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第79号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて
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第79号

2015・07・23 更新

旧飛田邸

旧飛田家居宅=古河市・古河総合公園

 旧飛田家住宅(旧所在 茨城県久慈郡金砂郷村)。1661-1750 (江戸中期)の建築。1968年4月25日に重要文化財 (建造物)指定。県下における最古の曲屋。昭和50年、古河総合公園内の民家園に移築。

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平和安保保障法案を考える (2つの記事から)

自由と平和のための京大有志の会「声明書」全文

戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。
精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。
海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。
学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。

(2015.07.18朝日新聞)

樋口陽一氏の「現状=『三重の侮辱』」主張

「(砂川判決から集団的自衛権を合憲と主張するのは都合の良い理屈をこじつける)牽強付会(けんきょうふかい)にもなっていない議論。最高裁はどう思っているのだろうか。 『裁判官は弁解せず』という言葉があるから、ねじ曲げないでくれとは言わないだろうが、判例の読み方の基本を踏み外している。大学1年の『法学概論』の試験で、高村副総裁のような答案を書けば落第。判例への侮辱だ」
 残り二つは積み上げられてきた国会論戦、そして歴史認識への「侮辱」だ。「これまでの内閣法制局の見解の枠の中にあるんだという強弁を繰り返している。これまでの国会論戦の攻防を吹き飛ばしてしまう、国会審議への侮辱だ」。安倍首相の歴史認識にも言及する。「一連の法案の背後にあるのは戦後レジームからの脱却というスローガンではないか。戦後の出発点であるポツダム宣言についてまったく取り違えた考えを安倍総理は公にしてきた。(こうした歴史認識のもとで)この法案像のすべてが始まっている。これは歴史に対する侮辱だ」。  

(2015.7.13毎日新聞)

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生命線総理の腹で延び縮み
戦争の匂いをはこぶ夏の風  
マスコミに袈裟をかぶせて出す呪文
競技場金がないのにでかい夢
再稼働急に鳴き出す黄金虫

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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初めての議会活動の経験から

石井 栄(笠間市議会議員)

 当選後初めての議会が昨年12月25日に開催され、議長選挙では、他会派からの支援要請にも即座に対応できるように、合意協定書案を④通り準備して臨みました。合意協定書の内容は議会の民主的な運営という点を基軸にしたものでした。議会の様々な場面で、野次、不規則発言が飛び交い言論の府とは似つかわしくない状況が見られ、議会運営の重要な課題と考えたからです。しかし、このときは機が熟さず、議員団長を議長候補にして団結して闘い貴重な2票を獲得することができました。
 その後の議会活動を進めるに当たって毎週1回の議員団会議を定例化し、3月議会までに10回の議員団会議を開催し、討議し意見の調整を図りました。この間、多くの方々からの助言、援助を受けることができ力になりました。

 3月議会で取り上げるテーマは①通学路の安全確保。②教室へのエアコン設置。③公立幼稚園保育料の軽減。この3点に定めました。

 第1のテーマは特に重視しました。住民の意に反し、今年4月から旧笠間市内の3小学校、1中学校の廃校が決定され、中には12km以上もの道のりを通学する児童生徒がいる中、通学路の安全確保は議会に課せられた課題でした。小中学校の関係者から事情をお聴きし、現地調査を行い、改善が必要な箇所を絞り、具体的な提案を示して改善を求めました。
 第2のテーマは教室へのエアコン設置に対する質問です。笠間特に旧笠間地区は盆地であり、夏は暑く冬は寒い土地柄です。近隣の市町村でもエアコン設置の動きがある中、児童生徒からの要望も踏まえ、教育環境の整備という観点からの質問をして、設置を促しましたが、2年前に扇風機を設置したこともあり、執行部からは良い回答がありませんでした。これは、住民の要望を基にした運動が必要ではないかと考え、6月議会で再度取り組むことになりました。教室にエアエコン設置を求める市民の会のみさんとともに署名運動を展開し、短期間に多くの署名を集約して、議会に請願したところ、全議員が請願の紹介議員を引き受けて下さいました。6月議会最終日には全会一致で請願が採択になり、状況を大きく動かすことができました。しかし、請願が採択されても、法的拘束力はなく、確実に設置するまでには、一山越えなければなりません。市民の会の皆さんとの更なる運動で、設置に結びつけたいと対策を練っているところです。
 第3のテーマは、公私立幼稚園の保育料に関する問題です。今年4月から公私立幼稚園を認定こども園に移行する計画が出され、それに伴う保育料の改定で、私立幼稚園では入園料を加えた毎月の保育料改定が決まり、その後、私立幼稚園の保育料に合わせて公立幼稚園の保育料の最高3.09倍という大幅な値上げ案が出されました。私立幼稚園の保育料が昨年11月に決定され、今年3月議会で、公立幼稚園保育料の値上げが提案されました。これに対して、住民負担の軽減という観点から、私立幼稚園に対しては元の保育料からの軽減が必要であり、5段階の所得階層で3,000円前後の引き下げを行う新たな料金体系を提案し、公立幼稚園では値上げをしないことを求めました。それに必要な予算は、私立には3,500万円。公立には1,090万円。合計で約4,600万円であることが分かり、十分可能な予算措置であると思いました。これにより、公立、私立で異なるある意味では二重の料金体系になりますが、高い料金でも同じであれば公平だという市の提案理由を打ち破る論理展開になったのではないかと思います。新年度予算では否決になりましたが、賛同者も出たので提案には影響があったのではないかと思っています。

