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2019/09

2019/09

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2019年09月分


震災・洪水災害対策

災害時、不明者名公表ヘ 迅速救助へ県が基準 (9.3 朝日)

 災害時の安否不明者について、県は2日、救助活動に不可欠で、生命保護にあたって緊急かつやむを得ない場合については、報道機関に氏名、居住市町村名を公表すると発表した。原則公表となる見込みだ。これまで公表の基準や方法があいまいで、2015年の常総水害の際に混乱の一因になっていた。
 県防災・危機管理課によると、公表するのは、災害によって所在不明となっている「安否不明者」(死亡の疑いがある「行方不明者」も含む)の氏名と所在市町村名。①生命を保護するため緊急かつやむを得ない時②救出・救助を行うため、所在情報を入手する必要があるとき―の両方を満たした場合が対象になる。
 死亡者の氏名については、「人命救助とは違う」(同課)として、市町村などが遺族に確認した上で、同意を得られた場合だけ公表するという。
 国の防災基本計画や県の地域防災計画では不明者数について、都道府県に一元的に集約することを定めているが、氏名や住所の扱いは規定がない。個人情報保護や親族への配慮から公表しない自治体がある一方、
 「公表で迅速な安否確認につながる」と評価する自治体もあり、対応が分かれている。同課によると、ほかの都道府県では、宮崎県が茨城とほぼ同様の基準を策定しているが、DV(家庭内暴力)などで住民票の閲覧制限がかかっている場合は除いている。山形県は市町村や対象者の親族の意向を踏まえ判断しているという。

災害不明者、原則公表へ 県独自方針 死者は遺族意向尊重  (9.3 茨城)

 災害時に連絡が取れない行方不明者・安否不明者と、死者の氏名公表について、県は2日、県独自の方針を定めたと発表した。行方・安否不明者の氏名と市町村名は迅速な人命救助に対応できるように原則公表する一方、死者の氏名などの公表は遺族の意向を尊重して実施するとした。災害時の氏名公表を巡っては近年、自治体の対応が割れるケースが相次ぎ、全国知事会は7月、現場の自治体が混乱するのを防ぐ必要があるとして、国に統一
基準の策定を要請した。

原発問題(東海第二原発関係も含む)

JCO事故「教訓学び続けて」 20年を前にフォーラム東海村   (9.8 朝日)

 核燃料加工会社「ジェイ・シー・オー(JCO)」東海事業所(東海村)で起きた臨界事故から30日で20年となるのを前に、東海村で7日、原子力安全フォーラムが開かれた。
 フォーラムには地元選出の国会議員や原子力関係者、村民ら約300人が参加。参加者全員で亡くなった2人に黙祷した後、事業所から350㍍圏内の村民に避難要請を出した村上達也・前村長やJCOの桐鳴健三社長、原子力規制委員会の田中俊一・前委員長らが登壇し、事故の教訓などを語った。
 村上氏は当時を振り返り、事故はウランを扱う手順の逸脱が原因だったが、「そもそも高濃度のウラン燃料を扱う工場が住民のそばにあってよかったのか。日本では原子力事故は起こらない、という姿勢があったからではないか」と述べた。
 臨界を終息させる作業に携わった田中氏は、臨界事故と2011年の福島第一原発事故の原因を説明した上で、「二つに共通するのは技術への過信、安全性の軽視、教育不足。半世紀もの間、原子力政策は十分に見直されていない」と指摘。「教訓を学び続けることが大切だ」と語った。

福島原発事故 東電旧経営陣3人に無罪 (9.20 茨城)

 2011年3月の福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の勝俣恒久元会長(79)ら旧経営陣3被告に、東京地裁は19日、無罪の判決を言い渡した。永渕健一裁判長は
事故を回避するために、原発を止める義務を課すほどの津波の予見可能性はなかった」と判断した。予見の前提とされた国の地震予測「長期評価」の信頼性を否定した。

東海第2 対テロ施設に610億円 原電、規制委に審査申請  (9.25 茨城)

 日本原子力発電(原電)は24日、東海第2原発(東海村白方)にテロ対策となる「特定重大事故等対処施設」(特重施設)を新設するため、原子力規制委員会に審査を申請した。工事費は約610億円で、東海第2の電力を受電する東京電力と東北電力に資金支援の相談をしているという。原電は、設置期限の2023年10月までの完成を目指す方針。
 東電福島第1原発事故を踏まえた新規制基準では、航空機衝突などのテロ行為に備えた特重施設の設置が義務化された。原電は、遠隔で原子炉の冷却や減圧ができるよう、注水設備や予備電源、緊急時制御室などを設置するとしている。
 工事費について原電は、東電と東北電に支援の相談をしているが、現時点で回答は得ていないという。東海第2の安全対策費は、原発本体に必要とされる約1740億円を合わせると、総額約2350億円。工期を巡り、規制委は特重施設の設置期限について「原発本体の工事計画認可から5年」としているが、関西、四国、九州3電力の一部原発では、期限までに間に合わない見通しになっている。東海第2は期限まで残り約4年となっているが、原電は先行原発の事例を調査・検討した結果、期限に間に合うとしている。ただ、規制委の審査が長期化すれば、期限までに必要な国の許認可を得られない可能性もある。加えて全国で初めて周辺5市も対象になった地元同意や、半径30キロ圏に住む約94万人の避難計画策定の見通しも立っておらず、具体的な再稼働時期は見通せていない。
 東海第2は18年9月に国の新規制基準審査に合格し、同11月に原則40年を超える運転延長の認可を得て最長2038年まで運転可能になった。

