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2021/04

2021/04

過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2021年4月分


2020年コロナ禍・経済的影響

ワクチン接種混乱 量不足、高齢者後ろ倒し (4.1 朝日)

 今月下旬から県内全44市町村に届く新型コロナウイルスワクチンの配分量が初めて公表された。だが、高齢者全員分をまかなうめどは立たない。取手市では接種予約をめぐって誤送信も発生。国のワクチン供給が追いつかず、自治体は右往左往している。
 医療従事者らへの接種が優先され、施設入所者を除く65歳以上の高齢者向けのワクチン接種は後ろ倒しになっている。つくば市はワクチン8箱のうち、医療従事者に4~5箱、残り3~4箱を高齢者施設と障害者施設に割り当てる。 追加のワクチンは5月10日、17日の週に国が県を通じて配る予定だが、自治体ごとの配分量は決まっていない。つくば市はホームページで接種の開始予定日を5月24日と公表しているが、「国からの供給が安定しない場合、接種の開始時期が大幅に遅れる可能性がある」と説明している。水戸市は当初、一般の高齢者への接種開始を5月下旬と想定していた。最近になって障害者支援施設や高齢者施設に入所する65歳未満の人など約3500人が追加されたため、開始時期を6月上旬にずらしたという。予約の受付も中旬ごろになる見通しだ。
 取手市が誤送信 プログラムミスで768件
 取手市は20日、新型コロナワクチンの接種予約で、予約者への確認メールの誤送信があったと発表した。
501人に対し、予約内容が違っていたり空白だったりするメール計768件が送信された。個人情報の記載はないという。

高齢者ワクチン接種開始 対象3600万人 水戸市、施設から  (4.13 茨城) 

 65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、各地で始まった。医療従事者を除く一般住民の接種は初めて。対象は約3600万人で、政府は6月までに必要な量を各市区町村に届ける方針。県内では、高齢者施設の入所者らを対象に水戸市でスタート。医療従事者への接種も始まったばかりで、今後の供給を見越して並行して行う。

飲食店 見廻り開始 県・市職員が感染対策確認 (4.15 朝日)

 新型コロナウイルスの感染再拡大に備えるため、県は14日から、飲食店が十分な感染対策を取っているかを確認する見回りを始めた。1週間ほどかけて、水戸、日立、土浦、古河、つくば市の飲食店約2千店を県と各市の職員が訪れる。JR水戸駅南口近くの中国料理店「炎神」を県と水戸市の職員計4人が訪れ、客席の仕切り板や換気設備の場所を確認した。見回りで確認するのは、座席の間を1厨以上空けるか、仕切り板を設置する▽客に食事中以外のマスク着用を勧める▽換気を徹底するなど主に6項目。感染者との接触の可能性を通知する県独自のシステム「いばらきアマビエちゃん」への登録を客に勧めるよう呼びかける。
 県によると、対策を指導しても改善しない店舗については、今後感染が再拡大して飲食店に営業時間の短縮要請をした場合に、協力金の支給対象から外す可能性もあるという。

6市町村に飲食店時短要請 県、22日から外出自粛  (4.20 茨城)

 大井川和彦知事は19日、臨時会見で、新型コロナウイルス感染拡大が顕著な水戸市や古河市など6市町を「感染拡大市町村」に指定し、各市町の全ての飲食店への午後8時までの営業時間短縮や、不要不急の外出自粛を22日から要請すると発表した。期間は大型連休を含む5月5日までで、時短要請に全期間協力した店舗に対し、売上高に応じて協力金を支給する。大井川知事は変異株陽性者の急増を含む県内の感染状況について「『第4波』の入り口に来ている」との認識をし、「今、手を打たないといけない」と強調した。
 要請対象はほかに、かすみがうら、大洗、城里、阿見の各市町.感染拡大市町村は、直近1週間の人ロー万人当たりの新規陽性者数が5人以上の市町村を県独自に指定、さらなる感染拡大により、政府の緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置一の対象とならずに済むよう、先手を打ち感染抑制を図るのが狙い。今後、1週間ごとに状況を見て対象追加など行う。6市町の飲食店には、午後8時から午前5時までの営業自粛(酒類提供は午後7時まで)を要請。テークアウトやデリバリー、イートインは対象外。協力金の1日当たりの支給額は、売上金(前年度または前々年度)に応じ、中小企業は年間売上高3千万円以下か2万5千円、同3千万~1億円は2万5千~7万5千円、同1億円以上は7万5千円。

完全に第4波「危機感を」  (4.23 朝日)

 「完全に第4波に入った」県の入院調整本部を指揮する安Lコ医療統括監は21日の朝日新聞の取材に、危機感をあらわにした。経路不明の感染者が急増し、変異株も猛威をふるう中、「一人ひとりが原点に立ち戻って対策をしてほしぃ」と訴える。
 22日の新型コロナ感染者数は87人で、感染者数が80人を超えたのは1月29日以来。県は同日、特に感染が拡大している水戸市や古河市など6市町の飲食店を対象に、営業時間短縮の要請を始めた。大井川和彦知事は19日の会見で「第4波の入り口に来ている」との認識を示し、このままのぺースで拡大が続けば、2週間後の感染者数は100人近くになるとの見通しを示した。
 安田統括監は第4波の要因を「年度替わりの人の移動と変異株」と分析する。22日までの変異株感染者は159人。「感染力が大きく違う。県内でも、5月中はほぼ変異株に置き換わる」とみている。

4都府県に緊急事態宣言 東京、大阪、京都、兵庫 あすから来月11日     (4.24 茨城)
 菅義偉首相は23日夕、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を官邸で開き、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に対し改正特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令を決定した。期間は25日から5月11日まで。発令は昨年4月と今年1月に続き3回目となる。宣言対象地域では、酒類やカラオケを『提供する飲食店に休業を要請する。首相は記者会見で「効果的な対策を短期間で集中して実施することにより、ウイルスの勢いを抑え込む必要がある」と理解を求めた。
 政府は4都府県に対し、宣言の前段階となる「まん延防止等重点措置」を出していたが、変異株の拡大や医療提供体制の逼迫で状況が悪化。首相は5月上旬までの大型連休を見据え「不要不急の外出、帰省、行楽はできるだけ控えてほしい」と呼び掛けた。宮城、沖縄両県の重点措置期間は5月5日から11日に延長し、措置対象に愛媛県を追加した。
 宣言発令により多くの人に迷惑を掛けるとして「心からおわびする」と陳謝した。変異株への警戒を強調した上で「このまま手をこまねいていれば、大都市での感染拡大が危惧される」と説明。解除基準については状況を見極め総合的に判断するとした。

