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2022/10

2022/10

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2022年10月分


コロナ感染拡大と対策

県、来月から大規模接種 4カ所に会場を設置 (10.24 朝日)

 新型コロナウイルスのオミクロン株に対応するワクチンの接種が県内で始まってから、約1カ月。政府は接種間隔を従来より短縮し、「第8波」への備えを急いでいるが、県内では予約枠に空きが目立つ接種会場もある。県は11月から、4カ所に大規模接種会場を設置する。
「その日の朝でも予約が取れる状態だ」。水戸市保健予防課の大図要之課長によると、市内の55カ所にある接種会場は、予約の空きが目立つ状況だという。市は11月5日から、1日1500人が接種できる大規模接種会場を開設する予定だが、開設の日数や1日あたりの接種人数を減らすなど、当初の想定より規模を縮小することも検討しているという。
政府は今月21日から、接種間隔を従来の5カ月以降から3カ月以降に短縮した。県によると、県内で年内に接種の対象となるのは約236万人。県内の市町村では9月下旬から順次、オミクロン株に対応するワクチンの接種を始めているが、今月19日時点で接種を済ませたのは約7万2千人にとどまっている。

医薬品不足光熱費高騰 対処・国に働きかけ 病院協が県に要望書 (10.29 朝日)

 新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻の長期化で、病院の医薬品不足と光熱費が高騰しているのを受け、県病院協会は26日、対策と国への働きかけを求める要望書を県に提出した。
 協会によると、光熱費は昨年から平均で約4割増え、医薬品の安定供給は回復まで数年程度かかるという。コロナによる海外工場のクラスター発生や都市のロツクダウンに加え、ウクライナ侵攻で製薬企業の製造・販売の流れが寸断された。医療関連物資の価格や流通経費、光熱費などの値上げと欠品、入荷の遅延が起きている。
 協会の諸岡信裕会長は「命や健康に関わる極めて深刻な事態。インフルエンザの流行とコロナの第8波が同時発生した場合が心配だ。冬になると光熱費が上がり、経営上の負担が大きくなる」と話す。
 要望書は医薬品の供給情報をまとめたデータベースの構築と、迅速な情報開示を求めた。補助金や診療報酬などで緊急の対策を講じ、供給が不安定な医療製品を国が備蓄して配布する仕組みも要請した。
 受け取った森川博司県保健医療部長は「国に要望することと、県でできることがある。できることからやっていきたい」と話した。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

処理水放出改めて反対 国・東電説明に漁業関係者ら (10.1 朝日)

 東京電力福島第一原発から出た処理水の海洋放出をめぐり、国と東電は30日、県内の漁業関係者らに対し、風評被害対策や被害があった場合の賠償について説明した。漁業関係者は改めて反対の姿勢を示した。
 処理水をめぐっては、福島第一原発がある福島県と同県大熊、双葉の両町が8月、海洋放出に必要なトンネルなどの着工を了解した。東電は直後から工事を始め、来年春までの完成を目指している。 .
 県内での説明会は昨年11月以来。今回は水戸市内のホテルで開かれ、漁業や観光業界の団体、市町村の担当者らが出席した。経済産業省の担当者が、新聞やインターネットを用いて処理水への理解を広める活動をすでに実施しているなどと説明。東電の担当者は、風評被害が起きた場合の損害賠償について、「年内にも基準を公表する」などとした。
 漁業関係者からは、国内だけでなく外国でも風評被害が起きないよう対策を求める声が出たほか、「すでに風評被害は起きている」との意見もあった。これに対し、経産省の松永明参与は「放出前でも、賠償していくのが当然」と述べ、今後決める基準に当てはまれば、期間をさかのぼって賠償する考えを示した。処理水について、国と東電は「関係者の理解なしには処分をしない」としている。

日立が新型原子炉 安全性高めGEと開発 (10.1 茨城)

 日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)が共同出資する「日立GEニュークリア・エナジー」(日立市幸町)が、安全性を高めた新型原子炉を開発していることが30日までに分かった。岸田文雄首相が8月に次世代型原発の建設を検討する方針を打ち出したことを追い風に、2030年代半ばの実用化を目指す。
 日立GEは、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)をベースに開発を進めている。溶融した炉心を確保し、冷却して閉じ込める装置を搭載するなどして事故への対策を強化。事故時に原子炉格納容器の圧力を下げて破損を防ぐ「ベント」を行いやすくする仕組みも導入する方向だ。同社は日立製作所の原子力事業を引き継ぎ、07年7月に設立した原子力専門メーカー。軽水型炉や高速炉、原子燃料サイクル関連施設の設計、製造、販売、保守を手がける。
 政府は8月、脱炭素化を進めながら将来的な電力の安定供給を図るため、次世代型原発建設を検討する方針を公表。福島第1原発事故以降、原発の新増設や建て替えは想定しないとした従来のエネルギー政策を転換した。
 三菱重工業も29日、関西電力など、電力大手4社と協力して新型原子炉の開発を進めると発表した。次世代型原子炉は、出力30万キロワット以下の小型モジュール炉(SMR)やヘリウムガスで原子炉を冷却する「高温ガス炉」などがある。

ガラス固化作業停止、東海再処理施設炉が故障の恐れ (10.6 朝日)

 日本原子力研究開発機構は5日、東海再処理施設(東海村)に残る高レベル放射性廃液をガラスで固める作業について、いったん停止すると発表した。ガラスを溶かす炉内に電気を通しやすい状態のガラスがたまって、炉が故障する恐れがあったためという。同機構によると、今回の作業は7月12日に始め、11月下旬ごろまでに60本のガラス固化体をつくる予定だったが、9月1日に炉を停止。できた固化体は25本だったという。
 同施設で原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出した過程で生じた高レベル放射性廃液のガラス固化は、施設を廃止する作業の一環。880本の固化体をつくって終える計画だ。作業自体は1995年に始まったが、機器トラブルなどで中断と再開を繰り返しており、今回の作業を終えた時点で、できたガラス固化体は354本にとどまっている。
 作業の再開は未定で、建設中の新しい炉を前倒しで使用することも検討するという。作業は2028年度末までに終える計画だが、機構の担当者は「計画の見直しを含めて検討する」としている。

