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第22号

月刊「いばらきの地域と自治」既刊号すべて

「いばらきの地域と自治」(第22号)

御前山.jpg

御前山富士(183m)山頂の展望台からは、日光、那須連山や那珂川が望める景勝地。秋の紅葉が眺望できる素晴らしい所。茨城観光百選の青少年旅行村(キャンプ場)を起点とし、御前山富士から御前山へと続く関東ふれあいの道の一部を通って那珂川を渡る、まさしく、森と川のコース。


  • 天高く 円も高くて 野菜高
  • 鈴虫と 合唱している 腹の虫
  • 謎めいて 藪から出てきた 若大将
  • 永田町 こぼれた酒を 箸でとり

作:泉  明 羅

(泉 明羅・本名 福田正雄、水戸市在住、句歴十年、所属 元吉田川柳の会)


                    

一括交付金化へ動き出した! 

-オプンな議論を経て制度設計を!-

 菅直人首相が9月26日、「ひも付き補助金」を廃止して、省庁の枠を超えた一括交付金にする方針を全閣僚に文書で伝えた。一括交付金の本来の狙いは、補助金行政の煩雑な手続きを簡素化しつつ、自治体が自由に使い道を決められる資金を増やすことである。また地域主権改革の原点に立てば、一括交付金化の先には、その資金を自治体に渡す税源移譲があるはずだ。この基本姿勢を民主党は貫けるか?その上で、総額ざっと21兆円の補助金のうち、どれを交付金にするのか。学校でも保育所でも病院でもダムでも造れるような交付金を本当につくれるのか。国が自治体に守らせる基準と自治体の裁量枠との境界をどこに設けるか。同時に、一括交付金をどの省庁がどんな基準で自治体に配るのか、の難問がある。自治体の自由度が増すほど、個別の積算根拠はあいまいになる。それが自治体に渡す総額を削る口実になりかねない。だから積算や配分の仕方には、わかりやすい客観的な基準が要る。たとえば「面積と人口に比例、地域の経済力に反比例させ、これに高齢化率や積雪率も加味する」(政治学者の松下圭一氏)といった考え方が参考になる。人口や経済力などのどこに比重を置くかで配分類は大きく変わる。試算を示してオプンな議論を呼びかけるべきだ。客観基準で配分すれば、自治体間の税収格差を埋めている地方交付税と似てくる。現行の地方交付税は総務省のさじ加減の部分があり、改善すべき点も多い。

(9月26日朝日の記事参照)(編集人)


資 料

一括交付金制・税制改革を考える観点について

 一括交付金化の動きが慌ただしくなってきた。民主党の国家戦略的構想といわれる「地域主権」構想にも関連し、国と地方の財政関係を変える起爆剤になるやもしれぬので、地方自治の今後のあり方に少なからぬ影響をもたらすと考える。そこで、一括交付金化・税制改革などを考えるうえで重要と思われる観点についてインパクトのある提起をしている一論稿(旧東京都立大学教授、福島隆司「地方分権化と規制緩和」)を紹介してみよう。それは、一括交付金化・税制改革などが自治体間の格差(住民間の生存・生活落差)を増大させる要因になるという観点についてのものである。

 福島氏は、地方分権化の意義と問題点について次のように指摘している。わが国においては長年にわたって、国が補助金、許認可権、機関委任事務、地方事務官制、各種通達、といった手段を通じて様々な過程で地方をコントロールしてきた。その力の源泉は、地方交付税、地方譲与税、国庫支出金、各種補助金などの、国から地方への財政移転にある。現在、地方にとって主要な自主財源は地方税であるが、地方税総額の総歳入に占める割合は約40%であり、国からの支出移転+地方債(地方譲与税+地方交付税+国庫支出金+地方債)は約53%となっており、地方は財政面から国に大きく依存している。財政力を県別で見るために、「地方税」税収の歳入に占める割合を見ると、多い県は60%を越えるが、少ない県は10%を越える程度、国からの移転については、少ない県で20%台、多い県では70%を越えて80%近くになっている。このように財源調達能力には著しい地域間格差がみられる(『図説日本の財政』1996)。
 地方分権を進めるためには、国の干渉を排除する大きな意味での“規制緩和”を推進することが必要欠くべからざる条件であり、国からの財政上の自立が必要である。が、国から自立し地方の自主財源を拡大すると必然的に地域間格差が拡大する。県別で見ると、財政力が強いのは、東京をはじめとする大都市を含むごく少ない都県であり、財政の自立は、そのような大都市をより強大にし、いわゆる一極集中はさらに進むとのべている。
 地方の歳入の主要項目として、地方税、地方交付税、地方譲与税、国庫支出金の4項目がある。地方税の主要な項目は、住民税、事業税と固定資産税などの土地にかかる税である。地方税は地方の自立した税収であるが、それ以外の三項目は国から地方への財政移転であり、国がその配分をコントロールすることにより、地方を従属させる源泉となっている。地方交付税は国税である所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税の各一定割合を、国の一般会計から地方団体へその財源不足額等に対応して交付される。その最大の問題は、基準財政需要額算定のための数値の決定権がすべて自治省官僚の手にゆだねられ、その決定過程が一般市民はもちろん自治体職員のほとんどが理解できないようなブラックボックスになっていることである。地方譲与税、国庫支出金、地方債発行などについても、国はその課税権を武器として、地方に影響を与えている。そこで課税権を地方に移譲し、地方の自主財源を増やそうという改革が叫ばれている。
 
