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第154号

第154号

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第154号

2021・10・25更新

衆院選挙 (2)

10月19日衆議院選挙公示
 衆議院選挙、小選挙区289、比例代表176のあわせて465議席を争う。今回、5つの野党が、210を超える選挙区で候補者を一本化して対決姿勢を鮮明。新発足した岸田政権への信任、自公による連立政権の継続の認否が大きな争点となる。


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正規公務員 遠い処遇改善
 年収200万円未満が半数超 8割弱が女性 

 9月20日付け日本経済新聞の記事だ。ジェンダー格差の元凶ここにありとおもえる。
 行政サービスに当たる地方公務員。窓口など最前線で対応する職員の多くは非正規で、4分の3を女性が占める。2020年4月に非正規公務員の処遇改善を目的に「会計年度任用職員」制度が導入された。約1年半たった今、彼女らの労働環境は変わっているのだろうか。地公法の改正を受け20年4月から臨時・非常勤職員の多くは会計年度任用職員に移行した。非正規公務員とは、パートタイムや有期契約の職員を示す。従来、特別職非常勤職員、臨時的任用職員、一般職非常勤職員の3つに分けられ自治体によって運用がバラバラだった。このため非正規の法的地位を明確にし、ボーナスや退職金の支給など処遇改善を目的に導入されたのが会計年度任用制度だ。全国に約69万人いる非正規公務員の9割にあたる約92万人が20年4月から会計年度任用職員に一本化された。そのうち女性が8割弱を占める。
 だが、導入から1年半が過ぎた今も処遇改善にはほど遠いのが実態だ。民間団体「公務非正規女性全国ネットワーク(仮称「はむねっと」)が行った調査によると全体の77%は年収が250万円に満たなかった。総務省の調査では4分の1の自治体が「制度改正前より給料水準が下がった職種がある」と回答した。
 背景のひとつとして、各自治体の行政改革の中心が人件費削減となり世論を気にする首長が総人件費の増加を嫌がる傾向があることと見られる。自治体が「財政の健全化」と「行政サービスの多様化」という二律背反する役回りを迫られる中、そのしわ寄せは新制度移行後も、非正規の大半を占める女性に向かう。はむねっとの調査では94%が「将来に不安がある」と回答した。孤立する非正規の女性たち、その声に労働組合は耳を傾けてきたのだろうか。

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今月の俳句

人棲まぬ家に雁来紅暮れ残る
   回想の昭和は永し菊花展  
暮れ早し一瞬炎えて曼珠沙華
   ふるさとは小道が多し鰯雲
秋暑し首だけ動く亀一つ

  

  

高 島 つよし

本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 小貝保育園長、当研究所顧問


報 告

地域住民が安心・安全に暮らせるために
第1回茨城自治研合同セミナー

叶谷  正 (茨城県自治体問題研究所 事務局長)
                     

9月24日(金)、茨城自治労連会館において、第1回茨城自治研合同セミナーが、オンラインで開催されました。
セミナーは、「地域住民が安心・安全に暮らせるために」をテーマに、2015年9月と2019年10月の二度の水害に見舞われた県立鬼怒商高の報告と防災まちづくり研究家 中村八郎氏による、「自然災害の教訓と課題から学ぶ これからの自治体防災計画」と題して講演があり、茨城自治労連、自治体問題研究所から29名(茨自治労連 12組織 21名 茨自治体問題研究所 8名)の参加がありました。
 鬼怒商高の報告では、参加者から
「ペットの避難所についての提案がされ、すばらしいと感じた。」、「今回の鬼怒商高生の実体験をもとにした報告は、とても興味深い内容でした。」、「常総市でも平成27年関東・東北豪雨では、ペットの避難が課題となった。当時はペットの避難は想定されておらず、避難所では、担当職員がどうしたらよいか分からず、対策本部ではその場しのぎの対応となっていた。」、「ペットは避難者の『家族』として、鬼怒商高の生徒が提案するような体制が整備されれば、いつ起こるか分からない災害に対してもスムーズな避難ができると思う。」などの感想が寄せられました。
 講演では、
「堤防のことを中心に、ハード面ばかり考えていたが、避難、誘導、要介護支援者の避難なども考える必要があり、自治体だけでは到底対応できない、住民全体で考えるべき問題だと思った。」、「自治体職員のそれぞれ専門の立場から疑問や意見が聞けるとよかった。」、「大規模災害を『天災』ではなく、社会的要因が大きく影響する『人災』として捉える考え方は、自治体が実施する公共事業のあり方を考えさせられるものでした。」などの感想が寄せられました。
 今回はコロナ禍で、活動が思うように推進できないなかで、オンラインによるセミナーを茨城自治労連とタイアップして実施しましたが、参加者からは、「Zoomの集会に、はじめて参加して、良い経験になりました。」など、好評をいただきました。これを契機に情勢にあったテーマで、第2回、第3回と学習・研究の場を研究所会員、自治労連組合員に提供し、自治研活動に努めてまいります。

参考資料

自然災害の教訓と課題から学ぶ―これからの自治体の防災計画
(地域住民が安心・安全に暮らせるために)
 

 

災害の発生要因を考える(科学的な災害論に向けて)

①科学的災害論について(災害発生の「天災論」から「人災(社会的要因)論」へ)
・災害の定義:「人間又は社会が被る身体的危害及び生活基盤の損失」である。
・災害は自然現象(外力:人知では制御不能)を「引き金」とするが、それ(極端な自然現象)だけでは災害は起らない。様々な自然環境(安定的自然要因)や社会環境(人為的要因)が介在して(特に社会環境を不安定化して)、はじめて被害が発生する。
・災害は「地域社会」の中で(人間が社会活動を営む場=その最も不安定な場所=脆弱な場所)で発生する。それゆえ災害は社会的(個人では解決が困難)な問題である。
②科学的防災論について
・防災の目的:「人間社会が被る身体及び生活基盤の危害や損失」=災害を未然に防ぐこと。また、災害による社会・経済環境の変化によって生じる派生的な危害・損害も含む。
・災害の防止(軽減)は、極端な自然現象の制御は難しいが、自然環境の改変(種々の開発等)による不安定化や地域・都市づくりの安全化への配慮如何によって可能である。→それは自然環境の改変、地域(諸施設とシステム)づくりへの危険や安全への配慮を向上させることを意味する。
・したがって、防災対策では「(可変的な)地域社会」の場において「災害危険をなくす、災害危険から守る方策」が常に講じられなければならない。
・災害から人命を守る「地域避難」(避難対策)は、「生活基盤」を守ることはできない(地域避難は生活基盤の放棄である)。それゆえ、特に私有財産制の下の「地域避難」は真の防災対策とは言えない。
・また、災害が社会的問題である限り、住民の「地域避難」を対策の中心に据える防災政策では、損失した生活基盤等は社会的に保障されなければならない。→現状は自己責任
・原発災害は、「身体及び生活基盤の損害(危害)」を地域や県境・国境を越えて子々孫々にまで及ぼす「100%社会的行為(立地の有無・適否)による災害」であるが、これによる如何なる損害に対しても現代社会は保障の術を持っていない。
③新たな課題について
・人類の社会活動による地球規模の気候変動(温暖化等)と海面上昇や台風の大規模化、強雨の頻発化等の極端な気象現象は、「純・自然現象」とは言い切れず、「人知では制御不能な“極端な自然現象”」との従来の概念には当てはまらない。
・地球規模の社会的要因が極端な自然現象に影響する現状は、災害対策の政策課題として「エネルギー・環境保全のあり方」が主要件になったことを意味する。

