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2020/12

2020/12

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2020年12月分


2020年コロナ禍・経済的影響

感染者、前月の7倍 先月クラスター、南・西部中心  (12.3 朝日)

 県内の新型コロナウイルス感染者数の増加に歯止めがかからない。11月に公表された新型コロナウイルス感染者は798人と、前月から7倍以上に増えた。クラスター(感染者集団)の発生が相次ぎ、病床の稼働率も高まってきた。県は2日、新たに鹿嶋市と坂東市を対象に、酒を提供する飲食店の営業時間短縮や不要不急の外出自粛を求めた。
 県内で「第3波」の兆しが本格的に現れたのは11月11日。土浦市桜町の繁華街の飲食店でクラスターが発生したこともあり、過去最多の20人の感染が確認された。さらにほかの複数の店でクラスターが発生し、この地区の飲食店をきっかけにした感染者は少なくとも60人以上にのぼっている。県は抑え込みに向け、13日に桜町l、2丁目の飲食店の関係者を対象に無料の集中検査を始めた。だが、同地区で飲食した職員の感染がわかった後、市役所内で20人を超える感染者が相次いで確認された。市内では、11月中だけで182人の感染が確認された。その後、県南・県西部を中心にクラスターが散発。五霞町や境町の工場など、10人以上の感染者が出る事例が複数発生し、老人ホーム、障害福祉サービス事業所、病院などの医療・福祉施設でも複数の感染者が確認されている。これまでに11市町で人口1万人あたりの1週間の新規陽性者がl・5人を超え、国の指標で感染状況が2番目に深刻な「ステージ3相当」の水準に達した。11月の県内の感染者のうち、11自治体の住民が7割強を占めている。
 感染者の急増に伴い、医療態勢も深刻さを増す。県内の病床稼働率は11月30日までの1週間の平均が54・l%、重症病床稼働率は23・7%。11月1日までの1週間の稼働率7・6%(重症2・1%)から、1カ月間で急上昇した。県は、すぐに患者を受け入れられる病床として316床用意している。12月1日時点では重症者11人、中等症41人など入院しているのは計160人で、ただちに不足する水準にはない。ただ、増加のペースに頭打ちの気配がないことから、12月中旬までに416床(同57床)に増やすよう医療機関に要請。最も深刻な事態に備えて想定する500床に近づいてきた。

女性の自殺、89%増 県内7~10月コロナで困窮か(12.11 茨城)

 県内で7~10月の女性の自殺者数が72人に上り、前年同期比89・5%増となったことが10日、分かった。同期間の男性の自殺者数は前年から減少しており、女性の急増が際立った。背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大で、経済的な困窮や育児、介護の悩みなど、これ

までの不安がより深刻化したことがあるとみられる。県は相談窓口の周知などを市町村に呼び掛けている。

コロナ対応 条例先行 法整備進まず 私権制限には苦心(12.13 朝日)

 新型コロナウイルスに対応する国の法整備が足踏みする中、具体的な対策や差別防止などを条例で定める自治体が増えている。12日までに33自治体が制定し、少なくとも9自治体で条例案を審議中か、提出を検討している。ただ、休業要請など法律ではあいまいな「私権制限」の規定は手探りで、国会での議論を求める声が広がっている。
 一般財団法人の地方自治研究機構によると、3月の名古屋市を皮切りに、9都県24市町村が条例を制定した。3県6市町が審議・検討中と取材に答えた。長野県は、県外からの観光客が増えた場合に備え、条例で「人の往来を誘発させる施設」に県が使用制限や対策の検討を求められると定めた。神奈川県大和市や長野県宮田村は住民にマスクの着用を求めた。感染者への差別防止などの理念条例も多い。
 特措法の改正は、全国知事会が4月以降、罰則規定の整備を含めた法改正を政府に繰り返し求めてきた。だが、半年経っても法改正の論議は進まず、感染経路を追う「積極的疫学調査」を定めた感染症法も、調査への強制力はないままだ。「自治体独自のやり方で条例を作れば、社会防衛ができるのではないか」腰が重い国に業を煮やし、鳥取県の平井伸治知事は8月、全国で初めてクラスター(感染者集団)を封じるための条例を作った。クラスターが発生した施設の所有者等に、使用停止と調査への協力を義務づけた。罰則までは踏み込まなかったが、使用停止を「勧告」し(施設やイベントの名称を「公表」できる規定を盛り込んだ。クラスター発生施設の公表については特措法や感染症法に明確な根拠規定がなかった。
 全国知事会で新型コロナ緊急対策本部長代行も務める平井知事は言う。「罰則規定など、人権や法益が侵害される問題は法律で定めるのが筋だ。ただ、条例で措置をとることは、後の法改正の参考にもなり得る」。
 コロナ対策条例を制定した33自治体のうち、茨城県では下妻市だけである。

