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第164号

第164号

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第164号

2022・08・27更新

ひまわりフェスタ
ひまわり






ひまわりフェスティバル 静公園=那珂市

 「なかひまわりフェスティバル」は、那珂市の代表的なまつりで静峰ふるさと公園で開催。イベントの見どころは、ひまわり畑。約4haの畑には25万本のひまわりが咲き、見晴台から見た一面の花々の風景に驚かされる。8月27日(土) am11:00~








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気候変動・パンデミック・ウクライナ戦争の3大危機と地方自治

ー 宮本憲一氏の講演から学ぶ ー

  
 第64回自治体学校in 松本での宮本憲一氏の記念講演は、現在のグローバル危機を打開するのは地方自治体の英知に満ちた実践によるしかないと強調し、確信と多くの示唆をあたえている。さわりだけ紹介してみる。
 気候変動・パンデミック・ウクライナ戦争の3大危機共通の原因は、経済と文明のグローバリゼイションに対して、それを制御する国際的政治組織がないためである。資本主義は新自由主義で自由な市場機構を主体にしている。これを制御するためのWTO(世界貿易機構)があるが、十分に機能していない。環境ではWEO(世界環境機構)を作る要求はあるができていない。UNEP(国連環境計画))が代わりにSDGsを提唱しているが、WEOのような司法的権限はなく、計画と情報宣伝機関である。WHOはあるが、これも調査と連絡機関で、行政・司法機能はない。
 三大危機を進めた原因は資本主義の新自由主義である。このことは資本主義の総本山の国際的経済団体組織であるダボス会議も、地球環境の危機とバンデミックの対策の提言で危機は新自由主義の結果であり、これを是正するには公共部門を拡大し、貧富の格差是正や気候危機対策を進め、株式会社を株主の利益中心からステイクホルダー(企業を支える従業員や消費者など)の利益を追求する公益資本主義へ改革しなければならないと提言した。仮に欧米でこの公益資本主義への改革がすすめられれば、当分は新自由主義を是正するが、株式会社の本質は株主の利益にあるので、三大危機を解決はできない。
 この三大危機の対策のために、最も大きな役割を果たし今後も果たすのは、地方自治体である。
 バンデミックの第一線で苦闘したのは自治体である。新自由主義の民営化政策のために、大幅に権限を縮小されていた保健所の衛生行政や地域医療のセンターになった公立病院あるいは公営・ 組合立病院の奮闘によつてパンデミックは抑えられつつある。この教訓は、政府の政策に生かされていない。依然として収益主義による公立・公営(赤十字、厚生連など)病院の統合・廃止が進められている。しかしこの時期に医療・衛生・福祉・教育などの分野がエッセンシャル部門とされたことは今後の経済政策の理念をあらわしている。
 ウクライナ戦争によって、ロシアの石油や天然ガスの輸出が止まったために、エネルギー危機が起こり、再び石炭・天然ガスの稼働が求められ、C02の制御は困難になつている。フクシマの事故で、差し止められている原発がC02対策として浮上してきた。このように三大危機、特にウクライナ戦争の動向は今後の世界を左右する問題である。平和が維持できなければ、地球環境は維持できないことを前提にしたい。
 以上 、講演の一端を示したが、現在の難問に挑戦し解決の方途を指摘する全容を是非学んでいただきたい。
                   

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今月の俳句

名ばかりの世帯主の座蝉の殻
   虹消えて見慣れし過疎の景戻る  
手のひらに雨滴重たき濃紫陽花(とあじさい)
    無造作に廃車積まるる大西日
廃屋に残る表札合歓の花


高 島 つよし

本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 元小貝保育園長、当研究所顧問



 寄 稿 

「第64回自治体学校in松本」に参加して

   
千葉 達夫(日本共産党日立市議会議員)