わが国の防災法制度と体制(略)

3.台風19号による茨城県の被害と特徴
茨城県内では各地で浸水被害等が発生したが、特に、台風19号では県東部の那珂川、久慈川水系において被害が甚大であった。

4.那珂川、久慈川の「緊急治水対策プロジェクト」について
・2019(令和元)年10月東日本台風19号により、甚大な被害が発生した7水系(阿武隈川、鳴瀬川水系吉田川、久慈川、那珂川、荒川水系入間川、多摩川、信濃川)において、国、都県、市区町村が連携し、今後概ね5~10年で実施するハード・ソフト一体となった「緊急治水対策プロジェクト」を策定した。
・このプロジェクトは、以下の3つの柱が取り組みの基本となっている。
①被害の軽減に向けた治水対策の推進【河川における対策】
②地域が連携した浸水被害軽減対策の推進【流域における対策】
③減災に向けたさらなる取り組みの推進【ソフト施策】

1)那珂川・緊急治⽔対策プロジェクトの概要
・目標:国、県、市町が連携し、以下の取組みを実施して社会経済被害の最小化を目指す。

①多重防御治水の推進【河道・流域における対策】

■河道・流域における対策
・全体事業費 約521億円
・災害復旧  約101億円
・改良復旧  約420億円
・事業期間令和元年度~令和6年度
・目標 台風第19号洪水における本川からの越水防止。
・対策内容  河道掘削、遊水地、堤防整備等

■河道・流域における対策
【土地利用・住まい方の工夫】
・浸水が想定される区域の土地利用制限
(災害危険区域の設定等)
・家屋移転、住宅の嵩上げ
(土地利用一体型水防災事業、防災集団移転促進事業等)
・高台整備等

②減災に向けた更なる取組の推進【ソフト施策】

■ソフト施策
・越水・決壊を検知する機器の開発・整備、
・危機管理型水位計、簡易型河川監視カメラの設置、
・ダム操作状況の情報発信、
・台風第19号の課題を受けたタイムラインの改善
・講習会等によるマイ・タイムライン普及促進、
・防災メール、防災行政情報伝達システム、防災行政無線等を活用した情報発信の強化、
・要配慮者利用施設の避難確保計画作成の促進、
・緊急排水作業の準備計画策定と訓練実施 等

2)久慈川・緊急治⽔対策プロジェクトの概要
①多重防御治水の推進【河道・流域における対策】
■河道・流域における対策
・全体事業費 約334億円
・災害復旧  約63億円
・改良復旧  約271億円
・事業期間  令和元年度~令和6年度
・目 標 台風19号洪水における本川からの越水防止
・対策内容  河道掘削、堤防整備、霞堤整備 等
■河道・流域における対策
【土地利用・住まい方の工夫】
・浸水が想定される区域の土地利用制限
(災害危険区域の設定等)
・家屋移転、住宅の嵩上げ、高台整備 等
(土地利用一体型水防災事業、防災集団移転促進事業等)

②減災に向けた更なる取組の推進【ソフト施策】は那珂川の内容と同様なので省略する。

3)那珂川・久慈川のプロジェクトの特徴
① 河道については、河川断面を確保する河道掘削、決壊を防ぐ堤防強化(堤防整備)対策(⇒これまで、全国の一級河川水系の中で著しく整備が遅れていた、なぜ?)
② 流域については、那珂川では遊水池整備、久慈川では霞堤の整備が特徴であり、これに伴って必要となる土地利用制限(災害危険区域の設定等)、家屋の移転(→高台整備)および住宅の嵩上げ等の対策である(⇒住民合意が必須なこれら事業が令和6年までの5年間で可能か?極めて疑問)
③ 【ソフト施策】は、主目的が住民避難対策と思われる。とすれば、事前情報として、現状未整備な支川の氾濫及び内水氾濫に関するハザードマップの作成と住民への提供が必要である(⇒県等の管理河川に関する有効なマップ情報が提供できる?)

5.今後の那珂川、久慈川の治水対策をどう考えるか(地域住民が安心・安全に暮らせるために)→ 改めて住民の『地区避難』対策を考える
(1)災害時に、誰もが安全に避難でき、被災後に、誰もが元の生活を取り戻し、復興できるか?・・・現状は不可能である!
(2)安全で、安心できる生活とはどういうことか?・・ 
  地域社会が安全であること!
地域防災の基本は地域社会を安全にすること、しかし、地域社会の安全なまちづくりに対し、地域住民が関与できる仕組みがほとんどない。
(3)市町村の「地域防災計画」の内容を“実際的に”検討し、検証しよう。また、治水は河川だけでなく、流域の土地利用(開発行政)、上下水道行政などと強く関連している。様々な「行政計画」を“防災・安全の視点”からチェックしよう(後述)
(4)治水対策の難しさと矛盾
・水害の発生は河川管理者をはじめ行政の失敗による。災害時の「地区避難」の実態は住民の「自助・共助」であり、住民への責任転嫁である。
(5)河川管理者は、地球規模の気候変動と治水対策をどのように考えているか:令和2年、国交省・社会資本整備審議会「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方」(提言)、令和3年4月「特定都市河川浸水被害対策法等の一部改正法」の成立がある。

