ようこそ、茨城県自治体問題研究所のHPへ!

第149号

第149号

画像の説明

第149号

2021・05・22更新

昔ながらの田植え2

昔ながらの田植え (2)

昔ながらの手植え=つくば市小田5月2日

 昨今、田植えや稲作などの農業体験を中心とした自然学習の場が広がっている。実際に生産者と交流しながら、田んぼや畑でリアルな農作業体験をする観光農業が拡大している。つくば市のある農場。


************

東京電力福島第1原発汚染水海洋放出方針の政府決定を批判

  
 - 地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会が声明 -  

 

 東京電力福島第1原発で発生する放射能汚染水の海洋放出方針決定を巡り、JA福島中央会や県漁連、県森林組合連合会、県生活協同組合連合会などでつくる「地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会」は4月30日、説明や風評対策が不十分だとして、海洋放出に反対する共同声明を発表した。
 声明では「本県漁業、水産業をはじめ全ての産業で復興が阻害されず着実に進展していけるという確信が持てるまでは、海洋放出に反対」としている。
 協同組合協議会の会長を務める菅野孝志JA福島中央会長は声明の中で、国や東電が「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分も行わない」と約束したことに触れ、「約束を反故(ほご)にする不誠実な決定で極めて遺憾」と批判した。その上で、政府や東電のこれまでの姿勢から十分な風評や賠償対策は期待できず「農林水産業者が抱く不安を拭うことは不可能」とした。放射性物質のトリチウムの除去に関しても、積極的な技術開発を行うよう求めた。
 放射能汚染水を処理した後の高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水(アルプス処理水)の海洋放出については、漁業者、魚加工業者などの経済的被害だけでなく、海洋汚染、魚介類汚染などの指摘もある。
 東電や政府は「廃炉を進めるため」に放出処分とタンク解体による敷地確保の必要性を強調するが、根拠を見ていくと矛盾が浮かぶ。東電や政府はタンクの増設余地は「限定的」とするが、本当に余地がないかはあいまいだ。原発に隣接する中間貯蔵施設や、およそ八キロ離れた東電が保有する福島第二原発など敷地外での保管が検討された。除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設について、政府は当初の目的にないタンク建設となると、地権者の同意が必要で難しいと突っぱね、福島第一以外は「移送ルートの自治体の理解が必要。急いでいるからできない」という。交渉努力もしないで、鼻であしらう拒否論では国民は納得しない。そもそも、増設計画も検討しないとは不誠実きわまりない。科学的調査、国内外の科学者の研究成果や議論、放射性物質の除去技術開発などを基礎に、処理方法の再検討に集中すべきである。

************

今月俳句

忖度に縁なき余生風薫る
   吹く風を紅に染め牡丹散る  
居酒屋の閉店早き街薄暑
  桐の花急かかることもなき余生
うららけし花型に切る茹卵
  飼鳥の水すぐ濁る薄暑かな


高 島 つよし

本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 小貝保育園長、当研究所顧問


寄 稿

東海第二 水戸地裁の判決を力に再稼働を絶対阻止

川澄敏雄(東海第二原発運転差止訴訟 原告)

                

水戸地裁が「東海第二発電所の原子炉は運転してはならない」の判決

 3月18日、「県内外の住民が原電に運転差し止めを求めた訴訟で、水戸地裁(前田英子裁判長)は、30km圏内に住む原告79名について請求(運転差止)を認めました。
 判決では、深層防護1~4層(原子炉の安全性)については、原告の主張が認められませんでしたが、第5層での「立地審査指針」の趣旨および「原子力災害対策指針」を根拠として、「実現可能な避難計画や実行する体制が整えられていると言うにはほど遠く、防災体制は極めて不十分」として原告79名を勝たせたもので、住民の思いを受け止めた判決でした。
 原電は翌日、控訴。他方、敗訴の原告(30km圏外居住者)120名も、3月31日、次の理由で控訴し、東京高裁での裁判闘争に進むことになりました。

⦁ 福島第一原発事故を見れば、人格権侵害(放射能汚染)は30km圏内に止まらない
⦁ 「深層防護1層~4層(原子炉の安全性)に問題なし」に異議があること

 原電が控訴したため、水戸地裁の判決は確定したものとならず、差止命令は法的には効力なきものとなりました。原電は、来年2022年末までの営業運転をめざし工事を進めています。今後、東海第二原発の再稼働を阻止する運動が重要となります。

 東海第二訴訟団のホームページで、「判決要旨」、「判決本文」をダウンロード可能。判決後の集会の模様も、動画で視聴できます。
http://www.t2hairo.net/hanketsu/

「再稼働時期は未定」は、原電の真っ赤なウソ!「来年9月頃に原子炉起動」の危険

 原電は、再稼働工事を「2022年12月完了予定」として進めているのに、未だに「再稼働をめざすが、決めた訳ではない」などと言っています。「再稼働する」と言えば、県や6市村との協議が必要になるため、工事をやれるだけやってから言い出すという作戦でしょう。
 「今年末に工事終了後、自治体と協議するのだろう」と思わされている人も少なくないようですが、原電が昨年4月に経産大臣、規制委員会に提出した「使用前検査申請書」にある「工事の工程に関する説明書」を見ると、来年9月までに核燃料を装填し、原子炉の起動=再稼働を行おうとしていることが見えてきます。9月に「総合的な性能を確認する検査」を行うようになっていますが、これは原子炉を起動しないとできません。あと1年半もありません。
「工事」と聞くと防潮堤を造るなどの作業のことだけと思いがちですが、工事をやりながら規制庁が検査するというやり方で、装置が正常に動くかどうかの試験、試運転もやる訳です。工程表からわかるのは、
 ⦁ 来年(2022年)9月に、「総合的な性能を確認する検査」を実施。
 ⦁ 検査のために、核燃料を原子炉に入れ制御棒を抜く⇒臨界。これが原子炉起動であり、即ち再稼働。試運転を続け12月に受検し、「営業運転」になります。
 
