半から本格検討が必要との認識を示した。 見直し表明の背景には日本郵政グループの収益構造のいびつさがある。
 22年3月期の連結経営利益9914億円の85%はゆうちょ銀行とかんぽ生命保険によるものだ。

インボイス登録 迷う小規模企業 (5.17 朝日)

 免税事業者 取引敬遠される恐れ  課税事業者に転換 消費税を負担商品の仕入れにかかる消費税負担を軽くするために必要なインボイス制度で、県内では年間売上高1千万円以下の小規模事業者の登録が約7千件にとどまっている。制度が始まる今年10月以降、商品ごとの消費税率を記した請求書をさすインボイスを発行するためには登録が必要だが、登録すれば免税措置を失うというジレンマがある。
 各税務署は、登録するかどうか迷っている事業者が多いとみて、説明会を開いて周知を進めている。
 消費税は最終的に消費者が負担するが、店や企業などの事業者が納める。その際、受け取った消費税分から仕入れで払った分を引くことができる。「仕入れ税額控除」のしくみだ。
 県内の税務署を管轄する関東信越国税局によると、今年3月末時点で、登録を済ませた県内の課税事業者は全体(約6万2千件)の74%にあたる約4万6千件だった。法人(約3万5千件)は9割超が登録を済ませたが、個人事業者(約2万7千件)は半数ほどの登録状況だという。

今年度業績見通し 「増収増益」2割超 帝国データ (5.17 朝日)

 帝国データバンク水戸支店が、県内に本社を置く企業を対象に今年度の業績見通しを尋ねるアンケートの結果を公表した。3月下旬の調査に応じた185社のうち22・4%(前年度比5・5で増)にあたる41社が「増収増益」と回答。新型コロナの影響が緩和し、業績回復への期待感が反映されたとみられる。
 業種別の調査で「増収増益」と答えた企業の割合は、運輸業などが含まれる「運輸・倉庫」が35・3%、飲食店やレジャー施設が該当する「サービス」も32・3%に上った。一方、調査に対して「減収減益」と回答した企業は32社で、全体の17・5%(同11・4づ減)だった。
 割合としては前年度から大幅に減ったものの、業種別でみると建設業や製造業で業績悪化を予想する企業が目立った。下ぶれ要因では「物価上昇の進行」や「米国経済の悪化」などを挙げる企業が前年度より多かったという。

県農業産出 目標5000億円 30年後の政策指針 (5.26 茨城)

 県は、2050年の本県農業産出額を5千億円に拡大する目標を柱にした政策指針「茨城農業の将来ビジョン」を策定した。人口減少や高齢化が加速する中、生産性や収益性の高い作物への転換や畜産強化により農業の構造転換を図る。一農業経営体当たりの所得は1000万円を掲げた。県の中長期的指針の策定は初めて。
 指針は、約30年後の本県農業を見据え「意欲ある担い手がけん引する構造」「収益性の高い農業構造」への転換を掲げた。農業産出額の目標は21年度実績から約730億円増となる5千億円とした。
 県の予測によると50年の農業経営体数は14000で20年時点の約3分の1に減少。(個人44000→12500、法人770→1700)指針は、意欲ある担い手の育成や農業法人化の推進、県外・農外からの参加促進を支援する。
 収益性を高める施策は、情報通信技術(ICT)の活用や品質向上、輸出体制の強化を掲げた。

(ビジョンのポイント)
・米の高収益化へ品目転換、集約による大規模化
・園芸分野の差別化とICT活用による生産増強
・常陸牛の輸出強化「常陸の輝き」の品質向上

工場立地本県「2冠」 2年ぶり面積と県外企業 (5.27 茨城)

 経済産業省が26日発表した2022年(1~12月)の工場立地動向調査で、本県は工場立地面積と県外企業立地件数がともに全国1位で、2年ぶりの「2冠」となった。県内企業を含む全体の工場立地件数は1件及ばず2位だったが、いずれも前年から増加した。県は、首都圏に近い立地の優位性や県独自の優遇制度などが企業の進出を後押ししたとみている。
 調査によると、工場立地面積は前年比17㌶増の116㌶で、3年ぶりの1位。2位の愛知県の72㌶を大きく上回った。
県外企業立地件数は、同12件増の41件で、6年連続1位。2位の岐阜の21件の約2倍となった。
 県内企業も含めた全体の工場立地件数は、同9件増の60件で、2年運続2位。1位は愛知で61件、3位は岐阜で56件だった。2冠は、20年に立地件数(65件)と県外企業立地件数(38件)で1位となって以来2年ぶり。
 県内の主な立地企業として、非鉄金属大手のJX金属(東京)がひたちなか市内に23・6診を取得し、半導体や先端素材の供給拠点として新工場を建設している。オートバイ用ヘルメット大手のSHOEI(同)は稲敷市の「江戸崎工業団地」に7・6㌶。地域別の立地件数は、県西が25件、県爾が18件で、両地域で全体の72%を占めた。県北と県央がともに6件、鹿行が5件だった。