 課税権限の地方への移譲:所得税、消費税、法人税などの一部または全部を地方へ移譲した場合、税収はその地方の経済力により決まってくるため、地域間格差はなくならないどころか、かえって短期的には増大するであろう。47都道府県の収支計算を見ると、ごく少ない大都市を抱えた県が黒字となり、ほとんどの県は赤字となる。すなわち、地方に課税権を移譲し、地方分権化を進めるならば、地域間格差は拡大するのである。何らかの形で財政の分権化が進むと、財政収支の地域間格差も増大する。これに加えて、首都圏と近畿圏の公共投資の生産性は他の地域より大きいという研究結果もある。とすれば、日本経済全体の効率性の観点からすると、東京を中心とする首都圏に積極的に投資を行うことが望ましい。また、都市圏における公共投資が、その波及効果を通じて、地方経済を活発にすると言う効果も忘れてはならない。首都圏・近畿権・東海地域への公共投資は、その地域に民間投資を誘発する効果も大きく、公共資本整備がさらなる一極集中を促進する可能性はさらに高まるであろう。このような一極集中は悪であろうか。都市への集中はその集積のメリットを追求するために起こり、集積のメリットを最大限に享受するためには集中そのものを排除することは得策ではない。むしろ、集中から生ずる副作用を、適正な政策を使いコントロールできるならば、その方が望ましい。集中による副作用としては、税制やロードプライシングなどで十分に対応できる。

 以上概括したが、格差拡大、集中・集積という副作用を伴う一括交付金化・税制改革を念頭に置いて検討しなければならないであろう。

(編集委員会)

おしらせ

塚本武さんを代表に -OB懇総会 ―

茨城県自治体問題研究所自治体OB会員懇談会前代表 恵田三郎
        

 OB懇総会を9月9日、かんぽの宿大洗で開いた。総会に入る前に「ほしいも百年百話」を最近出版した元瓜連町長、先崎千壽さんの話を聞いた。
 今では全国の生産量の八割を占める茨城。しかもそれは東海村、ひたち那珂地域に一点集中。その地元の農家に生まれ育ち、一貫して地元振興に意を注いできた同氏。茨城のほしいもの歴史100年になるというのにそれについての本は一冊も出ていない。「自分がやるしかない」と決意。ほしいも、さつまいもに関するありとあらゆる資料を集め、聞き取り調査をしてまとめあげた「ほしいも百年百話」。そのエネルギーに驚いた。
 氏が資料集めをする中で、自治体職員が通り一ペンの対応しかしないケースがなんと多いことか述懐されていた。OBとしてはいささか耳の痛いところだった。
 講師のエネルギーと刺激を受けての総会では新代表に下妻の塚本武さんを選んだ。
 OB懇の中でも常日頃話題になるのだが、自治体職員の“やる気”“姿勢”の問題。国から末端まで“強気を助け、弱きを挫く”体制、風潮がどんどん広がっている昨今。末端で草の根で、真に住民の立場で頑張れる職員がいるかどうかが大きい。
 塚本さんのやった仕事が国を動かしたように、OB懇のメンバーは数々の実績を持っている。その自慢語、実績を語ったら心を動かす職員は必ずいる筈。いろいろな場を通して語っていく必要がある。
 OB懇結成して8年。その間名ばかりの代表でたいした役に立たなかった。長い間お世話になりました。大先輩の塚本さんへのバトンタッチというのは大変失礼な話だったが、あえて受けてもらった。新代表を先頭に、大いに実績を語り、ほどほどに飲み、大いに楽しみながら後輩への刺激を供給していく、そんなOB懇を願いながら

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