 2022年7月23、24、25日第64回自治体学校in松本に参加しましたので感想を報告します。
 自治体学校の開催地である松本市は、私が信州大学の学生として暮らし、学んだ思い出深い場所です。何より、大学学費の値上げストップや2003年のイラク戦争反対デモなど学生の思いや願い実現の活動に初めて触れ、飛び込み、現在の市議会議員としての活動の初心を培った場所です。会場のキッセイ文化ホールは「松本文化会館」の名で大学入学式と卒業式が行われ、大学サークルや民青同盟の新入生歓迎の宣伝を行った会場です。私自身、実家から引っ越し一人暮らしを始めた地で、不安と期待が入り混じるなか、「学び成長したい」と願い松本市に辿り着きました。それから約20年、再び辿り着いた瞬間に、当時の気持ちがありありと思い浮かびました。講義の後は市内を歩き、「この場所はイラク戦争反対デモの終着地点だったな」、「大学でサークルのチラシが散乱して困るから、掲示板の増設を大学と交渉して実現したな」など思い出しました。思いや願い実現の活動に魅力を感じ気持ちが高ぶった当時の思い出がよみがえりました。

松本城

 そのような松本の地で自治体学校の初日、中山徹奈良女子大学教授の「参院選の結果とこれからの課題」の講演を聞き、国政だけでなく地方政治でも野党共闘で闘えるという展望を作っていくことが大切だと実感しました。また、「自治体の政策と国の政策は切っても切り離せない」と講義で話がありました。日立市議会で予算の討論を行うと、他の議員からは「国政は関係ないから討論でそんな話はするな」と閉会後に議会事務局経由で苦言を受けることがあります。ですがやはり、国の政治と自治体の政治は切っても切れない関係であり、関係が明瞭になるような討論を引き続き心がけたいと思います。
 2日目の分科会は「公務労働とデジタル化」をテーマに黒田兼一明治大学名誉教授の講義やディスカッションを行いました。デジタル化の名のもとに自治体破壊に結びつく大きな問題が潜んでいることが分かりました。「将来、保育園の常任保育士を無くすことを検討している」と国が考えていると講師から話があり、行政はこれ以上、保育の質を下げてはならない、「安心できる保育を」という保護者の願いを守るのが自治体の役目であると改めて問いたいと思います。デジタル化の悪影響が自分の自治体で及ぼさないよう、一般質問などで歯止めをかけていこうと思います。例えば「マイナンバーカードの有無で市民が受けられる事業に差があってはならないが、現状、差があるのかどうか」、「自衛隊への18歳市民の情報提供は、個人情報保護の審議事項に入っているのか」など実態や問題点を明らかにしていこうと思います。
 3日目は「地球環境の危機と地方自治」をテーマに宮本憲一大阪市立大学名誉教授が講演し、「気候危機打開の能力が自治体にある」とはっきりと明言していて励まされました。日立市もゼロカーボンに向けてCO2削減率や再エネ普及率の目標値は持っているので、実績や今後の取り組みを質疑で明らかにしていきたいと思います。
 3日間を通して、全国の自治体で共通の課題解決に向けて力を合わせれば、困難な問題であっても解決へ向かうことが出来るという確信を得ました。自分たちは決して一人ではありません。
 議会では少数会派で苦労している方が多いと思いますが、多くの市民の方たちと一緒に力を合わせて取り組むこと、そして全国で力を合わせることが大切だと思いました。
 市民の思いや願いの実現へ、多くの人たちと力を合わせて皆で取り組みを進める、この考え方は学生時代に培った活動と共通しています。自治体学校で学んだことを力に、引き続き、議会活動や住民要求の実現、福祉の充実へ取り組んでいきたいと思います。

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 資 料 

令和4年茨城地方最低賃金審議会の改訂決定に対する異議申出書

2022年8月22日

茨城労働局長 下角 圭司 殿

茨城県東茨城郡茨城町谷田部295

茨城県労働組合総連合

議 長  白石 勝巳

令和4年茨城地方最低賃金審議会の改訂決定に対する異議申出書

 県内労働者の労働条件の向上と県民生活の健全な発展に向け、ご尽力頂いている茨城労働局の皆さまに心から敬意を表します。
 さて、8月5日に茨城地方最低賃金審議会は、今年度の茨城県最低賃金の改定について、現行の879円から32円引き上げて911円にすることを答申しました。32円の引き上げはこれまでにない引き上げ額であり、審議会の皆さんのご奮闘に敬意を表します。
しかし、911円という最低賃金額は、茨城労連と多くの県内労働者が求めている「茨城の最低賃金を今すぐ1000円以上、1500円をめざすべき」という要求に合致するものではなく、ウクライナ侵攻後の物価高にも対応することができません。
 中央審議会の目安がA・Bランク31円、C・Dランク30円であったため、大都市圏との地方の地域間格差は全く変わっていません。茨城県の目安+1円の引き上げについて、大井川和彦知事が「近隣の県との格差是正には至らず、十分な引き上げ額とは言えない」とコメントを出していますが、私たちも同じ考えを持たざるをえません。目安の制度を変えるとともに最低賃金の全国一律制を実現し、地域間格差の是正を実現すべきです。
 以上の点から、茨城県労働組合総連合として、今回の答申に対して下記のとおり異議を申しあげます。

