ようこそ、茨城県自治体問題研究所のHPへ!

第109号

第109号

画像の説明

第109号

2018・01・20更新
画像の説明
元旦の偕楽園・新装の好文亭から見る=水戸市

偕楽園は「日本三名園」のひとつ。天保13年(1842年)に水戸藩第九代藩主徳川斉昭によって造園。千波湖に臨む七面山を切り開き、領内の民と偕(とも)に楽しむとして「偕楽園」に。園は梅の名所として有名だが、他にも四季折々の見所があり、春には桜、初夏には深紅のキリシマツツジ、真夏には緑あざやかな孟宗竹や杉林、秋には可憐な萩の花やモミジが見られる。眼下に広がる千波湖を望む景観は絶景。

************

画像の説明

新年のごあいさつ

茨城県自治体問題研究所理事長

田中 重博

 新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年は、県知事選挙と衆議院議員選挙という二大選挙が闘われました。周知のように、衆院選挙では、民進党の解党と希望の党への合流という野党の分断工作と小選挙区制度の下、安倍政権は改憲に必要な3分の2の議席を確保、共産党は議席を大幅に減らしながらも、立憲民主党の躍進など市民と野党の共同は守られ新たな地歩を築きました。
 また、県知事選挙では、大井川氏が現職の橋本氏の7選を阻止して当選、鶴田まこみ候補は善戦しましたが、及びませんでした。
 しかし、この闘いで県内の市民と野党の共同を一歩進めることができたのではないかと思います。皆様、お疲れさまでした。

 つくば、水戸、鉾田、神栖などで、総合運動公園、市民会館、市民交流館、アリーナなどの公共事業の計画をめぐる市民運動で、つくばでの市民運動派市長の誕生に続き、神栖市のアリーナ建設をめぐる住民投票で見直し派が勝利、さらに、鉾田、神栖の両市長選での見直し派候補の当選(10,11月)が注目されます。これらは、地方自治の主人公で主権者である市民の税金の無駄使いを許さない運動は、どんな力によっても押しとどめることはできず、やがて市民参加型の自治体改革、市政改革に行き着かざるを得ないことを示したもので、民主主義と地方自治にとつて画期的な出来事であると評価できるでしょう。

 本年は、安倍九条改憲を絶対許さない歴史的な闘い、東海第二原発再稼働阻止と20年延長阻止・廃炉の運動、12月県議会議員選挙、県民の安全、暮らし、福祉と地域経済をめぐるせめぎあいなどが激化する年になると予想されます。
 本研究所は、近年、会員・読者の減少、学習交流力や調査研究力の減退傾向などが続いており、今年は、会員・読者の皆様方の知恵と力によってそれらを乗り越える方向に一歩踏み出す年にしたいと考えています。

 皆様の力強いご支援、ご参加、ご協力を心からお願い申し上げます。

************

寄 稿

東海第二原発を再稼働させないために

川澄 敏雄

1 東海第二原発はどのような状態にあるのか

(1) 原電と原子力規制委員会の動き

 原電は、昨年11月、1年後に運転開始後40年を迎える東海第二原発を20年間運転延長すべく規制委員会に申請した。「新規制基準に適合しているか、または見通しがあること」が条件であることから、適合性審査を急ぎ、「10月までに主要な審査を終了」したことにした。実際には、11月も12月もひんぱんに、「事業者ヒアリング」を行い、水面下で審査を続けている。
 表面的には、規制委は「残った課題は、安全対策費1,800億円の調達方法を明示すること」として、それと引き換えに審査書案を発表し、パブコメおよび原子力委員会、経産省の意見聴取を経て、3月頃までには審査書を決定するものと見られている。
 続く、工事計画認可、保安規定変更認可、延長のための審査は、単なる手続きで事務的に処理で終わると言われ、今年11月までには、再稼働が認められる危険がある。

