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2012/07

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過去の自治関連ニューススクラップ

月間自治ニューススクラップ(茨城県内の出来事を中心に )
2012年07月分


3.11東日本大震災関連

北茨城で津波被災者の高台集団移転・市実施へ、県内で初 (7.7 茨城)

 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた北茨城市は6日までに、全壊家屋が相次いだ平潟、大津、磯原・中郷地区の沿岸部に住む市民を対象に、高台への集団移転を実施する方針を固めた。震災津波被害を受けた住民の集団移転は、県内で初めて。津波に対する安全確保と地域コミュニティー維持の観点から、移転先には災害公営住宅のほか市消防本部、公園などの公共施設を整備し、将来的には住宅団地として整備したい考えだ。

石巻のがれき受け入れ、県は20日笠間で試験焼却 (7.12 茨城)

 東日本大震災に伴う宮城県石巻市のがれき受け入れへ向け、県は20日、県環境保全事業団が運営する一般・産業廃棄物公共処分場「エコフロンティア」(笠間市福田)で、がれきの試験焼却を実施する。焼却灰に含まれる放射性セシウム濃度が国の埋め立て基準(1キログラム当たり8千ベクレル)を下回れば、8月下旬にも正式に受け入れを始める。がれき受け入れについては、3月に笠間市の山口伸樹市長が推進の立場を示し、同市議会も県と市に受け入れを求める決議を可決した。
 一方、県は住民らの不安を払拭しようと受け入れ基準として、焼却前の災害廃棄物の放射性物質濃度を国の1キログラム当たり240ベクレル以下よりも厳しい同100ベクレル以下に設定し、準備を進めてきた。

石巻のがれき25トン搬入 笠間・エコフロンティア きょう試験焼却  (7.20 茨城)

 東日本大震災に伴うがれきの受け入れに向けた試験焼却のため19日、県環境保全事業団が運営する一般・産業廃棄物公共処分場「エコフロンティアかさま」(笠間市福田)に、宮城県石巻市のがれき約25ジが運び込まれた。周辺では特に反対の抗議活動などはなく、受け入れに理解を示す地元住民代表らが冷静に見守った。試験焼却は20日に行われ、安全性が確認されれば8月下旬にも、県内の公共処分場としては初の正式受け入れがスタートする。

原発問題関連(東海第二原発関係も含む)

大飯3号機起動 原発ゼロ2カ月で終了  7.2 茨城)

 関西電力は1日夜、大飯原発3号機(福井県おおい町、118万キロワット、加圧水型軽水炉)の再稼働に向け原子炉を起動した。昨年3月の東京電力福島第1原発事故後、定期検査を終えた原発の運転再開は初めて。国内の商業用原発全50基が止まった5月5日以降の「原発ゼロ」は約2カ月ぶりに終了。早ければ4日に送電を始め、8日にもフル稼働に達する。

自然エネルギー 普及急ぎ新しい社会へ (7.4 朝日)

 太陽光や風力など自然エネルギーによる電力を、電力会社が買い取る制度が始まった。日本の自然エネルギー発電量は、水力を除くと、全体の1%でしかない。資源を輸入に頼らず、温暖化防止にもなる電源は、脱原発依存を進めるうえでも重要だ。新制度をテコに普及を急ぎたい。買い取り価格は電源ごとに毎年見直されるが、一度決まれば10~20年保証される。初年度は1㌔ワット時42円の太陽光など全体的に高めの設定だ。高すぎるとの声はある。ただ参入企業を増やすには、一定の利益が確保できるようにしなければならない。日本の取り組みの遅れを考えれば、やむをえない面がある。実際、ここにきて事業者の参入が相次いでいる。今年度中に250万㌔ワット分の発電設備が増える見通しだ。買い取りコストは消費者が負担する。
 料金への上乗せは、全国一律で1㌔ワット時あたり月O・22円。月7千円の電気代を払っている家庭では、家庭用太陽光の買い取り分も含めて100円前後の負担になる。発電量が増えるほど上乗せ額も増える。
 原発を利用せずにすむなら、多少高くても自然エネルギーを選ぶという消費者も少なくないだろう。だが、買い取り価格が必要以上に高止まりし、消費者の負担感がつのれば、制度自体が行き詰まる。先行する欧州も、この点では試行錯誤だ。政府は先行例から学びつつ、普及の度合いや技術革新による発電コストの低減などを見て、柔軟に価格を見直していく必要がある。

安全協定枠組み拡大を 県央首長懇 原電に見直し要求    (7.5 茨城)

 日本原子力発電(原電)東海第2原発の周辺地域の安全確保をめぐり、県央9市町村の首長による県央地域首長懇話会(座長・高橋靖水戸市長)は4日、原子力安全協定の枠組み拡大や原発再稼働の可否の事前協議参加などを求め、原電に要求書を提出した。原電は回答について明言を僻けたが、協定見直しは原電独自で判断できる考えを示した。
 要求書は、懇話会を構成する水戸、笠間、ひたちなか那珂、小美玉、茨城、大洗、城里、東海の9市町村長の連名で、原電の浜田康男社長宛て。要求書の提出は水戸市笠原町の県市町村会館で行われ、7人の首長が出席。原電側は鹿島文行茨城総合事務所長が対応した。内容は、▽原子力安全協定の枠組みと協定内容の見直し、▽東海第二原発の重要事項に係る協議などの権限の確保、▽迅速な情報提供の3項目。笠間、小美玉の両市を除く原発から半径20キロ圏の市町が原発が立地する東海村と同等の権限を持つことや、再稼働の可否判断を含む重要事項の協議に参加できることなどを求めている。

安全協定拡大検討、 原電、9首長の要求に約束   (7.5 朝日)

 日本原子力発電東海第二原発が立地する東海村や水戸市など県央9市町村長による「県央地域首長懇話会」は4日、原子力安全協定の枠組みや自治体の権限拡大など3頂目からなる要求書を事業者の日本原電に手渡した。要求に対ずる回答は後日になるが、日本原電が独自の判断で要求に対応する考えを示したことについて、村上達也村長らは「評価できる」と述べた。要求書は懇話会座長の高橋靖水戸市長から、日本原電茨城総合事務所長を務める鹿島文行常務に手渡された。要求項目は①立地・隣接自治体に限られている安全協定の対象範囲の拡大②再稼働の判断などにかかわる権限の確保・拡大③重要事項の迅速な情報提供の3項目。非公開で行われた両者による意見交換終了後、懇話会、日本原電が個別に報道陣に対応した。高橋市長は「他の電力事業者や国の方針にとらわれず原電独自の判断で検討できるとのことだった。迅速な情報提供については(了解の)返事をいただいた」と語った。村上村長も「原電が独自に安全協定を決める、というのは重要なポイントだ。成然した社会の大人の対応で評価できる」と述べた。