1.茨城県の最低賃金額を32円引き上げ、911円とした答申には不服です。再審議を求めます。
2.最低賃金の地域間格差の解消、全国一律最低賃金制を実現し、茨城県の最低賃金額を生計費原則にふさわしい額(今すぐ1000円以上、1500円をめざす)に引き上げてください。

 最低賃金引き上げにあたって、中小零細企業の支援策の具体化は急務の課題です。政府・厚生労働省・関係各機関に対して、中小企業・小規模事業者に対する税や社会保険料の事業主負担の軽減、配偶者控除の改善など具体的支援策をさらに強化・充実させることを求める意見を送付してください。
 最低賃金額を実質的に審議する専門部会は、公開の場で審議してください。また、本審が全て公開されていない現状は早急に改めてください。

【異議を申し立てる理由】

(1)911円では、1日8時間働いても「健康で文化的な最低限度の生活」ができない。

 茨城労連は、2020年2月から5月に県内の労働者対象に最低生計費試算調査を実施しました。調査では、合計1358名の調査結果を回収し、20代30代一人暮らしの調査結果190名分を集約しました。20代30代一人暮らしのデータを元に、水戸市在住の25歳の青年の最低生計費を試算しました。
 調査結果から、水戸市内で若者がふつうに一人暮らしをするためには、男性=月額252,987円、女性=月額251,124円(ともに税・社会保険料込み)が必要であることが明らかになりました。これは年額に換算すると約300万円(軽自動車所有ケース)となります。ちなみに、東京都(北区)の調査結果では、男性=月額249,642円、女性=月額246,362円(ともに税・社会保険料込み)で、水戸市の方が高くなっています。
 試算の月額を、賃金収入で得ようとすると、時給換算で男性=1,456円、女性=1,445円(中央最低賃金審議会で用いる労働時間=月173.8時間で除した場合)になりますが、ワーク・ライフ・バランスに配慮した労働時間で換算(月150労働時間)してみると、男性で1,687円、女性で1,674円となります。
 最低生計費試算調査は20数県で実施されていますが、都市部も地方もほぼ同じ結果になっています。つまり、最低賃金は、全国一律で1,500円に引き上げなければならないという結論になり、答申の911円ではウクライナ侵攻後の現在の物価高に対処することはできません。
 日本の最低賃金の問題は、最低賃金の基準が非常に低いということと都道府県によって最低賃金額が異なり、全国一律制でないということです。2021年12月に茨城労連が行った県内全市町村対象の「公契約アンケート」では、県内の市町村役場で働く会計年度任用職員(非正規職員)は全職員の41.8%を占め、最も低い時給の平均が916円でした。しかし、24市町村の時給が800円台で、市町村で働く多くの会計年度任用職員は最低賃金ぎりぎりで働いています。
 また、会計年度任用職員の80.9%を女性が占めています。非正規労働者の多数を女性が占めるという現状の中で、貯金もできず将来に展望が持てなくなった女性の自殺が近年大きな社会問題になっています。男女間の賃金格差是正が政治問題になっていますが、最低賃金額の低さが男女間の賃金格差を作り出していて、ジェンダー平等の観点からも最低賃金の大幅引き上げが喫緊の課題になっています。コロナ禍に加えウクライナ侵攻や気候変動などで大変な状況になっていますが、社会の健全な運用と立て直しのためには「今すぐ1000円以上、1500円をめざす」最低賃金の引き上げがまったなしです。

