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第77号

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第77号

2015・05・22 更新
ささら舞

花園神社で奉納されるささら舞=北茨城市

 北茨城市華川町の花園神社(神永荘太郎宮司)で例大祭が開かれ、子どもたちが獅­子を演じて五穀豊穣と子孫繁栄を祈願する「ささら舞」が奉納された。同神社によると、ささら舞は、源義家らが奥州征伐を成功した礼として獅子舞を奉納したのが由来とされており、約900年間受け継がれているという。毎年5月5日に行われる。#clear

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自衛隊員の「死の受容」
日本武道館で「国葬」級の葬儀

 5月14日、安倍内閣は、戦争法案を閣議決定し、直ちに国会へ上程した。戦後70年にして憲法9条の歯止めのもと「専守防衛」という国是は放棄されようとしている。隣国の脅威を口実にしているが、本音は現憲法体制を嫌悪し、戦後レジームからの脱却を求めて伝統国家への回帰・権威主義国家の再建につうづる軍事強国がねらいであろう。
 いずれにせよ、国民への説明もなく、日米合意を先行させ国会審議を強行突破使用としていることに怒りを覚える。国民代表=国会議員の賢明な審議と決定を切望してやまない。
 翌日5月15日付け毎日新聞の、「本当に撃てるのか…防衛大卒55歳記者は聞いた」と題する記事が目にはいった。戦争法案を考えるうえで極めて示唆するところが多いと思うので、紹介しておきたい。
 「自衛官の任務は激変した。1990年代に海外派遣を開始。インド洋上での米軍などへの補給活動という『戦時』派遣をへて、イラク復興支援の『戦地』派遣も経験。憲法を考えれば、ここまでが限界だったと思う。ただ、海外派遣に合わせるように隊員が戦死した場合の準備を進めてきた。派遣先にはひつぎを運び込み、医官に遺体修復技法(エンバーミング)を研修させ、東京・九段の日本武道館で『国葬』級の葬儀のための日程を把握する。それは組織としての『死の受容』だった。
 安倍内閣は昨年7月1日、集団的自衛権行使容認を閣議決定。10カ月間の与党内論議をへて、14日、新しい安保法案を閣議決定した。成立すれば、自衛隊が海外で『ふつうの軍隊』並みにふるまう枠組みができあがる。
 親しい陸自将官OBは『憲法9条で守られてきたのは実は自衛隊だった』と漏らす。日本に攻めてきた敵とは戦う。だが、海外で自衛官が殺したり殺されたりする事態は、9条により免れてきた、と。『自衛隊は創設から60年、1発の銃弾も撃っていない』といわれる。部内ではそれが少々恥ずかしいことのように言われるが、私は日本人の誇りだと思う。その封印がいま、解かれようとしている。」
 「死の受容」へは、靖国神社・護国神社への合祀や勲章、遺族年金の厚遇なども用意されるであろう。 だが、若者の戦死ニュースは絶対に見聞したくない。T.T

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一輪のバラに飛び交う鳩の群れ
アベノミクスすずめの涙も届かない  
粛々と河を渡って辺野古まで
宰相にのせてやりたいオゴゴ石
ルビコンを勇んで渡るアホウドリ

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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県議会議員になって「いばらきの地域と自治」を考える

江尻 加那(茨城県議会議員)

 2015年統一地方選挙を終えて、茨城県内の日本共産党地方議員数は62人になった。県議3人、市町村議59人であり、県内44市町村のうち38市町村に少なくとも1人の共産党議員がいる。残るは行方市、潮来市、五霞町、境町、河内町、利根町の6市町。また、女性議員は29人で全体の46.8%を占める。
 県内の市町村議会全体では、改選前のデータしか集計されていないが(平成26年6月1日現在)、44市町村議会に現に在職する議員数874人(定数は893人)のうち女性議員は103人で11.8%と全国平均と同じ。県議にいたっては、63人のうち女性議員はわずか5名で7.9%にとどまっている。

