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第115号

第115号

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第115号

2018・07・25更新

那珂川あゆ解禁
清流・那珂川の鮎釣り・7月19日・箒川~弁天周辺~

北関東屈指の清流・那珂川は、昔から天然鮎のメッカとして多くの釣り人に愛され、守られてきた。平成14年度には日本釣振興会により「天然アユがのぼる100名川」に選定されている。 平成10年度以降の鮎の漁獲高日本一を続けている。

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浪江町民の怒り、加害者東電の不誠実な態度 

 ご存知の方もいるとおもいますが、東京電力福島第1原発事故の慰謝料増額を求め、福島県浪江町民の約7割、1万5000人が申し立てた国の裁判外紛争解決手続き(ADR)について、担当機関の原子力損害賠償紛争解決センターが町と東電に和解手続きの打ち切りを通知した(2018年4月5日)。センターの和解案を東電が繰り返し拒否したためである。生活基盤をずたずたにされた住民が増額分を求めるには、個人で同じ裁判外紛争解決手続きをするか、裁判をするしかない。町民の高齢化も進み、請求をあきらめる人が出てくる懸念がある。
 町は2013年5月、町民の代理人として1人あたり月10万円の精神的賠償を35万円に増額するよう求めてADRを申し立てた。申立人は町民の約7割に上った。センターは2014年3月、月5万円(75歳以上は最大月8万円)を一定期間上乗せする和解案を示した。町は和解案を受け入れたが、東電は一律の和解を拒否。センターの説得に対して、6回にわたり拒否回答を続けた。打ち切り通知までの間、高齢者など申立人約850人が亡くなった。町と弁護団は町民説明会を開き、対応を話し合ってきた。先日亡くなった馬場有(たもつ)町長は「避難者に寄り添うどころか、突き放しているとしか思えない残念な結果だ」とコメントしていた。
 なお、飯館村西区の住民90世帯328人が申し立てた ADR 手続きでも、東電は解決センターが示した和解案を受諾しないとする回答を住民に伝えたため、 センターは ADR を打ち切った。ADR では申立人である住民に対し約8200万円を慰謝料として支払う和解案をセンターは示していた。
 東電は国に提出した「特別事業計画」において原発 ADR の和解仲介案の尊重を何度も誓約している。福島第一原発事故の被災者の生活再建のために掲げた「三つの誓い」である。「最後の一人まで賠償貫徹」「迅速かつきめ細やかな賠償の徹底」「和解仲介案の尊重」。
 最近の ADR の打ち切りは、主に東電の和解案拒否を原因としている。何度も誓ったものは一体何だったのか。和解案が拒否されると強制力がない ADR の紛争解決機能は その意義を失ってしまう。 最近、損害賠償をめぐる訴訟の判決が各地で相次いでいる。東電はその誓いに立ち返り、順守する姿勢を貫くことこそ、事故を起こした東電の責任ではないか。
 東海第二原発の20年運転延長に向けた審査が加速している。老朽化した原発の再稼働に誰もが不安を感じている。
 新安全協定で謳われた6自治体と原電の徹底協議保障で加害者の民事責任(賠償)を明確に取り交わしておいて欲しい。

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いべんと報告

戦争の遺構と平和を語り継ぐまちづくりシンポジウムー北茨城市

穂積 建三(当所 理事)

 さる6月23日北茨城市で、120人余の参加者のもと「戦争の遺構と平和を語り継ぐまちづくりシンポジウム」を開催しました。地元の女声コーラスグループ、ハミングバードによるさわやかな歌声で幕を開け、3時間余り報告・講演・討論を熱心に繰り広げました。
 現在の北茨城市には、太平洋戦争の末期1944年5月大津に風船爆弾、翌45年6月には平潟に特攻艇震洋の基地が造られました。戦後73年目の今日、戦争当時のことを知る人は少なくなり、その上、基地の遺構自体も、長い歳月を経て劣化が進んでいます。シンポジウムは、わずかに残る遺構をどのように保存し平和を語り継いでいくのか、市民と行政の協働によるまちづくりの方向を探求しようとするものです。
 当日は、ビデオ「鎮魂碑は風船爆弾遺跡」(遊座文一さん制作 2016年県芸術祭映像コンクール奨励賞受賞)を上映後、二つの遺構の実相を掘り起こしてきた郷土史家丹賢一さんの報告、茨城大学人文社会科学部准教授の佐々木啓先生の基調講演のあと、会場からの質疑をふくむ討論を展開しました。