安全挿話」「原子カムラ」なぜ、背景探る研究拠点盛る、東海村 原子カセンター案   (7.5 朝日)

 東海村は4日、原子力科学や先端科学の研究施設を生かした村づくりを目指す「原子カセンター構想」の素案をまとめた。脱原発を主張する村上達也村長肝いりの構想として、原子力科学研究・先端科学研究の推進にとどまらず、東京電力福島第一原発事故収束への貢献や、「安全神話」や「原子カムラ」を生んだ社会的背景を探る社会科学の研究拠点づくりを側面で支えることも盛り込んだ。素案では、村内にある日本原子力研究開発機構が施設などを活用して原発事故収束に関する試験を行い、放射性物質で汚染された環境修復にあたる科学者や技術者を派遣する。機構が中心となり、原子力エネルギーの利用に伴う過酷事故対策や廃炉、放射性廃棄物処分の研究に関するデータの蓄積と情報発信を目指す。あわせて、社会科学の研究では、科学技術にかかわるリスクも題材とし、大学と連携して政策提言。海外から訪れる外国人研究者に対応できるようにする。村は素案を今後開く村政懇談会で説明し、村民から意見を募ったうえで、9月にも構想を正式に決める。村上村長は村内でこの日開いた、素案を検討するための有識者会議で「周辺の自治体や県、各機関と連携し、構想を進めていきたい」と述べた。原子カセンター構想は、村上村長が2009年の村長選挙でマニフェストに盛り込んだ。構想の推進は、昨年が初年度となる第5次総合計画の柱に位置づけられ、一昨年6月に有識者会議を設置して議論を続けてきた。村内に立地する東海第二原発については、構想に盛り込まないことをすでに決めている。

明らかに人災」国会原発事故調が報告書、政府・東電を厳しく批判  (7.6 茨城)

 東京電力福島第1原発事故で、国会が設置した事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、「事故は自然災害ではなく、明らかに人災だった」との報告書をまとめ、衆参両院議長に提出した。政府、東電の事故対策の甘さや対応の不備を厳しく問う内容で、独立性と透明性に欠ける経済産業省原子力安全・保安院など規制当局を、事業者の「虜」と表現。地震の揺れによる機器の損傷の可能性も否定しなかった。
 報告書は「第1原発は地震にも津波にも耐えられる保証がない脆弱な状態だったと推定される」と指摘。地震と津波のリスクは東電と規制当局の間で事前に認識されており「想定外ではない」と断じ「東電や規制当局の原子力安全委員会などは地震や津波による被災の可能性、シビアアクシデント(過酷事故)への対策、住民の安全保護など当然備えておくべきことをしていなかった」と批判した。

東海発電所など火災・発煙相次ぐ 原電、再発防止策を県に報告   (7.7 朝日)

 日本原子力発電は6日、廃炉作業中の東海発電所などで相次いだ火災・発煙事故の原因究明と再発防止策をまとめ、県などに報告した。防火意識の欠如や防火管理教育の不備などが根本原因として、「全社一丸となって火災の撲滅に取り組む」としている。日本原電によると、2008年度以降は東海、東海第二、敦賀(福井県)の各発電所で26件の火災や発煙事故が発生。東海発電所で今年1月13日、放射性廃液を固化させる施設の屋上冷却塔から出火した際には、経済産業省原子力安全・保安院や県などから頻発について厳重注意を受けていた。東海発電所の配管などを総点検中、新たに5ヵ所で5ミリ程度の穴が見つかったと明らかにした。放射性物質は検出されず、環境への影響はないという。

6億7千万円東電に賠償請求 北茨城市として初  (7.7 朝日)

 東京電力福島第一原発の事故で出た放射性物質の影響で特別な財政支出を強いられたとして、北茨城市は6日、2011年3月12日~12年3月31日の損害約6億7千万円を東京電力に賠償請求した。原発事故関連で北茨城市が東電に損害賠償請求するのは初め。請求の主な内訳は、原発事故による医師の退職や着任取りやめに伴う市立総合病院の医業収益減収分約4億5千万円▽放射線測定など原発事故に伴う一般職員人件費約1億7500万円▽除染費用約土400万円など。

汚染土壌 8割自治体で仮置き場なし、住民反発で除染進まず   (7.7 茨城)

 東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された土壌を一時保管する施設「仮置き場」を設置した自治体は、国に地域指定された東北・関東8県111市町村のうち20市町村にとどまり、8割に上る91市町村で設置に至っていないことが6日、共同通信の調査で分かった。50市町村が「住民の反対」を未設置の理由に挙げた。
 仮置き場がなく、汚染土壌を校庭や宅地の一角に留め置く「現場保管」しかできない市町村は少なくとも56に上り全体の約半数を占めた。現場保管の数を集計していない自治体などが35あった。現場保管は判明分だけで約2500カ所に上り、全域で本格除染が進まない事態に陥っている。除染は被災者の生活再建に直結するが、政府が福島県内の作業終了目標として掲げた「2013年度中まで」の達成は困難な情勢だ。一向に進まない震災がれきの広域処理と併せて、抜本的な対策が急務となる。
 
議会の東海第2意見書 16市町村「廃炉」求める 大半が30キロ圏外  (7.10 茨城)