高齢者向けワクチン接種 県内13市、月内開始 65歳未満9割未定 当面は施設中心 (4.25 茨城)

 新型コロナウイルスのワクチン接種が週明けの26日以降、県内市町村でも本格化する見通しだ。26日と5月3日の各週に全市町村へ高齢者向けのワクチンが届くためで、茨城新聞のまとめでは、4月中の接種開始を見込むのは、現在実施中の6市を含む13市に上る。当面は高齢者施設などが中心で、一般の高齢者の接種開始について、多くの市町村は5月中旬から下旬以降を見込む。その後のワクチン供給が見通せない中、65歳未満については、9割以上の41市町村が開始時期を「未定」としている。

「感染拡大」9市町追加へ 県、国へ「まん延防止」 要請も      (4.27 茨城)
 (土浦、石岡、下妻、常総、潮来、守谷、筑西、茨城、五霞)

 大井川和彦知事は26日、臨時会見し、新型コロナウイルス感染拡大が顕著な「感染拡大市町村」に、土浦や石岡など9市町を追加指定すると発表した。
 期間は29日から5月12日までの2週間で、指定は計15市町に拡大。9市町の飲食店に午後8時までの営業時間短縮や不要不急の外出自粛を新たに要請する。大井川知事は、感染拡大市町村のさらなる追加などが見込まれる場合、国の「まん延防止等重点措置」の適用要請を検討すると述べた。県独自のコロナ対策指針についても26日、全体の指標を2番目に高い「ステージ3」に引き上げた。

自然災害・防災対策

 

防災科研、地震を即時検知 改定観測網を強化 (4.19 茨城)

 地震、津波の阜期検知や高精度の予測に向け、防災科学技術研究所(つくば市)が観測網を強化している。地震や津波による甚大な被害をもたらした東日本大震災を契機に、震源となった三陸沖を含む北海道沖から千葉県沖にかけて、大規模な海底観測網を整備。リアルタイムで観測を続けるほか、南海トラフ巨大地震に備え、西日本の太平洋沖でも、観測網の整備を進めている。
 つくば市天王台の防災科研のシステム室。大型モニターに、海底で観測した地震の波形画像が、リアルダイムで表示される。東日本の海底に構築した海底観測網「S―net」(エスネット)のデータだ。
 エスネットは、北海道沖から千葉県沖までの海域で発生する地震や津波をリアルタイムで観測。地震計と水圧計が一体となった観測装置を150カ所に設置、全長約5500キロメートルの光海底ケーブルで接続し、観測データがリアルタイムで防災科研に送られる。防災科研によると、陸域の観測装置よりも最大20分早く津波を検知し、地震も最大30秒早く検知が可能だという。エスネットのデータは、2016年から気象庁の津波情報、19年から緊急地震速報に活用され、津波切到達時刻の予測向F上などにつなげられている。
 防災科研地震津波火山ネットワークセンターの青井 真センター長は「リアルタイムの観測で、より精度の高い予測や、防災情報の発出につながる」と話す。

県内7流域、治水計画策定 地域一丸、被害防げ   (4.21 茨城)

 集中豪雨を中心とする自然災害の激甚化に備え、河川の周辺地域が協働で対策に取り組む「流域治水プロジェクト」が那珂川、久慈川など県内の1級河川7流域で策定された。堤防や河道掘削など河道内の対策に加え、増水時には川の外側に水を逃す遊水地整備や土地利用の工夫から、各住宅での雨水貯留まで、地域が一丸となり取り組む複合的な治水対策が動き始めた。
■工事や整備着々
 3月、水戸市渡里町の那珂川で重機が土砂を搬出し、河道内が着々と掘り下げられた。現在、同市の下国井や根本、若宮など計6地区で、那珂川の水位低減や増水時の流下能力の円滑化を目指した河道内の掘削工事が進められている。同市渡里町から約5キロ上流の飯富地区では、2019年10月の東日本台風(台風19号)の影響で越水し、広い範囲が浸水被害に見舞われた。同地区やさらに上流の栃木県那須烏山市では、集団移転や住宅かさ上げなど土地利用に関する検討も行われている。
一方、常陸大宮市小場地区では、洪水の一部を河道の外側に一時的に逃し河川の増水ピーク時の流量を低調減することで水位を下げる遊水地整備を計画している。ほかに流域の各ダムでは、雨量予測に基づいた事前放流の運用も始まった。
■"あの手この手"
こうした"あの手この手"の対策を盛り込んだのが「流域治水プロジェクト」だ。堤防やダムのみに頼らず、河道掘削のほか、土地利用制限や集団移転促進から各戸で雨水をためる取り組みを支援するなど、各河川の周辺地域が一体で治水対策に取り組む計画で、今年3月末には全国109の1級水系で地域特性に応じたプロジェクトを一斉に策定。県内では那珂川に加え、久慈川▽鬼怒川▽小貝川▽霞ケ浦▽利根川・江戸川▽中川・綾瀬川1の7流域で策定された。
 短期から長期まで、最長30年に及ぶ那珂川のプロジェクトは、国や県、流域自治体など37団体で構成する協議会でまとめ上げた。国土交通省常陸河川国道事務所の堀内輝亮副所長(河川担当)は「流域全体で水を受け止める対策」と説明する。
プロジェクトは「氾濫をできるだけ防ぐ」「被害対象を減少させる」「被害の軽減・早期復旧・復興」が共通テーマ。流域ごとに、具体的な氾濫防止策や円滑な避難行動を促す取り組みなど、ハード、ソフト両面での多重防御による対策が網羅されている。
■住民理解に壁も
流域治水プロジェクトの策定は、集中豪雨などを中心とする近年の自然災害の激甚化・頻発化が背景にある。気候変動による隆雨量増や都市化に伴う河川への流入増加などの影響が、河川整備の濃を上回り、従来の河道内だけでの対策では抑制が難しくなりつつある。
「河川周辺住民を含めて、それぞれが治水を『自分ごと』として考えながら、流或一哲となって取り組む対策が求められている。
ただ、土地利用を制限する「災害危険区域」の設定や家屋の移転などでは課題も多い。茨城大大学院理工学科の横木裕宗教授は「住民理解へのハードルは高く、実施に関しては不透明な部分も多い。計画の重要性を地域にしっかりと説明した上で、どう計画を具現化していくのかが問われる」と指摘した。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

東海第二原発訴訟 原告住民側も控訴 原電側の控訴批判 (4.1 朝日)

