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第98号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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第98号

2017・02・24 更新
真壁のひな祭り

真壁のひな祭り=桜川市真壁

 見世倉・土蔵などが軒を連ねる風情豊かな町並みの真壁町に、約180軒の家がひな人形を飾る。高久家の建物内には、真壁のご当地キャラクター「いしおさん」の愛らしいおひな様が。いしおさんを生み出した、真壁の「石匠の見世蔵」の出店場所でもあり、石の街・真壁の魅力を伝えている。

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深刻な所得格差にストップを!

 1月31日付け朝日新聞の「経済気象台」というコラム記事に「日本の所得格差」と題して、わが国の貧困問題が取り上げられている。要旨はこうである。
 経済のグローバル化が進む中、日本の所得格差は2008年のリーマン・ショック前後を除いて拡大している。この状況を表す指標の一つが「相対的貧困率」の高さ。相対的貧困率とは生活に必要な最低限のお金がない人の比率ではなく、所得が真ん中の人の半分(貧困線)に満たない人の割合を示す。国民生活基礎調査では、その率は2012年が16・1%で、2000年と比べて0・8㌽高く、緩やかに貧困層は増えている。
 相対的貧困率では、三十数カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の平均値を日本は上回る。
 日本では、移民問題や若者の失業問題も聞かない。まして、ここ数年は人手不足が叫ばれている。どうして所得格差や貧困が問題となるのか。一つには相対的に賃金の低い非正規労働者 が増えていることだ。
 また、女性の働き手は増加しても、低賃金状態にあり、地域賃金格差もまだまだ大きい。
 別の観点で所得格差の一因と考えられるのは子供の貧困だ。貧困家庭の小中学生を支援する対象者の割合「就学援助率」が、日本では15%超と高止まりしている。教育の機会や学歴の違いによって、雇用機会に格差が生じ、所得格差も生まれるのだ。
 この状況を放置すれば、格差がますます広がり固定化する恐れがある。社会的な分断を防ぎ、生産性を向上させ、生き生きとした日本の経済社会を作るためにも、デフレ脱却に資する賃金上昇はもちろん、政府による税や給付を含んだ支援制度の充実、地方創生などが必要だ。民間企業の賃金引き上げも必要だ。
 以上のような指摘をみると、アベノミックスといわれる経済政策が大企業の内部留保金や富裕層の致富を促し、他方で貧困層を拡大している実態に目を向けるべきである。

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ユニーク活動紹介

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もりや循環型農食健協議会(もりあぐ) 代表 伊東明彦

 地域の「食と農と健康」をつなぐ私たちが住む茨城県守谷市は、1981年の常磐高速道酪開、エクスプレス開通により、都心からのアクセスが良くなり、一時は東洋経済新報社が毎年算禺する「都市成長力ランキング」で全国1位になるなど、急激に成長してきたまちです。市の人口は、昭和40年代に1万人強でしたが、現在は6万5000人を超えています。元々は、農村地域でしたが、人口の8割以上が帯外から流入してきた人たちで、新興住宅地や商業施設が占める割合が増えています。
 一方、街並みを抜けると豊かな田園風景が広がり、今でも農業は重要な主産業です。特に、守谷市と常総市にまたがる地域に立地する大八洲開拓農業協同組合は.2000頭弱の乳牛や数百頭の常陸牛を飼育しており、都心から最も近い酪農地幣と需えます。
市内の大型ショッピングセンターには、全国から取り寄せたさまざまな農産物が並んでいます。しかし、大型ショッピングセンターから、少し車を走らせると、直売所や牛舎が点在し、地元の食桝がたくさんあることに気づきます。本来「農と食」は、身近なものであったはずです。地域の土地で、地域の気候にあった農産物を食べることで、必要な栄養素を摂取し、健康を維持できていたはずです。それが、高度経済成長による大量生産・流通により、いつでも食べたいものが欲しいだけ手に入る生活となってしまいました。