社説・原発運転延長・安全の骨抜き許されぬ (10.7 朝日)

 原発の運転期間の制限を緩めて、安全性を保てるのか。悲惨な事故の教訓から、国会で議論を重ね与野党が合意したルールである。わずか10年で軽々に変えることは許されない。経済産業省が、原則40年と定められている原発の運転期間の延長に向け、法改正の検討を始めた。原発の積極活用に意欲を示す岸田首相が、再稼働推進や新型炉の建設と合わせて8月に検討を指示していた。
 40年ルールは、2011年の東京電力福島第一原発の事故後、安全性を高めるために導入された対策の柱の一つだ。古いものから運転を止めて、原発依存度を下げていくうえでも、大きな役割を果たしてきた。経産省や関連業界は「運転期間を延ばせばエネルギー供給の安定化に役立つ」という。40年の区切りは「一つの目安にすぎず、明確な科学的根拠はない」とも強調する。あまりに粗雑な議論といわざるをえない。エネルギー戦略のうえでも、安全規制の観点からも、いくつもの疑間が浮かぶ。
 長期的には原発依存を続ける道を開くことになる。放射性廃棄物の処分もままならず、多くの自然災害のリスクにさらされる日本において、それが本当の安定供給といえるだろうか。
 安全面でも、重大な原則の転換になりかねない。事故を踏まえた原発政策の根幹は「推進と規制の分離」だ。安全に関わるルール変更を、利用推進を図る経産省が主導すること自体が、事故以前への後戻りに近い。
 規制を所管する原子力規制委員会の姿勢も不可解だ。経産省の方針に、「運転期間は原子力の利用のあり方に関する政策判断。規制委が意見を述べる事柄ではない」と異を唱えなかった。老朽原発の安全性は個別に厳しく点検するというが、十分に確認できるのか。
 運転期間制限と安全性の確保は無関係なはずがない。
40年ルールを定めた2012年の法改正時の国会審議では、原発担当閣僚が、40年の根拠として、使われる機器の耐用年数の想定などを挙げていた。技術的な検討のうえで40年の妥当性を議論することもなく、「利用論」に従うだけなら、独立した規制機関としての責務の放棄ではないか。
 このようななし崩しのルール変更は、安全規制の骨抜きにつながる。経産省と規制委は姿勢を改めるべきだ。

風評賠償、データで算定 東電 処理水巡り基準案 (10.8 茨城)
 
 東京電力は7日、来年春ごろにも始める福島第1原発処理水の海洋放出に伴って風評被害が発生した場合の賠償について、算定方法の検討案を公表した。海産物や農産物の価格について、国などの統計データを基に、本県を含む対象地域と全国の商品価格などを比較し、被害の有無を確認する。その上で、放出前年からの価格の下落幅を見て損害額を算定する。漁業、農業、観光など各団体から意見を聞き、年内に正式な賠償基準を公表する。
 検討案によると、賠償の対象は、処理水放出後に風評被害を受けた事業者。漁業や農業、水産加工業、水産卸売業、観光業の5業種のケースを示した。ただ、賠償期間や地域、業種を限定しないという。
 被害の有無を判断するための統計データは、水産庁の産地水産物流通調査や各県の青果物統計調査、観光庁の旅行・観光消費動向調査などを挙げた。このうち、海産物や農産物、観光については、全国の販売価格や観光客数との比較で被害の有無を確認する。
 例えば、海産物の全国価格が10%上昇した場合、賠償を請求した業者の所在地域の価格が下落か10%未満の上昇率にとどまると、風評被害を認める。損害額の算定式は、放出前の価格から放出後の価格を引き、生じた差額に放出後の水揚げ量や販売量などを掛ける。
 水産加工品については、風評の影響を受けた海産物を一定程度の重量(おおむね50%以上)を使用した場合、被害を認める。また、海産物に風評被害が確認された地域で製造加工されていれば、賠償対象とすることも検討している。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響など、統計データに基づいた被害が確認できない場合は、事業者に被害実態を調査。個別の意見聴取や取引書類などで被害を確認した場合、被害額の算定を行う。
 外国の禁輸措置などに対しても賠償するとしている。東電の担当者は「あくまでも現在の検討状況で、決定したわけではない。関係団体に丁寧に説明し、意見を聞きながら賠償基準を作る」と話した。
 政府は8月、新たな風評被害対策を盛り込んだ海洋放出の行動計画を改定。東電は9月30日、県内自治体や漁業関係者らを対象に説明会を水戸市で開いた。漁業団体からは海洋放出に反対する姿勢が改めて示された。

原発事故想定、東海⇒守谷90キロ移動訓練 実際の避難不安の声 (10.19 朝日)

 首都圏唯一の商業炉、日本原子力発電(原電)東海第二原発がある東海村は18日、原発の重大事故が起きた想定で、住民らが守谷市へ約90キロ移動する広域の避難訓練を実施した。自家用車での長距離移動を不安視する声が上がったほか、避難を受け入れる側の課題も浮かんだ。
 訓練には東海村の住民や村立白方小学校の児童計約290人、両自治体の職員、警察や原電の担当者など約200人が参加した。訓練は、東海第二原発で重大事故が起き、放射性物質が漏れ出す恐れが高まったという想定で行われた。午前9時すぎ、避難を始めるよう全村民に防災無線やエリアメールで伝えた。自家用車で移動できる住民は自力で避難したほか、車いすの人など希望者は村内の集合場所からバスに乗り、常磐道を通って移動。守谷市の常総運動公園に避難した。
 東海村は16年、取手、つくばみらい、守谷の3市を避難先とする広域避難計画案を公表した。受け入れ先の自治体と避難訓練をすることで課題を見つけ、計画に反映するねらいがあるという。19年までに取手、つくばみらい両市とは避難訓練を実施し、守谷市とは初めての訓練となった。
 態勢づくり課題山積 「発災時にすぐ情報を共有できる態勢づくりが必要だ」。守谷市の松丸修久市長は訓練後の記者会見で、真っ先に指摘した。「どれぐらいの人数がこっちに向かっているとか、誰がいなくて誰が避難してきているのかとか。しっかり確認できる態勢をとらなければならない」。