 日本原子力発電東海第2原発(東海村)の廃炉を求める意見書を県内の4割近い16市町村議会が可決したことが、茨城新聞社の集計で9日分かった。「緊急防護措置区域(UPZ)」(半径約30キロ)の圏外が大半を占め、原子力防災の枠外に置かれた市町村の議会から「廃炉」の声が上がった格好だ。「再稼働は住民の同意が前提」などと、運転再開に慎重姿勢を求める意見書可決も4市あった。6月の定例議会が終了したのを受け、この1年間の動きを県内44市町村の議会事務局に照会した。
 東海第2の廃炉に言及した意見書(決議)を可決したのは、土浦▽古河▽石岡▽結城▽高萩▽北茨城▽取手▽牛久▽つくば▽鹿嶋▽守谷▽筑西▽小美玉▽城里▽美浦▽阿見の16市町村議会。北茨城市は「代替エネルギーを確立した後の廃炉」と条件付きだった。UPZ圏内は高萩、城里の2市町だけで他の14市町村は圏外。北寄りの風が年間最も多い東海第2の風下に当たる県南、県西地域の自治体が目立った。
 東海第2の廃炉に関する請願・陳情は39市町村議会に提出され、13市町村が採択。北茨城市は一部を採択し、水戸、常陸太田、かすみがうらの3市は趣旨採択にとどめた。日立、龍ケ崎、笠間、那珂、つくばみらい、利根の6市町は不採択。龍ケ崎市は県民の同意なき再稼働中止の陳情は採択した。常総、ひたちなか、常陸大宮、神栖、茨城、大洗、東海の7市跡村は継続審査中。稲敷市は9月定例会に上程予定。大子町は任期満了に伴う改選で廃案。下妻、鹿嶋、潮来、坂東、桜川、鉾田、八千代の7市町は陳情を議員に配布した段階や議長預かりにとどめている。

日立 5メガワット風力発電開発へ 洋上型15年度販売目指す  (7.16 茨城)

 日立製作所は15日までに、出力を従来の2・5倍ほどに高めた5メガワット.(5千キロワット)級の大型洋上風力発電システムを開発すると発表した。日立市の日立事業所埠頭工場で開発・製造し、2014年度から実証試験を始め、15年度の販売を目指す。風力発電システムを大型化することで、発電効率の向上を狙う。再生可能エネルギーの固定価格買取制度が7月から始まっており、同社は風力発電の需要に応え、供給を増やしていく方針。

原発と自治体 地元の定義を見直せ       (7.16 朝日)

 関西電力・大飯原発3号機が再び発電をはじめた。福島での原発事故の教訓は、いったん放射能が大量に放出されれば県境など関係なく汚染が広がりうるということだ。大飯については旧来の定義に沿って福井県とおおい町が「地元」とされ、その同意をもって政府が再稼働を決めた。教訓が生かされたとは言えない。
 安全対策や事故時の減災対策を国や電力会社とともに担っていく「地元」とは、何をさすのか。住民の安全を優先する視点から再定義する必要がある。まず急ぐべきは、事故時の防災計画の整備だ。福島の事故を受け、政府は原発から半径8~10㌔圏内としていた防災対策の重点区域を拡大し、30㌔圏内を緊急時防護措置準備区域(UPZ)とした。新たに対象となった地域では防災対策に追われている。大飯原発から最短で約20㌔の滋賀県高島市は、南方向への幹線の国道161号ががけ崩れで分断されれば孤立しかねない。
 東に面した琵琶湖に逃げられるよう、急きょ漁船で人や物を運ぶ協定を漁協と結んだ。京都府も原発30㌔圏内の8市町に避難計画の策定を促した。その中のひとつ、舞鶴市は人□の7割が大飯原発から30㌔圏内に住む。広域避難場所や放射線量の情報を得るモニタリングなど、国の指針を待たずに暫定計画をとりまとめている。防災指針を策定するのは、新たに発足する原子力規制委員会だ。政府は全閣僚がメンバーとなる「原子力防災会議」も創設し、指針にもとづき、平時の防災計画をたて、自治体との調整や訓練もする。
 どのように「地元」と向き合うか、規制委員会の存在意義がさっそく問われる。原発の安全性に立地自治体以外の声を反映する仕組みも不可欠だ。大飯の再稼働にあたり、政府は30㌔圏内に入る滋賀県と京都府の意向を尊重する姿勢を示したが、最終的に「理解を求める」対象にとどめた。
 福島の事故後、京都府と滋賀県は、関西電力に立地自治体並みの原子力安全協定の締結を求めている。関電が福井県と締んでいる協定では、立ち入り調査や事故で停止して再稼働する際の事前協議が含まれる。しかし事前協議の対象が拡大することに、関電側の警戒感は強い。原子力規制委員会のもとで、安全について協議する自治体をどう定めるか。再稼働手続きを進める場合、少なくとも30㌔圈内の都道府県の意向を立地道県と等しく考慮すべきである。

東海第二原発「再稼勤しないで」、漁連が原電に要請     (7.18 朝日)

 海沿いの県内漁協などで構成する茨城沿海地区漁業協同組合連合会(小野勲・代表理事会長)は17日、日本原子力発電(日本原電)東海第二原発を再稼働させないよう、橋本昌知事と日本原電に要請した。「県内漁業界の総意として、再稼働に断固反対する」と6月末に特別決議していた。茨城沿海漁連は沿海の10漁協と県信用漁協連合会が正会員で、県内水面漁協連合会や霞ケ浦漁協などが准会員になっている。6月末にあった通常総会での特別決議では、県内漁業界は東京電力福島第一原発事故によって多大な損害を被り続けているとしたうえで、東海第二原発は老朽化していて、これまで事故も頻発してきたと指摘。「放射能漏れ事故が発生すれば、本県漁業が全滅することは明らかである」として、再稼働断固反対を明記した。
 この日は、橋本知事に対しては再稼働を容認しないことを、日本原電には再稼働しないよう続けて要請した。要請書を受け取った日本原電茨城総合事務所の加納義久副所長は「東海第二原発の安全対策について、皆様の意見を聞いてより深い理解を得られるよう努めていきたい」と語った。
 茨城沿海漁連によると、福島第一原発事故の放射能汚染による休漁や水揚げ滅などでこれまでに、県内全体で約90僚円の補償金が東電から支払われている。小野代表理事会長は要請後、「ヒラメもとれない、カレイもとれないでは、漁業者は食っていけない。断固反対であることを伝えたかった」と話した。

東海第二めぐり首長懇 安全協定見直し 「早急に対応を」    (7.18 朝日)

