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第69号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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第69号

2014・09・27 更新
紅葉のコキア

ひたち海浜公園のみはらしの丘=ひたちなか市

 みはらしの丘のコキアの紅葉はもうすぐです。コキアとはアカザ科ホウキギ属の一年草。和名をほうき草といい、その名の通り枝や茎を乾燥させてほうきを作ることに由来いる。
 コキアの紅葉の見頃は10月20日頃までを予想。みはらしの丘の入口にはそばの花、丘の周りにはコスモスが見られる。

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憲兵が拉致をしている朝ドラマ
秋空を黒く染め抜くオスプレイ  
三年半先の見えない仮の宿
官邸にレッドカードの山が出来
山崩れ水があふれて人壊れ 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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「集団的自衛権行使」を説く安倍首相のおかしな論拠!

 安倍政権が強引に押し進めようとしている集団的自衛権について、安倍晋三首相の論理は非現実的であり矛盾に満ちている。
 「日本人を乗せたアメリカの艦船を、今の日本は守ることができない。これでいいのか」 国会答弁などでよく聞かれるこの例はまったく欺瞞である。 危険な場合に非戦闘員を艦船で移動させることはないし、そもそも日本人を避難させることは米軍の任務にないのだ。
 豊下楢彦・古関彰一共著の『集団的自衛権と安全保障』(岩波新書)によれば、「こうした事例は、現実にはまったく起こり得ない。なぜなら、在韓米軍が毎年訓練を行っている『非戦闘員避難救出作戦』で避難させるべき対象となっているのは、在韓米国市民14万人、「友好国」の市民8万人の計22万人(2012年段階)であり、この「友好国」とは英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドというアングロサクソン系諸国なのである。さらに避難作戦は具体的には,航空機によって実施される」ということである。
「機雷を除去しなければ,タンカーの運航ができず,経済が破綻する」
 これについては、「機雷のあるなしに関わらず、タンカーが戦場に行くことはまずない。そして、これまでに何度も石油が止まったことがあるが、経済が破綻したことなどなかった。結局、これも安倍首相が国民をだます欺瞞であるといえる。  
 安倍総理が、この集団的自衛権にしろ秘密保護法にしろ、なぜこれほど強引にすすめるのか、その理由は本人の信念のみだというしかない。
 「やりたいから、それだけです」
 いみじくも、前掲『集団的自衛権と安全保障』には、安倍首相の「最大の眼目は、青年が誇りを持って『血を流す』ことができるような国家体制をつくりあげていくところにある」と結論付けられている。

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寄 稿

東海第二原発は今どういうところに?

田村 武夫  (当研究所顧問・茨城大学名誉教授)

 原発をめぐっては、5.21福井地裁の大飯原発再稼働差し止め決定の示す方向と安倍内閣の再稼働まっしぐら(狂奔)との際立った落差、対立の状況が現情勢の焦点である。地裁決定は、「人の生命を基礎とする人格権を超える価値を他に見いだすことはできない」、国富の喪失とは「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることを失うこと」だと明示した。なにものにも代え難い人格権の徹底した保障か、それとも「安い料金」で経済活動を支え過酷事故が起きないようにするが起きた場合は避難計画で対処といった不確定の出たとこ勝負(場当たり主義)に甘んずるか、いま岐路に立っている。東海第二原発も楽観を許さない綱引き状態にある。

