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第155号

第155号

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第155号

2021・11・25更新

坂野邸 (2)

坂野家・昭和43年4月重要文化財指定=常総市



 表門(薬医門)は、本来武家屋敷に設けられるもので、当時の坂野家の格式の高さが偲ばれる。主屋居室部は18世紀初め頃に造られた大型住宅として、それ自体珍しい。






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野党共闘の不徹底こそが問題であった
ー中島岳志氏(東工大教授)が衆議院総選挙の結果を読み解くー

 メディアの多くが「野党共闘は失敗」「見直しへ」と言っている。たしかに総選挙は野党にとっては厳しい結果となった。
 中島岳志氏は、「総括を間違えてはいけません。野党共闘が否定されたのではありません。野党共闘が徹底できなかったことが問題なのです。」と指摘し、以下、次のように概括している。
 どういう数字の分析をしても、今回、野党共闘をしていなけれ立憲民主党はもっと議席を減らしていた。共産党などが支援したからこそ、当選した小選挙区の野党共闘の候補者はたくさんいる。そのことは各小選挙区の「惜敗率」を見ても明らかである。野党候補の得票を100として、与党候補から90%以上に迫られた野党共闘候補は25人。この中には枝野幸男さんも含まれている。ぎりぎりで勝つことができた。逆に惜敗率90%以上で競り負けた野党共闘候補は、33人いる。80%以上だと54人。8割以上の惜敗率というのは、次の選挙で当選の可能性が高いとされている。ここはもう少し野党共闘がしっかりしていれば当選したかもしれない。これをみても野党共闘は間違いなく効果があった。野党共闘が否定されたのではなく、野党共闘の不徹底こそが問題なのである。
 市民連合が仲立ちして「共通政策の合意」ができたのが9月8日。立憲民主党と共産党が「政権協力の合意」をしたのは9月30日。投票日まで1カ月しかなかった。候補者調整が本格的に始まったのは解散日が決定してからだった。ぎりぎりまで引っ張って「もう解散なんだから」と押し切る手法は、「ショック・ドクトリン」(惨事便乗の急進改革)のようなもので、危うさが指摘されてきた。血の通った野党共闘へ、もっと努力すべき課題は多くあったと思う(赤旗日曜版 2021/11/14)。
 野党共闘の真価が問われるのは、次の国政選挙である。
 参院選に向け、立憲野党は、今回の不徹底を克服し、体制を立て直し、1人区では当然、選挙協力を強化し、全体として与党に迫ることが求められている。

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今月の俳句

露けしや献灯点る大鳥居
   木犀の風を栞て図鑑閉づ  
コスモスの風をまといて郵便夫
   躓きて嬰に笑わるる縁小春
ちぐはぐな会話気にせず冬ごたつ

  

高 島 つよし

本名 高島剛 常総市在住、句歴七十年 元茨城県職員 小貝保育園長、当研究所顧問


報 告

第2回 茨城県自治問研理事会報告

叶谷  正 (茨城県自治体問題研究所 事務局長)

10月27日(日)水戸市ミオスにおいて、理事10名が参加のもと、第2回理事会が開催された。会議に先立ち、田中理事長から挨拶があり、知事選での支持・支援のお礼についても触れられた。

議案については、経過・今後の予定・会員等現況・報告事項について、叶谷事務局長より報告があった。

                     

【報告事項】
(1)第63回自治体学校総括・第64回自治体学校実行委員会発足について
10月17日、Zoom開催された、第63回自治体学校総括・第64回自治体学校実行委員会の報告がされた。当初、宇都宮で開催予定だったが、コロナの影響で急遽Zoom方式に変更された。参加者は535人で、茨城からの参加者が11名と少なかった特に自治体職員が少ない。議員の参加が6割近くあり、議員の研修になりつつある。
 第64回自治体学校は、(2022年)7月23日~25日、長野県松本市で開催。

(2)第1回茨城自治研合同セミナーについて
9月24日(金)、茨城自治労連会館において、第1回茨城自治研合同セミナーが、オンラインで開催された。
セミナーは、「地域住民が安心・安全に暮らせるために」をテーマに、2015年9月と2019年10月の二度の水害に見舞われた県立鬼怒商高のDVDによる報告と防災まちづくり研究家 中村八郎氏による、「自然災害の教訓と課題から学ぶ これからの自治体防災計画」と題して講演があり、茨城自治労連、自治体問題研究所から29名(茨自治労連 12組織 21名 茨自治体問題研究所 8名)の参加があった。オンラインでの初めての取り組みとしては、まずまずの成果があった。
講演を行うにあたって、泊まり込みで2日間、被災地(水戸、常陸太田、常陸大宮、大子)に赴き、現地調査を行い、総勢17~18名が調査に加わったと報告があった。

(3)その他
茨城県知事選挙、映画「わが青春つきるとも―伊藤千代子の生涯-」製作・上映支援についての報告

  研究所は、調査・研究団体であり、運動団体ではないということをきちんと整理して対応する 
 必要があるとの意見が出された。

【協議事項】

(1)東海第2原発 避難計画策定調査について

全国にある原子力発電所等における原子力災害発生時の住民避難をはじめとした地方自治体の緊急時対応について、立地自治体および周辺自治体として22道府県を対象に全国調査を実施。
● 実施主体 一般社団法人京都自治体問題研究所
● 調査目的:立地・周辺自治体の原子力災害時の対応能力の具体的状況を明らかにし、その課題を探る。その  ことを通じて国と自治体の責任と課題を明確にする。
●調査方法
・調査主体 地域研究所の共同調査
・調査対象自治体 22道府県
原発立地道県 13道県(北海道、青森県、宮城県、福島県、茨城県、新潟県、石川県、静岡県、福井県、島根県、愛媛県、佐賀県、鹿児島県)
原発周辺府県 9府県(富山県、岐阜県、滋賀県、京都府、鳥取県、広島県、山口県、長崎県、福岡県
●原子力災害時の避難計画に関する自治体アンケ ート