 東海村と周辺5市の首長による懇談会は17日、日本原子力発電東海第二原発の再稼働の可否判断について、周辺5市も協議に加われるようにすることなどを求め、原子力安全協定の枠組み拡大と見直しを日本原電に要求した。協定全体の見直しには「時間がかかる」との見解を示した原電に対し、首長たちは、可能な部分から早急に対応するよう求めた。懇談会は、再稼働の可否判断関与のほか、東海第二原発内に保管されている使用済み核燃料の安全対策も原電に直接要求できるように申し入れた。出席者によると、市長の一人は、福井県の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働同意に関し、福井県と立地自治体のおおい町だけが「地元」とされたことに言及。そのうえで「大飯原発の手法は通じない」と主張し、同意を得る範囲の拡大は当然との考えを示したという。申し入れ後、村上達也村長は報道陣に「再稼働の準備が整わないから安全協定の見直しは後回し、という話にはならない」と述べ、日本原電が早急に対応すべきだとの認識を示した。日本原電茨城総合事務所長の鹿島文行常務は、報道陣に「安全協定の中身や進めている安全対策をしっかりご理解いただく必要がある。部分的な対応ができるかどうかご相談したい」と述べた。

安全協定見直しで知事 「県に連絡ない」首長懇に不快感    (7.24 朝日)

 橋本昌知事は23日、県央9市町村長による「県央地域首長懇話会」が東海第二原発の原子力安全協定の見直しを事業者の日本原子力発電に要求したことについて、「事前も事後も連絡がないのに県に支援だけ求めるのは、言っていることとやっていることが違う」と述べ、不快感をあらわにした。この日、懇話会メンバーが県庁を訪れ、各種事業の促進を知事に要望。座長の高橋靖・水戸市長が、原電との協議について「県のご指導をお願いしたい」とあいさつした。これに対し、橋本知事は「高橋市長が『(知事は)人ごとのようだ』と述べたとの報道があったが、とんでもない話だ。要求に行くという連絡がないから『関与しようがない』と言いたかった」と不満を示した。

民有地除染 基準超の世帯は1割、土浦市中間集計 「放射線は減衰」 (7.25 朝日)

 東京電力福島第一原発の事故で国の汚染状況重点調査地域に指定されたのを受け、土浦市が今月から実施している県内初の民有地除染で、放射線量測定の中間一集計が23日、まとまった。これまでに測定した173世帯のうち、国の基準(毎時0.23マイクロシーベルト)以上だったのは約1割の17世帯にとどまった。測定したのは、今月2~13日の12日間で、173世帯は除染を最優先にしている中学生以下の子どもがいる家庭。基準値を超えたのは雨どいの下などすべて局所的な測定で、488ヵ所中の26力所、世帯数では17あった。最大値は毎時0.37マイクロシーベルト。庭先など面的な測定で基準値を超えた民家はなかった。
 自力での除染を申し出た4世帯を除く13世帯は、除染の結果、すべて基準値内に収まった。市放射線対策室は「事故から16カ月が経ち、居住空間の放射線量は善実に減衰してきている。降雨による流出が大きいのではないか」(青木卓室長)と話す。

石巻のがれき、笠間で試験焼却 知事「環境影響なし」 灰の放射性物質、基準以下   (7.28 朝日)

 県出資の財団法人が運営する大規模処分湯「エコフロンティアかさま」(笠間市)で進められた宮城県石巻地域の震災がれきの試験焼却について、橋本昌知事は27日の定例会見で「周辺環境への影響がないことが確認できた」と述べ、安全を宣言した。焦点だった焼却灰の放射性物質が国の埋め立て基準(1㌔あたり8千ベクレル以下)を満たした。県はこれを受け、一両日中にも地元住民に試験焼却の結果を報告し、理解を得たうえで、宮城県とがれき受け入れの基本協定を結ぶ。橋本知事は「8月下旬には本格受け入れが開始できる」と話した。県は石巻地域の震災がれきの放射性物質について、国より厳しい1㌔あたり100ベクレル以下という受け入れ基準を設定した。今回試験焼却した可燃性の破砕がれきは、搬送前の測定で56ベクレル。1㍍離れた場所の空間線量も基準を下回った。試験焼却は通常のごみに2割程度、計25トンをまぜて20日に行われた。27日に発表された焼却後の放射性セシウム濃度は、飛灰(煤塵)で1㌔あたり2230ベクッル、焼却灰(スラグ)で同23ベクレルといずれも8千ベクレル以下となり、排ガスからは検出されなかった。エコフロンティアかさま以外にも、市町村や一部事務組合など少なくとも5団体が県の仲介で受け入れを検討中。橋本知事は市町村名を挙げなかったが、「搬入車両の大きさが合わないなど課題もあるが、前進している」と述べた。エコフロンティアかさまでは2013年度末までに可燃物7500㌧、不燃物3万㌧を受け入れる方針。県全体では10万㌧の受け入れを目標にしている。

東海第二請願で住民の意見聴く 東海村議会委が方針   (7.28 朝日)

 東海村議会原子力問題調査特別委員会は27日、日本原子力発電東海第二原発をめぐる請願審査のため、村民らを対象にした意見聴取会を8月末をめどに開く方針を決めた。日時や具体的な開催方法は今後協議して決める。特別委ではこれまで、村民の意見を聴いたうえで採決すべきだと複数の委員が提案。豊島寛一委員長も前回の委員会で「住民の声を聴いて慎重に審査したい」との考えを明らかにしていた。この日、非公開で開かれた委員会の終了後、取材に応じた豊島委員長によると、聴取会参加者は村民か、もしくは村内で働く人を対象にする方向で検討している。

放射線観測局を増設 県監視強化へ 13市町村に22基    (7.31 茨城)

 原発の防災対策重点地域を従来の半径10キロ圏から約30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に拡大する国の方針を踏まえ、県は本年度中に、日本原電東海第2原発(東海村)など東海・大洗両地区の原子力施設の10~30キロ圏に入る13市町村に計22基の放射線観測局(モニタリングステーション)を増設する方針を固めた。運用開始は来年4月1日の予定。県内の放射線監視強化の一環で、県設置の測定箇所は計102カ所に増える。
 30日に開かれた県東海地区環境放射線監視委員会(委員長・山口やちゑ副知事)で、県が増設に伴う県環境放射線監視計画の一部改定案を示し、原案通り了承された。県によると東海第2原発と日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(大洗町)から、それぞれ海を除く各方位の10~20キロ圏と20~30キロ圏に1カ所ずつ増設する計画で、設置箇所は学校など公共施設とした。
 市町村別では日立、常陸太田に各3カ所、笠間、小美玉、石岡、行方、鉾田に各2カ所、常陸大宮、城里、水戸、茨城、かすみがうら、鹿嶋に各1カ所。観測する高さは、固足局と同じ地上3・5メートルとする計画だが、委員から「人体への影響を判断するには、1メートルに統一すべき」などの意見が出たことから、同委員会調査部会で再検討する。併せて、非常用電源の確保についても計画に加える。

