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第187号

第187号

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第187号

2024・08・24更新

つくばねぶた祭り3


つくばねぶた祭り=つくば市

「まつりつくば2024」;つくば駅周辺で8月24、25の両日午後5時半から。青森県に次いで国内2番目の規模とされる「ねぶたパレード」が開催される。

つくばねぶた祭り1




政府公表の「地方創生10年を検証する報告書」はどう総括を?

 「地方創生 夢の跡、提唱10年東京一極集中変えられず、交付金計1.3兆円、岸田政権はデジタル化へ『看板掛け替え』」と題した朝日新聞(2024年7月18日付)の記事が目に止まった。2024年6月、政府が公表した「地方創生10年を検証する報告書」の紹介である。概括してみると、「第2次安倍政権が「地方創生」を打ち出してから10年。東京一極集中に歯止めをかけ、人口減少を食い止めようと、これまで約1・3兆円を自治体に配ったが、政府は6月の報告書で『大きな流れを変えるには至っていない』と結論づけた。今後の戦略も描けておらず、「地方創生」の旗印は行き場を失っている。」とのこと。
 これに続いて、岸田政権は、安倍、菅政権の地方創生の取り組みの軌道修正を図った。看板政策の一つに「デジタル田園都市国家構想(デジ田)」を掲げ、デジタル技術で少子高齢化など地方の課題解決をめざす総合戦略を22年12月に閣議決定した。ただ、政府関係者は「看板を掛け替えたものだ」と明かし、展望のなさを語っていたと記す。
 この10年で「大きな流れは変わらず」と結論づけだ政府だが、新たな方策は見いだせていない。日本全体での人口減少傾向は当面避けられない情勢の中、それでも人口増をめざすのか、あるいは人口減を前提とした地域振興を目指すのか。目標を失った地方創生の旗印は宙に浮いた状態となっている。 一方、政府は今年の通常国会で、「地方分権に逆行する」と批判された改正地方自治法を成立させている。中央集権体制で封じようとするのか。
 岸田政権は来月に終わるが、「過密・過疎はどう解決するのか、地方と東京の関係はどうあるべきか」といった日本社会の基本的な構造問題をどう解決するのか?、2014年9月地方創生の司令塔となった「まち・ひと・しごと創生本部」初代担当相に就任した石破茂氏がもし首相になったらどんな手を打つか?

今月の俳句

夜の秋水満々と排水路
   紫陽花に風の重たき古戦場
風音は千差万別夜の秋
   凌霄花(のうぜんか)くぐりて入る喫茶店
クレーンが廃車積み上ぐ大西日


高 島 つよし

本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 元小貝保育園長、当研究所顧問

第66回自冶体学校in神奈川 への茨城からの参加状況

 第66回自治体学校は、7月20~21日の2日間、横浜市鶴見公会堂と横浜市立大学金沢八景キャンバスで開催されました。全体の参加者は523名、そのうち茨城の参加者は17名でした。
 参加された皆さん 猛暑の中お疲れ様でした。土浦市議会議員福田勝夫様と水戸市議会議員中庭由美子様に今回の自治体学校への参加された感想文をいただきましたのでご紹介いたします。今後の活動の参考にしてください。

寄 稿  

 第66回自冶体学校in神奈川に参加して

福田 勝夫(土浦市議会議員)

昨年は岡山市、今年で二度目の横浜市に参加。第一日は鶴見公会堂、朝からジリジリと太陽が照りつけて、とにかく暑い。全国から自冶体議員、職員、研究者など600人を超える参加者があった。

