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第71号

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第71号

2014・11・27 更新
シャトーカミヤ

シャトーカミヤ=牛久市

 シャトーというのは、ブドウ栽培、醸造、瓶詰めまでを一貫して行えるところの称号。牛久シャトーは正式にはシャトーカミヤ。
 1903(明治36)年、神谷伝兵衛に依って開かれた日本最初のワイナリー。園内は広く、レストラン、記念館、竹林、庭園、チャペルまでそろっている。

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天高く低空飛行で胃がきしみ
政とカネ終着駅のないドラマ  
解散の風が吹き出す銭(ぜに)芥(あくた)
市場には金が溢れてノンベイバー
亡国と聞いて葬儀屋慌て出し 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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寄 稿

もどってきた市巡回バス  問題はこれから!

穂積 建三(茨城県自治体問題研究所 理事)

 北茨城市は、市民誰でも100円で利用できる公共交通として運行してきた市内巡回バスのうち、JR常磐線の東、海側を運行する路線が今春廃止になりましたが、この10月1日に運行を再開しました。
 バス路線の廃止と再開に至る経過と取組みは、地域交通の課題を特集した「住民と自治9月号」に『市巡回バスの路線廃止をめぐって(茨城県北茨城市)』と題して掲載されましたので、そのあらましに簡単にふれた上で、その後の動きと課題を述べます。

 1 住民には「寝耳に水」のバス路線廃止
 本年3月の市広報「きたいばらき」に巡回バスの平成26年度運行ダイヤが掲載されました。ところが、経路図から 東日本大震災で大津波の被害を受けた海側を通る二つの路線とバス停10数カ所が消えていました。市から事前の説明はなく、住民にとってはまったく寝耳に水のできごとでした。
 マイカーで動いていて巡回バスを利用したことのない私も、いずれは免許証を返上して利用したいと思っていましたので、市のやり方に少なからず怒りを感じ、すぐに廃止の理由を質す質問書を提出しました。北茨城市は、3月末に要旨次の文書回答をしてきました。

市がバス路線を廃止した理由

 市は、2012年度から巡回バスを補完する『タクシー助成券補助事業』(「65歳以上で運転免許証の交付を受けていない、市税等に滞納のない人」に、タクシー利用に700円〔翌年度から600円に減額〕相当の助成券を1月当り4枚交付する。)を実施した。これが好評で、毎月1300名前後が利用し、大津波で大きな被害を受けた海側(平潟、五浦、大津地区)でも、市巡回バスより、タクシー利用の需要が多い状況となったので、バス路線を廃止した。

 市に対して廃止路線の再開を求める
 私は、バスが停まった4月早々、巡回バス路線の廃止は住民の基本的な生活条件に係わる問題であり、事前に住民の意見を聞くべきであったとした上で、次の3つの問題点を指摘し、廃止されたバス路線の再開を求める要望書を提出しました。
 ①被災者の生活を直撃;バス路線が廃止となった海側は、東日本大震災の大津波で大きな被害を受けて、被災者向け災害公営住宅が建設されるなど復旧の途上にあります。バス路線の廃止は、被災者はじめ住民の生活を直撃し、復旧復興に否定的影響を与えます。
 ②高齢者の暮らしに欠かせない;市高齢者福祉計画は「地域の中で健康で生きがいを持ちながら生活できるよう、生活支援の充実」を掲げています。高齢者が、いきいきと生活し、社会参加していくためには、誰でも自由に利用できる巡回バスの存続が不可欠です。
 ③巡回バスを公共交通の中心にすえて;タクシー助成券制度は一定の条件を満たす人しか利用できず、回数も制限され、誰でも自由に利用できる巡回バスにとって代わることはできません。巡回バスを公共交通の中心にすえてこそタクシー助成券制度も生きてきます。

