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2017/10

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2017年10月分


関東・東北豪雨災害(常総市災害を含む)


原発問題(東海第二原発関係も含む)

東海第2安全審査大詰め 規制委 地震・津波の論議終了 (10.14 茨城)

 原子力規制委員会は13日、東海村白方の日本原子力発電(原電)東海第2原発が新規制基準に適合しているかを確認する79回目の審査会合を開き、地震・津波関係の議論を全て終えた。規制委は、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)や敷地の地質構造など、これまでの議論で了承・確認した全ての事項を取りまとめるよう原電に指示。早ければ11月中にも内容を確認する会合を開く方針で、問題がなければ正式に地震・津波の審査を終える見通し。同日までに、設備関係の議論についても一部追加の議論を残して多くは終了し、審査は大詰めを迎えている。
 同日の会合では、原子炉建屋や防潮堤、緊急時対策所など、安全上重要な施設の地下にある固い地盤(久米層)の安全性などについて議論した。原電は、9月8日の会合で規制委から詳細な説明を求められた計5項目について回答。規制委から異論はなく、原電の説明を了承した。会合後、規制委の担当者は「東海第2の地震や津波に関する議論は全て終わった」と述べた。
 これまでの地震・津波の審査で、東海第2の基準地震動の最大加速度は、審査申請時の901から1009ガルに引き上げられ、基準津波(原発ごとに想定する最大規模の津波)の高さは海抜17・1メートルとなった。ほかに、過去の赤城山(群馬県)の火山噴火を基に敷地内に積もる火山灰の厚さは最大50センチとし、原発敷地内には今後活動が想定される断層がないことなども確認した。議論の終了を受けて原電は、内容の取りまとめを急ぐ方針。
 規制委の適合性審査は、地震・津波関係と設備関係の二つを並行して行う。設備関係の審査でも、原電は12日に主要な審査項目の説明を全て終えた。原電は今後、防潮壁の設計方針や原子炉格納容器の破損防止対策などで、規制委から詳細な説明を求めらている事項を回答する。
 ただ、原電は早ければ19日にも全ての回答を終える方針を示している。東海第2は、運転期間の40年を迎える来年11月までに適合性審査に合格した上で、最長20年の運転延長認可を受けなければ再稼働はできない。

関電 大飯1・2号機廃炉へ 稼働40年弱老朽化 (10.18 茨城)

 関西電力が大飯原発1、2号機(福井県おおい町)を廃炉にする方針を固めたことが17日、分かった。2基は営業運転開始から40年弱が経過しており、最大60年まで運転を延長するには巨額の投資が必要なため、再稼働を断念した。出力100万キロワット超の大型原発の廃炉は、東京電力福島第1原発を除けば全国で初となる。国や地元自治体との調整を進め、年内にも正式決定する。

大洗研被ばく 保安規定違反5件 規制委指摘 報告書の再提出要求      (10.26 茨城)

 日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(大洗町)で6月、作業員が内部被ばくした事故について、原子力規制委員会は25日、機構が9月に提出した事故原因や再発防止策をまとめた報告書で、放射性物質を扱う機構の組織や、放射性物質管理の体制など組織的要因の検討が不十分として、再提出を求めることを決めた。また、立ち入り検査などを基に、一連の事故で五つの保安規定違反があったと結論付けた。
 機構は9月29日、21年間未開封だった貯蔵容器内で、放射性物質を固める接着剤(樹脂)が放射線で分解されてガスが発生し、放射性物質入りのポリ容器を包んだビニールバッグが破裂したとする事故原因などをまとめた最終報告書を提出した。
 会合で規制委は、機構の組織体制が、事故にどのように影響したかなどの検討が不十分と指摘。事故を受けた作業マニュアル改善についての具体的方針や、機構のほかの拠点で今回の教訓をどのように生かし、情報共有するかの記載もないとして、改めて報告書を提出するよう求めた。6月に実施した計3回の立ち入り検査などから、必機構は9月29日、21年間未開封だった貯蔵容器内で、放射性物質を固める接着剤(樹脂)が放射線で分解されてガスが発生し、放射性物質入りのポリ容器を包んだビニールバッグが破裂したとする事故原因などをまとめた最終報告書を提出した。会合で規制委は、機構の組織体制が、事故にどのように影響したかなどの検討が不十分と指摘。事故を受けた作業マニュアル改善についての具体的方針や、機構のほかの拠点で今回の教訓をどのように生かし、情報共有するかの記載もないとして、改めて報告書を提出するよう求めた。6月に実施した計3回の立ち入り検査などから、必要な作業計画書が作成されていなかったり、除染用シャワーが故障したりしていたことなど、五つの保安規定違反があったとした。
 事故原因や作業員が内部被ばくした経緯、機構が作業計画の検討が不十分だったとしたことについては、一定の検討がなされていると評価した。規制委の更田豊志委員長は「事故や汚染は起きるものとして考えるべきで、現実として(事故への)事態にきちんと対処できる体制になっているかの確認が必要」と強調した。事故は6月6日午前、作業員が点検のために貯蔵容器を開けると、内部のビニールバッグが破裂して5人が内部被ばくした。50代の機構職員の内部被ばく実効線量が最も高い100ミリシーベルト以上200ミリシーベルト未満となった。