1 東海第二原発をめぐる最近の動き
☆ 5.20日本原電(株)が原子力規制委員会に基準適合性審査(いわゆる「安全審査」)の申請   
 その経過はこうである。
 県央地域首長懇話会と原子力所在地域首長懇談会は、日本原電に対し、安全審査申請手続きを始める前に住民への情報提供など以下の5項目を文書により申入れを行った。
1.今回の設置変更許可申請(安全審査申請)は、原子力所在地域首長懇談会及び県央地域首長懇話会と日本原子力発電株式会社が交換した覚書のとおり、決して再稼働に直結するものではないこと。
2.安全協定見直しに向けた検討を早急に開始すること。
3.設置変更許可申請(安全審査申請)の内容については、福島原発事故を経験し、東海第二発電所周辺地域の住民は高い関心を示しており、事業者として説明責任を果たすよう、申請前に住民及び住民の代表である議会への情報提供を行うこと。また、情報提供に当たっては、福島原発との比較をするなど、工夫して住民に分かりやすいものとすること。
4.設置変更許可申請(安全審査申請)後の原子力規制庁の審査状況等についても、逐次、情報提供を行うこと。
5.使用済核燃料の安全対策について積極的な対応を図り、所在地域首長懇談会で要求している乾式キャスクでの保管についても早期の実現に努めること。
 日本原電から「東海第二発電所の設置変更許可申請(安全審査申請)に係る申し入れ」5項目等の回答…今回の安全審査申請が決して再稼働に直結するものではないこと,安全協定見直しに向けた具体的な検討を5月から開始すること,住民・議会等に対しても積極的な情報提供を行うこと等…。
 「結果、今回の安全審査申請が決して再稼働に直結するものではないことを前提に,国の原子力規制委員会に対して東海第二発電所の設置変更許可申請(安全審査申請)をすることについて,周辺自治体(県央地域首長懇話会,原子力所在地域首長懇談会)11首長の総意として了承した。」(水戸市HP)

☆ 5/21 福井地裁が大飯原発の再稼働停止を命ずる差し止め決定
☆ 5/31日本原電と東海村、水戸市などとの原子力安全協定の改定協議開始
 協定の見直しは、県央地域首長懇話会(座長・高橋靖水戸市長)と原子力所在地域首長懇談会(山田修東海村長)を構成する11市町村が安全審査申請の条件として原電に提示。申請後、2回の改定協議会合が開かれたが、いずれも現状確認にとどまっており、具体的な交渉には至っていない。
 「正直、ペースをつかみきれずにいる」。今後の協議の進行について、水戸市の高橋市長はそう打ち明ける。懇話会ではこれまで、原電に対し、再稼働などの了承の権限を原発から20キロ圏内の自治体に拡大するよう求めてきたが、「実際にどこで線引きするかは難しい問題。結論の時期はまだ見えていない」と複雑な表情だ。
 東海村の山田村長も、「現状よりもかなり権限を拡大しなければ、多くの自治体は納得しないだろう」としながらも、「権利の主張には責任も伴う。全国の動向も踏まえた上で、それぞれが現実的な要望を詰めていく必要がある」と慎重な姿勢を示しており、自治体の意見集約が当面の課題となりそうだ。

☆ 6/17 原子力規制委員会における第1回審査で日本原電に厳しい批判
 原子力規制委員会は6月17日、日本原子力発電東海第二原発(茨城県)について、規制基準への適合性を確かめる初の審査会合を開いた。地震評価が不十分だったり事故対策で具体的な数値を示せなかったりしたため、規制委側から「準備不足が目立つ」と指摘が相次いだ。
 東海第二は、事故を起こした東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型炉。運転開始から35年が過ぎ、申請した原発の中では最も古い。新規制基準の火災対策で義務づけられた燃えにくい電気ケーブルが使われていないため、日本原電は耐火塗料で対応するとしている。規制委は、塗料の耐火性の効果や全てのケーブルに塗れるかを疑問視。重大事故が起一きるリスクの計算に関しても、一部不十分なままで申請されていると指摘した(朝日新聞 2014.6.18参照)。 