報告「北茨城の遺構-風船爆弾と特攻艇震洋」

郷土史家 丹  賢一さん

1 風船爆弾

 1942年4月18日、アメリカの航空母艦からノースアメリカンB25が16機発進し、日本本土へ奇襲攻撃をかけました。本土への攻撃に大きな衝撃を受けた陸軍は、風船爆弾の本格的な開発を始めました。着目したのは、毎秒80km以上で太平洋上空を東向きに吹くジェット気流でした。この気流で爆弾を積んだ気球を飛ばし、米本土を攻撃する「ふ号作戦」でした。
 44年5月、陸軍は大津の丘陵に挟まれた田畑や山林など約40万坪を所有者から強制的に借り上げました。大津側と平潟側の二つの出入口に守衛兵が立ち、住民は初期の土木工事だけ無料奉仕させられ、その後は立ち入ることを禁じられました。下地ができると軍が兵隊を使って兵舎や倉庫、放球台(18台)などを構築しました。
大津とともに、千葉県一宮、福島県勿来の3箇所に風船爆弾基地が造られました。大津基地はその中心で、気球部隊本部と部隊長の宿舎が旧岡倉天心邸に置かれ、まわりの別荘に幹部将校の宿舎が置かれました。水素ガス発生装置を持ち、そのための珪素鉄鉱石粉砕工場、海水汲揚ポンプ工場も置かれました。住民には軍の目的は極秘にされましたが、「風船爆弾でアメリカをやっつける部隊が来る」という噂が広がりました。しかし、住民は軍の機密にふれてはならない雰囲気ができていました。
 44年11月3日(明治節)が放球開始とされましたが、未明に高度維保持装置の電気回路の故障で爆発事故が発生し、兵士3人が即死、2人が重傷。重傷者をトラックで水戸陸軍病院へ運ぶ途中に一人が死亡、病院でもう一人も亡くなりました。県立天心記念美術館の通りにある兵士慰霊塔は、道路造成工事で埋まったものを1997年2月に復元したものです。
 風船爆弾は、9300個が放球され、900個程度がアメリカ本土に到達したといいます。オレゴン州ブライに「この地は、第2次大戦中、アメリカ大陸において、敵の攻撃によって死者を出した唯一の場所である」と記す石碑があります。牧師の妻、ミッチェル夫人が小学校高学年の子どもたち5人とハイキングに来て風船爆弾の不発弾に遭遇し、6人が犠牲になった「ブライの悲劇」です。  
 1984年11月、五浦海岸に「忘れじ平和の碑」が建立され、碑には、地元平潟町出身の作家で「風船爆弾」の著者である鈴木俊平さんの言葉が次のとおり刻まれています。日本国憲法前文にも通ずるものです。