自粛要請 全域で解除 県、新規感染減少うけ  (12.21 朝日)

 県は20日、土浦市、つくばみらい市、利根町の3市町へ出していた外出自粛などの要請を21日から解除すると発表した。新型コロナウイルスの新規感染者数が、要請を出す基準の数値を下回ったため。県は11月28日以降、直近1週間の人ロ1万人あたりの新規感染者がl・5人以上の自治体に、不要不急の外出自粛と酒類を提供する店の時短営業を要請していた。対象は一時12市町にのだったが、12月14日以降は3市町だけに縮小。その後の1週間の1万人あたりの感染者は、土浦市で1・30、つくばみらい市でO・59、利根町はゼロだった。県全体でも19日までの1週間(13~19日)の感染者は144人で、5日までの1週間(11月29日~12月5日)の301人と比べると感染増加のペースは落ち着いてきた。感染者の急増に伴ってコロナ対応の病床を追加したこともあり、病床の稼働率にも改善の兆しが見えているという。

外出自粛常総・城里に 県が要請 飲食店時短は見送り (12.27 朝日)

 県は26日、新型コロナウイルスの感染が拡大しているとして、常総市と城里町の住民に不要不急の外出自粛を要請した。期間は27日~1月5日。また、県内全域に年末年始の厳重な警戒を改めて呼びかけた。県によると、20~26日の1週間の常総市の感染者数は26人、城里町は3人。人口1万人あたり4・39人、l・67人となり、県が感染拡大市町村の定義とする人ロ1万人あたり1・5人以上となった。一方、両市町内の飲食店は感染経路に関わっていないとして、11月下旬以降発動していた飲食店などへの時短要請は見送った。
 年末年始の警戒では、人ロ10万人あたりの感染者が直近1週間で15人を超える都府県への移動や滞在、当該都府県からの県内への帰省に注意を呼びかけ、体調に異常がある場合は自粛を求めた。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

東海第2営業運転開始42年 再稼働の是非見通せず (12.3 茨城)

 日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村白方)は、11月28日に営業運転開始から42年を迎えた。2018年に国の新規制基準と40年超の運転延長審査に合格した原電は安全対策工事を本格化させ、4月に再稼働前の最終手続きに当たる「使用・前検査」を国に申請するなど、再稼働に向けた準備を進める。一方、その是非を判断する同村などの自治体では民意の把握に向け動き始めるが、具体的な判断時期は見通せない。

大飯原発 設置許可取り消し 大阪地裁「規制委判断に過誤」 (12.5 茨城)

