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第26号

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(第26号) (2011・02・20発行)

虎塚古墳

虎塚古墳=ひたちなか市
最大級の前方後円墳。1973年に朱色で描かれた石棺が発見


  • 豆打つや昭和の匂ふ桐箪笥
  • 料峭(りょうしょう)や針山に針犇(ひし)めきて
  • 野火捌(さば)く人の昏れゆく休耕田
  • 野火迫る暗渠の億に水の音
                       
       作:高島 つよし

    (高島剛・常総市(旧水海道市)在住、元県職員、小貝保育園長、当研究所顧問)


「革新懇の発展のために」

取手革新懇代表 﨏川(さこがわ)利内(りだい)

 職員数1万5千名、運用資金5兆円で全国に約2百万名余の契約者がおり、各企業、団体とつきあう生命保険会社の社長を経験した人物が、どうして革新運動の一端を担う革新懇の代表になったのか。という関心をもたれる人は多い。
 戦後、新制中学生の時に文部省の副読本「新しい憲法の話し」に、触発されて憲法の示す平和、民主主義、人権という理念に感動し、これこそまさに、新しい日本の基礎となるべき指針だと考えました。実社会に出て、現実にある実情と理想との乖離、矛盾にぶつかり労働組合活動を通じてその解決をめざそうとしたのです。
若かったのです。不正を憎み、反権力で平和で豊かな社会への希求がありました。しかし、正義感のようなものだけでは乗り切れない複雑な現実、即ち組合運動の変質にぶつかり離れました。老境に入り、今日の国政の混乱や社会の歪み、貧困などこの現状を変えるには民主、自民などの政治から脱し、統一された革新勢力の台頭がなければならないと思うようになりました。
 就職が困難な若者達の不安、非正規採用による低賃金生活、高齢者の医療、貧困、孤独死など、いま派生している数々の事象の根は、社会的責任を放棄した大企業とその応援団となった政治でしょう。また、平和を脅かす安保体制の基地問題やTPPにみられるようにアメリカの利益になる体制への隷属である。こうした国民生活を蝕んでくる課題を解決するにはどうしても政治のあり方を改めなければなりません。
 南米やアフリカ、アジア周辺、世界は大きな変動の兆しをみせています。日本の政治が、世界の流れに乗り遅れないためにも、いわゆる革新勢力が強大にならなければならない時代が待たれている気がします。
 一歩ずつ前進していくために革新懇運動の一翼を担うのも私の人生の晩年に与えられたことかもしれません。

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ほしいも学校が開校 

先﨑 千尋(茨城大学地域総合研究所客員研究員)