新しい誓い
海のかなた 大空のかなたへ 消えていった 
青い気球よ あれは幻か 
今はもう 呪いと殺意の 武器はいらない
青い気球よさようなら さようなら戦争

2 特攻艇震洋

 太平洋戦争末期、米軍の上陸を想定して日本各地の湾岸部に特攻ボート「震洋」が配備されました。その基地が北茨城市の平潟港にあったことが判明したのは1996年6月のことでした。風船爆弾の調査中に、平潟住民から終戦間際にベニヤ製の特攻ボートを見たとの複数証言を得たからです。そこで、文献にあたったところ、ボートの正体が震洋であることがわかりました。震洋は緑色に塗られていましたので、「青ガエル」と呼ばれていたそうです。渡辺剛州中尉が搭乗隊員50人を率いる第138震洋隊、三溝正美中尉が率いる総員167人の第141震洋隊でした。特攻隊のほか、基地隊や警備隊に分かれて平潟港周辺の学校、公民館などを宿舎にしていました。
 「震洋」は、敵艦に突撃して自爆攻撃する目的で開発され、自動車のエンジンをつけたベニヤ板製のボートに約250キロの爆薬を積んでいました。平潟に配備されたのは2人乗りに改良された「5型」など10隻だったといいます。
 ガソリン不足で、サツマイモのアルコールを混ぜてこともあって、エンジントラブルが絶えなかったという。港近くの民家の離れでは、食事班の隊員6人が寝泊りして部隊員のために毎日食事をつくっていました。大きな調理台や炊事道具が残されていましたが、東日本大震災の際に流出してしまいました。
 平潟港内の初鳥山岸壁には特攻艇格納壕の大きな穴が残っていました。初鳥山は一つの山でしたが、大雨や地震などで格納庫跡が崩れ.今のように二つの山に形を変えてしまいました。さらに、東日本大地震で格納庫跡が危険になったのでしょうか、港の修復の際に、格納庫跡の穴がすべてコンクリートで塞がれてしまいました。
 1945年7月17日夜11時30分ごろ、米英海軍による日立への艦砲射撃があったとき、第138震洋隊に出撃準備の命令が出ました。隊長の渡辺中尉は、基地本部の幹部将校列席の中にいました。司令吉留善之助大佐が「隊長行くかね」と声をかけると、渡辺隊長は「行っても無駄とは存じますが」と答礼。結局、出撃は中止となり、50人の命は救われました。その後も、出撃命令が出ましたが、ガソリン不足は深刻で、出撃することなく終戦を迎えました。

佐々木啓先生のまとめ
 戦争の遺構を生かすために
1 特攻艇「震洋」の格納壕、風船爆弾の水素ガスを発生させる珪素鉄粉砕工場跡などはかなり風化しています、遺構を保存するための手立て、方法を早急に考えなければなりません。
2 戦争遺跡は自らは語ることはできません。それをどう語らせるのか、説明紹介するための仕組み、仕掛けをどうするか、考えなければなりません。
3 岡倉天心や鈴木俊平など、様々な文化人、文化遺産などと、どう繋いで行くのか、 いろんなポテンシャルがありますので、より討議を深めなければなりません。
   

 今後、佐々木先生のまとめで提起された課題に基づき、「戦争の遺構と平和を語り継ぐまちづくり」に関する北茨城市への提言を検討していきます。

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過労死が法の定めと大手ふり
選挙法我田引水欲の皮  
温暖化水があふれて街沈む
豪雨禍の賭博議論に身をやつし
自民亭警戒よそに酒をあび

泉  明 羅

(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)

 寄 稿 

保健所の設置基準と茨城県の3保健所廃止提案問題

長山 重道(当所 理事)

1 はじめに

 2018年5月21日、茨城県は第2回保健所再編検討懇話会を開催し、現行12保健所中3保健所(常陸大宮、鉾田、常総)を廃止し、9保健所とする素案を発表した。かつては18保健所体制だったので半減となる。
様々の公衆衛生問題が日常的に社会問題化し、また、新たな感染症や新型インフルエンザのパンデミック等への対応も求められる中で、3保健所廃止は県民の安全安心を大きく後退させることになる。本稿では、保健所の位置づけ、これまでの保健所統廃合の経過そして今回の3保健所廃止の理由とされた設置基準問題について私見を述べ問題提起したい。

