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第90号

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第90号

2016・06・30 更新

鉾田のメロン

茨城県を代表するメロン産地=鉾田市

茨城県のメロンは、栽培面積1,460ヘクタール、産出額127 億円(平成26年)と全国一の生産を誇る。本県での生産は4月下旬から6月に出荷される半促成栽培が主体で、ビニルハウス内で無加温栽培される。無加温であるため、寒さや天候不順の影響を受けやすく、5月以前の収穫の作型では、小玉果や糖度不足による品質低下が課題となっている。

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選挙を変えよう、安倍政治を変えよう!!

 安倍首相を退陣させるには、参議院選挙(7月10日投票予定)で野党共闘が勝利することだが、高田健氏によると、32の1人区で17区野党統一候補が勝てば自民敗北の結果になるという。
 32の1人区すべてで野党間の統一候補が決定したことは歴史上初めての出来事で、自公と補完勢力(大阪維新など)を破る可能性があり、希望のもてる選挙だということができる。
 4月13日に「戦争法の廃止、立憲主義(憲法による権力縛り)の回復、個人の尊厳を擁護する茨城県市民連合」が結成され、記念講演で中野晃一氏(上智大学教授)はつぎのように述べている。
 「小泉政権以後10年間、自民党の絶対得票率(全有権者の自民票)は13.5~18.8%で、自民党は決して得票を伸ばしているわけではありません。16~17%で推移し、これは6人に1人の得票で政権を維持できているということ、野党が分断していて、かつ投票率が低ければ、自民党は固い支持層である6人に1人の固定客だけで何度選挙しても勝てるというのが小選挙区制であり、地方1人区のマジックなのです。
だから、自民党はより多くの国民の支持を得ようなどとは全く思っていない。人々をげんなりさせる、無力感を味あわせる、政治にあきらめモードにする、そして野党を分断する。彼らが政権を維持するのに必要なのはそれだけです。」と。
 われわれはどうするのか? 投票率をあげ野党が共闘すること。分断を乗り越えること、共闘を貫くこと、有権者に向かってこの選挙には行った方がいい、というアピールをしていくこと。多くの諦めていた人たちに、いやいや行かないとまずい、行く価値がある、野党をここで後押しするということが日本の将来を考えた時に絶対にやるべきだと伝えること、につきる。

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住 民 投 票 条 例 へ の 賛 成 討 論

水戸市議会議員 田中真己
  

016年5月16日臨時議会

 日本共産党水戸市議団の田中まさきです。

 通告にしたがい、議案第57号、「新市民会館計画及び、これに係る市費の支出の賛否を問う住民投票条例」に対して、賛成する討論を行います。条例名称のとおり、問われているのは「新市民会館に係る市費の支出」であります。
 いうまでもなく、議会の基本的役割は税金の使い方のチェックにあります。したがって市がこれまで、新市民会館にかかわって説明してきた内容が妥当なのか、これが問われております。

<新市民会館計画が水戸市の財政に与える影響について>

 実際に多くの市民から「市役所新庁舎より多くの事業費がかかるとは驚きだ」「このような事業を実施して市の財政は大丈夫なのか」という意見が寄せられています。そこで私は、総額約300億円という新市民会館計画が水戸市の財政に与える影響などについて述べ、討論に参加したいと思います。
 市長は、本条例に対する意見書や、市のホームページ、また「みと財政安心ビジョン」などで、新市民会館建設事業を推進しても、「健全な財政状況を維持できる。市民サービスが後退することはない」と、繰り返し表明してきました。
 水戸市がホームページで公表している「4大プロジェクトと新市民会館整備事業」では、「水戸の財政リポーター・おさいふくん」というキャラクターが、以下のように解説しています。
 『新市民会館建設費192億円に対して、実質的な市の負担額は117億円である。これは50年利用する施設であり、年平均にすれば2億3400万円、27万人一人当たり年約900円である』としています。
 しかしこの説明には、再開発事業103億円や、駐車場建設費が含まれておりませんし、事業費が増える可能性にも触れていません。建設後の維持管理費用や改修費用も含まれておらず、フェアな説明とは言えないと思います。高額な施設を作れば将来の改修費用も高額となるわけで、その財政計画が示される必要があります。さて、市のいう192億円という枠内においても、実質的な負担額が本当に117億円といえるのか、という問題があります。
 水戸市は新市民会館にはほとんど国の補助金を見込めない代わりとして、合併特例債という借金をあてるとしています。もともと合併特例債は、内原地区の行政格差をなくす事業が本来の目的です。ところがその最大の充当先が新市民会館で、85億5千万円もあてようとしています。ともかく市は、この借金は後で国から7割が交付税措置されるから、市の実質負担が減ると説明しています。
 確かに国は、合併特例債の借りた分の元利分の7割を、基準財政需要額に組み入れ地方交付税で措置するとしていますが、市の税収が増えれば、基準財政収入額が増えて、交付税全体が減り、合併特例債にみあう交付税も減るのであり、元々流動的で不安定なものです。ですから20年の長期にわたり、確実に元利分の7割が戻るとは言えない借金です。
 いずれにせよ、市があてにしている国の交付税措置はあくまで見込みであり、確実な保証があるとはいえないものです。再開発事業103億円に対する約50億円としている市負担も、どこまで増えるかわかりません。市長はNHKの報道で「市民会館建設と再開発合わせて約300億円に対し、市の実質負担は160数億円となる」と述べています。
 その実質負担だけですでに巨額ですが、先に述べたように、この額にとどまることはまずありえないし、国費も含め300億円を超える事業費を投じることそのものに、市民から疑問が提起されているのです。市民会館計画が巨額になった原因の一つが、再開発事業を選択したことにありますが、私たちは今回の泉町北地区の再開発は、泉町南地区再開発に引き続く特定企業優遇であるとしていずれも反対してきたわけであります。やはり計画は一から見直すべきであります。