 Ⅰ 自治体内部における原子力災害対応組織について

   1 自治体内部における原子力災害対応組織と体制について(8問)
   2  職員の研修について(1問)
   3 防災業務関係者の被ばく線量限度について(1問)
   4原子力防災パンフ等による住民への啓発について (2問)
 Ⅱ 広域避難について
   1 避難退域時検査(スクリーニング)について (7問)
   2 避難に使用する車両に対する燃料の補給(給油・充電等)について(2問)
   3 緊急避難時における避難者のトイレ等の健康管理について(2問)
   4 自発的避難者について(2問)
   5 避難経由所等※の設置について(3問)
 Ⅲ 予測システム等について(7問)
 Ⅳ 安定ヨウ素剤について(10問)
 Ⅴ 屋内退避について
   1 建物の被ばく防護機能にかかわって(3問)
   2 屋内退避の解除について(2問)

● 実施期間:10月18日(月)~11月5日(金)
● アンケート結果と分析:全国研の協力のもと公表予定。
  報告書にまとめ、各地域研究所へ送付。

◎ 茨城研究所の取り組みについて
  ・(仮称)原子力災害時の避難計画調査検討委員会を設置して、京都自治体問題研究所と共同で実施している本アンケート結果の対応と、東海第二原発に隣接(5キロ圏内、30キロ圏内)する市町村を対象に、茨城研究所の取り組みを検討する。

(2)2021年度組織拡大計画について

  ・組織拡大推進委員会を設置して、11月8日(月)~12月24日(金)を 拡大推進期間と定め、茨城自治労連・単組役員の推進と大学・研究機関、民主団体、共同運動の2グループに分けて、会員・読者の拡大務める。

【その他】

(1)働くみんなの要求・職場アンケートについて
(2)日立市産廃処分場周辺道路整備事業費用支出差し解け請求住民訴訟について

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イラスト1


今月の 川柳

寂聴の声は遥かに霜の月 
   聞く力持っているけど耳遠い
化石賞もらって嬉しい石炭屋 
   世アメ玉が一〇万円とはチト高い 
分配機届いて財布のヒモがとけ 
   禁酒令とけていそいそ縄のれん 
柿の実の熟して落ちるをジッと待ち 
   海越えて未踏の開花二刀流 
カレンダー十二単もあと一枚
   陸田の稲が刈られてバッタ飛ぶ 


泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 四十二年、所属 元吉田川柳の会)

寄 稿

米危機と私たちの運動

村田 深(農民運動茨城県連合会書記長)

 
茨城県での米価暴落

 コロナ禍で外食需要などが減少したことで生産者米価が暴落し、前年より2~3割も安くなっています。茨城県でも、JAの県概算金(仮渡金)で、1俵(60kg)当たり、コシヒカリ10,200円(前年より2,300円安)、あきたこまち9,500円(同2,500円安)、ゆめひたち8,000円(同3,000円安)です。これはJA米として出荷される1等米の価格です。出荷予約のないものや等級が落ちたものはさらに安くなります。出荷時期が遅れるとさらに安くなる場合もあります。
 農水省が発表した昨年産米の生産費(全国平均)は1俵当たり15,046円で、このなかには本来支払われるべき労賃も含まれています。労賃を除いた物材費は1俵当たり9,060円です。
 これまでも、小規模稲作農家にとってタダ働きや赤字経営は当たり前になっていて、高齢化のなか「こんど機械が壊れたら農業やめよう」という声は多くありましたが、今年の農家の声は、そうした条件抜きで、「この米価では続けられない」という切迫したものになっています。

対策を検討すらしない茨城県

 農民連は早くからこうした事態を警告し、政府に対して備蓄米の追加買取りやミニマム・アクセス米の輸入中止などを求めてきましたが、菅政権は一向に対処しませんでした。茨城農民連でも茨城共同運動での対県要求(5月に要求書提出、7月に県職員と懇談)で対策を求めました。県の農政担当課に危機感はなく、生産調整目標を達成すれば問題ないという程度の認識でした。とくに米など県産農産物を買い入れて困窮者に提供するとりくみは徳島県も実施しており、生産者も困窮者も助かるもので、ぜひ検討してほしいと繰り返し促しましたが、とうとう検討するとは答えませんでした。大井川知事になってから態度が硬化しているように感じています。

知事選と総選挙をとおして

 そうしたなかで、県知事選挙(9月5日投開票)が行われました。茨城農民連も加入している「いのち輝くいばらきの会」の田中重博候補は、米価暴落対策として、1俵2,000円の補てんや、米など県産農産物を買い入れて困窮者に提供することを公約してたたかいましたが、残念ながら当選には至りませんでした。
 総選挙(10月31日投開票)を間近に控えた9月24日、農民連は「米危機打開中央行動」にとりくみました。共産党、立憲民主党、国民民主党、れいわ新選組、社民党の各国会議員も参加し、農民連の提起に応えて、口を揃えて「余剰米の買取り、困窮者への提供」を訴えてくれました。
 これまで茨城農民連では、政党からの独立と政治活動の自由を守る立場から、国政選挙で特定候補を組織的に支援することはしませんでした。今回は、米価対策や消費税減税、インボイス導入阻止など、農業を続けるための切迫した課題を実現するうえで、野党政権実現にむけて本気でとりくむことが求められたことから、茨城県市民連合が「共同候補」とした候補者に対して茨城農民連として政策協定の締結を求めるとともに、会員に野党共通政策を知らせ、共同候補への支援をよびかけました。

