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第34号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

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(第34号) (2011・10・22発行)

花貫渓谷.jpg


高萩市・花貫渓谷

昭和58年の「茨城観光100選」の第2位に入選した「花貫ダムと花貫渓谷」。秋の紅葉は見事で、とくに「汐見滝吊り橋」からみる赤紅葉一色の光景は圧巻である。

被災者にとどけ夜空に菊の花
稲刈って総理どじょうを取りそこね   
パーティー券電気マネーにのしをつけ
秋深し昨日の夢のつづき見る

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

平成の合併 古河市の問題
古河市議  秋庭  繁

 合併から6年。1市2町(古河、総和、三和)の合併から見えてきたものはなにか。
 平成17年9月、旧古河市、旧総和町、旧三和町が合併して6年、現在7年目に入っています。合併当初の人口は、145,265人、世帯数は、49,226世帯でしたが、現在人口は、144,357人(H23年9月1日)、世帯数は、54,955世帯となっています。人口は、推計どおり減少し、世帯数も核家族化が一層進んでいます。

 古河市は、合併から5年経った時点で、平成23年度~平成28年度まで6年間の後期基本計画を策定しました。その趣旨は、「合併による優遇措置を活用できる平成28年までに、実施すべき事業を決定する」というもので、市民参加、安全・安心、福祉・医療の充実、親しみやすい計画等々といった耳ざわりの良い言葉でつづられていますが、この後期基本計画の核心は、県開発公社と一体となって進めた日野自動車の来年春からの操業に合わせて、目標人口を143,000人から145,000人へ変更するとか、また、「古河駅東部土地区画整理」事業地に「総合的文化施設」=文化センター建設を進めようとするものです。
 この「区画整理」事業は、平成9年に向堀川の改修を目的に国・県の補助事業として総事業費214億円ではじまったものの、産廃処理費用が40億円もかかり破綻状態のものです。この地は、向堀川の氾らん地であり、液状化も心配されると同時に地価の下落も相まって、保留地処分金87億円の見込みがないことから、古河市が文化センター建設用地として5.8㌶を買って、区画整理事業の継続を計ろうとするもので狙いは明らかです。
 今年度6回目の事業見直しを行い、総事業費を205億円としましたが、古河市の支出を30億円から39億円に増やし、文化センター用地取得で合併特例債を当て込んだ開発事業に変質を図っています。

合併の新市建設計画(平成17年3月)の先導的プロジェクトで、①(仮)南古河駅設置、②筑西幹線道路の整備、③高等教育機関の誘致、④各交流拠点の整備、などを重点的な取り組みとしてあげました。
 ①古河駅は、予定地の地主等の反対で見通しが立ちませんが、②筑西幹線道路は、日野(自)新工場へのアクセス道路となり、2車線から4車線に変更、当初予算36億円が96億円になり、現在100億円の巨費が投じられています。本来県事業であり全額県が負担すべきものですが、合併特例事業とし30%は古河市負担となります。
 また、この事業主体は、古河市でなく県の境土木が行い「官制談合の舞台」にもなりました。③は、普通高校であった総和高校を国の施策、県の求めに応じて中高一貫校にしてしまいました。そのため、平成25年度は募集停止となり、200名の中学生が市内高校への進学を閉ざされ、市外・県外へとならざるを得ません。④は、文化交流拠点として、古河駅東部土地区画整理事業地内への文化センター建設です。平成22年度を調査期間、23年度は、総合的文化施設推進室を設置、外部検討機関として「古河市総合的文化施設基本計画策定検討委員会」が、立案、検討するという形にして進められています。

 9月議会終了後の議会全員協議会に、文化施設基本計画(案)の中間報告がなされ、建設場所、施設の概要が示されました。文化センター建設問題は、先の市議選でも大きな争点になり、これを批判した候補が得票を大きく伸ばしました。6月に続いて9月議会でも文化センター建設問題をめぐる論戦が行われ、当局は「ヤラセ」と「広報古河」で特集記事を組み、市議会内の創世会、朋友会、公明党の20議員が連名で推進ビラの新聞折り込み、全戸配布をしました。
 市民の間からは、大震災と原発事故という時期に、「なぜ多額の借金を重ねて文化センター建設なのか」また「特例債は有利と言うが、建設費用も返済計画も示されていない」「一部の地権者=大地主(市長も1708坪所有)の利権を計るためではないか」と、怒りがでています。
 これらの声を背景に「文化センター建設考える市民の会」が結成され、12月議会に向けて文化センター建設反対の請願署名の取り組み、10月30日に「文化センター建設を考えるシンポジウム」開催を計画するなど市民自身の取り組みもはじまっています。
古河市の合併特例債発行額は486億円。すでに37事業157億円、今年度末226億円となっています。これまでほとんどが道路建設事業に使われ、これから文化センター建設という箱物建設への流れをみれば、合併の狙い、本質が見えてきます。

 合併の目的といわれた「将来の少子高齢化に備えて」「行財政基盤の確立」は、何だったのか。いまあらためて、住民こそ主人公の市政を築く機会として、一致出来る要求で市民の皆さんと手を結んで幅広い運動をめざしています。

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メガソーラー(大規模太陽光発電)見学のススメ
佐藤 英一 県自治体問題研究所理事

メガソーラーとは

 メガソーラーとは、1メガワット(=1,000kw)以上の発電能力を有する太陽光発電をさしている。民家の屋根の太陽光発電が出力3kwだとすれば、その333倍以上のモジュール(パネル)を使った発電ということである。県内には3か所設置されていることが知られている。
 出力の大きい順に次のとおりである。
1位 LIXIL(リクシル)岩井工場(旧トステム)出力3,750kw
2位 産業技術総合研究所(つくば市)1,017kw
3位 県企業局中央水道事務所水戸浄水場(那珂市)1,000kw