地方制度・自治体論・地方自治一般

旧統一教会系催しに社協職員 水戸市市施設使用料免除も (10.6 朝日)

 水戸市は5日、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」やその関連団体と市の関わりについて調査した結果を発表した。市が寄付を受けたり、イベントを後援したりした例はなかったが、市の外郭団体による催しへの出席や施設使用料の免除があったという。市によると、市議会で市議から「市と旧統一教会との関係を調べるべきだ」との発言があったのをきっかけに、2012年以降の関係について調査した。
 その結果、市社会福祉協議会の職員が18年から計3回、教団の関連団体「世界平和女性連合」が主催した留学生対象の弁論大会に、審査員として出席していたことが明らかになった。また、市の福祉ボランティア会館や千波市民センターなどの使用を計98回認めていたほか、世界平和女性連合を国際交流団体だとして、条例に基づき、同会館の使用料計36万円余を免除していたという。 ・
 高橋靖市長は「今後とも、水戸市は『旧統一教会』及び関連団体への関与はしません」とコメント。
 国の見解が示されるまで、教団および関連団体による市施設の使用は認めないとした。

保険証廃止 24年秋 政府マイナンバーカード押し付け (10.14 しんぶん赤旗)
 
 河野太郎デジタル相は13日の記者会見で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を前倒しするために「2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指す」と表明しました。誰もが使う健康保険証の機能を同力ードに一本化することで法律上「任意」とされてきたカードの取得を事実上強制するものです。
 政府は6月の「骨太の方針」でも「保険証の原則廃止を目指す」と打ち出していましたが、今回は具体的時期を明言 また「『原則』が取れて『廃止を目指す』」(デジタル庁の村上敬亮統括官)という方針に変わっています。
 マイナンバーカードについて、政府は来年3月末までにほぼ全国民に行き渡ることを目指しています。最大2万円分付与するマイナポイントなどで取得を誘導しましたが、いまだに交付率は5割程度にとどまっています。
 マイナンバーカードを保険証として使える制度は21年10月に本格運用が始まりましたが、使うための登録をした人は全人口の約2割にすぎず、専用のカードリーダーを設置した医療機関や薬局は約3割にとどまっています。政府が決めた来年4月からのシステム導入の原則義務化にも医療関係団体から撤回を求める声があがっています。
 同カードに対しては、指紋の1000倍ともいわれる本人識別機能をもつ顔認証データを行政機関が網羅的に把握することによるプライバシー侵害の危険性など專門家からさまざまな問題点が指摘されています。

0~18歳マイナカードで1万円分、守谷市、ポイント付与ヘ (10.26 朝日)

 守谷市は25日、0~18歳の市民がマイナンバーカードを使って市の公式アプリから申請すると、市内の店舗で使える1万円相当のポイントを付与すると発表した。物価高騰下での子育て世帯への生活支援が目的だとするが、同時に、カードの普及を促す狙いがある。対象となるのは、2004年4月2日以降に生まれた人。申請期間の11月1日~来年1月20日の時点で市に住民登録があり、マイナンバーカードを持っているとともに、市の双方向型情報発信アプリ「Morinfo」のアカウント登録をしている必要がある。
 アプリからカードを使って本人確認申請をすると、承認後にアプリで使うポイントが1万付与される。
 1ポイント1円としてコンビニや大型店を含む市内の200店以上で支払いに使える。乳幼児などスマホを持たない子どもについては、保護者などがアプリでその子のアカウントを登録し、ポイントを受け取る想定だ。
 市によると、10月7日時点での市民へのカードの交付率は5l・4%。0~18歳は、9月1日時点で約39%にあたる5209人で、このうち0歳児は103人いた。市は今回のポイント付与で対象年齢のカード取得者が6500人程度に増えると見込み、国の交付金を財源に、7150万円を予算化した。
 国は来年度から、地方に配る地方交付税の算定にカードの交付率を反映させる方針で、地方のデジタル化に向けた交付金の申請条件にも交付率を適用するとされる。市幹部は「ここでカードを普及させておかないと、交付税や交付金に影響が出る」とし、ポイント付与がカードの普及を目指す方策でもあると説明する。
 

予算・税・財政 

自治体の「貯金」8.6兆円 平成以降で最大 (10.10  日本経済)
 
 自治体の「貯金」とも言われる財政調整基金が膨らんでいる。総務省がまとめた2021年度末の自治体全体の基金残高(速報値 一部事務組合など含まず)は20年度末から1.7兆円増の8.6兆円となり、平成(1989年)以降で最大。企業業績回復などによる税収、地方交付税の増加が追い風となっている。
21年度末の残高  都道府県  2.5兆円(1.0兆円増)
          市町村   6.1兆円(0.7兆円増)
 国の税収増を受けて追加配分された赤字地方債、臨時財政対策債の償還財源(計1.5兆円)も基金を膨らませた。
 新型コロナ対策で多くの自治体が基金を取り崩した20年度は、6.9兆円に減少していた。使途が決まっている特定目的基金(13.1兆円)借り入れの返済に備えた減債基金を含めた全基金(24.9兆円)も平成以降最大となった。

21年度市町村決算 県内、歳入歳出が大幅減 コロナ給付終了で経常収支比率は改善 (10.17 茨城)