東海第二 原電が対テロ施設申請 県・東海村には計画書 知事「県民の意見聞き判断」 (9.25 朝日)

 2038年までの運転延長が認められた東海第二原発(東海村)について、日本原子力発電(原電)は24日、敷地内に設置するテロ対策施設の審査を、原子力規制委員会に申請した。原電は同日、県と東海村にも、施設の概要を記載した「新増設等計画書」を提出した。
 テロ対策施設は、大型航空機の衝突といったテロ攻撃を想定し、原子炉を遠隔で冷却して放射性物質が建屋外に広がるのを防ぐのが目的の施設。東日本大震災後にできた原発の新規制基準で、稼働する全ての原発に設置が義務づけられている。
 原電によると、施設には原子炉圧力容器を減圧させる操作設備や、外部へ出る放射性物質を減らす安全装
置「フィルター付きベント」などを設置する。整備費用は約610億円。施設は、原子炉建屋から100㍍以上離れた敷地内に建てるが、防犯上の理由から詳細な場所は明らかにしていない。
 震災後に停止した東海第二は昨年10月、防潮堤の設置など安全対策を記した「工事計画」の認可を受け、同11月に20年間の運転延長が認められた。テロ対策施設は工事計画認可から5年以内の設置が義務づけられており、原電が今回提出した計画書では「23年10月までに完成する見込み」としている。計画書提出を受け、大井川和彦知事は同日、報道陣の取材に「最終的な(再稼働の)判断は県民の意見をしっかりと聞いてから行う。避難計画や安全対策が整った上で、テロ対策施設の申請も含め、今後県民に意見を聞くステージが必要になる」と話した。東海村の山田修村長は取材に「テロ対策は詳細な中身がオープンにされないため、村内で審議するのは難しい。規制委にはきちんとした判断をしていただきたい」と話した。

「再稼働反対」採決せず閉会 東海第二巡り ひたちなか市議会   (9.27 朝日)

 ひたちなか市議会の9月定例会が26日閉会し、東海第二原発の再稼働反対の決議を求める陳情・請願4件について審議未了とした。10月に市議の改選があるため、今後審議されることはなく、市民からは失望の声があがった。議会事務局によると、東海第二原発の再稼働反対の決議などを求める陳情3件と請願1件は昨年5月、議長宛てに提出された。総務生活委員会は「継続審議」として1年以上審議し、東海第二原発の視察も行ったが、委員全員が「今の段階では採択か不採択か判断できない」として、採決しなかった。10月の市議の任期満了に伴い、4件は「審議未了」で廃案扱いとなる。

金品受領は3憶2000万円 福井・高浜町元助役から関電会長ら20人 (9.28 茨城)

 関西電力の八木誠会長(69)らが、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(今年3月に90歳で死亡)から多額の金品を受領していたことが、金沢国税局の税務調査で分かった。岩根茂樹社長(66)は27日、臨時の記者会見を開き、2011年2月~18年2月の約7年間で20人が計約3億2千万円相当を受け取り、自身や八木会長を報酬減の処分にしたと明らかにした。辞任は否定した。

地方制度・自治体論・地方自治一般

大洗町議会が常任委一本化 11月から、効率化図る (9.5 朝日)

 大洗町議会は11月3日から、四つある常任委員会を一本化する。2日にあった町議会で、町議会委員会条例の改正案を賛成多数で可決した。議長と欠員1人を除く11人で採決し、賛成6人、反対5人だった。町議会事務局によると、常任委が一つになるのは県内で初めてという。同事務局によると、一本化は委員会運営の充実や効率化が目的。議員提案により、昨年から協議を進めていた。現在、総務▽文教厚生▽建設経済▽予算決算と四つの常任委員会があるが、予算決算委には町議全員が所属し、それ以外に2委員会をかけ持ちしているため、町議らは計3委員会に所属する状態だった。条例改正により、四つの常任委は総務委に一本化され、町議全員が所属することになる。 

非正規処遇 どこまで改善 自治体職員 来春から新制度    (9.9 日本経済)

 自治体で働く非正規職員の多くが2020年4月から「会計年度任用職員」に移行する。地方公務員法ととほう自治法の改正で設けられる新たな身分で、一般の公務員と同様に守秘義務を課す一方、期末手当を支給できるようにする。
 総務省によると、全国の臨時・非常勤職員は16年4月時点で64万3千人に上る。05年に比べて4割増えた。正規職員と併せた総数の2割に相当するが、この調査は雇用期間が半年以上の職員に限っているから実際はもっと多い。福祉や教育などの現場は、非常勤なしでは回らないのが現実だ。
 国が今回、法改正したのは非常勤職員にも守秘義務や政治的行為の制限などを求めるためだ。そのために設けるのが「会計年度任用職員」という身分。来年4月以降は学校医や統計調査員などを除いて特別職から移行する。併せて雇用期間が6カ月以上の人は期末手当を支給できるようにする。勤務経験に応じた事実上の昇級も認め、処遇を改善する。
 新制度の導入に伴う自治体の条例制定はこれから本格化する。今回の法改正は非常勤職員の待遇改善の一歩だが基本的に報酬単価が変わるわけではない。一般の事務補助ではフルタイムで月収は全国平均で14万5千円程度、「ワーキングプア」の水準である。常勤と非常勤では職責が異なるとはいえ「同一労働同一賃金」にはほど遠い。非常勤職員に依存した地方行政の見直しが求められている。

自治体非正規「会計年度任用職員」移行で交渉ヤマ場 (9.11 しんぶん赤旗)