 2 廃止路線の再開に動き出す
 市は4月半ば、要望書に対して「巡回バスを含む公共交通について、①住民の意見を伺いながら見直す、②巡回バスをベースに地域の公共交通を計画する、③巡回バスとタクシー助成制度を併せて有効活用する、④市民の利用しやすい公共交通の維持に努め、早急に対応を検討する」と回答してきました。そして、回答どおり再開へ動き始めました。
 バス運行の再検討に市民意見を募集・・・広報5月号で「市内巡回バスに対するご意見をお寄せください」と市民意見を募集しました。市民からは「廃止路線の運行再開」や「隔日ではなく毎日運行を」など90通の要望が出されました(市議会答弁)。
 市議会で運行再開を約束・・・6月市議会でも今回の事態を陳謝し、「10月ごろには運行再開できるよう、予算措置し、市公共交通会議の検討を経て、陸運局へ許可を求める手続きを進めたい」としました。

 3 市巡回バスはもどってきたが・・・
 市広報9月号は「バス経路と運行ダイヤが変わります」と、廃止されたバス路線の再開を知らせました。しかし、ダイヤは、廃止前は「月~金曜日」運行でしたが、週当たり1日削減されて「火、木・金曜日」運行となりました。
 9月下旬、元々バス停のあった場所にバス停標柱が置かれました。しかし、それにはバス停の廃止を告げる3月当時の注意書が付いたままでした。それを外して、新しいダイヤ表が付けられたのは運行再開の前日の9月30日になってからでした。
  (1)再開されたが利用者は少ない
 運行再開の初日、私は大津港駅行の始発便に乗りました。残念ながら、終点まで私以外に乗る人はいませんでした。さらに同駅から隣町を回る始発バスにも乗りましたが、これもまた、乗車したのは私一人でした。その後も、再開された路線の利用者は少ない状況のようです。その理由は、バスの再開が市民に十分知らされていないこともあります。しかし、より根本的には、巡回バスと公共交通のあり方について、行政は市民生活の多様なニーズにどう応えていくか、市民の側も自分たち自身の足としてどう育てていくのか、考えていく時期にきているように思います。
  (2)巡回バスの潜在的な需要はある
 本市に転居して10年の私には、行政の取組みや市民の暮らしにも認識不足は否めません。今回の巡回バス問題で感じている公共交通への潜在的需要として次をあげることができます。
 □通勤通学者は・・・北茨城市内にはJR駅が南中郷、磯原、大津港の3つがあり、いずれの駅前も、平日の朝夕、電車の発着時間帯は通勤通学者を送迎するマイカーで混雑しています。電車とバスのダイヤを見ますと、大津港駅の場合、通勤通学で利用者が多い日立方面の上り線は7時03分です。ところが、始発バスの大津港駅到着時刻は7時36分とか7時40分です。南中郷、磯原各駅の場合も同様です。下り線の到着時刻は17時13分とか18時03分ですが、最終バスの大津港駅発車時刻は16時51分とか17時07分です。
 つまり、通勤通学に使われる電車の発着時刻に見合ようにバスのダイヤが組まれていないのです。市に問い合わせると、5・6月に市民意見を募集した際、路線再開の要望は出されたが、通勤通学時間帯の運行を求める意見は出されなかったとのことでした。巡回バスの利用者を通勤通学者まで広げると、運行時間帯を現在の7時台~17時台から6時台~18時台(または19時台)まで拡大することになり、市の財政負担が増えます。しかし、運行時間帯を拡大することで通勤通学者が巡回バスを利用することになれば、当然収入も増えます。問題は、巡回バスの運行時間帯を拡大した場合、多くの通勤通学者がこれを利用するという合意形成ができるかどうかです。
 □市民活動や高齢者の外出は・・・7月末に社会福祉協議会大津支部の主催で市福祉計画の見直しのための地域集会が行われました。日ごろ福祉やボランティア活動に参加している人、老人会役員など60余名人が参加され、分科会方式で議論しました。最後に行われた分科会の報告では、各分科会とも、多かれ少なかれ、巡回バスがなくなったことで、活動がしにくくなったり、高齢者が外出しにくくなったことが出されていました。また、災害公営住宅が高台に建設され、多くの高齢者が生活しています。しかし、アクセス道路がせまく、現在の巡回バスは大きく住宅の近くを通行できません。
 □病院へのアクセスは・・・市立病院は、老朽化に伴い元県立高校跡地に新設されて、本年11月4日から開業します。場所は市域の中心から離れた高台で、市民は交通の便を心配しています。まだ詳細は分かりませんが、いくつかの地点と病院をつなぐ病院専用バスを出すということです。市内にある複数の私立病院も、それぞれがいくつかの地域と病院をつなぐ専用バスを運行しています。当面は、そういう形でやりくりするとしても、長期的には巡回バスなどと連携して、便利で効率的な仕組みづくりが求められます。
 □観光振興でも
 本市の海側には、岡倉天心や野口雨情ゆかりの史跡・施設はじめ、多くの観光資源が集積しています。今回の再開で1路線が週3日(火、木金曜日)1日6本運行するようになりました。しかし、休日はJR駅からの交通アクセスはタクシー以外にはありません。休日を含めて、これら観光資源をつなぐ公共交通の整備は観光振興の要になります。