 県内全市町村の2021年度決算概要(普通会計)が16日までにまとまった。県の発表によると、新型コロナウイルス禍の緊急経済対策とした1人10万円の給付事業が終了したことにより、歳入・歳出とも前年度から大幅に減少した。数値が高いほど一般財源の余裕度が低いとされる経常収支比率は、全体で前年度から5・1ポイント低い85・7%となり改善。
 90%を超える市町村は前年度から22団体減の6団体となった。
 44市町村の歳入総額は前年度から12・9%減の1兆4234億円。減少は5年ぶり、地方交付税などが増加した一方、1人10万円の特別定額給付金給付事業の終了に伴う国庫支出金などが減少した。歳出総額は14・7%減の1兆3371億円。減少は4年ぶり、子育て世帯等臨時特別給付金事業の実施に伴って民生費が増加した一方、同給付事業の終了による総務費が減少した。
 実質収支は47年連続で全団体が黒字決算。単年度収支は236億円の黒字で、赤字団体は6団体。実質単年度収支は427億円の黒字で、赤字団体は2団体だった。財政の弾力性を示す経常収支比率は、物件費や公債費などの経常的支出が増加したが、普通交付税や地方消費税交付金などの計上「般財源のほか、臨時財政対策債発行額が増加したことより低下した。
 県市町村課は「おおむね健全な財政運営」として、「コロナ禍で市町村が手堅い財政を組んだ。税収の落ち込みも抑えられ、必要な経費も国の補助があった」と説明する。
 市町村の借金に当たる地方債の合計残高は、13年連続で増え、0・7%増の1兆1619億円となった。積立金現在高は、財政調整基金と減債基金、特定目的基金の取り崩し額が前年度より減少、積立額も増加したことで、14・2%増の3231億円となった。東日本大震災関連事業費は112億円で、前年度から69・6%減、20年度で第1期復興・創生期間が終了し、復興・防災関連事業がおおむね完了したことで、ごみ処理施設整備事業などの衛生費や津波避難道路事業などの土木費が大きく減少し、256億円減となった。
 年間収入に対する公社、第三セクターを含む借金総額の割合を示す将来負担比率の県平均は、統計が残る07年以来、最も低い28・8%で、前年度比10・6ポイント減となった。今後について、県市町村課は「物価高騰対策などが懸念され、引き続き財政運営を注視していく必要がある」と話した。

地方で新税、企業とあつれき 観光客やマンション 最多の57自治体導入 (10.31 日本経済)
 
 自治体が独自に課す税金「法定外税」が増えている。2023年度の課税は57自治体で67件と、現行制度になった2000年度以降で最多となる見通しだ。
 国と地方を通じた財政の仕組みは社会の大きな変化に追いつかず、行政コストを十分に賄えない面もある。財源を生み出そうと苦慮する自治体と、税負担が増す企業の間であつれきが起きている。
 課税は核燃料や産業廃棄物関連を対象にまず広がった。近年は観光関連が目立つ。導入の背景には財源の不足がある。自治体にとって長年の課題だが解決は遠い。
〇 法定外税を課す自治体は20年で1.7倍に(03年比)
〇 法定外税導入の流れ
  構想・検討 → 自治体が条例創設 → 総務省と協議(3要件に該当すると不同意)
  → 総務省が同意 → 条例を施行・課税開始

まちづくり・都市計画 

TX延伸 誘致合戦 自治体熱く (10.20 朝日) 

 東京・秋葉原―つくば間を最速45分で結ぶつくばエクスプレス(TX)の延伸をめぐり、県内の自治体が誘致に熱を入れている。県が今年度予算に調査費1800万円を盛り込み、四つある方面案を一つに絞り込む方針を明らかにしたからだ。四つの方面案は「土浦」「茨城空港」「水戸」「筑波山」。
 TXについては国の交通政策審議会が2016年、国際競争力の強化に資するなどとして秋葉原―東京間の延伸を答申したが、つくばから先の延伸は答申していない。TXを運行する首都圏新都市鉄道の事業計画にも記されていない。それなのに、茨城が延伸で盛り上がっているのは、なぜか。
 自治体などが出資して設立した首都圏新都市鉄道では、茨城県は発行済み株式の18%を保有する筆頭株主だ。さらにTX開業までの歴史的経緯がある。
 1978年、県はJR常磐線の混雑緩和などをめざして、第2常磐線構想を打ち出した。常磐線のバイパスとしての役割を期待されていた。東京方面から常総市、つくば市、石岡市を通り、水戸市に至る構想だった。これが05年のTX開業につながった。
 大井川和彦知事は4方面案が併存する状態を「どっちつかずの状況」と指摘し、「議論を前に進める」と一本化にかじを切った。

「空き家問題 解決を」 全国初 古河市と2法人が協定 (10.20 毎日)

 古河市は、空き家問題解決に連携・協力する協定を、一般社団法人「全国古民家再生協会」と同「全国空き家アドバイザー協議会」古河支部と締結した。自治体と両法人の3者協定は全国初。
 少子高齢化と住宅供給過多で増えている空き家に対応するため市は2015年、空き家の管理に関する条例を施行。18年には「空き家等対策計画」を策定し、需給を仲介する空き家バンクなどの施策を実施してきた。
 市内の空き家は18年度時点で8280戸あり全戸数の13.3%。全県の空き家率14.8%は下回る。しかし、賃貸や売買の見通しがない管理不全物件が4割を超える346戸に上る。
 協定では空き家に関する情報提供、発生抑制、解体促進など8項目について連携・協力し進める。

同峰公園の整備推進 知事「市営も選択肢」 (10.26 茨城)
 
 つくば市二の宮の「洞峰公園」で県が進める整備計画を巡り一部市民から反対の声が出ている問題で、大井川和彦知事は25日、基本的に同計画を進める方針を改めて示した。県が全県対象に行った計画へのアンケートで賛成が反対を上回ったことなどから判断した。同時に「今後(県管理から移行し)つくば市管理も選択肢だ」と述べ、市と協議を進める考えを示した。
 

地域経済 

旅行支援、県最大8000円 誘客促進へ11日開始 (10.6 茨城)

 県は5日、政府の「全国旅行支援」を県内でも11日宿泊分から始めると発表した。これまでの県の「いば旅あんしん割」から移行する形で始め、1人1泊当たり、旅行代金を最大8千円割り引くほか、土産店などで使えるクーポンを最大3干円分配布する。期間は12月20日宿泊分まで。県は国の制度を最大限に活用することで誘客を促進し、コロナ禍で打撃を受ける県内観光を支援する。
 支援の対象は、本県を含む国内在住者。新型コロナウイルスのワクチン3回接種や陰性証明を条件に、旅行代金が平日5千円以上、休日2千円以上かかった場合に40%を割り引く。割引上限額は、片道50キロ以上の鉄道や2時間以上の貸し切りバス利用といった交通費が含まれるパック商品の場合は8千円。日帰りや宿泊のみの場合は5千円.となる。加えて、県内の土産店や飲食店などで使えるクーポンを平日3千円、休日は千円配布する。
 県観光物産課によると、県内では4日時点で宿泊業者約320施設と約1440店のクーポン加盟店が参加する。
 県は今後、全国にプロモーションを展開して県内の観光資源を紹介。今月始まった観光企画「プレデスティネーションキャンペーン」も合わせてPRし、コロナ禍前の県内観光入り込み客数1580万人以上を目指す考えだ。

