第110号
第110号
第110号
2018・02・20更新
早咲きの「八重寒紅」「八重冬至」咲く・水戸講道館=水戸市
偕楽園は「日本三名園」のひとつ。天保13年(1842年)に水戸藩第九代藩主徳川斉昭によって造園。千波湖に臨む七面山を切り開き、領内の民と偕(とも)に楽しむとして「偕楽園」に。園は梅の名所として有名だが、他にも四季折々の見所があり、春には桜、初夏には深紅のキリシマツツジ、真夏には緑あざやかな孟宗竹や杉林、秋には可憐な萩の花やモミジが見られる。眼下に広がる千波湖を望む景観は絶景。
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新年度から国保負担が34市町村で増える
2018年度からの国民健康保険の広域化に伴って、県が市町村に求める保険料の負担額を計算したところ、34市町村で1人あたりの年間保険料が増額になることが明らかになった。増額幅は年平均で2386円となるが、10市町では負担が軽減する。国民健康保険はこれまで市町村が運営していたが、18年度から県が財政運営の責任を担い、事業に必要な費用を自治体の保険料から納付金として徴収する。過去5年間の療養費などの伸び率から計算したところ、県が18年度、市町村に負担を求める保険料の総額は約854億円。平均で1人あたり年間11万6015円で、17年度比で1410円の増となる。県は「市町村間の支え合いでまかなう」として、加入者の所得や医療費が高い自治体に負担を求めるとした。ただ、急激な負担増を抑えるため44億円の公金を投入し、1人あたりの保険料増額分が17年度比で2・5%以内に収まるよう調整するとした。
保険料が増額となる34市町村のうち、増額幅が最も大きいのは坂東市の3013円。次いでつくば市の2963円、桜川市の2917円の順となった。国民健康保険財政は赤字の市町村が多い。自治体は算定結果を踏まえ、求められる負担を加入者の保険料値上げでまかなうか、一般会計から特別会計への繰り入れを増やして穴埋めするか、3月議会などで対応を決めざるをえない。増額が大きかったつくば市が算定の見直しを求める要望書を提出するなど、市町村からは算定過程について詳細な説明を求める声も出ている。
つくば市議会は1月11日、国民健康保険の運営広域化に伴い、県が市町村に求める「納付金」の仮算定の見直しを求める意見書を可決した。1人あたりの年間平均保険料の増額幅が県内自治体でトップとなり、意見書は「一般会計から著しい増加が見込まれる」と指摘している。来年度について、つくば市は前年度比1・6%増の年間約63億円の保険料納付を求められた。1人あたりでは県内で最も多い年間平均3117円の増額となる計算だ。
(2018.02.17朝日新聞参照)
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事務局から
会員の皆様へ
「研究費を合む『研究所財政強化』のための100万円年末募金のお願い」
昨年末、自治体問題研究所・理事長 岡田知弘氏の名前で表記のお願いが届きました。茨城研究所としても協力することにし、主として役員・顧問に要請し一定の応募を得ましたが、全国研の抱える厳しい状況については広く会員にも理解していただくことが重要であると考え下記に願い文を掲載することにしました。
ご理解とご協力を戴ければ幸甚であります。
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研究費を含む「研究所財政強化」のための100万円募金のお願い
自治体問題研究所は設立以来、地方自治の発展とそのための出版物の普及をめざして、社会に対して一定の貢献をしてまいりました。しかし団塊の世代が退職するなかで会員が減少し、また、“活字離れ"が言われる時代にあって出版事業も伸び悩むなど、かつてなく経営が難しくなっております。そのことにより、憲法と地方自治が戦後最大の危機を迎えたこの時期に、研究活動についても十分な資金を生み出せなくなっております。