宇宙ビジネス支援拠点 県、つくばに新設 (5.30 茨城)

 県は宇宙ビジネスの活動拠点「いばらきスペースサポートセンター」を6月、つくば市に新設する。専任コーディネーターを増員して常時配置し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や企業間と連携したビジネス展開を推進。企業の宇宙産業への挑戦意欲を高め、新規参入や取引機会の拡大を図る。
 JAXAやものづくり企業に勤務経験のある専任コーディネーターを1人増員して2人体制とする。宇宙産業とのつながりや専門知識を生かし、技術開発のノウハウや二―ズについて助言する。必要に応じて開発商品の販路開拓も支援。JAXAや宇宙ベンチャーとは、  開発した商品の活用提案や試作品発注の橋渡し役を担う。
 県は2018年に「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を発表。政府が30年代早期に市場規模を約2・4兆円に増やす目標を掲げ、民間企業の参入を促したのを受け、「裾野の広い成長産業」(県科学技術振興課)と期待される宇宙ベンチャーの創出・誘致と県内企業の新規参入を目指してきた。
 技術開発への資金援助や製品の展示会といった支援で、小型衛星開発のワープスペース(つくば市)などが全国有数の企業に成長。22年度は県内22社が参入、起業・本県進出企業が計20社に上り、うち8社が売り上げ実績を上げた。
 このほか、高高度気球を活用した有人飛行や、宇宙食としてアンコウのあん肝(キモ)の加工など、宇宙ビジネスに挑戦する企業が広がりを見せる。

太陽光施設狙う金属盗多発、銅線の価格高騰背景に、(5.30 朝日)

 金属盗被害の認知件数は全国で急増している。警察庁が統計を取り始めた2020年は5478件、21年は7534件、22年は1万368件と2倍近くになっている。茨城県内の認知件数は、過去3年とも全国最多だ。20年は1387件、21年は1227件、22年は1632件だった。 
 それぞれの年でワースト2位だった千葉、栃木、埼玉の3県の2倍近くもあった。
 22年に県内で発生した金属盗の主な被害品は、銅線や銅管。主に太陽光発電施設に設置してあるケーブルだという。金属盗全体のうち4割を太陽光発電施設の被害が占めた。今年に入ってからは、すでに663件の被害が確認されているが、うち220件は太陽光発電施設で発生したという。
 なぜ太陽光発電施設の被害が多発しているのか。県警は、金属盗の疑いで逮捕した容疑者から聞き取りをしている。その内容から分析すると――。狙われやすいのは、太陽光発電施設が地図アプリで簡単に検索できる。県警によると、防犯カメラを設置していたり、警備員が巡回したりしている太陽光発電施設は少ないという。
 金属が狙われる背景には、近年の価格高騰があると、県警はみている。取引の基準となる価格を公表するJX金属(本社・東京)によると、20年3月に1キロあたり約600円だった鋼の価格は、今年3月には倍の約1200円に。金属買い取り業者は県内外に多くあり、売り先をその都度変えれば、疑われることなく売却できてしまうという。

新スタジアムは鹿嶋市内 J1鹿島 渋滞解消へ検証 (5.31 茨城)

 サッカーのJ1鹿島アントラーズFC(小泉文明社長)は30日、新スタジアムの建設地は、現在の本拠地がある鹿嶋市内で検討すると発表した。今後、鹿嶋を含むホームタウン5市や県と協力し、交通渋滞などの課題解決に向けて検証。具体的な建設候補地や機能、完成時期などについて、2026年をめどに方針を決定する。
 同FCは21年10月、本拠地の県立カシマサッカースタジアムが老朽化や海風による塩害により、補修費がかかるなどとして、新スタジアムを建設する構想を発表した。現スタジアムを立て替えるか、ホームタウン内に新設するか、26年をめどに具体的な方針を決めるとしている。これまでに、ホームタウンの鹿嶋、潮来、神栖、行方、鉾田の5市や県と協議を進め、鹿嶋市内で建設を検討すると決めた。
 スタジアムは、サッカーだけでなく各イベントも開催できるよう機能を持たせたり、周辺開発も進めたりしながら、地域のシンボル化を目指す。今後、交通渋滞などの課題解決に向け、ホームタウン5市や県と協議を進める。
 県によると、カシマスタジアムは塩害対策を含む修繕費に年5億~6億円かかっている。