増える雇用就農 定着や独立 支援課題 (10.31 日本経済)
 
 農水省によると、21年に法人経営などに雇われる就農した「新規雇用就農者」は前年比15%増の11.570人で過去最多だった。増加は3年連続で、49歳以下では同16%増の8.540人、親元就農に当たる「新規自営農業就農者」の7.190人を初めて上回り、49歳以下の就農形態別で最多となった。背景には、受け皿となる法人経営の増加がある。22年の農業法人経営体数は32200で、10年間で81%増。また、21年の新規雇用就農者の87%は農家以外の出身、農家出身でなく農業で働いてみたい人にとって雇用就農はハードルが低いとみる。
 一方で、新規就農者数は、15年の65.030人、49歳以下も同年の23,030人が近年のピークで、その後は微減傾向にある。22年の基幹的農業従事者は1,225,500人で、10年間で31%減。担い手や働きての確保には雇用就農者を増やすとともに、長期定着就農につなげることが必要といえそうだ。
 

環境と開発 災 害

日本・千島海溝地震 108市町村強化地域に 防災対策で死者8割減を明記 (10.1 茨城)
 
 政府は30日、中央防災会議(会長・岸田文雄首相)を開き、太平洋沖にある日本海溝・千島海溝沿いで巨大地震が発生した場合に、津波の危険が特に大きい北海道から千葉の沿岸7道県108市町村を、防災対策の「特別強化地域」に指定した。避難施設の整備に対する国の財政支援を拡充する。対策の基本万針となる「防災対策推進基本計画」も見直し、最悪19万9千入と想定される死者数を今後10年で8割減らす目標を明記した。

茨城県9市町村を指定 事業計画の作成検討
 
 日本・千島海溝地震の防災対策「特別強化地域」に、本県では北茨城市から神栖市までの沿岸9市町村が指定された。本県の被害は最悪の場合、800人死亡、600棟全壊と想定されている。特別強化地域では、避難タワーや避難路の整備など津波対策計画に盛り込まれた事業について、国の補助率が引き上げられる。計画策定を巡っては、本紙の取材に、各自治体とも検討する考えを示した。
 津波が最大6・5メートルと想定されている北茨城市は、東日本大震災の後、津波避難タワーや高台避難公園などを整備し、津波対策を進めてきた。担当者は「ハード面は、従来計画はほぼ完了」としつつ、今回の指定により、事業計画を「今後検討したい」と話す。震災で最大5・3メートルの津波を観測した日立市では、久慈川沿いで住民が一時避難するための高台や、防潮堤をかさ上げする工事が完了している。市の担当者は「既存の対策で十分か見極めたい」とした。
 大洗町は役場庁舎で最大約2メートルの浸水が想定されている。震災後、防波堤のかさ上げや津波避難施設を設けており、今後も必要に応じて整備を検討。東海村久慈川などから遡上する津波被害を想定している。
 計画策定については、神栖市は「前向きに考えていきたい」。高萩市、ひたちなか市、鉾田市、鹿嶋市も国の説明を聞いた上で検討していく考え。また、震度6以上の激しい揺れの恐れがあるとして、「推進地域」には県内の40市町村が指定された。

中小216河川、浸水想定 県「情報空白」解消へ (10.10 茨城)
 
 県は水害リスク情報の空白地帯を解消するため、中小河川流域の「洪水浸水想定区域」の指定を本格化する。本年度中に50河川を指定。2025年度までに県が管理する全216河川を指定する。3年前の東日本台風(台風19号)では、県管理の中小河川の流域でも氾濫による大規模な浸水被害が発生した。区域指定の対象を従来の大河川から広げることで、流域住民の備えにつなげる。
 洪水浸水想定区域は、最大規模の降雨による河川氾濫を想定し、水に漬かる恐れのある地域を国や県が指定する。地域の浸水範囲や水深を6段階で色分けした洪水浸水想定区域図を作成し、県のホームページで公表。市町村は同区域図を基礎資料として、ハザードマップを作成する。
 これまでに県内で指定されたのは計35河川。久慈川や那珂川など国が直轄で管理する18河川に加え、県管理では桜川(土浦市)や県北地域を流れる大北川、里川など、洪水が発生した場合に住民生活に重大な損害が生じる可能性のある「洪水予報河川」「水位周知河川」の17河川を対象に指定してきた。ただ、近年は集中豪雨など自然災害が頻発し、河川流域での浸水被害は広域化や激甚化が進んでいる。
 19年10月に県内を襲った東日本台風では、国管理の6河川14カ所で決壊・いっ水が発生。県が管理する中小河川でも、増水によって本流から逆流する「バックウォーター現象」などで氾濫や決壊に見舞われた。弱河川では護岸や、のり面が崩れるなどの被害が出た。
 県内外のこうした事態を受け、昨年7月に水防法が改正。中小河川でも洪水浸水想定区域の指定が義務化された。県は管理する全216河川を対象に各河川流域の地形などを調べ、洪次浸水想定区域図の作成に着手している。
 昨年度は、中通川(つくばみらい市)や北浦川(取手市)、竜神川(常陸太田市)など10河川を指定し、区域図を作成した。本年度から作業を加速させ、25年度までの4年間で、残る189河川を段階的に指定する。区域図を基に市町村が作成するハザードマップの更新も促す。県の中小河川の区域図作成に伴い、国は該市町村に対し、地域のハザードマップを26年度までに更新するなど見直しを求めている。
 県河川課は「全ての中ム河川で想定される水害のリスク情報をきめ細かに示すことで、流域住民の災害に対する備えをさらに促す」と話し、迅速な避難や減艇への意識向上を進めるとしている。

河道掘削 全11地区着手 那珂・久慈川 築提開始7割超 (10.12 茨城)
 