 茨城県が全国8位の財政力にふさわしく医療・福祉・教育を充実し、くらし優先の県政に転換するために、日本共産党の役割と女性の力を大いに発揮していきたい。
 たとえば、人口10万人当たりの医師数が茨城県は全国46位と言われるが、県内の医師総数は5,172人(平成24年)。内訳は男性4,155人、女性1,017人。男性医師の年齢層は50代が一番多いのに対し、女性医師は30代が一番多くなっており、女性医師が働き続けられるかどうか重要な課題である。
 茨城県は9つの医療圏に分けられているが、人口当たりの医師数が全国平均の半数にも満たない地域は3つあり、①常陸太田・ひたちなか医療圏、②鹿行医療圏、③筑西・下妻医療圏である。「地方創生」というなら、医療・福祉・教育の充実こそ要であり、その現場で働く人々の人材育成と処遇改善に本気で取り組まなければならない。
 介護保険料は今年4月から44市町村すべてで値上げされた。月額保険料は県平均で4,528円が5,204円に、引き上げ率15%。高い方から順に①大洗町5,980円、②水戸市5,900円、③つくば市5,892円。一番安いのが城里町と美浦村で4,500円。年金支給額も減らされ、高齢者の不安は増すばかりである。
 子育て支援の要である保育所整備もニーズに追いついていない。県内で待機児童が一番多い水戸市では、今年4月の待機児童は158人。民間保育園が4カ所新規開設されてもなお保育所不足が解消されない。この現実を解決しない限り、いくら「少子化だ、人口減少だ、自治体消滅だ」と行政がさわいでも、説得力がない。
 「住民が納めた税金は、住民の暮らしのために」という原点にしっかりと向き合い、あまりにもひどい県政のムダ使いを正さなければならない。 
 ムダ使いの象徴である常陸那珂港開発は、総事業費6,800億円。事業費の負担内訳は、国1422億、県4425億、市村203億、東京電力750億。東電が負担するのは北埠頭にある火力発電で燃やした石炭灰を港湾用地に埋め立てるため。今年5月11日に県が入札公告した石炭灰埋立用地の護岸工事は、300mの護岸をつくる工事の予定価格が46億5480万円。1mつくるのに何と1552万円かかる!46億円あれば、特別養護老人ホームなら5ヵ所、保育園なら16ヵ所つくることができる。何としても、県民目線で議会のチェック機能を果たさなければならない。
 その他にも、霞ヶ浦導水事業や茨城空港就航対策、開発用地の破たん処理など間違った税金の使い方を変えるには、住民世論が大きな力である。住民運動によって、つくば市による305億円の総合運動公園事業の賛否を問う住民投票が実施されることに決まった。水戸市でも、約300億円かけて市民会館を県内最大規模のコンベンションホールにつくりかえることに批判の声が高まっている。

 税金の使い方だけではない。東海第二原発の廃炉を求める県民世論や、憲法を踏みにじる戦争法案への反対世論など、党派や立場の違いを超えて政治を変えようという流れは、沖縄での「米軍新基地建設反対」や大阪での「大阪都構想否決」に象徴されている。茨城でも共同を広げていきたい。

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57自治体学校

第39回自治体政策セミナーin 埼玉

人口減少時代の地域の再生と「地方創生」の課題  

2015年5月31日(日)10:00~16:00
会 場  さいたま共済会館ホール  Tel.048(822)3330
定 員  160人
参加費  研究所個人会員5000円 / 一般 6000円 

 わが国の人口は今後、長期にわたって急速なテンポで減少し、住民の暮らしや地域、自治体のあり方も大きく変わります。それをどう克服し、持続可能な地域、自治体を構築していくかは喫緊の課題です。
政府も「地方創生」を打ち出し、既に長期ビジョンと総合戦略、地方創生予算も決定しました。
 今後、各自治体は地方版総合戦略と人口ビジョンを策定しますが、課題は山積しており、地域間格差の拡大や民間シンクタンク等への丸投げも懸念されています。
 今回は、こうした情勢と視点から下記の内容で緊急に自治体政策セミナーを開催することにしました。

講 義
 1  持続可能な地域を目指して  「地方創生」の論点と課題、対抗軸 
                 京都大学 岡田 知弘 氏
 2  2015年度地方財政計画と「地方創生」予算、自治体の課題

              立命館大学教授 平岡 和久 氏

主催・申込先 自治体問題研究所 
〒162-8512 東京都新宿区夜来町123 矢来ビル4F
☎03-3235-5941 fax.03-3235-5933 

事務局たより

第5回理事会の開催

 1.日 時 : 6月25日(木)午後6時30分~
 2.場 所 : ミオス 2階・中研修室(常磐線赤塚駅北口前)
 3.議 題 : 2015年度総会議案討議について
         全国自治研集会について
         40周年記念事業について
    
2015年度総会
  7月18日(土)午後1時30分 会場 茨城自治労連会館  

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新刊紹介

『マイナンバー制度 ~ 管理番号から住民を守る』

A5判 価格1000円  自治体研究社
編者 白石  孝 プライバシーアクション代表
   清水 雅彦 日本体育大学教授(憲法学)

 2015年10月、12桁の個人番号、13桁の法人番号が付番される予定です。年金、労働、福祉、医療などの社会保障分野、税分野、災害対策分野、地方公共団体が条例で定める事務に利用されます。3月10日には、預貯金などへの利用範囲拡大の法改正案が国会に上程されました。所得税の源泉徴収には個人番号が利用されますから、事業主は把握することになります。
  番号制度の基本的な仕組み、問題点、私たちはどう対応したらよいのか、 改憲動向との関係など、読者のみなさんとご一緒に考えたいと思います。

第1部 はじめに 
    第1章マイナンバー制度のしくみ 
    第2章マイナンバー制度の課題、問題点
      - 韓国やアメリカなどの事例も紹介 -
    第3章マイナンバー制度にどう臨むのか
第2部 マイナンバー制度を取り巻く監視と管理
      ― 全体状況から考える―   

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