(2) 東海第二原発の位置

 運転40年超えは、関西電力高浜1・2号機、美浜3号機(何れも加圧水型)に続くものだが、沸騰水型としては初めてのことになる。福島第一原発事故を受けて改正された原子炉等規制法の「原発の運転期間を40年とする」原則規定が、事実上骨抜きにされようとしている。
 国内に残る42基の原発のうち約半数はすでに30年を超えている。政府は「エネルギー基本計画」で、「2030年までに30基程度の稼働」を示し、「そのためには60年運転は必須」としている。東海第二の20年延長はその先鞭をつけることになる。

(3) 住民のたたかい

 昨年夏の知事選では、現職が「原発再稼働反対」を言い出したが、自民党から送り込まれ元経産相官僚が当選。東海第二再稼働に反対する市民らは鶴田まこみ候補を推し、原発問題を大きな争点に引きあげた。
 民意は県内65%の住民が「反対」(2017年8月知事選時共同通信調査)、県内6割の市町村議会が廃炉または再稼働反対の意見書を提出している。
 30km圏内の6市村「原子力所在地域首長懇談会」は住民らの署名運動に後押しされ、原子力安全協定の枠組み拡大による「事前了解権」を原電に求めてきた。1月8日の茨城新聞では、「追加の安全対策を求めることによって、実質的に事前了解権が得られる」としているが、「(議論の)土俵はあくまで首長側が用意するべき」という村上前村長の期待に副えるものになるのか疑問。

2 裁判闘争のなかで明らかにできたことー東海第二は国内原発の中で最も危険な原発

 2012年7月、茨城県を中心に住民266名で、原電および国を相手に起こした東海第二原発運転差止訴訟は、これまで19回の口頭弁論を重ねてきた。昨年1月からは老朽化問題に焦点を絞って主張を展開。今年2月8日の口頭弁論で主張を終え、秋からの証人尋問に入ることを求めている。
 原電と国はのらりくらりで、法廷の場で口頭で反論することを回避してきた。このままでは判決は2021年過ぎになることが予想され、関東各地の地裁に「仮処分申請」の準備に入っている。
 訴訟団は、広範囲に情報発信すべくホームページの開設を準備中である。

(1) 3.11で明らかになった東海第二原発の脆弱さ

 2日前に防波壁が完成していたことから、非常用ディーゼル発電機の全滅は免れた。だが、1台の非常用ディーゼル発電機冷却用海水ポンプが水没したことから、残留熱除去系は片肺運転となり、冷温停止までに3日半もかかる事態となった。(通常1日程度)
 原告の要求に応じて原電が提出した被災時のプラントデータを見ると、スクラム(原子炉緊急停止)直後1時間以上も原子炉広域位がプロセスコンピュータに記録されていなかった。水位計の電源を繋ぎ直したものの、再び計測器ダウンで燃料棒上部の広域水位計の4系統のうち3系統が喪失している。原電は「スクラム直後の水位計電源喪失、水位測定不能は設計どおりの事、記録がなくても表示計を見ていた」と強弁した。
 非常用ディーゼル発電機2Cが停止後、格納容器上部温度が一気に上昇し141℃を記録。圧力容器上部接合部からの蒸気噴出や主蒸気逃し安全弁破損による噴出があった可能性がある。原告の「小LOCA(配管などの破損で冷却水が大量に失われる事故)の可能性」の指摘に対し、原電はなんら説明できず、全容は未だ明らかにされていない。竈(かまど)副所長は「自分は中央制御室にいたが、格納容器が141℃になったという認識はない」などと、とんでもないウソを住民説明会で述べた。