(2)中小企業支援策の拡充で、最低賃金の引き上げに対応できる条件整備を

 最低賃金の引き上げに異議を唱え、中小企業の経営を守るべきだという意見があります。しかし、茨城労連が行った市町村議会の請願では、請願に賛成した市議さんからは「私は中小企業の経営を行ってきたが、社会保険料の事業主負担が大変で給料が上げられなかった。しかし、給料を上げないと優秀な社員が雇えない。中小企業支援を充実させて最低賃金を上げることには賛成」等の意見があがっています。
 大井川和彦知事は、7月15日に県内経済4団体に「攻めの賃上げによって優秀な人材を確保し、成長の起爆剤にするという考え方への理解と協力をお願いしたい」と最低賃金引き上げ理解を要請しました。
 最低賃金を上げて社員の給料をあげることは、中小企業にとっては雇用を確保し労働者の生活を保障させ、経営を安定させる上では欠かせないことです。また、最低賃金が上がらず給料が上がらなければ、個人消費が伸びず、地域経済に大きな悪影響を及ぼします。
 最低賃金の引き上げとセットに、中小企業・小規模事業者向けに税金や社会保険料負担の軽減等最低賃金引き上げを可能にする支援の強化、中小企業への一方的な低単価設定や、「買いたたき」など不公平な取引を許さない政府の施策強化が求められます。また、配偶者控除や社会保険料の基準の見直しを行わないと最低賃金が上がると労働時間を切り下げることになり、基準の見直しを早急に進める必要があります。
 最低賃金の議論を経営者の支払い能力だけの問題にするのではなく、健全な中小企業の経営及び地域経済の活性化の問題として位置づけ、茨城地方最低賃金審議会の総意として、国及び関係各機関に対して、具体的な中小企業支援策の創設と拡充を強く求めてください。

(3)答申は公開の場で再審議を

 最低賃金額を実質的に審議する専門部会を非公開にする理由がわかりません。また、本審が一部非公開になっていることに疑問を持っています。コロナ禍や物価高の中で、最低賃金については社会的に関心がますます高まっています。
 全労働者の4割を超える非正規労働者にとって、賃上げは最低賃金の引き上げに頼るしかありません。非正規労働者の現状を考えれば、最低賃金審議会の専門部会と本審の全てを公開することは当然のことではないでしょうか。茨城地方最低賃金審議会の全ての審議過程を公開することを強く求めます。

※ この原稿は、第4回審議会の本審で意見陳述をする原稿です。


イラスト1


事務局たより

第48回茨城県自治体問題研究所総会開催

 7月17日(日)茨城自治労連会館において、研究所の第48回総会が開催されました。
 総会に先立ち、産業技術総合研究所 歌川 学さんが講師で「茨城県の脱炭素と自治体の役割」と題して、記念講演を行いました。
講演では、地球温暖化の進展で環境に悪影響をもたらしている。2030年目標でCO2排出半減などの対策をとれば、悪影響を小さく抑えることができる。脱炭素社会への転換は、まちづくりでもあり、住民、地域主体が議論して、まちの将来を決めていくことが重要で、自治体は、住民参加の意思決定のもとに、地域総合政策・計画として脱炭素を進めていくことが重要であると結んだ。
 参加者からは、太陽光パネル等の余剰電気を水素電池に転換すると良いと聞いているが、手がけている電力会社はあるのか。卸電力市場で、価格操作はされていないのかなどの質問があった。

 総会は、田中理事長が挨拶に立ち、2月24日のロシアのウクライナ侵略が始まって5か月が経過し、国連憲章に明確に違反する暴挙を一刻も早く辞めさせ、ウクライナに平和をもたらすことが、世界中の平和愛好者の願いだ。ウクライナ侵略の危機に乗じて、日本国内においても危険な動きが出ていることに注目する必要がある。 
 戦争する国づくり、軍事大国化、憲法改悪の動きである。憲法9条では、日本の平和を守れないのではと防衛費(軍事費)を5年以内に倍増するということが叫ばれている。敵基地攻撃能力も保有しなければならない。あるいはアメリカといっしょに核兵器を共有することが必要ではというような非常に危険な戦争する国づくりが、ウクライナ侵略に乗じて、加速されているとこのことを見逃すことはできない。
 今年7月の参議院選挙は、自公政権が過半数を占め、改憲勢力が自民、公明、維新、国民民主を含めて、3分の2以上の議席を獲得するという結果に終わった。このような状況で、平和・憲法・地方自治を守っていく、私たち研究所の役割を改めて思う。
 自治体の動きとしては、デジタル改革が進められ、行政事務の標準化・平準化をめざすとしているが、そのなかで個人情報の保護がきちんと守られるのか懸念される。個人情報が大企業の利益に使われてしまうのではないかという危険性もある。そういうことに十分注意をしながら、市民生活の役に立つのかということも問うて行かなければならない。
 スーパーシティ構想で、本県のつくば市も大阪市と並んで指定をされたが、本当に市民の福祉の向上になるのかときちんと見守っていく必要がある。
 大井川県政も2期目に入って、12月には県議会議員選挙もあるし、来年4月にはいっせい統一地方選挙もある。こうした政治的な動きとも関連させながら、研究所の役割を果たしていきたい。
 昨年は、会員と住民と自治読者の拡大に力を注いで、一定の貴重な成果が上げることができた。また、茨城自治研合同セミナーを始めとして、いろいろな事業に取り組んだ。特に、東海第二原発災害時の調査研究会なども立ち上げて、今も継続して、調査研究も行っている。
 今日、歌川先生に気候危機の問題で有意義な講演をいただき、地域のまちづくり、自治体の戦略とも関わって、これは非常に重要な取り組みになると再認識させられた。そうしたことを踏まえながら、本年度も学習交流、調査・研究、組織強化の点で、皆様方のご支援ご協力をいただきながら、積極的に取り組んでまいりたい。よろしくお願い申し上げます。