 地方自治体で働く臨時・非常勤職員の多くは2020年4月から「会計年度任用職員」制度に一本化されます。多くの自治体では、労働条件などを定めるための条例案が9月議会に提出されます。自治労連などは、給与・労働条件などの引き下げや正規職員削減を許さず、待遇の向上、正規職員化を求めてたたかっています。非正規職員約64万人(総務省調査、2016年4月現在)のほとんどが会計年度任用職員に移行するとみられます。自治労連は、会計年度任用職員が1年間の会計年度の範囲で任用されることから、低賃金・低処遇で首切り自由な職員が増大するとともに、正規職員が非正規職員に置き換えられ、正規職員の削減につながる危険を指摘してきました。
 京都市は、介護保険認定給付業務を民間企業に委託し、経験ある嘱託職員130人の雇い止めを計画しています。住民サービスを後退させ、雇用主としての責任を放棄するものだと京都市職労や市民らは反対しています。静岡県島田市では、非常勤職員500人が担っているさまざまな住民サービスを民間企業に丸投げする「包括委託」を打ち出しました。島田市労連や市民の反対運動が広がり、同市議会は今年3月、包括委託経費を含む予算案を否決しました。東京都豊島区は「学校開放事業」をシルバ―人材センターに委託し、臨時職員54人を解雇する方針を示しました。公共一般豊島支部学校開放管理員分会と臨時職員らが立ち上がり、団体交渉などを通じ撤回させました。
 制度導入の法改定の際、衆参両院の委員会付帯決議では、現在の臨時・非常勤職員に不利益とならない勤務条件の確保のため、政府が助言し、必要な財源確保に努めることが盛り込まれました。
 自治労連の各労組では、現在まで積み上げてきた給与水準や労働条件の維持・改善を求め、再度の任用(雇用の継続)に年数の上限を設けないように主張しています。

県議会のやりとり画面に 要約筆記 試験運用   (9.12 朝日)

 耳が不自由な人に対し、話し言葉を文字にして伝える「要約筆記」が、9日の県議会一般質問で試験的に運用された。聴覚障害のある県民から、議会傍聴での要約筆記を求める声が寄せられ、県議会が場所の提供や費用負担に応じた。この日は、耳の不自由な人が手話通訳などを通じて、店や病院などとやりとりできる「電話リレーサービス」の普及促進などについて、県議が質問し、聴覚障害者4人が議場の傍聴席で要約筆記を利用した。傍聴席の前の記者席に、要約筆記者4人が座り、県議の質問や知事らの答弁を聞き取るなどして内容を要約。2人1組でノートパソコンに打ち込んだ。パソコンは聴覚障害者の前にあるノートパソコンとケーブルでつながっており、要約筆記者の打った文字がリアルタイムで画面に映し出される。
 利用した小高正太さん(39)=つくば市=は「議会でのやりとりがよく分かった。我々の生活に関わることが決められる場なので、どの議会でも、要約筆記が利用できるようにしてほしい」と話した。

65歳以上、県内29・4% 83万4360人、ともに過去最高     (9.14 朝日)

 16日の「敬老の日」に合わせ、県は高齢者人口の推計を発表した。県内の65歳以上の高齢者は83万4360人で、総人口に占める割合が29・4%となり、いずれも過去最高を記録した。7月の常住人口調査結果などをもとに算出した。男性は37万6467人(高齢化率26・6%)、女性は45万7893人(同32・2%)だった。
 市町村別の高齢化率(7月1日時点)は、大子町が45・6%でトップ。利根町が45%、河内町が38・3%、常陸太田市が37・8%と続いた。高齢化率は26市町村で30%を超えた。最も低いのはつくば市の20・l%。守谷市(22・5%)や神栖市(23・2%)、東海村(25・5%)も低かった。地域別の高齢化率は、県北地域が最も高く、3l・4%だった。それ以外の地域でも高齢化率は25%を超えた。

城里町長刑事告発へ 町議会が決議百条委欠席で (9.14 朝日)

 サッカーJ2・水戸ホーリーホックが練習拠点とする城里町のグラウンドの維持管理契約の問題を巡り、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委)を設けている同町議会が13日、百条委への出頭を「正当な理由なく拒んだ」として、上遠野修町長を同法違反容疑で刑事告発することを決めた。告発は、百条委の関誠一郎委員長が発議し、8対5の賛成多数で可決された。近く議長名の告発書を水戸地検に提出する。
 このグラウンドについて、町は昨年度と今年度、ホーリーホックから推薦された造園会社と随意契約を締結。天然芝の管理を委託している。これに対し、百条委のメンバーは「本来、競争入札にするべきで、契約の経緯に疑義がある」と主張している。

茨城パートナーシップ宣言制度 都道府県初の運用開始から2カ月 (9.17 しんぶん赤旗)

 茨城県で今年7月から性的マイノティ(LGBT)の同性カップルを夫婦同様のパートナーとして認める「いばらきパートナーショップ宣言制度」が始まりました。この制度は20歳に達していることや県内に住所を有している(県内への転入予定も含む)ことなどが要件で県営住宅の申込や県立中央病院での面会や手術同意が可能となります。
 同制度が開始し、8月末までに16組のカップルが宣誓書を提出しました。
 制度の開始にともない、水戸市など県内8市町が公営住宅への入居申請を認めています。しかし、制度自体には法律上の効果はなく婚姻とはならないのが現状。

国の広域連携推進策 押し付け 自治危険に  (9.18 しんぶん赤旗)