 東日本台風(台風19号)が本県に甚大な被害をもたらしてから12日で3年を迎える。被災後、国が策定した久慈川と那珂川の「緊急治水プロジェクト」では、全11地区の河道掘削に着手した。堤防整備は全15地区のうち7割を超える地区で始まり、両河川の流下能力の向上を図る。2024年度の計画完了に向け、防災・減災への備えを加速させる。
 久慈川は常陸大宮や那珂など5市村の5地区(県の権限代行区間を除く)で計132万立方材の掘削を計画。9月末現在、両河川の全11地区で河道内の樹木伐採や掘削工事を始めた。国土交通省常陸河川国道事務所によると、那珂川の6地区のうち水戸市の渡里地区では、既に樹木伐採が完了し土砂の掘削が進む。たちよく同地点の進捗は「全体の7割ほど完了している」(担当者)という。堤防整備は、那珂川の水戸、ひたちなか市など県内外5市町の9地区で計12・8キロに及ぶ築堤を計画する。このうち8地区で既に着工。久慈川でも4市の6地区で計11・8キロの築堤を計画し、うち3地区で工事に着手。久慈川上流部の権限代行区間でも、段階的な整備が進んでいる。
 常陸大宮市大場地区で計画する遊水地については、地権者に対する個別の補償説明を近く始める予定。同事務所の堀内輝亮副所長は「緊急治水プロジェクトは、地域の協力が得られなければできない。丁寧に説明しながら、スピード感
を持って進めていきたい」と話した。

河道掘削など 進む治水対策 台風19号被害から3年 (10.13 朝日)

 県内で2人が死亡、1人が行方不明となった2019年の台風19号上陸から、12日で3年となった。県などによると、災害救助法に基づく住宅支援が終了し、応急仮設住宅で暮らす被災者はゼロになった。 一方、国や県、市町村が連携して進める治水対策は本格化している。
 県などによると、台風19号は大雨と強風をもたらし、県内では国管理の6河川14カ所が決壊・溢水、県管理の59河川も氾濫した。とりわけ、那珂川と久慈川水系では、本支流の合流部付近で逆流して被害を拡大する「バックウオーター現象」が起きるなど、25カ所で越水や溢水が確認された。死者は大子町と桜川市で各1人、常陸大富市では1人がいまも行方不明だ。
 住宅被害は、全半壊1736棟を含む4千世帯余りに及んだ。大子町ではJR水郡線の一部区間が1年5カ月の間、不通になった。被災直後のピーク時で避難者数は約2万2千人。20年9月末時点では、108世帯が応急仮設住宅や県などが提供した公営住宅で暮らしていた。今年3月末で災害救助法に基づく住宅支援が終了。公営住宅では一部世帯が通常の入居に切り替えた。県防災・危機管理課の担当者は「生活再建はほぼできたと考えている」と話す。
 那珂川、久慈川の両河川では、20年1月に国が立ち上げた緊急治水対策プロジェクトの事業が、今年度から本格的に始まった。河川内で洪水を抑え込む従来の治水対策を転換し、堤防の一部に切れ目をつくる『電堀」や遊水地の整備などを進めるのが特徴だ。全体事業費は那珂川で約665億円、久慈川で約350億円に上る。
 堤防の強化や川が流すことのできる水量を増やす河道掘削は、予定する全区問で工事に着手したが、住宅移転や農地補償を伴う霞堤や遊水地の整備は住民との合意に至らず、工事の着手は一部にとどまっている。
 このほか、氾濫情報の早期把握のために、国が那珂川と久慈川の堤防上に越水・決壊検知センサーを順次設置しており、9月末現在で約1千個に増えた。

東日本台風3年 犠牲者悼み、防災誓う 大子町新庁舎で黙とう (10.13 茨城)
 
 本県で大きな被害が出た東日本台風(台風19号)の上陸から12日で3年がたった。久慈川が氾濫し、役場を含む町中心部が浸水した大子町では、高台に新たに建て替えた庁舎で、町職員が犠牲者の冥福を祈り、黙とうをささげるとともに防災のまちづくりを誓った。
 県内では治水対策が進む一方、高齢者や障害者など災害時に支援が必要な人たちの避難計画の作成が進まず課題となっている。
 この日、新庁舎には半旗が掲げられ、正午の時報に合わせ、町職員が自席で犠牲者に1分間の黙とうをささげた。発生から3年の節目に当たり、高梨哲彦町長は「復旧事業は関係機関から多くの支援を受け、おおむねめどが付いた」と感謝。「今後は復興の取り組みを加速させ、災害に強いまちづくりに取り組んでいく」と決意を新たにした。
 旧役場周辺のにぎわいづくりも課題となる中、町は「大子まちなかビジョン」を策定。町民から意見を募り、防災や交流の拠点づくりを進める。

森林保全 条例提案へ いばらき自民 まつ枯れ対策や防災 (10.15 茨城)
 
 山林や海岸林の防災能力低下による自然災害の拡大が懸念される中、県議会会派・いばらき自民党は、森林の保全や活用を促す条例の制定を目指す。海岸地域では松くい虫(マツノザイセンチュウ)による松枯れ被害、山林では不適正な林地開発などが課題になっており、県民や事業者の協力を努力義務として盛り込むことで、森林の公益的機能への理解促進と効果的な対策につなげたい考え。
 仮称は「緑の有する公益的機能の活用の促進に関する条例案」。同会派政務調査会(石井邦一会長)のプロジェクトチーム(PT)が14日、記者会見し、今月開会する第4回定例会で提案すると発表した。条例案では、森林整備に関する県の責務や市町村との連携に加え、県民や事業者の役割を明確化する。森林の公益的機能を認識し、保全活動への積極参加を県民に呼びかけるほか、「県及び市町村が実施する施策に協力するよう努める」と位置付ける。
 県が推進すべき施策として、森林の公益的機能に配慮した開発行為許可▽土砂災害や洪水を防ぐ治山対策の推進、造林▽松林など海岸防災林の積極的な整備、病害虫防除や植栽など所有者への支援▽河川区域の樹木の適正管理▽交通の安全確保を目的とした道路区域の樹木の適正管理などを示した。
 海岸防災林の松枯れ被害を巡っては、県林業課によると、抑制対策に効果が見られる地区がある一方、なくなった林もある。本県の海岸線約190キロのうち、森林域は約80キロ。そのうち約60キロを森林法に基づき、県が保安林に指定しているが、残り約20キロ。は主に私有地という。
 こうした私有地の海岸林について「県民の協力で保安林指定が進めば、病害虫防除や植栽の対策が加速する」(石井氏)と期待する。
 道路に伸びた枝や根の適正管理についても、所有者の協力拡大を見込む。不適正な林地開発については、「太陽光パネルの転売で責任の所在が曖昧になっているケースが多い」(同氏)として、条例以外も含めた対処を検討する。
 条例案は、17~30日にパブリックコメント(意見公募)を行った上で、定例会に議員提案する。