そこで理事会で議論を重ね、会員の拡大や組織強化のための専任事務局員を置き、また新刊書を中心とした宣伝の強化などの方策を決定してまいりました。
しかしこれらの方策は、効果が現れるまでしばらく時間がかかることが予想されますことから、みなさまに「研究費を含む研究所財政強化」の目的で100万円を目標としたご寄付をお願いすることにいたしました。
心苦しい限りですが、みなさまのご協力をお願いするしだいです。
2017年12月12日
自治体問題研究所理事長 岡田知弘
募金口座: 三井住友銀行浜松町支店 普通預金0144243 名義「自治体問題研究所」
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政(まつ)りごとしみて五輪の花が咲き
改憲派最後のチャンスと大はしゃぎ
大臣は線香くばって経読まず
100時間過労死そく進する総理
3000万署名一筆残り雪
泉 明 羅
(泉明羅・本名 福田正雄 水戸市在住、句歴 十二年、所属 元吉田川柳の会)
連載「小話コーナー」
第4回
『ちょっと一息』
電気屋のご隠居トメさんは、ちょくちょく
待合室の修繕をしてくれる。
とても有り難いが、患者さんが何人居ようと
騒音も埃もお構いなし。
「トメさん金槌は……。あ、鋸もちょっと」
と制止するが、修繕は独演会の前振りにすぎないので
気を悪くするでもなくさっさと止めて、どこかで仕入
れてきたばかりの知識の披露が始まる。
「天皇家はヨ、神話の時代から続いてんだが、
日本の神話は実に非科学的なんだよな」
‖ン?科学的な神話ってあるの?‖
「日本の神様は脇の下とか櫛の歯から生まれたんだよ。
非科学的だっぺ。そこへ行くと西洋は実に科学的なんだ。
何しろ処女懐胎だからよ。たいしたもんだよな。」
‖ ? ? ? ? ? ‖
高木 知子(茨城県自治体問題研究所 理事)
周辺のいべんと
自治が育つ学びと協同 南信州・阿智村
『自治が育つ学びと協働 南信州・阿智村』出版記念シンポジウム
社会教育・生涯学習研究所は20周年を迎え、阿智村調査研究の本をまとめました。出版記念シンポジウムは、村民の執筆者に登壇いただき、阿智村の「自治」を育てる「学び」と「協働」の意義を確認しながら、これからの「住民主体の村づくりを」考えていきます。どなたでも参加できます。ぜひご参加ください。
◇日時 2018年3月17日(土)12時開場 12時30分~2時30分
◇場所 熊谷元―写真童画館・2階イベントホール 長野県下伊那郡阿智村智里331-1
◆登壇者
◆コメンテーター
林 茂伸氏(満蒙開拓平和記念館ボランティアガイド)
高橋寛治氏(Localization Planner)
小林ちずか氏(NPO法人なみあい育遊会)
◆進行
熊谷時雄氏(元智里西地区開発協同組合専務)
辻 浩氏(日本社会事業大学教授)
山本昌江氏(阿智村保健師)
◇参加費無料、問合せ = kenqjo@yahoo.co.jp (社会教育・生涯学習研究所)
□主催 あち自由大学 社会教育・生涯学習研究所
□後援 自治体研究社
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新刊紹介
本田宏著『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』
医師・NPO法人医療制度研究会副理事長
A5判110頁 定価(本体1,100円)
日本の医療はどなってしまうのか。日本の社会保障はどうなっているのか。外科医として36年間、医療の最前線に立ち続けてきた著者が、医療・社会保障崩壊の実態を体験とデータに基づいて糾弾します。そして、日本のどこが問題で何を変えれば医療や社会保障が充実するのかを、政治、社会、教育、デモクラシーのあり方にまで俎上に載せて追究します。
目次から
第1章 外科医引退、市民運動ヘ