市民と野党の共闘をこれからも

 政策協定については、共産党の大内氏、飯田氏、立憲民主党の青山氏と締結することができました。比例復活を含めて当選した福島氏、中村氏、青山氏とは、今度も折に触れて懇談し、要求実現のために共同したいと考えています。
 岸田政権は、「市場隔離と同等の効果を持つ」米価対策として、「米穀周年供給・需要拡大支援事業」の20年産米37万トンの中から15万㌧を特別枠として、22年10月までの保管費用を支援するとしています。しかし、仮に15万㌧の販売が22年11月以降に先送りされたとしても、古古米として安い主食用米が市場に出回ることになり、新たな暴落要因になります。
 茨城農民連では、備蓄米の追加買取りなどの抜本策について、茨城共同運動の市町村統一要求に盛り込むとともに、9月議会で提出できなかった市町村への請願に取り組む予定です。

関連資料

米価暴落 「生産費下回り農家の持ち出しに」

真嶋 良孝(農民運動全国連合会常任委員)

「おっ母と2人で、頭にきながら稲刈りを終わらせたけど、この値段じゃ暮らしていかれね.」(千葉県の農家Aさん)米価暴落の波が農村を襲っています。
コロナ禍によって外食を中心に米需要が大きく減少して過剰になり、生産者が受け取る米価は、昨年比で軒並み2割から3割も下がっています。1俵(60キロ)8000円~9000円台、千葉県では6000円台になっています。
農水省の調査でも、生産コストをまかなうためには、1俵1万5000円は必要です。9000
円、まして6000円では、米作りを続けることはできません。
農水省の「米生産費調査」によると、米価暴落によって農家は「赤字」経営になり、農家の給与(家族労働報酬)は「ゼロ」どころか「マイナス」になっています。
 調査データがある直近10年閻で見ると、生産者米価が最も低かったのは2014年産で9380円です。同年の生産費は60キロ1万5416円です。そのうち農機や肥料、農薬など、農家が現金支出する「物財費」は9120円、労働費は4035円です。物財費と生産者米価がほぼ同額になっています。
農家は真っ先に物財費を支払わなければなりません。ですから本来、生産費に含まれている労働費、これが農家の収入源ですが、いまの米価水準では、これを確保できないことにならざるをえません。その結果、14年の60キロ当たりの農家の給与はマイナス1075円となりました。農家は身銭を切って1俵に千円札を1枚張り付けて出荷しているようなものです。米1俵を作るのに費やす労働時間は2・76時間です。農家の給与を時給に換算するとマイナス380円になります。労働者の場合、賃金ゼロで鏡き続けることはありえず、まして、身銭を差し出して働かせてもらうなどということは、とうてい考えられません。
同時に、農水省の調査は「赤字」ではなく「黒字」の場合でも、農家の時給は最低賃金以下だということをも示しています。逆にいうと、せめて最低賃金並みの時給が保障されれば、米価は1万5000円になります。今年の米価は14年産をさらに下回って暴落する勢いです。
このままでは、農家は1俵出荷するたびに千円札を2枚張り付けなければならない。こんな状態を続けられるはずはありません。まさしく稲作崩壊の危機であり、おいしい国産米を食べ続けたいという国民全体にとっての大問題です。「過剰米を買い上げ、生活困窮者や学生、子ども食堂に食料支援を」。
 先の総選挙では、これが野党と与党の厳しい対決点になりました。私たち農民連は、国民と共同して米危機打開と農業再生のためにがんばる決意です。

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新刊紹介

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 ントを示します。基礎編では、「決算カード」を活用した財政分析の基本を丁寧に紹介し、ステップアッ
 プ編では、「類似団体比較カード」の見方、「特別会計」や「補助費等」の分析と「合併自治体」の財政
 分析などを詳しく解説します。そして発展編として、統計局が管理するウェブサイト(e-Stat) から
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  なお、オリジナルの「決算カード」の財政分析表と「財政状況資料集」を更新しました。

目次より
財政を学ぶ心構え・分析法方法 赤字か黒字かをみる「決算収支」赤字団体?黒字団体?
自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる)四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税
地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか

どこにおカネを使っているの?(歳出のしくみ)目的別と性質別/「充当一般財源等」/目的別歳出
別歳出をクロス/地方財政状況調査表(決算統計)様々な財政指標(指数等)を読む
わがまちの財政規模(標準財政規模)/自治体の「偏差値」
 

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Ⅰ 自治体DXでどうなる地方自治の「近未来」

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2025年、保育所利用者は減少に転じる!