 首相の諮問機関である第32次地方制度調査会(地制調)で、自治体間の広域連携を推進する制度改革などの議論が行われていますが、地方団体からは強い反発の声が上がっています。全国町村会顧間で長野県川上村の藤原忠彦村長の談。現在の国の制度改革の動きには強い懸念があり、全国町村会としてもしっかり声を上げていく考えです。地制調の議論の土台となっている総務省の「自治体戦略2040構想研究会」の報告書には、いま市町村単位で担っている行政を、中心都市と周辺自治体からなる「圏域」単位で行うことを標準化することなどが盛り込まれております。
 このような行政区域の広域化は、私たちは「平成の大合併」(1999~2010年)で経験していますが、数多くの弊害が指摘されています。とくに、周辺自治体が中心市に吸収された形の「合併」では、中心に公共的な施設や機能が集約される一方で、周辺である農山漁村地域の住民の声が届きにくくなり、ますますさびれ、活力を失うといった事態が起きています。結局、行政側からすると、広域化すると小さいものが見えなくなってしまうのです。そして自治体とは、住民と役場の職員が知恵を出しあって運営していくものですが、自治体が大きくなると住民一人ひとりの知恵を小さくしてしまう。
 この「平成の大合併」の総括もなく、さらに行政範囲を広げる「圏域行政の標準化」を自治体に押し付けることなどあってはなりません。

食品ロス削減推進法 10月1日施行 (9.25 日本農業)

 政府は、まだ、食べることのできるのに廃棄される「食品ロス」を減らすことを目的とした食品ロス削減推進法」を10月1日から施行することを閣議決定した。政府や地方自治体、事業者、消費者にそれぞれの責務・役割を定めており、食品ロス削減を国民運動として推進していく。
〔法のポイント〕
 ・政府責務  食品ロス削減の基本方針策定
 ・自治体責務 基本方針を踏まえて削減推進計画を定
  め対策実施
 ・政府・自治体政策 
  ①消費者や事業者に食品ロス消滅の知識を普及、啓発
  ②食品ロス消滅の功労者表彰
  ③食べ物を必要とする人に提供する活動(フードバンク活動)を支援
 ・事業者表彰  政府、自治体の施策に協力
 ・消費者の役割 食品の購入、調理方法を改善し削減に自主的に取り組む 

「圏域」 法制化 地方は警戒  (9.26 毎日)

 人口減少社会を踏まえ複数の市町村が行政サービスを共同で進める。「圏域」を法的に位置づけることに、地方自治体の警戒感がくすぶっている。国の主導による実質的な「令和の大合併」につながり「中心市以外の住民が切り捨てられかねない」と懸念するからだ。首相の諮問機関「第32次地方制度調査会」は、来年夏までに具体像を示すが、地方自治体との調整は難航しそうだ。
 自治体側が意識するのは行政改革の観点から国が促した「平成の大合併」(99~10年)だ。
 99年時点で3200以上あった市町村は約1700に集約され、吸収された市町村の住民からは「行政サービスが低下した」との不満も根強かった。圏域構想で複数の自治体にある学校や病院などが中心自治体に集約されれば実質的な市町村合併になると受け止めていることも反発につながっているようだ。自治体側の反応を受けて8月29日の地制調小委員会は具体論に踏み込まなかった。

予算・税・財政 

ふるさと納税除外 総務省実質「完敗」 係争委「法に違反の恐れ」  (9.3 朝日)

 ふるさと納税制度からの除外をめぐる総務省と大阪府泉佐野市の対立で、同省の第三者機関・国地方係争処理委員会が2日、石田真敏総務相に除外の内容を見直すよう求めた。係争委は、法的拘束力のない通知への違反を除外理由にしたことを「法に違反する恐れがある」と認定しており、事実上、総務省の「完敗」となった。 係争委の富越和厚委員長は委員会後の会見で、6月の地方税法の改正前の泉佐野市の行為は「世間にやり過ぎと見られるかもしれないが、強制力がない通知に従わなくても違法ではない」と説明した。
 係争委は、改正法の施行後に守るべきものとして総務省がつくった基準を、法改正前の行為にあてはめて除外を判断したとして、違法の疑いがあると認定。同省に直接、撤回までは求めなかったが、総務省が除外の根幹として掲げていた理由は「少なくとも本件で使うべきではない」と退けた。富越委員長は、総務省が泉佐野市を除外する判断を続ける場合は、新たな法的根拠を提示する必要があるとの見解を示した。

ふるさと納税 泉佐野市除外 係争委勧告「違法の恐れ」総務省が事実上「敗訴」 (9.3 茨城)

 ふるさと納税の新制度から、大阪府泉佐野市が除外された問題を審査した第三者機関「国地方係争処理委員会」は2日、除外決定の再検討を石田真敏総務相に勧告することを決めた。過去に不適切な寄付集めをしたとして除外した総務省の対応は、新制度を定めた改正地方税法に違反する恐れがあると指摘した。同省が事実上の「敗訴」となる極めて異例の判断を下した。
総務省には、勧告の文書を受け取ってから30日以内に、再検討の結果を泉佐野市へ通知するよう求める。同省は再検討を義務付けられるが、別の理由で改めて除外するのは可能。審査を申し出た市は「主張がおおむね理解された」とコメントした。同様に新制度への参加が認められなかった静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の3町は勧告の対象外。委員長の富越和厚元東京高裁長官は記者会見で、泉佐野市による寄付集めを「制度の存続が危ぶまれる状況を招き、是正が求められるものだった」と述べ、問題があったとの認識を示した。ただ、それを除外の根拠にすることは認められないと指摘。理由として「改正地方税法に基づく新制度の目的は過去の行為を罰することではない」と説明した。6月開始の新制度は、改正法に基づく総務相の告示で「昨年11月以降、制度の趣旨に反する方法で、著しく多額の寄付を集めていない」ことが参加基準の一つになった。市はインターネット通販「アマゾン」のギフト券などを贈り、昨年11月~今年3月に332億円を獲得。総務省は基準を満たしていないとして5月に除外を決めた。
泉佐野市は「当時は適法だった行為を理由として、不利に扱うのは違法」として、除外を取り消すべきだと主張。総務省は「健全で公平な制度運用のため、過去の実績を考慮するのは許される」と反論していた。

