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第59号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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第59号

2013・11・23 更新
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波崎ウィンドファーム 神栖市

 波崎ウィンドファームは、波崎町特有の浜風を活かした風力発電施設で、平成16年5月に稼動した12基の風車ガクリーンエネルギーを生み続けている。
 神栖市には平成22年3月末全部で33基の風車が稼働。神栖市の海岸線のシンボルです。

目と耳と口をふさがれ窒息し
人変わる変わらぬ人は総理かな  
ザリガニも混じっているのかこのメニュー
ハシズムに秋が来たよと閑古鳥
あの星は巨人の星か川上か

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

秘密保護法は自治体職員も処罰
ー 官僚による秘密指定の危険性 ー

 特定秘密保護法案が緊迫した局面を迎えている。衆議院の特別委員会で強行採決される事態もなしといえない。安部首相の本法案に対する執念は、第一次安倍内閣(2006.9~2007.9)で挫折した怨念が根本にある。
 ブッシュのイラク戦争に小泉内閣は、非戦闘地域・武力行使と一体にならない後方支援・武器使用は正当防衛のみという原則(憲法9条制約)にたって自衛隊員を派遣し参加した。制約つきの派兵に安倍は不満をもち小泉後の安倍政権で集団的自衛権の承認と国家安全保障会議(NSC)を追求し、日米軍事情報保護の約束を米国と交わした。米軍再編・日米軍事一体化をめざした現れである。が、安倍政権は1年で崩壊した。  
 再登場のいま、6年越しの野望を露骨に推し進めている。秘密指定の範囲が広範・不明確なので、行政機関の長ー実際は高級官僚ーによる秘密指定は、行政情報の多分野に及ぶのが必至である。中央省庁の通達・指示にもとづいて事務処理に当たっている地方公務員にも「秘密保護注意」の指示が必ずなされるであろう。   
 秘密指定の行政情報が漏示されたなら、誰がどこで漏示したか(正犯)の追及と同時に、「共謀」「教唆」「扇動」の犯罪者捜しもはじまる。中央省庁でなく地方部署から漏示されたという口実で地方公務員への犯人追及がすすむというシナリオ(地方の生けにえ化)は経験的にも予想されうる。
 治安維持法が荒れ狂った時代、検挙者(逮捕・連行)の1割しか起訴されなかったという事実にみられるとおり、秘密法=弾圧法は威嚇する、萎縮させるだけで存在の意味があり、被逮捕者・被疑者・被告人は被疑事実を明らかにされないまま有罪・処罰の身におちてしまうのである。秘密保護法案は廃案にするしかない。

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東海第二原発
再稼働問題と地域防災計画

江尻 加那 (水戸市議会議員)

1 地域防災計画の現状と課題

 (1) 福島第一原発事故を受けた地域防災計画の見直し
 東海第2原発から30km圏内にある14市町村と茨城県は、地域防災計画のなかで原子力災害対策の策定が義務付けられた。14市町村とは、東海村、ひたちなか市、那珂市、常陸太田市、日立市、水戸市、大洗町、城里町、常陸大宮市、鉾田市、茨城町、笠間市、大子町、高萩市。
 茨城県はH25年3月改定。水戸市はH25年5月改定。自治体ごとの防災会議で審議、決定。水戸市防災会議は42名の委員構成(議員は入っていない)。防災計画は議会の議決不要。
 現在までに県と12市町村が改定、もしくは策定済み。検討中は、ひたちなか市(改定時期未定)と鉾田市(9月改定予定)の2市。しかし、改定したどの市町村も県も住民の広域避難計画(避難手段、避難ルート、避難先など)は具体化されていない=実行性がない。今後、段階的に改定し、避難計画の具体的内容を盛り込んでいくとしている。具体化すればするほど、実現不可能という現実に突き当たる。さらに、福島原発事故による放射能汚染の広がりをみれば、30km圏外の市町村であっても原子力災害対策が必要。避難者の受け入れだけの問題で済まされない。