(2)「旧い設計」の原発を動かすのはことさら危険。設計や立地は変えられない

 東海第二は、1970年代初頭の「旧い設計」で火災防護や地震・津波に対する設計思想が極めて不十分な時代のGE(ゼネラル・エレクトリック社)の設計で、日立製作所が下請けとなって施工した。1970年代に建設した沸騰水型で、廃炉を決めていないのは、唯一、東海第二のみとなっている。
 原電は電力他社と比して、飛び抜けて機器故障・トラブルが多い。原電は、「パイオニアだから」と弁解するかも知れないが、それだけでは、説明できず、保守管理能力、運転能力に疑いを抱かざるを得ない。
 東海第二のトラブル発生件数を時系列で見ると、初期のトラブルの多さに加え、30年を迎える辺りから再びトラブル件数は上昇し、「バスタブ曲線」そのものを描いている。バスタブ曲線とは、一般的に装置、機器の故障発生ひん度の変化をグラフにした場合、バスタブ(浴槽)の輪郭に似た曲線になることから、装置の寿命を判断する材料にされる。

* 耐震設計は180ガルに耐えられる設計で建設されたが、次第に引き上げられ、現時点では、基準地震動1,009ガルに耐えられることが要求されている。震災後のストレステストではクリフエッジ(圧力容器を支えるスタビライザの設計上の破壊点)は1,038ガルとされ、基準地震動が1,009ガルに対し、耐震裕度はほとんどない。

 腐食、ひび割れ、減肉も大きな問題であるが、運転延長申請時に規制委員会と茨城県に提出した報告書では「有意な欠陥は認められなかった」という言葉を繰り返すだけで、規制委、県安全性ワーキングチーム(以下、県WTと略す)も、「データがなければ、判断できない」と厳しく指摘されている。 

* 難燃性ケーブル義務付け前に建設された東海第二にの全長1,400kmにも及ぶ電気ケーブルは、ほとんどが非難燃性(燃え易い)で、放射線照射による脆化対策がなされていないものであり、人体に有害であるアスベストを含む延焼防止塗料がベッタリと塗られている。「安全対策」では、難燃性(燃えにくい)ケーブルへの交換は半数に留まり、ケーブルトレイごと「防火シート」でくるむことで規制委員会は合格を出す構えである。

 茨城県WTが2017年8月の会合で、「(シートの)中で温度が上がって、被覆が溶け、電線同士の抵抗(絶縁)が損なわれるのではないか。火災は大丈夫だとしても、肝心の信号が伝達できなくなってしまう」と言う、まともな指摘をした。ところが、規制委員会の審査会合では、ケーブルの「防火対策」という面からの審査のみで、ケーブルの機能の健全性や耐用年数=寿命については、審査されなかった。新規制基準がそれで良しとしているからではあろうが、大きな問題である。
※ 難燃性ケーブルを不燃性と呼んだり、非難燃性を可燃性と呼ぶのは、正しくない。
 

* 地階に、電源室や非常用ディーゼル発電機などが置かれ、津波に弱く、分散配置の思想がないがゆえに、安全系機器が複数あるとは言っても、まとまって配置されているので、一旦火災が起きたら、被害を片系列だけに止めるのはきわめて困難である。

☆ 岩見浩造氏のブログ参照
http://iwamin12.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/bwr-5-1ff3.html

 東海第二は、海抜8mという、他の原発と比して最も低い敷地に立地し、「津波による炉心損傷の危険が日本一高い原発」とされる。20mの防潮堤を設置しても、それ以上の津波に襲われたら、敷地内は水深十数メートルのプールになることが予想され、規制委員会審査では、「何が起きるかわからない」とされている。原告らの試算では50mを超える津波が想定される。

 3.11では、発電所構内の地盤の液状化が発生した。液状化対策として、防潮壁の鋼管杭は地下60mの岩盤まで届くようにして防潮壁を支えることになっているが、極めて不確かなものと言わざるを得ない。
 事故を起こした福島第一原発の4基はMarkⅠ型だが、東海第二は MarkⅡ型。特有の水蒸気爆発の危険性に対しても、コアキャッチャーを設けずペデスタルに1mの深さで水をためておいて受け止めるなどという小細工で対処しようとしているが、極めて危ういものと言わざるをえない。