県企業局中央水道事務所水戸浄水場(以下、単に浄水場)のメガソーラーを見学

メガソーラー.jpg

 9月下旬、当研究所会員等の仲間と連れだって訪れた。浄水場がメガソーラーを導入した目的は、3.11大震災停電の苦い経験から夏場の電力不足に対応するため、とのこと。見学では、7月に稼働開始してから2か月余り過ぎた現段階の状況に関心があった。

メガソーラーの概要は下の表のとおり。
   

設置場所県企業局中央水道事務所水戸浄水場(那珂市)
最大出力1,000kw
最大出力208.4Wのモジュール(1m×1.5mパネル)が4800枚
太陽電池(モジュール)タイプ多結晶シリコン太陽電池
メーカーは京セラ
パワーコンディショナー発電された直流電流を交流電流に変換する機器
設備容量500kw×2基
設置業者日立製作所
設置に要した敷地面積1.4ha(浄水場の余裕地を利用)
寿命(会社の説明では)20年以上。自主的な簡易点検をする他はメンテナンス不要
設置に要した総経費4億7,000万円

見学して得た知見・感想

①モジュール(パネル)は架台に4800枚、南方に角度10度で傾斜させセットされている。太陽を追尾しない固定式である。角度10度は最も発電変換効率が良いとのこと。
②モジュール表面はきれいだった。雨で洗われるので汚れないとのこと。しかし、将来流れないゴミが付着し発電効率が低下しないか? 自主的な簡易点検をする他はメンテナンス不要とされているから、浄水場の今後の簡易点検や管理の姿勢が問われる。
③9月21日の台風15号の強風でも施設は全く心配なかった。降雹(ヒョウ)は未だ体験していないが、会社からは心配いらないと説明されている。
④モジュール架台下には砕石が敷き詰められ、かつ日差しが届かない状態なので、雑草は一切生えていなかった。雑草繁茂の有無は数年先に見るべきかもしれない。
⑤見学日の午前11時頃は快晴で空気もさわやかな条件に恵まれ、発電量は906kwを示していた。事前打ち合わせで訪れた9月
12日の同時刻は夏日の強い日差しだったが雲がやや多く湿気もあったせいか560kwに止まっていた。
⑥1日の発電量は平均4000kw(7/14稼働開始から2カ月間の平均)。最大の日で6500kwを記録した。まずまずの成績である。

メガソーラーと地域づくり

 太陽光発電は、民家の屋根に設置するものや公共施設に設置するものを主力に推進すべきであるが、メガソーラーの活用に関しても、地域で電力を生産していくときの重要な手段であるし、また全国で電力会社や各種企業と公共団体との連携で建設されている事例が少なくないことから、関心を持って研究する必要がある。線路廃線跡や廃棄物最終処分場跡地などの活用のほか、茨城県では塩漬けになっている工業用地や住宅用地の活用が検討されていのかも知れない。
 静岡県の県西部地域支援局では、管内7市1町とともに「西部地域メガソーラー研究会」を立ち上げ、メガソーラーの仕組みや開発の現状を学び、先進事例「メガソーラーいいだ」(長野県飯田市)の視察を行うなど研究を重ね、地域振興につなげようとしている。

 ともあれ、百聞は一見に如かずで、見学をお勧めする。

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資 料

東海第2原発の廃炉を求める意見書

 
 福島第1原子力発電所の事故は、避難住民をはじめ農・漁業など多方面に甚大な被害を及ぼし、原発の危険性を国民の前に明らかにしました。原発で過酷事故は起きないという「安全神話」は崩れました。
 東海村にある東海第2発電所では、3月11日の東日本大地震により、原子炉が自動停止しました。その後2日間外部からの電源を失い、非常用ディーゼル発電機3台のうち1台は津波の影響で動きませんでした。6.1mの防護壁に5.4mの津波が押し寄せたのです。もし、津波があと少し高かったら、電源をすべて失い、福島第1原発と同じような深刻な事態になるところでした。
 福島第1原発から半径20km圏内は警戒区域(立ち入り禁止)とされ、住民は避難生活を余儀なくされています。東海第2原発から20km圏内には福島の10倍の71万人が暮らしており、国内一の人口密集地です。茨城県庁もこの中に含まれます。
 東海第2原発は運転から32年が経過し、老朽化によるトラブルも頻繁に起きています。

 以上を踏まえて、東海第2原発の廃炉を求めるものです。
    

1.県の原子力防災計画を見直し、安全対策や避難計画をたてること。
2.東海第2原発の再稼動を認めないこと。
3.東海第2原発の廃炉を事業者に求めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成23年9月28日

茨城県取手市議会

提出先:内閣総理大臣、経済産業大臣、環境大臣、衆参両院議長、茨城県知事

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茨城県自治体問題研究所第2回理事会
と き:11月1日(火)、PM.6;30~
ところ:吐玉荘会議室( 水戸市白梅3-10-8 ) 029-221-3333
議 題:「まちづくり学校」潮来市開催について
         組織拡大・財政問題について   他

 7月の定例総会から早3ヶ月経過した。総会終了後の第1回理事会から常任理事会および事務局会議による業務処理を経て近々、第2回理事会を開催することになった。研究所の最大イベントである「まちづくり学校」の開催にむけて企画内容の検討と方向付けが必要になったからである。また、総会でも検討された研究所組織の活性化(若手会員の拡大と役員登用による体制強化)・財政強化についても掘り下げた議論が迫られている。理事の方々はじめ一般会員も参加して議論に加わることができますので、ご都合つけてくださいますようお願いいたします。

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