 (3)公共交通機関を「地域の公共施設」と位置づけた取組み
 今回の出来事は、巡回バスなどの公共交通機関を「いつまでも住みつづけられる『地域の公共施設』として位置づけ」て、総合的な公共交通を考える機会となりました。自治体行政には、医療、暮らし、福祉、教育、農漁業や商工業の振興、観光など多くの分野があり、住民にとってはそれぞれが大事な柱です。人々が生きいきと自由に移動できる地域であってこそ、これらの行政がそれぞれ十分効果的に発揮されるのではないでしょうか。
 公共交通は単なる公共施設に留まらず、「まちづくりの土台として、地域の動脈として整備してこそ地域全体の暮らしやすさがアップ」します(自治体研究社「地域交通政策づくり入門」)。そのためには、市民も行政任せではなく、積極的に参加して、市民と行政協働の取組みが重要な時期を迎えています。

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お知らせ

茨城県自治体問題研究所事務局
 

会費引上げは延期します

 先般9月30日に第2回理事会を開催し、7月の総会で決定されていた来年1月からの会費引き上げ(月額:現行850円→改定900円。半期では5100円→5400円)について、次の理由により延期することを確認しました。
 研究所規約第11条では総会の議決事項として「規約の改廃」が規定され、同第30条で会費の額を定めています。つまり、会費の改定には、規約の改正を要することになっていました。しかし、総会では、活動方針に会費引き上げを盛り込みましたが、規約改正の手続きを経なかったことが判明しました。
 
 (注) 茨城研究所の場合、会員と購読者を分け、会員には茨城研究所運営費の一定のご負担をお願いし、月額で一般会員850円(賛助会員1250円、団体会員一口1000円)の会費となっております。
なお、賛助会員と団体会員の会費は、当初から据え置く方針でした。
今後については、来年7月の総会にあらためて活動方針及び規約改正を付議する方針であり、全国に一年遅れての処理となります。今回の問題は事務局の不手際によるものであり、お詫び申し上げます。
 

『住民と自治』誌の値上げ―12月請求分から―

 9月23日の全国研究所理事会で、全国総会決定に基づき消費税アップの上乗せ(本体476円+税38円=514円)及び11月号からは全国研究所運営改善のための本体値上げ(本体537円+税43円=580円)が決定されました。これは、あくまで全国の方針であり、茨城研究所としては次の取扱いとします。

 会員以外の『住民と自治』誌購読者については、本年12月の請求分すなわち来年1~6月分から値上げ分を負担していただくことにします。
(15年1月から80円引き上げて月580円とします。半年で3480円【現行は3000円です】)
 なお、会員については、『住民と自治』誌値上げ分を既定の会費で吸収することにし、来年度総会での会費に係る結論までは現行のままになります。

(注) 『住民と自治』誌購読料の額は、規約事項ではなく、基本的には自治体研究社の設定額によります。

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