 「ほしいも学校」が開校した。校舎はない。校長も決まっていない。だが、校歌と応援歌は出来ている不思議な学校だ。
 昨年10月、東京の青山ブックセンターとひたちなか市のワークプラザ勝田で「ほしいも学校」完成記念発表会とトークショーが開かれた。いずれの会場も満席、立ち見(?)が出るほどだった。この日に披露されたのは、「ほしいも学校」という干し芋と同名の説明本。ひたちなか会場には上月副知事、本間ひたちなか市長、村上東海村長らも出席した。
 完成した本は干し芋の歴史、干し芋になる原料イモ、畑の土壌、肥料、干し芋になるまでの過程、販売などの基本的なことだけでなく、パッケージ、色、形、手触り、歯ごたえ、人体に入って出るまで、環境、干し芋を使った料理のレシピと干し芋に関するあらゆることを詳しく解説している。肩苦しくならないように随所にイラストレーターの寄藤文平さんのユニークなイラストが入っている。
 この本はなんとB5版430ページもある。だが、さすが佐藤さんのデザインという出来栄え。写真がふんだんに使われ、なんだこれは、と思えるページもある。逆にそれがいい、子どもが手に取って見ている、という話も聞いている。この本は「ほしいも学校」が発行元になっているが、おそらく民間の出版社だったらこのような本は生まれなかったと思う。
 発表会でのトークショーで今回のプロジェクトの企画をしたグラフィックデザイナーの佐藤卓さんは「今求められているのはかっこいい、早いなど。干し芋は逆に田舎くさい、あか抜けない、不細工、不揃い、しわだらけ、遅いなどと時代に逆行している商品だ。でも皆干し芋は大好き。そこに干し芋の未来があるのではないか」と干し芋にのめりこんだいきさつを説明した。また学校にこだわったのは、「干し芋に関係している人たちが実は干し芋のことをほとんど知っていないことが分かった。でもそこから干し芋そのものや農業、環境、太陽、商品、技術、流通、農業後継者などあらゆることを勉強できるので、それができる場は学校だ。学校という場ではなんでもできる」ということからだった。
 ここで「ほしいも学校」って何なのかを説明しておこう。「ほしいも学校」は第三セクターのひたちなかテクノセンターと干し芋に関わる地元企業が出資して一昨年五月に設立された有限責任事業組合(LLP)のことだ。今回の干し芋に関する本の出版や新商品の開発、干し芋の体験学習などを手がけ、干し芋を切り口に多くの人に農業への関心を持ってもらい、担い手育成につなげていこう、というのがさしあたっての狙い。
 昨年暮れから今春にかけてひたちなか海浜公、西山荘、徳川博物館などでワークショップを開き、1月に再び水戸市で佐藤卓さんのトークショーを開いた。参加の申し込みは大半がインターネット。若い人の関心度は高く、私がびっくりするくらいだった。遠くは鹿児島県種子島から駆け付けてくれた人もあり、関係者が感激していた。
 私はこの「ほしいも学校」のプロジェクトにLLPの発足当初から加わり、干し芋の歴史を担当した。静岡から茨城へ干し芋の製法が伝わって100年になるという。調べ始めて分かったのは、わが国に干し芋に関する本が一冊もないということだった。それなら徹底して調べようと意気込んだが、なにせ資料がない。これまで関係した子孫の家、関係機関にも見るべきものがない。仕方なく、川越市にあったさつまいも資料館の館長だった井上浩さんに教えを請い、静岡県御前崎市の沖寿弘さんを紹介してもらい、さらに茨城県内の研究者とも連絡が取れ、いもづる式に情報が集まった。その成果の一部は「ほしいも学校」に盛り込んだが、その前の3月に茨城新聞社から『ほしいも百年百話』を発刊した(B6変型判291ページ)。この本の売りは今回集めた200近い文献を12ページにわたって収録したこと。これから干し芋について研究する人はここから出発できるようにと考えたからだ。初刷2,000部がなくなり、昨年12月に2刷を出した。
 おかげでにわか「ほしいも博士」になった。ありがたいことに、東海村中央公民館、茨城民俗学会などあちこちから声がかかっている。
 「ほしいも学校」はやっと表舞台に登場した。

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イベント紹介
  * 農村と都市との交流研究会(小さくても輝く自治体フォーラム)in川場
2011月2月23~24日(水・木)
     全体会場は 川場文化会館・分科会・夕食会はホテルSL(群馬県利根郡川場村)  
   ・川場村と世田谷区との交流について
   ・参加費4000円 宿泊費等10000円
* 第4回取手市財政学習会 3月4日(金) PM6:30
  ・テーマ:人件費について
  ・会場:取手市藤代庁舎1階会議室
* 水戸市のまちづくりを考える―茨城革新懇主催―2月26日(土)PM1時30分
  ・会場:茨城大学共通教育棟2号館 資料代500円 自由参加

新 刊 紹 介
1.川瀬憲子『分権改革』と地方財政 自治体研究社  2011年1月発刊 3000円+税
   ―住民自治と福祉社会の展望―
2.可児紀夫『地域交通の未来展望』 自治体研究社  2011年1月発刊 2000円+税

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