6.その他の災害(地震・津波災害等)について
(1)未然防止対策と応急対策を同時並行して推進する。
・すでに危険な市街地が形成されている状況(被害想定調査によって明らかにされている)を踏まえて、従来の応急対策重視の考え方ではなく、未然防止対策と応急対策を並行して推進する対策へと転換する。
(2)土地利用規制及び施設の耐震化は最重要課題であ
  る
・特に、土地利用の適正化、重要施設や住宅の適正立地及び耐震化を進めて、地震の揺れに対する安全水準を向上させ、直接被害を量的・質的に軽減する、また国・県によるこれら市町村対策への支援が重要である。
(3)被害の拡大・二次災害の防止=応急対策には必要だが、限界もある
・現状(災害危険が蓄積する地域)では「応急対策」(地域避難等)は欠かせない。しかし、応急対策は発生した災害への対応であり、根本的な防災対策=災害防止対策にはならない。「応急対策」偏重の従来対策には限界があり、直接被害そのものを軽減する未然防止対策の補完対策と位置づけるべき。
(4)現状の「地域避難」対策は、抜本的な改善が不可欠である
・住民の「地域避難」対策は、二次被害を発生させないために、「早期・的確な避難情報の提供・避難誘導体制・避難所生活環境の向上と人的支援、避難生活の早期終了」を一連の対策として捉え、避難者の立場に立って総合的に改善する必要がある。

(5)被災者支援制度の充実は直面する重要課題である
上記(1~4)対策を前提に、未然防止対策が不十分な地域(災害危険の高い地域)では、一定の被災者の発生は避けられない。このため被災者が生活再建可能な公的支援(被災者生活再建支援法等)をさらに充実することが喫緊の課題である。
(6)原発災害について
 原発災害対策は、法体系では原子力基本法に基づき行われる。しかし、「地域避難」の実施に関しては、災害対策基本法に基づく自治体「地域防災計画」の扱いとなる(この場合、避難指示の発令は総理大臣の権限)。ここでは原発災害の避難を考える。
・現場から離れた総理大臣が、的確・迅速に避難指示を発令できるか、極めて疑問
・原発近傍地区から住民の先行避難という「段階的指示避難」は一層の混乱を招き、避難行動の混乱防止にはつながらない
・幾十万人(東海原発は90万人以上)の住民が迅速に避難できる現実的手段はない
・自家用車による避難は交通渋滞が必至であり、車不所有者の避難手段の問題が残る
・大型バスによる避難は、数百~数千台の調達が不可能、また誰が運転するのか
・自家用車にせよ、バスにせよ、膨大な台数の車の除染をどこで行うか、また汚染水の処理をどうするか、が全く考慮されていない
 生活圏の近傍に原発が立地するわが国の原発災害では、住民避難は非現実的である。

以上

茨城自治体セミナー・中村八郎講師のレジュメから 
(付属資料の問い合わせは研究所へ)






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イラスト1


今月の 川柳

安倍カラー息のかかったお大臣 
   温暖化危機を説えてノーベル賞
増税で貧しき民に光あて 
   世に逆らいCO2を出す不逞 
分配器発明したいとやせ浪人 
   耳くそがたまって話うわのそら 
資本主義新がついたら皆倒れ 
   被爆地の総理批准に尻を向け 
良い奴とコロナにも居る悪い奴
   カマキリに挨拶されてマスクとり 


泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)

寄 稿

54年間の闘いの終結

桜井 昌司 (布川事件国家賠償請求裁判原告)

桜井勝訴1 (2)

 皆さん、ご支援、有り難うございました。高裁でも勝ちました、警察と検察の取り調べの違法を認め、「それが無ければ起訴もなければ逮捕もない」とする完全無罪の判決でした。そして、この勝利が確定して長い長い54年間の闘いが終わりました。
 皆さんのご支援に、心から感謝申し上げます。有り難うございました。
高裁でも勝つ確信は揺るぎませんでした。今さら過去に戻って警察と検察の行った自白強要や偽証、更には証言調書の改ざんなどの違法行為が変えられるはずはないからです。
 裁判長の判決要旨朗読を聞きながら、54年前に早瀬警部補に責められて嘘の自白をした日のこと、吉田検事に責められて嘘の自白になった日のことなどを思い出していました。そして、初めて晴れ晴れしい思いになりました。
再審無罪判決のときは「無罪」という声を聞いた瞬間に、肩がスッと軽くなり、「肩の荷を下ろす」という体験をしましたが、今回は晴れやかな思いを知りました。何だか、初めて無罪判決を得たような気持でした。
 ただ今回の判決にも物足りない部分はありました。地裁判決で認定した違法行為について「その余の警察官の証拠改ざん及び偽証の違法は判断するまでもない」「その余の検察官の起訴、及び訴訟活動に付いては判断するまでもない」として判断しなかったことです。高裁でも同じような判決があれば、私たちと同じに警察と警察の偽証や証拠隠しと闘う冤罪者に力となる判例になりますので、この点の判断が無かったことが残念でした。

桜井勝訴2 (2)