私が医師になつたきつかけ/想像を絶した地方勤務医の生活/先進国最少の医師数、そして「精も根も尽き果てるような働き」/医療再生の機運は高まつたものの/外科医引退、市民運動ヘ
第2章 諦めずに明らめるために
群盲象をなでるはダメ、全体像を把握せよ/Follow the money、ショック・ドクトリンに編されるな/温故知新、歴史に学べ/グローバルスタンダードと比較する
第3章 報道の自由度とメディア・リテラシー
報道の自由度とメディア・リテラシー/情報操作の実態/なぜ正論が通らないのか?/考えさせない日本の教育
第4章 日本の社会保障が充実しない理由
不平等が前提?「世界の多様性」に見る日本の特殊性/社会保障充実を阻む? 日本人の国民性/社会保障充実のためにどうする
第5章 社会保障財源獲得は可能か
日本の社会保障と公共事業予算/止まらない大型公共事業の実態/社会保障財源獲得のために
準新刊
改訂新版『地域再生と町内会・自治会』
著者 中田実・山崎丈夫・小木曽洋司
私たちの景観保護運動、私たちの自治のあり方
国立景観裁判・ドキュメント17年
私は「上原公子」
上原公子・小川ひろみ・窪田之喜・田中隆 編
国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘い至るまでの17年間を跡づけます。付度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に賠償金を求めるという理不尽な裁定を全国的な募金運動によって完済していきます。 この市民を中心にした支援運動が大きな共感を勝ち得ていく過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示しています。
≪目次より≫
第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り 上原公子
第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判 ●自治の姿をみる
窪田之喜
第3章 国立景観求償訴訟 ●問われたもの、裁けなかったもの
田中 隆
第4章 「上原景観基金1万人」運動 ●4556万2926円完全返済への道のり
小川ひろみ
第5章 国立景観裁判と「私」 保坂展人ほか
年 表 国立の市民自治・明和マンション問題
くにたち上原景観基金1万人の会
地域と自治体 第38集『TPP・FTAと公共政策の変質―』
岡田知弘・自治体問題研究所編
A5判 216ページ 本体2300円+税
政府は、TPP11ヵ国、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日本とEU との間での日EU・EPA など、メガFTAをめぐる交渉を、国民には情報を公表しないまま進めている。いずれも「TPP プラスα」の内実となっており、交渉の結果は、国民の暮らし、地域経済、国や地方自治体の公共サービス・公共政策を大きく変質させる危険性をもつ。
本書では、日本の先をゆく米韓FTA の現実をはじめとする世界のFTA の実際とその政治経済を読み解き、TPP協定をはじめFTA の中に組み込まれている“投資家の自由度を最優先で保障する仕組み”が、国民主権や地方自治にいかなる問題を引き起こすのか、とりわけ国有(公有)企業や生命保険・共済・食品安全・健康・労働のあり方の変質を分析。
減りつづける人口。日本のまちのあり方とは?
人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走
中山 徹 著
国家戦略特区をはじめ新たな公共事業政策、リニア中央新幹線、長崎・北陸新幹線の沿線整備、MICEによる国際会議・展示会の誘致、立地適正化計画による都心開発など、大規模開発計画が乱立している。この現状を分析して、人口減少時代にふさわしいまちづくりとは何かを考察する。
わたしたちにもつとも近い法律の話し
地方自治法への招待
白藤 博行 著
明日に向かう地方自治法と対話しよう!