 (2) 茨城県の住民避難計画に対する取り組み状況
 橋本知事の議会答弁―2012年3月県議会公明党井手義弘議員の代表質問に対する答弁議事録より―「おおむね30km圏内を目安とされた東海第二発電所のUPZにつきましては、人口が約96万人、該当する市町村の全人口では106万人と極めて人口が多いことから、県内にあるバスを総動員しても、1回に24万人しか搬送できないため、一斉に106万人を避難させるのは不可能であると考えております。」
 ※ 県内にあるバスとは何台か?-県が根拠にしたデータは、関東運輸局における車両登録台数の平成22年度の数字。関東運輸局HPに統計表掲載。県内市町村の合計は7,080台(自家用3,652台、事業用3,428台)。そのうち水戸市は699台。県の計算では大型、中型バス平均して1台35人×7,000台という机上の数字でも一斉避難不可能という現実。
 茨城県は住民避難シミュレーションを実施。東京にあるユーデック株式会社に昨年度、調査を委託、今年3月に報告書提出。県が指示した36パターンのシナリオにもとづいて、避難指示を受けた住民が30km圏の外まで移動するのにどれだけ時間がかかるか、避難方向や避難経路が示される。7月26日(金)に30km圏内市町村の担当者に調査結果を説明。全市町村担当者を集めた説明会を8月8日(木)に実施。5km圏内の住民8万人が5km圏外に避難するのに15時間、最悪の場合35.5時間かかるとしている。県のシミュレーション結果を受けて、市町村は住民避難計画を具体化できるのか?
 県シミュレーションの問題点を6月議会で質問。①避難する手段はすべて自家用車、1台に2.5人乗り、原発に近い東海村から順々に避難を開始。水戸市民は指示がでるまで屋内退避というシナリオ。しかし、現実には一刻も早く避難しようとする住民、自家用車、さらには緊急車両で、混乱、大渋滞は避けられない。②原発事故が単独で発生したという想定であり、地震や津波による道路や橋の陥没、信号機停止の想定がない。高速道路は通行可能という想定。③入院患者や介護施設入所者など自家用車での避難が困難な人(災害時要援護者)をどうするのか想定がない。④避難する地域、施設が示されていない。
 質問に対し、水戸市は「原子力事故発生時には,迅速かつ的確な避難を行うために,事故の経過,放射性物質の放出状況,緊急モニタリングの実施結果などの情報をもとに,必要に応じて,国が避難指示を発令する前から,避難の準備に取りかかることとする。避難計画策定上の課題は,事故の経過や気象条件などによって,避難先や避難経路が大きく変わるため,複数の避難パターンを準備することが不可欠。そのため,国の基準を踏まえ,どのタイミングで,どこへ,どのような輸送手段で避難するのかなどの課題を整理していくことが必要であると考える」と答弁(水戸市担当は地域安全課)。
 関連する他の質問と答弁は下記のとおり。

 ○事故の経過や放射性物質の放出状況をどのように把握するのか→福島原発事故で情報隠しが大問題となったSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)
 茨城県は原子力防災訓練実施の際、訓練のために県が(財)原子力安全技術センターに作成依頼したSPEEDI図形を使用している。震災後2年となる今年3月11日実施の訓練で使用したSPEEDI図形が資料2。東海第二原発で事故が発生し、朝9時に放射性物質が放出開始。風は、北東の風、風速3.5mという実際の気象データにもとづき拡散予測。
 市答弁は「避難指示や屋内退避の発令に関しては,まず,国,県が各地区で緊急モニタリングを実施し,SPEEDIによる放射性物質の拡散予測を参考にしながら,対策を講ずることとなっている。的確かつ迅速な避難のため,SPEEDIは必要な情報であるので,市町村への提供について要請していく。」→現在は県災害対策本部とオフサイトセンターで情報管理することとされている。

○放射性物質のモニタリング体制はどうか?→3・11東日本大震災の時、茨城県内各所のモニタリングポストは、地震による停電で丸2日間データが測定できない事態に陥った。水戸市内3カ所の測定器は3月12日から14日にかけて2日間「欠測」との表示が続いている。水戸市の答弁は「空間放射線量の測定値は,原子力防護対策に必要不可欠な情報であることから,今後,県に停電対策の改善について求めていきたい。」→いまだ改善されていない。

○国の避難指示はどのような状況で出されるのか→避難指示を出す基準について、国は、空間線量が20マイクロシーベルトになったら1週間以内に住民を避難させるとしている。20マイクロシーベルトと言えば通常時の400倍であり、市民の理解は得られない。