県放射線監視委 外部被曝が4地点で法定超す、実測に基づいて推定  (7.31 朝日)

 東京電力福島第一原発事故による外部被曝線量について、県内61地点の積算線量計による昨年4月から1年間の実測により、4地点で法定の年1ミリシーシーベルトを超えたと推定されることが分かった。30日に開かれた県東海地区環境放射線監視委員会で報告された。それによると、61地点の1年間の積算線量はO・5~2・6ミリシーベル卜。ここから自然放射線量(過去5年間の平均値から算出)を引いた0.24~2.4ミリシーベルトが、原発事故による放射線量となった。ただ、これは測定地点に24時間365日居続けた場合で、県は1日のうち屋外に8時間、屋内に16時間いたと仮定し、61地点の外部被爆線量を0.14~1.4ミリシーベルトと推定。この結果、4地点で法定の1ミリシーベルトを超えた。4地点は、大洗町の2地点とひだちなか市、鉾田市が各1地点。いずれも学校など地上1㍍に置かれた積算線量計で、県原子力安全対策課は「樹木や植栽が近くにあれば値が高くなる傾向にあるため、設置場所の施設全体を代表する値ではない」としている。

地方制度・自治体論・地方自治一般  

水道事業 リストラ加速 (7.2 日本経済)

 自治体が水道事業の経営改善を急いでいる。浄水場などの施設運営を民間に一括委託したり遊休地の売却を進めたりする。節水型家電製品の普及で水需要が低迷し料金収入の伸びを期待しにくいためだ。人口減少に伴い今後水需要は一層縮むため水道事業のリストラは加速しそうだ。全国の自治体でつくる日本水道協会によると、全国の水道の年間供給量は99年度をピークに減少が続き、2010年度は7%減った。水道事業の経営改善の第1弾は5~10年前に相次いだダムからの撤退。しかし、さらに水需要は落ち込み、水余りの状態となっている。主な水道事業者の供給能力は最大需要を4~6割上回る。施設の廃止などをふくめたリストラが加速しそうだ。

県議会改革 来年から議員報酬10万円減の75万円 定数2減の63、中間答申案決定  (7.10茨城)

 県議会全会派で構成する議長諮問機関「県議会改革等調査検討会議」(海野透座長)は9日、第8回会合を開き、▽議員定数(現行65)を次期県議選から2減の63▽議員5人の削減効果を実現するため、議員の月額報酬85万円を来年1月から75万円に10万円減とする中間答申案を、最大会派いばらき自民の賛成多数で決めた。自民県政ク、共産、みんなは反対し、民主と公朋は欠席した。検討会議は9月中にも、新定数63による選挙区割り案を決定したい考え。海野氏は会合で「1票の格差を2・5倍以内、限りなく2倍以内に近づける選送区割りにしたい」と述べた。

県議会 「定数2減」答申案に反発、検討会議を民主・公明会派が欠席  (7.10 朝日)

 県議会の定数(65)見直しについて県議会改革等調査検討会議(海野透座長)は9日、先月可決した「定数2減、議員報酬月額10万円カット」の磯崎久喜雄議長への答申案を決めた。座長を含む12人のうち、民主党と公明党は欠席、共産党とみんなの党が再び反発するなど、最大会派・いばらき自民党が主導した削減案が検討会議の総意でないことを改めて印象づけた。議長への答申内容を議事としたこの日は、9減を掲げる民主党の長谷川修平氏と、6減を訴える公明党の井手義弘氏が欠席した。23減を求めるみんなの党の梶岡博樹氏は「1年以上の議論でたった2減なら県政の汚点になる」、共産党の大内久美子氏は「全会一致でないと答申は出せないはず」と、それぞれ強く反発した。自民県政クラブの江田隆記氏も「2減で1票の格差が是正されるのか」と疑問を呈した。

栃木県 通年で議会開会 (7.16 日本経済)

 ほぼ1年中議会を開く「通年議会」が栃木県議会で4月に始まった。議会主導でいつでも会議を開けるようにし、地域の身近な問題に議会が迅速に対応することを狙った。5月の竜巻被害を受け5月25日から臨時会議が開催され6月11日には関係補正予算案が承認され予算審議で通年議会の利点が早速生かされた。通年議会で懸念されるのは答弁調整などで走り回る職員の超過労働だ。

道州制実現へ試案 首長連合 (7.19日本経済)

 道州制推進知事・指定都市市長連合(共同代表石井岡山県知事、橋下大阪市長)は2013年通常国会までに道州制推進の基本法制定を求める試案をまとめた。道州制への移行は法制化後6~8年以内、地方の税財源の確保策には消費税の地方税を「有力な選択肢」に挙げた。また、道州間の財政調達のための「地方共有税」の創設、国と道州、市町村の意見を中立の立場で審議する第三者機関の設置も提言している。道州の区割りは「透明性・客観性の高い基準を設定する」などの表現にとどめた。これらの内容を各政党のマニフェストに盛り込むよう働きかける。

三セク・公社 整理進む  (7.23 日本経済)

 地方自治体が出資する第三セクターや地方公社の整理が進んでいる。東京商リサーチによると、三セクなどの2011年度の破綻件数は前年度を85%上回る26件で、調査を始めた1994年度以降で最高。多額の債務を抱えた三セクの集中処理を促すための特別な地方債の発行期限が近づき自治体が重い腰を上げ始めた。
 三セクと地方3公社は全国に8400あり多くが業績の低迷に苦しんでいる。債務総額は前年度比20%増の1127億円で5年ぶりに1千億円の大台を超えた。総務省によると三セクと地方3公社(土地・住宅・道路)の約4割が経常赤字で約5%が債務超過に陥っている。自治体は、三セクや主要公社に約4兆6千億円の貸付金がある。自治体は三セク・公社への債務保証や損失補償を通じて6兆円を越す事実襄の債務も抱える。問題の先送りは地方財政の危機を招きかねない。債務超過が大きい第三セクター全国ワースト10が鹿島都市開発 58億円。

公立図書館の民間委託 さらに進化 (7.23 日本経済)