☆ 7/4 原子力規制委員会における東海第二原発の審査論点(28項目)が明示される。重要な論点は、東海第二原発に過酷事故・メルトダウンが起きた場合の対策である
☆ 8/28 原子力規制委員会第133回会合で東海第二原発の重大事故等の対策についてを議題とし、格納容器圧力逃し装置(フィルタベント)について審議。
☆ 7/4~5 日本原電による東海村民への適合性審査申請概要および諸施設新設などの説明会開始(9月まで) 
 日本原子力発電は4日夜、村の住民を対象にした説明会を開いた。ウェブサイトで対策を紹介していたものの、担当者が住民と直接対話する説明会は初めて。説明会には22人が参加。住民への説明や質疑応答は非公開。終了後、島守所長によると、質疑応答では、防潮堤の構造や電気ケーブルの火災試験の内容、非常用の電源車の運用方法などについての質問が出たという。説明会に参加した高校教諭の阿部功志さん(59)は「質問が1回限りだったから、知りたいことも聞けず、不安はまったく解消されないままだ」と説明会の運営方法に疑問を呈した。住民説明会は、平日夜か土日の日中に、原則、東海村内にある30の自治会ごとに希望者を募るかたちで続け、9月までに終わる予定だ。周辺の自治体でも、今後、説明会が開かれる予定。
 
☆ 東海村策定の広域避難構想について住民説明会               
 東海第二原発の過酷事故を想定し、東海村は広域避難計画の構想をまとめた。村は7月下旬から住民との意見交換会を開く。構想によると、村北部の約2万3千人は常磐道東海スマートインターチェンジ、村南部の約1万4千人は東水戸道路ひたちなかインターチェンジから高速道路に乗り、原発から30㌔圏外に避難する。この際、自力で避難できる人は自家用車で避難先に向かう。高齢者や障害者など避難に困難が伴う人は、自力または介護者の手を借りてコミュニティーセンターに集合、バスで避難する。
 同一地区の住民の避難先は同じ受け入れ先にしたい考えだが、県の広域避難計画が完成していないため、避難先の自治体名は構想に明記されていない。意見交換会は7月28日~8月2日、計6回開かれる。(朝日新聞2014.7.16 )
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☆ 7/16 薩摩川内原発の審査終了、審査書案の30日間パブ・コメ(昨年7月申請から約1余で審査終了)
 原子力規制委員会の議論では、地震・津波からどう原発を守り、原子炉を冷やし続ける電源をどう確保するかなどの対策を整えはした。だが、深刻な事故が再び起きたら、住民をどう逃がし、暴走する原発をどう止めるのかという「福島の教訓」は反映されていない。政府は事故前と同じように、責任を地方と電力会社に押しつけたままだ。政府は事故後、避難計画づくりを義務づける自治体を原発の半径8~10キロ圏内から30キロ圏内に広げた。避難計画づくりに政府が関与せず、地方任せにしていることで、内容の妥当性が第三者からチェックされない。
 このため、全国知事会議は7月16日、政府が避難行動などに積極的にかかわるよう求めた提言を採択。記者会見した山田啓二会長(京都府知事)は、「本当に広域避難できるのか。国は原子力規制庁の審査に頼るのでなく、全体の安全対策を取っていく必要がある」と強調した。  (毎日新聞 2014.7.17)

■川内原発の審査終了とはいっても、事故の際の住民避難について現実的な計画が描けていない。

 規制委が示した原子力災害対策指針を基に、地元自治体がつくることになっている。いきなり難題を突きつけられた形の自治体側は戸惑っている。原子力政策を国策だとしておきながら、政府はなぜ、避難を自治体に丸投げするのか。再稼働の条件に、避難計画は含まれていない。このまま計画の見通しなしに自治体が安直に再稼働に同意しては、政府も自治体も住民の安全を守る責任を果たしたとはいえまい。防災の重点区域が「おおむね30キロ圏内」に広げられたのに、再稼働への発言権は立地自治体だけでいいのか。