地方創生交付金利用に地域差 過疎地は危機感強く    (9.23 日本経済)

 国の「地方創生推進交付金」を利用する市区町村の割合が都道府県ごとに大きく異なっている。
 栃木県や鳥取県などは2019年度までの5年間で全市町村が交付金を利用したが、大都市圏などは7割以下のところもある。 衰退への危機感が強い地域では利用率が高い。
 地方創生第1期(15~19年度)の実積を見ると交付金を利用した市区町村の割合が低いのは東京都や山梨県、埼玉県といった首都圏や三重、和歌山県などの近畿圏。最も割合が低いのは沖縄県の22%。地方創生に頼らなくても「沖縄振興特別交付金」を受ける自治体が多い事情があるようだ。一方、交付金を利用した市町村の割合が高かった県は、それだけ衰退の危機感が強いともいえる。利用率100%だった栃木、富山、鳥取、徳島、熊本県などは県内に山間部や離島に過疎地を抱える。人口減が止まらず、市町村単独では有効策を取れない中、広がっているのが観光集落の広域連携だ。
 栃木県、富山県などで、この制度を活用し効果を生むイベントを行っている。
 政府は、自治体の地方創生を後押ししてきたが、東京一極集中に歯止めはかかっていない。
 自治体が交付金を使わずに自発的に地域を振興するに越したことはない。ただ、状況が深刻なのに動きが鈍い地域もある。自治体には支給期限が切れても事業を持続できる仕組みも課題となっている。 茨城県の利用率は、95.5%で全国11位(10位までは100%)

2020年度概算要求の焦点 8 地方財政 広域連携など推進  (9.27 しんぶん赤旗)

 2020年度予算の概算要求で総務省は、地方の一般財源総額(地方税や地方交付税など自治体が自主的判断で使える財源)について、「仮置き」の数字として、19年度予算比l・3兆円増の64兆円程度と見込みました。社会保障費の自然増や、19年度は半年分だった幼児教育・保育の無償化に伴う経費が平年度ベースとなることが主な要因です。地方税等(地方譲与税、地方特例交付金を含む)はl・l5%増の43・8兆円。地方交付税等(同交付税不足分を振り替える臨時財政対策債3・4兆円を含む)は4・l%増の20・2兆円としました。自治体が地域活性化策を実施するための「まち・ひと・しごと創生事業費」(15年度創設)は引き続き1兆円が計上されました。全国知事会など地方団体は維持・拡充を求めています。
 概算要求の中身は、以前から自治体に迫ってきた広域連携や公共施設、行政サービスの集約化、民間委託化を進めようという政府の姿勢を示すものです。総務省は、中心都市が近隣自治体と連携し、その「圏域」全体の都市機能や行政サービスを集約化する「連携中枢都市圏」などを推進する予算として2・l億円を要求。国土交通省は、公共施設などを中心地に集約する「コンパクトシティ」推進予算を242億円(19年度予算比33%増)計上しています。いずれも中心地での大型開発や周辺地域の衰退が危惧されるものです。公共施設の建設・管理運営を民間に委ねる「PPP/PFI」を推進する予算としては、国交省で558億円(同76%増)が盛り込まれました。
 「圏域」行政に関しては、総務省研究会が圏域単位での行政の標準化を提起(18年7月の報告)するなど、さらに押し進めようとする動きがあります。しかし同報告を受けて議論を続けている地方制度調査会(首相の諮問機関)では、全国町村会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)が「町村を衰退させ、消滅させかねない」と述べるなど反発の声があがっています。
 また総務省の概算要求では、国民監視やプライバシー侵害の危険があるマイナンバー制度を推進するための予算を、19年度予算から7倍ちかくも増やして1801億円としました。現在マイナンバーカードは約1787万枚が交付済みですが(9月19日時点)、同カードの健康保険証としての利用に向けて、20年度末までに6000万~7000万枚を交付するという政府想定に合わせたものです。

地 域 経 済 

種子法廃止後11道県に新条例 「安定供給を」農家の声後押し   (9.2 朝日)

 都道府県に米、麦、大豆の優良な種子生産と農家への安定供給を義務づけていた主要農作物種子法(種子法)が昨年4月に廃止されたのを受け、代わりとなる「種子条例」をつくって従来の事業を継続する自治体が相次いでいる。11道県が制定済みで今後も増える見通しだ。政府の規制改革の一環で廃止されたが、種子の安定供給を心配する農家らの声が条例づくりを後押ししている。
 朝日新聞が47都道府県に聞き取ったところ、新潟、富山、兵庫、埼玉、山形の5県が2018年中に条例を制定。今年に入ると4月までに北海道、岐阜、福井、宮崎が、6月に鳥取、7月に長野が制定した。来年4月施行の長野を除く10道県はすでに施行している。さらに宮城、栃木が9月県議会に条例案提出を予定。滋賀では知事が2月に条例制定を明言している。
 農業の競争力強化をめざす政府は17年、種子法のもとでの公的な種子生産・供給のシステムが、民間の種子ビジネス参入の意欲を阻害しているなどとして廃止法案を国会に提出。与党などの賛成で可決され、廃止された。相次ぐ条例化の動きについて農林水産省穀物課は「種子法廃上で都道府県に種子生産や供給をやめるよう求めたわけではない。条例化はそれぞれの自治体の判断だ」としている。