 日本原子力発電(原電)に東海第二原発の運転差し止めを命じた3月18日の水戸地裁判決について、原告の住民側が31日、控訴した。すでに原電側が控訴している点や、原発そのものの安全性に関する主張が認められなかったことを踏まえて判断した。
 地裁判決は、策定が義務づけられている原発の周辺30キロ圏の14自治体の避難計画について、「整えられているというにはほど遠い」と不備を指摘。運転の差し止めを命じた。首都圏を中心に224人の原告が差し止めを求めていたが、判決はこのうち原発周辺の30キロ圏内に住む79人の訴えを認める形になっていた。
 今回控訴したのは、訴えが認められなかった30キロ圏外の原告のうち120人。31日に水戸市内で記者会見した原告団の大石光伸共同代表は「福島第一原発事故の被害の教訓を重く受け止めた」と判決を評価する一方、福島第一原発の事故を参考にすれば、30キロ圏外の住民が被曝するリスクがあるとして、より広い範囲の安全対策が求められると主張した。また、判決が原発自体の安全性や事故の拡大防止対策について、審査した原子力規制委員会の判断に誤りがないとして原告の主張を退けた点を「もう少し実体的に審理してほしかった」と疑問視。改めて控訴審で争う姿勢を示した。

東海第2 避難所 再調査も過大算定 (4.3 毎日)

 原電東海第2原発の事故に備えた広域避難計画をめぐり、現時点で避難所の収容人数不足が2万人を超えていることが判明した。県は2013年の避難所調査が過大算定だったと指摘され、18年に再調査。しかしこの調査でも過大算定が起き、策定中の避難計画に反映されていた。国内原発で最多の94万人が避難する計画が抜本的な見直しを求められたのは必至だ。18年の再調査によると6市町村の避難所の収容人数は、計約9万9500人。だが6市町の再点検や毎日新聞の試算では、そのうち計約3万人分が過大だった。
 今回の事態で全員の受け入れが難しくなり対応を検討している。県は13年調査の過大算定が指摘され、それを解消するために18年に再調査したにもかかわらず、またも過大算定が繰り返されるずさんな事態を招いた。

原発立地特措法10年延長 財政支援継続を歓迎 「依存」条文残り批判も (4.4 茨城)

 原子力施設の立地自治体を財政支援する「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」(原発立地特措法)を10年延長する改正案が今国会で成立したのを受け、本県を含む立地自治体から歓迎の声が上がっている。防災や地域振興の観点から、公共事業でより手厚い優遇措置を盛り込む同法。ただ一方で、施行当初の目的である原発推進の条文が残ったままの改正に、「原発依存」との批判も出ている。
 同法は、1999年に起きた東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故を機に立地促進のため、2001年4月に10年間の時限立法として施行。今年3月末に期限が迫っていた。東日本大震災前の10年12月に続き2回目の延長となった。「立地地域」は各都道府県知事の申請に基づき、国が指定。都道府県による振興計画を国が認める。
 主な支援項目は防災インフラ整備と企業投資・誘致。原子力事故時の避難ルート確保や避難所整備として、道路や学校、漁港などの補助率を55%(通常は50%)にかさ上げする。さらに地方交付ほてん税で一部補填し自治体の負担を軽くする。内閣府によると、立地地域は14道府県76市町村。本県は、水戸▽日立▽常陸太田▽ひたちなか▽茨城▽大洗▽東海▽那珂▽常陸大宮▽鉾田の10市町村。
 19年度の全国の実績は516件(144億円)で、うち本県の立地自治体は少なくとも38件。道路や駅前広場、小中学校施設の増改築に投じられた。校舎や体育館改修などで適用した日立市の担当者は「市の持ち出しが少なくなるので活用している」と話す。今回の改正を巡っては、全国の立地自治体の協議会が国に対し、10年延長などを相次いで要望した。  東海第2原発が立地する東海村や本県も名を連ねた。 
 要望では適用事業が完了していないことに加え、防災強化や地域の「持続的な発展」などを挙げている。同村は20年度までの3年間で各年とも都市計画道路1件が適用されている。山田修村長は延長を評価し、「立地自治体の意向を踏まえた対応をお願いしたい」と話した。
 改正案の国会審議を巡っては、一部野党が反対に回った。原発の位置付けを「我が国の電気の安定供給に欠くことのできない」としたままの条文について、「福島第1原発事故の教訓が生かされていない」と指摘。企業誘致支援策の対象事業に「再生エネルギー」を加えるよう求めたりもした。委員会では与野党共同で新エネルギーの振興にも十分に配慮するよう要望した付帯決議が可決されている。

原発事故発生時 高齢者搬送に不安4割 自治体調査     (4.4 毎日)

 原発事故が起きた際、原発30キロ圏内での自治体のうち、4割余りの57市町村が、福祉施設の高齢者らを避難先へ搬送するのに課題があると考えていることがアンケートで明らかになった。
 アンケートは毎日新聞が東大総合防災情報研究センターの協力を得て共同で2020年10~12月に実施。広域避難計画の対象となる原発30キロ圏内の135市町村に質問し、福島県双葉町以外の134市町村が応じた。
「高齢者や障碍者ら福祉施設の入所者の避難に関 する課題」
避難先への搬送の不安  57市町村
施設の職員だけでの対応は困難  46市町村
事故時に施設の状況を把握できるか不安  45市町村(日立市を含む)
「自宅で暮らす高齢者ら要支援者の避難の課題」
避難をさせられるかが不安  76市町村
消防団や自治会など支援者が少ない  67市町村

福島第1 処理水放出を決定 海に2年後目途  (4.14 茨城)

 東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分に関し、政府は13日、海洋放出の方針を正式決定した。2年後を目途に第1原発敷地内から放出に着手する。風評被害対策の具体化が急務となり、新たな関係閣僚会議が週内にも初会合を開く。決定を受け全国漁業協同組合連合会(全漁連)は「到底容認できるものではない」と抗議の声明を発表した。
 海洋放出を決めた会議で菅義偉首相は「処分は廃炉を進めるのに避けては通れない課題だ。政府が前面に立って安全性を確保し、風評払拭に向けあらゆる対策を行う」と表明した。東電の小早川智明社長は会議出席後の取材に「方針に従い、主体性を持って適切に取り組む」と話した。
 福島県には梶山弘志経済産業相が向かい首長らと面会、放出への理解と協力を求めた。内堀雅雄知事は政府方針に「今後精査し改めて県としての意見を述べる」と答えた。梶山氏は取材に「風評対策や安全性に関する懸念など厳しい言葉もいただいた。政府内でしっかり共有して今後の対応に役立てたい」と話した。
 政府が決定した「処理水の処分に関する基本方針」では、国内実績があり放射性物質トリチウムの濃度検知が確実だとして1る。

