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第11号

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「いばらきの地域と自治」(第11号)


  • 屈託のなき日重ぬる懐手(ふところで)
  • 着ぶくれて傍目(はため)気にすることもなく
  • 諦観も世過ぎのうちや神の留守

作:高島つよし
(高島剛・常総市(旧水海道市)在住、元県職員、小貝保育園長、当研究所顧問)



地方議員はどっちを向いている 
-他山の石となすべし ―


下妻市在住・元下妻市職員組合委員長 

塚 本  武

 さきの総選挙で自・公政権が崩壊して民主党を中心の政権が発足し、日本は新しい時代に入りましたが、これは「積年の自民党政権が、アメリカと大企業・大資産家の利益のためにだけ血道をあげて、国民をないがしろにしてきたことに対する国民の怒りの発露であって、民主党を支持したことではない」ことは多くの識者の指摘しているところです。
 ところで、地方議員(主に保守系の)の多くはこのことが分かっていないようです。
 下妻市議会の9月定例会に県西農民連から「生産者米価の暴落を防ぐために政府備蓄米20万トンを緊急買い入れを求める請願」が出されましたが、市議会は、それを否決し不採択となりました。農村出身議員が多数を占める市議会で「生産者米価の下落を防ぐ請願」が否決されるとは考えられないことです。つまり彼らは、農家が生産費も償われない米価に苦しんでいることも、日本の食糧・農業のことも眼中にないのです。しかも彼らの多くは自民党の党員であることを自認したり、そう見られている面々です。
 農村出身の議員が農家のこえを代弁しないで誰が農業を守るのでしょうか。自民党が国民から見捨てられたのには彼らにも一端の責任があるかも知れません。自民党の候補者が枕を並べて落選したのも、国民の声を無視し続けたからです。議員に限らず自治体関係者は「他山の石」となすべしです。


投 稿

「食」と「農」の現状を想う

                         

国民の食糧と健康を守る茨城県連絡会
茨城県自治体問題研究所理事

宇 佐 神 忠 捷

 近頃、多くの人々が「食」や「農」に関心をもつようになっています。特に「農」のもつ機能、私たちの生活とのかかわりなどが改めて考えられ、その重要性が認識されてきています。このような動きの背景には、「食の安全」や「農の現状・将来」に対する不安や心配もあります。 私たちは、BSEの問題、農薬入り冷凍餃子や汚染米、遺伝子組み換え食品など毎日食する食品への不安や心配を抱いています。

 一方、「食」の元となる「農」が大変脆弱な実態にあることを知り、いっそうの不安をもっています。
 長年にわたって農産物の輸入自由化が進められてきました。これは、国民の食料が際限なく海外へ依存する政策の推進であり、そのもとで日本の農民は「水よりも安い米」をつくることを余儀なくされてきたわけです。その結果、「農業では食べていけない」状態がつくられ、今多くの農家が「農業経営を続けていけるのだろうか」という状況に追い込まれています。
 一例をあげれば、私たちの主食である米の値段は、1997年以降生産費を下まわり、農家の実際の手取りは生産費を5,000円近く(60㎏)下回っています。野菜や畜産物についても同じような状態が起きており、日本農業新聞は10月の野菜価格が前年同月比14%安、2年8カ月ぶりにキロ単価が200円を割り込んだと報じています。

 こうした状況は、統計でもはっきり表れており、農家戸数はピークの1960年の606万戸が08年には半分以下の252万戸に減少し、そのうち農業で生活している主業農家は37万戸、全体の5分の1です。しかも、高齢化が進み、農業生産を担うひとが不足するという事態に直面しています。

 世界では飢餓人口が10億人を突破し、食糧危機はますます深刻な状況です。新聞報道によると世界有数の米輸出国インドが、干ばつなどの被害で21年ぶりに輸入国に転じざるを得ないということです。こうした中で、40%という低い食料自給率の日本で、私たちはどうすべきかが問われています。答えは、「カネを出せば食料を手に入れる」時代ではないことを認識し、世界最大の輸入国である日本が食料自給率の向上に向けた取り組みを強めることです。このことは、日本国民が安全に、安心して暮らせるために最低の条件であり、国の果たすべき最も重要な仕事です。

 いまこそ、私たちは「農」と「農業」そして「食」の問題で、消費者と生産者の共同の輪をつくり、強め、農業・食糧政策の転換を求める運動を旺盛に起すとともに、自らの「食」を見直し、地産地消など地場での取り組みを強めようではありませんか。
ここで、私が活動に参加している「食健連(国民の食糧と健康を守る運動連絡会)」を紹介いたします。

 全国食健連は、来年3月で結成20年を迎えますが、茨城食健連はこれより1年前に農民組合(現農民連)、労働組合、生協、婦人団体の中で「食と農」を考え行動する共同組織をつくろうという話がまとまり結成されました。私も結成に参画し、以来20年活動に参加してきました。
 この間、コメの輸入自由化をはじめ、WTO体制下で農業つぶしといえる農政が進められ、一方、私たちの健康に直結する「食」の安全を脅かす事件が次々とお起きました。

 私たちは、こうした問題に対して生産者、消費者という立場の違いを超えて「国民の食糧と健康を守る」という一点で一致した要求で共同を広げ運動をしてきました。会員が相互に交流を深め、学び合い、私たちの望む食料、農業政策の転換を求める運動の輪を大きくしたいと思い活動しています。

 茨城食健連では、誰でも参加できる学習会と毎年「食と農の交流フェスタ」を開催しています。今年はこのフェスタに県のJA組織が参加し、「弁当の日」をテーマに一日交流が行われました。私たちはこれからも運動の輪を広げ、誰もが大切に思っている「食と健康」、そして「農業」について一諸に考え、より良いものにしていきたいと思います。

 皆さんの参加を期待しています。


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