 そこで、私たちは、もりや循環型農食健協議会(もりあぐ)を15年に立ち上げました。「農と食」「食と健康」をつなげることで、地域資源の有効活用と持続的な地域活性化の好循環をつくるための活動を始めました。
 守谷の農家は、小規模経営が多く、販路は地域の直販店が中心となっており、そのために規模の拡大を難しくしていました。私たちは、販路を拡大するため、都心からのアクセスの良さを生かし、都市と農栂を交流・共生する仕組みづくりも始めています。
 もりあぐの特徴は、所属メンバーが、農家、農業協同組含、流通、飲食店、小売店など、生産から消費者までをつなぐために必要な人材がそろっていることです。また、所属メンバーの多くが30~40歳代と着いことです。地域の次の世代を担う世代が、将来の守谷のまちづくりに向き合い取り組んでいます。
 もりあぐの具体的な活動は、都市住民を対象に守谷の魅力・地域資源を知っていただくためのグリーンツーリズム事業と、地産品の価値を高めるための商品・メニュー開発事業、地域や都心での販路を開拓するための直販販促・販路開拓事業です。
 まずは、皆さんに、守谷の魅力・地域資源を知っていただきたい。グリーンツーリズムを定期的に企画していますので、ぜひともご参加ください。

いとう・あきひこ
1974年埼玉県春日部市生まれ。千葉大大学院自然科学研究科修了。理学博士。環境団体・NPO法人などいくつかの組織を運営。15年にもりや循環型農食健協議会を設立。農林水産省の都市農村交流共生・対流総含対策交付金に採択される。

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手土産に辺野古の海に石を投げ
一ミリも領土動かず棚ざらし  
トランプかカルタにしようか雛祭り
春風に豊洲怪談納まらず
輝いて春らん漫の土俵入り

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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イベント案内

◎ 第13回自治体セミナー
  期日:2017年2月25日(土)13時から16時まで
  場所:取手市役所藤代庁舎「大会議室」
     テーマ「共同の力で憲法が生きる地方自治」
     記念講演:谷萩陽一氏(水戸翔合同法律事務所長・弁護士)
     事例報告:①取手総がかり行動の取組み
          ②茨厚労の闘い
          ③公務・公共サービスは正規職員で
                         
     資料代:300円

新刊紹介

『生きたかった ー 相模原障害者殺傷事件が問いかけるもの』

藤井克徳・池上洋通・石川満・丼上英夫編

大月書店 [本体1,400円十税]

 寄稿 香山リカ(立教大学教授・精神科医)福島智(東京大学教授・障害当事者)ほか 

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自著を語る  池上洋通

 昨年12月に出版した上記の『生きたかった一相模原障害者殺傷事件が問いかけるもの』は、共著で、専門的立ち位置を微妙に異にするところから対象を分析したものである。
 周知のように、昨年7月に神奈川県相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件は、多くの人々に深い衝撃を与えた。しかし半年が過ぎたいま、マスコミはほとんど取り上げなくなっている。けれども実は、事件の容疑者を動かしたとされる「優生思想」は、現実社会に深く根を張り、障害者差別を日常化させ、中央政府・地方自治体の政策に重大な影響を与え続けている。
 わが国で、優生思想をうたった法制度の初めは、ヒトラー・ドイツの「断種法」に範をとって1940(昭和15)年に膳定された「国民優生法」であるが、現行憲法施行後の1948年に同法を「改正」する形でさらに対象疾病や障害の範囲を拡大して「優生保護法」を制定し、1996年まで施行されていた。この法律によって、「強制手術」などが行われ、障害者の存在そのものがおびやかされ続けた。
 さらに重大なことは、それを正当化するものとして国民全体に「障害者差別」を当然とする社会思想が植えつけられ、その結果、行政をはじめ社会のいたるところで「差別関係」が生まれた。障害者の社会的隔離、学校教育における「分離教育」、住居、労働・雇用、情報活動における差別などなど…。先進国で珍しいといわれるこれらの課題の解決が、中央政府だけでなく、地方自治体の政策課題であることは明白だある。しかも近年、「社会福祉・社会保障リストラ」とでもいうべき制度改変が進められ、施設の民間委託、職員の非正規化か急速に広げられている。
 しかしその一方で、障害者権利条約の批准と共に「障害者差別解消推進法」が昨年4月に施行された。わが国初の「差別禁止法」である。これを受けていま、多くの自治体で条例作りが進められており、障害当事者と住民による運動も急速に広がりを見せている。
 本書の企画は、こうした情勢を意識しつつ、事件直後に始まった。その根底にあるものは「共生の思想に立つ地域の運動に貢献したい」という願いです。普及のためにお力添えをたまわりますように心からお願い申し上げます。

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