東海第2の主要審査終了 規制委「合格証」とりまとめへ   (10.27 茨城)

 原子力規制委員会は26日、東海村白方の日本原子力発電(原電)東海第2原発の83回目の審査会合を開き、主要課題の津波対策などで新規制基準に適合していることを確認し、施設の耐震設計や重大事故対策など設備関係の議論をほぼ終了した。原電はこれまでの審査内容を反映した補正申請書を11月上旬に提出し、規制委は問題がなければ「合格証」に相当する審査書案の取りまとめに入る方針。ただ、規制委は今後、認可が必要となる設備の詳細設計をまとめた工事計画について、説明の準備を急ぐよう原電に求めた。

安全対策費 経営の重荷  原電、再稼働に1800億円     (10.27  朝日)

 都圏に近く、稼働から40年近く経つ日本原子力発電(原電)東海第二原発(茨城県)が20年間の運転延長の申請に向けた準備に入った。原電は運転延長を経営再建に不可欠とするが、安全対策工事には2千億円規模が必要で、その調達も経営の重荷になる。
 「東海第二は経営の大きな柱として重要」。原電幹部はこう話す。東海第二が運転期間を終えて廃炉となれば、原電は収益を見込めず、経営危機に直結する。経営が行き詰まれば出資する大手電力会社の財務にも影響が出る。関係者の一人は「延長申請しないという選択肢はない。原電にギブアップは認められない」と話す。
とはいえ、運転延長もいばらの道だ。原電は26日、東海第二の再稼働に必要な安全対策費用が当初見通しの780億円から、約1800億円に膨らむことを明らかにした。
 原子力規制委員会から防潮堤の設計の見直しを求められたり、新たな循環冷却システムの導入が義務づけられたりしたためだが、資金調達のめどは立たない。緊急時制御室など「特定重大事故等対処施設」の設置費用を含めると総額はさらに膨らむ。そこで、東海第二の電気を買ってきた東京電カホールディングスや東北電力が原電の債務を保証するなどの経営支援策が浮上する。原発事故で経営難に陥り、国の支援を受ける東電が原電を支援することに、疑問の声が出るのは必至だ。東京都心から約120キロにある東海第二は、周辺30キロ圏内に100万人近い住民が住んでおり、避難計画作りは難航が予想される。「事故が起きた場合の被害が大きすぎる」。経済産業省内からも東海第二の再稼働に慎重な意見が出ている。

東海第二原発、延長申請へ、再稼働審査「適合」見通し   (10.27  朝日)

 原子力専業会社の日本原子力発電(原電)は、来年11月に運転開始40年を迎える東海第二原発(茨城県、停止中)について、運転期間の20年延長を原子力規制委員会に申請する方向で調整に入った。26日、再稼働そのものの規制委の審査がほぼ終了して新規制基準への適合が認められる見通しになったことを踏まえ、延長申請の正式決定を急ぐ。原電は現在、運転延長に向けた特別点検を実施中。40年超の運転をする場合、11月28日までに規制委に申請する必要がある。原電に出資する東京電カホールディングスは東海第二の電気を買い取る方向で検討している。東海第二は事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型炉で、同型炉で運転延長を申請すれば初となる。

東海第2原発「再稼働」は見通せず (10.28 毎日) 

 日本原電が来年11月に運転開始から40年を迎える東海第2原発(出力110万kw)の運転延長を原子力規制委員会に申請する方針を固めた。運転延長と再稼働には約1800億円の安全対策費が必要だが原電の原発で再稼働の可能性のあるのは東海第2だけで、巨額の費用を負担してでも運転延長に踏み切らざるをえないと判断した。
 現在は原子力規制委の再稼働審査を受けており、実質的な審査はほぼ終了したが安全対策工事は2020年度末までかかる見通し。40年超の運転延長には原子力規制委の認可が必要で、11月28日が申請期限。運転延長には防潮堤の液状化対策でさらに追加の補強工事が必要となる可能性もある。工事費がかさみ採算の見通しが立たなければ運転延長を断念し、廃炉を選ぶケースもある。
 しかし、原電で唯一再稼働の可能性がある東海第2原発も廃炉にすれば基本料金が大きく減って経営が成り立たなくなる恐れがあり、東海第2原発の半径30キロ圏内の自治体に義務付けられている避難計画の策定は難航しており運転延長の認可を受けたとしても再稼働は容易でない。