(3) 「同時複合災害」は、想定されていない

 「複合災害」と言うと、東海第二以外の場合は、地震・津波などの天災と原発事故が重なった場合の事を言うが、東海第二においては、それに加えて、他の核施設との複合災害を想定する必要がある。東海第二から南に3km弱のところに、原子力研究機構「東海再処理施設」があり、施設の廃止は決まったものの、大量の高レベル放射性廃棄物が危険な状態で保管されている。「潜在的ハザードリスク」として規制審査を棚上げにして、言わば超法規的にプルトニウム廃液の粉末化が行われた。高レベル廃液ガラス固化は、12年かかる予定と言うが、装置のトラブルで停止中であり見通しはたっていない。
 3.11の際には、外部電源や工業用水の供給が止まり、大変な状態が続いたことは、茨城県が発行した『東日本大震災の記録~原子力災害編~』に出ている。電源や工業用水が長時間にわたって遮断するような事態があれば、廃液の冷却ができなくなり、沸騰・蒸発して、外部に流出する恐れがある。東海第二の管理どころではなくなる。先に、東海第二で事故が発生した場合も同様である。

 この再処理施設を初めとする核施設との同時複合災害について何ら評価されていない。「東海村は、原子力のデパート」(更田規制委員長)と言いながら、規制委員会は複合災害の評価を「今後の課題」に棚上げしたままである。茨城県としても、2017年3月議会で橋本知事(当時)は、「原子力施設が密集しているのはきわめて珍しい地域」と認めながらも、「どういう事が生ずるかについては十分検討していない」と答弁。

(4) 「経理的基礎」がなく、破綻寸前の会社が原発を運転する怖さ

 原電の経理的基礎が極めて脆弱であること、廃炉引当金の不足、再処理費用増大の経営圧迫で採算性もなく、原電の経営見通しはまったくなく破綻寸前であることを法廷で追及してきた。
 原電の維持費が、東電などとの基本契約にもとづいて電気料金に加算されて国民の負担でまかなわれている点、その電気料への転嫁を認可した経産省の責任について、原電は「東海第二は東電・東北電との共同開発品であるから発電していなくてもその維持費を負担するのは契約にもとづくもの、その源泉が国民負担かどうかは関知しない」とした。財務諸表についての求釈明に対して原電はほとんど明らかにせず隠し続けている。廃炉費用の一括減損会計の放棄、廃炉後の電気料金への転嫁という国際会計基準をも無視して、なりふり構わない国による廃炉会計制度の改変に対しても国はだんまりを決め込んでいる。
 原告らの求釈明によって原電は安全対策費の総額が当初申請430億円が1,740億円に膨れ上がることを10月26日の法廷で明らかにした。既に使ってきた350億円を含めると、2,100億円になる。11月4日の規制委員会では経理的基礎について異例の公開審査が行なわれ、1,740億円の資金調達をめぐって原電との間でやりとりが交わされた。
 経理的基礎が脆弱であれば、そもそも不確かな「安全対策」は、よりいい加減なものとならざるを得ない。過酷事故を起こせば総額50兆円とも言われる賠償責任能力はまったくなく、運転する資格はない。

(5)被ばくが前提の避難  被ばく・被害(損害)の影響も住民に明らかにせず

 規制委員会は「事故は起こりうる」ことを前提に放射能の「放出を前提」として、それを低く抑えることを安全目標にしている。規制基準の設計要件を満たせば「格納容器破損モードでセシウム137の放出量を100テラベクレルに抑えられ、半径5km以内で予防的避難、30km圏内では屋内退避することで住民の被ばくを実効線量100ミリシーベルト、甲状腺等価線量50ミリシーベルト以下に抑えられるから安全目標を達成できる」と言う。しかし、フィルター付きベント装置が作動しなかった場合はどうなるのか。原電は未だに、東海第二が過酷事故を起こした際、どれほどの影響が及ぶか、人口分布や農業、水産業、林業、商工業活動にもとづく影響評価(レベル3PRA確率論的影響評価)を住民に明らかにしていない。そもそも「実効線量100ミリシーベルト・甲状腺等価線量50ミリシーベルト以下の被ばくであれば受忍する」などという住民合意などない。
 東海第二は、ことごとく事故リスクが高い原発である。規制委員会は審査過程でこれらを看過するという過誤・欠落があり、審査をやり直さなければならない。