2 保健所の位置づけ

(1)近代市民社会と保健所
 資本主義的生産様式の拡大に伴い、労働者階級の生命と暮らしが悪化し、これへの対応が近代社会の基本的な課題となった。この解決のため、先進諸国は公衆衛生の向上、そして、福祉国家への道を歩んだが、戦後の日本においても同様だった。日本国憲法第25条(生存権、国の社会的使命)で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(「ナショナルミニマム規定」)、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上および増進に努めなければならない。」と明記した。
 この実現のために、国は保健所法(1947年9月5日公布)をもって保健所を設置した。保健所法第1条「保健所は、地方における公衆衛生の向上及び増進を図るため、都道府県…中略…が設置する」は、保健所法が憲法第25条に由来することを明確に示している。国民の生存権としての公衆衛生の権利を保障するために、第一線機関としての保健所を全国に設置したのだ。
 その業務内容は、公衆衛生に係るあらゆることであり、単に「保健」といった「対人衛生業務」だけではない。保健所法第2条4項には「住宅、水道、下水道、廃棄物の処理、清掃、その他の環境の衛生に関する事項」、いわゆる「対物衛生業務」も含まれている。第4条では保健所で「結核、性病、歯科疾患その他の疾病の治療」もでき、第5条で、保健所での試験及び検査を地域の医師、歯科医師、薬剤師等にも利用させ得る、と規定されていた。保健所は単なる行政機関ではない。医療法に基づく診療所でもある。

(2)保健所法下の保健所の設置基準
 保健所は、保健所法施行令の一部を改正する政令(昭和28年9月8日政令第273号)第2条で、公衆衛生行政の第一線機関として、「人口おおむね十万を基準として設置する」と明記された。最高時(1975年度)には全国で857か所の保健所が設置され市民の命を守るべく活動していた。自衛隊増強や財界中心の行財政の中でも市民要求に押されて保健所は増えていた。
 しかし、平成6年7月に地域保健法(保健所法の改正法)が一部施行(註1)されると事態は一変した。保健所統廃合が全国的に進み、平成30年には469か所と最高時の4割以上も削減された。茨城でも18か所あった保健所が1995年3月に4か所(高萩、大子、石岡、水海道)、さらに、1999年3月に2か所(常陸太田、笠間)廃止された。2007年11月に、県は3保健所廃止を県議会に提案したが、地元住民の強い反対で頓挫している。この時のひたちなか保健所支所化反対の住民署名は10万3千余筆に及んでいる。

3 地域保健法下の保健所の設置基準

 今回、県は3保健所廃止提案の根拠として、「保健所は二次保健医療圏(医療法第30条の3第2項第1号に定める医療計画等の圏域)を参酌して設定しなければならない」との条文(地域保健法第5条第2項)をあげている。
 しかしながら、そもそも公衆衛生業務を担う保健所を、医療法に基づく医療計画の圏域(医療圏毎に入院患者のベッド数を規制し、医療費削減を狙うもの)に合わせることは、合理性を欠いている。公衆衛生組織の設置基準と医療法のそれとは性格を異にするからだ。これでは職員が地域に出かけて様々な住民の公衆衛生課題に応えることも、保健所運営協議会等を通じて地域住民が保健所運営に携わること(自治権)も形式的なことになってしまう。保健所が地域から見えづらくなり、遠い存在になってしまうのである。
保健所法の改定法たる地域保健法(1994年公布、1997年全面施行)は、前述のように、保健所の設置基準を人口10万人から二次保健医療圏(即ち、約30万人から35万人)に1か所とした。
 しかし、実際の全国の2次保健医療圏の人口は2万人余(長崎県上五島)から251万人余(大阪市)迄様々であり、基準と言えるような合理性は見当たらない。かつて、政令都市や東京都特別区は1市あるいは1区に複数保健所を配置していたが、今日では、博多市を除き「1保健所(+複数支所)体制」である。札幌市(230万人)、仙台市(144万人)、横浜市(3保健医療圏、345万人)、川崎市(2保健医療圏、134万人)、名古屋市(216万人)、京都市(146万人)、大阪市(251万人)、神戸市(150万人)、北九州市(112万人)等々がその例である。
 そこでは福祉部門と一体化して区の一部局となっているところも多い。
 東京でも保健所削減が進んだ。特別区(23区)に7保健医療圏が設定されたが1区1保健所体制(23保健所+複数支所)を保っている。都管轄の「多摩地域」(23区以外)では2次保健医療圏1保健所体制となり、南多摩保健医療圏の様に1保健所管内が135万人のところもある。そこでは業務執行は困難を極めている。全国的に保健所削減に伴い職員数も大幅に削減され、市民の命を守る力=公衆衛生力が大きく後退している。