地方制度・自治体論・地方自治一般

大井川新知事、「県民と道切りひらく」所信表明  (10.4  朝日)

 県議会の10月定例会が3日に開会し、就任後初めての議会に臨んだ大井川和彦知事が所信表明をした。「選挙期間中、変わらなければ、という県民の強い危機感を感じた。新しい発想で、勇気を持って挑戦していくことで、閉塞感を打破したい」と訴えた。自身の県政運営の基本理念として、「活力があり、県民が日本一幸せな県」を掲げた。取り組んでいく課題としては、無駄な仕事を省き、現場の声を生かす県庁改革▽4年間の任期中に多選禁止条例を制定▽医師不足対策として医療機関の再編統合・特区制度の活用・医科大の誘致▽低所得世帯の教育費の負担軽減―などを挙げた。
 選挙戦で最大の争点となった東海第二原発の再稼働問題には、「県民の安全安心を最優先に考えて判断する。県民の意見を反映できる意思決定のプロセスをしっかりと検討する」などとして、選挙戦での主張から大きく踏み込むことはなかった。

本県の魅力度 47位 5年連続8回目    (10.11 毎日)

 民間調査会社「ブランド総合研究所」(東京)による今年の「地球ブランド調査」が発表され、本県は都道府県別の魅力度ランキングで5年連続最下位となった。調査は、9回目で、本県は2012年の46位を除き8回目の最下位。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」の放映もあり、最下位脱出に期待が高まっていたが今年も結果は変わらなかった。
 同研究所は、「評価が下がっている訳ではないが、中心となる強いイメージが不在、特に西日本での評価が低い」と指摘し、選択と集中によりブランド力を上げれば魅力度向上に効果があるとした。「愛着度」「自慢度」が低迷し魅力度と関連したとされる。魅力度は「その地域に魅力を感じるか」について5段階の回答をポイント化、下位の県も軒並み点数を増やしたため、本県は突き放された。市町村別では、つくば市の128位が県内の最高位だった。
 都道府県魅力度ランキング
①北海道 ②京都 ③東京 ④沖縄 ⑤神奈川・・・・㊸栃木 ㊹埼玉 ㊺佐賀 ㊻徳島 ㊼茨城

比例19議席に8党93人 北関東プロック 前回から10人増    (10.11  朝日)

 10日に公示された衆院選で、比例北関東ブロック(茨城、栃木、群馬、埼玉各県)には、8党が計93人の立候補を届け出た。比例区のみの候補は22人、小選区tの重複は71人。定数は19で、前回2014年から1減となった。 4県の有権者数は約1185万人。政党別の候補者数は届け出順に、希望の党32人、立憲民主党6人、日本維新の会5人、幸福実現党4人、公明党4人、社民党2人、自民党35人、共産党5人。
7選挙区に22人
 衆院選が10日公示され、県内の7小選挙区に計22人が立候補を届け出た。経済対策の実績や北朝鮮問題などを争点に掲げる与党に対し、野党は与党の国会対応などの問題点を挙げて安倍政権の交代を訴える。最大野党だった民進が急きょ解体するなど選挙戦の構図が大きく変わる中で、12日間の選挙戦が始まった。
 候補者数22人は、小選挙区比例代表並立制の導入後、過去最少だった2003年と前回14年の21人に次いで少なかった。22人の内訳は前職8、元職2、新顔12。党派別では、自民7人、希望6人、共産7人、諸派1人、無所属1人。

茨城県の「魅力度」5年連続で最下位 (10.14  朝日)

 都道府県の魅力度などをランキングする「地域ブランド調査2017」が10日、ブランド総合研究所(東京)から発表された。昨年は魅力度のワースト3に名を連ねた北関東3県。今年も茨城が5年連続となる最下位だつたが、群馬が41位(前年45位)、栃木は43位(同46位)と順位を上げた。ベスト3は北海道、京都、東京だった。5年連続の最下位となった茨城県。
大井川和彦知事は「非常に残念であり、食や観光、暮らしやすさといった茨城県の魅力がまだまだ全国の方々に伝わつていないと思います」とし、新たな発想や切り口での魅力の掘り起こしやネットメディアなどをフル活用した情報発信の強化に取り組むとする。