<市民サービスへの影響について>

 さらに市長は、条例に対する意見書の中で、「4大プロジェクトによって、市民サービスが後退することはない」とも述べています。これについて「水戸市の財政リポーター・おさいふくん」はなんと言っているか。「4大プロジェクトに一般財源を85億円投入するが、これには、着実に積み立ててきた財政調整基金98億円を活用するため、他の市民サービスに影響を与えることはない」「新市民会館に財政調整基金から32億円をつぎ込む」と説明しています。そもそも約100億円まで増えた財政調整基金の原資は、市民が一所懸命に納めた税金です。水戸市の財政調整基金はすでに、適正規模28億円の3倍以上の約100億円となっており、過大な積み立てです。
 私たちはそれを市民に還元して、税や公共料金の値上げをやめて引き下げることや、待機者解消のための保育所や特別養護老人ホームの増設、老朽化した学校の改修や生活道路の整備などに使うべきだと主張し、計画の前倒しの実施も求めてきました。ところが、こうした施策については、第6次総合計画の枠内からは出ようとしないのに、新市民会館など4大プロジェクトは総合計画にない形で計画が巨大化、費用も10億円単位で増え続け、市民サービス拡充のための財政調整基金の大半が大型プロジェクトに充てられようとしているわけです。これでいいのでしょうか。
 新市民会館で人を呼び込み、「住んでみたい」という「選ばれるまち」を目指す、「福祉や教育を後退させない」といいます。しかし、例えば3歳未満児の保育料が全国一高いことや、雨水で冠水する場所が215か所もあるわけです。「住んでみたい」まちになるためには、こうした、他自治体と比べ遅れている分野をすみやかに改善し、「後退させない」のではなく、先進都市と言われるように「行政サービスを引き上げる」ことが「選ばれるまち」の前提ではないでしょうか。
ところが「みと財政安心ビジョン」では、今後の定期的な税や公共料金・各種手数料の値上げや、収納対策としての取り立ての強化、行政サービスの民間委託が掲げられているわけであります。  
 「おさいふくん」がいくら「国保税や下水道料金の値上げは、どちらも独立採算だから4大プロジェクトとは関係ない」とか、「みと財政安心ビジョンは市民サービスの向上につとめているから安心してください」といっても、現実に値上げで家計が大変な市民が納得できるものではないと、私は考えるものです。
 過去最高の貯金があるのに、もっぱら大型プロジェクトにつぎ込んで、過去最高の借金財政にしてしまう。それが生活関連予算へのしわよせにつながることは避けられず、このことに多くの市民が不安を持つのは当然だと思います。
 市の試算でも4大プロジェクトを推進することによって、平成31年度には、水戸市政始まって以来最大の、2452億円の借金となり、その返済は15年から30年の長きにわたるものです。
 それだけに、私たち市議会議員は、将来世代への負担という問題について、真剣に考えるべきであるし、その負担の見通しについて、慎重かつ十分な調査と検証が求められると思います。それが市民から付託を受けた私たち議員の責任ではないでしょうか。

<住民投票の意義について>

 今回の住民投票条例は、市民が直接の投票によって、計画の賛否を判断する大切な政治参加の機会です。計画に賛同する方も、反対する方も、また良く分からないという方もいらっしゃいます。この住民投票をとおして計画の詳細が伝わることによって、税金の使われ方への関心もさらに高まり、市民参加の行政が進むことは間違いないと思います。日々繰り広げられている市民の多彩な文化芸術活動の詳細もわかることになるでしょう。市民一人ひとりがどんな市民会館を望んでいるのか、その対話を通じて、本当に求められる新市民会館の形が浮き彫りとなり、新しい市民会館への愛着も育まれることになると思います。それこそが、開館後の利用につながるものであります。
 
大事な問題は、議会だけではなく、市民自身の参加によって決めていく、これは「住民が主人公」の行政を進めていく、大切な民主主義の原則であります。
 幅広い市民の皆さんの意思を聴くために、議員の皆さんに本条例にご賛同いただき、「ぜひ水戸市で初めての住民投票を実施しよう」ということを呼びかけまして私の賛成討論といたします。

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ケイマンへお百度参りする亡者
五輪旗に又ぞろ金の虫がつき  
再延期一円玉の頭なで
知事さんは下手な芝居をよく続け
選挙権持ったらやはり重かった

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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茨城県自治体問題研究所からのお知らせ

第5回理事会の開催

1.日 時 :7月5日(火)午後6時30分~
2.場 所 : ミオス 2階・第2小研修室 常磐線赤塚駅北口前
3.議 題 : 第42回総会議案討議について
 

研究所 第42回総会の開催

と き:2016年7月16日(土)午後1時30分から
ところ:「茨城自治労連会館」
つくば市花畑3-9-10 ☎ 029-864-2548
一般公開講演
総会の前段、次の講演を一般公開いたします。ご自由にご参加ください。
記念講話: 「つくば市運動公園住民投票の経験」
講師:山本千秋氏(茨城県自治体問題研究所理事)

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