原電の村松社長は、昨年5月の記者会見で「『事前了解』を得て試運転」と言明

 昨年12月の県議会では、日本共産党の山中たい子県議の質問で、「避難計画がなければ、試運転も認めない」という知事の答弁を得ています。試験運転と言えど、いったん原子炉を起動すれば核燃料は熱を持ち、廃炉を決めたとしても、その後、10年間近く冷却を続けないと危険な状態が続くことになります。
 原電の工事が予定通り進めば、来年の夏頃には県と市町村は、再稼働への合意を国と原電から迫られることになります。6市村の首長らは、「原電のスケジュールありきでなく」などと言っているだけでは済まない。

毎日新聞が県の計画のずさんさを暴露。県民投票の会は「原子力防災協議会」の資料公開

 毎日新聞は、1月末から、茨城県の避難計画が避難所の収容人数を過大に見積もっていたという記事を10回以上にわたって連打しています。5月11日付の記事では、2014年9月、原子力規制庁で開かれた広域避難計画を作るための秘密会合で、茨城県の原子力安全対策課課長が、避難先に想定した近隣5県の担当者に、「駐車可能台数は気にせず、機械的に施設の面積を2で割って収容可能人数を算出してほしい」と要求したことなどが赤裸々に暴露されています。
 いばらき原発県民投票の会は、これまで隠されてきた「東海第二地域原子力防災協議会」※の資料を情報公開請求によって内閣府から入手し、ホームページで公開しました。
http://ibarakitohyo.net/wp/2021/05/06/genshiryokubousaikyogikai/

 驚かされるのは、「第1回資料」にある「避難計画作成スケジュール」です。2015年4月の会議の際に、内閣府が出した資料ですが、内閣府が市町村の避難計画をなんと1年で完成させるつもりだったことを示しています。6年経った現時点でも、まだできていないのが現実。内閣府の担当者は現実をまったく理解していなかったのでしょうか。

※「東海第二地域原子力防災協議会」:内閣府が主催し、規制庁、経産省、茨城県、14市町村、の避難計画担当者の会合。原電がオブザーバで出席。マスコミ取材・傍聴不可。資料・議事録非公開。

「いい加減な避難計画でごまかすな!」という声をまきおこそう

 一連の記事や、秘密にされていた避難計画関連の会議の資料が明らかにされ、「形だけでいいから早く」と避難計画を作るために躍起となっていた国と県の姿勢が誰の目にも明らかになりました。
 いよいよ、住民の運動が大切です。30キロ圏内では、どんな避難計画を作ろうとしているのかを自治体にヒアリングし、圏外では、どんな受入れ計画を作ろうとしているか、市町村に明らかにさせ、その実効性について徹底的に調べ告発していくことが、再稼働につき進むことを阻止するカギになります。東京高裁での控訴審をたたかう大きな力にもなります。
水戸地裁の判決を力に、「知事、市町村長は再稼働に合意するな!」という声を高く、大きく広げ、再稼働を阻止しましょう。
工事工程説明

資 料

東海第2原発 トイレ、玄関も避難場所? 茨城近隣4県も過大算定

 避難所の収容人数の過大算定は、茨城県内にとどまらなかった。トイレや玄関ロビー、倉庫など避難場所になり得ない「非居住スペース」を除外せず、収容人数が過大算定されていた日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の広域避難計画。毎日新聞の報道で、茨城県内15市町村の避難所に過大算定があり、現時点での収容人数の不足が2万人分を超えることが発覚したが、事故時に避難者を受け入れる予定の埼玉、栃木、群馬、千葉県内にも過大算定の避難所があることが新たに判明した。

栃木、千葉、群馬、埼玉も認める

 茨城県は東海第2原発で事故が起きた場合、原発から半径30キロ圏内の住民ら約94万人を圏外に避難させる計画を作り、30キロ圏内の14市町村はそれぞれ、茨城県内の30市町村、県外の101市町村と避難者の受け入れに関する協定を結んでいる。具体的には茨城県内の自治体へ39万3000人∇福島県へ25万6000人∇栃木県へ13万1000人∇千葉県へ7万5000人∇群馬県へ4万5000人∇埼玉県へ3万9000人がそれぞれ避難する。
 毎日新聞が、避難先となる福島、栃木、千葉、群馬、埼玉の5県に取材したところ、福島県を除く4県は、避難所の収容人数を過大算定した自治体があることを認めた。茨城県内と同様、「1人当たりのスペースは2平方メートル」と計算し、トイレや倉庫などの「非居住スペース」を含む総面積を単純に2で割った数を収容人数として集計していたとみられる。
 福島を除く各県の避難所調査は、茨城の要請で2015年以降に行われたもので、千葉県と埼玉県の担当者は取材に「茨城県が示した方法に基づき調査した」との理由で、県として再調査しない考えを示した。過大算定によって避難所不足が生じても、「それぞれの市町が協定を結ぶ(30キロ圏内の)茨城県の自治体と調整するよう求める」と説明した。
 群馬、栃木の両県は毎日新聞の報道を受け、過去の避難所調査を検証した。群馬県が避難先に予定されている8市町に問い合わせたところ、4市町が過大算定を認めたという。栃木県も調査資料を精査したところ、過大算定の可能性がある自治体があったという。実際、栃木県足利市は毎日新聞の取材に過大算定を認めた。