技能実習日立に改善 入管庁など 必須業務、2割だけ  (9.7 朝日)

 外国人の技能実習生制度をめぐり、法務省出入国在留管理庁と厚生労働省は6日、技能実習適正化法に違反したとして、国内電機最大手の日立製作所(東京都)に改善命令を出したと発表した。関係者によると、フィリピン人43人の実習に違反があり、平均すると、国の基準で必須とされ.た業務時間の2割ほどしかさせていなかった。改善命令は、実習計画の認定取り消しに次いで重い行政処分。ただ、状況が改善されれば新たな実習生の受け入れは可能で、進行中の計画も継続される。
 入管庁は日立の違反内容について、「実習計画で必須業務とされた配電盤や制御盤の組み立てではなく、別の作業をさせていた」と概要だけ発表し、「詳しい内容は差し控える」と具体的な事業所や対象時期を明らかにしなかった。
 法務省関係者によると、実習生らは聞き取り調査に「習得したい技能と違うことをずっとやらされた」と証言。『日立に実習生を紹介した監理団体「協同組合フレンドニッポン」(広島市)に伝えても、何もしてくれなかったと訴えた。同庁は監理団体が違反を把握していた可能性があるとみて調査している。

本県 工場立地2冠復帰へ   (9.11 毎日)

 経済産業省が公表した2018年の工場立地動向調査で、茨城県が2年ぶりに工場立地面積で全国1位となった。移転した企業への補助制度など積極的な誘致策が実った形。PRなどさらに誘致を進め、立地件数も併せた2冠返咲きを目指している。大井川知事は、「茨城に住みたいと思う人を増やすには質の高い雇用の確保が重要」として誘致強化を打ち出し、工業団地の分譲価格を引き下げたほか本社や研究所を移した企業に最大50億円を補助する制度を創設。その結果、18年調査で面積は147haで1位となり2位の愛知(76ha)を大きく引き離した。

県内酒造「常陸杜氏」育成進む 新認定制度 来月にも資格者 (9.13 茨城)

 日本酒の出来栄えを審査する今年の全国新酒鑑評会で本県は過去最多の12点が金賞を受賞し、品質向上への取り組みの成果が出始めた。県内の酒蔵では酒造りの職人、「杜氏」の育成が進んでおり、来月にも地元杜氏の育成を目指した新たな認定制度で、本県独自の資格を受けた「常陸杜氏」が誕生する。さらなる本県産日本酒のレベルアップで全国に茨城の酒を発信したい考えだ。
 全国新酒鑑評会の都道府県別の金賞数は22点の金賞を得た福島県が7年連続日本一。次いで秋田18点、兵庫16点、新潟15点、長野14点、宮城、山形が13点だった。

農林水産被害34・7億円 台風 県が農家に助成措置へ  (9.18 朝日)

 県は17日、台風15号が県内の農林水産業に及ぼした被害額を約34億7千万円とする推計値を発表した。今後、肥料や農薬の購入費補助など、大きな被害が出た地域の農家などを対象に、助成措置を講じる。県によると、農産物の被害は約7億6千万円。最大は、鹿嶋市などのピーマンで約1億4千万円。鉾田市などのミニトマトや小美玉市などのニラも、それぞれ1億円以上の被害が出た。農業用施設は、鉾田市や神栖市、行方市、稲敷市を中心に、パイプハウスや鉄骨ハウスが損壊。被害額は約26億5千万円だった。
 県は、被害が県内広域にわたり、農家などの被害額も大きいことから、県農林漁業災害対策特別措置条例を適用し、融資事業と補助事業を行う方針だ。融資は、農家などが金融機関から経営や施設復旧資金の融資を受けた場合、市町村が利子分を補給し、県も一部を補助することで、実質的に無利子にする。施設復旧資金の貸し付け限度額は、個人が200万円、共同利用施設は2千万円。

豚コレラ予防 県が連絡会議 県議会では「ワクチン接種を」    (9.18 朝日)

 家畜伝染病の豚コレラの発生が先週に埼玉、長野両県で確認されたことを受け、県は17日、危機管理連絡会議を開いた。畜舎周辺の消毒強化などを確認したが、県議会では予防のために豚へのワクチン接種の実施を求める声も出ている。県内は豚の飼育頭数、歳出額とも全国6位。同課の担当者は「どの地域がリスクが高いとはいえない。野生イノシシの侵入防護柵と消毒の徹底、加えて人の立ち入りの制限が対策の肝になる」と話した。感染が出ると、当該施設の豚は全頭殺処分となる。このため養豚業者からは、より予防効果の高い豚へのワクチン接種を求める声が強まっているが、国は「豚肉の輸出入に影響する」などとして認めていない。

豚コレラ ワクチン接種発生県から 農水省隣接県は段階的拡大 (9.22 茨城)