4 まとめ

 本県でも公衆衛生に係る大きな事件が起きている。1999年9月のJCO臨界事故では666人が被曝し、内2人が死亡している。県は被曝した住民を対象に毎年検診を行っている。JCO従業員等については非公表である。
 2003年3月に発覚した神栖市での井水(有機ヒ素化合物含有)による住民の健康被害事件では、県は37人に計約6千万円を賠償、157人に医療手帳を交付している。
 2011年3月の福島第一原発爆発事故後、県民から福島県同様の健康調査要求が出たが、県は応えていない。この間、福島県では子どもの甲状腺がんが173人(外に36人ががんの疑い)発見され、調査継続中である。北茨城市でも甲状腺がんが3人出ている。 
 子どもの甲状腺がんの発症は100万人に数人だからこれらの数値は異常である。
 この様な中で県内市町村では子どもの甲状腺がん検診を始め、井水、農産物、土壌等の放射性物質の検査を無料で行っているところもある。県は、保健所という公衆衛生の第一線機関を有している。この間、保健所の試験検査機能を廃止してしまったが、緊急時に無力の状況である。国民の生存権に応えて、水や食品等生存に欠かせないものの検査は無料で実施すべきだ。井水検査料(最小項目)8100円(業者団体に委託)は保健所法の趣旨にそぐわない。県民の連帯で3保健所廃止を中止させ、本来の保健所活動を展開してほしい。

2018年7月(元高萩、日立保健所に勤務)

註1;全面施行は1997年
註2;政令市の人口は2010年3月末日現在のデータ。
註3;保健所設置の根拠法令は保健所法の外、地方自治法(第156条)「普通地方公共団体の長は、……、法律または条例の定めるところにより、保健所、警察署その他の行政機関を設けるものとする。」にも規定されている。知事部局の出先機関としては唯一保健所のみが例示されている。
註4;地方交付税算定の基準財政需要額(衛生費)は県民1人当たり1万4千円。3保健所廃止で浮いた財源は別の事業に回される。

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第44回茨城県自治体問題研究所総会のご報告

 7月8日(日)つくば市自治労連会館で研究所第44回の総会が開催されました。
 前段は、記念講演として全日本年金者組合茨城県本部委員長の近澤重男さんに「我が国の公的年金の沿革と現状について」話していただきました。

近澤講師

 日本の年金制度は、掛け金制度です。無年金者が100万人、高齢者の増加や低年金者800万人(32%)、格差拡大、非正規者の増大で最低保障年金制度を要求している。
 企業年金・国民皆保険制度などの説明があり老後の生活保障は年金である。公的年金は、マクロ経済スライドやキャリオーバーの導入がなされている。
 非常に興味深い現実的なお話でした。

 総会は、はじめに、田中理事長の挨拶がありました。米朝首脳会談で朝鮮半島の和平づくり、安倍政権の5年間、国会延長して働き方法案、カジノなど悪法の成立を企んでいる。
 地方創生で過疎問題、平成合併、2040年問題など地方自治体の衰退、少子高齢化や圏域問題の効率化、東海第2原発再稼働問題、など課題が山積している。

 会員の拡大、調査研究、まちづくり学校など勢いがない。組織強化に転じたい。
 若返りをはかり課題を深めて欲しい、など。

 来賓挨拶は、茨城自治労渡邉委員長から激励の挨拶がありました。
 叶谷事務局長、岡村次長から提案された経過報告、決算、川並監事から監査報告があり、討論に移りました。