 一方、福島県はもともと、東京電力福島第1、第2原発の避難計画を策定するために避難所調査をしており、居住スペースだけで集計しているという。原子力安全対策課の担当者は「原発事故の避難経験を踏まえて調査しているので、過大算定の市町村はないと考えている」と説明した。

新型コロナで迫られるスペース確保

 収容人数の過大算定は、自然災害時の地域防災計画にも影響する。原発事故であろうと、自然災害であろうと、使う避難所は同じだからだ。各自治体は新型コロナウイルス対策で避難者1人あたりの居住スペース拡大を迫られておち、過大算定が判明した市町村は非居住スペースを除いて、再算定せざるを得ない。
 毎日新聞の取材に過大算定を認めた千葉県流山市は、市内にある小中高計11校に水戸市民約6000人を受け入れる予定になっている。算定を見直した場合、避難所が不足する恐れがある。流山市の担当者は「すぐには再算定できないが、新型コロナ対策もあり、すべて見直されなければならない」と話す。

✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢✢

イラスト1


今月の 川柳

非核の火あつい熱いと総理逃げ 
   アメリカも弱者救済云いはじめ
原発の中味見たいとメガネ買い 
   デジタル庁ヘソの中まで覗きこみ 
メーデーの歌はいづこに五月晴れ 
   化け物のように改憲また叫び 
東京の空はまっ黒オスプレイ 
   ため息が格差の風にかき消され 
護憲風田植えの音を野にはこび
   雷がやんで大空虹の橋 
 

 


泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)

イベント中止の緊急連絡!

第14回自治体セミナー(6月27日(日)開催予定)は、新型コロナ感染状況を考え、中止することといたしました。

第14回 茨城自治体セミナー
— 地域住民が安心安全に暮らせるために ―

2015年9月鬼怒川 川島橋付近上空から (2)

2015年9月鬼怒川 川島橋付近上空から

● 期日 2021年6月27日(日)13:00開会(12:30受付)
● 会場 結城市民文化センター アクロス 小ホール
● 講演 『自然災害の教訓と課題から学ぶ これからの自治体防災計画』
中村 八郎 氏(NPO法人くらしの安全安心サポーター理事長)
● 報告 (2015年9月の関東・東北豪雨災害 2019年台風19号災害)
1.結城市の被害状況  2.県立鬼怒商高の二度の水害報告
3.水戸市の被害状況と対策
● 主催 第14回茨城自治体セミナ-運営委員会
 〔茨城県自治体労働組合連合,茨城県自治体問題研究所,結城市職員組合〕
       
℡ 0298(64)2548  029(252)5440   0296(33)0504

● 後援 結城市(予定)

}}

第4回理事会および総会のご案内

第4回理事会 
日時 : 7月7日(水)午後6時30分 場所 : 水戸市「ミオス」
1 組織拡大期間の取組みについて
2 第14回自治体セミナーについて
3 第63回自治体学校について

第57回総会
日時 : 8月1日(日)午後1時30分 場所 : 茨城自治労連会館
記念講話 :「東海第2原発差し止め裁判の判決について」
講師:弁護士:丸山幸司氏 (水戸翔合同法律事務所)

第63回自治体学校全体会と分科会について

 今年の自治体学校は、コロナ禍の感染拡大によりすべてオンライインに切り替えます。
 「住民と自治」6月号には修正の印刷が間に合わず原案のままになっていますのでご注意ください。
  
「下記のご案内のリーフレット」の内容で開催いたしますのでご確認ください。

 なお、昨年と同じ形になりなすが、全体会のうち内山節先生の記念講演と岡田知弘理事長の特別講演2本をDVD化してそれを分科会参加者に付録として配布いたします。
 また、分科会は次の日程によりZoom方式で開催しますのでご参加のほどよろしくお願いいたします。

分科会
Zoom開催/2021年7月17日(土)・18日(日)・24日(土)・25日(日)・31日(土)

詳細はパンフレットを参照ください。

案内のリーフレット抜粋

危機を乗り越え、いのちとくらしを支える自治体の役割
in
第63回 自治体学校   DVD +Zoom

                                                

 第63回自治体学校は、新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、昨年と同じように全体会として予定した2つの講演をDVDに収めご参加のみなさまにお送りする形をとります。

なお、分科会は下記の日程でZoom開催いたします。
分科会:Zoom開催/2021年7月17日(土)・18日(日)・24日(土)・25日(日)・31日(土)

記念講演 内山 節(哲学者)「コロナから何を学ぶか」(DVD収録)
 私たちはこれから、コロナ下の政治と社会変容によってもたらされた、さまざまな荒廃と向き合わなければならなくなるでしょう。人々の孤立化と分断がすすみ、地域間の分断もこの社会を衰弱させています。ゆえに、コロナと向き合うだけではなく、コロナ下の社会と向き合うことが私たちの課題になったといってもよい。この課題に応えるために、かつてのファシズム下のドイツを振り返りながら危機と政治の関係を考え、同時にこれからの方向性として、地域自治や国と地方、地域の関係のとらえ直しと、これからの社会のあり方を検討します。

特別講演 岡田 知弘(自治問県理事長・京大教授)「地方自治をめぐる情勢と対抗軸」(DVD収録)
 コロナ禍2年目に入り、住民の命と暮らしを守るべき地方自治体の役割が問われています。これに対して、菅政権は第32次地方制度調査会答申に沿った形で、デジタル化や市場化を最優先した制度改革や業務改善、自治体政策を推進しつつあります。現局面における地方自治をめぐる情勢を俯瞰するとともに、住民の福祉の向上を図るための対抗軸と展望を明らかにしたいと思います。