 農林水産省は21日、豚コレラ対策で実施する豚へのワクチン接種について、岐阜や愛知など飼育豚への感染が確認された地域から段階的に拡大する方向で検討に入った。限られた量のワクチンを有効に活用するために、まず養豚場や畜産試験場で発生した県から始め、その後に発生県に隣接する県や、野生イノシシでの感染が確認された地域などに順次対象を広げる。ただ隣接県では接種が後回しになり、波及を食い止めるのに手遅れとなる懸念もある。
近く有識者会議で地域の選定を急ぎ、その地域の県知事の意見も踏まえて正式決定する。実際に接種が行われるまでの一連の手続きには通常なら数カ月かかるが、できるだけ早期に実施できるよう検討を急ぐ。感染確認地域の隣接県や野生イノシシでの発生県から早期の接種を求める声が上がっている一方、風評被害への懸念から大幅な対象拡大に慎重な意見があり、議論が紛糾する可能性がある。
農水省は製薬会社にワクチンの増産を要請する方針だが、備蓄は国内の飼育頭数約900万頭より大幅に少ない約100万頭分で、期限切れが近く廃棄予定だった50万頭分を活用しても全体はカバーできない。「このため養豚場や畜産試験場の飼育豚での感染が確認されている埼玉、福井、長野、岐阜、愛知、三重の6県をまず優先する。6県の飼育頭数は今年2月時点で計約70万頭と、現在の備蓄の範囲内で対応できる。ただ実施地域に選定されても最終的にワクチンを使用するかどうかの判断は都道府県知事に委ねる方向。

日米貿易協定来年1月発効 農産物7800億円開放    (9.28 茨城)

 米両首脳は25日(日本時間26日)会談し、貿易協定の最終合意を盛り込んだ共同声明に署名した。米通商代表部(USTR)によると日本は約72億ドル(約7800億円)分の米国産農産物の関税を撤廃・削減し、市場を開放する。米国産コメへの無関税枠は設けず死守した格好だが、米国に輸出する日本車と関連部品の関税は撤廃の対象から除外された。両国は発効に向け国内手続きに入る。来年1月1日にも発効する見通し。
日本は米国産の牛・豚肉、小麦、乳製品の一部、ワインについて環太平洋連携協定(TPP)と同水準の関税引き下げや撤廃を実施する。牛肉の関税は現在の38・5%から発効直後に26・6%になり、段階的に9%まで下がる。
茂木敏充外相は最終合意後に記者会見し、コメ分野について「米粉や調製品も含む全てを(関税削減から)完全に除外した」と成果を強調。自動車関連の関税については継続協議になるとし、輸入数量規制は閣僚間で導入しないことを確認したと説明した。ただ今後の協議で自動車や部品の関税撤廃が認められる公算は極めて小さい。
日本が求めていた自動車の追加関税回避については、共同声明で「信頼関係に基づき、協定を誠実に履行している間は声明の精神に反する行動を取らない」と記した。
安倍晋三首相は記者会見で米国が日本車に追加関税を課さないことを「トランプ米大統領に確認している」と強調した。ただ、米国は鉄鋼・アルミニウムに課している追加関税は維持する。サービス分野を含めた包括協定に向けた交渉に入るかどうかの協議を、4カ月以内に終える目標も盛り込んだ。トランプ氏が包括的な協定の締結を求める米議会に配慮したためだが、関係者によると交渉入りは実現しない見通しだ。
日本側は来月に始まる臨時国会で協定案を提出する。米農産物への関税引き下げの時期は先行して関税削減が進むTPPに合わせる。来年1月に発効した場合、TPP発効2年目の水準を適用する。
日米は楽器や眼鏡、自転車といった米国の消費者に人気がある地場製品の関税撤廃や削減で合意。デジタル貿易に関する新協定の締結でも最終合意した。

 

まちづくり・都市計画 

工業地上昇県南 20地点 基準地価 利便性や割安感    (9.20 朝日)

 県は19日、2019年の県内の基準地価を発表した。2017年に圏央道の県内全線が開通して利便性が上がった影響もあり、工業地の平均は4年連続で上昇。住宅地と商業地の平均は28年連続で下がったが、下落幅は8年連続で縮小した。
 全用途の平均価格は1平方㍍あたり3万7300円で、前年比O・3%減。用途別では、住宅地が3万2500円(同O・4%減)▽商業地が6万5300円(同0・2%減)▽工業地が2万400円(同1・3%増)だった。工業地で上昇したのは20地点(前年5地点)で、全て県南地域だった。上昇率トップは圏央道の五霞インターチェンジに近い五霞町江川で、同6・4%増。都心方面を含めた広域交通ネットワークの進展のほか、都心に近い埼玉県や千葉県に比べて割安感があるため、茨城の土地需要が高まっている。住宅地では51地点(同28地点)が上昇、商業地では10地点(同8地点)が上昇した。
 住宅地と商業地は、つくばエクスプレス(TX)つくば駅前のつくば市吾妻1丁目がいずれも最高価格だった。商業地では、これまで水戸市宮町1丁目の水戸駅前広場が2位だったが、今年からTX研究学園駅前広場(つくば市)が新たに調査地点に加わったため、3位に転落した。上位5位地点のうち、TX沿線は住宅地が全5地点、商業地は3地点だった。一方、用途別で下落幅が最も高かった地点は多くが県北地域だった。住宅地では、人口減少や高齢化が著しい常陸太田市大中町が同3・5%減。大子町袋田が同3・2%減と続いた。商業地では大子町池田、工業地では日立市十三町伊師が最も下がった。同市では日立製作所の再編などが影響し、需要が減っている。

環境と開発

空き家対策で国交省 自治体の体制整備支援    (9.26 日本農業)

 国土交通省は、増加し問題となっている空き家について解消に向けた対策を強化する。空き家の所有者や近隣住民向けの相談体制をつくる自治体を支援、空き家を取り壊すなど自主的に対策を行う所有者への支援も拡充する。
 空き家を減らすことで、住環境の向上や土地の有効活用につなげ、魅力ある地域づくりを後押しする。
 同省の試算によると、空き家は全国で846万戸(18年10月時点)あり、8戸に1戸が空き家となっている。このため、政府の経済政策の基本「骨太の方針」では空き家の流通活用を重点課題に位置付けている。