 お陰様で完全な勝利で決着した私の闘いですが、私が再審裁判と国賠裁判を闘って知ったのは法治国家日本にある法律的な欠陥でした。
 そもそも警察が税金で集めた証拠が検察の独占物で良いはずがありません。裁判を受ける当事者などが見たい、見せて欲しいと求めるのを「法的根拠がない、必要がない」などとして拒否して来た、それを許して来た裁判システムが間違っているのです。それが無実を示す証拠となれば、誰が考えても「見せる必要はない。見せるべき法的根拠がない」などと拒否する検察が間違っていることなど、私が書くまでもないはずです。
 大阪の東住吉事件国賠裁判では証人として出てきた元刑事が「今でも犯人だと思っている」と公言しました。滋賀の湖東記念病院事件国賠裁判では滋賀県警が医療事故だとする医師の鑑定書面を隠してきたことを忘れたかのように「西山さんが殺したことに間違いはない」として、無罪判決を否定する反論をしました。もちろん茨城県警も反省しませんし、私に詫びもしません。無実の人を犯人にした責任など、全く感じないかのように開き直り、「それでも犯人だ」などと警察が公言して許されるからことも、また問題です。
 もし警察や検察の判断だけが正しいのであれば裁判所などは必要ありません。再審で無実になった人に対して「それでも警察と検察の判断が正しい」と主張するのが日本です。誰も責任を取らないばかりか、反省もしません。
 この世に無責任でいて許される人も組織もありません。それなのに警察と検察は神のごときに間違わないと主張するのは、何をしても無責任でいられるからです。だからこそ日本の冤罪は過去も今も、同じように作られるのだと知りました。
 これからの私の使命は全面的な証拠開示を実現する再審法の改正に力を尽くすことだと思っています。そして、例え警察でも検察でも過ちを犯したら責任を取る、取らせる、当たり前の社会常識を司法の世界にも通用させる法律の改正を実現させることだと負っています。
 あれは43年前に無期懲役が確定したとき、「自分の全能力を使って闘い、勝つ、無実を明らかにする」とノートに書きました。今回の判決で、あの当時に書いていた日記まで引用して警察と検察の違法が認定されたことを考えますと、思いは実現する、行動は結果を生むと知らされました。「今成すべきこと全力で成せ」というモットーで生きてきた43年。何一つ無駄にはならなかった、無駄にはしなかったと、自分の生きてきた歳月を、少しだけ褒めてやりたいと思いです。
 人は変わります。社会も変わります。強引に自白を強い、証拠を捏造し、人の言葉を捻じ曲げて無実の人を犯人にしている警察と検察の実態を社会が知ったならば、誰しもが、今の警察と検察を変えたいと思います。変えなければならないと考えます。明日、あなたが冤罪になるのだということを社会に広めれば、いかに強大な権力であっても倒れるのです。必ず警察と検察を変える法律は作られます。 
 せめて司法の世界では正義と真実が通用する日本にするために、私は闘い続けます。
 皆さんに頂いたご支援のお礼は、その活動の中で示して行きます。有り難うございました。どうか今後も私の闘いをお見守りください。

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10月12日、茨城県議会本会議で、共産党の江尻県議が県警本部長に謝罪を求めたが・・・

 1967年に茨城県利根町で起きた強盗殺人 「布川事件」で服役し、再審無罪が確定した 桜井昌司さんが起こした国家賠償請求訴訟をめぐり、日本共産党の江尻加那県議は10月 12日の県議会一般質問で、東京高裁判決が 先月確定したことを受け、県警に対し、桜井さんへの直接の謝罪を求めました。
 国賠訴訟の高裁判決は、虚偽の自白がなけ れば逮捕や起訴、有罪判決を受け服役することもなかったとして、警察・検察の違法捜査を断 罪。国や県は控訴せず、高裁判決が確定しまし た。江尻県議は、「取り調べと捜査にあたった茨城の警察は冤罪を生み、真犯人を逃がした重 大な責任がある」と指摘。 「親の死に目に会えなかった胸中を警察は察することができるのか」、「警察が『判決を真摯に受け止め、適正な捜査を進める』というなら、桜井さん本人への直接の謝罪が必要だ」と迫りました。
飯利雄彦県警本部長は、「判決を真摯に受け止め、緻密な適正捜査に努める」と述べるだけで、謝罪はしませんでした。
江尻県議は、「直接の謝罪がなく、警察の信頼が得られるのか」と述べ、県警の姿勢を批判しました。
(「しんぶん赤旗」10月13日付より転載)

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新刊紹介

デジタル改革関連法が自治体の自治を奪う!
 

Ⅰ 自治体DXでどうなる地方自治の「近未来」

本多滝夫・久保貴裕 著 A5判・並製カバー・72 頁/定価935 円(10% 税込)

2025年、保育所利用者は減少に転じる!

Ⅱ 子どものための保育制度改革

中 山 徹 著     A5判・並製カバー・108 頁/定価1320 円(10% 税込)

準新刊

森林伐採、景観破壊、地域社会との軋轢…問題点と解決策を説く
再生可能エネルギーと環境問題
-ためされる地域の力-
傘木宏夫著

A 5 判・並製カバー・162 頁/定価1760 円(10% 税込)

 「脱炭素」「脱原発依存」といった社会的要請を背景に、再生可能エネルギーの普及に対する期待が高まり、同エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取るFIT(固定価格買取制度)制定後、各地で開発が進んでいる。しかし、開発による山間地の森林伐採、景観破壊など様々な問題が地域社会で噴出。本書では、開発が自然環境との調和を図りつつ、地域社会の利益に繋がるように進めるには、地域の側に主体的な力が育つ必要があることを説く。
第1 部 再生可能エネルギーの基礎知識
 第1 章 再生可能エネルギーとは
 第2 章 多様な再生可能エネルギー
 第3 章 国内外の普及状況
 第4 章 普及推進策
 第5 章 事前配慮促進策
第2 部 再生可能エネルギーの環境問題
 第6 章 問題発生の構造
 第8 章 風力発電
 第9 章 バイオマス発電
第3 部 再生可能エネルギーと「地域の力」
 第10 章 再生可能エネルギー開発の3 原則
 第11 章 アセスメント
 第12 章 地域内再投資力
 第13 章 国際連帯
 第14 章 仕事おこしワークショップ第7 章 太陽光発電

未来の航跡 (2)

コロナと自治体3

<コロナ>と並走する新シリーズ 

「学び」をとめない自治体の教育行政   

朝岡幸彦・山本由美編著
A5判・並製カバー・136 頁/定価1430 円(10% 税込)

 緊急事態宣言が繰り返される中で、どう感染リスクを減らして教育・学習を継続するのか が問われている。本書では「学び」をとめないための努力に光を当て、学校、公民館、図書館、NPO などの挑戦を紹介。あわせて、アメリカの教員組合が保護者・地域の方ととも に「安全な」学校再開条件を勝ち取る過程のレポートも。

第1章 コロナ禍の下での教育・学習の権利と地方自治体 池上洋通
 生命の尊厳と学習・教育の権利/「一斉休校」は憲法違反の行為である/「基礎的自治体最優先」の原則の実現
第2章 新型コロナ感染症に教育はどう向き合ったのか 朝岡幸彦
パンデミック下における医療資源の「配分と倫理」問題/学校一斉休校と学校における防疫指針/など
第3章 新型コロナ禍の公民館・図書館・自然学校の取り組み

 1 新型コロナウイルス感染症拡大にともなう公民館の模索
   ―試される「公民館の底力」 伊東静一
 2 新型コロナウイルス感染症と「図書館」
   ―どうしなやかにまなびつづけるか 呉服淳二朗
 3 小規模自治体×自然学校NPO の挑戦
   ―今こそ教育立村へ 辻 英之