第63回自治体学校実行委員会
事務局 〒162-8512 東京都新宿区矢来町123 矢来ビル4階 自治体問題研究所内

分科会・講座(Zoom)
●今回はコロナ禍を考え、分科会はZoom開催とします。Zoomの参加情報はお申込みされた方のみに後日ご案内します。
●開催日時は、断らない限り「午前」は午前10時~12時、「午後」は午後1時~3時の開講です。分科会。講座・交流会は先着80名受付とさせていただきます。

7月24日仕)午前年後 
●全世代型社会保障と介護保険
助言者:芝田英昭(立教大学教授)
「全世代型」の名のもとで、介護という本来最も人間らしい仕事に対し、効率性や収益性が押し付けられて来ています。

7月18日(日)午前・午後 
●地域医療と公立病院のゆくえ
助言者:太田 正(現地実行委員長・作新学院大学名誉教授)
 新型コロナのもとで住民の命が脅かされるとともに、医療体制の脆弱さが改めて浮き彫りになっています。

7月17日(土)午前 
●コロナ禍、子ども・子育て支援
助言者:増山 均(早稲田大学名誉教授)
 コロナ禍であきらかになった子どもの状況や子育て支援の課題を、子供の権利から考えます。

7月24日仕)午前・午後 
●自治体民営化ー「公共」の変質
助言者:尾林 芳匡(弁護士)
 窓口業務体育施設・公園・図書館・保育・学校プールをはじめとする自治体の民営化、学校や公共施設の続廃合は、住民にとって深刻な問題をはらんでいます。

7月17日仕)13:00~17:00 
●水道広域化と民営化
助言者:武田 かおり(AMネット)
 国は、都道府県主導で広域化を推進し、広域化計画に基礎自治体議会の議決は必要なく、広域水道に住民の声はとどきません。

7月24日(土)午前・午後 
●自治体のデジタル化、公務労働
助言者:黒田兼―(明治大学名誉教授)
 地方行政のデジタル化は自治体業務を変質させ、アウトソーシングを加速させる可能性が大きい。

7月17日(土)午前・午後
■持続可能な循環型経済
助言者:吉田 敬―(駒沢大学名誉教授)
 地域経済をどう立て直すか、その軸になるのは循環型地域経済、地域の資源を生かした地域づくりです。

7月18日(日)午後 
■ 講座 自治体財政の仕組み、
講 師:川瀬 憲子(自治体学校長・静岡大学教授)
 自治体財政の基本的なしくみを解説した上で、国と地方の財政関係、「地方創生」政策、新型コロナ対策による地方財政への影響等について解題します。

7月31日(土)午前・午後 
■地域の公共交通を考える
助言者:西村茂(金沢大学名誉教授)
 感染拡大リスクが高い「鉄道、電車、バス、飛行機」の利用は減少し、「自家用専、自転車」の復権が。

交流会(Zoom)
7月17日(土)午後15:00~1630 
 「わたしのまち、あなたのまちの生活保護を考える」
よびかけ入:横山英昭 (全国公的扶助研究会)・田川英信(全国生活と健康を守る連合会)
 自治体学校参加者なら、どなたも無料で参加いただけます。
 新型コロナ禍で困窮が広がる中、私たちの命と暮らしを守る最後の砦である生活保護制度が使いやすいものになっているでしょうか。保護基準の引き下げは違法との大阪地裁判決の意義をお伝えし各地の取り組みを交流します。

************


新刊紹介

社会保障法 ――権利としての社会保障の再構築に向けて

伊藤周平著

A5判 定価(本体3200 円+税)

書籍の内容
暮らしのなかから社会保障を考えるために
 社会保障の削減が進む現在、生存権侵害という観点から社会保障のあり方を追究する。章ごとにひとつのテーマ、公的扶助(生活保護)、年金、社会手当、医療保障、労働保険、社会福祉を取り上げ、憲法との関係から現状の不備を検証する。社会保障法の全体像をとらえた最新、最適なテキストにとどまらず、暮らしを社会保障から見直そうする人たち必携の一冊。社会保障法辞典としても使える事項・判例索引完備。

「公共私」・「広域」の連携と自治の課題

榊原秀訓・岡田知弘・白藤博行編著

A5判 定価(本体2300 円+税)

書籍の内容
 コロナ禍への対応を理由として「行政のデジタル化」が最優先で進められている。地方自治制度の抜本的な改変をねらう「自治体戦略2040 構想」とその具体化を諮問された第32 次地制調の答申は、自治体の事務の標準化(統一化)や全国的なクラウド化などのデジタル化具体策とどう関係するのか。また、「組織の枠超えとしての公共私の連携」論や「地域の枠越えとしての広域連携」論は、デジタル化でどう具体化されようとしているのか。
 コロナ禍の下で国が進めている地方自治制度再編の動向を分析し、自律・自治の自治体論を考える。
地域と自治体 第39集

準新刊

『検証 介護保険施行20年 ―介護保障は達成できたのか』

芝田 英昭(編著), 河合 克義, 服部 万里子, 井口 克郎, 日下部 雅喜, 森 周子:金 滉垣, 鈴木 森夫, 藤原 るか(著)

¥2,420(税込)・発行年月日: 2020/12/15 ページ数: 248ページ ・本のサイズ: A5

介護保険施行20 (2)