原発汚水放出約束をほご 政府地元の反対無視し決定「これ以上、海をよごすな」 (4.14 しんぶん赤旗)

 政府は13日、関係閣僚会議を開き、東京電力福島第1原発で発生する放射能汚染水を処理した後の高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水(アルプス処理水)の海洋放出方針を決定しました。今回の決定は、政府と東電が海洋放出に強く反対する漁業関係者に「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と約束したことを覆し、福島県内7割の自治体が反対・慎重対応を求める意見書を採択したことなども無視する暴挙です。
 全国漁業協同組合連合会が「到底受け入れられない」と抗議したのをはじめ、「海をこれ以上汚さないで」と抗議や撤回を求める声が国内外で相次いでいます。市民団体などからは、タンクの継続保管など代替案の検討を求める声も出されていました。
 菅首相は関係閣僚会議で「処理水処分は廃炉に避けて通れない課題。海洋放出が現実的と判断した」と説明しました。東電に2年程度をめどに敷地から放出できるように準備するよう求めています。
 決定した基本方針によると海洋放出は、トリチウムを国の定める基準以下に薄めてから放出するとしていますが、放出されるトリチウムの総量が変わるわけではなく、漁業などへの影響ははかりしれません。
 また、風評被害が生じた場合、政府が東電に期間や地域、業種を限定せずに賠償するよう指導すると明記。しかし、本格操業に向けて重ねてきた漁業者らの努力が海洋放出で阻害されかねません。
 福島第1原発では原子炉の冷却水や地下水が建屋に流れ込み、放射能汚染水が1日140トン増え続け、アルプス(浄化設備)処理炉の処理水は125万トンに上っています。東電は処理水を保管するタンクは来年秋ごろにも満杯になるとしていますが、増設計画がないままです。

福島第一処理水放出決定 水産関係者ら不安 「根拠示し安全性説明を」  (4.14 朝日)

 福島第一原発の処理水を海に放出することが正式に決まった。原発事故の影響で漁や出荷を制限されながらも、地道に安全性を訴えてきた県内の水産関係者には、落胆や不安が広がる。放出のめどとなる2年後に向け、消費者の不安を取り除く説明を求める声が相次いだ。
 県内10の漁協でつくる「茨城沿海地区漁業協同組合連合会」は、海洋放出に反対の立場を貫いてきた。県内の漁業者は事故後、市場価格の低迷に苦しんだ。漁業者が自らスーパーの店頭に立ち、消費者に安全性をアピールすることもあった。県と県内の漁協は事故以降、幅広い水産物で検査を続けてきた。今年2月末までの検査数は186魚種、約1万8600検体にのぼる。現在はほとんどの検査で放射性物質は検出されていない。だが、水産物を扱う関係者の間には、いまも風評への懸念が残る。
 13日午前、内閣府の担当者からオンラインで国の方針について説明を受けた大井川知事は、内閣府の説明には「いくつもの選択肢を検討した上でやむを得ぬ選択だったと聞き、納得している」と理解を示した。
 政府が海洋放出案を示した直後の昨年2月、漁業者の要請を受けた際に政府案を「まったく容認できない」としていたが、その後は風評対策が整えば「容認も視野に入ってくる」と態度を軟化させていた。

「処理水、納得できる説明を」 知事、県庁訪れた東電社長に (4.21 朝日)

 東京電力福島第一原発の処理水を海に流すことを政府が決定したことを受け、東電の小早川智明社長は20日、県庁を訪れ、大井川和彦知事に「茨城県のみなさんの意見も反映して、風評被害対策に取り組む」と述べた。小早川社長は「風評被害が生じた場合は、地域や期間、業種を問わずに賠償する」と説明。大井川知事は「茨城の漁業者はまだまだ納得している状況ではない。しっかり説明をしてほしい」と応じた。
 大井川知事は非公開で、モニタリングの実施や情報発信のための体制強化など、東電が16日に発表した基本方針についての説明を受けた。会談後、大井川知事は取材に対して、「現時点での東電の取り組みとしては納得をしたが、問題はどう実行していくかだ」と述べた。

40年超原発、再稼働 関電3基 福井知事が同意 (4.29 茨城)

 福井県の杉本達治知事は28日、県庁で記者会見し、運転開始から40年を超えた関西電力の美浜原発3号機(同県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働に同意すると表明した。同日午後、梶山弘志経済産業相に伝達。東京電力福島第1原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めたルール下で初の延長運転が確実になった。同社は近く工程を公表し、燃料装てん填などの作業に着手。5月中にも再稼働する可能性がある。
 温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現を掲げ、既存原発の活用を進めたい国や関電にとって大きな節目となる。一方で老朽化が進む3基の安全性や、避難計画の実効性への懸念は解消されておらず、関電役員らによる金品受領問題からの信頼回復も道半ば。難題を抱えたままの運転再開となる。
 経産相は28日、取材に応じ「再稼働への理解が表明されたことは非常に重要だ」と歓迎した。杉本知事は会見で、国が持続的に原発を活用する方針を示し、40年超原発1カ所当たり最大25億円の交付金を支払うといった地域振興策を提示した点を評価。立地町と県議会の意向や県の有識者委員会が安全対策を確認したことも挙げ「総合的に勘案して同意することとした」と説明した。
 事故時の責任は「一義的には国と事業者が果たす」とし、装填作業や原子炉起動時には県職員を現場に派遣する。

地方制度・自治体論・地方自治一般

中核市移行1年 高橋市長に聞く 「活性地方制度・自治体論・地方自治一般化策 新たな価値観で」  (4.1毎日)