2 原発再稼働への国民の抵抗はつよい

☆ 6/16 稲敷6市町村が東海第二原発に関連して「安全対策は全域で」とつよく要請 
 東海第二原発の安全審査が原子力規制委員会に申請されたことを受け、稲敷地区の6市町村でつくる放射能対策協議会は6月16日県に対し、原発から30㌔圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)にとらわれず、県内全域で安全対策に取り組むよう求めることを決めた。近く知事に要請書を提出する。要請書では、甲状腺被曝を避けるために安定ヨウ素剤の服用が必要とされる地域(PPA)にとらわれず、全県の自治体の対策として、事故発生の通報態勢やヨウ素剤の備蓄・配備を整備すること▽原子力安全協定に関する重大な問題については30㌔圏外の市町村にも情報提供と意見表明の場を設けることを盛り込む。稲敷地区の放射能対策協議会は、東京電力福島第一原発事故を受け、牛久、龍ケ崎、稲敷、阿見、利根、美浦の6市町村が2年前に結成。

☆ 7/31 検察審査会が3.11事故時の東電役員3名について起訴相当の議決
 福島第一原発の事故をめぐり検察審査会が、東京電力の元幹部3人について、「起訴相当」とする議決書を公表した。国民の不満が反映された議決とみるべきだ。刑事責任の追及がどうなるかはさておき、この議決には、事故について徹底究明しようとしない政府と国会、東電に対する社会のいらだちが映し出されているのは確かだ。政府と国会には、事故に関する膨大な情報を集めて、教訓を引き出す権限と能力がある。国民が与えているのである。にもかかわらず、政府も国会も、原因究明を求める国民の思いにまったく応えていない。
 その不満は、世論調査からも読み取れる。朝日新聞社による7月の全国世論調査では、九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働について「賛成」が23%、「反対」が59%だった。安倍首相の政策に事故の教訓が生かされていると思うかとの問いには、そう思う人が19%、否定が61%だった。

3 住民の安全な避難計画なくして再稼働なし 

☆ 8/6 橋本県知事、県策定の広域避難計画・避難先案を発表(8/18 県地域防災計画改定委員会原子力災害対策検討部会で審議
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☆ 東海第二再稼働備え「常設型」住民投票条例制定へ 那珂市 
 那珂市は、「常設型」の住民投票条例を制定し、東海第二原発の運転再開に向け、日本原子力発電から地元同意を求められる場合に俺えることとした。来年3月に条例案を市議会に提出する予定。29日には、学識者や市民の声を条例案に反映させる検討委員会が発足する。現在、那珂市を含む30㌔圈の自治体など11市町村の求めに応じ、原子力安全協定の見直し協議が進んでいる。施設変更などに関する権限を、県や東海村と同等にするねらいがある。協定が改定され、那珂市も再稼働の同意を求められた場合、海野徹市長は「市民と市議会の意見に沿った判断をしたい」と表明していた。その方法として住民投票を選択。必要に応じて実施できるよう、常設型条例とする方針を決めた。今のところ、東海第二原発のほかは将来的な自治体合併などが想定されるという。 (朝日新聞 2014.8.29 )