医療・福祉・社会保障・教育 

厚生年金 企業規模要件撤廃へ 政府パートの加入促進   (9.6 茨城)

 政府は中小企業でパートやアルバイトなど非正規として働く人の厚生年金加入を促進するため、従業員501人以上という企業規模の要件を撤廃する方向で検討に入った。非正規の人は国民年金(基礎年金)だけに加入する場合が多く、受け取る年金を手厚くするとともに、制度の支え手を広げて年金財政を維持するのが狙いだ。中小企業への影響を考慮し、段階的に要件を引き下げて廃止する考え。複数の関係者が5日、明らかにした。
企業規模要件を廃止すれば新たに125万人が厚生年金の対象となる。要件を50人以上とした場合は60万人程度が加入できると試算していることも判明した。非正規雇用は働く人の約4割を占め、低年金対策が急務だ。政府は月内に新設する「全世代型社会保障改革検討会議」(仮称)や、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の部会で議論し、来年の通常国会への関連法改正案提出を目指す。厚生年金の保険料は労使折半のため負担増となる企業側の反発は必至だ。企業の支援策とセットで行うことも検討するが、調整は難航が予想される。
企業でフルタイムとして働く人は規模にかかわらず、厚生年金の加入対象。パートなどの短時間労働者は現在、従業員501人以上の企業で週20時間以上働き、賃金が月8万8千円以上などが要件となっている。労働時間と賃金の要件は維持するとみられる。公的年金は厚生年金に入っていないと、国民年金のみを受け取ることになる。
現在、国民年金は保険料を40年間納めても満額月約6万5千円にとどまり、蓄えの少ない人は老後生活が苦しくなる恐れがある。厚生年金に加入すれば、その分を上積みできる。一方、厚生年金の加入者が増えれば、制度の支え手が多くなることになり年金財政にもプラスだ。

茨城の自治体 待機児童解消 知恵絞る    (9.6 日本経済)

 希望しても保育施設に入れない待機児童数が北関東3県で最も多い茨城県で、その解消に向けて自治体が知恵を絞っている。受け皿の拡大では、待機児童の9割近く占める0~2歳児を原則対象とする小規模保育所(ミニ保育所)やリース形式の施設で機動的に対応。保育士不足に対し独自で処遇改善に取り組む動きも増えている。一方高まり続ける潜在需要を前に手詰まり感も出ているようだ。4月1日時点の待機児童数は345人。14年(227人)以来5年ぶりの低水準となった。県内での最多市町村はつくば市(131人)
〔県内市町村での取組み〕
 水戸市 待機児童の9割を占める0~2歳向けのミニ保育所の整備を進める。少人数定員で保育の質も担保
 東海村 2020年度からリース方式の保育所を設置、
     整備にかかる期間を短縮し、費用も抑制
 つくば市 2016年度から市内に転入した保育士に家賃補助、月上限2万円を支給し離職防止を図る。

厚労省 県内4病院「再編必要」医療費抑制へ実積で判断   (9.27 茨城)

 厚生労働省は26日、全国1455の公立病院や日赤などの公的病院のうち、診療実績が乏しく再編・統合の議論が必要と判断した424の病院名を初めて公表した。これまでも検討を促してきたが進んでおらず、異例の対応に踏み切った。
高齢化により膨張する医療費を抑制するのが狙い。
来月にも、本格的に議論し来年9月までに結論を出すよう都道府県を通じて対象病院に要請する。強制力はないが、身近な病院がなくなるとの不安から地元自治体の首長や住民の反発が予想される。厚労省はこの日の会合で病院名を明らかにした。全体の29・1%に当たり、ベッド数が比較的少ない病院が多かった。県内は28病院のうち、既に民間移譲や再編統合された2病院と、笠間市立病院(笠間市)▽水府病院(水戸市)▽村立東海病院(東海村)▽霞ケ浦医療センター(土浦市)の4病院が名指しされた。結果について、県医療政策課は「古いデータに基づく分析で、国の指定の仕方にはあいまいな点も多い。(再編・統合の)議論を今後しなかった場合の将来像も示されず、非常に困惑している」と疑問を呈した。対象4病院も実際には産婦人科を開設して分娩を扱ったり、不足するリハビり用の「回復期」に注力したりして地域医療を支えており、同課の担当者は「地域の事情や意向が反映されていない」とため息をついた.都道府県別では、新潟(52・7%)、北海道(48・6%)、宮城(47・5%)、山口(46・7%)、岡山(42・3%)の順で割合が高かった。対象の数は北海道の54が最多。沖縄は唯一ゼロだった。
厚労省は2017年度のデータを基に、公立や公的病院のうち、重症患者向けの「高度急性期」、一般的な手術をする「急性期」対応できる1455病院を調査。がんや救急医療といった9項目の診療実績と、競合する病院が「車で20分以内」の場所にあるかを分析し、病院名を公表した。対象となる病院には、廃止や一部の診療科を他の病院に移すことなどを検討してもらう。医療費は団塊世代全員が75歳以上となる25年に急増する。このため厚労省は全国で124万6千床(18年)ある病院のベッド数を119万1千床まで減らす方針だ。
現在は、看護師を手厚く配置し医療費がかかる「高度急性期」や「急性期」のベッド数が多い一方、高齢者にニ―ズの高いリハビリ向けは不足している。高齢化に対応するため、ベッド数を単に減らすだけでなく、リハビリ向けを増やす必要がある。

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