 全国の公立図書館の約9%273館が指定管理者制度を採り入れ(2010年度)企業や特定非営利活動法人(NPO法人)などが管理・運営に当っている。全国156館で指定管理者になっている丸善CHIホールディンイングスは12年1月期の図書館関連事業の営業利益が前期比31%増の10億円となっている。

県ネットTV10月開局 ニュースや催し生放送」 (7.24 茨城)

 県は23日、県内のニュースや催し情報などを毎日ライフ配信する都道府県初のインターネットテレビ「いばキラTV」を10月1日に開局すると発表した。本県は民放の県域テレビが全国で唯一なく、「県政や地域の情報に触れる機会が他県に比べて少ない」(県広報広聴課)ことから、パソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)でも視聴できるネットTV事業に乗り出す。同課によると、広告代理店に委託して一日に計120分程度の番組を制作し、県庁スタジオから生放送する。事業費1億1700万円。アナウンサーやリポーターなど約20人の雇用創出も見込む。

市民の会「古河市長リコール運動」 文化施設に反対   (7.25 茨城)

 古河市の市民団体「総合的文化施設(文化センター)建設に反対する市民の会」(香取保彦代表)は24日、同市内で記者会見し、文化センター建設計画を阻止するため、白戸仲久市長に対し解職請求(リコール)の手続一きに入ることを明らかにした。8月上旬に市選挙管理委員会へ申請し、署名活動を開始する方針という。同会は▽文化センターの事業費が約130億円とあまりにも高い▽建設地が産業廃棄物の最終処分場だったことも問題と主張している。文化センターをめぐつては一部の市議がこれまで、建設の是非を問う住民投票の実施を求めてきたが、白戸市長は拒否。このため、同会は「建設賛成派が一多数を占める今の市議一会では、来年度組まれる建設予算案が可決されてしまう」とし、市長リコール運動を行うことを決めた。文化センターは同市西牛谷の区画整理事業地内に整備し、1200~1300席の大ホールと小ホール、図書館などを備える計画。来年夏ごろから着工、2015年度中に完成する予定。財源には合併特例債を充て、市では「市の負担額は40~44億円」としている。

大阪都構想「住民本位」の魂入れよ (7.29 朝日)

 橋下徹大阪市長が掲げる「大阪都」構想の実現に向けた法案を、民主、国民新、自民、公明、みんなの党などが共同で週明けの国会に提出する。いまの国会で成立する見通しだ。法案は、政令指定市とその周辺をあわせた人口が200万人以上の区域を対象に、市町村を廃止して特別区を置くことを認めるものだ。大阪だけに適用されるものではないため、大阪府を「都」とする条項はなく、府の名称は変わらない。成立すれば、地方の発案による新しい自治体の形づくりに道を開くことになる。分権改革のひとつとして評価できる。ただし、これは、特別区設置に向けた手続きを定めた法案だ。特別区がどんな行政サービスを担うのかといった中身については触れていない。橋下氏が率いる大阪維新の会の構想は、大阪市を解体して特別区に再編し、府との間で権限や税財政の配分を効率的に整理しようというものだ。大阪府と市の権限争いを終わらせるのにとどまるのでなく、いかに住民本位の制度をつくれるか。橋下氏らの力量が問われるのは、これからだ。いくら地方の発案を尊重するにしても、府と特別区の役割分担などを見直すには、新たに地方自治法や地方税法などの改正が必要になるのは確実だ。東京都と違って大阪府・市は、地方交付税がなければ財政が立ちゆかず、政府との調整は不可欠だ。住民投票がないというのも乱暴にすぎる。
 その点、今回の法案では、法改正が必要な項目については総務相との協議を義務づけ、関係する議会の議決と住民投票による過半数の賛成が必要とした。各党の協議により、妥当な内容に落ち首いたといえる。今後、維新の会が区割りや財政調整などの計画をつくり、議会や住民が認めれば議論の舞台は再び国会に戻ってくる。新しい大阪府の中身にかかわるこの議論は、自治制度のひとつの大きな改革の仕上げとなる。
 橋下氏をめぐる政局的思惑から離れ、どれだけ住民目線の姿勢を貫けるか。国会もまた試されることになる。

東海第二原発運転差し止め あす提訴 原告266人 弁護団66人 「賛同者」450人 (7.30 朝日)

 日本原子力発電東海第二原発の運転差し止めを求める民事訴訟が31日、水戸地裁に起こされる。首都圏に最も近く、30キロ圏内に約100万人が住む原発の再稼働阻止をめざし、地元の東海村をはじめ県内外の266人が原告に名を連ねる。「二度と子どもたちを被曝させてはならない。危険な原発を止めなくては」。東京電力福島第一原発事放による放射性物質で汚染された現状を受け、常総生協(本部・守谷市)が訴訟への参加を呼びかけてきた。その結果、原告の数は増え、原告に加わらないものの協力する「賛同者」も450人に膨らんだ。訴状は原告団と、弁護士66人からなる弁護団が共同でつくった。作成に際して双方のやりとりはぎりぎりまで続き、最終集約されたのは今月21日。原告団の強い要望に沿い、なぜ訴訟を起こすのか、という提訴に至った理由を訴状の前半の柱にすえた。こうした原告の思いは準備書面で順次、裁判官に向け伝えていく方針だ。

予算・税・財政

人・農地プラン各地で作成進む 都道府県が青年就農給付金の予算確保要望を (7.2 日本農業)

 農家らの話合いによって地域の農業の将来像を定める「人・農地プラン(地域農業マスタープラン)」が全国各地で動き出した。プランでは主に地域を支える「中心経営体」を決めて、そこに農地を集積する。集落単位からJA支所管内や集落営農組織などさまざまな範囲で多様な将来像が生まれている。プランは農家らの話合いを経て市町村が認定する。
 一方、プランの実現を支える青年就農給付金、農地集積協力金などで課題も明らかになってきている。新規就農者向けの青年就農給付金については後継者不足の切り札として期待が大きいが予算不足が懸念されており各都道府県が共通して予算の万全な確保を求めている。
(農水省7月27日付けの発表によると予算想定8400人に対して約2倍の15400人から要望が出されているという)

復興工事45%繰越し、県発注11年度分は人手不足で遅れ   (7.11 茨城)