書籍の内容
介護の危機をのりこえるために
介護保険が目的とした「社会的入院の解消」「介護の社会化」「介護離職の解消」等は達成できたのか。果たして介護保険は必要とするサービスを提供しているのか、市場化・営利に走る介護現場の深刻な人材不足、保険者である市町村の混乱をどうするのかなど、介護保険が高齢者福祉に与えた影響をとらえつつ考察する。
 また、介護保険の利用当事者として「認知症の人と家族の会」の運動を跡づけ、劣悪な労働環境に置かれる在宅介護の現場を実態報告する。併せて、同様な介護保険制度をもつドイツ、韓国の現状レポートを収録。権利としての社会保障の視点から「介護保障とは何か」を総合的にとらえる。

コロナ禍のなか、自治体はどう予算を編成するのか

新型コロナ対策と自治体財政

平岡和久・森 裕之著
A5判 144頁 定価(本体1500 円+税)

Ⅰ部 新型コロナ対策と自治体財政の動向・課題
 1 新型コロナ対策と自治体財政
   新型コロナ禍の地域経済/ 自然災害としてのコロナ禍と政策のあり方/ 新型コロナ第一波と対策の問題点、教訓/ 自治体財政の仕組みと見方/ 政府のコロナ対策と補正予算/ 地域経済対策の展開と課題/ 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金/ 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金/ 自治体の独自対策と財源確保策/ 政府の対策と財政政策の課題/ 第二波、第三波における自治体の対策と財政運営の課題
 2 都道府県、政令市、中核市の財政担当課へのアンケート調査から見るコロナ対策と自治体財政の課題 アンケート調査の概要/ 各自治体の財政状況と補正予算
 3 自治体財政運営の課題
  今後10 年以上にわたる地方財政の混乱/ 短期的な財政運営/ 中長期的な財政運営/ 国による行財政措置
Ⅱ部 資料 アンケート回答内容
 資料1 コロナ対策と財政に関する都道府県アンケートの回答の整理/ 資料2 コロナ対策と財政に関する政令市アンケートの回答の整理/ 資料3 コロナ対策と財政に関する中核市アンケートの回答の整理/ 資料4 自治体のコロナ対策と補正予算に関する事例

新刊

自治体は国のデジタル端末になるのか?

デジタル化でどうなる暮らしと地方自治

白藤博行・自治体問題研究所編
A5判 定価(本体1400 円+税)

 コロナ禍のなかで、行政のデジタル化が声高に叫ばれ、官民で国民・住民の個人情報を利活用しようという政策が進んでいる。その基盤づくりとして、行政のレベルでは戸籍・税務・健康保険など自治体の行う事務の「標準化・統一化」と全国レベルでのクラウド化が、国民・住民にはマイナンバーカードの取得が推進されている。
 しかし、この仕組みでは、国民・住民の個人情報の大規模な漏洩が危惧されることや、国民・住民が自己の情報をコントロールする権利の保障がどうなるかなど、検討されるべき課題も多い。
 政府が進めているIT 戦略の内容にそって、行政デジタル化が暮らしや自治体行政に何をもたらすかを考える。 

地域の病院は命の砦
― 地域医療をつくる政策と行動 ―

横山壽一・長友薫輝編著

A5判 ・並製カバー・160 頁 定価(本体1300 円+税)

地域の病院がなくなる?!
 病院は、地域で暮らし続けるために欠くことができません。ところが、国は、町や村に1 つしかない病院をふくめて、全国424 の公立・公的病院を名指しし、統合再編を含めた病床削減計画の提出を自治体に求めています。そこには、「地域医療構想」の早期実現という政策があります。
 本書では、地域医療を取り巻く情勢を整理した上で、「地域医療構想」とはなにか、「地域医療構想」が病院再編とどう連動しているか、地域医療を守り発展させるための政策や課題をどう考えていくかなどについて、各地の実践にそいながら紹介します。

主な内容
地域医療を守る 住江憲勇/眞木高之/尾関俊紀
第Ⅰ部 地域医療をとりまく情勢
社会保障改革と地域医療 横山壽一
第Ⅱ部 地域医療をつくる政策と行動
1 地域医療構想と地域づくり 長友薫輝
2 424 病院リストの根拠「診療実績データの分析」のねらいと問題点 塩見 正
第Ⅲ部 地域医療の現場
1 難病医療の拠点・国立徳島病院を守る 井上 純
2 広大・多雪・寒冷な北海道の地域医療を守れ 沢野 天
3 三重県の地域医療構想と公立・公的病院の再編・統合 新家忠文
4 愛知県の実態から考える大都市圏域における地域医療構想の問題点 長尾 実
5 京都の地域医療構想にかかわる諸課題と地域医療実態調査の取り組み 塩見 正

  資料 厚生労働省が再編統合の検討を求めた公立・公的病院424 施設

「競争の時代」の国・地方財政関係論
競争の時代に一般財源は自治体の自由になるのか!

中島正博著

A5判・上製カバー・228 頁/定価(本体2500 円+税)

 1980 年代後半からの30 年間の国と地方の財政関係を地方財政計画に基づいて分析する。この30 年間を「地方分権さきがけ
「財政構造改革期」「競争の時代」に分け、地方財政計画が地方の財源保障機能から競争を前提にしたシステムへと変容する様子を追う。そこでは分権と集権のせめぎ合いを観察し、「一般財源」が本当に自治体の自由になっているかを検証する。併せて、地域振興政策として島根県海士町の定住政策、宮崎県西米良村の人口減少対策を紹介する。

序 章 本書の目的と課題 
第1 章 地方財政計画と地方交付税 
第2 章 地方財政の構造変化と計画・決算のかい離 
第3 章 定住政策と地方交付税
第4 章 地方創生と地方交付税
第5 章 地方財政における「自由な財源」とは何か
終 章 「競争の時代」の国・地方財政関係