埋め立て規制強化 県が残土条例改正案 小規模も届け出義務 (10,29 茨城)
 
 県は土砂の不適正な埋め立てを防ごうと、残土条例の改正案を31日開会予定の県議会に提案する。埋め立て面積が少ない場合も届け出対象とするのが特徴で、業者には書面の交付や携帯を義務化する。県によると、都道府県で初めて。 違反者の氏名や業者名の公表も可能とする。県廃棄物規制課の担当者は「条例の改正で県民の生活環境を守りたい」としている。
 改正案は、市町村によっては規制の対象外だった小規模埋め立てについても、知事への届け出を義務付ける。規模を過小に偽り、許可を得ない業者が後を絶たないことを踏まえ、規模に関係なく埋め立てを監視、指導できるようにする。改正条例の施行は来年6月を見込む。
 埋め立てが適正な手続きを取られているかどうかについても、現場で確認できるよう改める。埋め立て業者は、土砂を発生させた建設業者などに対し、全体量や性質を示した書面を交付。また、建設業者などは、運搬業者に対して土砂の発生地や搬入先・量を示した書面を交付する。書面の携帯も義務付ける。埋め立て業者は、書面を持たない運搬業者の土砂は受け入れないこととする。
 埋め立てに同意した地権者に対しても、工事の状況確認を義務付ける。怠った際は県が勧告し、従わない場合には土砂除去などを命令できる。同課の担当者は「地権者が不適正な事案に関与しているケースもあるため」とする。
 搬入等禁止区域を指定できる制度も設ける。盛り土の崩落など周辺に危険が及ぶ可能性がある場合、搬入を止めて環境の悪化を防ぐ。新たな規定に関する違反の罰則は、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金とする。違反者の氏名や業者名の公表を可能とすることで、不正業者への発注を防止する。
 県は条例の骨子案について、8月22日~9月21日にパブリックコメント(意見公募)を実施。25件の意見が寄せられ、反対意見はなかった。

医療・福祉・社会保障・教育 

教育長への接待 五霞町以外なし 教科書問題県教委調査 (10.6 朝日)

 小中学校で使う教科書の決定に関わる五霞町の教育長が教科書会社から接待を受けていた問題に関連して、県教育委員会は5日、各市町村の教育長らへの調査で、ほかに同様の接待は確認されなかったと明らかにした。県教委義務教育課によると、県内では11の「採択地区」に分かれ、地区内で同じ教科書を使う。どの教科書にするかは、地区ごとに市町村の教育長や保護者などからなる協議会を設けて決めている。
 五霞町で問題が明らかになったため、県教委は3日、過去に同様の接待など不適切な行為がなかったかを、各採択地区の協議会の委員と、県立学校の教科書採択を担う県教育委員に尋ねた。これに対し、すべての地区の委員から、「不適切な行為はなかった」と回答があったという。県教育委員への調査結果は、後日公表するとしている。
 
国民年金保険料 納付45年に延長検討 受給水準低下食い止め (10.16 茨城)
 
 政府は国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を現行の20歳以上60歳未満の40年間から延長し、65歳までの45年間とする検討に入った。自営業者や、60歳以降は働かない元会社員らは負担が増す。企業の雇用延長などで65歳まで働く人は現在も保険料を払っており負担は変わらない。
 今後の高齢者急増と、社会保障制度の支え手である現役世代の減少を受け、受給水準の低下を少しでも食い止めるため財源を補うのが狙い。関係者への取材で15日、分かった。
 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)が月内に議論に着手。政府は2024年に結論を出し、25年の通常国会に改正法案提出を目指す。ただ政府、与党は公的年金を「100年安心」とうたった経緯があり、延長には反発も予想されるため、実現までには曲折がありそうだ。
 25年に団塊の世代が75歳以上となり、40年には団塊ジュニア世代が65歳以上となって高齢者人口がほぼ頂点の4千万人に近づく。5年に1度行う年金の「財政検証」を24年に控え、政府は見直しを急ぐ構えだ。
 政府は納付期間延長に加え、厚生年金財源の一部を国民年金に回す見直しも検討。これらを加味した厚労省試算によると、自営業者らだけでなく会社員らの受給額も現在とほぼ同水準を保てる可能性がある。全員共通の基礎年金が分厚くなるためだ。現行見通しよりも水準が下がるのは、年収約1700万円以上の会社員世帯だとしている。

都道府県ランキング (8.17~10.25まで 日本経済)

物価編(都道府県)

費目特徴1位都道府県茨城県順位
光熱水道費気候や人口密度で地域差北海道22位
食 糧 費県外から調達 輸送費かさむ福井県35位
住 居 費首都圏上位 家計を圧迫東京都16位
交通通信費駐車場代 設置数で地域差東京都43位
教 育 費関西、人気私立多く上位に大阪府36位
教養娯楽費首都圏が上位占める東京都26位

                              
家計調査編(市区町村)

項目特徴1位市区町村水戸市順位
貯 蓄年収の3倍以上京都市38位
投 資消極的な都市と差8倍超東京都区部 6位
負 債持ち家志向の高さ示すさいたま市17位

民生委員数、毎年見直し 県方針 適正化で負担軽減 (10.20 茨城)
 
 県は民生委員の定数見直しを従来の3年ごとから、1年ごとに短縮する方針を固めた。高齢化社会の進展に伴い、お年寄りの見守りや住民の相談に応じる1人当たりの仕事量が増加。このため、地域の実情の変化に合わせて毎年、定数の適正化を図ることで、負担軽減につなげたい考え。
 一方で、担い手不足の課題は依然残る。