 基調講演は 中山 徹(奈良女子大学名誉教授)、「地方自冶と地域、この1年から考える」という題で、いま地方自冶の政治に何が必要なのか、地域から築く自冶と公共性の再生について話された。
 一つ目に地域から住民を守るという本来の自冶体のはたす役割を今こそ発揮すべきだ。いま岸田政権が進める43兆円の防衛費を使って「戦争できる国づくり」は各自冶体の協力抜きにできない。自冶体がそれに反対していく、そういう自冶体の精神をどう発揮していくか、原発や社会保障の削減に対しても戦うことだ。全国の市町村は国の下請けではない。各自冶体はもう一度自冶をきちんと確立し、かっての革新自冶体が行った国の悪政から住民を守るという原点に立ち返ることが、今、最も重要な役割である。
 二つ目は、公共性を造りなおす。この20年間自冶体は本来民営化すべきではない仕事をどんどん民営化してきた。公共施設の統廃合がコスト面だけで進められてきた。いろいろな公共施設や商業施設が整って地域は子育てしやすく、そのような地域を市町村が真剣に考えていかないとダメだと思う。残念ながら、この間各自冶体は、国の悪政によって締め付けられてきた。もう一度、自冶体としての本来の役割を果たせるよう造り変えることが必要だ。
 三つ目は若者と女性が地方政治を変える役割を発揮し始める。21年の横浜市長選・22年の杉並区長選の原動力は、若い女性の投票率が上がり、全体の投票率が5ポイント上がっている。
 地方自冶法改正による地方自冶の危機、213国会で地方自冶法が改悪された。この改正は以下の3点が問題だ。一点目は戦争できる国づくりにつながる改正。二点目は国と自冶体の関係を主従関係に戻す改正だと言うこと。三点目は民主的な規制がかからないと言うこと。今回の地方自冶法の改正は内閣の思惑で「指示」の範囲をいくらでも広げることがでる。さらに「指示」が妥当であったかどうかを検証する仕組みはない。
 今回の地方自冶法の改正は政府が進める戦争できる国造りの具体化であり、地方自冶の縮小を狙ったものだと理解すべきだ。さらに43兆円の軍事費を医療・福祉・教育・危機的な食料自給率向上へ廻すお金が削られる。
これから地方自冶体の果たす役割が重要になります。まさに基調講演は目から鱗、講演から学んで9月議会に行かさねばなりません。

以上

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 自冶体学校in神奈川に参加して

中庭 由美子(水戸市議会議員)

 2023年4月に水戸市議に当選してから、初めて自治体学校に参加しました。
 1日目の基調講演、自治体問題研究所理事長・奈良女子大学名誉教授の中山徹先生の「地方自治と地域この1年から考える」は大変学びが深くうなずくことが多かったです。
 私は、水戸市の政治を前に動かしたい、政治と暮らしはつながっていると市民が実感できるようにしたいと、立候補の時から活動してきました。
 今の政治はどうなっているんだ、政治が遠くて自分の暮らしと密着しているのか分からない、政治は別の世界で行われているもの、と友人から聞くことが多いです。今の政治に不満を持っていてもそれをどうすればよいのか行動の移せない人が多いと感じます。今回の基調講演では、政治を変えたい社会を変えたい、地域を守りたいという票が投票率を上げる。地方政治を変える条件は投票率の上昇で特に女性と若者の投票率上昇がカギだと講演で話されていました。
 私は、私の地域では初の女性の市議です。そして今までの議員と比べると年齢も若いので地域の女性票と若者の票を取り入れたいと考えています。それには政策が大事ですが、政策を市民にどう届けるか、試行錯誤しています。
 高齢者の補聴器購入の補助では、水戸年金者組合の皆さんと活動しています。県内では今年度、補聴器購入補助が4自治体から10自治体へと拡充が進みましたが水戸市はまだ始まっていません。年金者組合の皆さんの要望を聞きながら、この1年間で合計3回補聴器購入費補助を議会質問し、年金者組合の皆さんと要求実現にむけてこれからの活動を話し合い、前に進めていこうとしています。また、隠れ教育費とも言われる学校給食費ですが、昨年、新婦人の会の皆さんと署名を集め、陳情を議会に提出しました。水戸市は昨年から中学校給食費無償化になり、今年度は小学校の給食費が半額無償になりました。学校給食費を完全無償化するまでさらにあともう1歩です。
 しかし女性や若者に響く政策が弱いと感じます。どうすればもっと地元の女性や若者へ訴えられるかが課題です。政策を身近に感じて投票率を上げ、政治を変えていくために、今後も地元の皆さんとともに活動を継続的に行いつながりを深め、もっと女性や若者にアピールしたいと考えています。
 私は「活動の見える化」も大事にしています。継続的に宣伝活動を行うことで、地元の皆さんへアピールしています。
 SNS対策も力をいれて発信を継続的に行っています。今回の自治体学校では、SNSでつながった全国各地の議員さんたちと交流できました。SNSでは、頻回にやり取りをしていますがリアルで会うのは初めてで、初めまして、と挨拶するが不思議な感じでした。こころざしを同じくする全国の仲間が一堂にあつまり、国の悪政にあらがう、その活動を自治体学校でリアルに感じられて、水戸市で私も頑張ろうと背中を押してもらえました。      
 1つ1つの活動をとうして、政治と暮らしはつながっていると市民の皆さんに実感できるように今後の活動を前に進めていきたいと思います。