2017衆院選(本社出口調査) 野党分裂影響大きく 自民圧勝 立憲支持層分散(10.24  朝日)

 22日に投開票された衆院選では、県内7小選挙区のうち、自民が前回から1増の6選挙区を占める圧勝に終わつた。ただ、朝日新聞社が同日に実施した出口調査を分析すると、自民の勝因は支持の拡大よりも、野党の分裂の影響が大きかったことが浮かび上がった。
7選挙区の集計データをみると、政党支持率は自民が43%。前回2014年は46%だつた。 一方、解散後に誕生した希望は9%、立憲は6%で、合計した15%は前回の民主の支持率と同じだつた。無党派層は24%で、前回から6㌽増えた。選挙区での投票先をみると、自民支持層の77%(前回78%)が自民候補に投票をしており、前回とほぼ同様に地盤の強固さを示した。希望支持層で希望候補に投票したのは76%と一定の支持固めには成功した。だが、県内の小選挙区に候補がいなかった立憲支持層でみると、希望候補に50%、共産候補に30%、自民候補に13%と分散した。単純に比較できないが、前回民主支持層は58%が民主候補に投票、残りの15%が自民候補13%が共産候補に流れた。今回も同様に「非自民票」が分散したことがうかがえる。無党派層でみても、希望候補への投票は自民と同じ38%、共産候補へは15%だった。新顔同士の激戦となった6区の分析では、当選した自民の国光文乃氏は自民支持層の74%、公明支持層の63%と自公の選挙協力の枠組みを固めて逃げ切った。無党派層の支持は32%だった。一方、惜敗した希望の靑山大人氏は希望支持層の92%、立憲支持層の67%から支持を得た。ただ期待していた無党派層の支持が51%で、15%は共産の古沢喜幸氏に流れた。共産は青山氏が無所属で出れば、擁立を撤回する予定だっただけに、野党共闘の自滅が國光氏の勝利をアシストした形だ。
アベノミクス49%「評価」
 今回の衆院選の争点の一つだった安倍首相の経済政策(アベノミクス)の評価では、県全体で「評価する」は49%、「評価しない」の44%を上回った。比例区の投票先別にみると、「評価する」の内訳は、自民62%、希望12%、公明12%、共産2%、立憲8%、維新3%。反対に「評価しない」は自民13%、希望32%、公明8%、共産10%、立憲30%、維新3%、社民2%、その他の政党1%だった。
 憲法9条を改正して自衛隊を明記することについての質問では、県全体で「賛成」が47%で、「反対」の44%をわずかに上回った。比例区の投票先別にみると、「賛成」の内訳は自民60%、希望15%、公明12%、共産2%、立憲7%、維新3%、その他の政党1%。「反対」は自民16%、希望29%、公明9%、共産10%、立憲31%、維新3%、社民2%だった。

指定管理者の選定 答申覆しは「違法」 水戸地裁、北茨城市に  (10.25  朝日)

 北茨城市の観光関連施設の指定管理者の候補の選定で、市が審議会の答申を覆して異なる業者を選んだのは違法だとして、千葉市の施設管理会社が北茨城市に決定の取り消しを求めた裁判について、勝訴した原告弁護団の五来則夫弁護士が24日、水戸市内で記者会見した。「行政の裁量権の逸脱を認めた」と評価した。
北茨城市は2014年8月、観光関連施設の15~17年度の指定管理者の候補を公募し、原告の施設管理会社と豊田稔市長が代表理事の一般財団法人が申請した。市の審議会は同年11月、原告を選定したが、豊田市長が「審議会の決定は実態を反映していない」として、同社に非選定決定を通知。自身が代表理事を務める財団を指定管理者の候補に指名した。市の指定管理者の選定手続きは、審議会の答申を尊重して市長が選び、議会の議決を経て市長が指定するとしている。
 裁判では、原告の施設管理会社が審議会の答申とは異なる業者を候補に選んだのは違法とし、市に非選定決定の取り消しを求めた。20日の水戸地裁の判決は、豊田市長が市の審議会の答申を覆して別の業者を候補に選定したことは「審議会の答申を尊重したとはいえず、裁量権の逸脱または乱用がある」とし、市に決定の取り消しを命じた。

2017衆院選振り返り㊦ 比例激減、公明に打撃、「常勝」崩れ問われる連携  (10.27  朝日)