Ⅱ 子どものための保育制度改革

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森林伐採、景観破壊、地域社会との軋轢…問題点と解決策を説く
再生可能エネルギーと環境問題
-ためされる地域の力-
傘木宏夫著

A 5 判・並製カバー・162 頁/定価1760 円(10% 税込)

 「脱炭素」「脱原発依存」といった社会的要請を背景に、再生可能エネルギーの普及に対する期待が高まり、同エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取るFIT(固定価格買取制度)制定後、各地で開発が進んでいる。しかし、開発による山間地の森林伐採、景観破壊など様々な問題が地域社会で噴出。本書では、開発が自然環境との調和を図りつつ、地域社会の利益に繋がるように進めるには、地域の側に主体的な力が育つ必要があることを説く。
第1 部 再生可能エネルギーの基礎知識
 第1 章 再生可能エネルギーとは
 第2 章 多様な再生可能エネルギー
 第3 章 国内外の普及状況
 第4 章 普及推進策
 第5 章 事前配慮促進策
第2 部 再生可能エネルギーの環境問題
 第6 章 問題発生の構造
 第8 章 風力発電
 第9 章 バイオマス発電
第3 部 再生可能エネルギーと「地域の力」
 第10 章 再生可能エネルギー開発の3 原則
 第11 章 アセスメント
 第12 章 地域内再投資力
 第13 章 国際連帯
 第14 章 仕事おこしワークショップ第7 章 太陽光発電

未来の航跡 (2)

コロナと自治体3

<コロナ>と並走する新シリーズ 

「学び」をとめない自治体の教育行政   

朝岡幸彦・山本由美編著
A5判・並製カバー・136 頁/定価1430 円(10% 税込)

 緊急事態宣言が繰り返される中で、どう感染リスクを減らして教育・学習を継続するのか が問われている。本書では「学び」をとめないための努力に光を当て、学校、公民館、図書館、NPO などの挑戦を紹介。あわせて、アメリカの教員組合が保護者・地域の方ととも に「安全な」学校再開条件を勝ち取る過程のレポートも。

第1章 コロナ禍の下での教育・学習の権利と地方自治体 池上洋通
 生命の尊厳と学習・教育の権利/「一斉休校」は憲法違反の行為である/「基礎的自治体最優先」の原則の実現
第2章 新型コロナ感染症に教育はどう向き合ったのか 朝岡幸彦
パンデミック下における医療資源の「配分と倫理」問題/学校一斉休校と学校における防疫指針/など
第3章 新型コロナ禍の公民館・図書館・自然学校の取り組み

 1 新型コロナウイルス感染症拡大にともなう公民館の模索
   ―試される「公民館の底力」 伊東静一
 2 新型コロナウイルス感染症と「図書館」
   ―どうしなやかにまなびつづけるか 呉服淳二朗
 3 小規模自治体×自然学校NPO の挑戦
   ―今こそ教育立村へ 辻 英之

第4章 アメリカにおけるコロナ禍の学校再開
   ―シカゴ教員組合の事例を中心に 山本由美

<コロナ>と並走する新シリーズ               

新型コロナウイルス感染症と自治体の攻防   
- コロナと自治体 1 -

平岡和久・尾関俊紀編著
A5判・並製カバー・172 頁/定価1650 円(10% 税込)

 ゼロコロナをめざす方策を提示。医学的見地からコロナウイルスの特質、変異株のメカニズム、ワクチンの最新の知見を解説し、財政面からは政府の感染対策を批判的に検証し、自治体財政の今後の対応を示す。併せて、東京・世田谷区の社会的検査、広島県の PCR の集中検査、鳥取県の積極的疫学調査ほか、ワクチン接種・練馬区モデルおよび高知県・過疎地域におけるワクチン接種など、自治体独自の先進的な対応を紹介。

目次より

はしがき●本書の意図 尾関俊紀
第Ⅰ部 新型コロナウイルス感染症対策を問う
1 新型コロナウイルスの検査とワクチン 徳田安春感染力をみる防疫目的PCR 検査の最新知見/コロナ対策ではゴール設定が大切/ウィズコロナ政策の副作用/ワクチン開発は国家安全保障/変異コロナウイルスの脅威/変異ウイルスに効くワクチンの製造/Back to the Future 思考で考える大規模検査/世界モデル
と身近な対応から学ぶ対コロナ戦略
2 新型コロナ禍と自治体の対応 平岡和久 災害としての新型コロナ禍/政府の対策と第三次補正予算/政府の新型コロナ対策、何が問題か/地域と自治体の取り組みと公共部門の課題/補論:緊急事態宣言解除後の対策のあり方

シリーズ続刊 2 感染症に備える医療・公衆衛生 長友薫輝編著/3 コロナがあばく社会保障と生活の実態 伊藤周平編著/4 コロナと地域経済 岡田知弘編著/5 「学び」をとめない自治体の教育行政 朝岡幸彦・山本由美編著

社会保障法 ――権利としての社会保障の再構築に向けて

伊藤周平著

A5判 定価(本体3200 円+税)

書籍の内容
暮らしのなかから社会保障を考えるために
 社会保障の削減が進む現在、生存権侵害という観点から社会保障のあり方を追究する。章ごとにひとつのテーマ、公的扶助(生活保護)、年金、社会手当、医療保障、労働保険、社会福祉を取り上げ、憲法との関係から現状の不備を検証する。社会保障法の全体像をとらえた最新、最適なテキストにとどまらず、暮らしを社会保障から見直そうする人たち必携の一冊。社会保障法辞典としても使える事項・判例索引完備。

「公共私」・「広域」の連携と自治の課題

榊原秀訓・岡田知弘・白藤博行編著

A5判 定価(本体2300 円+税)

書籍の内容
 コロナ禍への対応を理由として「行政のデジタル化」が最優先で進められている。地方自治制度の抜本的な改変をねらう「自治体戦略2040 構想」とその具体化を諮問された第32 次地制調の答申は、自治体の事務の標準化(統一化)や全国的なクラウド化などのデジタル化具体策とどう関係するのか。また、「組織の枠超えとしての公共私の連携」論や「地域の枠越えとしての広域連携」論は、デジタル化でどう具体化されようとしているのか。
 コロナ禍の下で国が進めている地方自治制度再編の動向を分析し、自律・自治の自治体論を考える。
地域と自治体 第39集