 穂積理事から6月23日に北茨城市で開催された「戦争の遺構と平和を語り継ぐまちづくりシンポジウム」の結果について120名の参加で大変好評であった旨報告があった。
 東海第2原発廃炉問題や市町村での自治体職員の非正規化問題(約40%)、住民へのサービスの弊害などが論議された。
 山本理事から「つくば市財政白書」の発刊の紹介。新市長になってどのように変化したかが解明の重点であるなどを指摘。1冊700円。
 保健所廃止問題(常陸大宮、鉾田、常総)の提起があり注視していくこととなった。
 最後に、活動方針、予算案を全員で承認をしました。役員では、副理事長鯉沼康浩・監事川並英二さんが退任されました。
                          
2018年度役員  
  
理事長  田中重博
副理事長 澁谷敦司・渡邉久人(新)・飯田三年・榊原徹
理 事  池羽路一・石橋英司・酒井 進・佐川泰弘・佐藤英一・白石勝巳・高木知子・高畑 孝・長山重道・濱野 真・穂積建三・本田精一・山口由夫・山本千秋

監  事 岩瀬 亮・加藤木 正(新)

事務局長 叶谷 正 ・ 同 次長 岡村瑞比古

顧  問 秋元喜代二・浅野長増・井川二彦・木戸田四郎・田村武夫・高島 剛・本田忠弘・宇佐神忠捷・川﨑不二男・恵田三郎・今泉正・山浦五十一・宮田哲雄・川並英二(新)

文責 岡村瑞比古 

総会の議案はこちら2018年度活動方針
 

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いべんと
終了しました

● 第60回自治体学校in福岡
• 第60回自治体学校は2018年7月21日(土)~23日(月)福岡市で開催されます。初の九州での開催です。
• 2018年7月21日(土)・22日(日)・23日(月)
• 福岡市民会館/西南学院大学
自治体学校福岡

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新刊紹介

川瀬 光義『基地と財政 ー 沖縄に基地を押しつける「醜い」財政政策』

A5 133頁 1600円+税

本書のねらいは、このあまりにも不条理な基地新設の「同意」を得ることを目的として日本政府が講じてきた 財政政策が、いかに醜いものであるかを示すところにあります。名護市をはじめとする沖縄本島北部地域自治体への特別な財政政策を最初に提示した当時の首相は、橋本龍太郎氏でした。そのとき、これは基地新設の見返り
かという旨の問いかけに対して橋本氏は、強く否定しました。その姿勢からは、沖縄の人々に対する後ろめたさ'を少しは感じることができました。しかしその後ろめたさ'は次第に後退し、第4章で紹介した米軍再編交付金及び再編特別補助金に至っては、政治的意見の相違によつて公的資金の配分を差別することを合法化するという、醜さの極致と言ってよいなものとなつてしまいました。

 本書を通じて、こうした醜い政策でしか維持できないような日米安全保障体制とは何なのかにつぃて、読者の皆さんが考える糸口になれば、筆者としてこれにまさる喜びはありません。

準新刊

『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
         

本田宏著 (医師・NPO法人医療制度研究会副理事長)

A5判110頁 定価(本体1100円+税)

主な内容
 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著書が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて究明する。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方まで俎上に載せて検討する。

Excelを駆使して自治体の財政を分析する!
データベースで読み解く自治体財政 地方財政状況調査DB の活用

武田公子 著 金沢大学経済学経営学系教授

B 5 判94 頁 定価(本体 1600円+税)