(最後に)
 非常に暑い中、自治体学校の実行委員のみなさんが、私たちが迷わず会場につけるように、外に出て会場案内版をもって案内をしてくださいました。ありがとうございました。

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今月の 川柳

佐渡ケ島金があふれて酔いつぶれ 
   ダイジンは人より核を可愛がり
セーヌ川武器よさらばと舟遊び 
   学んでも学びきれない寺の鐘 
わだつみの神が怒っている辺野古 
   シブサワにあいさつしたが無配当 
東電は左うちわで汗まみれ 
   原爆の地下の少女は今どこに 
老いぼれてバカに薬をつけてやり
   夏姿アラブの女か盆の風

 

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)

イベント案内

17回地方自治全国集会ポスター

新刊紹介

地域から考える子化対策 ― 「異次元の少子化対策」批判
●少子化の本質はどこにあるのか

定価1100円(本体1000円+税10%) 
A5判、88頁

中山 徹著(奈良女子大学名誉教授)

 日本の人口減少の進行をデータで跡づけ、要因を検証します。政府の「異次元の少子化対策」は新自由主義的な思考の枠を超えず、実質賃金、非正規雇用、ジェンダー平等など根本問題への解答はゼロのままです。
いま、少子化に実直に対応している自治体の実例を取り上げて経済的支援に留まらない抜本的な解決の方向を模索します。
目次よリ:第1章●人口減少の状況  第2章●異次元の少子化対策、どこに問題があるのか 第3章●異次元の少子化対策、消滅可能性自治体論の狙い 第4章●こども誰でも通園制度は撤回すべき 第5章●どのような少子化対策を進めるべきか

子どもへの無関心の政治とこども家庭庁
●だれが、子どもを見つめているのか

定価2530円(本体2300円+税10%) 
A5判、242頁

浅井春夫著(立教大学名誉教授 一般社団法人1・人間と性・'教育研究協議会代表幹事)

 この国の政治は自分の政党ファースト、議員の利益最優先です。
 たとえば、「異次元の少子化対策」は、《子どもの最善の利益》を追究していると言えるでしょうか。そして、こども家庭庁が掲げる「こどもまんなか社会」のどこに「こども」がいるのでしょうか。
 こうした政府の様々な施策を詳細な分析を通して、批判的に検証します。
 こども家庭庁は、《子どもへの無関心の政治》を変えることができるのか、という視点に立つた問題提起の書です。
目次より:
序章 少子化対策と子育てしやすい国づくりの深い溝
   I部 こども家庭庁は「こどもまんなか社会」を築けるか(4章構成)
   Ⅱ部 少子化対策の展望(2章構成)
   Ⅲ部 ジェンダー平等と子どもの未来(3章構成)

■東京自治問題研究所  fax03-5976-2573
電話 03-5976-2571
E-mail tokyo-jichiken@clock.ocn.ne.jp

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