 県が2011年度一般会計予算に計上した震災復旧・復興関連の公共土木事業費680億1200万円のうち、44・8%に当たる304億7300万円が11年度内に使われず、12年度に繰り越されたことが10日、分かった。近年の公共事業縮減のあおりで人手が足りず、発注する県側は設計や積算に手間取り、受注した業者側も工事が遅れるなどして年度内に執行が間に合わなかった。

戸別所得保障で全国知事会 法制化要望へ     (7.16 日本農業)

 全国知事会は、2013年度政府予算要望で戸別所得保障制度の法制化を含めた制度の安定・継続を求める方向での調整に入った。全国市長会と全国町村会はすでにまとめた要望で法制化を明記しており全国の自治体が法制化で足並みをそろえることになる。

森林湖沼環境税 目標「道半ば」県が継続視野     (7.17 茨城)

 最終年度の5年目を迎えた県の森林湖沼環境税。県は2008~12年度、森林整備や霞ヶ浦などの水質保全に税収約78億円を充てるが、「目標達成は道半ば」として13年更新を視野に入れている。一方で、同税の認知度は昨年の県政世論調査で29%と低く、県民への周知や理解促進も道半ばだ。

まちづくり・都市計画

買い物弱者で市町村調査 75%が「対策必要」   (7.1 日本農業)

 農水省は、全国の市町村を対象にした食料品の購入に不便を感じているいわゆる“買い物弱者”の調査結果を発表した。市町村の75%が何らかの対策が必要だとする一方で、そのうち4分の1は何の対策も検討していないことが分かった。買い物弱者が広がる要因には住民の高齢化(97%)の他、地元小売業の廃業(73%)、商店街の衰退(50%)などが挙がった。人口5万人未満の市町村では交通機関の廃止を要因に挙げる一方、5万人以上では地元小売業の廃業が多く地域によって背景が異なることがわかった。何らかの対策を実施している460市町村では「コミュニティバスや乗合タクシーの運行支援」が突出して多く73%、空き店舗への出店・運営支援が27%、宅配や買い物代行が24%だった。人口の少ない地域でいかに支援を充実させるかが課題となっている。

県内路線価、平均5.5%減、下落幅拡大、3年連続 震災の影響なお (7.3 朝日) 

 相続税や贈与税の算定基準となる今年の路線価(評価時点は1月1日)を、水戸税務署が2日公表した。県内に約8800地点ある標準宅地の対前年増減率の平均は、マイナス5・5%。今の算出方法になって3年連続の下落で、昨年(マイナス4%)より下落幅が広がった。景気低迷に加え、東日本大震災の影響が依然として続いている。路線価は、路線ごとに定める1平方㍍あたりの宅地などの標準類。国土交通省発表の公示地価、売買実例額、不動産鑑定士による鑑定評価額などをもとに算定した額の80%。その年の相続や贈与で土地を取得した場合に適用される。県平均マイナス5・5%は、全国平均マイナス2・8%を上回り、関東信越国税局の6県(茨城、栃木、群馬、埼玉、新潟、長野)の中では最大の下げ幅だった。2番目は栃木のマイナス4・8%。県内8税務署別の最高路線価をみると、今年も水戸駅北口ロータリーが最高となり、1平方㍍あたり30万円。昨年の32万円から2万円下がった。8地点の最高路線価のうち、昨年は唯一横ばいだった守谷駅西口ロータリーは下落に転じ、代わって、つくば駅前広場線が変動なしだった。

つくば市が空き家条例案、県内で初めて行政代執行を導入   (7.6 朝日)

 つくば市は、空き家等適‐正管理条例案をまとめた。空き家の解体が可能になる行政代執行を県内で初めて盛り込んだ内容で、9月の市議会に提出し、来年初めの施行をめざす。パブリックコメントとして今月31日まで市民の意見を募る。市原健一市長が5日、定例記者会見で明らかにした。県内ではすでに牛久市が空き家条例を制定している。条例の対象になる空き家は、老朽化や災害で倒壊のおそれがあったり、敷地に雑草が生い茂って長期間放置されていたりする「管理不全」の建物や敷地。つくば市が3月にまとめた調査によると、市内には管理が不十分な空き家が131軒あるという。

地域経済

ルネサス 8工場売却などで閉鎖 早期退職5000人超募集   (7.4 茨城)

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは3日、3年以内をめどに国内18工場のうち山口県宇部市にある2工場や、鶴岡工場(山形県鶴岡市)など計8工場の売却または閉鎖を柱としたグループの合理化策を発表した。これとは別に大分工場(大分県中津市)と熊本大津工場(熊本県大津町)も売却を検討する。人員削減のため、五千数百人の応募を想定する早期退職を募集する。主力の那珂工場(ひたちなか市)は「生産負荷に応じて適正体格で運営を継続する」としている。

新卒就農者に支援金   (7.13 茨城)

 農業後継者の減少を懸念する農業高校の同窓会が、卒業後直ちに就農した卒業生に就農支援金を贈った。同窓会による支援金支給は全国的にもほとんど例のない事業。同窓会関係者は、支援金を支給された就農者が地域農業の発展に貢献できる優れた後継者に育ってほしいと、期待を寄せている。就農支援金を贈ったのは、鉾田農業高校同窓会(池田一巳会長)。鉾田市徳宿の同高で10日、今年3月に同高農業科を卒業し、卒業後直ちに就農した同市、鹿田、平山真也さん(18)に支援金25万円を贈った。

茨城復興特区 新規投資、好調3686億円、積極PRや支援奏功 (7.30 茨城)