 来賓挨拶では、茨城自治労連の濱野執行委員長が挨拶に立ち、自治体問題研究所は、茨城自治労連のシンクタンクとして30年以上にわたって、ご尽力をいただいている。自治体問題研究所の活動があってこそ、茨城自治労連の活動が生きてくると感じている。自治労連は、10月1日-2日に地方自治研究集会を開催する予定になっているが、第1分科会「地域経済の再生」で、川又書記長が運営委員になっているので、是非参加いただきたい。これからもよろしくお願いします。
 2021年度 経過・決算・監査報告では、叶谷事務局長、岡村事務局次長、岩瀬監査委員から報告され、承認されました。
 発言では、日立市の長山さんから、東海第二原発再稼働、産業廃棄物最終処分場(日立市)反対運動の取り組み、保健所の統廃合の3点について報告がありました。北茨城市の穂積さんからは、大津漁港職員の解雇撤回闘争、本会議傍聴を巡る市議会の対応について、報告がありました。ひたちなか市の佐藤さんからは、東海第二原発の災害時における避難計画調査検討委員会の状況について、報告がありました。

 2022年度 活動方針・予算では、叶谷事務局長、岡村事務局次長から提案され、全員で承認されました。

【2022年度役員】

理事長 田中重博
副理事長 廣江良之・飯田三年・榊原徹
理  事 池羽路一・石橋英司・佐川泰弘・佐藤英一・白石勝巳・高畑孝・長山重道・濱野真・穂積建三・本田精一・山本千秋・渡邊久人・海﨑章・川又範英・酒井進・歌川学
監  事  岩瀬亮・加藤木正
事務局長 叶谷正・同 次長 岡村瑞比古
顧  問  浅野長増・木戸田四郎・高島剛・田村武夫・本田忠弘・宇佐神忠捷・恵田三郎・山浦五十一・宮田哲雄・川並英二

記録者 叶谷 正(事務局長)

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今月の 川柳

教会の鐘がなります盆改造 
   最賃のお義理に一円のせてやり
霊感にかかって先生壺に入り 
   汚染水漁師の心まで汚染 
靖国へ敵を叩くと誓い立て 
   ゴーヤ成りふと沖縄を想い出し 
ウクライナ輸出再開飢餓希望 
   フル稼働クーラー怒って熱を出し 
抑止力核の恐怖に寝つかれず
   七七年まだ消えやらぬキノコ雲 

 
 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)

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新刊紹介

コロナ対応にみる法と民主主義

コロナ禍とデジタル化のもと見つめ直すべきは民主主義と地方自治のあり方である

市橋克哉・榊原秀訓・塚田哲之・植松健―著  定価1,870円

                                
概要:
 コロナ禍とデジタル化のもと、パンデミックに便乗して、立憲主義・法治主義を掘り崩す政策が頻発した。国家は人びとの「命と暮らし」を一番に考えていたのか。地方自治体、地方議会は、その役割を十分に果たすことができているのか。さまざまな事実を法と民主主義の観点から詳細に分析して地方自治と民主主義の可能性を追究する。

準新刊

社会保障のあゆみと協同
  
社会保障の枠組、歴史、さらに協同との関係性を紹介

芝田 英昭著 (立教大学コミュニティ福祉学部教授) 