 水戸市は、1日、中核市移行から1年を迎える。移行初日に新型コロナの感染者が確認され、設置したばかりの保健所は業務が切迫、景気悪化による収益減にも見舞われた。中心市街地の空洞化も指摘され続ける中で、どのような市を目指すのか、高橋市長に話を聞いた。
〔新型コロナに振り回された1年間だった〕
 4月1日に初めて感染者が確認され、7~8月には大工町のクラスターも起きた。保健所は市民から一定の評価も受けたが、平時に合わせた人員不足が問題となった。国は保健所設置自治体にはもう少し手厚く財政支援をしてほしい。
〔保健所を抱えたことで得たメリットは〕
 情報が間接的だったら政治判断もできない。県の基準によらずに臨機応変に検査回数を増やすことができた。地域を一番分っている市が情報を持つことができきめ細かい対応が取れたと自負している
〔県警でのクラスター発生で、市が県職員の検査をやりずらかったという話もある。県との連携は成功したか〕
 市の人的資源だけでは足りないところで、県とうまく連携できた。
〔官民共同の協議会からは、まちなか活性化のために車両の進入を規制するなど大胆な施策も示されている。中心市街地活性化をどう進めるか〕
 消費が郊外型にシフトして、用を足すために中心市街地に行く必要がなくなった。これまでの政策は、衰退要因に打ち勝てなかった。商売にこだわらずに定住促進など新たな価値感で施策を展開していきたい。
〔2月に周辺6市町村と合意した連携中枢都市圏構想では何を目指すのか〕
 中身の合意は得ていないが、個人的には交通機関の利用促進によって水戸市の観光振興にも広げられればと思っている。ICT連携や休日夜間緊急診療所も充実させたい。
〔将来負担比率は130%を超えて県内ワーストだ〕
 新市民会館など4大プロジェクトや子育て政策に力を入れてきた。すべて必要な借金だったと思っている。必要な投資をしてきたからこそ市民サービスを向上させることができた。市債残高を下げていく「みと財政安心ビジョン」をしっかり説明していきたい。
〔4期目は〕決めていない。

地方公務員 副業の波 和歌山県有田市が解禁 (4.2 日本農業)

 政府が副業を推進する中、地方公務員にも農業や地域活性化にまつわる副業解禁が広がっている。地方公務員の副業は法律で原則禁止されているが、首長らが認めれば可能になる。総務省によると、副業を許可する基準を設定している自治体は、2019年4月時点で全体の39%に当たる703団体。多様な働き方を求める声や民間での副業の広がりを受け、総務省は1月に具体的な許可基準を設定するよう通知をだした。
 全国有数のミカン産地を抱える和歌山県有田市、ミカン生産者の多くが繁忙期の労働力確保を課題としていた。そこで、20年9月、生産者の求人情報を集めて市のホームページで公開、市職員も、この求人に応募して副業ができるよう許可した。20年度は17件の求人情報が登録され職員5人が応募した。
 神戸市では17年に副業を後押しする「地域貢献応援制度」を設けた。地域団体などで高齢化が進み担い手が不足している現状を踏まえた。21年3月末時点で延べ28件の申請を許可している。

公共工事頼み 不正の背景に 相次ぐ入札情報漏洩 (4.8 朝日)

 県内の自治体の入札で、非公開にされている参加業者の情報を漏らしたとして、幹部が立件される事件が相次いだ。情報が受注調整に利用された例も明るみに出た。競争を促す仕組みを骨抜きにする不正の背景には、公共工事への依存度が高い業者の旧態依然の体質も浮かぶ。
 龍ケ崎市の副市長・被告(65)は、6件の一般競争入札について、市社会福祉協議会理事の被告(71)に参加業者名を漏らしたとされる。警視庁は、業者側から依頼を受けた被告が漏洩を働きかけた可能性が高いとみている。市によると、一般競争入札の場合、予定価格については公表するケースが少なくない。業者が標準的な単価に基づいて積算できるような場合は、非公表にする意義が薄いという理由だ。
 一方、どの業者が入札に参加するのかは、原則として非公表だという。業者間が談合して、落札価格が高止まりするのを防ぐのが大きな目的だ。

地方議員やっと産休権利 「産前6週、産後8週」規則に明記 (4.15 朝日)

 地方議会の女性議員が出産する際、産休を取得する権利が保障されることになった。都道府県議長会と市議会議長会、町村議会議長会が、議会運営のひな型となる「標準会議規則」を改正し、労働基準法と同等の産前6週、産後8週の産休を明記した。出産を経験した女性議員からは「大きな一歩」との評価が出ている。
 地方議会は、標準会議規則をもとに、それぞれの議会の規則を定めている。労働基準法は女性労働者の産休を規定するが、特別職の議員には同法が適用されないため、これまでは標準会議規則の中で欠席理由として「出産」を認めていた。ただ、本人が欠席日数を決めて議長に届け出る方式で、議会内で理解が得られなかったり、本人が遠慮したりして、十分に休めないケースが少なくなかった。
 3議長会は1~2月に、産前6週、産後8週までの産休期間をそれぞれの規則に明記した。市議会議長会と町村議会議長会は「配偶者の出産補助」も欠席理由に加えた。
 今回の改正は、首相の諮問機関の地方制度調査会などが、多様な人材の政治参加のためとして、出産や育児の規定を標準会議規則に明記するよう求めたのを受けた措置だ。昨年末に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画も、産前o産後の期間への配慮を求めていた。

投票所へタクシー送迎 (4.26 朝日)

 筑西市は、11日に投開票された市長選・市議補選で初めて、高齢者らの投票所までのタクシー代を全額補助する事業を行った。足のない高齢者の投票機会を確保するための取り組みで、県内各地で広がっている。
 同市選挙管理委員会によると、補助の対象は同居家族全員が70歳以上か障害者などの世帯。事前に申請した家庭に助成券が届き、当日、タクシー乗車時に券を手渡せば自己負担無しで自宅から投票所まで送迎してもらえる仕組みだ。導入の背景にあるのが、高齢者で運転免許を返納する人が増えていることだ。同市で返納した人の数は昨年12月末時点で919人にのぼる。同市の投票所は53カ所あるが、バスが通っていない場所も多い。申請者からは「誰かに送迎をお願いしなければいけなかったので、ありがたい」といった声が聞かれたという。
 一方、市は今回の選挙で270万円を計上したが、利用を申請したのは13世帯にとどまり、投票率も前回投票のあった8年前と比べ10%近く落ちた。
 県選挙管理委員会によると、無理やり投票に行かせたり、特定の候補への投票を促したりという行為にはあたらないため、違法ではないという。今年は衆院選と知事選も行われる。担当者は「各地域の実情に応じて、投票環境の向上に取り組んでもらいたい」と話している。

予算・税・財政 

都道府県21年度予算 8.3%増 コロナ対策で膨張  (4.19 日本経済)