『検証 介護保険施行20年 ―介護保障は達成できたのか』

芝田 英昭(編著), 河合 克義, 服部 万里子, 井口 克郎, 日下部 雅喜, 森 周子:金 滉垣, 鈴木 森夫, 藤原 るか(著)

¥2,420(税込)・発行年月日: 2020/12/15 ページ数: 248ページ ・本のサイズ: A5

介護保険施行20 (2)

書籍の内容
介護の危機をのりこえるために
介護保険が目的とした「社会的入院の解消」「介護の社会化」「介護離職の解消」等は達成できたのか。果たして介護保険は必要とするサービスを提供しているのか、市場化・営利に走る介護現場の深刻な人材不足、保険者である市町村の混乱をどうするのかなど、介護保険が高齢者福祉に与えた影響をとらえつつ考察する。
 また、介護保険の利用当事者として「認知症の人と家族の会」の運動を跡づけ、劣悪な労働環境に置かれる在宅介護の現場を実態報告する。併せて、同様な介護保険制度をもつドイツ、韓国の現状レポートを収録。権利としての社会保障の視点から「介護保障とは何か」を総合的にとらえる。

コロナ禍のなか、自治体はどう予算を編成するのか

新型コロナ対策と自治体財政

平岡和久・森 裕之著
A5判 144頁 定価(本体1500 円+税)

Ⅰ部 新型コロナ対策と自治体財政の動向・課題
 1 新型コロナ対策と自治体財政
   新型コロナ禍の地域経済/ 自然災害としてのコロナ禍と政策のあり方/ 新型コロナ第一波と対策の問題点、教訓/ 自治体財政の仕組みと見方/ 政府のコロナ対策と補正予算/ 地域経済対策の展開と課題/ 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金/ 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金/ 自治体の独自対策と財源確保策/ 政府の対策と財政政策の課題/ 第二波、第三波における自治体の対策と財政運営の課題
 2 都道府県、政令市、中核市の財政担当課へのアンケート調査から見るコロナ対策と自治体財政の課題 アンケート調査の概要/ 各自治体の財政状況と補正予算
 3 自治体財政運営の課題
  今後10 年以上にわたる地方財政の混乱/ 短期的な財政運営/ 中長期的な財政運営/ 国による行財政措置
Ⅱ部 資料 アンケート回答内容
 資料1 コロナ対策と財政に関する都道府県アンケートの回答の整理/ 資料2 コロナ対策と財政に関する政令市アンケートの回答の整理/ 資料3 コロナ対策と財政に関する中核市アンケートの回答の整理/ 資料4 自治体のコロナ対策と補正予算に関する事例

地域の病院は命の砦
― 地域医療をつくる政策と行動 ―

横山壽一・長友薫輝編著

A5判 ・並製カバー・160 頁 定価(本体1300 円+税)

地域の病院がなくなる?!
 病院は、地域で暮らし続けるために欠くことができません。ところが、国は、町や村に1 つしかない病院をふくめて、全国424 の公立・公的病院を名指しし、統合再編を含めた病床削減計画の提出を自治体に求めています。そこには、「地域医療構想」の早期実現という政策があります。
 本書では、地域医療を取り巻く情勢を整理した上で、「地域医療構想」とはなにか、「地域医療構想」が病院再編とどう連動しているか、地域医療を守り発展させるための政策や課題をどう考えていくかなどについて、各地の実践にそいながら紹介します。

主な内容
地域医療を守る 住江憲勇/眞木高之/尾関俊紀
第Ⅰ部 地域医療をとりまく情勢
社会保障改革と地域医療 横山壽一
第Ⅱ部 地域医療をつくる政策と行動
1 地域医療構想と地域づくり 長友薫輝
2 424 病院リストの根拠「診療実績データの分析」のねらいと問題点 塩見 正
第Ⅲ部 地域医療の現場
1 難病医療の拠点・国立徳島病院を守る 井上 純
2 広大・多雪・寒冷な北海道の地域医療を守れ 沢野 天
3 三重県の地域医療構想と公立・公的病院の再編・統合 新家忠文
4 愛知県の実態から考える大都市圏域における地域医療構想の問題点 長尾 実
5 京都の地域医療構想にかかわる諸課題と地域医療実態調査の取り組み 塩見 正

  資料 厚生労働省が再編統合の検討を求めた公立・公的病院424 施設

「競争の時代」の国・地方財政関係論
競争の時代に一般財源は自治体の自由になるのか!

中島正博著

A5判・上製カバー・228 頁/定価(本体2500 円+税)

 1980 年代後半からの30 年間の国と地方の財政関係を地方財政計画に基づいて分析する。この30 年間を「地方分権さきがけ
「財政構造改革期」「競争の時代」に分け、地方財政計画が地方の財源保障機能から競争を前提にしたシステムへと変容する様子を追う。そこでは分権と集権のせめぎ合いを観察し、「一般財源」が本当に自治体の自由になっているかを検証する。併せて、地域振興政策として島根県海士町の定住政策、宮崎県西米良村の人口減少対策を紹介する。

序 章 本書の目的と課題 
第1 章 地方財政計画と地方交付税 
第2 章 地方財政の構造変化と計画・決算のかい離 
第3 章 定住政策と地方交付税
第4 章 地方創生と地方交付税
第5 章 地方財政における「自由な財源」とは何か
終 章 「競争の時代」の国・地方財政関係


疾病に苦しむ人が、だれでも、どこでも、いつでも無償で医療が受けられる社会を求めて!
『医療保険「一部負担」の根拠を追うー 厚生労働白書では何が語られたのか』 

芝田英昭著
A5判・並製カバー・180頁 定価(本体1800円+税)