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、福井など11府県の住民ら約130人が国に対し、原発設置許可の取り消しを求めた訴訟の判決で大阪地裁(森鍵一裁判長)は4日、許可を違法として取り消した。「規制委の判断は地震規模の想定で必要な検討をせず、看過しがたい過誤、欠落がある」と判断した。
 東京電力福島第1原発故を踏まえ策定された新規制基準下での原発設置許可を取り消す初の司法判断。大飯3、4号機は現在、定期検査で停止している。補助参加人として訴訟に関わる関電は「極めて遺憾であり、とうてい承服できない。
 判決内容の詳細を確認し適切に対応する」とし、国と協議の上で控訴を検討するとしている。控訴すれば判決の効力は直ちに生じないが、住民側勝訴が確定した場合、より厳格な耐震基準で評価し直し、改めて許可を得るまで稼働できない可能性がある。新規制基準下で許可を受け再稼働した他の原発にも影響がありそうだ。
 主な争点は、関電が算出した耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の値や、これを基に設置を許可した規制委の判断が妥当かどうか。判決によると、関電は大飯3、4号機の基準地震動を最大加速度856ガルと設定し、規制委は適正と評価した。
 森鍵裁判長は、基準地震動の設定で重要な要素となる地震規模は、過去の地震データを基にした平均値より実際は大きい方向に懸け離れるなど「ばらつき」が生じる可能性があり、基準地震動の妥当性を確認するため規制委が定めた審査ガイドもばらつきの考慮の必要性を示していると指摘。だが関電はばらつきの考慮や数値の上乗せをしなかったうえ、規制委も上乗せの必要性の要否を何ら検討することなく許可を出したとし「審査すべき点を審査していないので違法」と結論付けた。
 国側は、地震を引き起こす断層の面積など別の指標を考慮していれば審査は適切で、原告側主張に科学的合理性は認められないと反論していた。

東海第二安全工事を公開、防潮堤や緊急電源装置設置 (12.16 朝日)

 日本原子力発電(原電)は15日、停止中の東海第二原発(東海村)で進む安全対策工事を報道陣に公開した。
 東海第二は、東日本大震災の津波で被災し運転を停止。2018年9月に新規制基準に適合と認める審査書が正式決定され、同年11月に38年までの20年の運転延長が認可された。原電は安全対策工事などを施した上で再稼働を目指す方針。東海第二を取り囲む全長約1・7キロメートル、高さ最大20㍍の防潮堤や緊急用の電源装置の設置に向けた工事などが公開された。
 1日あたり平均で約1400人以上の工事関係者が既存施設の耐震補強や土木工事を進めており、今後は機器の設置や電気系統の工事を進めるという。防潮堤などの原発本体の安全対策工事は22年12月完了予定。原電は、費用を約1740億円と説明している。

地方制度・自治体論・地方自治一般

政治資金収入20・5億円 昨年 国会議員平均4140万円  (12.1 朝日)

 県内で活動する政治団体の2019年分の政治資金収支報告書が30日、出そろった。県選挙管理委員会や総務省などに報告された年間収入(前年繰り越し分を除く)は計20億4795万円。県内に地盤を持つ国会議員で最も収入が多かったのは、昨年に続いて自民の額賀福志郎氏で9341万円だった。
 県選管に提出済みの政党、資金管理団体、その他団体は1067団体(提出率85・4%)。これに総務省と東京都選管に提出された県内に本拠を置く国会議員関係の12団体を合わせた収入総額は前年繰り越し分を除くと20億4795万円、支出総額は19億8392万円だった。
 県選管提出分の政党収入でみると、最多の自民は総額5億7751万円。ついで共産党3億2056万円、公明1億1030万円、国民8298万円、立憲4219万円、社民870万円、維新460万円。

行政システム 乱立歯止め 国が新法 自治体の仕様統一  (12.3 日本経済)