第4章 アメリカにおけるコロナ禍の学校再開
   ―シカゴ教員組合の事例を中心に 山本由美

<コロナ>と並走する新シリーズ               

新型コロナウイルス感染症と自治体の攻防   
- コロナと自治体 1 -

平岡和久・尾関俊紀編著
A5判・並製カバー・172 頁/定価1650 円(10% 税込)

 ゼロコロナをめざす方策を提示。医学的見地からコロナウイルスの特質、変異株のメカニズム、ワクチンの最新の知見を解説し、財政面からは政府の感染対策を批判的に検証し、自治体財政の今後の対応を示す。併せて、東京・世田谷区の社会的検査、広島県の PCR の集中検査、鳥取県の積極的疫学調査ほか、ワクチン接種・練馬区モデルおよび高知県・過疎地域におけるワクチン接種など、自治体独自の先進的な対応を紹介。

目次より

はしがき●本書の意図 尾関俊紀
第Ⅰ部 新型コロナウイルス感染症対策を問う
1 新型コロナウイルスの検査とワクチン 徳田安春感染力をみる防疫目的PCR 検査の最新知見/コロナ対策ではゴール設定が大切/ウィズコロナ政策の副作用/ワクチン開発は国家安全保障/変異コロナウイルスの脅威/変異ウイルスに効くワクチンの製造/Back to the Future 思考で考える大規模検査/世界モデル
と身近な対応から学ぶ対コロナ戦略
2 新型コロナ禍と自治体の対応 平岡和久 災害としての新型コロナ禍/政府の対策と第三次補正予算/政府の新型コロナ対策、何が問題か/地域と自治体の取り組みと公共部門の課題/補論:緊急事態宣言解除後の対策のあり方

シリーズ続刊 2 感染症に備える医療・公衆衛生 長友薫輝編著/3 コロナがあばく社会保障と生活の実態 伊藤周平編著/4 コロナと地域経済 岡田知弘編著/5 「学び」をとめない自治体の教育行政 朝岡幸彦・山本由美編著

社会保障法 ――権利としての社会保障の再構築に向けて

伊藤周平著

A5判 定価(本体3200 円+税)

書籍の内容
暮らしのなかから社会保障を考えるために
 社会保障の削減が進む現在、生存権侵害という観点から社会保障のあり方を追究する。章ごとにひとつのテーマ、公的扶助(生活保護)、年金、社会手当、医療保障、労働保険、社会福祉を取り上げ、憲法との関係から現状の不備を検証する。社会保障法の全体像をとらえた最新、最適なテキストにとどまらず、暮らしを社会保障から見直そうする人たち必携の一冊。社会保障法辞典としても使える事項・判例索引完備。

「公共私」・「広域」の連携と自治の課題

榊原秀訓・岡田知弘・白藤博行編著

A5判 定価(本体2300 円+税)

書籍の内容
 コロナ禍への対応を理由として「行政のデジタル化」が最優先で進められている。地方自治制度の抜本的な改変をねらう「自治体戦略2040 構想」とその具体化を諮問された第32 次地制調の答申は、自治体の事務の標準化(統一化)や全国的なクラウド化などのデジタル化具体策とどう関係するのか。また、「組織の枠超えとしての公共私の連携」論や「地域の枠越えとしての広域連携」論は、デジタル化でどう具体化されようとしているのか。
 コロナ禍の下で国が進めている地方自治制度再編の動向を分析し、自律・自治の自治体論を考える。
地域と自治体 第39集

『検証 介護保険施行20年 ―介護保障は達成できたのか』

芝田 英昭(編著), 河合 克義, 服部 万里子, 井口 克郎, 日下部 雅喜, 森 周子:金 滉垣, 鈴木 森夫, 藤原 るか(著)

¥2,420(税込)・発行年月日: 2020/12/15 ページ数: 248ページ ・本のサイズ: A5

介護保険施行20 (2)

書籍の内容
介護の危機をのりこえるために
介護保険が目的とした「社会的入院の解消」「介護の社会化」「介護離職の解消」等は達成できたのか。果たして介護保険は必要とするサービスを提供しているのか、市場化・営利に走る介護現場の深刻な人材不足、保険者である市町村の混乱をどうするのかなど、介護保険が高齢者福祉に与えた影響をとらえつつ考察する。
 また、介護保険の利用当事者として「認知症の人と家族の会」の運動を跡づけ、劣悪な労働環境に置かれる在宅介護の現場を実態報告する。併せて、同様な介護保険制度をもつドイツ、韓国の現状レポートを収録。権利としての社会保障の視点から「介護保障とは何か」を総合的にとらえる。

コロナ禍のなか、自治体はどう予算を編成するのか

新型コロナ対策と自治体財政

平岡和久・森 裕之著
A5判 144頁 定価(本体1500 円+税)

Ⅰ部 新型コロナ対策と自治体財政の動向・課題
 1 新型コロナ対策と自治体財政
   新型コロナ禍の地域経済/ 自然災害としてのコロナ禍と政策のあり方/ 新型コロナ第一波と対策の問題点、教訓/ 自治体財政の仕組みと見方/ 政府のコロナ対策と補正予算/ 地域経済対策の展開と課題/ 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金/ 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金/ 自治体の独自対策と財源確保策/ 政府の対策と財政政策の課題/ 第二波、第三波における自治体の対策と財政運営の課題
 2 都道府県、政令市、中核市の財政担当課へのアンケート調査から見るコロナ対策と自治体財政の課題 アンケート調査の概要/ 各自治体の財政状況と補正予算
 3 自治体財政運営の課題
  今後10 年以上にわたる地方財政の混乱/ 短期的な財政運営/ 中長期的な財政運営/ 国による行財政措置
Ⅱ部 資料 アンケート回答内容
 資料1 コロナ対策と財政に関する都道府県アンケートの回答の整理/ 資料2 コロナ対策と財政に関する政令市アンケートの回答の整理/ 資料3 コロナ対策と財政に関する中核市アンケートの回答の整理/ 資料4 自治体のコロナ対策と補正予算に関する事例

地域の病院は命の砦
― 地域医療をつくる政策と行動 ―

横山壽一・長友薫輝編著

A5判 ・並製カバー・160 頁 定価(本体1300 円+税)