 
 1962 年以降の皆保険体制の下、日本の医療保険は大きく発展してきた。しかし、国庫負担、患者の一部負担は、「厚生労働白書」から読み取れるように、時々の経済情勢、財政的制約から導き出されたものであり、決して人権思想が反映された結果とは言えなかった。今、国民から求められているのは、基本的人権を基軸にした社会保障の構築であり、その基礎にあるのが、人間の尊厳であり人権思想なのである。
 疾病に苦しむ人はたくさんいる。そのだれもが、いつでも、どこでも、無償で医療が受けられる社会の実現に向けて、「権利としての社会保障」の観点から論究する。

プロローグ●健康は自己責任か
第1章●医療保険「一部負担」の意味とは
①医療保険における一部負担の制度的根拠 
②社会保障審議会等の歴史的文書に見る医療保険における一部負担の考え方
第2章●『厚生労働白書』(『厚生白書』)に見る医療保険「一部負担」記述の変遷
1950年代厚生白書/1960年代厚生白書/1970年代厚生白書/1980年代厚生白/1990年代厚生白書
2000年代厚生労働白書/2010年代厚生労働白書
第3章●医療保険一部負担に関する先行研究
①厚生労働白書は医療保険「一部負担」の根拠を示せたか ②モラルハザード、濫用防止は心理的圧力 ③医療サービスは「私的財」なのか
第4章●一部負担の受診抑制と世界のトレンド
①一部負担と受診抑制 ②一部負担増による受診抑制の研究事例 ③一部負担無料化の意義
第5章●医療保険の保険料・一部負担の未来展望
①社会保険に一部負担は必要か ②国保保険料の応益割と保険料上限の廃止 ③健康保険における標準報酬月額の上限を撤廃すべき ④健康保険から排除される被用者と無保険問題
第6章●人権としての社会保障と能力の共同性
①社会保障を考える基本的視点としての尊厳と人権 ②人間の尊厳の要素としての人格 ③日本国憲法に見る社会保障と人権 ④能力の共同生から社会保険料応能負担の根拠を考える

問い直そう税金―消費税増税ではない別の選択肢がある! 
鶴田廣巳・藤永のぶよ編著『税金は何のためにあるの』
              A5判 定価(本体1000 円+税)

 税の目的、仕組みと問題点、改革の方向について入門的に解説し、わが国の税制全体を問い直すことで、消費税増税ではない別の選択肢があることを明らかにします。

本書を推薦します 白藤博行氏(専修大学法学部教授)

 法律の世界では、租税法律主義といって、納税者の権利を守る大原則があります。でも、私たちは、日ごろ税の中身のことをどこまで考えているでしょうか。消費税が上がるといっても、「またか」で終わっていませんか。私たちは、公共サービスを受給する権利がありますが、税を公平に負担する義務もあります。ですから税
の集め方や使い道を、主権者としてしっかりと考えなければなりません。

 私たちは居酒屋でビール1 本の追加を迷っていますが、何百兆円もの「内部留保」がある大企業は、労働者に相応の賃金を払い、まっとうな法人税を納めているのでしょうか。主権者の税への無関心は、悪政を助長します。「税のバイブル」である本書を読んで、賢い主権者・納税者になりましょう。

『公契約条例がひらく地域のしごと・くらし』
働く人の労働条件・事業者の経営環境・地域産業振興を一体で改善するみち

永山利和・中村重美著

A5判/定価(本体2000 円+税)

 公共工事や公共サービスの低価格受注が広がり、疎漏工事や官製ワーキング・プアが問題となってきた。
この課題を解決する公契約条例の意味と実際(世田谷区・野田市など)を紹介する。

世田谷区長・ジャーナリスト 保坂展人とさん推薦
 8年がかりの粘り強い運動により区議会全会一致で成立した世田谷区公契約条例は2014 年に成立後も改善と進化を遂げていく。2019年には労働報酬下限額を1,070 円とする。全国に拡がる公契約条例の基礎から今後の課題等必携の一冊。

『新版 自治体の財政』 
まちの財政のしくみを分かりやすく解説! 自治体財政入門書

初村尤而著(都市行政コンサルタント)
   A5判 定価(本体2000円+税)

 暮らしのなかのお金の流れに注目して、予算書・決算書を読みます。公共サービスのあらましをたどって、歳入・歳出のしくみを解説します。そして、地方交付税、基準財政需要額や財政健全化指標、企業会計など自治体財政に欠かせない用語も分かりやすく説明し、数字に隠れた市民生活や地域の現状へといざないます。
主な内容
第1章 私たちの暮らしと財政
第2章 予算書、決算書を読んでみよう
第3章 歳出(経費)のしくみ
第4章 歳入(財源)のしくみ
第5章 さまざまな自治体財政
第6章 地方公営企業のしくみ
第7章 わがまちの財政健全度を量る指標
第8章 自治体財政のあり方を考える
終 章 財政数値との向き合い方

「自治体戦略2040構想」と地方自治

白藤博行・岡田知弘・平岡和久著 

A5判/定価(本体1000 円+税)

 アベノミクスの失敗で疲弊が続く地方。住民のいのちと暮らしを守る市町村の役割が再認識されている。
 ところが、政府は、連携中枢都市圏(や定住自立圏)のような「圏域」を地方行政の単位として法制化し、住民サービスも自治体間で「標準化」「共通化」「広域化」しAI やロボットそして民間企業に任せ、公務員は半減させるなど、地方自治を骨抜きにすることを狙っている。これらは、「自治体戦略2040 構想」という研究会報告として公表され、法制化への議論とともに、地方財政政策などを通じて具体化も始まった。
 本書では、「自治体戦略2040 構想」とは何か、地方自治の姿をどう変えると予想されるのか、憲法と地方自治法が示す自治の視点から見たときに何が問題となるのかについて、解説する。