疾病に苦しむ人が、だれでも、どこでも、いつでも無償で医療が受けられる社会を求めて!
『医療保険「一部負担」の根拠を追うー 厚生労働白書では何が語られたのか』 

芝田英昭著
A5判・並製カバー・180頁 定価(本体1800円+税)

 
 1962 年以降の皆保険体制の下、日本の医療保険は大きく発展してきた。しかし、国庫負担、患者の一部負担は、「厚生労働白書」から読み取れるように、時々の経済情勢、財政的制約から導き出されたものであり、決して人権思想が反映された結果とは言えなかった。今、国民から求められているのは、基本的人権を基軸にした社会保障の構築であり、その基礎にあるのが、人間の尊厳であり人権思想なのである。
 疾病に苦しむ人はたくさんいる。そのだれもが、いつでも、どこでも、無償で医療が受けられる社会の実現に向けて、「権利としての社会保障」の観点から論究する。

プロローグ●健康は自己責任か
第1章●医療保険「一部負担」の意味とは
①医療保険における一部負担の制度的根拠 
②社会保障審議会等の歴史的文書に見る医療保険における一部負担の考え方
第2章●『厚生労働白書』(『厚生白書』)に見る医療保険「一部負担」記述の変遷
1950年代厚生白書/1960年代厚生白書/1970年代厚生白書/1980年代厚生白/1990年代厚生白書
2000年代厚生労働白書/2010年代厚生労働白書
第3章●医療保険一部負担に関する先行研究
①厚生労働白書は医療保険「一部負担」の根拠を示せたか ②モラルハザード、濫用防止は心理的圧力 ③医療サービスは「私的財」なのか
第4章●一部負担の受診抑制と世界のトレンド
①一部負担と受診抑制 ②一部負担増による受診抑制の研究事例 ③一部負担無料化の意義
第5章●医療保険の保険料・一部負担の未来展望
①社会保険に一部負担は必要か ②国保保険料の応益割と保険料上限の廃止 ③健康保険における標準報酬月額の上限を撤廃すべき ④健康保険から排除される被用者と無保険問題
第6章●人権としての社会保障と能力の共同性
①社会保障を考える基本的視点としての尊厳と人権 ②人間の尊厳の要素としての人格 ③日本国憲法に見る社会保障と人権 ④能力の共同生から社会保険料応能負担の根拠を考える

問い直そう税金―消費税増税ではない別の選択肢がある! 
鶴田廣巳・藤永のぶよ編著『税金は何のためにあるの』
              A5判 定価(本体1000 円+税)

 税の目的、仕組みと問題点、改革の方向について入門的に解説し、わが国の税制全体を問い直すことで、消費税増税ではない別の選択肢があることを明らかにします。

本書を推薦します 白藤博行氏(専修大学法学部教授)

 法律の世界では、租税法律主義といって、納税者の権利を守る大原則があります。でも、私たちは、日ごろ税の中身のことをどこまで考えているでしょうか。消費税が上がるといっても、「またか」で終わっていませんか。私たちは、公共サービスを受給する権利がありますが、税を公平に負担する義務もあります。ですから税
の集め方や使い道を、主権者としてしっかりと考えなければなりません。

 私たちは居酒屋でビール1 本の追加を迷っていますが、何百兆円もの「内部留保」がある大企業は、労働者に相応の賃金を払い、まっとうな法人税を納めているのでしょうか。主権者の税への無関心は、悪政を助長します。「税のバイブル」である本書を読んで、賢い主権者・納税者になりましょう。

『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし』
働く人の労働条件・事業者の経営環境・地域産業振興を一体で改善するみち

永山利和・中村重美著

A5判/定価(本体2000 円+税)

 公共工事や公共サービスの低価格受注が広がり、疎漏工事や官製ワーキング・プアが問題となってきた。
この課題を解決する公契約条例の意味と実際(世田谷区・野田市など)を紹介する。

世田谷区長・ジャーナリスト 保坂展人とさん推薦
 8年がかりの粘り強い運動により区議会全会一致で成立した世田谷区公契約条例は2014 年に成立後も改善と進化を遂げていく。2019年には労働報酬下限額を1,070 円とする。全国に拡がる公契約条例の基礎から今後の課題等必携の一冊。

『新版 自治体の財政』 
まちの財政のしくみを分かりやすく解説! 自治体財政入門書

初村尤而著(都市行政コンサルタント)
   A5判 定価(本体2000円+税)

 暮らしのなかのお金の流れに注目して、予算書・決算書を読みます。公共サービスのあらましをたどって、歳入・歳出のしくみを解説します。そして、地方交付税、基準財政需要額や財政健全化指標、企業会計など自治体財政に欠かせない用語も分かりやすく説明し、数字に隠れた市民生活や地域の現状へといざないます。
主な内容
第1章 私たちの暮らしと財政
第2章 予算書、決算書を読んでみよう
第3章 歳出(経費)のしくみ
第4章 歳入(財源)のしくみ
第5章 さまざまな自治体財政
第6章 地方公営企業のしくみ
第7章 わがまちの財政健全度を量る指標
第8章 自治体財政のあり方を考える
終 章 財政数値との向き合い方

「自治体戦略2040構想」と地方自治

白藤博行・岡田知弘・平岡和久著 

A5判/定価(本体1000 円+税)