2 原発を再稼働しないことが一番の防災 ー 東海第二原発の再稼働に向けた動き

(1)政府と原子力規制委員会の姿勢
 原発の再稼働の条件となる新規制基準が7月8日施行された。安倍自公政権は「世界最高水準」などと新基準をテコに再稼働を推し進めようとしている。新基準は、放射性物質の放出を認めながら、原子力防災を置き去り。規制委の田中俊一委員長は、地域防災計画について「稼働判断と直接リンク(連結)するものではない」と述べ、地域防災計画の不備や実効性に関係なく、新基準への対応を審査するとしている。田中委員長は会見で「あくまでも地域住民に対する防災の責任は、各市町村長とか県知事」と発言。防災計画の実効性などに責任をもたない姿勢。国連の社会権規約委員会は5月、日本に対する勧告で「核事故の防止ならびに事故発生の際の対処に関する地域ごとの準備が全国的に不十分」と、改めて懸念を表明している。

(2)日本原子力発電株式会社の動き
 6月18日に防潮堤(高さ17mとのこと)とフィルター付ベント工事着工、関係自治体に報告。6月19日に規制委は新規制基準を決定(のち7月8日施行、当初予定された7月18日施行を前倒し)。6月25日に県内共産党議員団が工事中止要請の抗議申し入れ。その際、新規制基準施行後の着工では県と東海村の了解が必要だが、今ならば自主的な安全対策工事との見解を示す。「再稼働を前提にした工事着工ではない」と言い張る。ところが、7月11日に日本原電の濱田康男社長が記者会見で「今止まっているプラントはいずれも再稼働をめざす」と東海第二原発の再稼働方針を表明。新規制基準にもとづく適合審査に申請する意向を示す。7月29日に県内共産党議員団が再稼働表明に抗議、撤回の申し入れ。「適合審査の申請をめざすのであり、再稼働申請ではない」と繰り返したが、再稼働しないなら審査は必要ない」との追及に「再稼働に向けた一つのステップ」と認める。さらに、地元自治体の事前了解なしの申請、住民避難計画なくても申請できるとし、地元同意・住民の安全を無視した姿勢。加えて、「原則40年の規制があるが、1回だけプラス20年延長できる」と述べ、60年運転を視野に入れている姿勢を明らかにした。

3 東海第二原発運転差止訴訟について

 原告266名、原告訴訟代理人69名の陣容で始まった大型裁判です。同訴訟では、被告の国に対し、①設置許可無効確認、②原発使用停止を命ぜよとの義務づけ訴訟。被告の日本原電に対し、③東海第二原発を運転してはならないとの3つの請求を立てた裁判。2013年1月17日第1回、4月18日第2回、7月11日第3回のそれぞれ口頭弁論。

4 原発事故子ども・被災者支援法について

 2012年6月に法制定したものの、実質棚上げ状態。予算は1円も付いていない。8月2日に法推進自治体議員連盟が結成。結成集会が参議院会館で開催。

付記:10月11日に福島県のみに支援する閣議決定。
(2013全県地方議員研修会 2013.8.7)

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イベント案内

第22回まちづくり学校 2014.2.8(土) 常総市生涯学習センター

テーマ : 住民のために働く自治体職員(公務員)のあり方と仕事を考える  
記念講演  池上洋通さん(予定)

分科会(予定) 
① 自治体職員のあり方と仕事を考える
 非正規職員の増大、アウトソーシング等を含めたものとし、自治体職員の位置づけ及びあり方を学ぶ
② 社会保障の実状と消費増税の影響を考える
 介護保険(さらに国民健康)、生活保護、保育などについて、第一線に立つ職員が現状と問題点を報告し、今後の方向を探る。
③ 原発事故の収束展望とエネルギー政策を考える
 原発事故の現状はどうなっているのか、収束の見通し、エネルギー政策のあり方を専門家の助言を踏まえて学ぶ。 
④ 強まる排外主義や秘密保護法の動きと憲法を考える
 安倍政権下、韓国、中国等の関係悪化が目立ち、民主主義を危うくする秘密保護法が問題になっているなか、その集大成ともいうべき憲法改悪の動きを分析する。

自治労連・自治体問題研究所・常総市職員組合などによる実行委員会で具体化しています。

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