次の衆院選に積み残しになった課題は、各方面に及んでいる。公明は生命線の比例票が激減し、自公連携の中での存在を問われる結果になった。唯一自民が小選挙区で負けた7区の「保守分裂」は今回で5度目だが、解消のめどはたっていない。
 衆院解散が取りざたされる前から比例区での選挙協力の強化は自民・公明両党の間で課題になっていた。比例北関東ブロックの定数は1減の19。高くなったハードルをクリアするため、公明は県内での得票目標を前回2014年から3万多い22万票に設定。だが、目標をはるかに下回る17万票弱にとどまった。当選者は1減の2人で、公明が決まり文句とする「常勝」は崩れた。

予算・税・財政 

積立金残高比率 鉾田市、最高118.1%    (10.29 茨城)

 2016年度の県内44市町村の普通会計決算で、各自治体の標準財政規模に対する施設整備や財政調整のために積み立てている基金の割合を示す「積立金残高比率」は、鉾田市が118・1%で最も高かったことが、県のまとめで分かった。
 このほか常陸太田市、東海村、稲敷市が100%を超えた。市町村全体の歳入総額が減少する一方で、歳出総額は3年連続で増加し、過去最高を更新した。
 県市町村課によると、16年度決算で県内市町村の積立金残高は計3310億円(2・4%減)となり、2年連続で減少した。震災復興交付金や財政調整基金の取り崩しが影響した。標準財政規模は税収と普通交付税などを合わせた各自治体の経常的な一般財源の規模。これに対する積立金残高の比率は、高い順に鉾田市、常陸太田市(116・3%)、東海村(107・1%)、稲敷市(106・7%)。一方、比率が低かったのは、取手市(21・3%)、水戸市(21・7%)、古河市(23・2%)の順だった。
 鉾田市は「鉾田市民交流館」(仮称)や学校の建設を控えて、基金が増えた。常陸太田市は合併に伴う優遇措置縮小に備えている。東海村は原子力関連施設の新設がないことなどから、固定資産税か徐々に減少するのに対応している。自治体の基金を巡っては、全国で基金残高が年々増加している状況を財務省の審議会が問題視。国の財政で国債(借金)の増加などを背景に、各自治体には「(国が)地方交付税を削減するのではないか」との懸念が広がっている。
一方で、県内市町村全体の歳入歳出は、歳入総額が1兆2198億円で前年度比0・9%減少。繰入金や地方税などは増加したが、基準財政収入額の増加による交付税減が影響した。歳出総額は1兆1620億円で、同0・1%増加した。消費税増税に伴う低所得者向けの臨時福祉給付金や、学校施設整備費が増加したのが主な原因。
 歳出のうち東日本大震災の関連事業費は386億円で前年度比13・7%減少した。最終年度を迎えた液状化対策工事などの大型事業が一段落したのが要因。一般財源の余裕度を測る「経常収支比率」は、全体の平均が90.2%で前年度より2・6誘悪化した。90%を超す市町村は14団体増の25市町村だった。
 借金に当たる地方債の残高は1兆984億円で2・2%増と8年連続増加した。公社や第三セクター分を含む借金の総額と年間収入の割合を示す「将来負担比率」は、平均で36・4%と0・2%改善した。県市町村課は「自治体は国と違い赤字国債が発行できず、災害などの非常時や法人税などの税収変動リスクに備え一定の基金を積み上げる必要がある。各市町村には明確な理由付けも図ってもらっている」としている。

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まちづくり・都市計画 

水戸市新市民会館 供用遅れ 設計見直し22年9月に    (10.12 茨城)

 水戸市泉町1丁目北地区に整備予定の新市民会館を巡り、市は11日、供用開始時期が当初計画より1年5カ月遅れ、2022年9月にずれ込む見通しを明らかにした。利用団体や権利関係者などの意見を踏まえ、基本設計の見直しを重ねたことが主な要因。同日の市議会特別委員会で報告した。
 市はこれまで、新市民会館の供用開始時期を21年4月と説明してきた。しかし、構造・動線の一部変更のほか、市民二―ズを反映させるために利用団体に意見聴取する日程調整など、基本設計に関する修正に時間を要した。基本設計の見直しに伴い、建築工事の期間も延びた。さらに、建設予定地に残る建物の解体工事に関し、騒音や振動、交通対策も見直したことにより、建設と解体を合わせ、工事期間が計画の30カ月間から36カ月間に変更した。

「合葬墓地」整備進む 県内自治体(10.28 茨城)