地域の病院がなくなる?!
 病院は、地域で暮らし続けるために欠くことができません。ところが、国は、町や村に1 つしかない病院をふくめて、全国424 の公立・公的病院を名指しし、統合再編を含めた病床削減計画の提出を自治体に求めています。そこには、「地域医療構想」の早期実現という政策があります。
 本書では、地域医療を取り巻く情勢を整理した上で、「地域医療構想」とはなにか、「地域医療構想」が病院再編とどう連動しているか、地域医療を守り発展させるための政策や課題をどう考えていくかなどについて、各地の実践にそいながら紹介します。

主な内容
地域医療を守る 住江憲勇/眞木高之/尾関俊紀
第Ⅰ部 地域医療をとりまく情勢
社会保障改革と地域医療 横山壽一
第Ⅱ部 地域医療をつくる政策と行動
1 地域医療構想と地域づくり 長友薫輝
2 424 病院リストの根拠「診療実績データの分析」のねらいと問題点 塩見 正
第Ⅲ部 地域医療の現場
1 難病医療の拠点・国立徳島病院を守る 井上 純
2 広大・多雪・寒冷な北海道の地域医療を守れ 沢野 天
3 三重県の地域医療構想と公立・公的病院の再編・統合 新家忠文
4 愛知県の実態から考える大都市圏域における地域医療構想の問題点 長尾 実
5 京都の地域医療構想にかかわる諸課題と地域医療実態調査の取り組み 塩見 正

  資料 厚生労働省が再編統合の検討を求めた公立・公的病院424 施設

「競争の時代」の国・地方財政関係論
競争の時代に一般財源は自治体の自由になるのか!

中島正博著

A5判・上製カバー・228 頁/定価(本体2500 円+税)

 1980 年代後半からの30 年間の国と地方の財政関係を地方財政計画に基づいて分析する。この30 年間を「地方分権さきがけ
「財政構造改革期」「競争の時代」に分け、地方財政計画が地方の財源保障機能から競争を前提にしたシステムへと変容する様子を追う。そこでは分権と集権のせめぎ合いを観察し、「一般財源」が本当に自治体の自由になっているかを検証する。併せて、地域振興政策として島根県海士町の定住政策、宮崎県西米良村の人口減少対策を紹介する。

序 章 本書の目的と課題 
第1 章 地方財政計画と地方交付税 
第2 章 地方財政の構造変化と計画・決算のかい離 
第3 章 定住政策と地方交付税
第4 章 地方創生と地方交付税
第5 章 地方財政における「自由な財源」とは何か
終 章 「競争の時代」の国・地方財政関係


疾病に苦しむ人が、だれでも、どこでも、いつでも無償で医療が受けられる社会を求めて!
『医療保険「一部負担」の根拠を追うー 厚生労働白書では何が語られたのか』 

芝田英昭著
A5判・並製カバー・180頁 定価(本体1800円+税)

 
 1962 年以降の皆保険体制の下、日本の医療保険は大きく発展してきた。しかし、国庫負担、患者の一部負担は、「厚生労働白書」から読み取れるように、時々の経済情勢、財政的制約から導き出されたものであり、決して人権思想が反映された結果とは言えなかった。今、国民から求められているのは、基本的人権を基軸にした社会保障の構築であり、その基礎にあるのが、人間の尊厳であり人権思想なのである。
 疾病に苦しむ人はたくさんいる。そのだれもが、いつでも、どこでも、無償で医療が受けられる社会の実現に向けて、「権利としての社会保障」の観点から論究する。

プロローグ●健康は自己責任か
第1章●医療保険「一部負担」の意味とは
①医療保険における一部負担の制度的根拠 
②社会保障審議会等の歴史的文書に見る医療保険における一部負担の考え方
第2章●『厚生労働白書』(『厚生白書』)に見る医療保険「一部負担」記述の変遷
1950年代厚生白書/1960年代厚生白書/1970年代厚生白書/1980年代厚生白/1990年代厚生白書
2000年代厚生労働白書/2010年代厚生労働白書
第3章●医療保険一部負担に関する先行研究
①厚生労働白書は医療保険「一部負担」の根拠を示せたか ②モラルハザード、濫用防止は心理的圧力 ③医療サービスは「私的財」なのか
第4章●一部負担の受診抑制と世界のトレンド
①一部負担と受診抑制 ②一部負担増による受診抑制の研究事例 ③一部負担無料化の意義
第5章●医療保険の保険料・一部負担の未来展望
①社会保険に一部負担は必要か ②国保保険料の応益割と保険料上限の廃止 ③健康保険における標準報酬月額の上限を撤廃すべき ④健康保険から排除される被用者と無保険問題
第6章●人権としての社会保障と能力の共同性
①社会保障を考える基本的視点としての尊厳と人権 ②人間の尊厳の要素としての人格 ③日本国憲法に見る社会保障と人権 ④能力の共同生から社会保険料応能負担の根拠を考える

問い直そう税金―消費税増税ではない別の選択肢がある! 
鶴田廣巳・藤永のぶよ編著『税金は何のためにあるの』
              A5判 定価(本体1000 円+税)

 税の目的、仕組みと問題点、改革の方向について入門的に解説し、わが国の税制全体を問い直すことで、消費税増税ではない別の選択肢があることを明らかにします。

本書を推薦します 白藤博行氏(専修大学法学部教授)

 法律の世界では、租税法律主義といって、納税者の権利を守る大原則があります。でも、私たちは、日ごろ税の中身のことをどこまで考えているでしょうか。消費税が上がるといっても、「またか」で終わっていませんか。私たちは、公共サービスを受給する権利がありますが、税を公平に負担する義務もあります。ですから税
の集め方や使い道を、主権者としてしっかりと考えなければなりません。

 私たちは居酒屋でビール1 本の追加を迷っていますが、何百兆円もの「内部留保」がある大企業は、労働者に相応の賃金を払い、まっとうな法人税を納めているのでしょうか。主権者の税への無関心は、悪政を助長します。「税のバイブル」である本書を読んで、賢い主権者・納税者になりましょう。

『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし』
働く人の労働条件・事業者の経営環境・地域産業振興を一体で改善するみち

永山利和・中村重美著

A5判/定価(本体2000 円+税)

 公共工事や公共サービスの低価格受注が広がり、疎漏工事や官製ワーキング・プアが問題となってきた。
この課題を解決する公契約条例の意味と実際(世田谷区・野田市など)を紹介する。