A 5 判・並製カバー・160 頁/定価1870 円(10% 税込)

本著の概要:
 社会保障は、私たちが生きていく上で必ず抱える生活問題を緩和・解決するための公的な制度・政策や協同の取り組みです。その目的は、全ての人の「健康で文化的な生活を保障」するもので、 
健康権・文化権・生活権等の基本的人権を保障する制度だといえます。しかし、基本的人権は、戦争ではしばしば侵害されます。
 平和であることが社会保障の発展にもつながり、また社会保障の発展が平和に貢献できるともいえます。本書では、社会保障の基本的枠組、歴史、さらに生命の尊厳、協同の力・運動・実践と社会保障発展との関係性を学びたいと思います。 (本書「プロローグ」より)

危険!建設残土 - 土砂条例と法規制を求めて
  
熱海土石流事故は、あなたの身近でも起りうる!

畑 明郎著 (滋賀環境問題研究所所長、日本環境学会元会長、元大阪市立大学教授) 

定価1650 円(本体1500 円+税10%)

本著の概要:
 2021 年7 月、熱海土石流事故は建設残土問題をクローズアップした。同じように全国には、持ち込まれ、積み上げられる危険な建設残土が多数存在する。熱海市をはじめ、京都、滋賀、大阪、奈良、愛知、三重の現状を精査して、その危険性を報告する。
 そして、大量の残土を生み出す、北海道・北陸新幹線の延伸工事、リニア中央新幹線工事の問題点を明らかにする。
 こうした現実に対して、土砂条例と実効性のある法規制の必要性を説く。

どう考える 公共施設の統廃合・再編、民間化
  
―公共施設等総合管理計画と指定管理者制度―

角田英昭 編著 

A5版・32頁  地域研割引単価300円(定価400円)

 現在、公共施設の統廃合・再編が急ピッチで進められています。
 その基軸となるのが公共施設等総合管理計画です。この計画は、これまでのような自治体による個別、施設ごとの統廃合・再編に止まらず、中長期的な視野に立って全面的に見直し、施設の総量削減、経費抑制を国主導で推進していくものです。
 また、公共施設の管理・運営については、国は指定管理者制度を先行して実施し、管理運営委託、民間化を全面的に推進しています。総務省資料によれば既に7万7千超の施設に導入されていますが、実際の運用では、指定取り消し等が過去最高を更新するなど様々な問題、課題が指摘され、その見直しは急務になっています。
 改めて公共施設とは何か、どうあるべきなのか、それが根本から問われています。 「公の施設」とは、住民のライフサイクル全体を通して福祉の増進を図り、地域の社会経済活動の基盤をつくり、まさに自治体の仕事の根幹をなすものです。
 こうした状況を踏まえ、今回、自治体問題研究所では公共施設のあり方、統廃合・再編、民間化を考えるブックレットを作成しました。今年3月に公表された2021年「公の施設の指定管理者制度導入状況等調査」の概要も掲載しました。是非お読み頂き、地域、職場での学習と政策づくり、運動に役立てていただければ幸いです。

新刊書


戦後最大の国民生活の危機!コロナがあばいた日本の弱点!

伊藤周平著『コロナ禍からみる日本の社会保障』  

定価 2200円

 オミクロン株が猛威を奮い、まさに第6波の真っ只中である。コロナ禍の収束は見通せず、日本の社会保障の制度的脆弱さは深刻化を増している。医療・保健(公衆衛生)、介護、保育・学童保育、雇用保障、生活保護・住宅政策等の実際を論じ、社会保障の法政策と税制改革を中心に財政政策の方向性を提示する。

デジタル化でどうなる個人情報
デジタル改革と個人情報保護のゆくえ

ー「2000個の条例リセット論」を問う ―

庄村勇人(名城大学法学部教授)・ 中村重美(世田谷地区労働組合協議会議長)著

定価990円(10% 税込)

 デジタル改革関連法の成立により、住民の個人情報は“利活用"する方向が示され、個人情報保護条例は国の法律に合わせて「改正」を強いられ、その監督権限も国に一元化される方向へと動きだした。本書では、地方自治の視点から、デジタル改革関連法における個人情報保護法制の内容を検証するとともに、住民の権利と団体自治を守るための自治体の課題や条例の論点を具体的に考える。