深刻な担い手不足
 民生委員は非常勤の地方公務員として、高齢者の見守りや地域住民の相談に応じ、行政との橋渡し役を担う。委員の改選は3年ごとに全国一斉に実施される。各地の自治会や女性会などでつくる推薦会が候補者を選び、市町村や県に推薦、厚生労働相が委嘱する。委員の定数は、市町村ごとに定められる。
 県は市町村からの要望を踏まえ、条例に基づいて改選時に見直す。ただ、改選までの3年間に地域の事情が変わり、「委員が足りず、定数見直しを求める声が毎年寄せられる」(県福祉政策課)のが実情。このため、今年12月の改選に伴う見直し後、来年以降は毎年12月に定数を見直すこととする。県は来年6月に条例を改正する予定だ。
 厚労省の配置基準では、「中核市や人口10万人以上の都市」で170~360世帯、「10万人未満の市」で120~280世帯、「町や村」で70~200世帯に、各1人の配置を想定している。ただ、地域によって65歳以上の高齢化率も異なるなど、負担に差が生じており、同課は「地域ごとの二ーズにきめ細かく対応していく必要がある」とする。
 12月の見直しでは、県内民生委員の定数は3年前の前回改選時から18人増え、5309人となる。定数が増えるのは、
つくば市(14人増)▽結城市(5人増)▽常陸太田市、北茨城市、取手市(各2人増)▽守谷市、常陸大宮市、稲敷市、茨城町、境町、美浦村(各1人増)の11市町村で、高齢化を背景に2016年改選から3回連続で増加している。
 一方、担い手不足は深刻だ。同課によると、改選時の欠員数は13年が56人、16年が75人、19年が151人と拡大している。欠員の補充は順次進められているものの、定年延長や定年後の 継続雇用の拡大などを背景に、60代の確保は困難になりつつある。
 新型コロナウイルスの影響で訪問が制限を余儀なくされるなど、活動の難しさにも直面する。今月半ばに開かれた定例の大会では、県民生委員児童委員協議会の倉持嘉男会長が「コロナ禍で困っている方は多い。支援が必要な人が孤立しないようにしたい」と呼びかけた。同課は「民生委員の活動は地域福祉に欠かせない。市町村の状況に合わせて柔軟に対応することで、活動推進につなげたい」としている。

小中の不登校6411人 4割増で過去最多 昨年度コロナ長期化原因か (10.28 朝日)

 県教育委員会は27日、文部科学省の2021年度「児童生徒の問題行動調査」の県内分を発表した。30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生は計6411人(前年度比40・8%増)で、過去最多となった。
 不登校の小学生は6年連続増、中学生は9年連続増。千人当たりで見ると、小学生は15・7人(全国13人)、中学生は54・4人(同50人)で全国平均を上回った。
 県教委義務教育課の担当者は、急増の原因を新型コロナウイルス禍の長期化にあると見る。「学習環境や家庭環境の変化にうまく対応できず、不安を抱える子どもが多かったのではないか」という。
 学校行事や部活動などが徐々に再開されるようになったが、´制限の長期化で「交友関係の築き方がわからない子どもが増えたのでは」とも話した。県教委は県内の公立中学校に、生徒が教員を選んでオンラインで相談できる窓口を設置するよう要請。今年度は全公立中学校の半数以上が設置したという。

■県内の不登校の状況
小学校 2240人、 (707人増)
中学生 4171人 (1152人増)
高校 583人 (31人増)
■県内のいじめ認知件数
小学校 18407件 (616件増)
中学校 4219件 (576件増)
高校 158件 (46イ牛減)
※いずれも2021年度。かっこ内は前年度比

不登校急増 県内6411人 小中コロナ影響で最多 (10.28 茨城)
 
 県内の国公私立小中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は6411人で、前年度より40・8%増えて過去最多だったことが27日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。
 県教委は、新型コロナウイルスの影響による不安感が要因になっているとみて、「個別の二―ズに応じ、支援していきたい」としている。
 県内の国公私立小中学校の不登校児童生徒は、前年度より1859人増え、6411人となった。増加は10年連続。このうち、小学校が46・1%増の2240人で6年連続増、中学校が38・2%増の4171人で9年連続増だった。
 県義務教育課によると、学校が判断した小中学生の不登校理由は「無気力、不安」が全体の約5割を占めた。新型コロナ感染拡大に伴い学習環境や生活環境が変わり、「不安感が増したり、学校生活に適応できず登校できなくなっている」と分析する。ほかの要因では「生活リズムの乱れ」や「友人関係の構築」などが目立った。同課は、いずれもコロナ禍での環境変化が、児童生徒の登校意欲の低下につながったとみている。
 千人当たりの不登校は、全国平均の25・7人を上回る29・3人で、47都道府県で7番目に多い。小学校だけで見ると、15・7人(全国平均13・0人)で3番目に多く、中学校は54・4人(同50・0人)で11番目に多かった。
 不登校のうち、90日以上欠席が続いたのは、小学校で730人、中学校で2214人。病気や経済的理由などで年間30日以上休んだ長期欠席者は、不登校の急増もあり、59・0%増の1万542人で、初めて1万人を超えた。国公私立高校の不登校生徒は、同5。6%増の583人だった。
 子どもの不安や悩みを解消しようと、県はこれまでに全ての公立小中高校にスクールカウンセラーを配置したほか、交流サイト(SNS)の相談窓口や電話で24時間相談できる「子どもホットライン」など対応してきた。昨年度は、不登校の子どもを受け入れるフリースクールへの支援事業にも乗り出した。
 不登校の急増を受け、同課は「これまで一人一人に寄り添った支援策を講じてきた。今後は事業の効果も検証したいとした。いじめについては、県内の国公私立小中高校と特別支援学校での認知件数は5・3%増の2万2874件で、3年ぶりに増加した。「冷やかし、からかい」が5割を占め、ほかには「軽くぶつかる、遊ぶふりしてたたく」「仲間はずれ、集団による無視」など,心身に大きな被害のあったケースなどを示す、いじめ防止対策推進法の「重大事態」は同4件増の19件だった。

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