 3月の議会予算特別委員会では、9名の委員中に2名の党議員が選出され、新年度予算の審査に入りました。その中で、他会派から共闘の申し出があり、検討の上、条件が折り合いましたので、他会派からの1項目にわが党の予算要望を6項目組み入れ、市長提出の新年度予算に反対の態度を表明しました。議決の際に議会史上多分初めての賛否同数になり、予算修正が可能かと思われるところまで進展しましたが、結果として、市長提案の新年度予算を否決することはできませんでした。しかし、この経験は、6月議会に引き継がれ、エアコン設置の全会一致での請願採択につながることになりました。一点共闘も含めて良い経験ができ、波乱に富んだ議員活動を始めたところです。

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最新イベント情報

● 第33回市町村議会議員研修会in横浜
 8月24日(月)・25日(火)(横浜)関内新井ホール
 
 9月議会を前に、鍛えよう「政策力」~どうする地方創生総合戦略
 策定を迫られる「地方創生総合戦略」、10月スタートのマイナンバー制度、9月決算議会に向け予算書・決算書の読み方などを解説する。
● 第57回 自治体学校 in 金沢
 2015年7月25日(土)・26日(日)・27日(月)

57自治体学校

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新刊紹介

平成合併を検証する ~ 白山ろくの自治・産業・くらし

横山壽一・武田公子・武味能成・市原あかね・西村 茂・岡田知弘・いしかわ自治体問題研究所=編

定価(本体1852円+税)自治体研究社 サイズ:21cm/185p

「平成の大合併」によって、石川県の1市2町5村が合併して白山市が誕生した。財政、行政サービス、自治機能など、白山市の誕生がもたらした変化と問題点を、住民生活の視点から明らかにする。

憲法を守り活かす力はどこに ~ 希望としての地方自治 PARTⅢ

宮下 和裕 著 
定価 (本体1,500円+税)自治体研究社サイズ:21cm/161p

憲法を守り活かす力、構造改革路線の破綻とたたかいの展望、まちづくりと地方自治…。
 2007年12月以降に公表した憲法問題、選挙、政権交代、地域問題などに関する論考をまとめる。