環境と開発 災 害

製品プラ回収 悩む自治体 ハンガーC D  実施1割未満 (5.3 日本経済)

 プラスチィク廃棄物の消滅をめざすプラスチィク資源循環促進法(プラ新法)の施行から4月で1年が経過した。自治体はハンガーといった「製品プラスチィク(製品プラ)」の回収を努力義務として求められるようになったが、取り組みは一部にとどまる。収集費用の負担や人手不足に悩む声は多い。回収ノウハウの周知に加え製品をつくる民間企業の工夫などもカギとなる。
 新法を受け、仙台市や京都市、長野県松本市、埼玉県入間市、愛知県豊明市などが製品プラの回収を始めた。東京23区内でも3区が回収へ動いており環境配慮の取組みをする。ただ、悩みを抱える自治体も多い。
 環境省の調査によると、回答した1455自治体のうち新法施工後の5年以内に製品プラも回収、リサイクルするとしたのは85自治体。施行前から実施している31自治体と合わせても全体の1割に満たない。背景にあるのはプラ廃棄物の回収にかかる費用や人手だ。人口減で税収減に直面する自治体のなかにはプラスチィク製容器包装自体のリサイクルを断念するケースもある。プラ新法で巾広くプラごみを回収できるようになった一方、資金や人員、ノウハウがなく踏み切れない自治体も多い。

みどりの食料システム戦略(みどり戦略)数値目標 各県多様に (5.10 日本農業)

 環境負荷低減を目指す農水省の「みどりの食料システム戦略」の推進へ各県が多様な項目で数値目標を掲げている。戦略の主要目標である有機農業の拡大や化学肥料・農薬の低減について多くの県が目標を掲げた。
 みどり戦略は2050年までに
①有機農業を全農地の25%に拡大②化学肥料を3割減 ③化学農薬を半減 ― が主要目標。
 昨年7月施行の「みどりの食料システム法」に基づき、各県は基本計画を3月末までに策定した。
 有期農業で面積や経営体で増やす目標を定めたのは38県、科学肥料・農薬の使用量の低減では16県が目標を掲げた。

スギ花粉、30年後半減 人口林伐採 7万ヘクタールに拡大 政府、健康被害対策 (5.31 茨城)

 政府は30日、花粉症に関する関係閣僚会議を首相官邸で開き、30年後に花粉の発生量の半減を目指すなど健康彼害を抑えるための対策を公表した。花粉発生源のスギ人工林の伐採規模を現在の年間約5万ヘクタールから約7万ヘクタールに拡大し、10年後に面積を2割程度減らす。10年後には苗木の生産の9割以上を花粉飛散の少ない品種にし、植え替えも進める。
 政府が6月に策する経済財政運営の指針「骨太方針」に一連の対策を盛り込む。住宅メーカーが木材に伐採スギを利用しやすくする仕組みを設け、治療法や治療薬の研究も支援する。鼻水などアレルギー症状の根治を目指す「舌下免疫療法」普及に向け、治療薬の生産を年間25万人分から100万人分に増やす。企業にはテレワークなど花粉を避けた働き方の推進を求める。
 スーパーコンピューターや人工知能(AI)を活用し、飛散量予測システムの精度も高める。来春の運用開始を目指し、気象庁の情報提供を充実させる。スギ伐採に必要な労働力不足を補うために、高性能な林業機械の導入支援も図る。取り組みを盛り込んだ「林業活性化・木材利用推進パッケージ」(仮称)を年内に策定する。ただ林業従事者は減少傾向が続いており、1980年は14万6千人だったが、2020年には4万4千人となった。政府は外国人の受け入れのほか、農業など他産業や地域おこし協力隊との連携を進める万針。

医療・福祉・社会保障・教育 

県内子ども31万5640人 最小、総人口の11.4% (5.5 茨城)

 県内の15歳未満の子どもの数は、前年より約7430人減の31万5640人となったことが4日、県のまとめで分かった。「こどもの日」にちなみ、県常住人口(4月1日時点)から5日現在を算出した。総人口に占める割合は0・2ポイント減の11・4%。子どもの数、割合ともに1920年の国勢調査開始以来、過去最少を更新した。内訳は男子が16万1914人、女子が15万3726人で、男子が女子を8188人上回った。
 推計の基となる4月1日時点の県常住人口調査結果によると、子どもの数は前年同期から7410人減の31万6180人。割合は同0・2ポイント減の11・4%だった。
 市町村別に見ると、県人口に占める子どもの割合が同日現在で最も高かったのは、つくば市が15・5%。次いで、つくばみらい市15・4%▽守谷市14・8%▽東海村13・7%▽神栖市12・5%1と続いた。前年から子どもの人口が増えたのは3市町で、つくば市が584人、つくばみらい市が108人、阿見町が47人それぞれ増加した。
 一方、最も割合が低かったのは大子町で6・8%。このほか、河内町と利根町7・0%▽稲敷市8・1%▽城里町8・3%▽常陸太田市と五霞町8・6%。
 20年から5年ごとに実施されている国勢調査によると、本県の子どもの人口が最も多かったのは50年の74万7393人、割合が最も高かったのは35年の38・9%だった。
 全国1435万人、42年連続減少 政府対策、問われる実行力。