 アベノミクスの失敗で疲弊が続く地方。住民のいのちと暮らしを守る市町村の役割が再認識されている。
 ところが、政府は、連携中枢都市圏(や定住自立圏)のような「圏域」を地方行政の単位として法制化し、住民サービスも自治体間で「標準化」「共通化」「広域化」しAI やロボットそして民間企業に任せ、公務員は半減させるなど、地方自治を骨抜きにすることを狙っている。これらは、「自治体戦略2040 構想」という研究会報告として公表され、法制化への議論とともに、地方財政政策などを通じて具体化も始まった。
 本書では、「自治体戦略2040 構想」とは何か、地方自治の姿をどう変えると予想されるのか、憲法と地方自治法が示す自治の視点から見たときに何が問題となるのかについて、解説する。

「豪雨災害と自治体 防災・減災を考える」

A5判・並製・160 頁/定価(本体1600 円+税)

 豪雨災害はどのように発生し、どう対応すべきか?
 毎年のように豪雨災害が猛威を振るっている。その原因・メカニズムを気象学、被害の拡大を地質学から追究し(寺尾徹、田結庄良昭)、2018 年の豪雨が各地にどのような災害をもたらしたか、現地からの詳細な報告を収める(磯部作、越智秀二、村田武、山藤篤、松岡淳、小淵港、田結庄良昭、池田豊)。そして、このような災害に対して自治体はどう対応すればよいのか、防災と減災の視点から問う(室崎益輝、塩崎賢明、有田洋明)。

「水道の民営化・広域化を考える(改訂版)

尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー184 頁/定価(本体1700 円+税)

 改正水道法成立!「いのちの水」をどうする。2018 年12 月6 日、改正水道法が成立した。多くの庶民の疑問、マスメディアでの反論をものともせず、既定方針のように審議を通した。水道が生き残るには、民営化、広域化しかないのか。すでに、各地で起こっている「水」めぐる民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくか多角的に考える。

『人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望』

中山 徹(著)

発行年月日:2018/11/15  1,200円+税  A5 112ページ

 人口減少に歯止めがかからず、東京一極集中はさらに進む。自治体そのものを見直そうとする「2040構想」も始動した。こうしたなか、保守と革新の共同による「市民共同自治体」の動きも出始めている。地域が大きく再編されようとしている今、市民と地域を守るためにはどうしたらよいのか。「市民共同自治体」を提唱して、市民のニーズを政策に活かす方法を考える。

目次
はじめに
 1章 新自由主義による国土・地域・コミュニティの再編
  なぜ国土・地域・コミュニティの再編なのか
  再編の具体的内容とそれを進める政策
  自治体再編の方向性
  再編のコンセプトと進め方
 2章 自治体の動向と市民共同自治体への展望
  開発型自治体と削減型自治体
  市民共同自治体の誕生
  市民共同自治体の展望
 3章 市民共同自治体の政策
  政策の基本的な枠組み
  すべての主要施策に格差是正を貫く
  地域のまとまりをどのようにして創り出すのか
  行政責任を明らかにする
  なぜ市民参加が重要なのか

原発再稼働と自治体
―民意が動かす「3つの検証」― 新潟県はその出口を探す先頭に立っている
立石雅昭・にいがた自治体研究所編

A5判 定価(本体1200 円+税)

 福島原発事故から7 年半。控えられていた原発の再稼働が復活してきているが、それでも再稼働はスムーズに進んでいるとは言いがたい。それは、国民の過半数が原発再稼働に懐疑的であり、反原発・脱原発の世論が強く根を張っているためである。世界最大の柏崎刈羽原発を有する新潟県は「3 つの検証」―事故原因の検証、健康と生活に及ぼす影響の検証、安全な避難方法の検証―を掲げて福島原発事故の検証を行っている。その活動の意味を問う。

序 原発立地自治体・地元自治体に問われていること 池内 了
1 新潟県検証委員会の活動の意味 大矢健吉
2 技術委員会の検証―明らかにしてきたことと引き続く課題 立石雅昭
3 原発事故による避難(新潟県内避難者)生活の現状と課題 松井克浩
4 原子力災害がもたらした避難(福島県相双地区)生活の実態  丹波史紀
5 避難計画をめぐって 佐々木寛
6 柏崎刈羽原発をめぐる原子力安全協定とその法的性質 石崎誠也
7 原発立地都市・柏崎市の地域と経済 保母武彦

どこを目指す !! 自治体戦略2040構想
― 研究会報告の概要と問題点、課題 ―

A5版・24頁  定価250円(地域研卸単価200円)

地域研の皆様へ
 地域研の皆様には日頃から大変お世話になっています。
 さて、自治体戦略2040構想研究会の最終報告が7月に公表されました。構想研は「2040年頃をターゲットに人口構造の変化に対応した自治体行政のあり方を検討する」として2017年10月に設置された総務省の有識者研究会です。
 その趣旨は「高齢化がピークを迎え、若い勤労者が激減する2040年頃の姿から自治体の課題を逆算する形で整理し、今の半数の職員でも対応できる仕組みを構築」するというもので、それは今日の地方自治、自治体のあり方を抜本的に見直し再編していくものです。 
 これを受けて、同月に第32次地方制度調査会が設置され、この内容が諮問されました。
 地制調に諮問したということは、その結果を踏まえて法制度改革を行うということです。
 私たちも地制調での議論を見極め、内容を検証し、対置政策を示して世論を喚起していくことが必要です。そのため研究所ではまず構想研報告の内容を知らせ、問題点、課題を明らかにしていくことが急務と考え、今回、職場や地域等での学習会向けに標記ブックレットを緊急に発行しましたので1冊送付(贈呈)します。また、皆様には割引単価を設けましたので、普及(490部)にもご協力をお願いします。
 なお、ブックレットの表題、目次、報告表題の「自治体戦略2040年構想」は誤記で、正しくは「自治体戦略2040構想」ですので正誤表を入れてあります。

  • - - -
    はじめに  岡田 知弘
    自治体戦略2040構想研究会報告の概要と問題点、課題- 角田英昭 
    1.構想研報告の概要 
    2.構想研報告の問題点、課題

既刊ブックレットもお手元に!      
どこを目指す、自治体戦略2040構想(A5 ・ 24頁) 200円   
原発災害避難自治体の現況と復興、自治の課題(A5 ・ 40頁)300円   
どこを目指す、公共施設等総合管理計画(A5 ・ 40頁)300円   

「いのちの水」をどう守っていくのか!