 日本経済新聞社が都道府県の2021年度予算を調査したところ、知事選で骨格予算を組んだ秋田、千葉両県を除く45都道府県の一般会計の合計は、54兆8532億円となった。新型コロナ対策に重点的に予算を投入する結果、20年度当初比8.3%増。東日本大震災の復興費用を計上した12年度の3.4%増を大きく上回る突出した伸びとなった。21年度に特に重点的に財源を投入する事業は39都道府県が「新型コロナ対策」を挙げ、次に「ITデジタル化」(15道府県)が続いた。
 コロナ対策事業で20年度と異なる特徴は、医療体制の強化や中小企業支援など現在直面している災厄に対するだけでなく、中長期を見据えた感染対策を打ち出す都道府県が増えていることだ。
山梨県 知事直轄の「県感染症対策センター」開設
大阪府 「大阪国際感染症研究センター」開設  3500万円
富山県 「県中小企業リバイバル補助金」創設  15億円
山口県 「新型コロナ対策 送料支援手当」 1億3500万円
愛媛県 「公共交通利用回復緊急支援事業」 1億6000万円

まちづくり・都市計画 

二地域居住に地方期待 国と自治体 協議会 テレワーク普及活性化、移住の転機に (4.3 茨城)

 都市部住民が地方との両方に生活拠点を持つ「二地域居住」に自治体が関心を寄せている。新型コロナウイルス禍に伴うテレワークの普及で、居住地の選択肢が多様化しているからだ。地方にとっては都市部と行き来する二関係人口の拡大により、活性化や将来の定住が期待できる。地域をまたいだ暮らし方を進めようと、国や自治体が協議会をつくり、本県からも19市町が参加した。
 3月、国土交通省を事務局に「全国二地域居住等促進協議会」が設立された。全国601の道府県・市町村や関係29団体で構成される。二地域居住に関する施策や事例、課題の共有、政策提言が狙いだ。
 オンラインによる設立総会で、赤羽一嘉国交相は「コロナ禍のテレワーク普及などで働き方が変わり、住まい方にも変化が出ている。二地域居住の施策はまだまだこれからで、諸課題に対する提案や要望を頂き、国の政策立案に生かしたい」と期待した。実際に、東京都は今年2月まで8カ月連続で人口流出に当たる「人口超過」状態。テレワーク導入で、仕事部屋を確保するため、地方のより広い住宅を求める傾向が強まった影響とみられる。特に首都圏域の本県は二地域居住をしやすい立地と言える。
 全国の移住相談窓口を備えるNPO法人・ふるさと回帰支援センター(東京)によると、移住希望地ランキングで本県は過去5年間、上位20位に入っていなかったが、2020年は窓口相談者のアンケートで12位に躍進。相談件数は前年比で2倍近く増えた。
 自治体はこれらの状況を、人を呼び込む転機と捉えている。協議会員の笠間市は滞在型市民農園「笠間クラインガルテン」があり、週末の田舎暮らしを求めて都市部から人が訪れている。市担当者は「もともとある素地を生かし、新たな人の流れをつくり、いずれは移住につなげたい」と語る。同じく会員の大洗町の担当者は「観光地や休暇先でテレワークする『ワーケーション』が注目される中、関係人口を増やす取り組みを強化したい」と話す。町内ではコロナ禍以前からワーケーションの動きが見られ、最近では共有オフィス(コワーキングスペース)で働きながら、東京にも出勤する住民がいるという。
 設立総会で講演した筑波大の谷口守教授は、コロナ禍を機に「地方にいながら東京にもたまに行くような、地方偏重の新しい二地域居住が増えるのでは」と見解を示し、拡大には「居住を前提としないなど考え方を緩和して、緩いくくりでの議論が必要」と述べた。

20年常住人口推計 本県転入超過1309人 コロナ禍、移住後押しか  (4.11 茨城)

 県人口の減少が続く中、2020年1年間の社会動態(転入・転出)を見ると、1309人の転入超過となったことが県常住人口調査(推計)で分かった。転入が転出を上回る「社会増」は2年連続で、増加幅は19年の302人を大きく上回った。月別に見ても、転入超過は昨年5月から今年2月まで10カ月連続に及んだ。コロナ禍に伴うテレワーク推進や移住の促進なども背景にあるとみられ、県統計課は「新型コロナウイルス感染拡大の影響と推測される」としている。
 調査結果によると、20年中の転入者数は11万3326人、転出者数は11万2017人面,県内市町村で20年中に社会増となったのは11市2町1村。最も増えたのは、つくば市の3702人。以下は取手市802人、守谷市776人、阿見町497人、水戸市429人と続き、県南地域の自治体が上位を占めた。
 社会減は21市8町1村。転出超過による人口減少数は日立市の1153人が最も多く、以下は、桜川市441人、石岡市352人、常陸大宮市305人、ひたちなか市280人。社会増が拡大した背景にはコロナ禍があるとみられ、地域別・地域間移動の調査を見ても、本県から埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県への転出者数が19年と比べ大幅に減った。

地域経済 

日鉄高炉廃止 活路どこに 発表1カ月広がる不安 (4.6 朝日)

 日本製鉄(日鉄)が、東日本製鉄所鹿島地区(鹿嶋市)の高炉2基のうち1基の廃止を発表してから5日で1カ月。従業員や関連会社など関係者には不安が広がり、早急な対策を求める声があがる。
 国内需要減などで日鉄は先月5日、2025年度までの経営計画で、協力会社を含め1万人強を削減することや慢性的な赤字に陥っていた鹿島地区の高炉1基を廃止することを発表した。24年度末をめどに廃止される高炉は、鹿島地区の生産量全体の4割を占める。錦織市長はこの日、明確な返答は避けつつも、「廃止の影響は、鹿行5市で家族を含めて1万7千人、(鹿嶋)市内で5千人に出ると思う。人口5万5千人で考えていた市の総合計画も、5万人なら全く違ったものになる。今までのやり方では、市は持たない」と危機感をあらわにした。
 鹿嶋市の市税収入は2008年度をピークに減り続けている。現在の人口は約6万7千人。17年の市の試算では、25年後の人口を5万5千人と想定。だが今回の廃止を受けて、さらなる算定の見直しを進める。市税務課の担当者は「今回のことで市税収入減は非常に厳しい状況だと認識している」。

農業「メガ+α」で稼ぐ 茨城県農地集約後押し  (4.6 日本経済)