 政府は約1700に上る地方自治体の情報システムについて仕様を統一する。2025年度までの実現を義務付ける新法を定め、予算を基金で積む。対象となるのは、住民情報や税、社会保障、就学などの情報管理や手続きなどを担う住民サービスの根幹業務だ。住民基本台帳、選挙人名簿管理、固定資産税、国民年金など17分野のシステムを国が指導して標準化する。
 これまでは、地方自治法の解釈に基づき自治体ごとにITベンチャーに発注してきた。企業は個別に異なる設計をしたが収益が上がり自治体はそれぞれの事務に合わせて機能を求める。利害が一致して独自仕様が乱立してきた。
 総務省の18年調査では人口10万人以上の自治体の83%が業務ソフトを独自開発しているが、カスタマイズ(自分の好みに合わせて作り替える)している。大手ベンチャーやその子会社が主に受注してきた。約1700の自治体が情報システムかける年間予算は4800億円。もし同じ仕様なら全国の自治体が発注すれば調達費や運用費は大きく下がる。共通の仕様の統一を都道府県や市町村に義務付ける新法を提出し、早期成立(目標年次25年度)を目指す。今年度第3次補正予算案でしのための必要経費として1000億~2000億円の「デジタル基金」を計上する。複数年かけて自治体が投資するために使う資金として。

城里町長ら減給議案提出、町、備品購入契約めぐり  (12.9 朝日)

 城里町の備品購入の契約について、必要な議会議決を経ずに契約していた問題で、町は上遠野修町長と仲田不二雄副町長の管理監督責任を問い、それぞれ本来の給与から10%減額(3カ月)する議案を8日、12月議会に提出した。議決を経なかったのは、新型コロナウイルスの感染対策の避難所用間仕切り(予定価格960万円)の契約。 町条例では、予定価格が700万円以上の財産の取得は、議会の議決が必要と定めている。 一方で地方自治法は、議会を招集する時間がないことなどを条件に、首長の専決処分を認め、その際は次の議会で承認を求めるよう定めている。町は「コロナ対策として早急に契約すべき」として、8月27日に専決処分としたが、9月議会では上程されなかった。

デジタル技術で課題解決 県 「新日常」へ研究公募 (12.10 茨城)

 新型コロナウイルスとの共生社会を見据え、県は、デジタル技術を使って社会を革新するデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した、地域課題解決のための研究開発プロジェクトに乗り出す。
 産官学の多様な主体を公募し、研究開発を支援することで、「新たな日常」に即した新たな事業やサービスの創出を目指す。県議会第4回定例会に提出している補正予算案に、事業費3億円を盛り込んだ。
 「DXイノベーション推進プロジェクト事業」で、企業の生産性向上や新しい生活様式への対応など、「ウイズコロナ時代」に本県が抱える地域課題の解決に向け、産業や雇用、健康、医療、観光、地域交通、行政IT化などの政策分野ごとに課題を提示し、研究開発プロジェクトを提案してもらう。その中から10件程度、新事業や新サービスに挑戦するプロジェクトを選定。
 国からの地方創生臨時交付金を活用し、計2億7千万円の事業支援を行う。県内の地域の課題解決に向けたプロジェクトが対象で、県内外にこだわらずに産官学の多様な主体を公募する予定。県議会で議決されれば、まず、プロジェクト事務局の県を支援する委託業者を公募する予定。県は、研究開発プロジェクトの公募を、本年度内にもスタートさせたい考えだ。DXを巡っては、新型コロナの感染拡大で「新常態」が求められていることもあり、ビジネスチャンスと捉え、推進する企業が増えている。

県庁、テレワーク増強 全職員配備PC 自宅から同時接続へ (12.12 茨城)

 新型コロナウイルスの感染拡大や大規模災害に備え、県はテレワーク環境を増強し、出先機関を含めた全ての県職員約6千人が同時に家庭から県庁内ネットワークに接続できる体制を構築する。現在、同時接続できる1日の上限は約2千人で、それを本年度中に3倍に増やす計画。新型コロナ「第3波」では、土浦市役所でクラスター(感染者集団)が発生するなど、職員間の感染や濃厚接触者の自宅待機に伴う自治体業務への影響が懸念されている。県は「すぐにでも皆がテレワークできる体制を整えたい」と対応を急いでいる。

成人式にコロナの影  (12.19 茨城)

 新型コロナウイルスの感染拡大が、県内の成人式に影響を及ぼしている。既に中止を決めた常陸太田市と日立市では、計約2千人の新成人の出席を見込んでいた。成人式シーズンは晴れ着レンタルやヘアメーク関連の書き入れ時だけに、業界への影響は避けられない状況。感染拡大防止を理由とした決断を巡り、新成人や業界からは「仕方ない」と理解を示す声がある一方、「ショック」と落胆したり売り上げ減を懸念したりする声が聞かれた。

イバラキ 実は電子化先進県 (12.24 日本経済)

 民間の魅力度ランキングでは、下位をさまよう茨城県だが、実は業務の電子化で先頭集団を走る。2年前に決裁業務を電子化したのに続き、今年は庁内の脱ハンコを実現しテレワーク体制も整えた。デジタル化の先に目指すのは業務の付加価値向上だ。県はIT業界出身の大井川知事のもと、18年4月に決裁業務の電子化に着手し7月に目標を達成した。19年度からはRPA(ロボティック・プロセス・オートメション)と呼ぶ技術で定型業務の自動化を進めた。学校現場の出張精算などで大きな時間削減した。
 10月初めには押印廃止の方針を表明し、庁内でやりとりする60業務で同月内に実現した。県民の各種申請でも約1640業務のうち720業務で年内に電子化する。
 自前の大きなシステムを構築しないのも特徴だ。多くの自治体では税務や給与のシステムに投資しても効率的な働き方に結びつかない。県はシステムのクラウド化に加え給与や税務で共有できる業務を他県と共有することも検討中だ。
 ただ、県が電子化を進めても企業の生産の生産性が高まらなくては効果は限られる。産業全体での対応が今後の課題となる。

入札関係文書を廃棄 廃棄記録を作成せず 城里町備品購入 識者疑間の声  (12.29 朝日)

 城里町の備品購入で、必要な議会の議決を経ずに契約していた問題で、町が契約に関係する文書を廃棄していたことがわかった。本来作るべき廃棄記録を作成せず、保存期間前に廃棄した疑いが指摘されている。
 廃棄処分したのは、2017、18年度の運動器具設置や救急車購入、給食用食器洗浄機購入の契約計3件に関する入札参加資格審査申請の書類。今月の町議会で、町が町文書整理保存規程の「3年保存」の文書に該当するとして「3年を経過し廃棄処分した」と答弁した。同規程では保存期間について「文書が完結した翌年度の4月1日から起算」としているため、町議から「3年を経過していないのでないか」との質問が出ていた。
 町の説明では、入札参加資格は2年更新で、「更新の2年が経ったら前の申請書は実務的には必要なく、廃棄している」と説明するが、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、申請書は許可の前提となることから「申請書と許可した文書を一体として保存することが常識的な対応だ。その場合は許可した段階が完結となり、来年3月31日までが保存期間の可能性がある」と指摘。その上で「実務上の要否だけでなく、規程や情報公開条例の趣旨を踏まえて整理・保存することが重要だ。業務単位で経緯がわかるように保存しないと、説明責任が果たせなくなる」とする。一方、公文書を廃棄処分した際に記録する一覧表が作成されていないことが、町議らの情報公開請求でわかった。町総務課は「廃棄した文書の把握ができていない状況になっていた」とし、「今後、廃棄リストを作成するよう改善する」と答えた。

公用車ドラレコ映像提供で協定 行方市と署 県内初  (12.29 朝日)

 行方市はこのほど、「ドライブレコーダー映像データの提供等に関する協定」を行方署と締結した。同市に
よると、こうした協定は県内の市町村で初めて。市によると、公用車2百数十台のうち149台に、前方を録画できるレコーダーを備えている。事件・事故などで捜査に必要がある場合、同署が文書で市に要請。市が該当する時刻、エリアを走っていた公用車を特定し、映像データを署に提供する。緊急時には防犯カメラなどに記録された映像から、市の公用車を特定することもある。市は「交通事故や犯罪の防止、犯罪が起きた場合の早期解決が期待でき、安全・安心なまちづくりの実現に寄与する」と説明している。