水道の民営化・広域化を考える
尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー180 頁/定価(本体1700 円+税)

 老朽化、料金6 割上昇、人口減に維持困難……、これらは水道について語られる危機だ。国は水道法改正を視野に入れ、民営化と広域化を推し進め、この危機を乗り越えようとしている。しかし、こ
の方向は正しいのか。すでに、各地で始まっている民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくのか多角的に考える。
目次から
プロローグ●水をめぐるウソ・ホント 解説● 2018 年水道法改正とは
Ⅰ 水をめぐる広域化と民営化の現場
イントロダクション ●各地で具体化する広域化・民営化の動き/ 香川県●県主導の水道広域化の矛盾/ 宮城県●水道事業へのコンセッション導入の問題点/ 浜松市●下水道処理場のコンセッシ ョン化問題/ 京都府●簡易水道と上水道の統合/ 奈良県●奈良市中山間地域の上下水道のコンセッション計画/ 埼玉県●秩父郡小鹿野町民の水源・浄水場を守る運動/ 大阪市●市民が止めた水 道民営化/滋賀県●大津市のガス事業コンセッション
Ⅱ 水をめぐる広域化・民営化の論点
上水道インフラの更新における広域性と効率性/水道の民営化・広域化を考える

川瀬 光義『基地と財政 ー 沖縄に基地を押しつける「醜い」財政政策』

A5 133頁 1600円+税

本書のねらいは、このあまりにも不条理な基地新設の「同意」を得ることを目的として日本政府が講じてきた 財政政策が、いかに醜いものであるかを示すところにあります。名護市をはじめとする沖縄本島北部地域自治体への特別な財政政策を最初に提示した当時の首相は、橋本龍太郎氏でした。そのとき、これは基地新設の見返り
かという旨の問いかけに対して橋本氏は、強く否定しました。その姿勢からは、沖縄の人々に対する後ろめたさ'を少しは感じることができました。しかしその後ろめたさ'は次第に後退し、第4章で紹介した米軍再編交付金及び再編特別補助金に至っては、政治的意見の相違によつて公的資金の配分を差別することを合法化するという、醜さの極致と言ってよいなものとなつてしまいました。

 本書を通じて、こうした醜い政策でしか維持できないような日米安全保障体制とは何なのかにつぃて、読者の皆さんが考える糸口になれば、筆者としてこれにまさる喜びはありません。

『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
         

本田宏著 (医師・NPO法人医療制度研究会副理事長)

A5判110頁 定価(本体1100円+税)

主な内容
 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著書が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて究明する。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方まで俎上に載せて検討する。

Excelを駆使して自治体の財政を分析する!
データベースで読み解く自治体財政 地方財政状況調査DB の活用

武田公子 著 金沢大学経済学経営学系教授

B 5 判94 頁 定価(本体 1600円+税)

 総務省は市町村の財政状況を表わす「地方財政状況調査DB(データベース)」をウェブサイトで公開しています。そのサイトへのアクセスから、様々なデータファイルのダウンロードと整理ファイルを使った分析手法までを、図表を駆使して分かりやすく解説します。自治体財政の全般的な動向を捉える基本的な分析方法を初め、公営企業や国民健康保険会計、公立病院事業に対する繰出金の分析、合併特例債の終了期を迎える合併自治体の財政状況の検証、そして復旧・復興に関わる被災自治体の財政分析などを実例に即して展開します。
第1章 自治体財政の制度概要と全般的動向
 地方財政の基本的な枠組み/地方財政に関する全国的動向
第2章 地方財政状況調査データベースの利用方法
 地方財政状況調査データベースの所在と意味/地方財政状況調査DB 利用の実際――歳入内訳の分析/データの整理/性質別経費の分析/目的別経費の分析
第3章 グラフの読み取りとさらなる分析方法
 グラフの作成/全国自治体に共通した動向/普通建設事業費の内訳とその財源/民生費と扶助費の関係/ 地方債の分析/積立金の動向/人件費と物件費の動向
第4章 一般会計と他会計との関係
 財政健全化判断比率と財政状況資料集/繰出金の分析/国民健康保険会計の分析/公営企業会計への繰出の詳細を調べる――病院の例
第5章 合併自治体の財政分析
 合併自治体の分析目的とデータのダウンロード/データ整理の手順/歳入グラフの読み取り/歳出グラフの読み取りと詳細データ/地方債の分析
第6章 被災自治体の財政分析
 国による財政措置/復旧・復興事業分歳入の分析/歳出の分析/災害復旧事業と普通建設事業/復旧・復興事業                            

本田宏著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
医師・NPO法人医療制度研究会副理事長

A5判110頁 定価(本体1,100円)

 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著者が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて糾弾します。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方にまで俎上に載せて追究します。

第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ

第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する

第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育

第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする

第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

************

加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

                    
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版) 
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!  

B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)

財政デザイン研究所代表理事  大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著

●基礎からステップアップまで
 決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
 財政を学ぶ心構え・分析方法
 赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
 自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税/地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか
 どこにおカネを使って

powered by HAIK 7.3.7
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional