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第65号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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第65号

2014・05・21 更新
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新緑と爆流の「袋田の滝」=大子町

 茨城県大子町の袋田の滝は、新緑と爆流の季節。今年5月は雨量が多く見事な水の落下に目を奪われた。6月の雨期、降雨がつづけば映像のごとき景色がみられる。5月では記録的な雨量だった。
  

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法制懇総理の腹をカンニング
英霊は両手を広げて道ふさぎ  
目には目を歯には歯にをの平和主義
過労死の看板見える作業場
TPP肉を切られて骨とられ 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

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集団的自衛権の問題を考えるもう一つの視点

 集団的自衛権の問題とは、突き詰めれば、同盟国が軍事行動での協力を求めてきたとき応じるかどうか。日本について言えば、米国から軍事行動の協力要請があったときにどうするか、が主眼になる。
 米国への軍事協力は、イラク戦争などで過去にも議論されてきたテーマだ。それらの議論には従来、一つの明確な枠組みがあった。「日本を戦争に巻き込もうとする米国と、巻き込まれる日本」という枠組みだ。日本政府は、集団的自衛権は行使できないという憲法解釈に立つことで、軍事協力の範囲に制約をかけてきた。
 だが今、枠組みは反転している。米国は、日本のせいで中国との紛争に巻き込まれることを真剣に恐れている。日本は「中国に譲らない」ことを重視する強硬政策を採り、その対立に米軍を巻き込みかねない勢いだ。つまり今は、集団的自衛権の問題、すなわち「米国からの軍事協力要請にどう応じるか」が日本の重要課題という状況ではない。日本と世界の平和と安定を守りたいなら、何より中国との関係改善と東アジアの緊張緩和に取り組むべきなのだ。そしてその作業を米国と連携しつつ進める。それらが真の課題だ。
 一部には、「日本が集団的自衛権の行使を容認すれば、中国との有事の際、米国からの協力を取り付けやすくなるはずだ」との期待もあるようだ。しかしそれも希望的観測に過ぎない。
 米政府の政策の優先順位を同盟国が変えることは非常に難しい。また米政府は、東アジア地域の緊張が高まることは自国のコストの増大につながる、と警戒するだろう。
 なぜ今、集団的自衛権が浮上しているのか。
 「国内政治の力関係の投影」にしか見えない。改憲勢力が議会で力を強めた変化の投影だ。国際政治の現実を映した動きとは思えない。

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寄 稿

市巡回バスの一部路線の廃止をめぐって・・・

北茨城市 穂 積 建 三(茨城県自治体問題研究所理事)

バス停が消えている?

 2014年3月半ばに各戸配布された北茨城市広報誌「きたいばらき3月号」(№694)に、「4月1日から市巡回バスの運行ダイヤが新しくなります」という知らせがありました。これまでは曜日ごとに異なっていたバスの運行時刻を、「平日(月~金)は毎日同時間、同ルートで運行する」というものでした。ところが、新しい経路図を見ると、JR常磐線の太平洋側の沿岸地域を運行していた2つの路線とそのバス停17カ所が、何の説明もないまま消えていました。

北茨城市の公共交通事業は? 

 北茨城市では、2002年に日立電鉄バスが一部を除いてほぼ全面的に撤退した際、市が事業主体となって100円で乗車できる巡回バスを運行し、市民の誰でも利用できる公共交通、市民の足として暮らしを支えてきました。しかし、巡回バスは本数も少なく、曜日によって運行時刻が異なるため、利用者が少ないことが気になっていました。
 2012年度から、「65歳以上で運転免許証の交付を受けていない、市税等に滞納のない人」に、タクシー利用に700円(13年度から600円)相当の助成券を月4枚交付する「タクシー助成券制度」が発足しました。
バス路線の廃止に異議あり

  •  市に意見書を提出
     私自身はマイカーで動いていたので、バスに乗ったことはなく、タクシー助成券の交付も受けていません。しかし、いずれ運転免許証を返上し、バスを利用する時期が来ると思っていたので、バス路線がなくなる広報に少なからず衝撃を受けました。
     気付いてすぐの3月19日、新しいダイヤで運行が始まった翌日の4月2日の2回にわたり、北茨城市に、次の問題点を指摘し、再検討すべきことを文書で提出しました。

 (1)事前に住民意見を聞くべきだ

 巡回バス路線の廃止は、住民の生活条件に大きな影響を及ぼす問題ですから、住民説明会を開催するなど、事前に住民の意見を聞く特別な手立てを取るべきであったこと。

 (2)バス路線廃止の問題点

 ①被災地の復旧復興という視点から
 東日本大震災で、本市の太平洋沿岸は大津波に襲われ、死者5人、行方不明者が1人、家屋をはじめ、漁港施設も大きな被害を被りました。現在、復旧の途上にあり、被災者向け災害公営住宅も110戸の内、被害が大きかった沿岸部2カ所に78戸が建設されてこの4月に入居しました。バス路線の廃止は住民の暮らしと復旧復興への意欲に否定的影響を与えること。

 ②高齢者の社会参加という視点から
 市高齢者福祉計画は「地域の中で健康で生きがいを持ちながら生活できるよう、生活支援の充実」を掲げています。高齢者の社会参加には、交通手段の確保、とりわけ、誰でも利用できる巡回バスの存続が不可欠であること。

 ③「公共交通のあり方」という視点から
 市は、バス路線が廃止された地域は、バス利用者が少なく、タクシー助成券利用者が増えていることを路線廃止の理由としました。しかし、タクシー助成券制度は一定の条件を満たす人々しか利用できず、回数も制限されており、誰でも利用できる巡回バスにとって代わることは出来ません。巡回バスを公共交通の中心に据えてこそタクシー助成券制度も生きること。

 (3)北茨城市は巡回バス運行の再検討に動き出した

 私の意見書に対して、北茨城市は4月半ば、市長名で「巡回バスを含む公共交通について早急に対応を検討する」旨を回答してきました。

〔回答の評価できる点〕

 1. 見直しにあたっては住民の意見を聴取することは可能であり、今後、意見を伺いながら適正な運用を図るとしたこと。
 2. 巡回バスはタクシー助成制度より効率的で事業コストも優れており、今後も巡回バスをベースとして、地域の公共交通を計画するとしたこと。
 3. 巡回バスとタクシー助成制度を併せて有効活用して、高齢者の移動手段の確保に努めるとしたこと。
 巡回バス事業の見直しに、市民から沢山の意見を頂いており、今後早急に対応を検討し、真に市民の利用しやすい公共交通の維持に努めるとしたこと。

〔巡回バス運行の再検討に市民意見を募集(市広報誌5月号)〕

 回答どおり、市は「きたいばらき5月号」(№696号)の1頁半を使って、「市内巡回バスに対する皆さんのご意見をお寄せください」と、市民意見の募集を呼びかけました。
 今回、繰り返し意見書を提出して市民の暮らしに否定的影響を与える切実な問題であることを指摘し、地元出身の議員の皆さんにも意見書を手渡して支援を要請したことなどで、巡回バス運行の再検討へ市を動かすことができました。
 今後は、廃止された路線を早期に復活させて、再び路線廃止が出ないよう、利用しやすい巡回バスの実現に向けて市民意見を積極的に出していくことが求められています。

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新局面 東海第二原発をめぐる安全協定の見直しで 一言

ひたちなか市 佐 藤 英 一(茨城県自治体問題研究所理事)

  •  新局面に入った11市町村と日本原電との交渉
     東海第二原発を巡る11市町村(注1)と日本原電(東海第二原発を保有・運営する会社)との交渉は5月15日までに、日本原電が原子力安全協定(注2)見直し作業の5月内着手を約し、11市町村が東海第二原発の適合性審査申請を了承したことで、新たな局面に入った。
     11市町村にとってはH24年7月に要求した事項がついに交渉のテーブルに乗った前進面もあるが、日本原電からみれば再稼働への第一関門を突破したことを意味する。今後の交渉は原子力安全協定の見直し作業をめぐる攻防が軸になる。他方、原発の現場では、捗り具合は別にしても、防潮堤工事などが進んでいくとみられるし、規制委員会の審査進捗に合わせ、再稼働が手繰り寄せられることは否めない。
     (事実経過は下の「原子力安全協定見直しをめぐる動き」を参照してください。)
  •  原子力安全協定とは
     原子力安全協定は自治体と電力会社との間で結ばれている。自治体は災害対策基本法や原災法(原子力災害特別措置法)により住民を守る責務が課されているが、原発の規制・監督は原子炉等規制法等で国の権限に専属し自治体が関与できる仕組みがない。原子力安全協定はこの欠陥(住民無視)をカバーする措置として考案されたものである。
     東海第二に関する市町村側の協定見直し要求の核心は、協定新規参加市町村を認めること、権限を強化し特に緊急停止後の再稼働は市町村の了承を得ること(つまり再稼働の事前了承制の導入)にある。

 市町村は、福島第一原発事故の恐怖と放射能の被害の大きさを知り、安全神話から目覚めた。日本原電も東海第二原発の緊急停止・冷温停止に手間取った経験からか原発にはリスクがあると表明した(日本原電本社の島守理事)。さらには田中俊一原子力規制委員長も、規制基準適合性審査が終了したからといって原発が絶対安全とはいえない、再稼働するかどうかは事業者、地元、政府の判断だと述べている。(余談だが、アメリカの原子力規制委員会NRCは、実効性のある避難計画がなければ廃炉を指示している。) 市町村は、被ばくを前提とした避難計画でさえ立てられない中、原子力安全協定見直しに大きな責任を持っている。
 

  •  安全協定見直し交渉へ
     さて、原子力協定の見直し作業が5月開始となるが、完了はいつか。3月5日の覚書では「県・地元自治体に発電所の今後に係る判断を求める時の前までに」見直すことが確認され、5月12日の日本原電回答書では「設置変更許可申請(=適合性審査申請のこと)は、・・・再稼働に直結するものでないことを確認」すると念を押しているから、仮に再稼働するにしても、再稼働のために県と東海村(この時点では地元自治体は東海村。)の了解をもらう前までに、見直しを完了させなければならない。
     見直し作業のテンポは、国の適合性審査の進展と「スケジュール的にはリンクしない」(原電 門谷光人茨城総合事務所長代理)とは言うが、無関係ということもないだろう。 
     また、本年2月に適合性審査を申請した浜岡原発(中部電力)でも周辺自治体が協定見直しを求めているので、その動向も影響してくる。住民運動側は浜岡の運動と連携が必要だろう。
  •  住民・県民の行動が再稼働断念に追い込むカギ
     適合性審査申請を了承したことは残念であるが、市町村長には原子力安全協定見直しに全力であたってもらわなければならない。住民・県民は気づいた人が率先し運動の輪を作り広げ、首長の背を押し続けなければならない。
     「東海第二原発の再稼働を阻止し廃炉をめざす県民センター」が5月7日、日本原電本社と交渉した際、「住民避難計画ができなければ再稼働はできないということですか」との質問に「そういうことです。」との回答を得た。この言質は大いに広めていい。
     30キロ圏内でも協定見直し要求を出していない市町村(注3)、30キロ圏外であっても要求のある市町村などは、今からでも遅くはないから協定見直し要求を出していい。

(注1) 11市町村は次の市町村。アンダーラインは双方に加入。
 ・原子力所在地域首長懇談会=6首長(座長 山田修東海村長);東海村、日立市、常陸太田市、那珂市、ひたちなか市及び水戸市
 ・県央地域首長懇話会=9首長(座長 高橋靖水戸市長); 東海村、那珂市、ひたちなか市、水戸市、大洗町、茨城町、城里町、笠間市及び(30キロ圏外だが)小美玉市
(注2) 現在の原子力安全協定締結者 甲=県、 乙=東海村、 丙=日立市、常陸太田市、那珂市及び ひたちなか市、丁=日本原電。甲乙丙では権限に差がある。
(注3) 30キロ圏内の高萩市、大子町、常陸大宮市及び鉾田市が協定見直し要求を出していない。

原子力安全協定見直しをめぐる動き
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第32回まちづくり学校
住民のために働く自治体職員のあり方と仕事を考える

『まちづくり』には、住民のみなさんのご意見とご協力、ご支援が大変重要です。市役所だけでは良い『まちづくり』は決して出来ません。より良い『まちづくり』、住み良い『まちづくり』をしていくためには、住民のみなさんと私たち自治体職員とのつながりも大変重要だと思います。
私たち自治体職員の現場の声と住民のみなさんの貴重なご意見を聞きながら、みんなで『まちづくり』について一緒に考えてみませんか?

皆様の参加をお待ちしています。お気軽にお出かけ下さい。

日 時 6月1日(日)10時開校(9時30分 受付開始)
場 所 常総市生涯学習センター 常総市水海道天満町4684 

講 演

池上 洋通 氏(自治体問題研究所主任研究員)

「自治体職員でよかった」
ー憲法にみる地方公務員の生きがいー

分科会・講座 

分科会・講座テーマ助言者・講師
自治体職員のあり方と仕事を考える非正規職員の増大等のなか、自治体職員の位置づけ及びあり方を学ぶ 田中重博氏(学校長)
角田茂雄氏(茨城自治労連退職者の会会長)
高齢者福祉等の観点から社会保障の課題を考える介護保険、生活保護の現場職員が現状と問題点を報告し、今後の方向を探る西田恵子(常磐大教授)
久松美三雄氏(特養施設長)
原発事故による放射能汚染の現状と廃炉の展望原発事故の現状、収束の見通し、廃炉の道のりを小泉発言の衝撃も踏まえて学ぶ円道正三氏(元動燃職員)
青柳長紀氏(元原研職員)
強まる排外主義、秘密保護法の動きと憲法を考える韓国、中国等との関係悪化、焦眉の秘密保護法、集大成の憲法改悪の動きを追及田村武夫氏(茨城大学名誉教授)
木村 泉氏(平和委員会事務局長)

参加費  資料代 500円 
昼食代 800円 (希望者のみ、当日申し込み可)その他 保育ルームあり(無料)

主 催  第32回まちづくり学校実行委員会
後 援  常総市

お問い合せ 
茨城県自治体問題研究所  029-252-5440(FAX兼用)
茨城県自治体労働組合連合 029-864-2548
常総市職員労働組合    0297-23-2111(代表)

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