世田谷区長・ジャーナリスト 保坂展人とさん推薦
 8年がかりの粘り強い運動により区議会全会一致で成立した世田谷区公契約条例は2014 年に成立後も改善と進化を遂げていく。2019年には労働報酬下限額を1,070 円とする。全国に拡がる公契約条例の基礎から今後の課題等必携の一冊。

『新版 自治体の財政』 
まちの財政のしくみを分かりやすく解説! 自治体財政入門書

初村尤而著(都市行政コンサルタント)
   A5判 定価(本体2000円+税)

 暮らしのなかのお金の流れに注目して、予算書・決算書を読みます。公共サービスのあらましをたどって、歳入・歳出のしくみを解説します。そして、地方交付税、基準財政需要額や財政健全化指標、企業会計など自治体財政に欠かせない用語も分かりやすく説明し、数字に隠れた市民生活や地域の現状へといざないます。
主な内容
第1章 私たちの暮らしと財政
第2章 予算書、決算書を読んでみよう
第3章 歳出(経費)のしくみ
第4章 歳入(財源)のしくみ
第5章 さまざまな自治体財政
第6章 地方公営企業のしくみ
第7章 わがまちの財政健全度を量る指標
第8章 自治体財政のあり方を考える
終 章 財政数値との向き合い方

「自治体戦略2040構想」と地方自治

白藤博行・岡田知弘・平岡和久著 

A5判/定価(本体1000 円+税)

 アベノミクスの失敗で疲弊が続く地方。住民のいのちと暮らしを守る市町村の役割が再認識されている。
 ところが、政府は、連携中枢都市圏(や定住自立圏)のような「圏域」を地方行政の単位として法制化し、住民サービスも自治体間で「標準化」「共通化」「広域化」しAI やロボットそして民間企業に任せ、公務員は半減させるなど、地方自治を骨抜きにすることを狙っている。これらは、「自治体戦略2040 構想」という研究会報告として公表され、法制化への議論とともに、地方財政政策などを通じて具体化も始まった。
 本書では、「自治体戦略2040 構想」とは何か、地方自治の姿をどう変えると予想されるのか、憲法と地方自治法が示す自治の視点から見たときに何が問題となるのかについて、解説する。

「豪雨災害と自治体 防災・減災を考える」

A5判・並製・160 頁/定価(本体1600 円+税)

 豪雨災害はどのように発生し、どう対応すべきか?
 毎年のように豪雨災害が猛威を振るっている。その原因・メカニズムを気象学、被害の拡大を地質学から追究し(寺尾徹、田結庄良昭)、2018 年の豪雨が各地にどのような災害をもたらしたか、現地からの詳細な報告を収める(磯部作、越智秀二、村田武、山藤篤、松岡淳、小淵港、田結庄良昭、池田豊)。そして、このような災害に対して自治体はどう対応すればよいのか、防災と減災の視点から問う(室崎益輝、塩崎賢明、有田洋明)。

「水道の民営化・広域化を考える(改訂版)

尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー184 頁/定価(本体1700 円+税)

 改正水道法成立!「いのちの水」をどうする。2018 年12 月6 日、改正水道法が成立した。多くの庶民の疑問、マスメディアでの反論をものともせず、既定方針のように審議を通した。水道が生き残るには、民営化、広域化しかないのか。すでに、各地で起こっている「水」めぐる民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくか多角的に考える。

『人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望』

中山 徹(著)

発行年月日:2018/11/15  1,200円+税  A5 112ページ

 人口減少に歯止めがかからず、東京一極集中はさらに進む。自治体そのものを見直そうとする「2040構想」も始動した。こうしたなか、保守と革新の共同による「市民共同自治体」の動きも出始めている。地域が大きく再編されようとしている今、市民と地域を守るためにはどうしたらよいのか。「市民共同自治体」を提唱して、市民のニーズを政策に活かす方法を考える。

目次
はじめに
 1章 新自由主義による国土・地域・コミュニティの再編
  なぜ国土・地域・コミュニティの再編なのか
  再編の具体的内容とそれを進める政策
  自治体再編の方向性
  再編のコンセプトと進め方
 2章 自治体の動向と市民共同自治体への展望
  開発型自治体と削減型自治体
  市民共同自治体の誕生
  市民共同自治体の展望
 3章 市民共同自治体の政策
  政策の基本的な枠組み
  すべての主要施策に格差是正を貫く
  地域のまとまりをどのようにして創り出すのか
  行政責任を明らかにする
  なぜ市民参加が重要なのか

原発再稼働と自治体
―民意が動かす「3つの検証」― 新潟県はその出口を探す先頭に立っている
立石雅昭・にいがた自治体研究所編

A5判 定価(本体1200 円+税)

 福島原発事故から7 年半。控えられていた原発の再稼働が復活してきているが、それでも再稼働はスムーズに進んでいるとは言いがたい。それは、国民の過半数が原発再稼働に懐疑的であり、反原発・脱原発の世論が強く根を張っているためである。世界最大の柏崎刈羽原発を有する新潟県は「3 つの検証」―事故原因の検証、健康と生活に及ぼす影響の検証、安全な避難方法の検証―を掲げて福島原発事故の検証を行っている。その活動の意味を問う。

序 原発立地自治体・地元自治体に問われていること 池内 了
1 新潟県検証委員会の活動の意味 大矢健吉
2 技術委員会の検証―明らかにしてきたことと引き続く課題 立石雅昭
3 原発事故による避難(新潟県内避難者)生活の現状と課題 松井克浩
4 原子力災害がもたらした避難(福島県相双地区)生活の実態  丹波史紀
5 避難計画をめぐって 佐々木寛
6 柏崎刈羽原発をめぐる原子力安全協定とその法的性質 石崎誠也
7 原発立地都市・柏崎市の地域と経済 保母武彦

どこを目指す !! 自治体戦略2040構想
― 研究会報告の概要と問題点、課題 ―

A5版・24頁  定価250円(地域研卸単価200円)