岡田知弘講演会:『自治体消滅論』を越えて

 先日、「『人口減少時代』のまちづくりを考える市民の集い」という催しがあり、自治体問題研究所理事長の岡田知弘氏(京大教授)が、<「自治体消滅論」を越えて>というテーマで講演されました。私の住む城陽市も消滅可能性自治体に名前が入っているので、以前から気になっていました。これは良い機会と思い、講演会に参加してきました。その内容を超要約してみます。内容が多岐にわたっていたので、まとめるのはちょっと大変です。部分的なまとめになり、ちょっと講演者に失礼になるかもです。
 講演内容の要約に入る前に、「自治体消滅論」について解説しておきます。
【自治体消滅論とは?】
 「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務大臣)が、人口が今のまま推移したとすると、「若い女性の半数以上が減少する」、「人口規模が1万人以下」という2つの条件を満たした自治体は、人口減少が止まらず、2040年までに消滅の可能性があるという報告をまとめました。世に言うところの「増田レポート」です。896の「消滅可能自治体」の実名も公表され、そのうちの523自治体は、この二つの条件を満たすため、「消滅自治体」とされました。
 この事態に対応するための方策も提案されました。各地方ごとに、地域拠点都市を決め、そこに重点的に人と行政投資を集中する政策です。「選択と集中」です。地域拠点都市を作ることにより、その地域の人口流出を食い止め、「人口流失ダム」にしようという構想です。将来的には、全国で30万人規模の基礎自治体に整理・集約し、最終、全国を300自治体程度にしていくというものです。
【増田レポートへの批判】
 岡田氏の講演は、今の政治状況や地方自治の本質といったスケールの大きな内容でしたが、まず最初に、増田レポートへの批判の部分に焦点を絞ってみます。
 ★若年女性人口が「半減」することをもって、「消滅可能性自治体」と呼ぶことの根拠はきわめて曖昧で、あまりにも非科学的で、政治的であると言える。
 ★推計方法に問題がある。例えば、若い女性の動きが全国的に同一の傾向で動くことを想定し、東京へのトレンドが、最も高い水準で続くことを仮定している。
 ★3.11後に起こっている、「田園回帰」といった人口移動の新しい動きが考慮されていない。
 ★自治体での主体的努力による新しい傾向変化が考慮されていない。産業政策が地元密着で、自前の福祉政策を充実させて、人口維持・増加を果たしている自治体が出現してきている。 
 ★人口減少の本当の原因に対し、まともな検討がなされていない。人口減少の一番の原因は、小泉改革以降に続く規制緩和により、非正規雇用の増大、様々の新自由主義的な改革が原因である。20代、30代の男性では、年収が300万円未満の層では、既婚率は10%を切る状態となっている。(300万円以上は20%台)非正規雇用者の30代既婚率も、10%を切る状況である。
 ★「地域拠点都市」は「人口流失のダム」にはなり得ない。それは、今までに合併してできた広域合併都市をみればわかる。全国の広域合併都市では、周辺部の町村で行政権限が奪われたことにより衰退が始まり、人口が減少し、それが中心部にも及んできて、全体として人口が減少する傾向が共通してみられる。
 ★全国で、30万人以上が住む都市の総面積は11%である。ここにインフラ投資を集中すれば、残りの90%の国土はどうなるのか。荒れ放題の災害に弱い国土になってしまう可能性がある。広島県の大雨災害をみても、すでに現実のものとなってきている。
 ★集落は、農山漁村における生活の基盤であると同時に、用水や山・海の管理など産業の基盤であり、国土保全の基礎単位である。ここへの行政サービスを削減することは、集落崩壊へとつながり、国土は荒廃していく。
【増田レポートが向かう先】
 「増田レポート」「自治体消滅論」は、どこへ国民を導こうとしているのでしょうか。次に、この点をみていきます。
 ★増田レポートは、「人口の減少は避けられない。自治体の存続を諦めなさい。」という一種のショックドクトリンである。
 ★自治体を整理し、全国を30万人規模の300自治体にしていく、これはかねてより経団連などの財界が主張している「道州制」そのものである。
 ★「道州制」を導入する狙いについて、経団連の会長だった御手洗氏は、次のように述べている。「県を廃止し、地方整備局や農政局などを廃止することにより、10兆円の資金が生まれる。これで空港、港湾、高速道路などのインフラ整備を行えば、多国籍企業を誘致することができる。」つまり、大型公共投資の財源作りをしようとするものである。
【地域を豊かにするとは?】
 ★企業の進出や重要プロジェクト誘致が「活性化」ではない。新産業都市、テクノポリス、リゾート開発など、かっての開発で持続的に発展した地域は一つもない。利益のみを追求する資本は、利益が出なくなればあっという間に撤退する。シャープのテレビ工場は、2年と持たなかった。優良自治体だった浜松市も輸出企業が撤退し、広域合併も影響して、人口減少ワースト市に転落した。
 ★大型公共事業を受注するのは大手ゼネコンであり、利益は東京本社に集中し、借金だけが地方自治体と住民に残される。
 ★自治体に住む住民の生活の質が維持、向上することが「地域が豊かになる」ことである。地域からものをみ、人間生活の再生産という根本的視点が大切である。
 ★地域経済や地域社会を担っているのは、中小企業や農家、協同組合である。全国の事業所の99%、雇用の70%を占めている。多国籍企業に依存せず、地域内経済循環を太くしていくことが必要である。・・・・・

 フッー! 疲れてきました。2時間の講演をまとめるのは大変ですね。経済特区の話も飛ばしてしまいました。あと、安倍政権の進める政策との関係も残っています。全体として、まだ、半分もいってないですが、ここまでにしておきます。申し訳ない。
 興味のある方は、岡田知弘著:「自治体消滅論」を越えて(自治体研究社)を参照してください。   
では。また。          2015年2月17日 (火)

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