 東日本大震災で津波被害を受けた沿岸部の産業復興と雇用確保を目指し、県内13市町村に創設された「茨城産業再生特区」への投資が好調だ。事業者の指定は19日現在で260件、新規設備投資の見込み総額は3686億円に上り、同様の復興特区を設けた東北4県と比べ断トツの実績。県は「積極的なPRと金融機関や団体の支援が奏功している」(立地推進室)として、一層の投資を呼び込みたい考えだ。復興庁によると、6月末時点の事業者の指定件数は、本県196件▽宮城県106件▽青森県43件▽岩手県14件▽福島県9件。本県は4月34件、5月66件、6月91件と右肩上がりで伸ばし、他県から「何か秘策があるのか」と照会の電話が鳴る好調ぶりだ。
 復興特区は、産業集積区域と対象業種を設定し、新規設立した企業の法人税を5年間無税にしたり既存企業の一部課税を減免したりと、税制面の優遇で企業誘致と雇用確保を図る制度。本県は13市町村を対象に3月、国の認定を受けた。県は市町村と合同で説明会を50回以上、企業訪問を400件以上こなして制度をPR。県内金融機関も相談窓口や低金利の融資制度を創設して支援した。法人税や固定資産税など総額の約22%が課税免除になるなどのメリットを知り、設備投姿計画を前倒したり、区域内に新規投資を決めたりする企業が相次いでいるとう。同推進室によると、電気やエレクトロニウス、素材など製造業の新規投資が圧倒的に多く、水産加工業や旅館業なども特区を活用。次世代自動車、新エネルギー、スマートグリッド(次世代送電網)など新産業の集積効果も表れているという。震災による本県製造業の被害総額は、東北3県を上回る推計5300億円(日本政策投資銀行調べ)。県は特区を産業復興の起爆剤と期待している。

環境と開発

水源保全条例提案へ 県議会自民 外資買収に予防線   (7.18 茨城)

 外国資本による森林買収が全国で増加しているのを受け、県議会いばらき自民党は、水源地となる森林の土地取引に事前届け出制を導入する「県水源地域保全条例案」を9月定例県議会に提案する方向で検討に入った。同様の条例は北海道、埼玉、群馬の3道県で制定されているが、議員提案は都道府県で初めて。県内で外資による森林買収は確認されていないが、森林買収の"飛び火"に予防線を張り、水源地の乱開発を未然に防ぐ狙いだ。

医療・福祉・社会保障

生活保護受給者の扶養義務者 水戸市が「台帳」作成  (7.11 しんぶん赤旗)

 水戸市が生活保護受給者の扶養義務者に関する台帳の作成にとりかかっていることが10日の市議会文教福祉委員会で、日本共産党の中庭次男議員が質問して明らかになりました。台帳は、扶養義務者に対し生活保護受給者への援助を求めるためのものです。中庭氏の質問に対して、生活福祉課の篠田実俊一課長は、生活保護受給者の扶養義務者を調査するため、4月に新たに警察官OB1人を含む2人の嘱託職員を採用したことを認めました。また「ここ数年、被保護世帯が増大している。(そのために)扶養義務者の台帳作成にとりくみ、すべて書き出している」と答弁しました。中庭氏は台帳の作成の狙いをただしました。これに対し、篠田実課長は「支援、援助のお願いにいく」ためだと述べました。中庭氏は、受給者から「『親、兄弟から1万円でも、2万円でも援助してもらえないか』と言われた」という相談があったことも紹介。「(生活保護費の抑制・削減のために)親、兄弟に扶養義務を強要するのか。これは(無差別平等の原理など)生活保護制度の趣旨に反する」と指摘し、台帳作成の撤回を求めました。 

小中学校の「食育」充実 栄養教諭10人増 県教育委求人開始  (7.15 茨城)

 県教委は、小中学校で栄養指導を行う栄養教諭を10人雇用するため求人を開始した。緊急雇用対策の一環で採用が決まり次第配属する。県教委によると現在、栄養管理を行う学校栄養職員と栄養管理に加え食に関する指導を行う栄養教諭は計236人。うち栄養教諭は50人で五霞、河内両町を除く42市町村の小中校と県立特別支援校3校に配属されている。食育を充実させるため栄養教諭の資格者を採用することとした。県は「県第2次食育推進計画」を昨年度からスタートさせ「食育」の充実に取り組んでいる。 

いじめ対策強化へ 県教育協議会 (7.26 茨城)

 いじめが原因とされる大津市の中2男子自殺問題を受け、県教委は25日、県庁で教育委員協議会を開いた。委員らは意見交換を通して、いじめの早期発見体制をこれまで以上に強化していく方針を確認。これを受け、県教委は今月末から来月初めに開く44市町村教育長・教育委員長による会議でも広く意見、考えを募り、具体的ないしめ対策に結び付けていくとともに、広がる教育委員会不信に歯止のをかけたい考えだ。
 教育委員協議会は毎月の定例会議とは別に非公開で開かれ、福岡祁子委員長ら6人の委員と県関係者が出席した。福岡委員長は「いじめは私たちの課題として投げ掛けられている。教育委員会として協議したい」と、協議会の意義を強調した。最大の課題となるいじめの早期発見へ向けては、委員から「いじめを見つける教員の資質向上」「学校だけで対応できない場合はPTAや地域と連携も必要」などの意見が出された。問題に対応する体制については、「機動的に動ける組織や体制を今後検討していく必要がある」「新たな組織も重要だが、既にある体制の見直しも必要」などの声が上がり、従来体制を強化する方向で一致した。

「東海第二原発」運転差し止め提訴 地震・津波の危険性、争点に (7.31 朝日) 

 今回の訴訟は、国に対して、原子炉設置許可が無効であることを確認する▽原発の使用停止を日本原子力発電に命じる、という2点を求める行政訴訟と、日本原電に対して運転差し止めを求める民事訴訟、の3要素で構成される。
 弁護団は、福島第一原発事故が起きたことで、東海第二の原子炉設置を許可した根拠となった安全基準や指針に効果がないことが明らかになった、と指摘。許可自体が違法で無効だった、と主張する。今後発足する原子力規制庁が作り直す厳格な安全基準に照らせば、東海第二はこれに違反するとして、運転停止命令を国に迫る。
 訴えの中心の一つに据えられるのが、東海第二原発を襲う可能性がある地震・津波の危険性だ。茨城沖の日本海溝沿いに地震の空白域があり、今後、巨大な地震や津波が発生する可能性があると指摘。さらに、原発周辺の断層についても過小評価されており、これも巨大地震の可能性があると主張する。「勝つか負けるかが決まる重大な争点になる」(海渡雄一弁護士)と位置づける。
 このほか、原発に隣接する使用済み核燃料再処理施設を含め、30㌔圏内に18もの原子力関連施設があり、複合事故が起きれば「首都圏はおろか、国の存亡にかかわる事態も想定される」ことを明記。また、運転開始から33年たつ原発の老朽化による重大事故発生の危険性も争点に掲げる。
 「事故を起こせば首都は壊滅し、一番大きな被害を同時多発的でも、東海第二の訴訟は極めて重要だ」と、河合弘之弁護士は一強調した。  

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