地域研の皆様へ
 地域研の皆様には日頃から大変お世話になっています。
 さて、自治体戦略2040構想研究会の最終報告が7月に公表されました。構想研は「2040年頃をターゲットに人口構造の変化に対応した自治体行政のあり方を検討する」として2017年10月に設置された総務省の有識者研究会です。
 その趣旨は「高齢化がピークを迎え、若い勤労者が激減する2040年頃の姿から自治体の課題を逆算する形で整理し、今の半数の職員でも対応できる仕組みを構築」するというもので、それは今日の地方自治、自治体のあり方を抜本的に見直し再編していくものです。 
 これを受けて、同月に第32次地方制度調査会が設置され、この内容が諮問されました。
 地制調に諮問したということは、その結果を踏まえて法制度改革を行うということです。
 私たちも地制調での議論を見極め、内容を検証し、対置政策を示して世論を喚起していくことが必要です。そのため研究所ではまず構想研報告の内容を知らせ、問題点、課題を明らかにしていくことが急務と考え、今回、職場や地域等での学習会向けに標記ブックレットを緊急に発行しましたので1冊送付(贈呈)します。また、皆様には割引単価を設けましたので、普及(490部)にもご協力をお願いします。
 なお、ブックレットの表題、目次、報告表題の「自治体戦略2040年構想」は誤記で、正しくは「自治体戦略2040構想」ですので正誤表を入れてあります。

  • - - -
    はじめに  岡田 知弘
    自治体戦略2040構想研究会報告の概要と問題点、課題- 角田英昭 
    1.構想研報告の概要 
    2.構想研報告の問題点、課題

既刊ブックレットもお手元に!      
どこを目指す、自治体戦略2040構想(A5 ・ 24頁) 200円   
原発災害避難自治体の現況と復興、自治の課題(A5 ・ 40頁)300円   
どこを目指す、公共施設等総合管理計画(A5 ・ 40頁)300円   

「いのちの水」をどう守っていくのか!

水道の民営化・広域化を考える
尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー180 頁/定価(本体1700 円+税)

 老朽化、料金6 割上昇、人口減に維持困難……、これらは水道について語られる危機だ。国は水道法改正を視野に入れ、民営化と広域化を推し進め、この危機を乗り越えようとしている。しかし、こ
の方向は正しいのか。すでに、各地で始まっている民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくのか多角的に考える。
目次から
プロローグ●水をめぐるウソ・ホント 解説● 2018 年水道法改正とは
Ⅰ 水をめぐる広域化と民営化の現場
イントロダクション ●各地で具体化する広域化・民営化の動き/ 香川県●県主導の水道広域化の矛盾/ 宮城県●水道事業へのコンセッション導入の問題点/ 浜松市●下水道処理場のコンセッシ ョン化問題/ 京都府●簡易水道と上水道の統合/ 奈良県●奈良市中山間地域の上下水道のコンセッション計画/ 埼玉県●秩父郡小鹿野町民の水源・浄水場を守る運動/ 大阪市●市民が止めた水 道民営化/滋賀県●大津市のガス事業コンセッション
Ⅱ 水をめぐる広域化・民営化の論点
上水道インフラの更新における広域性と効率性/水道の民営化・広域化を考える

川瀬 光義『基地と財政 ー 沖縄に基地を押しつける「醜い」財政政策』

A5 133頁 1600円+税

本書のねらいは、このあまりにも不条理な基地新設の「同意」を得ることを目的として日本政府が講じてきた 財政政策が、いかに醜いものであるかを示すところにあります。名護市をはじめとする沖縄本島北部地域自治体への特別な財政政策を最初に提示した当時の首相は、橋本龍太郎氏でした。そのとき、これは基地新設の見返り
かという旨の問いかけに対して橋本氏は、強く否定しました。その姿勢からは、沖縄の人々に対する後ろめたさ'を少しは感じることができました。しかしその後ろめたさ'は次第に後退し、第4章で紹介した米軍再編交付金及び再編特別補助金に至っては、政治的意見の相違によつて公的資金の配分を差別することを合法化するという、醜さの極致と言ってよいなものとなつてしまいました。

 本書を通じて、こうした醜い政策でしか維持できないような日米安全保障体制とは何なのかにつぃて、読者の皆さんが考える糸口になれば、筆者としてこれにまさる喜びはありません。

『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
         

本田宏著 (医師・NPO法人医療制度研究会副理事長)

A5判110頁 定価(本体1100円+税)

主な内容
 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著書が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて究明する。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方まで俎上に載せて検討する。

Excelを駆使して自治体の財政を分析する!
データベースで読み解く自治体財政 地方財政状況調査DB の活用

武田公子 著 金沢大学経済学経営学系教授

B 5 判94 頁 定価(本体 1600円+税)

 総務省は市町村の財政状況を表わす「地方財政状況調査DB(データベース)」をウェブサイトで公開しています。そのサイトへのアクセスから、様々なデータファイルのダウンロードと整理ファイルを使った分析手法までを、図表を駆使して分かりやすく解説します。自治体財政の全般的な動向を捉える基本的な分析方法を初め、公営企業や国民健康保険会計、公立病院事業に対する繰出金の分析、合併特例債の終了期を迎える合併自治体の財政状況の検証、そして復旧・復興に関わる被災自治体の財政分析などを実例に即して展開します。
第1章 自治体財政の制度概要と全般的動向
 地方財政の基本的な枠組み/地方財政に関する全国的動向
第2章 地方財政状況調査データベースの利用方法
 地方財政状況調査データベースの所在と意味/地方財政状況調査DB 利用の実際――歳入内訳の分析/データの整理/性質別経費の分析/目的別経費の分析
第3章 グラフの読み取りとさらなる分析方法
 グラフの作成/全国自治体に共通した動向/普通建設事業費の内訳とその財源/民生費と扶助費の関係/ 地方債の分析/積立金の動向/人件費と物件費の動向
第4章 一般会計と他会計との関係
 財政健全化判断比率と財政状況資料集/繰出金の分析/国民健康保険会計の分析/公営企業会計への繰出の詳細を調べる――病院の例
第5章 合併自治体の財政分析
 合併自治体の分析目的とデータのダウンロード/データ整理の手順/歳入グラフの読み取り/歳出グラフの読み取りと詳細データ/地方債の分析
第6章 被災自治体の財政分析
 国による財政措置/復旧・復興事業分歳入の分析/歳出の分析/災害復旧事業と普通建設事業/復旧・復興事業                            

本田宏著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
医師・NPO法人医療制度研究会副理事長

A5判110頁 定価(本体1,100円)

 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著者が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて糾弾します。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方にまで俎上に載せて追究します。

第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ

第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する

第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育

第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする

第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

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加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

                    
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版) 
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!  

B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)

財政デザイン研究所代表理事  大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著

●基礎からステップアップまで
 決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
 財政を学ぶ心構え・分析方法
 赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
 自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と

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