 複数の遺骨を合同で埋葬する「合葬式墓地」の整備に、県内の自治体が乗り出している。大洗町は4月から、町営墓地内で運用を始めたほか、水戸市も2020年度までに整備する計画をまとめた。少子高齢化に伴う墓地の需要増加に備えるとともに、子や孫世代など後継世代の負担軽減や、無縁化を不安視する利用者の二ーズに応えるなどの狙いがある。
 合葬式墓地は、複数の遺骨を納骨、または埋葬する施設や敷地で、大洗町は県で内初めて、同町磯浜町の町営墓地内に鉄筋コンクリート23・7平方メートルの施設を整備した。施設内には174体分の納骨棚を設け、地下には千体分を散骨する合祀室を配置。納骨棚で15年間保管した後、合祀室に散骨する仕組みだ。
 合葬式の利用は、墓地の継承者がいないことが条件となる。「運用を始めた4月以降、申し込みは10件を超えている」(同町生活環境課)という。経済的な負担が少ないのも特徴。町営墓地で従来型を利用する場合は、平均的な4平方層の区画で初回使用料が20万円、管理料は年3200円に上るほか、墓石などの購入は自己負担となる。これに対し、合葬式は維持費が不要で、初回使用料8万4千円だけとなっている。

地 域 経 済 

18年産以降の米生産量 本県含む41道県地域別に目安  (10.19 日本農業)

 2018年産から国が主食用米の生産数量目標の配分をやめた後も、43道県の農業再生産協議会や県が同目標に代わる「目安」の設定を予定していることが日本農業新聞の調査で分かった。
 今後も多くの道県で需給調整を続ける仕組みを整えるが、今後の実効性を確保する鍵は、再生協が握ることとなる。
(2018年度以降主食用米の「生産量の目安の設定・情報提供」アンケートの回答結果)
都道府県別 する43(茨城) 地域別 する41(茨城)
生産者別 する10(茨城) 
都道府県別 しない 3  地域別 しない 5
生産者別  しない 4             
都道府県別 検討中 1 地域別 検討中 1 
生産者別 検討中 2  
地域の判断 30
その他    1 

産地支える人材 女性農業者育成に力(10.30 茨城)

 農家の高齢化や担い手不足が社会問題となる中、女性農業者の育成に向けた動きが拡大している。労働力としてだけでなく、地域農業の振興や経営の発展に女性の視点を活かす狙いや期待もある。県も産地を支える人材として育成支援に乗り出している。
 県によると、最近、本県の農業就業人口に占める女性の割合は50%前後で推移している。15年は、42,954人で全体の48%を占め他の産業と比べても割合が多い。しかし、「補助的な労働が多く、経営に参画することはまだ少ない」とも指摘される。一方で、女性が経営に参画する経営体は、一般企業の売上高に当たる経営収益の増加率が参画してない経営体と比べて71.4%も高いとする調査結果(日本政策金融公庫)もある。県は、15年から30~40代の女性を中心に経営管理などの知識や技能を身に付けてもらう「女性農業経営者育成講座」、産学官が連携して専門知識を総合的に学べる「いばらき農業アカデミー」、農業機械の操作、保守点検などの知識を身につける「農業女子のための農業機械講習講座」や経営に必要な財務の基礎を学ぶ講座を開催又は予定している。
                               CENTER:もくじへ戻る

環境と開発

神栖市住民投票 アリーナ見直し賛成多数 結果の反映「見守る」市民の会     (10.2 茨城)

 神栖市が建設中の「神栖中央公園防災アリーナ(仮称)」の事業規模見直しの賛否を問う住民投票が1日、投開票された。賛成が得票率54・32%で過半数となった。投票結果に法的な拘束力はないが、条例では「市長と議会は、投票結果を尊重しなければならない」としている。結果を受け、保立一男市長は「よく考えて、今週中に自ら判断する」と述べた。当日有権者は7万6126人。投票率は33・40%だった。
神栖防災アリーナ住民投票結果
見直し賛成 13,812票 (54.32%)
見直し反対 11,482表 (45.16%)
 防災アリーナは、同市木崎の神栖中央公園の約2万9千平方層の敷地に整備され、鉄骨2階建て延べ床面積は約1万9千平方層で、体育館や温水プ;ル、音楽ホールなどを備えた複合施設。災害時は最大約1万人を収容する避難所となる。
 事業費は施設整備費約121億円と15年間の運営・維持管理費を合わせた計約171億円。2019年3月の完成を目指し、今年5月に着工。現在も工事は中断せず続いている。住民投票を巡っては、3月の市議会定例会で事業の見直しを求める請願を不採択としたことを受け、有志で組織する市民団体「かみす市民の会」が5月、住民投票の実施を目指して署名活動を開始。市民の会は「既存施設と重複する音楽ホールや温水プールは不要。地域医療への予算投資を優先すべき」などと主張し、7月に同会の伯老日進共同代表責任者(69)らが、住民投票条例制定を保立市長に直接請求。6月1日現在で請求に必要な有権者の50分の1(1533人)を大きく上回る7326人分の署名簿が添えられた。
条例案を審議する市議会臨時会は8月4日に開かれ、採決の結果、賛成11反対9(棄権1、欠席1)の賛成多数で可決された。