福島原発災害10年を経て  
ー 生活・生業の再建、地域社会・地域経済の再生に向けて ー

鈴木 浩著
A5/258頁 定価(価格3200円+税)

東日本大震災・福島第一原子力発電所事故による原発災害から10年が経った。被災者の生活再建と、被災地の地域社会の再生はどこまで進んだのか。災害発生直後から福島県と浪江町、双葉町の復興ビジョンや復興計画の策定、そして仮設住宅の供給についての計画づくりに関わり、「ふくしま復興支援フォーラム」を立ち上げた著者が、被災者、被災地そして自治体のいままでの取組みとこれからの方策を語る。10年は決して区切りではない。再建、再生の実際を問う。

再生可能エネルギーと環境問題

傘木 宏夫著
A5/162頁 定価(価格1600円+税)

 「脱炭素」「脱原発依存」といった社会的要請を背景に、再生可能エネルギーの普及に対する期待が高まり、同エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取るFIT(固定価格買取制度)制定後、各地で開発が進んでいる。しかし、開発による山間地の森林伐採、景観破壊など様々な問題が地域社会で噴出。本書では、開発が自然環境との調和を図りつつ、地域社会の利益に繋がるように進めるには、地域の側に主体的な力が育つ必要があることを説く。

子どものための児童相談所
ー 児童虐待と子どもへの政治の無関心を超えてー

浅井 春夫編著
A5/176頁 定価(価格1700円+税)

 2020年、20万5029件(速報値)の「子ども虐待相談」が全国の児童相談所に持ち込まれた。全国の児童相談所は225か所、対応する児童福祉司は4553人。この現実のなかで、子どもに寄り添い、家族に寄り添う児童相談所のいまを伝え、改革の方向を模索する。

子どものための保育制度改革

中山 徹著
A5/108頁 定価(本体価格1200円+税)

                 
 2013年から待機児童解消が政策的に進められ、2015年には子ども・子育て支援新制度が始まり、2019年から教育・保育無償化もスタートした。2010年代の10年間は、保育制度、保育施策それと連動して保育所などが大きく変化した。そして、今、保育所、幼稚園、認定子ども園は岐路に立っている。質を犠牲にした量の拡大、行政責任の後退等、だれのための制度改革だったのか。2025年、保育所利用者は減少に転じる、ここで「子どものため」の保育を真剣に考えなくてはいけない。保育環境の改善に舵を切り本当の少子化対策の必要性を説く

〈コロナ〉と並走する新シリーズ全5巻
コロナがあばく社会保障と生活の実態  
コロナと自治体3

伊藤周平編著(鹿児島大学教授)
瀬戸大作(反貧困ネットワーク事務局長) 楠本美紀(兵庫県明石市議会議員) 著

A5判・並製カバー・124 頁/定価1430 円(10% 税込)

 ココロナで明らかになった社会保障の脆弱さを、医療・介護、雇用政策の観点から検証し、是正策を提示。また、生活困窮と貧困の状況を具体的に示して、支援に奮闘する民間団体の活動を跡づけ公的支援の必要性を訴える。市民生活に即した支援策を展開する兵庫県明石市の取組みも伝える。

【シリーズ既刊】1新型コロナウイルス感染症と自治体の攻防 定価1650 円
5「学び」をとめない自治体の教育行政 定価1430 円
【シリーズ続刊】2感染症に備える医療・公衆衛生 / 4コロナと地域経済 体 
<目次>
第Ⅰ部●コロナがあばいたもの
1  コロナ禍があばく社会保障の脆弱さと政策課題
コロナ禍で明らかになった医療政策の問題点と課題/コロナ禍で明らかになった介護政策の問題点と課題/コロナ禍で明らかになった雇用政策の問題点と課題
第Ⅱ部●コロナに対応するネットワークと自治体
1  「死のうと思ったが死ねなかった。最後だと思いメールした」 
コロナ災害ではなく政治の責任による人災/新型コロナ災害緊急アクション/追い詰められている生活困窮者自立支援の現場/コロナ禍が浮き彫りにした移民外国人の「平等性」からの排除と差別
2  兵庫県明石市の市民生活に即したコロナ対応
保健所がどのような役割を果たしたのか/コロナ対策としての市独自の17 の施策/新型コロナウイルス感染症の患者に対する支援及び差別禁止に関する条例の制定

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