(6) 首都攻防へ

 30km圏内に日本一の96万人が暮らしており、150km圏内に首都圏がすっぽり入る。事故で首都も壊滅し、世界最大級の災禍を引き起こすのは必至であり、東京は「地元」となる。
 茨城県は「住民は自己判断でマイカーでの避難を」というのが広域避難計画の基本指針である。30km圏内14市町村の広域避難計画策定は困難を極めている。国は水戸市など30km圏内は「屋内退避で動くな。被ばくはガマンして低減に努めよ」としているが、非現実的である。
 それでいて「UPZまで入れて97万人、100万人近い人が同じような避難というのは本当に現実的かどうか?」(田中前規制委員長が原電村松社長に)、「UPZやUPZ外に放射性物質が及ぶような事故において、どういった放射性物質が、どれだけ、いつ放出されることを事前に知ることができるなんていうことは神話に過ぎない」(更田規制委員長)という発言が、住民にとって何を意味するかをよく考えなければならない。

 茨城県は、市町村に避難計画作成を督促するが、べきスクリーニング検査について、場所と方式さえ未だに「検討中」。県庁の機能移転については、議論さえ始めていない。事故時には県のホームページで情報を流す事にしているものの、「県庁からの避難が必要になったら不可能」と認めている。

3 東海第二廃炉の闘いは「原子力ムラ」・国の無責任に対するたたかい

 原電は自己資金は尽きており、銀行からの借金で調達せざるを得ないが、すでに2011年緊急対策費1,040億円の借金さえ銀行から長期借入を断られ、東北電、中部電、北陸電、関電が債務保証してようやく1年借換の短期借入しかできないという「信用状況」にある。
 規制委員会は設置変更許可の要件である経理的基礎の確認は「安全対策費」の調達ができるかどうかに限定し、原電という会社の安定性や将来の経営は「共同出資の会社だからあとは電事連がどう考えるかだ」「事業全体を所管するところ(経産省)の責任もある」と責任のなすりあいをしている。各電力会社は毎年1,000億円を超す原電の維持費の供出を回避するためという目先の利益で東海第二の再稼働のための債務保証を引き受けようとしている。
 そもそも、福島第一原発事故を引き起こし実質国有化されて国費22兆円が投入されている東京電力に他の原発の再稼働を応援する資格はない。
 原電は原子力の「国策民営」のリーディング会社として電力9社+電源開発の出資でつくられた原発専業会社。いずれ、最後(廃炉)まで責任を持たなければならない。だが、親会社は最後の責任=「救済」を国に押しつけようとしている。更田委員長の発言は予め牽制しているようにも見える。東海第二の20年運転延長・再稼働問題は、国の原子力政策の無責任さを象徴し、彼らの中で責任のなすり合いを演じているとも言える。

4 東海第二を廃炉にするために

 東海第二の廃炉を今年中に決着をつけられるかどうかは、住民運動の盛り上げにかかっていると言っていいのではないか。一人ひとりができることをやろう!できない事もやってみよう!火事場のばか力で。
 ①学習会、講演会、集会に参加しよう。4月14日(土)午後。小泉純一郎講演会。茨城県民文化C。
 ②東海第二原発の危険性を多くの人に知らせていこう。
 ③原子力の専門家も、力を発揮してほしい。
 ④原電の住民説明会に誘い合わせて参加しよう。(2月3日(土)AM10時半~東海文化C以降全25回)
 ⑤インターネット、SNS(特にツイッター)で、情報入手と発信を。
 ⑥規制委員会の適合性審査書案へのパブコメに意見を出そう。内容は簡単でいい。問題は数。
 ⑦県の委員会を傍聴しよう!特に、東海第二安全性検討ワーキングチーム会合。(今度は1月?日)
 ⑧市町村が開く広域避難計画説明会に参加しよう。当面、1月16日から日立市で23回。
 ⑨県内外の避難受け入れ側の実情を調べ、市町村に「県が示している人数は無理」と言わせよう。
 ⑩(議員は)議会での論戦。傍聴を。広域避難計画の実効性の無さの追及。
 ⑪未だのところは、地方議会に「再稼働反対意見書」を決議させる取り組みを。
 ⑫14(15)市町村長への働きかけを。
 ⑬規制委員会、審査会合の傍聴を!規制委員会や経産省への要請を!  ⑭東海第二運転差止訴訟の口頭弁論を傍聴しよう。
  (今度は、2月8日(木曜)13時半水戸地裁集合。14時半開廷)
 ⑮今年12月の県議選で、東海第二再稼働に反対する議員を増やそう。