予算・税・財政 

自治体「貯金」減 危機打開へ支援 政府臨時交付金1.5兆円  (12.6 日本経済)

 長引く新型コロナ禍が自治体財政を圧迫している。自治体の貯金「財政調整金」は大幅に減少し、ゼロに近づく自治体もある。政府は飲食店の営業時間短縮への大幅に減少し、ゼロに近づく自治体もある。政府は飲食店の営業時間短縮への協力金など自治体の対策支援を積み増す。地方創性臨時交付金として第3次補正予算案や2021年度予算案に計1兆5000億円を計上する。茨城県は、19年度末に211億円の財政調整金をもっていたが、コロナ対策で7割を消化、20年度末は67億円に減る見通しだ。
 総務省は、感染拡大の長期化に備え、追加経済対策で自治体支援を積み増す。菅首相は、「時短を要請した場合の協力金を国として支援するため地方創生臨時交付金を1.5兆円確保する」と表明した。
 地方創性臨時交付金は、20年度第1次補正で、1兆円、第2次補正で2兆円の計3兆円を充てている。これに第3次補正及び21年度予算で1兆5000億円を上積みする。同交付金は地方自治体の感染予防対策や企業向けの支援策に使う原資となる。

まちづくり・都市計画 

過疎地支える「小さな拠点」4年連続増加  (12.6 日本農業)

 過疎が進む中山間地で、交通や買物などの生活サービス機能を住民に提供する「小さな拠点」が2020年5月時点で全国に1267カ所あり、前年から86カ所増えた。拠点内にある施設は、バス停留所が最多で、全体の90%の1145カ所に設置されている。次いで郵便局、食料品、日用品販売店、飲食店の順に多い。
 小さな拠点では、住民らでつくる「地域運営組織」が各種サービスを手掛けているケースも多い。同組織がある拠点は1104カ所で全体の87%を占める。

水戸新市民会館 開館3度目延期 コロナで財政悪化  (12.16 朝日)

 水戸市が建設を進める新市民会館について、高橋靖市長は14日、新型コロナウイルスの影響で財政が悪化しているとして、2023年4月に予定していた開館時期を遅らせると明らかにした。延期は3度目。新型コロナの影響により税収が大幅に減少することが見込まれるため、市は全ての事業を対象に見直しを検討。新市民会館については、各種団体からの要望を受けて、計画の大幅な縮小は行わないものの、開館時期を延期することにした。

潮来、あやめ園で新規格 水郷の街 通年観光化へ (12.31 茨城)

 水郷として知られる潮来市で、水郷潮来あやめ園と周辺地域の通年型観光化を目指す取り組みが進められている。同市は初夏に行われるあやめまつりが有名で、例年、観光客はまつり期間の約1ケ月に集中する。今年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、大きな打撃を受けた。そんな、あやめまつり頼みの現状から脱却しようと、10、11月に「風の音しらべ」、12月からはイルミネーションと、初めての企画を立て続けに実施。市担当者は「1年間いつ訪れても何かしらのイベントが行われているようにしたい」と意気込んでいる。

地域経済 

県内で進む実証事業 挑むスマート農業  (12.4 茨城)

 ロボットや人工知能(AI)を農業に取り入れる「スマート農業」の普及に向けた実証事業が、県内各地で進められている。本年度は、農林水産省の七つの実証事業のほか、自治体によっては地域の大学や農機メーカー、地元の生産者と独自に連携して行っている。先端技術を使った作業の省力化や農業データの活用により、農家の担い手不足の解消や収益改善を目指す。高額な機械や法律の壁といった課題にさまざまな関係者が挑む。

農業でSDGs推進 滋賀県 全国初の条例 (12.6 日本農業)

 滋賀県は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて取り組みを農業分野で進めるための条例を制定する。持続可能な農業の推進を「県の責務」と明記する。制定を目指すのは「持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例」県議会12月議会で採決されれば来年4月の施行を目指す。

サツマイモ輸出急増 本県産、4年で20倍  (12.7 茨城)

 本県産サツマイモの輸出が加速している。2019年度の輸出量は、県内で輸出が始まった15年度に比べ約20倍に拡大した。東南アジアなどを中心に焼き芋の人気が高まっているほか、生産者らによる貯蔵技術の向上で高い品質を維持した長期輸送を実現したことなどが背景にある。県はさらなる輸出や生産拡大を促し、海外での高シェア獲得を狙う。
 県営業戦略部農産物輸出促進チームによると、サツマイモを含む本県産青果物の輸出量は15年度が40・7トン。19年度は502・0トンに増え、4年間で約12倍に伸びた。このうち多くの割合を占めるサツマイモの輸出量は約20倍に急増しているといい、輸出青果物全体の拡大をけん引している。輸出先はシンガポールやタイなどの東南アジアが中心。同チームは「国内だけでなく、海外でも焼き芋の人気が高い。品質のいい本県産に対する需要が膨らんでいる」と説明する。輸出の急増は、17年に農林水産祭で天皇杯を受賞した「JAなめがたしおさい」(当時JAなめがた)が先進的に取り組んできた貯蔵技術の向上に加え、焼き方や食べ方、高品質なイモの特徴などの情報提供を踏まえた販売戦略が背景にある。

県産品の輸出支援 県、20日から米ECサイトで販売 (12.8 茨城)

 県産品の海外販路開拓支援へ向け、県は20日から、米国の電子商取引(EC)サイトを活用した商品販売を始める。年内には、シンガポールでも始める予定。新型コロナウイルス感染症の影響でEC市場が急拡大する中、特にECが浸透する両国を対象に県産品PRやサイト登録などを後押しし、県内事業者の輸出を"伴走型"で支援していく。
 県が販売を支援する県産品は、環境配慮型の洗剤や洗濯用品、風呂敷、囲碁盤など主に日用品や雑貨品計10商品。米国最大手の「アマゾン」と売り上げシェア3位の「イーベイ」で取り扱う。サイト上の商品情報登録や発送ルート確立を終えた商品から順次、販売していく。
 販売する商品は、県が現地バイヤーの需要調査などを基に、公募に応じた約30点の中から選定した。販売が始まる20日まで、商品PRのノウハウやサイトへの登録、輸送体制の構築などを県が後押ししていく。支援期間は来年3月までで、サイトの手数料なども支援する。

環境と開発

イノシシ捕獲 最多更新 県内19年度農作物被害は微減 (12.17 茨城)

 県内の2019年度のイノシシ捕獲数が、過去最多を更新する1万1387頭となったことが16日、県のまとめで明らかになった。県北山間部のほか、県南や鹿行地域でも捕獲が広がり、生息域は拡大の一途にあるとみられる。農作物被害額は微減となり、4年ぶりに1億円を下回った。県は「イノシシ対策条例」を17年度末に制定し、捕獲や防護柵設置など対策を強化している。
 捕獲数が増える中で農作物被害が減少したことについて、県農村計画課は「被害防止対策が進んでいる地域では、農作物被害額が減っている。ただ、新たに被害が発生した地域もあり、引き続き対策を推進していく」としている。
 県が同日公表した19年度の「イノシシ等野生鳥獣による被害防止対策の状況」によると、イノシシの捕獲頭数は09年度の約2900頭から増加傾向にある。12年度は3千頭、14年度は5千頭を超え、18年度は前年比25%増の約9500頭、19年度には過去最多の約1万1千頭に達した。県自然環境課によると、県北と県央地域の山沿い、筑波山周辺が主だったイノシシの生息域は南側に拡大。ここ数年は鹿行や県南の住宅地に近い雑木林などでも捕獲されるようになった。
 イノシシによる農作物被害額は、10年度に約7900万円だったが、16年度に1億円を突破、17年度には約1億5300万円とピークに達した。その後は減少を続け、18年度は約1億43万円。19年度は約9700万円と、4年ぶりに1億円を下回った。止まらない農作物被害を背景に、県は17年度末、議員提案でイノシシ対策条例を制定し、本格的に取り組みを進めた。県によると、電気柵の設置や捕獲活動に対する国や県の補助額は、17年度の約6千万円から、19年度には1億454万円まで増えた。県は、市町村を通じて猟友会の駆除などに協力を呼び掛けているほか、情報通信技術(ICT)を活用した「囲いわな」を試験的に導入し、笠間市と城里町の2カ所に遠隔で監視や操作ができる装置を設けている。