「豪雨災害と自治体 防災・減災を考える」

A5判・並製・160 頁/定価(本体1600 円+税)

 豪雨災害はどのように発生し、どう対応すべきか?
 毎年のように豪雨災害が猛威を振るっている。その原因・メカニズムを気象学、被害の拡大を地質学から追究し(寺尾徹、田結庄良昭)、2018 年の豪雨が各地にどのような災害をもたらしたか、現地からの詳細な報告を収める(磯部作、越智秀二、村田武、山藤篤、松岡淳、小淵港、田結庄良昭、池田豊)。そして、このような災害に対して自治体はどう対応すればよいのか、防災と減災の視点から問う(室崎益輝、塩崎賢明、有田洋明)。

「水道の民営化・広域化を考える(改訂版)

尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー184 頁/定価(本体1700 円+税)

 改正水道法成立!「いのちの水」をどうする。2018 年12 月6 日、改正水道法が成立した。多くの庶民の疑問、マスメディアでの反論をものともせず、既定方針のように審議を通した。水道が生き残るには、民営化、広域化しかないのか。すでに、各地で起こっている「水」めぐる民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくか多角的に考える。

『人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望』

中山 徹(著)

発行年月日:2018/11/15  1,200円+税  A5 112ページ

 人口減少に歯止めがかからず、東京一極集中はさらに進む。自治体そのものを見直そうとする「2040構想」も始動した。こうしたなか、保守と革新の共同による「市民共同自治体」の動きも出始めている。地域が大きく再編されようとしている今、市民と地域を守るためにはどうしたらよいのか。「市民共同自治体」を提唱して、市民のニーズを政策に活かす方法を考える。

目次
はじめに
 1章 新自由主義による国土・地域・コミュニティの再編
  なぜ国土・地域・コミュニティの再編なのか
  再編の具体的内容とそれを進める政策
  自治体再編の方向性
  再編のコンセプトと進め方
 2章 自治体の動向と市民共同自治体への展望
  開発型自治体と削減型自治体
  市民共同自治体の誕生
  市民共同自治体の展望
 3章 市民共同自治体の政策
  政策の基本的な枠組み
  すべての主要施策に格差是正を貫く
  地域のまとまりをどのようにして創り出すのか
  行政責任を明らかにする
  なぜ市民参加が重要なのか

原発再稼働と自治体
―民意が動かす「3つの検証」― 新潟県はその出口を探す先頭に立っている
立石雅昭・にいがた自治体研究所編

A5判 定価(本体1200 円+税)

 福島原発事故から7 年半。控えられていた原発の再稼働が復活してきているが、それでも再稼働はスムーズに進んでいるとは言いがたい。それは、国民の過半数が原発再稼働に懐疑的であり、反原発・脱原発の世論が強く根を張っているためである。世界最大の柏崎刈羽原発を有する新潟県は「3 つの検証」―事故原因の検証、健康と生活に及ぼす影響の検証、安全な避難方法の検証―を掲げて福島原発事故の検証を行っている。その活動の意味を問う。

序 原発立地自治体・地元自治体に問われていること 池内 了
1 新潟県検証委員会の活動の意味 大矢健吉
2 技術委員会の検証―明らかにしてきたことと引き続く課題 立石雅昭
3 原発事故による避難(新潟県内避難者)生活の現状と課題 松井克浩
4 原子力災害がもたらした避難(福島県相双地区)生活の実態  丹波史紀
5 避難計画をめぐって 佐々木寛
6 柏崎刈羽原発をめぐる原子力安全協定とその法的性質 石崎誠也
7 原発立地都市・柏崎市の地域と経済 保母武彦

どこを目指す !! 自治体戦略2040構想
― 研究会報告の概要と問題点、課題 ―

A5版・24頁  定価250円(地域研卸単価200円)

地域研の皆様へ
 地域研の皆様には日頃から大変お世話になっています。
 さて、自治体戦略2040構想研究会の最終報告が7月に公表されました。構想研は「2040年頃をターゲットに人口構造の変化に対応した自治体行政のあり方を検討する」として2017年10月に設置された総務省の有識者研究会です。
 その趣旨は「高齢化がピークを迎え、若い勤労者が激減する2040年頃の姿から自治体の課題を逆算する形で整理し、今の半数の職員でも対応できる仕組みを構築」するというもので、それは今日の地方自治、自治体のあり方を抜本的に見直し再編していくものです。 
 これを受けて、同月に第32次地方制度調査会が設置され、この内容が諮問されました。
 地制調に諮問したということは、その結果を踏まえて法制度改革を行うということです。
 私たちも地制調での議論を見極め、内容を検証し、対置政策を示して世論を喚起していくことが必要です。そのため研究所ではまず構想研報告の内容を知らせ、問題点、課題を明らかにしていくことが急務と考え、今回、職場や地域等での学習会向けに標記ブックレットを緊急に発行しましたので1冊送付(贈呈)します。また、皆様には割引単価を設けましたので、普及(490部)にもご協力をお願いします。
 なお、ブックレットの表題、目次、報告表題の「自治体戦略2040年構想」は誤記で、正しくは「自治体戦略2040構想」ですので正誤表を入れてあります。

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    はじめに  岡田 知弘
    自治体戦略2040構想研究会報告の概要と問題点、課題- 角田英昭 
    1.構想研報告の概要 
    2.構想研報告の問題点、課題

既刊ブックレットもお手元に!      
どこを目指す、自治体戦略2040構想(A5 ・ 24頁) 200円   
原発災害避難自治体の現況と復興、自治の課題(A5 ・ 40頁)300円   
どこを目指す、公共施設等総合管理計画(A5 ・ 40頁)300円   

「いのちの水」をどう守っていくのか!