 農地の集約を後押しし、大規模な水稲経営体を短期で育成する事業を茨城県が進めている。県は担い手不足に先んじて大規模経営を促す考えだが、稼ぐ農業の実現には効率化を支える土壌の整備も必要だ。
 稲敷市の農業法人「ヤマグチファーム」は、社長の両親を含めて従業員は4人だが、17年度に33haだつた農地を19年度に68haに、20年度に107haと3倍超に増やし県の「茨城モデル水稲メガファーム育成事業」による100ha達成の第1号となった。「茨城モデル水稲メガファーム育成事業」は、県が農業を成長産業とするため18年度に始めた。
4市町で30~40ha程度の農家や農業法人を100ha規模に育成する。農地中間管理事業を活用した農地集約が柱。貸付に協力した所有者に10a当たり上限8万円、農地交換に協力する耕作者に同2万円を補助する。省力化対応も支援。先端技術の導入で国の補助事業を活用した場合、県が上乗せ補助する。

20年度県内 コロナで資金需要増 保証承諾額 前年比3.6倍   (4.15 茨城)

 県信用保証協会の2020年度の保証承諾額が前年度比約3・6倍の7132億5350万円と過去最高だったことが14日分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中小企業の資金需要が急激に増えたためで、アジア通貨危機の影響があり、これまで最高だった1998年度の6249億8800万円を22年ぶりに上回った。
 20年度の保証承諾額のうち、実質無利子・無担保の「新型コロナウイルス感染症対策融資」や「県パワーアップ融資」を中心に新型コロナ関連が全体の8割超を占めた。
 月別に見ると、年度当初の4月から申し込みが急増。6月の承諾額は前年同月比約7倍の1200億7400万円となった。夏以降はやや落ち着き、前年比2~3倍程度で推移。ただ、今年3月は実質無利子・無担保融資の申し込み終了前の駆け込みがあり、月別で最も多い同5・7倍の1268億8100万円となった。
 業種別では建設業が1982億5383万円で最多となり、製造業1211億{2739万円、サービス業1124億5989万円と続いた。前年度からの伸び率では飲食店が約5・3倍、運輸・倉庫業が約4・5倍、サービス業が約4・1倍などとなった。
 一方、企業の運転資金が増えたことで、企業が返済できなくなった借入金を肩代わりする代位弁済額は前年度比26・6%減の60億4931万円に減少した。
 企業の手発資金確の動きはピークを過ぎたとみられ、今後、企業にはコロナ禍の長期化や収束後を見据えた業態転換などによる収益力向上が求められそうだ。同協会は中小企業診断士や経営コンサルタントなどめ専門家派遣や金融機関と連携した課題解決支援といった同協会の支援事業に加え、経営改善に取り組む企業向けの新たな保証制度などの活用に力を入れる方針。同協会の鈴木克典会長は「昨年は資金繰り支援として保証業務に特化してきたが、これからは経営支援が非常に重要になってくる」と話した。

兵庫県 農地バンク・農業会議合併し 新組織「ひょご農林機構」       (4.21 日本農業)

 兵庫県の農地中間管理機構(農地集積バンク)である兵庫みどり公社と県内40市町の農業委員会を束ねる県農業会議が合併し、新組織「ひょうご農林機構」が誕生した。農地集積バンクとして機構を強化、農地の集積・集約を加速させる。合併は、公社が農業会議を吸収する形で、「農業会議」を冠した法人がなくなるのは47都道府県で初めて。

徳島県 日本初のエシカル消費条例制定  (4.26 日本農業)

 徳島県は、日本で初めて「徳島県消費者市民社会の構築に関する条例(エシカル消費条例)」を制定し、県民に極力有機や減農薬農法を実賎し環境に配慮したエシカル消費を推進する。
県の取り組み
  ・シンポジュウム、フォーラムの開催、情報の発信
  ・とくしまエシカル消費推進会議の設置(日本初)
  ・「エシカル消費自主宣言」事業者の募集
  ・「とくしまエシカル アワード」の創設
  ・県内全公立高校にエシカルクラブを設立
  ・「エシカル甲子園」の開催
  ・とくしま国際消費者フォーラム2020を開催
  ・G20消費者政策国際会合を消費者庁と共催

福島沖創業再開へ 茨城漁連打診受け 処理水と両にらみ     (4.28 茨城)

 東京電力福島第1原発事故後、本県漁業者の福島県沖での操業自粛が続く中、県内の沿海10漁協などでつくる茨城沿海地区漁業協同組合連合会が3月、福島県漁業協同組合連合会から、互いの漁場を行き来する「相互入会漁業」の再開に向けた協議を打診されたことが27日、分かった。茨城漁連は漁業者同士による協議に応じる意向で、近く具体的な協議内容や日程の検討に向けた打ち合わせを福島漁連と行う。
 ただ協議入りを前に、政府が同原発の処理水を海洋放出する方針を決定。両県漁業者らの反発が相次ぐ中、協議と両にらみの難しい対応を迫られている。

環境と開発

洋上風力27年度稼働へ 鹿島港沖発電年間16万キロワット    (4.6 茨城)

 鹿島港沖で計画されている大規模洋上風力発電事業を巡り、風力発電のウィンド・パワー・グループ(WPG、神栖市南浜、小松崎衛社長)など3社は5日、同港沖合に大型風車19基を設置し、2027年度の営業運転開始を目指すと発表した。洋上風力発電は、脱炭素社会実現に向けた政府のグリーン成長戦略の重点分野の一つ。3社は同事業の推進で、国の政策目標「経済と環境の好循環」に貢献したい考えだ。
 同事業に参画するのは、WPGと東京ガス(東京)、国内外で再生可能エネルギー発電の実績があるヴィーナ・エナジー子会社の日本風力エネルギー(同)。3社が共同出資するウィンド・パワー・エナジー(同市)が事業推進を担う。事業者や計画の変更について、同日までに県の承認・認定を受けた。着工は24年度となる見通し。
 発電容量は、一般的な家庭約7万世帯分の年聞消費量に相当する約16万キロ。全量を固定価格買取制度(FIT)に基づき東京電力へ売電予定。洋上に建設する大型風車は国内にメーカーがないため、海外製品の採用を見込んでいる。
 設置場所は、県が同港南側の港湾区域に設定した「再生可能エネルギー源を利活用する区域」の約680ha。同市沿岸では年間の平均風速が6m以上となっており、障害物が少ない沖合では、風況の向上が見込まれる。

危ない踏切 2603カ所 減少鈍化  (4.8 しんぶん赤旗)

 遮断機や警報機がない「第4種踏切」の減少ペースが鈍化している。国交省が2019年度末時点の設置個所数を公表。全国にいまだ2603カ所あり5年前から減少数は261カ所にとどまっつている。第4種踏切は、鉄道の通行を知らせる設備がなく、事故の危険性が高い。全ての踏切に占める割合は7.9%。一方で発生した事故は29件で全体の13.7%に当たり1カ所当たりの事故件数が多くなっている。
 同時に鉄道事業が踏切を設置していないのに住民らが日常的に同じ場所を渡る「勝手踏切」もある。
少なくとも全国に17066カ所。
 第4種踏切 全国 2603 (山口県が最多 162カ所)
         茨城  91 全国9位
 勝手踏切  全国 17066 (愛媛県が最多1031カ所)
         茨城  440 全国16位