神栖市長、アリーナ計画継続 住民投票うけ損害費用、低投票率理由に   (10.7  朝日)

 神栖市の神栖中央公園防災アリーナ(仮称)を巡る住民投票で、規模見直しを求める投票が多数を占めた結果を受けて、保立一男市長は6日の記者会見で「結果は尊重するが、計画通り事業を進める」と述べた。
 保立市長は会見で「防災アリーナは市民が望む施設。安全安心な魅力あるまちづくりを進める上でなくてはならないものだ」と説明。見直しして事業を中止する場合は約38億円(9月末時点)の損害が発生し、多大な市民負担になるなどとして「(事業継続は)熟慮を重ねた最終判断だ」とした。住民投票の投票率が33.40%と低かったことも継続の理由に挙げた。ただ、「あとのことは次の市長の考えになる」とも話し、次期市長に住民投票の結果について、判断を委ねる余地を残した。

所有者不明地 公共事業で活用へ(10.26 日本農業)

 国土交通省は、所有者が分からない土地について、公共事業などのために利用しやすくする新制度の素案を明らかにした。5年程度の利用権を設定し、農産物直売所や公園、緑地といった公益性のある事業目的に使えるようにする。
 新制度では、土地の利用に反対する人がおらず、利用されていない土地のうち公益目的に限って利用権を設け
土地を有効活用するよう仕組む。具体的には事業を計画する自治体やNPO法人などが都道府県知事に利用申請し、事業の公益性が認められた場合に利用権を設定、所有者が現れた際には現状回復して明け渡すことを原則とする。

医療・福祉・社会保障・教育 

IT社会で活躍 県教育委研修開始 プログラミング教育 (10.15 茨城)

 次期学習指導要領で「プログラミング教育」の必修化が盛り込まれた。IT(情報技術)人材の育成などを目的に、2020年度以降、小中高校で順次導入される。県教委は「学習指導要領改定のポイントの一つ」と位置付け、教員を対象とした研修をスタートさせるなど、本格導入を見据えた教育環境の充実に向け、着々と準備を進めている。
 プログラミング教育は、ITの成長を受け、新学習指導要領で導入を決定。小学校では主に各教科で論理的な思考を育て、中学は内容の充実を図り、高校は選択から必修とし、全ての児童生徒がプログラミングを学ぶ環境を整える。実施は小学校が20年度、中学校が21年度、高校が22年度以降の予定。プログラミング教育の狙いについて、文部科学省は「プログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」とする。進化するIT社会で必要とされるコンピューター技術習得のためだけの学びではなく、IT社会で最大限に能力を発揮するための「プログラミング的思考」を身に付け、「物事を順序立てて考え、課題を見つけ、問題点を修正する力」(県教委)の育成を目指す。プログラミングは「反復」「手順」「条件分岐」という基本の3要素の組み合わせで構成される。県教委によると、動きを指定した通りに繰り返すダンス、手順など矢印を使ってチャート式に表す計算式など、3要素を満たせばコンピューターを使わないプログラミング教育も可能という。

県内研修医 最多162人 来春卒、充足率74%   (10.20 茨城)

 来春卒業する医学生の臨床研修先を決めるマッチングで、県内20の研修指定病院が計218人の募集定員に対し、計162人(前年比6人増)を確保したことが19日、厚生労働省のまとめで分かった。県内の臨床研修医の内定者は増加傾向にあり、4年連続で過去最多。8病院が定員を満たす一方で、4病院が受け入れゼロとなり、病院聞の格差は解消されなかった。
 まとめによると、県内の定員に対し学生を確保できた割合(充足率)は74・3%で前年比1・7ポイント増だった。初期研修医は研修先の病院や地域にとどまる傾向があるため、研修医の確保が医師不足対策につながるとされる。
病院別で見ると、募集定員がほかの病院に比べて圧倒的に多い筑波大付属病院は、90人に対し67人(前年比10人減)を確保した。定員を満たした8病院は、県立中央病院(7人)▽日立総合病院(11人)▽東京医科大学茨城医療センター(8人)▽筑波メディカルセンター病院(10人)▽筑波記念病院(8人)▽茨城西南医療センター病院(4人)▽水戸協同病院(10人)▽水戸赤十字病院(4人)。内定者がゼロだった4病院は、霞ケ浦医療センター▽JAとりで総合医療センター▽つくばセントラル病院▽友愛記念病院。本県の人ロ10万人当たりの医師数(2014年)は全国平均244・9人を大幅に下回る177・7人で全国ワースト2位。一方で、県のマッチング数は126人(13年)、147人(14年)、155人(15年)、156人(16年)と順調に増えている。内定者162人の中には、県内勤務を条件に修学資金を貸与する県の「地域医療医師修学資金(地域枠)」の学生23人も含まれており、その人数は前年より7人増えている。県は本年度、地域枠向けの貸与額を増やしたほか、研修病院の合同説明会を開くなどして若手医師の確保を図っている。県医療人材課は「地道な活動が評価されつつある。引き続き医師不足解消に向けて取り組んでいきたい」としている。