☆ 東海第2「廃炉」44.2% 茨城大住民調査、昨年比5.2ポイント上回る                

 茨城大学が東海村と隣接3市の住民を対象に実施した「原子力に関するアンケート」で、日本原子力発電(原電)東海第2原発の再稼働について「運転停止したまま廃炉に向けた準備を」の選択肢を選んだ回答者の割合が44.2%で、前回調査(昨年7~9月)を5.2ポイント上回ったことが分かった。広域避難計画の策定についても、「かなり難しい」とした回答が60.8%に上った。
 アンケートは6~8月に実施し、2010年から毎年行い5回目。再稼働に関する回答の中で、「廃炉」は3年連続トップとなった。13年は40%を切ったが、今年は再び増加した。
 再稼働に関してほかには、耐震防潮対策を徹底するまで運転再開すべきでない(26.1%=前回調査比4.7ポイント減)▽老朽原子炉に代わる新型炉を新設する(8.3%=同1.0ポイント増)▽なるべく早く運転再開を(5.9%=同1.4ポイント減)の順で割合が高かった。
 原発の今後については、「原発をゼロにすべき」が5.1ポイント増の33.7%で最も多く、次いで「現状より減らすべき」30.8%(同0.2%増)となり、両者を合わせた「脱原発志向派」が6割を超えた。
 「原子力規制委員会が安全だと判断した原発は再稼働した方がいいか」との設問では、「そう思わない」「どちらかち言えばそう思わない」が計44.9%で、「どちらかと言えばそう思う」「そう思う」の計31.6%を上回った。前回調査で両者の差はわずかだったが今回は10ポイント以上に差が拡大し、再稼働に慎重な意見が増えた。
 茨城大は「原発事故がもたらした現実を思い起こしつつ、安全審査申請を行った東海第2原発の今後について、再度深く考えざるを得ない状況が形成されつつある」と指摘している。
 調査は東海村と日立市南部、那珂市、ひたちなか市の20~64歳の選挙人名簿から計4千人を抽出し、郵送で回答を寄せてもらった。有効回収率は27.4%。 (茨城新聞2014.9.6)

☆ 鹿児島・川内原発:再稼働「国が責任」・事故対応へ国が関与など、政府による空手形の乱発 
政府は9月12日、九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働を進めるとする政府方針を示した文書を、立地自治体の鹿児島県と薩摩川内市に渡した。文書には、原発事故が起きた場合「政府は責任をもって対処する」など、地元不安に配慮した表現を明記。再稼働や事故対応に国が関与する姿勢を鮮明にすることで、再稼働への地元同意取り付けの地ならしを進めた。
 「エネルギー政策上の原発の必要性と安全性の確保について、政府の考え方が明確に示された」と、伊藤祐一郎知事は、政府方針を高く評価した。薩摩川内市役所で受け取った岩切秀雄市長も「安全性に国が責任を持つことが確認できた」と語り、県、市とも、住民説明会など地元同意の手続きを加速させる。
 政府方針文書には、4月に閣議決定したエネルギー基本計画に基づき、原子力規制委の安全審査をクリアした「川内原発の再稼働を進める」と明記。川内原発1、2号機は安全審査を通っており、再稼働の最後のハードルが地元同意だ。そのため政府方針は、原子力規制委の審査結果や、原子力災害対策について「政府として丁寧に説明する」とし、地元理解を得るために国が前面に立つ姿勢を強調した。さらに伊藤知事の求めに応じて「事故が起きた場合、政府は責任をもって対処する」との一文を盛り込んだ。
 県は10月9日から、川内原発30キロ圏内の5市町で住民説明会を開く。規制委事務局の原子力規制庁職員らが出席し、川内原発の安全対策や避難計画などについて話す。伊藤知事は、県議会、薩摩川内市長と市議会の意向を確認した上で、再稼働を容認する方向だ。法律上、地元同意は再稼働の条件ではないが、九電は県、市と締結している安全協定に基づき、両自治体の同意を得た上で再稼働を決める。
 立地自治体の首長が政府方針に理解を示したことで、川内原発は再稼働に向け大きな一歩を踏み出した。しかし、30キロ圏内のすべての自治体、議会が再稼働賛成を決めたわけではない。出水(いずみ)市議会は昨年11月、再稼働反対の陳情を趣旨採択し、慎重な対応を県に求める意見書を可決。いちき串木野市では6月、市民団体の呼びかけた再稼働反対署名に住民の半数超が応じた。姶良(あいら)市議会は7月、再稼働に反対する意見書を採択。九電は、県と薩摩川内市以外の同意を取り付けるか明言していないが、再稼働が現実味を帯びるにつれ、安全性や避難計画に不安を持つ周辺自治体からの反発が強まる可能性がある。(毎日新聞 2014年09月13日)

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