 総務省は市町村の財政状況を表わす「地方財政状況調査DB(データベース)」をウェブサイトで公開しています。そのサイトへのアクセスから、様々なデータファイルのダウンロードと整理ファイルを使った分析手法までを、図表を駆使して分かりやすく解説します。自治体財政の全般的な動向を捉える基本的な分析方法を初め、公営企業や国民健康保険会計、公立病院事業に対する繰出金の分析、合併特例債の終了期を迎える合併自治体の財政状況の検証、そして復旧・復興に関わる被災自治体の財政分析などを実例に即して展開します。
第1章 自治体財政の制度概要と全般的動向
 地方財政の基本的な枠組み/地方財政に関する全国的動向
第2章 地方財政状況調査データベースの利用方法
 地方財政状況調査データベースの所在と意味/地方財政状況調査DB 利用の実際――歳入内訳の分析/データの整理/性質別経費の分析/目的別経費の分析
第3章 グラフの読み取りとさらなる分析方法
 グラフの作成/全国自治体に共通した動向/普通建設事業費の内訳とその財源/民生費と扶助費の関係/ 地方債の分析/積立金の動向/人件費と物件費の動向
第4章 一般会計と他会計との関係
 財政健全化判断比率と財政状況資料集/繰出金の分析/国民健康保険会計の分析/公営企業会計への繰出の詳細を調べる――病院の例
第5章 合併自治体の財政分析
 合併自治体の分析目的とデータのダウンロード/データ整理の手順/歳入グラフの読み取り/歳出グラフの読み取りと詳細データ/地方債の分析
第6章 被災自治体の財政分析
 国による財政措置/復旧・復興事業分歳入の分析/歳出の分析/災害復旧事業と普通建設事業/復旧・復興事業                            

本田宏著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
医師・NPO法人医療制度研究会副理事長

A5判110頁 定価(本体1,100円)

 日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著者が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて糾弾します。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方にまで俎上に載せて追究します。

第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ

第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する

第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育

第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする

第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために

改訂新版『地域再生と町内会・自治会』

著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司

   
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
 私は「上原公子」

上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編

 国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
 第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り   上原公子
 第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる  
 窪田之喜
 第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
 田中 隆
 第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
 小川ひろみ
 第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
 年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
 くにたち上原景観基金1万人の会

地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』

岡田知弘・自治体問題研究所編

A5判 216ページ 本体2300円+税

 政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
 本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。

減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?

人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走

中山 徹

 国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。

わたしたちにもつとも近い法律の話し

地方自治法への招待

白藤 博行

 明日に向かう地方自治法と対話しよう!
 地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。

高齢期社会保障改革を読み解く

編者 社会保障政策研究会

著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏

 安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
 本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。

わたしたちの生活はどうデザインされているのか

社会保障のしくみと法

伊藤周平

 社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。

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加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)                 

自治体研究社  定価(本体2,200円十税)

 何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
 戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。

内 容 
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私

中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)

自治体研究社  定価2000円(本体1,852円十税)

 人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容 
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性

                    
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版) 
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!  

B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)

財政デザイン研究所代表理事  大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著

●基礎からステップアップまで
 決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
 財政を学ぶ心構え・分析方法
 赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
 自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税/地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか
 どこにおカネを使っているの?(歳出のしくみ): 目的別と性質別/「充当一般財源等」

『公共施設の統廃合・再編問題にどう取り組む-計画づくりから本格実施へ-』

角田英明
A5版・32頁 一般普及300円(地域研・自治労連割引単価200円)

 全国の自治体では、現在、公共施設等総合管理計画づくりが急ピッチで進められています。
 既に2015年度末までに全国30道府県、15指定都市、396市区町村でつくられ、今年度末にはほぼ全自治体で策定されます。これはこれまでのような個別施設の更新、統廃合に止まらず、公共施設全体を中長期的な視野に立って全面的に見直し、再編していくものです。そのため国は、公共施設等の解体撤去や公共施設の集約化・複合化、転用等に係る財政措置を講じて各自治体に計画の策定と実施を迫っています。同時に、この計画は「地方創生」戦略や市町村合併、指定管理者制度などと一体的に進められています。
 本書では、こうした状況を踏まえ、政府施策や各自治体の計画内容、今後の取組みの課題、方向を検討しました。皆さん方の活動に活用していただければ幸いです。

はじめに 
 1.いま、なぜ、公共施設の統廃合・再編か 
 2.計画の策定・推進に向けた政府の対応 
 3.各自治体の計画づくりと実施方針(秦野市 さいたま市 相模原市)
 4.今後の取り組みの留意点と課題 
 5.「地方創生」総合戦略と一体的に推進 
 6.市町村合併の中で進む公共施設の統廃合・再編 
 7.指定管理者制度における公共施設の再編問題 
おわりに

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