(2018年1月14日)

************

'参考資料'

(社説)東海第二原発 廃炉が避けられない 朝日2017年11月24日

 再稼働への疑問は大きく、実際のハードルも高い。廃炉が避けられないのではないか。
 原発専業の日本原子力発電(原電)が、東海第二原発(茨城県東海村、停止中)の運転期間の延長を原子力規制委員会に申請する。法律が定める「原則40年」の期限まで残り1年。原電は、例外扱いを認めてもらい、再稼働を進める構えだ。
 今後の安全対策工事には少なくとも1700億円かかると見込まれている。経営基盤が弱い原電に対し、規制委は資金調達にメドをつけるよう異例の注文を出した。地元や周辺自治体の避難計画作りは難航しており、再稼働への慎重論が根強い。
 原電では他の原発の再稼働が見込めず、東海第二の行く末が会社の存亡を左右する。だからといって再稼働ありきは許されない。原電と主要株主の大手電力、経済産業省は、東海第二の運転を前提とせず、原電のあり方を抜本的に練り直すべきだ。
 「40年ルール」は、老朽原発の事故リスクを減らすための大切なルールだ。福島第一原発の事故後に導入された。規制委が認めれば最長20年の延長運転も可能だが、法改正の当時、政府は「極めて限定的なケース」と説明していた。
 ところが、これまでに関西電力が原発3基の延長を申請し、すべて認められた。東海第二が続けば、ルールの形骸化がさらに進む。電力不足への対応など特別な必要性があるとも思えず、原電の経営の都合だけで延長を認めるべきではない。
 東海第二は首都圏の北端に位置し、避難計画の策定が義務づけられた30キロ圏内には、全国の原発で最多の96万人が住む。避難経路や受け入れ先、輸送手段の確保は難しい。対象の14市町村は計画を完成できていない。
 再稼働に必要な地元自治体の同意を得られる見通しも立たない。茨城県知事や東海村長は住民の意向を踏まえて判断する姿勢だが、朝日新聞の最近の有権者調査では再稼働反対が賛成を大きく上回った。周辺の5市も同意手続きに加わろうと、東海村と同等の権限を求めている。
 原電や電力大手は、こうした現実を直視すべきだ。
 原発の停止で原電には売る電気がないのに、買い取り契約を結ぶ大手が毎年計1千億円超の基本料金を払い、支えている。その元手は、国民が広く負担する電気代であることを忘れてはならない。
 原電については、原発の廃炉などで業界再編の受け皿になる構想もある。問題を先送りせず、将来像作りを急ぐべきだ。

************

南北の笑顔まぶしき五輪かな
モリカケのそばを食い逃げする総理  
沖縄で落ちる訓練する米機
核廃絶誓い新たに陽は昇り
戯れに連衡合従辞書を引く

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

画像の説画像の説明

画像の説明

●日 時:2018年1月29日(月)・30日(火)
●会 場:1月29日、30日選科A・B
 静岡商工会議所静岡事務所会館会議室
 〒420-0851 静岡市葵区黒金町20番地の8
●主 催:㈱自治体研究社