単身高齢者に空き家紹介 25日から新制度始まる (10.21 毎日)

 賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者向けに空き家や空き部屋を活用する新たな制度が25日から始まる。所有者に物件を登録してもらい、自治体が改修費用や家賃の一部を補助するなどして住まい確保につなげるのが狙い。政府は2020年度末までに全国で17万5000戸の登録を目指す。
 全国の空き家は820万戸(13年度総務省調査)で20年前の約1.8倍に急増。このうち耐震性があり駅から1キロ以内の物件は185万戸に上る。新たな制度は、4月に成立した改正住宅セーフティネット法に基づき、空き家などの所有者が賃貸住宅として都道府県や政令市、中核市に届けでる。
 登録条件は ①高齢者らの入居を拒まない、②床面積25㎡以上(シェアハウスは専用部分9㎡以上)③耐震性がある―― など。自治体は登録された物件の情報をホームページなどで入居希望者に公開する。
 耐震改修やバリアフリー化が必要な場合は所有者に最大200万円を助成。低所得者の家賃を月額4万円まで補助したり、連帯保証を請け負う会社に支払う債務保証料を最高6万円助成したりする仕組みも設ける。
 このほか、入居者のアフターケアをする社会福祉法人やNPOを「居住支援法人」に指定し、同法人、自治体、不動産関係団体などで構成する居住支援協議会を自治体ごとに置く。

発達障害への対応強化 県教育委、教職員研修に力   (10.31 茨城)

 発達障害のある児童生徒への指導法を身に付けてもらおうと、県教委は、教職員を対象とした研修に力を入れている。発達障害に関する知識を深め、より児童生徒に寄り添った教育支援につなげるのが狙い。専門家による講演や模擬体験などを通して、子どもの個性や能力に応じた対処法や授業スタイルを探っている。
 研修会は年に数回、県内の教職員を対象に、基礎知識から発展的な内容までを研修する。24日に開かれた研修会には、県内の小中高校、特別支援学校の教職員約200人が参加。講演や実践発表などを通して、学習支援や授業方法について理解を深めた。発達障害は、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ、環境や人との関わりのミスマッチなどから、社会生活に困難が生じる障害。2004年施行の「発達障害者支援法」で定められ、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害などさまざまな症状がある。12年12月の文部科学省の調査によると、小中学校の通常学級に在籍している児童生徒の中に、学習面、または行動面に著しい困難があるとされる児童生徒の割合は約6・5%とされ、40人学級で1学級当たり2~3人の割りあいになる。
 07年施行の改正学校教育法で全ての学校での特別支援教育の推進が明確に示された。発達障害も新たな支援対象として、二―ズに応じた指導と支援の充実が求められるようになった。県教委によると、小中学校では、学習に遅れがある▽集団行動がうまく取れない▽不適応行動を起こしてしまうなどの問題がある児童生徒が通常学級に所属し「対応に苦慮する教職員も少なくない」(県教委)という。特に、最近は、高校でも学習面や人間関係でつまずく生徒が増えているといい、社会的障壁を取り除くための合理的配慮の観点からも、県教委は「発達障害の理解と対応は喫緊の課題」と位置付けている。

取手いじめ問題 県が調査委設置 県議会、条例案可決(10.31  朝日)

 県議会定例会は30日、取手市立中学3年の中島菜保子さん(当時15)が自殺した問題を巡る調査委員会設置の条例案を含む16議案を可決するなどして、閉会した。いじめ問題の調査委は12月にも設置される方針。7人以内の学識経験者で構成し、いじめの事実関係の調査や自殺原因の考察などに取り組む。この問題を巡っては、遺族が市の調査や対応に不信を抱き、県による調査を要請。大井川氏は「誠実に、真摯に(遺族の)気持ちに寄り添って対応する。意思疎通の破綻やお互いが不信感を抱くことがないよう、対策も合わせて考えたい」と語った。
 議会はほかに、空席の副知事に県教育長の小野寺俊氏、後任の県教育長に茨城大教授の柴原宏一氏をあてる人事案に同意。

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