地方自治は、憲法が保障する民主主義への道のひとつです。そして地方自治法は、憲法が保障する基本的人権を具体化する法律。近くの人権だけでなく、遠くの人権保障へのまなざしを忘ねず、憲法で地方自治法を、地方自治法で憲法を考えましょう。
高齢期社会保障改革を読み解く
編者 社会保障政策研究会
著者 芝田英昭・潰畑芳和・荻原康一・鶴田禎人・柴崎祐美・曽我千春・密田逸郎・村田隆史・小川栄二・本田 宏
安倍政権下の社会保障政策の本質は、予算削減や自己負担増だけではなく社会保障の市場化・産業化にある。それは、とりわけ高齢期社会保障政策において顕著にみられる。
本書は、第2次安倍政権発足以降の中期の視点で高齢期社会保障改革を分析し、改革の基本視点を提起することに努めた。また、高齢者の生活実像を踏まえた市民による改革運動の姿を提起した。
わたしたちの生活はどうデザインされているのか
社会保障のしくみと法
伊藤周平著
社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。ひるがえって財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と現状の社会保障法理論の問題点を検討する。
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加茂利男著『地方自治の再発見ー不安と混迷の時代に』(2017/06/05)
自治体研究社 定価(本体2,200円十税)
何が起こるかわからない時代、地域から世界をながめ、世界から自治を再発見する。
戦争の危機、グローバル資本主義の混迷、人口減少社会 ー 激流のなかに地方自治の新しい可能性を発見する。
内 容
序 章 「何が起こるかわからない時代」の始まり
第1章 混迷する世界と資本主義のゆくえ
第2章 地方自治の再発見
第3章 「平成の大合併」の検証
第4章 「日本型人口減少社会」と地方自治
終 章 21世紀を生きる
補 遺 講演・地方自治と私
中田 実著『新版 地域分権時代の町内会・自治会』(2017/05/20)
自治体研究社 定価2000円(本体1,852円十税)
人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協働する町内会の可能性を多角的に分析する。
内 容
第1章 町内会とはどういう組織か
第2章 町内会をどう見るか─立ち位置によって見え方が違う町内会
第3章 町内会における自治の二側面─住民自治の諸相
第4章 地域での共同の暮らしの組織─機能の包括性の意味
第5章 町内会と自治体行政との関係
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
第8章 町内会の下部組織と上部組織
第9章 町内会とNPOの協働
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
第11章 町内会の運営の刷新
第12章 町内会の活動の刷新
第13章 行政からの自立と協働
第14章 地域内分権と住民代表性─地域自治区を考える
第15章 地縁型住民組織の可能性
『習うより慣れろの市町村財政分析』(4訂版)
「地方財政状況調査票」に基づいて大幅改定。分析表を充実させた4訂版!
B5判 168 ページ 定価(本体2500 円+税)
財政デザイン研究所代表理事 大和田一紘
財政デザイン研究所主任研究員 石山 雄貴 著
●基礎からステップアップまで
決算カードと決算統計、予算説明書などを使って、歳入、歳出、決算収支、財政指標を分析する方法を分かりやすく紹介する基礎編と、類似団体との比較、特別会計や補助金の分析、合併自治体の財政分析などを紹介するステップアップ編の53講で財政分析の手法がわかる。
●主な内容
財政を学ぶ心構え・分析方法
赤字か黒字かをみる「決算収支」: 赤字団体?黒字団体?
自治体の収入はどれくらい?(歳入をみる): 四大財源/一般財源と特定財源/経常と臨時/地方税/地方交付税のしくみ/財政力指数 ほか
どこにおカネを使っているの?(歳出のしくみ): 目的別と性質別/「充当一般財源等」
『公共施設の統廃合・再編問題にどう取り組む-計画づくりから本格実施へ-』
角田英明
A5版・32頁 一般普及300円(地域研・自治労連割引単価200円)
全国の自治体では、現在、公共施設等総合管理計画づくりが急ピッチで進められています。
既に2015年度末までに全国30道府県、15指定都市、396市区町村でつくられ、今年度末にはほぼ全自治体で策定されます。これはこれまでのような個別施設の更新、統廃合に止まらず、公共施設全体を中長期的な視野に立って全面的に見直し、再編していくものです。そのため国は、公共施設等の解体撤去や公共施設の集約化・複合化、転用等に係る財政措置を講じて各自治体に計画の策定と実施を迫っています。同時に、この計画は「地方創生」戦略や市町村合併、指定管理者制度などと一体的に進められています。
本書では、こうした状況を踏まえ、政府施策や各自治体の計画内容、今後の取組みの課題、方向を検討しました。皆さん方の活動に活用していただければ幸いです。
はじめに
1.いま、なぜ、公共施設の統廃合・再編か
2.計画の策定・推進に向けた政府の対応
3.各自治体の計画づくりと実施方針(秦野市 さいたま市 相模原市)
4.今後の取り組みの留意点と課題
5.「地方創生」総合戦略と一体的に推進
6.市町村合併の中で進む公共施設の統廃合・再編
7.指定管理者制度における公共施設の再編問題
おわりに
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