「不適切保育」914件 虐待90件 通報義務化 (5.13 茨城)

 こども家庭庁は12日、全国の保育所で昨年4~12月に、園児の心身に悪影響を及ぼす「不適切な保育」が計914件確認されたと発表した。全市区町村を対象にした初の実態調査で明らかになった。うち90件は激しく揺さぶるなどの虐待に当たると自治体が判断した。
 同庁は保膏所で職員による虐待を把握した場合に自治体への通報を義務化するため、児童福祉法の改正を検討。再発防止に向けたガイドラインも策定し、保育所や目治体の情報共有を求めた。調査は、静岡県裾野市の私立保育園で園児を逆さづりにしたなどとして、保育士が昨年12月に暴行容疑で逮捕された事件を受けて実施。
 園児への脅迫的な言葉がけや乱暴な関わりなどについて、昨年4月~12月に保育所などから情報が寄せられたケースを尋ねた。
市区町村が事実確認をしたのは計1492件。このうち実際に不適切保育と確認されたのは計914件だった。都道府県別では東京が173件と最多で、岐阜79件、神奈川65件が続いた。不適切保育のうち自治体が虐待と認定したのは計90件で、東京24件、静岡19件、愛知10件の順。
 ガイドラインは不適切な保育に関し「虐待等と疑われる事案」との考え方を示し、判断に迷った場合は自治体に相談するよう促した。虐待については「身体的盧待」「性的虐待」「ネグレクト」「心理的盧待」の4類型で、部屋の外に閉め出す、おむつを替えない、などの具体例を明示した。
 市区町村が相談を受けた場合、緊急性を判断し、子どもの心身に有害だと認めれば、保育所に改醤を勧告するほか、国や都道府県とも情報共有するよう求めた。

県内は9件
 県内市町村を対象にした調査で、保育所での「不適切な保育」は9件確認された。内容は「強要・脅迫的な言葉」「罰を与える・乱暴」「人格を尊重しない」「育ちや家庭環境への配慮に欠ける」などだった。
 このほか、幼保連携型認定こども園で4件、・認可外保育施設で1件。保育所を含む計14件に、自治体が虐待に当たると判断した事案はなかった。一方、市町村と並行して行った県内の全保育所に対する調査では、不適切な保育との回答は505件に上った。うち「人格を尊重しない」が248件と半数近くに上った。回答した412施設のうち、74%に当たる305施設が0件。66施設は1~5件、16施設が6件以上、2施設は51~100件と回答した。

パートナーシップ制度 325自治体に 人口7割超地域で導入 (5.27 しんぶん赤旗)

 性的マイノリティーのパートナー関係を自治体が認証し、医療や住宅などの困りごとを軽減する「パート畠ナーシップ制度」が5月現在325自治体で導入され、人口の7割超の地域に広がっていることがわかりました。「結婚の自由をすべての人に」訴訟の名古屋地裁判決(30日)を前に、本紙全都道府県に問い合わせ、まとめました。
 今年3月までの導入は272自治体でしたが、4月、5月に53自治体で新たに実施され、12都府県、18政令市を含む325自治体に広がっています。これらの地域の人口の合計は約8898万人。全人口約1億2593万人の70%を超えています(2022年1月1日住民基本台帳に基づき計算)。
 都道府県単位でみると、現在導入済みの青森、秋田、茨城、栃木、群馬、富山、静岡、三重、福岡、佐賀の10県と東京都、大阪府に加え、夏から秋にかけて長野、島根の両県で施行されます。また、県内すべての市町で導入済みの香川県に加え、神奈川県でも残る3市町が今年度の導入を予定しています。これらを合わせると16都府県に広がります。

園バス安全装置 進導入 安心の一助、過信は禁物 (5.28 茨城)

 昨年9月に静岡県で起きた通園バス車内の園児置き去り死亡事件を受け、4月に通園バスへの安全装置設置が義務化された。国の補助もあり、来春の猶予期限を待たず県内では設置が進む。施設側や保護者は「安心につながる」と受け止める一方、機器に頼らない確認の徹底を求める声が上がる。送迎を含む安全計画策定も施設ごとに義務化され、計画の順守が求められる。

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