水道の民営化・広域化を考える
尾林芳匡・渡辺卓也編著

A5判・並製カバー180 頁/定価(本体1700 円+税)

 老朽化、料金6 割上昇、人口減に維持困難……、これらは水道について語られる危機だ。国は水道法改正を視野に入れ、民営化と広域化を推し進め、この危機を乗り越えようとしている。しかし、こ
の方向は正しいのか。すでに、各地で始まっている民営化と広域化の動きを検証して、「いのちの水」をどう守っていくのか多角的に考える。
目次から
プロローグ●水をめぐるウソ・ホント 解説● 2018 年水道法改正とは
Ⅰ 水をめぐる広域化と民営化の現場
イントロダクション ●各地で具体化する広域化・民営化の動き/ 香川県●県主導の水道広域化の矛盾/ 宮城県●水道事業へのコンセッション導入の問題点/ 浜松市●下水道処理場のコンセッシ ョン化問題/ 京都府●簡易水道と上水道の統合/ 奈良県●奈良市中山間地域の上下水道のコンセッション計画/ 埼玉県●秩父郡小鹿野町民の水源・浄水場を守る運動/ 大阪市●市民が止めた水 道民営化/滋賀県●大津市のガス事業コンセッション
Ⅱ 水をめぐる広域化・民営化の論点
上水道インフラの更新における広域性と効率性/水道の民営化・広域化を考える

川瀬 光義『基地と財政 ー 沖縄に基地を押しつける「醜い」財政政策』

A5 133頁 1600円+税

本書のねらいは、このあまりにも不条理な基地新設の「同意」を得ることを目的として日本政府が講じてきた 財政政策が、いかに醜いものであるかを示すところにあります。名護市をはじめとする沖縄本島北部地域自治体への特別な財政政策を最初に提示した当時の首相は、橋本龍太郎氏でした。そのとき、これは基地新設の見返り
かという旨の問いかけに対して橋本氏は、強く否定しました。その姿勢からは、沖縄の人々に対する後ろめたさ'を少しは感じることができました。しかしその後ろめたさ'は次第に後退し、第4章で紹介した米軍再編交付金及び再編特別補助金に至っては、政治的意見の相違によつて公的資金の配分を差別することを合法化するという、醜さの極致と言ってよいなものとなつてしまいました。

 本書を通じて、こうした醜い政策でしか維持できないような日米安全保障体制とは何なのかにつぃて、読者の皆さんが考える糸口になれば、筆者としてこれにまさる喜びはありません。

『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
         

本田宏著 (医師・NPO法人医療制度研究会副理事長)

A5判110頁 定価(本体1100円+税)

主な内容
 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著書が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて究明する。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方まで俎上に載せて検討する。

Excelを駆使して自治体の財政を分析する!
データベースで読み解く自治体財政 地方財政状況調査DB の活用

武田公子 著 金沢大学経済学経営学系教授

B 5 判94 頁 定価(本体 1600円+税)

 総務省は市町村の財政状況を表わす「地方財政状況調査DB(データベース)」をウェブサイトで公開しています。そのサイトへのアクセスから、様々なデータファイルのダウンロードと整理ファイルを使った分析手法までを、図表を駆使して分かりやすく解説します。自治体財政の全般的な動向を捉える基本的な分析方法を初め、公営企業や国民健康保険会計、公立病院事業に対する繰出金の分析、合併特例債の終了期を迎える合併自治体の財政状況の検証、そして復旧・復興に関わる被災自治体の財政分析などを実例に即して展開します。
第1章 自治体財政の制度概要と全般的動向
 地方財政の基本的な枠組み/地方財政に関する全国的動向
第2章 地方財政状況調査データベースの利用方法
 地方財政状況調査データベースの所在と意味/地方財政状況調査DB 利用の実際――歳入内訳の分析/データの整理/性質別経費の分析/目的別経費の分析
第3章 グラフの読み取りとさらなる分析方法
 グラフの作成/全国自治体に共通した動向/普通建設事業費の内訳とその財源/民生費と扶助費の関係/ 地方債の分析/積立金の動向/人件費と物件費の動向
第4章 一般会計と他会計との関係
 財政健全化判断比率と財政状況資料集/繰出金の分析/国民健康保険会計の分析/公営企業会計への繰出の詳細を調べる――病院の例
第5章 合併自治体の財政分析
 合併自治体の分析目的とデータのダウンロード/データ整理の手順/歳入グラフの読み取り/歳出グラフの読み取りと詳細データ/地方債の分析
第6章 被災自治体の財政分析
 国による財政措置/復旧・復興事業分歳入の分析/歳出の分析/災害復旧事業と普通建設事業/復旧・復興事業                            

本田宏著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
医師・NPO法人医療制度研究会副理事長

A5判110頁 定価(本体1,100円)

 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著者が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて糾弾します。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方にまで俎上に載せて追究します。

第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ

第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する

第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育

第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする

第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

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加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

                    
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版) 
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!  

B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)

財政デザイン研究所代表理事  大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著

●基礎からステップアップまで
 決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
 財政を学ぶ心構え・分析方法
 赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
 自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と

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