医療・福祉・社会保障・教育 

男性育児休取得100%目標 県職員行動計画 新採女性割合50%に  (4.1 茨城)

 県は、県職員の子育て支援と女性活躍推進に向けたそれぞれのプランを統合し、新年度から新たな行動計画「県職員子育て応援・女性活躍推進プラン」を策定する。計画期間は2025年度までの5年間。現在、19・7%にとどまる男性職員の育児休業取得率を上げるため、目標値を全員取得の「100%」と高く設定。県は「ハードルは高いが、男女とも同じ子育て環境づくりが必要」としている。新規採用者に占める女性の割合の目標値も10%上げて50%にする。

日立総合病院 新生児受け入れ再開 県北の周産期拠点に  (4.2 茨城)

 日立製作所日立総合病院(日立市)は1日、「地域周産期母子医療センター」で比較的リスクの高い新生児の受け入れを再開し、本格稼働に向けた一歩を踏み出した。同センターの再開は、2009年に医師不足を理由に休止して以来12年ぶり。当面、部分的なぶんべん受け入れとなるが、今後、ハイリスク分娩の対応へと段階的に機能の充実を図る。医療資源の乏しい県北地域にあって、周産期医療の拠点として期待される。
 同病院のセンター休止以降、日立地域でリスクのある新生児や妊婦は、主に水戸市内の水戸済生会総合病院や県立こども病院で対応せざるを得ない状況が続いてきた。このため県や日立市はセンター再開を最優先課題とし、医師確保に取り組んできた。日立総合病院でセンターが本格再開すれば、低出生体重児や合併症があるなどハイリスク分娩の取り扱いが可能になり、一定の周産期医療が地域内で完結する。また、病床稼働率が9割を超す県立こども病院の負担も減る 先行して受け入れを再開する新生児部門に関し日立総合病院では、小児科医を7人程度確保。新たに新生児専用病床を3床整備し.た。このうち1床は新型コロナウイルスの流行も踏まえ、感染症に対応できる個室とした。
 センターで受け入れるのは、近隣病院で生まれた子を含む34週・1800グラム以上の新生児。低出生体重児のほか、呼吸障害や黄疸などの症状で近隣病院が、搬送が必要と判断した新生児に対応する。

県立高入試、採点ミス 再発防止へ改革 人的エラー前提に  (4.8 茨城)

 今春と昨春の県立高入試などで発覚した計千件近い大規模な採点ミス問題が、本県教育界の信頼を揺るがしている。再発防止の議論が求められる中、現場の教員からは「人的なエラーを前提としたシステムが必要」といった抜本的な改革を求める声が上がる。過去に同様のミスが判明した他県では、マークシレト方式の採用に踏み切ったところもある。県教委は8日、第三者委員会での検証をスタートする。今月中にもまとめられる再発防止策などに、県民の厳しい視線が注がれている。
 
見えない貧困支える 広がる「子ども宅食」文京区の取り組み (4.21 日本農業)

 家庭に食品を直接届ける子ども宅食の取り組みが東京文京区から全国へ広がっている。子ども宅食は、2カ月に1回配送。19年度は児童扶養手当や就学援助受給世帯など約580世帯に届けた。内容は飲食品メーカーなどから支援を受けた食品のほか、マスクなどの日用品(1回5~7キロ)だ。利用者からは米の需要が高いという。子ども宅食の最大の特徴は、周囲の目を気にせずに助けを求められること。役所の窓口を訪れなくてもLiNE、電話、郵送で申し込める。配送は行政でなく業者が行う。
 配達時に悩みなど聞き、公的支援につなげる役割も担う。
 プロジェクトを行うのは、こども食堂コンソーシアムだ。文京区を含む7団体で構成。自治体と各団体が対等な関係を保ちながらプロジェクトを進めているのも特徴だ。子ども宅食は、宅配を通じて貧困世帯の問題を解決することも目的だ。支援が必要であれば行政や専門家に相談できる。一方で、財源の確保など課題も山積している。特に、ニーズの高い米が不足しているという。
 農水省は今年1月子ども宅食事業に対し、政府備蓄米を無償提供できるようにし、申請した団体は年間300㎏を上限に備蓄米を受け取れる。

県立高入試採点ミス システム見直し提案 第三者委が大枠示す (4.23 朝日)

 県立高校の入試などで採点ミスが相次いだ問題で、原因の究明や再発防止策の検討をしている第三者委員会の第3回会合が22日、県庁であった。採点システムについては、現行は1枚の答案用紙で正誤と配点それぞれを3人ひと組でチェックしているのを、答案用紙をコピーし、2組の教員が別々に採点をして照会する仕組みに改める。また、点検日を設けるため、土日を活用し、採点日数を現在の最大2日間から4日間に増やす案が示された。採点しやすいように答案用紙を見直すことや不合格者には合格発表後に速やかに答案の写しを交付することなどが提言に盛り込まれることになった。26日に教育長に提言書を手渡す。県教委は、5月中にも新たな採点マニュァルを策定する方針。

来月に新採点マニュアル 県教委、議会委で改善案報告  (4.28 朝日)

 県立高校の入試などで採点ミスが相次いだ問題で、県教育委員会は27日、第三者委員会がまとめた改善案について、県議会の文教警察委員会で報告した。答案を2組の教員が別々に採点する仕組みについて、委員から「必要な教員や採点時間が増える。現実的なのか」と問われ、担当者は「現場の事情も聴いた上で、全学校で導入が可能か検証する」と答弁した。また委員からは、将来的なマークシート導入を検討すべきだ、事務作業は教員以外が担える仕組みをつくるべきだとの意見も出た。記述式問題が増えたことで採点が長時間になり、採点ミスにつながったのではないかという指摘については、「記述式問題は受験生の表現力を確認するために必要。どのような割合がいいのかは引き続き検討していく」と述べた。
 現場の教員や識者は、第三者委員会の提言書をどう見たのか。「改善も期待できるが、現場の負担増につながらないか心配」。特に評価するのは2点。答案用紙を採点しやすいように変更することと、記述式問題の採点基準を県教委が示すことだ。「以前から現場で出ていた意見で、やっとという思いだ」

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