不法投棄や残土急増 県や県警 監視、捜査を強化 (12.27 茨城)

 県内で産業廃棄物の不法投棄や残土の無許可堆積がここ数年、増加している。特に、トラック1、2台程度で公道や農地に廃棄物を散発的に投げ捨てる「ゲリラ的不法投棄」は、今年4~8月の5カ月間だけで昨年度の2倍の152件に上り、被害の拡大防止が急務になっている。不法投棄などの増加の背景には、東京五輪を控え首都圏などで相次ぐ大型開発があるとみられ、県警は「関係行政機関と連携強化を図り、早期検挙に努める」と捜査に力を入れている。
 県警や県によると、県内の不法投棄事案(1トン当たりの投棄量10トン未満も含む)は2015年度以降、年間100件を下回っていたが、18年度(101件)に再び100件を超えた。中でも、ゲリラ的不法投棄は、統計を取り始めた16年度の13件以降、17年度28件、18年度50件、19年度76件と年々増え、本年度は最多を大きく更新する勢いだ。
 残土の無許可堆積も17年度58件、18年度65件、19年度83件と増え、県南・県西地域を中心に発生。県警による検挙件数も10~18年は年間0件か1件だったのに対し、昨年は7件と急増。今年も11月末時点で4件に上る。捜査関係者によると、悪質業者の増加に伴い、行政からの告発が増えた影響とみられる。

医療・福祉・社会保障・教育 

高齢者 個別に避難計画 内閣府作業部会が報告書  (12.26 日本経済)

 災害時に支援が必要な高齢者などの避難対策を検討してきた内閣府の作業部会は、最終報告書をまとめた。一人ひとりの避難方法を事前に取り決めておく「個別計画」の策定を市区町村の努力義務とし、策定段階から福祉の専門家が関わることで避難の実効性を高める。

県内、コロナ対応契機 小中校IC化加速  (12.30 茨城)

 新型コロナウイルスへの対応を契機に、小・中学校のICT(情報通信技術)化が進んでいる。政府は児童生徒1人に1台のコンピューターを整備するGIGAスクール構想を前倒し、「令和の学びのスタンダード」とする。県内では、つくば市が先進的に取り組んでおり、古河市や守谷市などが動きを加速させている。コロナ禍の長期休校を教訓に、「子どもたちの学びを止めない」との考えとともに、新しい学校教育を見据えた動きが出ている。ただ、活用や格差、平準化などの課題も浮かび上がる。

音出る信号8割 稼働制限  (12.30 毎日)

 視覚障碍者に青信号を知らせるために整備された約2万4000基の音響式信号機のうち8割超が音の出る稼働時間を制限していることが判明した。近隣住民への配慮や苦情などを受けて稼働を日中のみに制限しているケースが多い。稼働停止中に視覚障害者の死亡事故も発生しており、視覚障害者団体は安全策の拡充を求めている。(茨城県は制限していない?

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