【1日目】 全体会 13:00~17:00(休憩・質疑含む)
●記念講演2018年度予算の焦点と自治体政策のポイント
 立命館大学政策科学部教授 森 裕之

【2日目】 選科3コース 9:30~15:30(休憩・質疑含む)
●選科A 2018年度の介護保険制度・医療保険制度改正と自治体の課題
 服部メディカル研究所所長 服部万里子
 
 2018年度は介護保険制度、医療保険制度の同時改正が行われます。 
 市町村は第7期介護保険事業計画と新たな保険料徴収が始まります。 
 後期高齢者医療保険の軽減特例がなくなり、介護保険の負担が増え、住民の生活は圧迫されます。 本選科では、住民とともに地域の独自な取り組みや地域資源開発も含め、市町村の役割の見直しを行います。
●選科B 子どもの貧困をなくすための政策と運動の課題
 立教大学名誉教授 浅井春夫
 子どもの貧困をなくす国・自治体の本気度がいま問われています。 
 今回は各地の子ども調査(貧困調査を含む)や運動について紹介しながら、政策づくりのあり方を考えてみたいと思います。
●選科C 公共施設への向き合い方を考える
 立命館大学政策科学部教授 森 裕之
 公共施設等総合管理計画が各自治体で策定され、公共施設の再編の動きが具体化しています。国は、自治体の取り組みを誘導。支援するための様々な制度を整備してきています。このような中で、各自治体には公共施設の本来の役割や、それをとりまくコミユニテイの意義を再認識することが求められています。
 本選科では、様々な角度から公共施設の問題を考え、その向き合い方を考えます。
 選科A・B・Cのいずれかをお選びいただきます。

●受講料:
 市区議会議員  29000円 同 自治体問題研究所個人会員  27000円
 町村議会議員  20000円 同 自治体問題研究所個人会員  18000円
 議会事務局・一般18000円 同 自治体問題研究所個人会員  15000円
●お弁当(税込):1000円(お茶付/1月30日昼食)

 申込先 ㈱自治体研究社・第43回議員研修会係
 〒162-8512 東京都新宿区矢来町123 矢来ビル4F
 TEL 03-3235-5941/FAX 03-3235-5933in

新刊紹介

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

準新刊

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

************

加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

                    
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版) 
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!  

B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)

財政デザイン研究所代表理事  大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著

●基礎からステップアップまで
 決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
 財政を学ぶ心構え・分析方法
 赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
 自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税/地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか
 どこにおカネを使っているの?(歳出のしくみ): 目的別と性質別/「充当一般財源等」

『公共施設の統廃合・再編問題にどう取り組む-計画づくりから本格実施へ-』

角田英明
A5版・32頁 一般普及300円(地域研・自治労連割引単価200円)

 全国の自治体では、現在、公共施設等総合管理計画づくりが急ピッチで進められています。
 既に2015年度末までに全国30道府県、15指定都市、396市区町村でつくられ、今年度末にはほぼ全自治体で策定されます。これはこれまでのような個別施設の更新、統廃合に止まらず、公共施設全体を中長期的な視野に立って全面的に見直し、再編していくものです。そのため国は、公共施設等の解体撤去や公共施設の集約化・複合化、転用等に係る財政措置を講じて各自治体に計画の策定と実施を迫っています。同時に、この計画は「地方創生」戦略や市町村合併、指定管理者制度などと一体的に進められています。
 本書では、こうした状況を踏まえ、政府施策や各自治体の計画内容、今後の取組みの課題、方向を検討しました。皆さん方の活動に活用していただければ幸いです。

はじめに 
 1.いま、なぜ、公共施設の統廃合・再編か 
 2.計画の策定・推進に向けた政府の対応 
 3.各自治体の計画づくりと実施方針(秦野市 さいたま市 相模原市)
 4.今後の取り組みの留意点と課題 
 5.「地方創生」総合戦略と一体的に推進 
 6.市町村合併の中で進む公共施設の統廃合・再編 
 7.指定管理者制度における公共施設の再編問題 
おわりに

************

powered by HAIK 7.3.7
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional